JP2017032852A - 反射防止膜及び光学部品 - Google Patents

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佑一 加茂
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Abstract

【課題】広帯域で反射防止効果を有し、高温高湿下で膜剥がれのない耐湿性が良好な反射防止膜を提供する。
【解決手段】ガラス基板112上又は水晶基板上に、高屈折率材料と低屈折材料とが、交互に3層以上12層以下に積層されてなる多層膜101〜108上に、MgF層109が積層され、このMgF層109上に、Si0層110が最上層として積層される。
【選択図】図1

Description

本発明は、可視域から赤外域までの広帯域で反射防止効果を有する反射防止膜及びそれを用いた光学部品に関する。
テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ等の光学機器に搭載されるレンズ、フィルタ、プリズム等の光学部品には、光透過率を向上させることを目的として、反射防止膜が施され、特に、可視域での反射を抑えることで、像の明るさや見え易さを向上させることができる。
最近、赤外線による光学機器の利用が盛んになっており、例えば、赤外線カメラは暗所での撮影に適しているので、店舗等の各種施設に設置され、防犯や防災のための監視カメラとして用いられる。このような赤外線による光学機器の利用の拡大に伴い、可視域及び赤外域に亘る広帯域の反射防止膜の開発が要望されている。
従来、反射防止膜を多層化して、より広い波長域で、光線の反射を低く抑えるようにしており、例えば、特許文献1には、反射防止膜を8層構造にして低反射の波長帯域を可視域から赤外域まで拡大した広帯域の反射防止膜が記載されている。
特許第2711697号公報
反射防止膜では、最上層を屈折率の低い層とすることによって、優れた反射防止効果が得られるので、上記特許文献1の反射防止膜では、最上層である第8層を、屈折率の低いMgFとしている。
このようなMgF層を最上層とする多層の反射防止膜では、下記のように耐湿性に課題があることが分かった。
すなわち、本件出願人は、図4に示すように、ガラス基板112上に、低屈折材料であるSiOの薄膜と、高屈折率材料であるTiOの薄膜とを、第1層101から第8層108まで交互に積層し、最上層である第9層109にMgFの薄膜を積層した反射防止膜113を製造し、ダイシングした後、耐湿性を評価するために、高温高湿下、具体的には、温度60℃、湿度95%で250時間放置した。
その結果、ガラス基板の周縁部において、最上層である第9層のMgF層が、第8層のTiO層から剥離しているのが確認され、図5に示すように、膜が剥がれた箇所と剥がれていない箇所(非剥がれ箇所)との反射率特性を比較すると、剥離した箇所では、反射率特性が悪くなっていることが認められた。
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、可視域から赤外域までの広帯域で反射防止効果を有し、耐湿性に優れた反射防止膜及びこれを備える光学部品を提供することを目的とする。
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
すなわち、本発明の反射防止膜は、ガラス基板上又は水晶基板上に、高屈折率材料と低屈折材料とが、交互に3層以上12層以下に積層されてなる多層膜上に、MgF層が積層され、このMgF層上に、Si0層が最上層として積層される。
可視域から赤外域までの広帯域で良好な反射防止効果を得るためには、前記最上層の物理膜厚は、4nm〜60nmであるのが好ましく、また、前記最上層の物理膜厚と前記MgF層の物理膜厚との和が、90nm〜120nmであるのが好ましい。
本発明の反射防止膜は、波長帯域450nm〜900nmにおける反射率が、1%以下であるのが好ましい。
前記多層膜を構成する前記高屈折率材料は、TiOであるのが好ましく、前記低屈折材料は、SiOであるのが好ましい。
本発明の光学部品は、本発明に係る反射防止膜を備えている。
本発明の反射防止膜によると、ガラス基板上又は水晶基板上に、高屈折率材料と低屈折材料とが、交互に3層以上12層以下に積層されてなる多層膜上に、MgF層を積層し、その上に最上層としてSi0層を積層するので、広帯域で反射防止効果を有しながら、MgF層が最上層である場合に比べて、機械的強度及び膜の密着性を高めて、高温高湿下でも膜剥離のない良好な耐湿性の反射防止膜を得ることができる。
本発明の光学部品によると、可視域から赤外域までの広帯域で良好な反射防止効果を有すると共に、耐湿性が良好な反射防止膜を備えているので、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、車載カメラ等の光学機器に搭載されるレンズ、フィルタ、プリズム等に好適である。特に監視カメラの光学部品として好適である。
本発明によれば、ガラス基板上又は水晶基板上に、高屈折率材料と低屈折材料とが、交互に3層以上12層以下に積層されてなる多層膜上に、MgF層を積層し、その上に最上層としてSi0層を積層するので、広帯域で反射防止効果を有しながら、機械的強度及び膜の密着性を高めて、高温高湿下でも膜剥離のない良好な耐湿性の反射防止膜を得ることができる。
図1は本発明の一実施形態に係る反射防止膜の膜構成を示す図である。 図2は第10層及び他の全ての層の物膜膜厚を変更した場合の反射率特性を示す図である。 図3は第10層の物理膜厚と、この第10層の物理膜厚に第9層の物理膜厚を加算した物理膜厚との相関関係を示す図である。 図4は従来例の膜構成を示す図である。 図5は膜の剥離による反射率特性の劣化を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る反射防止膜の膜構成を示す図である。
この実施形態の反射防止膜111は、可視域及び赤外域の光線の反射を防止する広帯域の反射防止膜である。この反射防止膜111は、ガラス基板112上に、低屈折材料であるSiOからなる薄膜と高屈折率材料であるTiOからなる薄膜とを、第1層101から第8層108まで交互に積層して8層の多層膜を形成している。この多層膜は、8層に限らず、3層以上12層以下であればよい。多層膜が、3層未満では所望の分光特性が得られず、12層を超えると、膜の応力が大きくなって膜が剥離し易くなる。
この実施形態では、この多層膜上に、第9層109として低屈折材料であるMgFからなる薄膜を積層し、更に最上層である第10層110としてSiOからなる薄膜を積層している。すなわち、上記図4の反射防止膜113の最上層のMgF層109の上に、最上層としてSiOからなる薄膜を積層したものである。
このように本実施形態では、上記特許文献1や図4のように最上層をMgF層とするのではなく、MgF層上に、低屈折材料であるSiO層を積層して最上層としている。
MgF層上に、SiO層を積層して最上層とすることによって、可視域及び赤外域の広帯域で所望の反射率特性を有すると共に、機械的強度及び膜の密着性が高まり、高温高湿下でも膜剥離のない耐湿性に優れたものとなる。
この実施形態の反射防止膜111は、基板112上に、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法によって成膜される。
この実施形態において、中心波長λ=510nmのときの各層101〜110の光学膜厚及び物理膜厚を下記表1に示す。また、従来例として、図4に示す最上層がMgF層である反射防止膜113における、中心波長λ=510nmのときの各層101〜109の光学膜厚及び物理膜厚を下記表2に示す。
なお、各層101〜110の屈折率nは、中心波長λ=510nmに対する屈折率であり、SiOの屈折率は約1.45、TiOの屈折率は約2.33、MgFの屈折率は約1.38である。ここでいう光学膜厚ndは、次式により求められる。
nd=n×d=λ/4(nd:光学膜厚、d:物理膜厚(nm)、n:屈折率、λ:中心波長(nm))
Figure 2017032852
Figure 2017032852
この実施形態では、表1に示すように、最上層である第10層110のSiO層の物理膜厚は、8.76nmである。
この第10層110のSiO層の物理膜厚は、分光特性に影響のない程度の厚みとされる。
具体的には、所定の規格を満足できるように、第10層110のSiO層の物理膜厚が規定される。
図2は、第10層110のSiO層の物理膜厚を変更すると共に、他の全ての層、すなわち、第1層101〜第9層109の物理膜厚を変更した場合の反射率特性を示す図である。
図2において、ラインL1は規格を示し、ラインL2は第10層110の物理膜厚4nmの反射率特性を示し、ラインL3は第10層110の物理膜厚8.7nmの反射率特性を示し、ラインL4は第10層110の物理膜厚13nmの反射率特性を示し、ラインL5は、第10層110の物理膜厚60nmの反射率特性を示し、ラインL6は、第10層110の物理膜厚65nmの反射率特性を示している。
この実施形態のラインL1で示される規格は、波長450nm〜900nmに亘って反射率が1%以下である。
ラインL2、L3、L4、L5で示される第10層110の物理膜厚4nm、8.7nm、13nm、60nmでは、規格を満足することができるが、ラインL6で示される第10層110の物理膜厚65nmでは、波長620nm前後、及び、480nm前後で規格を満足することができない。
したがって、規格を満足させるためには、第10層110のSiO層の物理膜厚は、60nm以下である必要がある。なお、第10層110のSiO層の物理膜厚4nm以下の場合、充分な機械的強度を得られなくなってしまう。
以上のことを考慮すると、第10層110のSiO層の物理膜厚は、4nm以上60nm以下であるのが好ましい。
図3は、上記図2のように、第10層110のSiO層の物理膜厚を変更すると共に、他の全ての層101〜109の物理膜厚を変更した場合に、第10層110のSiO層の物理膜厚と、この物理膜厚に第9層109のMgF層の物理膜厚を加算した物理膜厚との相関関係を示す図である。
この図3に示すように、第10層110のSiO層の物理膜厚が厚くなっていくにつれて、第9層109のMgF層の物理膜厚と第10層110のSiO層の物理膜厚とを加算した物理膜厚は、110nmから徐々に小さくなり、第10層110のSiO層の物理膜厚が約30nm以上では、約100nmで略一定となっている。
上記規格を満足するためには、第10層110のSiO層の物理膜厚が変化しても、第9層109のMgF層の物理膜厚と第10層110のSiO層の物理膜厚とを加算した物理膜厚は、90nm〜120nmであるのが好ましく、より好ましくは、100〜110nmである。
この実施形態の反射防止膜111は、次のような機械的強度の規格、すなわち、よく脱脂されたクリーニングペーパーにて、荷重4.9N/cm(500g/cm)で200回擦っても表面に傷がつかないという規格を満足し、十分な機械的強度を有している。
また、高温高湿下、具体的には、温度60℃、湿度95%で250時間放置しても膜の剥がれが認められず、上記図5のような反射率特性の劣化も見られず、耐湿性が良好であった。
以上のように本実施形態の反射防止膜111は、可視域から赤外域までの広帯域に亘って高い反射防止効果を有すると共に、優れた耐湿性を有しているので、高湿度雰囲気で用いられる光学部品、例えば、レンズ、フィルタ、プリズム等に最適である。
上記実施形態では、ガラス基板112を用いたが、ガラス基板112に代えて、水晶基板を用いてもよい。
また、第1層101〜第8層108で構成される多層膜は、高屈折材料として、TiO2に代えて、ZrO、Ta、Nb等を用いてもよく、低屈折率材料としてSiO2に代えて、MgF、AlF等を用いてもよい。
上記のように多層膜は8層に限らず、また、低屈折材料からなる薄膜と高屈折率材料からなる薄膜との積層の順序も上記に限定されるものではない。
101〜110 第1層〜第10層
111,113 反射防止膜
112 ガラス基板

Claims (6)

  1. ガラス基板上又は水晶基板上に、高屈折率材料と低屈折材料とが、交互に3層以上12層以下に積層されてなる多層膜上に、MgF層が積層され、このMgF層上に、Si0層が最上層として積層される、
    ことを特徴とする反射防止膜。
  2. 前記最上層の物理膜厚が、4nm〜60nmである、
    請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 前記最上層の物理膜厚と前記MgF層の物理膜厚との和が、90nm〜120nmである、
    請求項1または2に記載の反射防止膜。
  4. 波長帯域450nm〜900nmにおける反射率が、1%以下である、
    請求項1ないし3のいずれか記載の反射防止膜。
  5. 前記多層膜を構成する前記高屈折率材料が、TiOであり、前記低屈折材料が、SiOである、
    請求項1ないし4のいずれか記載の反射防止膜。
  6. 前記請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の反射防止膜を備える、
    ことを特徴とする光学部品。
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CN113031122A (zh) * 2019-12-25 2021-06-25 柯尼卡美能达株式会社 带防反射膜的光学透镜、投影透镜以及投影透镜光学系统
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