JP2014032330A - ハーフミラー及びデジタル一眼レフカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】ランダム偏光だけでなくS偏光とP偏光に対しても可視域で平坦な反射特性を有するハーフミラーを提供する。
【解決手段】波長587.56 nmの光に対する屈折率nd=1.45〜1.55のガラス基板2の一面21に屈折率nd=2.00〜2.40の高屈折率膜と屈折率nd=1.35〜1.50の低屈折率膜とを少なくとも10層交互に積層してなる多層膜3が設けられ、前記ガラス基板に接する膜が高屈折率膜であることを特徴とするハーフミラー。
【選択図】図2

Description

本発明は、デジタル一眼レフカメラに好適なハーフミラー、及びそれを具備するデジタル一眼レフカメラに関する。
近年、銀塩フィルムに代わり、CCDやCMOS等の撮像素子で撮影した画像を電気信号に変換して記録素子に記憶するデジタルカメラが普及している。デジタルカメラでも一眼レフタイプは銀塩フィルムを用いるカメラの場合と同様に撮影レンズによって結ばれた被写体の像を直接ファインダーで観察することができるため、空間的な視差が発生しないという利点がある。
従来から知られているデジタル一眼レフカメラの一例を図1に示す。図1に示すデジタル一眼レフカメラでは、撮像レンズ101を透過した光束はハーフミラー102により透過光と反射光に分割され、透過光は撮像素子104に導かれ、反射光はファインダー光学系105のピント板106にほぼ垂直に入射し、ペンタプリズム107の内部で反射した後に接眼光学系108に導かれる。ハーフミラー102の入射面103には、所定の角度で入射した光束の可視域波長380〜780 nmの成分に対して所望の反射・透過特性が得られるように設計された誘電体多層膜が設けられている。
特開平3-109504号公報(特許文献1)は、屈折率1.517の基板表面にZrO2、MgF2、ZrO2、MgF2及びZrO2の誘電体膜をこの順で積層してなる5層膜が形成されており、波長400〜700 nmにおいて45°入射の反射率が約50%であるハーフミラーを開示している。特許2624827号公報(特許文献2)は、屈折率1.51の基板表面にZrO2+Al2O3、TiO2、SiO2及びTiO2の誘電体膜をこの順で積層してなる4層膜が形成されており、波長400〜700 nmにおいて30°入射,45°入射及び60°入射の反射率が約50%であるハーフミラーを開示している。
特許2725043号公報(特許文献3)は、屈折率1.51の基板表面に屈折率1.63、屈折率1.38、屈折率2.35、屈折率1.38、屈折率2.35及び屈折率1.38の誘電体膜をこの順で積層してなる6層膜が形成されており、波長400〜700 nmにおいて45°入射の反射率が約50%であるハーフミラーを開示している。また引用文献3は別の例として、屈折率1.51の基板表面に屈折率1.63、屈折率1.46、屈折率1.80、屈折率1.38、屈折率2.35、屈折率1.38、屈折率2.35及び屈折率1.38の誘電体膜をこの順で積層してなる8層膜が形成されており、波長400〜800 nmにおいて45°入射の反射率が約50%であるハーフミラーを開示している。
しかし、これらのハーフミラーは自然光(ランダム偏光)に対しては可視域で反射率が約50%と平坦な反射特性を有するが、偏光した入射光(S偏光又はP偏光)に対しては可視域で反射特性が平坦でないため、反射光の色度が変化するという問題がある。例えば偏光フィルタを使用して撮影した場合や、斜め入射する反射光を撮影したりした場合(例えば水面や建物の窓ガラスでの反射光を斜めから撮影するような場合)に、ファインダーを覗いた際の画像の色合いと実際に撮影した画像の色合いに差が見られる。
一般に、ハーフミラー102により分割された光束のうち透過光は撮像素子104にほぼ垂直に進むため偏光成分の影響を受けにくいが、反射光は反射角度が大きいので偏光成分の影響を受けやすい。またペンタプリズム107の内面反射は銀ミラーによるもので可視域では95%以上の反射率を有し、また入射角度も約20°と小さいので偏光成分の影響は小さく、接眼光学系108にはほぼ垂直で入射していくので、接眼光学系108において生じる偏光成分の影響も小さい。従って、ファインダーを覗いた際の画像の色合いと実際に撮影した画像の色合いの差は、ハーフミラー102の反射・透過特性に寄るところが大きい。
特開昭60-28602号公報(特許文献4)は、屈折率1.52の基板表面にZrO2、Ag及びMgF2からなる3層膜が形成されており、波長400〜700 nmにおいて45°入射のS偏光とP偏光の反射率が約50%であるハーフミラーを開示している。このハーフミラーは金属であるAg膜を利用していているため、Ag膜の光吸収効果により分岐光の光量が低下するという問題がある。さらにAg膜は環境中の硫黄成分や塩素成分と反応し易く、経時変化で曇り易いという問題がある。
特開平3-109504号公報 特許2624827号公報 特許2725043号公報 特開昭60-28602号公報
従って本発明の目的は、ランダム偏光だけでなくS偏光とP偏光に対しても可視域で平坦な反射特性を有するハーフミラーを提供することである。
本発明の別の目的は、かかるハーフミラーを有するデジタル一眼レフカメラを提供することである。
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、ガラス基板の一面に所定の高屈折率膜と低屈折率膜を少なくとも10層交互に積層することにより、ランダム偏光だけでなくS偏光とP偏光に対しても可視域で平坦な反射特性を有するハーフミラーが得られることを発見し、本発明に想到した。
即ち、本発明のハーフミラー及びデジタル一眼レフカメラは以下の特徴を有している。
[1] 波長587.56 nmの光に対する屈折率nd=1.45〜1.55のガラス基板の一面に屈折率nd=2.00〜2.40の高屈折率膜と屈折率nd=1.35〜1.50の低屈折率膜とを少なくとも10層交互に積層してなる多層膜が設けられ、前記ガラス基板に接する膜が高屈折率膜であることを特徴とするハーフミラー。
[2] 上記[1] に記載のハーフミラーであって、可視光波長域380〜780 nmにおいて、ランダム偏光反射率がランダム偏光平均反射率±3%の範囲にあり、S偏光反射率がS偏光平均反射率±7%の範囲にあり、P偏光反射率がP偏光平均反射率±7%の範囲にあることを特徴とするハーフミラー。
[3] 上記[1] 又は[2] に記載のハーフミラーであって、ランダム偏光反射率、S偏光反射率及びP偏光反射率のCIE色度座標が白色の座標から0.007の範囲内にあることを特徴とするハーフミラー。
[4] 上記[1]〜[3] のいずれかに記載のハーフミラーであって、ランダム偏光平均反射率が45〜55%であることを特徴としたハーフミラー。
[5] 上記[1]〜[4] のいずれかに記載のハーフミラーであって、入射角45°の光束を分岐させる45°入射用ハーフミラーであることを特徴とするハーフミラー。
[6] 上記[1]〜[5] のいずれかに記載のハーフミラーであって、前記ガラス基板側から、
1層目の高屈折率膜の光学膜厚が40〜85 nmであり、
2層目の低屈折率膜の光学膜厚が35〜130 nmであり、
3層目の高屈折率膜の光学膜厚が110〜290 nmであり、
4層目の低屈折率膜の光学膜厚が50〜130 nmであり、
5層目の高屈折率膜の光学膜厚が50〜135 nmであり、
6層目の低屈折率膜の光学膜厚が100〜215 nmであり、
7層目の高屈折率膜の光学膜厚が125〜175 nmであり、
8層目の低屈折率膜の光学膜厚が150〜215 nmであり、
9層目の高屈折率膜の光学膜厚が150〜200 nmであり、
10層目の低屈折率膜の光学膜厚が70〜115 nmであることを特徴とするハーフミラー。
[7] 上記[1]〜[6] のいずれかに記載のハーフミラーであって、前記高屈折率膜がTiO2,Nb2O5,Ta2O5,CeO2,ZrO2,HfO2,SnO2,In2O3,ZnO,ZnS,La2O3及びSb2O3からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなり、前記低屈折率膜がNaF,CaF2,LiF,MgF2及びSiO2からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなることを特徴とするハーフミラー。
[8] 上記[1]〜[7] のいずれかに記載のハーフミラーにおいて、前記ガラス基板の他方の面に反射防止膜が設けられていることを特徴とするハーフミラー。
[9] 上記[1]〜[8] のいずれかに記載のハーフミラーを具備することを特徴とするデジタル一眼レフカメラ。
本発明のハーフミラーは、入射光の偏光成分に対しても可視域において平坦な反射特性を示すので、デジタル一眼レフカメラ等において光束を撮像素子とファインダー光学系に分岐するのに好適である。特に偏光フィルタを使用して撮影した場合や、斜め入射光の反射光を撮影したりした場合に、ファインダーを覗いた際の画像の色合いと実際の撮影した画像の色合いの差を非常に小さくできる。
デジタル一眼レフカメラを示す図である。 本発明の一実施例によるハーフミラーを示す図である。 本発明の別の実施例によるハーフミラーを示す図である。 本発明の参考例によるハーフミラーの45°入射角分光反射特性の計算結果を示すグラフである。 図4の計算結果を示すCIE色度図である。 本発明の一実施例によるハーフミラーの45°入射角分光反射特性の計算結果を示すグラフである。 図6の計算結果を示すCIE色度図である。 本発明の別の実施例によるハーフミラーの45°入射角分光反射特性の計算結果を示すグラフである。 図8の計算結果を示すCIE色度図である。 本発明のさらに別の実施例によるハーフミラーの45°入射角分光反射特性の計算結果を示すグラフである。 図10の計算結果を示すCIE色度図である。 実施例1のハーフミラーの多層膜が形成された入射面の45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 図12の測定結果を示すCIE色度図である。 実施例2のハーフミラーの反射防止膜が形成された出射面の45°入射角分光反射率の測定結果を示すグラフである。 実施例2のハーフミラーの45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 実施例3のハーフミラーの多層膜が形成された入射面の45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 図16の測定結果を示すCIE色度図である。 実施例4のハーフミラーの反射防止膜が形成された出射面の45°入射角分光反射率の測定結果を示すグラフである。 実施例4のハーフミラーの45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 実施例5のハーフミラーの多層膜が形成された入射面の45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 図20の測定結果を示すCIE色度図である。 実施例6のハーフミラーの反射防止膜が形成された出射面の45°入射角分光反射率の測定結果を示すグラフである。 実施例6のハーフミラーの45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 比較例1のハーフミラーの三層膜が形成された入射面の45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 図24の測定結果を示すCIE色度図である。 比較例2のハーフミラーの45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 比較例3のハーフミラーの多層膜が形成された入射面の45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 図27の測定結果を示すCIE色度図である。 比較例4のハーフミラーの45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 比較例5のハーフミラーの45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。 図30の測定結果を示すCIE色度図である。 比較例6のハーフミラーの45°入射角分光反射特性の測定結果を示すグラフである。
[1] ハーフミラー
本発明の一実施例によるハーフミラー1は、図2に示すように、ガラス基板2と、ガラス基板2の入射面21に設けられた多層膜3とを有する。
ガラス基板2は、波長587.56 nmの光に対する屈折率ndが1.45〜1.55である。ガラス基板2の材料としては、例えば、S-BSL7(株式会社オハラ製,屈折率nd=1.516)、青板ガラス(屈折率nd=1.512)、白板ガラス(屈折率nd=1.523)、D263(ショット日本株式会社製,屈折率nd=1.524)、合成石英(屈折率nd=1.459)等が挙げられる。
ガラス基板2の入射面21の反対側の面である出射面で光が反射することによりファインダーに2重像が写り込むのを防止するために、図3に示すように、ガラス基板2の入射面21の反対側の出射面22に反射防止膜4を設ける等の反射防止処理を施しても良い。
多層膜3は、ガラス基板2の入射面21に、波長587.56 nmの光に対する屈折率ndが2.00〜2.40の高屈折率膜と屈折率ndが1.35〜1.50の低屈折率膜とを少なくとも10層交互に積層してなり、ガラス基板2に接する膜は高屈折率膜である。「少なくとも10層」とは、本発明のハーフミラーの特性に影響を与えない範囲であれば多層膜3にさらに膜を追加しても良いことを意味する。例えば、ハーフミラーの特性に影響を与えない範囲であれば、高屈折率膜と低屈折率膜との間に屈折率の異なる薄い膜を挿入しても良い。また高屈折率膜又は低屈折率膜と同じ光学特性が得られるのであれば、高屈折率膜又は低屈折率膜のうち少なくとも1層を複数の膜で置き換えても良い。
このように、屈折率ndが1.45〜1.55のガラス基板2の入射面21に屈折率ndが2.00〜2.40の高屈折率膜と屈折率ndが1.35〜1.50の低屈折率膜とを少なくとも10層交互に積層してなる多層膜3を備えたハーフミラー1は、可視光波長域380〜780 nmにおいて、ランダム偏光反射率がランダム偏光平均反射率±3%の範囲にあり、S偏光反射率がS偏光平均反射率±7%の範囲にあり、P偏光反射率がP偏光平均反射率±7%の範囲にあるという光学特性を有する。
ランダム偏光反射率とはハーフミラー1への入射光の反射率であり、ランダム偏光平均反射率とはランダム偏光反射率の可視光波長域380〜780 nmにおける平均値である。S偏光反射率とはハーフミラー1への入射光のうちS偏光についての反射率であり、S偏光平均反射率とはS偏光反射率の可視光波長域380〜780 nmにおける平均値である。P偏光反射率とはハーフミラー1への入射光のうちP偏光についての反射率であり、P偏光平均反射率とはP偏光反射率の可視光波長域380〜780 nmにおける平均値である。
ランダム偏光のみならずS偏光とP偏光の反射特性も可視域で平坦であれば、ファインダーを覗いた際の画像の色合いと実際に撮影した画像の色合いとの差を抑えることができる。S偏光及びP偏光の反射特性をより平坦にするためには、S偏光反射率はS偏光平均反射率±7%の範囲にあるのがより好ましく、P偏光反射率はP偏光平均反射率±7%の範囲にあるのがより好ましい。また高屈折率膜の屈折率ndは2.10〜2.37であるのが好ましく、2.20〜2.35であるのがより好ましい。低屈折率膜の屈折率ndは1.37〜1.48であるのが好ましく、1.38〜1.47であるのがより好ましい。
本発明のハーフミラーは、ランダム偏光、S偏光、P偏光ともに可視域での波長依存性が少ないため、デジタル一眼レフカメラのハーフミラーとして好適に用いることができる。本発明のハーフミラーは、入射角が45°の光束を分岐させる45°入射用ハーフミラーであるのが好ましい。
ランダム偏光平均反射率は50%付近であるのが好ましい。S偏光及びP偏光の平均反射率は特に限定されないが、30〜70%であるのが好ましい。この範囲内でS偏光及びP偏光の平均反射率が異なっていても、S偏光及びP偏光の反射特性が可視域で平坦であれば、ファインダーを覗いた際の画像の色合いと実際に撮影した画像の色合いとの差は生じない。
多層膜3の膜厚は、ガラス基板2側から、
1層目の高屈折率膜の光学膜厚が40〜85 nmであり、
2層目の低屈折率膜の光学膜厚が35〜130 nmであり、
3層目の高屈折率膜の光学膜厚が110〜290 nmであり、
4層目の低屈折率膜の光学膜厚が50〜130 nmであり、
5層目の高屈折率膜の光学膜厚が50〜135 nmであり、
6層目の低屈折率膜の光学膜厚が100〜215 nmであり、
7層目の高屈折率膜の光学膜厚が125〜175 nmであり、
8層目の低屈折率膜の光学膜厚が150〜215 nmであり、
9層目の高屈折率膜の光学膜厚が150〜200 nmであり、
10層目の低屈折率膜の光学膜厚が70〜115 nmであるのが好ましい。
多層膜3の高屈折率膜はTiO2,Nb2O5,Ta2O5,CeO2,ZrO2,HfO2,SnO2,In2O3,ZnO,ZnS,La2O3及びSb2O3からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなるのが好ましく、低屈折率膜はNaF,CaF2,LiF,MgF2及びSiO2からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなるのが好ましい。ただし高屈折率膜及び低屈折率膜の材料は上述したものに限らず、本発明のハーフミラーの特性が得られるものであれば良い。
高屈折率膜及び低屈折率膜は、物理成膜法で形成するのが好ましい。物理成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法等が挙げられる。なかでも特に製造コスト、加工精度の面において抵抗加熱式、電子ビーム式等の真空蒸着法が好ましい。
本発明の参考例によるハーフミラーとして、屈折率1.51のガラス基板の入射面に表1に示す層構成を有する多層膜が形成されたハーフミラーを用いる。第1層をガラス基板の入射面に形成し、第8層を最外層とする。このハーフミラーの多層膜が形成された入射面に入射角45°で光を入射させたときの分光反射特性(45°入射角分光反射特性)の計算結果を図4に示す。この際、ガラス基板及び各層の屈折率分散は無視し、ガラス基板の出射面での反射はないものとする。
図4に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は43.1〜49.5%の範囲にあり、ランダム偏光平均反射率は46.8%であり、ランダム偏光平均反射率との最大差(反射率差)は3.6%である。またS偏光反射率は53.9〜68.7%(S偏光平均反射率59.5%,反射率差9.2%)であり、P偏光反射率は26.8〜41.1%(P偏光平均反射率34.0%,反射率差7.3%)である。このハーフミラーの反射光の色度を求めるため、これらの分光反射率計算結果に対してJIS規格Z8701に基づきCIE色度座標を計算した結果を図5に示す。CIE色度座標において、完全な白色の座標はx=0.333、y=0.333であり、この座標からの距離が大きいほど色差を感じる。
色差を感じないためには、白色の座標(x=0.333、y=0.333)からの距離が0.007の範囲内(図5に示す基準線の内側)にあるのが望ましい。図5から分かるように、ランダム偏光とS偏光の反射率のCIE色度座標は基準線内に位置しているが、P偏光反射率のCIE色度座標が白色の座標から大きく離れているため、ファインダーを覗いた際の画像と実際に撮影した画像に色差が認識されてしまう。
本発明の一実施例によるハーフミラー1として、屈折率1.52のガラス基板2の入射面21に表2に示す層構成を有する多層膜3が形成されたハーフミラーを用いる。このハーフミラー1の多層膜3が形成された入射面21の45°入射角分光反射特性の計算結果を図6に示す。このとき、ガラス基板及び各層の屈折率分散は無視し、ガラス基板の出射面での反射はないものとする。
図6に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は48.0〜51.9%(ランダム偏光平均反射率49.8%,反射率差2.1%)であり、S偏光反射率は58.3〜68.4%(S偏光平均反射率63.8%,反射率差5.5%)であり、P偏光反射率は32.0〜41.2%(P偏光平均反射率35.9%,反射率差5.4%)である。この分光反射率計算結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図7及び表3に示す。
図7及び表3から分かるように、ランダム偏光のみならず、S偏光及びP偏光の反射率のCIE色度座標も基準線内に含まれている。これにより、偏光フィルタを使用して撮影したり、斜め入射光の反射光を撮影したりした場合でも、ファインダーを覗いた際の画像と実際に撮影した画像に色差が認識されない。
本発明の別の実施例によるハーフミラー1として、屈折率1.52のガラス基板2の入射面21に表4に示す層構成を有する多層膜3が形成されたハーフミラーを用いる。このハーフミラー1の多層膜3が形成された入射面21の45°入射角分光反射特性の計算結果を図8に示す。このとき、ガラス基板及び各層の屈折率分散は無視し、ガラス基板の出射面での反射はないものとする。
図8に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は47.6〜51.4%(ランダム偏光平均反射率49.8%,反射率差2.3%)であり、S偏光反射率は58.2〜69.2%(S偏光平均反射率64.9%,反射率差6.7%)であり、P偏光反射率は30.4〜38.8%(P偏光平均反射率34.8%,反射率差4.4%)である。この分光反射率計算結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図9及び表5に示す。表5に示すように、ランダム偏光のみならず、S偏光及びP偏光の反射率のCIE色度座標も目標の基準線内に含まれていれば、偏光フィルタを使用して撮影したり、斜め入射光の反射光を撮影したりした場合でも、ファインダーを覗いた際の画像と実際に撮影した画像に色差が認識されない。
本発明のさらに別の実施例によるハーフミラー1として、屈折率1.52のガラス基板2の入射面21に表6に示す層構成を有する多層膜3が形成されたハーフミラーを用いる。このハーフミラー1の多層膜3が形成された入射面21の45°入射角分光反射特性の計算結果を図10に示す。このとき、ガラス基板及び各層の屈折率分散は無視し、ガラス基板の出射面での反射はないものとする。
図10に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は47.4〜51.1%(ランダム偏光平均反射率49.3%,反射率差1.9%)であり、S偏光反射率は59.7〜67.3%(S偏光平均反射率63.2%,反射率差4.1%)であり、P偏光反射率は32.4〜38.9%(P偏光平均反射率35.5%,反射率差3.4%)である。この分光反射率計算結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図11及び表7に示す。
表7に示すように、ランダム偏光のみならず、S偏光及びP偏光の反射率のCIE色度座標も目標の基準線内に含まれていれば、偏光フィルタを使用して撮影したり、斜め入射光の反射光を撮影したりした場合でも、ファインダーを覗いた際の画像と実際に撮影した画像に色差が認識されない。このようなハーフミラーは、デジタル一眼レフカメラなどの撮像素子とファインダー光学系に分岐する光学素子として好適に用いることができる。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
S-BSL7(屈折率nd=1.516)からなる平板ガラス基板2の入射面21にTiO2(屈折率nd=2.302)及びMgF2(屈折率nd=1.388)からなる表8に示す多層膜3を真空蒸着法により形成した。
このハーフミラー1の多層膜3が形成された入射面21の45°入射角分光反射率の測定結果を図12に示す。測定装置としては、日立製作所製分光光度計U-4000タイプを用いた。図12に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は47.4〜51.1%(ランダム偏光平均反射率49.3%,反射率差1.9%)であり、S偏光反射率は59.7〜67.3%(S偏光平均反射率63.2%,反射率差4.1%)であり、P偏光反射率は32.4〜38.9%(P偏光平均反射率35.5%,反射率差3.4%)であった。この分光反射率測定結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図13及び表9に示す。
実施例2
実施例1のハーフミラー1の平板ガラス基板2の出射面22に、表10に示す反射防止膜4を真空蒸着法により形成した。このハーフミラー1の反射防止膜4が形成された出射面22の45°入射角分光反射率の測定結果を図14に示す。図14から分かるように、可視域の波長範囲380〜780 nmにおいて、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の反射率がいずれも2%以下と良好であった。
平板ガラス基板2の入射面21に多層膜3が形成され、出射面22にこの反射防止膜4が形成されたハーフミラー1において、ハーフミラー1の入射面21に光を入射角45°で入射させ、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の分光反射率を測定した。得られた結果を図15に示す。図15に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は47.6〜51.3%(ランダム偏光平均反射率49.5%,反射率差1.9%)であり、S偏光反射率は60.0〜67.4%(S偏光平均反射率63.4%,反射率差4.0%)であり、P偏光反射率は32.5〜39.0%(P偏光平均反射率35.6%,反射率差3.4%)であった。平板ガラス基板2の出射面22に反射防止膜4を形成することにより、S偏光及びP偏光のいずれも可視域においてより平坦な反射率特性が得られた。
実施例3
合成石英(屈折率nd=1.459)からなる平板ガラス基板2の入射面21にTiO2(屈折率nd=2.302)及びMgF2(屈折率nd=1.388)からなる表11に示す多層膜3を真空蒸着法により形成した。
このハーフミラー1の多層膜3が形成された入射面21の45°入射角分光反射率の測定結果を図16に示す。図16に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は47.2〜51.7%(ランダム偏光平均反射率49.6%,反射率差2.4%)であり、S偏光反射率は57.6〜69.2%(S偏光平均反射率64.3%,反射率差6.7%)であり、P偏光反射率は31.7〜39.5%(P偏光平均反射率35.0%,反射率差4.5%)であった。この分光反射率計算結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図17及び表12に示す。
実施例4
実施例3のハーフミラー1の平板ガラス基板2の出射面22に、表13に示す反射防止膜4を真空蒸着法により形成した。このハーフミラー1の反射防止膜4が形成された出射面22の45°入射角分光反射率の測定結果を図18に示す。図18から分かるように、可視域の波長範囲380〜780 nmにおいて、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の反射率がいずれも2%以下と良好であった。
平板ガラス基板2の入射面21に多層膜3が形成され、出射面22にこの反射防止膜4が形成されたハーフミラー1において、ハーフミラー1の入射面21に光を入射角45°で入射させ、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の分光反射率を測定した。得られた結果を図19に示す。図19に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は47.5〜52.0%(ランダム偏光平均反射率49.8%,反射率差2.4%)であり、S偏光反射率は57.9〜69.3%(S偏光平均反射率64.5%,反射率差6.6%)であり、P偏光反射率は32.0〜39.5%(P偏光平均反射率35.1%,反射率差4.4%)であった。平板ガラス基板2の出射面22に反射防止膜4を形成することにより、S偏光及びP偏光のいずれも可視域においてより平坦な反射率特性が得られた。
実施例5
D263(屈折率nd=1.524)からなる平板ガラス基板2の入射面21にTiO2(屈折率nd=2.302)及びMgF2(屈折率nd=1.388)からなる表14に示す多層膜3を真空蒸着法により形成した。
このハーフミラー1の多層膜3が形成された入射面21の45°入射角分光反射率の測定結果を図20に示す。図20に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は47.5〜51.3%(ランダム偏光平均反射率49.4%,反射率差1.9%)であり、S偏光反射率は58.3〜67.1%(S偏光平均反射率63.7%,反射率差5.4%)であり、P偏光反射率は32.7〜38.9%(P偏光平均反射率35.1%,反射率差3.8%)であった。この分光反射率計算結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図21及び表15に示す。
実施例6
実施例5のハーフミラー1の平板ガラス基板2の出射面22に、表16に示す反射防止膜4を真空蒸着法により形成した。このハーフミラー1の反射防止膜4が形成された出射面22の45°入射角分光反射率の測定結果を図22に示す。図22から分かるように、可視域の波長範囲380〜780 nmにおいて、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の反射率がいずれも2%以下と良好であった。
平板ガラス基板2の入射面21に多層膜3が形成され、出射面22にこの反射防止膜4が形成されたハーフミラー1において、ハーフミラー1の入射面21に光を入射角45°で入射させ、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の分光反射率を測定した。得られた結果を図23に示す。図23に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は47.7〜51.5%(ランダム偏光平均反射率49.6%,反射率差1.9%)であり、S偏光反射率は58.6〜67.1%(S偏光平均反射率63.8%,反射率差5.3%)であり、P偏光反射率は32.7〜39.0%(P偏光平均反射率35.2%,反射率差3.8%)であった。平板ガラス基板2の出射面22に反射防止膜4を形成することにより、S偏光及びP偏光のいずれも可視域においてより平坦な反射率特性が得られた。
比較例1
S-BSL7(屈折率nd=1.516)からなる平板ガラス基板2の入射面21にTiO2+ZrO2(屈折率nd=2.038)、Ag(nd=0.055,波長587.56 nmの光の吸収係数kd=3.32)及びMgF2(屈折率nd=1.388)からなる表17に示す三層膜を真空蒸着法により形成した。
このハーフミラー1の三層膜が形成された入射面21の45°入射角分光反射率の測定結果を図24に示す。図24に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は35.6〜50.9%(ランダム偏光平均反射率47.4%,反射率差11.8%)であり、S偏光反射率は40.9〜59.3%(S偏光平均反射率54.7%,反射率差13.8%)であり、P偏光反射率は30.3〜49.0%(P偏光平均反射率40.1%,反射率差9.9%)である。この分光反射率計算結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図25及び表18に示す。
比較例2
比較例1のハーフミラーの平板ガラス基板2の出射面22に、実施例1と同様に反射防止膜4を形成した。平板ガラス基板2の入射面21に三層膜が形成され、出射面22に反射防止膜4が形成されたハーフミラー1において、ハーフミラー1の入射面21に光を入射角45°で入射させ、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の分光反射率を測定した。得られた結果を図26に示す。図26に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は36.0〜51.1%(ランダム偏光平均反射率47.6%,反射率差11.7%)であり、S偏光反射率は41.3〜59.6%(S偏光平均反射率55.0%,反射率差13.7%)であり、P偏光反射率は30.6〜49.2%(P偏光平均反射率40.2%,反射率差9.7%)であった。
比較例3
S-BSL7(屈折率nd=1.516)からなる平板ガラス基板2の入射面21にAl2O3(屈折率nd=1.635)、MgF2(屈折率nd=1.388)、M1(メルク株式会社製,屈折率nd=1.736)及びTiO2(屈折率nd=2.302)からなる表19に示す多層膜を真空蒸着法により形成した。
このハーフミラー1の多層膜が形成された入射面21の45°入射角分光反射率の測定結果を図27に示す。図27に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は44.0〜51.3%(ランダム偏光平均反射率48.6%,反射率差4.7%)であり、S偏光反射率は52.7〜68.4%(S偏光平均反射率64.0%,反射率差11.3%)であり、P偏光反射率は27.2〜38.4%(P偏光平均反射率33.2%,反射率差6.1%)である。この分光反射率計算結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図28及び表20に示す。
比較例4
比較例3のハーフミラーの平板ガラス基板2の出射面22に、実施例1と同様に反射防止膜4を形成した。平板ガラス基板2の入射面21に多層膜が形成され、出射面22に反射防止膜4が形成されたハーフミラー1において、ハーフミラー1の入射面21に光を入射角45°で入射させ、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の分光反射率を測定した。得られた結果を図29に示す。図29に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は44.2〜51.5%(ランダム偏光平均反射率48.8%,反射率差4.6%)であり、S偏光反射率は53.1〜68.5%(S偏光平均反射率64.2%,反射率差11.1%)であり、P偏光反射率は27.6〜38.5%(P偏光平均反射率33.3%,反射率差5.7%)であった。
比較例5
特許2725043号公報を参考にして、S-BSL7(屈折率nd=1.51)からなる平板ガラス基板2の入射面21にAl2O3(屈折率nd=1.63)、MgF2(屈折率nd=1.38)、SiO2(屈折率nd=1.46)、Y2O3(屈折率nd=1.8)及びTiO2(屈折率nd=2.35)からなる表21に示す多層膜を真空蒸着法により形成した。
このハーフミラー1の多層膜が形成された入射面21の45°入射角分光反射率の測定結果を図30に示す。図30に示すように、可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は43.8〜48.7%(ランダム偏光平均反射率46.2%,反射率差2.5%)であり、S偏光反射率は52.4〜65.6%(S偏光平均反射率58.4%,反射率差7.2%)であり、P偏光反射率は25.7〜41.1%(P偏光平均反射率34.0%,反射率差8.3%)である。この分光反射率計算結果に対してCIE色度座標を計算した結果を図31及び表22に示す。
比較例6
比較例5のハーフミラーの平板ガラス基板2の出射面22に、実施例1と同様に反射防止膜4を形成した。平板ガラス基板2の入射面21に多層膜が形成され、出射面22に反射防止膜4が形成されたハーフミラー1において、ハーフミラー1の入射面21に光を入射角45°で入射させ、ランダム偏光、S偏光及びP偏光の分光反射率を測定した。得られた結果を図32に示す。図32に示すように、
可視光波長域380〜780 nmのランダム偏光反射率は44.0〜49.0%(ランダム偏光平均反射率46.4%,反射率差2.5%)であり、S偏光反射率は52.8〜65.8%(S偏光平均反射率58.7%,反射率差7.1%)であり、P偏光反射率は26.2〜41.2%(P偏光平均反射率34.1%,反射率差7.9%)であった。
(1) 反射率差
実施例2,4及び6及び比較例2,4及び6のハーフミラーの可視域の波長範囲380〜780 nmにおける45°入射角分光反射率の反射率差を図15,19,23,26,29及び32に基づいてまとめたものを表23に示す。表23から分かるように、実施例2,4及び6のS偏光及びP偏光の反射率差は平均反射率±7%の範囲内であったが、比較例2,4及び6のS偏光及びP偏光の反射率差はこの範囲内に収まっていなかった。
(2) 耐湿テスト
実施例2,4及び6及び比較例2,4及び6のハーフミラーに対して、温度60℃及び湿度95%RHの条件下で240時間の耐湿テストを実施した結果を表24に示す。実施例2,4及び6と比較例4及び6には異常が見られなかったが、比較例2についてはハーフミラー面が白濁し、膜の周辺部分が剥がれるという異常が発生した。
(3) 色差
実施例2,4及び6及び比較例2,4及び6のハーフミラー1に対して、可視域の波長範囲380〜780 nmの光を入射角45°で入射面21に入射させ、その反射光と透過光のS偏光及びP偏光の色差を偏光フィルムを用いて目視で確認した。その結果を表25に示す。実施例2,4及び6ではS偏光及びP偏光の色差はいずれも確認できなかったが、比較例2ではS偏光及びP偏光にやや色差があり、比較例4ではS偏光にやや色差があり、比較例6ではS偏光及びP偏光にやや色差があった。
1・・・ハーフミラー
2・・・ガラス基板
21・・・入射面
22・・・出射面
3・・・多層膜
4・・・反射防止膜

Claims (9)

  1. 波長587.56 nmの光に対する屈折率nd=1.45〜1.55のガラス基板の一面に屈折率nd=2.00〜2.40の高屈折率膜と屈折率nd=1.35〜1.50の低屈折率膜とを少なくとも10層交互に積層してなる多層膜が設けられ、前記ガラス基板に接する膜が高屈折率膜であることを特徴とするハーフミラー。
  2. 請求項1に記載のハーフミラーであって、可視光波長域380〜780 nmにおいて、ランダム偏光反射率がランダム偏光平均反射率±3%の範囲にあり、S偏光反射率がS偏光平均反射率±7%の範囲にあり、P偏光反射率がP偏光平均反射率±7%の範囲にあることを特徴とするハーフミラー。
  3. 請求項1又は2に記載のハーフミラーであって、ランダム偏光反射率、S偏光反射率及びP偏光反射率のCIE色度座標が白色の座標から0.007の範囲内にあることを特徴とするハーフミラー。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のハーフミラーであって、ランダム偏光平均反射率が45〜55%であることを特徴としたハーフミラー。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のハーフミラーであって、入射角45°の光束を分岐させる45°入射用ハーフミラーであることを特徴とするハーフミラー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のハーフミラーであって、前記ガラス基板側から、
    1層目の高屈折率膜の光学膜厚が40〜85 nmであり、
    2層目の低屈折率膜の光学膜厚が35〜130 nmであり、
    3層目の高屈折率膜の光学膜厚が110〜290 nmであり、
    4層目の低屈折率膜の光学膜厚が50〜130 nmであり、
    5層目の高屈折率膜の光学膜厚が50〜135 nmであり、
    6層目の低屈折率膜の光学膜厚が100〜215 nmであり、
    7層目の高屈折率膜の光学膜厚が125〜175 nmであり、
    8層目の低屈折率膜の光学膜厚が150〜215 nmであり、
    9層目の高屈折率膜の光学膜厚が150〜200 nmであり、
    10層目の低屈折率膜の光学膜厚が70〜115 nmであることを特徴とするハーフミラー。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のハーフミラーであって、前記高屈折率膜がTiO2,Nb2O5,Ta2O5,CeO2,ZrO2,HfO2,SnO2,In2O3,ZnO,ZnS,La2O3及びSb2O3からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなり、前記低屈折率膜がNaF,CaF2,LiF,MgF2及びSiO2からなる群から選ばれた少なくとも1材料からなることを特徴とするハーフミラー。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のハーフミラーであって、前記ガラス基板の他方の面に反射防止膜が設けられていることを特徴とするハーフミラー。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のハーフミラーを具備することを特徴とするデジタル一眼レフカメラ。
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