JPWO2018038114A1 - 眼鏡レンズおよび眼鏡 - Google Patents

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Abstract

レンズ基材の表面に直接または一層以上の他の層を介して多層膜を有する眼鏡レンズであって、上記多層膜は、複数の高屈折率材料層と複数の低屈折率材料層とを含み、かつ、上記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みは、上記複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みより厚い眼鏡レンズが提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月22日出願の日本特願2016−161996号の優先権を主張し、その全記載は、ここに特に開示として援用される。
本発明は、眼鏡レンズ、およびこの眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。
眼鏡レンズは、一般に、各種機能を付与するための機能性膜をレンズ基材上に一種以上設けた構成を有する。例えば、レンズ基材上に多層膜を設けることにより、眼鏡レンズの反射特性を制御することが行われている(例えば特表2010−519586号公報(その全記載は、ここに特に開示として援用される)参照)。
特表2010−519586号公報には、同公報に「多層スタック」と記載されている多層膜を基材上に設けることが提案されている(特表2010−519586号公報の請求項1参照)。一方、眼鏡レンズのレンズ基材上に設けられた多層膜の耐熱性が高いことは、高温下での保管ないし使用において多層膜にクラックが生じることによって眼鏡レンズの外観品質が低下することを抑制するうえで望ましい。しかるに本発明者らが特表2010−519586号公報に記載されているような従来の多層膜を有する眼鏡レンズについて検討したところ、かかる眼鏡レンズは、多層膜の耐熱性に関して課題を有すること、即ち耐熱性の向上が望まれることが、明らかとなった。
本発明の一態様は、耐熱性に優れる多層膜を有する眼鏡レンズを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
レンズ基材の表面に直接または一層以上の他の層を介して多層膜を有する眼鏡レンズであって、
上記多層膜は、複数の高屈折率材料層と複数の低屈折率材料層とを含み、かつ、
上記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みは、上記複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みより厚い眼鏡レンズ、
に関する。
本発明者らは、眼鏡レンズに設けられる多層膜の耐熱性向上について鋭意検討を重ねた結果、多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みを、多層膜に含まれる複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みより厚くすることにより耐熱性の向上が可能になるという従来知られていなかった新たな知見を得た。上記の本発明の一態様は、かかる知見に基づき完成された。
本発明の一態様によれば、耐熱性に優れる多層膜を有する眼鏡レンズを提供することができる。
[眼鏡レンズ]
本発明の一態様にかかる眼鏡レンズは、レンズ基材の表面に直接または一層以上の他の層を介して多層膜を有する眼鏡レンズであって、上記多層膜は、複数の高屈折率材料層と複数の低屈折率材料層とを含み、かつ、上記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みは、上記複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みより厚い眼鏡レンズである。
以下、上記眼鏡レンズについて、更に詳細に説明する。
<多層膜>
上記眼鏡レンズは、レンズ基材の表面に直接または一層以上の他の層を介して多層膜を有する。上記多層膜には、複数の高屈折率材料層と複数の低屈折率材料層とが含まれる。本発明および本明細書において、高屈折率材料層および低屈折率材料層に関する「高」、「低」とは、相対的な表記である。即ち、高屈折率材料層とは、上記多層膜に含まれる低屈折率材料層を構成する材料の屈折率より屈折率が高い材料から構成されている層をいう。換言すれば、低屈折率材料層とは、上記多層膜に含まれる高屈折率材料層を構成する材料の屈折率より屈折率が低い材料から構成されている層をいう。本発明および本明細書において、屈折率とは、e線(波長546.07nm)に対する屈折率neをいうものとする。
本発明および本明細書において、高屈折率材料層および低屈折率材料層は、硬化性組成物の硬化層でも樹脂を主成分とする層(以下、「樹脂層」とも記載する。)でもないものとする。高屈折率材料層を構成する高屈折率材料および低屈折率材料層を構成する低屈折率材料は、好ましくは無機材料である。
高屈折率材料層を構成する高屈折率材料としては、酸化ジルコニウム(例えばZrO)、タンタル酸化物(例えばTa)、チタン酸化物(例えばTiO)、アルミニウム酸化物(例えばAl)、イットリウム酸化物(例えばY)、ハフニウム酸化物(例えばHfO)、およびニオブ酸化物(例えばNb)からなる群から選ばれる酸化物の一種または二種以上の混合物を挙げることができる。
低屈折率材料層を構成する低屈折率材料としては、ケイ素酸化物(例えばSiO)、フッ化マグネシウム(例えばMgF)およびフッ化バリウム(例えばBaF)からなる群から選ばれる酸化物またはフッ化物の一種または二種以上の混合物を挙げることができる。
なお上記の例示では、便宜上、酸化物およびフッ化物を化学量論組成で表示したが、化学量論組成から酸素またはフッ素が欠損もしくは過多の状態にあるものも、高屈折率材料または低屈折率材料として使用可能である。
高屈折率材料層を構成する高屈折率材料の屈折率は例えば1.60以上(例えば1.60〜2.40の範囲)であり、低屈折率材料層を構成する低屈折率材料の屈折率は例えば1.59以下(例えば1.37〜1.59の範囲)である。ただし上記の通り、高屈折率材料層および低屈折率材料層に関する「高」、「低」の表記は相対的なものであるため、高屈折率材料および低屈折率材料の屈折率は、上記範囲に限定されるものではない。
上記多層膜は複数の高屈折率材料層および複数の低屈折率材料層を含む。即ち、上記多層膜には、二層以上の高屈折率材料層および二層以上の低屈折率材料層が含まれる。二層以上の高屈折率材料層は、同じ高屈折率材料の層であってもよく、異なる高屈折率材料の層であってもよい。二層以上の低屈折率材料層も、同じ低屈折率材料の層であってもよく、異なる低屈折率材料の層であってもよい。そして上記多層膜において、複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みは、複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みより厚い。この点が、特表2010−519586号公報に記載されているような、眼鏡レンズに従来設けられていた多層膜と、上記眼鏡レンズが有する多層膜との相違点である。理由は明らかではないが、この点が多層膜の耐熱性向上に寄与すると本発明者らは推察している。なお複数の高屈折率材料層の中に同一厚みを有する層が含まれていてもよい。例えば、上記多層膜に含まれる高屈折率材料層が同一厚みを有する場合であれば、これら高屈折率材料層の一層の厚みを高屈折率材料層の最大厚みとする。以上の点は、複数の低屈折率材料層についても同様である。
本発明および本明細書において、「厚み」とは、物理的な厚み(物理膜厚)をいうものとする。厚みは、公知の膜厚測定法によって求めることができる。例えば厚みは、光学式膜厚測定器によって測定された光学膜厚を物理膜厚に換算することにより求めることができる。上記多層膜において、複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚み(以下、「Ta」とも記載する。)は、複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚み(以下、「Tb」とも記載する。)より厚ければよい。厚みTaと厚みTbとの差分(Ta−Tb)は、例えば1.0nm以上であることができ、1.5nm以上であることが好ましく、2.0nm以上であることがより好ましい。また、差分(Ta−Tb)は、例えば30.0nm以下であることができ、25.0nm以下であることが好ましく、20.0nm以下であることがより好ましく、15.0nm以下であることが更に好ましく、10.0nm以下であることが一層好ましく、5.0nm以下であることがより一層好ましい。
また、一態様では、上記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層の合計厚み(以下、「TA」とも記載する。)は、複数の低屈折率材料層の合計厚み(以下、「TB」とも記載する。)より厚いことが好ましい。TAとTBとの差分(TA−TB)は、5.0nm以上であることが好ましく、10.0nm以上であることがより好ましく、12.0nm以上であることが更に好ましい。また、差分(TA−TB)は、例えば50.0nm以下であることができ、40.0nm以下であることが好ましく、30.0nm以下であることが更に好ましい。
また、一態様では、上記多層膜の合計厚み、即ち複数の高屈折率材料層の合計厚みTAと複数の低屈折率材料層の合計厚みTBとの合計(TA+TB)は、例えば100〜400nmの範囲であることができ、150〜300nmの範囲であることが好ましく、180〜250nmの範囲であることがより好ましい。
上記高屈折率材料層とは、高屈折率材料を主成分とする層であり、上記低屈折率材料層とは、低屈折率材料を主成分とする層である。ここで「主成分」とは、層において最も多くを占める成分であって、通常は層全体の質量を基準として50質量%程度〜100質量%、好ましくは90質量%程度〜100質量%を占める成分である。上記高屈折率材料または低屈折率材料を主成分とする成膜材料(例えば蒸着源)を用いて成膜を行うことにより、そのような層を形成することができる。成膜材料に関して記載する主成分についても、上記と同様である。層および成膜材料には、不可避的に混入する微量の不純物が含まれる場合があり、また、主成分の果たす機能を損なわない範囲で他の成分、例えば他の無機物質および/または成膜を補助する役割を果たす公知の添加成分が含まれていてもよい。成膜は、公知の成膜方法により行うことができ、成膜の容易性の観点からは、蒸着により行うことが好ましい。即ち、高屈折率材料層は高屈折率材料の蒸着膜であることが好ましく、低屈折率材料層は低屈折率材料の蒸着膜であることが好ましい。
上記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みは、例えば50.0〜120.0nm、好ましくは70.0〜100.0nmの範囲である。
また、その他の高屈折率材料層の厚みは、例えば10.0〜50.0nm、好ましくは10.0〜40.0nm、より好ましくは15.0〜30.0nmの範囲である。
一方、上記多層膜に含まれる複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みは、最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みより薄く、例えば50.0〜120.0nm、好ましくは70.0〜100.0nmの範囲である。
また、その他の低屈折率材料層の厚みは、例えば5.0〜50.0nm、好ましくは10.0〜40.0nm、より好ましくは10.0〜30.0nmの範囲である。
本発明および本明細書において、「蒸着」には、乾式法、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が含まれる。真空蒸着法では、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよく、イオンビームアシスト法を用いることが好ましい。
蒸着条件については、例えば真空蒸着法により蒸着を行う場合、蒸着時のチャンバー内の真空度は、5.0×10−5〜8.0×10−2Paの範囲とすることが好ましく、9.0×10−3〜2.2×10−2Paの範囲とすることがより好ましい。また、イオンビームアシスト法を用いる場合、アシスト条件としては、アシスト(イオン化)ガスは、酸素、アルゴン、窒素、またはこれらの二種以上を任意の割合で混合した混合ガスを用いることができる。加速電圧は400〜1000Vの範囲とすることが好ましく、加速電流は200〜700mAの範囲とすることが好ましい。
多層膜に含まれる高屈折率材料層と低屈折率材料層の層数を少なくすることは、多層膜を有する眼鏡レンズの薄型化および/または軽量化、成膜時間の短縮による製造効率向上、成膜材料削減による製造コスト低減等の観点から好ましい。以上の観点から、上記多層膜に含まれる高屈折率材料層と低屈折率材料層の合計層数は、4層〜6層であることが好ましく、4層または5層であることがより好ましく、4層であることが更に好ましい。
本発明および本明細書において、多層膜に含まれる高屈折率材料層および低屈折率材料層の層数および層の積層順序について記載する場合、厚み10.0nm以下の酸化インジウムスズ(tin−doped indium oxide;ITO)層、厚み10.0nm以下のスズ酸化物層、および厚み10.0nm以下のチタン酸化物層は、これらの層の一層以上が多層膜に含まれる場合であっても、多層膜の層としてカウントせず、積層順序の記載について考慮しないものとする。ただし、厚み10.0nm以下の酸化インジウムスズ(ITO)層、厚み10.0nm以下のスズ酸化物層、および厚み10.0nm以下のチタン酸化物層からなる群から選ばれる層の一層以上が、高屈折率材料層および/または低屈折率材料層に隣接して上記多層膜に含まれていてもよい。上記の各層の厚みは10.0nm以下であり、例えば1.0nm以上であることができる。上記の各層は、一般に導電層として機能することができる層である。かかる層の一層以上を多層膜に含めることは、多層膜を有する眼鏡レンズの表面への塵や埃の付着を抑制するうえで好ましい。酸化インジウムスズ(ITO)層とは、ITOを主成分として含む層である。この点は、スズ酸化物層、チタン酸化物層についても同様である。これらの層に関して記載する主成分についても、上記と同様である。
一般に、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に有する多層膜は、眼鏡レンズの反射特性を制御する機能を発揮することができる。かかる機能は、例えば、特定の波長域の光の反射を防止する機能(反射防止性)、特定の波長域の光を選択的に反射する機能(反射性)である。このような反射特性を制御する機能を発揮することができる多層膜として、上記眼鏡レンズに含まれる多層膜は機能することができる。反射特性が制御される特定の波長域の光としては、例えば可視領域(波長380〜780nm)、一般に青色光と呼ばれる短波長領域(波長400〜500nm)、紫外領域(波長280〜400nm)の光等を挙げることができる。多層膜の反射特性は、多層膜に含まれる層の種類、組み合わせ、厚み等によって調整することができる。
本発明および本明細書において、上記多層膜における高屈折率材料層および低屈折率材料層の積層順序は、レンズ基材に近い側から遠い側に向かって記載するものとする。例えば、第一層目の層と第二層目の層は、第一層目の層がレンズ基材により近い層である。好ましい一態様では、上記多層膜は、第一層目の高屈折率材料層/第二層目の低屈折率材料層/第三層目の高屈折率材料層/第四層目の低屈折率材料層、の4層からなる。更に好ましい一態様では、上記第三層目の高屈折率材料層が、上記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層である。また、一態様では、複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層は、第四層目の低屈折率材料層である。
上記多層膜の更に一層好ましい一態様は、以下の通りである。
(1)上記多層膜が、第一層目のジルコニウム酸化物の蒸着膜(高屈折率材料層)/第二層目のケイ素酸化物の蒸着膜(低屈折率材料層)/第三層目のジルコニウム酸化物の蒸着膜(高屈折率材料層)/第四層目のケイ素酸化物の蒸着膜(低屈折率材料層)、の4層からなる。更により一層好ましい一態様では、上記第三層目のジルコニウム酸化物の蒸着膜が、上記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層である。また、一態様では、複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層は、第四層目のケイ素酸化物の蒸着膜である。
(2)上記多層膜が、第一層目のニオブ酸化物の蒸着膜(高屈折率材料層)/第二層目のケイ素酸化物の蒸着膜(低屈折率材料層)/第三層目のニオブ酸化物の蒸着膜(高屈折率材料層)/第四層目のケイ素酸化物の蒸着膜(低屈折率材料層)、の4層からなる。更により一層好ましい一態様では、上記第三層目のニオブ酸化物の蒸着膜が、上記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層である。また、一態様では、複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層は、第四層目のケイ素酸化物の蒸着膜である。
なお先に記載した通り、上記の第一層目の層、第二層目の層、第三層目の層および第四層目の層のいずれかの二層の間に、厚み10nm以下の酸化インジウムスズ(ITO)層、厚み10.0nm以下のスズ酸化物層、および厚み10.0nm以下のチタン酸化物層からなる群から選ばれる層の一層以上が含まれていてもよい。または、上記の第一層目の層、第二層目の層、第三層目の層および第四層目の層は、二層の間に他の層を介さずに、隣接して配置されていてもよい。即ち、一態様では、上記多層膜は、レンズ基材に近い側から遠い側に向かって、第一層目の層、第二層目の層、第三層目の層、第四層目の層をこの順に隣接して有することができる。
また、一態様では、上記多層膜は、SiOを主成分とする厚み75nm以上の層を最もレンズ基材側の層として有さないことが好ましく、SiOを主成分とする厚み100nm以上の層を最もレンズ基材側の層として有さないことがより好ましい。
<レンズ基材>
上記眼鏡レンズは、以上説明した多層膜を、レンズ基材の表面に直接有するか、または一層以上の他の層を介して有する。レンズ基材は、プラスチックレンズ基材またはガラスレンズ基材であることができる。ガラスレンズ基材は、例えば無機ガラス製のレンズ基材であることができる。レンズ基材としては、軽量で割れ難いという観点から、プラスチックレンズ基材が好ましい。プラスチックレンズ基材としては、(メタ)アクリル樹脂をはじめとするスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化した硬化物(一般に透明樹脂と呼ばれる。)を挙げることができる。レンズ基材としては、染色されていないもの(無色レンズ)を用いてもよく、染色されているもの(染色レンズ)を用いてもよい。レンズ基材の屈折率は、例えば、1.50〜1.75程度である。ただしレンズ基材の屈折率は、上記範囲に限定されるものではなく、上記の範囲内でも、上記の範囲から上下に離れていてもよい。
上記眼鏡レンズは、単焦点レンズ、多焦点レンズ、累進屈折力レンズ等の各種レンズであることができる。レンズの種類は、レンズ基材の両面の面形状により決定される。また、レンズ基材表面は、凸面、凹面、平面のいずれであってもよい。通常のレンズ基材および眼鏡レンズでは、物体側表面は凸面、眼球側表面は凹面である。ただし、本発明は、物体側表面が凸面であり眼球側表面が凹面である態様に限定されるものではない。
上記多層膜を有するレンズ基材表面は、物体側表面であってもよく、眼球側表面であってもよく、物体側表面と眼球側表面の両表面であってもよい。本発明および本明細書において、「物体側」とは、眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に物体側に位置する側であり、「眼球側」とは、その反対、即ち眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に位置する側である。上記多層膜は、レンズ基材表面上に他の層を介さずに直接位置していてもよく、レンズ基材表面上に一層以上の他の層を介して位置していてもよい。上記多層膜とレンズ基材との間に存在し得る層としては、ハードコート層、偏光層、調光層等を挙げることができる。例えば、ハードコート層を設けることにより、眼鏡レンズの耐久性(強度)を高めることができる。ハードコート層は、例えば硬化性組成物を硬化することにより形成される硬化層であることができる。また、上記多層膜とレンズ基材との間には、プライマー層を形成してもよい。プライマー層は、例えば樹脂を主成分とする層であることができる。ハードコート層、プライマー層等の各種の層については、いずれも眼鏡レンズに関する公知技術を適用することができる。
更に、上記多層膜上に、一層以上の層を設けることも可能である。そのような層としては、撥水性または親水性の防汚層、防曇層等の各種機能性膜を挙げることができる。上記多層膜上に設けられ得る各種の層についても、眼鏡レンズに関する公知技術を適用することができる。
[眼鏡]
本発明の更なる態様は、上記の本発明の一態様にかかる眼鏡レンズと、この眼鏡レンズを取り付けたフレームとを有する眼鏡を提供することもできる。眼鏡レンズについては、先に詳述した通りである。その他の眼鏡の構成については、特に制限はなく、公知技術を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に説明する。ただし、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
[多層膜を有する眼鏡レンズの作製]
以下に示す表中、No.1−1〜No.11−5は実施例であり、C−1〜C−7は比較例である。また、No.1−1〜No.1−5は、同じ構成の多層膜を異なるレンズ基材上に形成した実施例である。この点は、No.2−1〜No.2−5等の他の実施例についても同様である。
実施例および比較例で使用したレンズ基材は、以下の通りである。
屈折率1.50のレンズ基材:HOYA株式会社社製Hilux
屈折率1.53のレンズ基材:HOYA株式会社社製Phoenix
屈折率1.59のレンズ基材:HOYA株式会社社製Poly
屈折率1.60のレンズ基材:HOYA株式会社社製Eyas
屈折率1.67のレンズ基材:HOYA株式会社社製Eynoa
屈折率1.70のレンズ基材:HOYA株式会社社製Eyry
屈折率1.74のレンズ基材:HOYA株式会社社製Eyvia
上記レンズ基材は、いずれも物体側表面が凸面、眼球側表面が凹面であるプラスチックレンズ基材である。
屈折率1.50のレンズ基材および屈折率1.53のレンズ基材は、光学的に仕上げられた両面(光学面)にハードコート層(硬化性組成物の硬化層)を形成した後、物体側(凸面側)のハードコート層表面上に多層膜を形成した。
その他のレンズ基材は、光学的に仕上げられた両面(光学面)にプライマー層(樹脂層)を介してハードコート層(硬化性組成物の硬化層)を形成した後、物体側(凸面側)のハードコート層表面上に多層膜を形成した。
多層膜は、アシストガスとして酸素ガスおよびアルゴンガスを用いて、イオンビームアシスト法を用いる真空蒸着法によって形成した。蒸着源としては、不可避的に混入する可能性のある不純物を除けば表中に記載の酸化物からなる蒸着源を使用した。表中に記載のSiOの屈折率は1.46であり、ZrOの屈折率は2.06であり、Nbの屈折率は2.09である。また、後述の表中に記載の厚みは、光学式膜厚測定器によって測定された光学膜厚を物理膜厚に換算して求めた値(単位:nm)である。各層の厚みは成膜時間によって制御した。
また、すべての実施例および比較例には、最外層の蒸着膜を形成した後、最外層の蒸着膜の表面上に、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物である信越化学工業株式会社製KY130およびKY500を質量%で50%:50%となるように混合した混合物を蒸着源として、ハロゲン加熱により蒸着を行い、撥水層を形成した。
各層形成時の蒸着条件を、以下に示す。
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以上の工程により得られた眼鏡レンズは、No.10−1〜No.10〜5以外はプラスチックレンズ基材の物体側表面上に、ハードコート層を介して、またはプライマー層およびハードコート層を介して、第一層目の高屈折率材料層、第二層目の低屈折率材料層、第三層目の高屈折率材料層および第四層目の低屈折率材料層がこの順に隣接する合計4層からなる多層膜を有し、この多層膜上に撥水層を有する眼鏡レンズである。
No.10−1〜No.10−5の眼鏡レンズは、プラスチックレンズ基材の物体側表面上に、ハードコート層を介して、またはプライマー層およびハードコート層を介して、第一層目の高屈折率材料層、第二層目の低屈折率材料層、第三層目の高屈折率材料層および第四層目の低屈折率材料層をこの順に有する合計4層からなる多層膜を有し、第三層目の高屈折率材料層と第四層目の低屈折率材料層との間に厚み5.0nmのITO層(多層膜の層としてはカウントされない)を有し、この多層膜上に撥水層を有する眼鏡レンズである。
[耐熱性の評価方法]
以下の方法により、耐熱温度1および耐熱温度2を測定した。測定された耐熱温度が高いほど、耐熱性に優れる多層膜であると評価することができる。以下の方法により測定される耐熱温度はレンズ基材の影響も受けるため、実施例と比較例の多層膜の耐熱性については、同じレンズ基材を用いた実施例と比較例の耐熱温度1または耐熱温度2を対比すべきである。
(1)耐熱温度1の測定
実施例および比較例の各眼鏡レンズの耐熱温度1を、以下の方法によって測定した。
各眼鏡レンズをオーブンに入れて50分間加熱した後、オーブンから取りだした直後の多層膜におけるクラックの有無を目視で評価する。クラックが確認されなければ、5℃昇温(オーブンの設定温度)したオーブンに入れて再び50分間加熱した後、オーブンから取りだした直後の多層膜におけるクラックの有無を目視で評価する。
上記評価を、加熱温度(オーブンの設定温度)を、50℃から5℃毎に昇温して行い、クラックが確認されたときの加熱温度を耐熱温度1(単位:℃)とする。
(2)耐熱温度2の測定
実施例および比較例の各眼鏡レンズの耐熱温度2を、以下の方法によって測定した。
各眼鏡レンズをオーブンに入れて50分間加熱した後、オーブンから取り出した直後の多層膜におけるクラックの有無を目視で評価する。クラックが確認されなければ、5℃昇温(オーブンの設定温度)したオーブンに入れて再び50分間加熱した後、オーブンから取りだした直後の多層膜におけるクラックの有無を目視で評価する。
上記評価を、加熱温度(オーブンの設定温度)を、50℃から5℃毎に昇温して行い、オーブンから取り出した直後の多層膜においてクラックが確認されたら、その眼鏡レンズを引き続き室温下で30分間放置した後に多層膜におけるクラックの有無を目視で評価する。ここでクラックが確認されたら、この加熱温度を耐熱温度2(単位:℃)とする。耐熱温度2の評価は、加熱温度120℃まで実施した。加熱温度120℃でもオーブンから取り出した直後の多層膜においてクラックが確認されなければ、耐熱温度2は120℃超であると評価し、以下の表中に「Over 120」と示した。
以上の評価結果を、以下の表に示す。
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上記の表に示すように、実施例の眼鏡レンズの多層膜は、同じレンズ基材を用いた比較例の眼鏡レンズの多層膜と比べて耐熱温度が高い。即ち、実施例の眼鏡レンズが有する多層膜は、比較例の眼鏡レンズが有する多層膜より耐熱性に優れる。比較例の眼鏡レンズが有する多層膜は、低屈折率材料層の最大厚みが、高屈折率材料層の最大厚みより厚い。これに対し、実施例の眼鏡レンズが有する多層膜は、高屈折率材料層の最大厚みが、低屈折率材料層の最大厚みより厚い。この相違点が、耐熱性の違いをもたらしていると本発明者らは推察している。
更に、実施例の眼鏡レンズは、多層膜側の表面について以下の方法により評価される耐アルカリ性試験においても、良好な結果(評価結果UAまたはA)を示した。
[耐アルカリ性の評価方法]
実施例の眼鏡レンズを10質量%水酸化ナトリウム水溶液(液温20℃)に1時間浸漬した後、多層膜側の表面状態を目視で観察した。観察結果から、以下の基準により耐アルカリ性を評価した。
UA:浸漬前後で殆ど変化なし
A:多層膜に点状の膜剥げが数個あり
B:多層膜の全面に点状の膜剥げあり
C:多層膜の全面に点状の膜剥げがあり、面状の膜剥げも数個あり
D:多層膜の殆ど全面で膜剥げ
また、実施例の眼鏡レンズは、多層膜側の表面について以下の方法により評価される耐久性試験においても、良好な結果(評価結果UA)を示した。
[耐久性の評価方法]
実施例の眼鏡レンズの物体側表面上(多層膜を有する表面上)で1kgの荷重をかけたスチールウールを20往復させた後、多層膜表面の傷の発生の程度を目視で観察した。観察結果から、以下の基準により耐久性を評価した。
UA:多層膜表面に傷がまったく確認されない。
A:多層膜表面にごく浅い傷がわずかに観察される。
B:多層膜表面に線状の傷が1〜2本観察される。
C:多層膜表面に線状の傷が3本以上観察される。
D:多層膜表面が重度にダメージを受けている。
また、実施例の眼鏡レンズの反射特性を評価した結果、実施例の眼鏡レンズの多層膜が、可視領域の光に対して反射防止性を示す反射防止膜として機能することも確認された。
最後に、前述の各態様を総括する。
一態様によれば、レンズ基材の表面に直接または一層以上の他の層を介して多層膜を有する眼鏡レンズであって、上記多層膜は、複数の高屈折率材料層と複数の低屈折率材料層とを含み、かつ、上記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みは、上記複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みより厚い眼鏡レンズが提供される。
上記眼鏡レンズが有する多層膜は、優れた耐熱性を示すことができる。したがって、上記眼鏡レンズは、高温下での保管ないし使用により多層膜にクラックが発生して外観品質が低下することを抑制することができる。
一態様では、上記複数の高屈折率材料層の合計厚みは、上記複数の低屈折率材料層の合計厚みより厚い。
一態様では、上記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層および複数の低屈折率材料層は、レンズ基材に近い側から遠い側に向かって、第一層目の高屈折率材料層、第二層目の低屈折率材料層、第三層目の高屈折率材料層、および第四層目の低屈折率材料層の4層からなる。
一態様では、上記第三層目の高屈折率材料層が、上記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層である。
一態様では、上記複数の高屈折率材料層は、ジルコニウム酸化物の蒸着膜である。
一態様では、上記複数の高屈折率材料層は、ニオブ酸化物の蒸着膜である。
一態様では、上記複数の低屈折率材料層は、ケイ素酸化物の蒸着膜である。
一態様では、上記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層および複数の低屈折率材料層は、レンズ基材に近い側から遠い側に向かって、第一層目の高屈折率材料層であるジルコニウム酸化物の蒸着膜、第二層目の低屈折率材料層であるケイ素酸化物の蒸着膜、第三層目の高屈折率材料層であるジルコニウム酸化物の蒸着膜、および第四層目の低屈折率材料層であるケイ素酸化物の蒸着膜の4層からなる。一態様では、上記第三層目のジルコニウム酸化物の蒸着膜が、上記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層である。
一態様では、上記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層および複数の低屈折率材料層は、レンズ基材に近い側から遠い側に向かって、第一層目の高屈折率材料層であるニオブ酸化物の蒸着膜、第二層目の低屈折率材料層であるケイ素酸化物の蒸着膜、第三層目の高屈折率材料層であるニオブ酸化物の蒸着膜、および第四層目の低屈折率材料層であるケイ素酸化物の蒸着膜の4層からなる。一態様では、上記第三層目のニオブ酸化物の蒸着膜が、上記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層である。
一態様では、上記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みTaと上記複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みTbとの差分(Ta−Tb)は、1.0nm以上30.0nm以下である。
一態様では、上記差分(Ta−Tb)は、1.0nm以上10.0nm以下である。
一態様によれば、上記眼鏡レンズと、この眼鏡レンズを取り付けたフレームと、を有する眼鏡も提供される。
上記眼鏡は、優れた耐熱性を示すことができる多層膜を有する眼鏡レンズを備えるため、高温下での保管ないし使用により多層膜にクラックが発生して眼鏡レンズの外観品質が低下し、ひいては眼鏡の外観品質が低下することを抑制することができる。
本明細書に記載の各種態様は、任意の組み合わせで2つ以上を組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、眼鏡レンズおよび眼鏡の製造分野において有用である。

Claims (10)

  1. レンズ基材の表面に直接または一層以上の他の層を介して多層膜を有する眼鏡レンズであって、
    前記多層膜は、複数の高屈折率材料層と複数の低屈折率材料層とを含み、かつ、
    前記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みは、前記複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みより厚い眼鏡レンズ。
  2. 前記複数の高屈折率材料層の合計厚みは、前記複数の低屈折率材料層の合計厚みより厚い、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 前記多層膜に含まれる複数の高屈折率材料層および複数の低屈折率材料層は、前記レンズ基材に近い側から遠い側に向かって、
    第一層目の高屈折率材料層、
    第二層目の低屈折率材料層、
    第三層目の高屈折率材料層、および
    第四層目の低屈折率材料層、
    の4層からなる、請求項1または2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 前記第三層目の高屈折率材料層が、前記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層である、請求項3に記載の眼鏡レンズ。
  5. 前記複数の高屈折率材料層はジルコニウム酸化物の蒸着膜である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  6. 前記複数の高屈折率材料層はニオブ酸化物の蒸着膜である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  7. 前記複数の低屈折率材料層はケイ素酸化物の蒸着膜である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  8. 前記複数の高屈折率材料層の中で最大厚みを有する高屈折率材料層の厚みTaと前記複数の低屈折率材料層の中で最大厚みを有する低屈折率材料層の厚みTbとの差分(Ta−Tb)は、1.0nm以上30.0nm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ。
  9. 前記差分(Ta−Tb)は、1.0nm以上10.0nm以下である、請求項8に記載の眼鏡レンズ。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の眼鏡レンズと、該眼鏡レンズを取り付けたフレームと、を有する眼鏡。
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