JP7381329B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置に関する。
可視光撮影と赤外光撮影との両方を行う監視カメラ等の撮像装置が知られている。CCDセンサやCMOSセンサといった撮像センサの受光部であるフォトダイオードは1300nm程度の近赤外の波長帯域まで受光可能であるため、これらの撮像センサを用いた撮像装置であれば、赤外帯域まで撮像することが原理的に可能である。
人間の視感度が高い波長帯域は400nm~700nmであることから、撮像センサにおいて近赤外光を検出すると、人間の目には映像が赤みを増して見えることになる。このため、昼間や屋内の明るい場所での撮影時には、撮像センサの感度を人間の視感度に合わせるために、撮像センサの前に赤外帯域の光を遮断する赤外カットフィルタ(IRCF)を設け、波長が700nm以上の光を除去する必要がある。また、夜間や暗い場所での撮影時には、赤外カットフィルタを設けずに撮影を行う必要がある。
このような撮像装置として、手動で赤外カットフィルタの取り付け、取り外しを行う撮像装置や、赤外カットフィルタが自動で抜き差しされる撮像装置が知られている。また、特許文献1には、赤外カットフィルタの抜き差しを不要とした撮像装置が開示されている。特許文献1に係る撮像装置では、可視光帯域の光と、近赤外帯域の950nm近傍の光とを透過する特性を持つ光学フィルタを用いることで、可視光帯域および赤外帯域での撮影を実現している。換言すると、当該光学フィルタは、可視光撮影および赤外光撮影の両方を可能とするデュアルバンドパスフィルタ(DBPF)となっている。
また、撮像装置には、円筒状の鏡筒の内部に、複数のレンズが軸方向に沿って配置されたレンズユニットが用いられるものがあり、このレンズユニットには、ゴーストやフレア等の要因となるレンズ表面での光の反射を減少させるために、レンズ表面に反射防止膜(ARコート)が形成されたものがある(例えば、特許文献2参照)。この反射防止膜は、可視光帯域の光の反射を減少させるように形成されている。
特許5009395号公報 特開2017-151451号公報
ところで、反射防止膜の膜厚は、反射防止対象となる光の波長に依存し、当該光の波長の帯域が広帯域となるほど、反射防止膜の総数を厚くせざるを得ず、反射防止膜全体の膜厚が厚く形成される傾向がある。可視光撮影および近赤外光撮影を可能とすべく、可視光帯域から近赤外帯域(約400nm~約1000nm)の光の反射を減少させるように、反射防止膜(ワイドバンドARコート)をプラスチックレンズの表面に形成する場合、可視光帯域から近赤外帯域にかけて所定(例えば0.5%)の反射率以下とするためには、例えば反射防止膜を29層の多層膜とする必要がある。図16は、29層からなる反射防止膜の詳細を示す図である。図16に示すように、ワイドバンドARコートの総膜厚は約1400nmとなっている。また、図13は、波長(横軸)と片面反射率(縦軸)との関係を示したグラフであり、図中の特性曲線L1がワイドバンドARコートをプラスチックレンズに形成した場合のものである。この特性曲線L1から分かるように、29層のこのワイドバンドARコートでは、波長が約400nmから約1000nmとなる区間において、反射率が0.5%以下となっている。
ワイドバンドARコートをプラスチックレンズの表面に形成した場合、膜厚が厚くなるため、プラスチックレンズが熱膨張による変形を起こした際にワイドバンドARコートが当該変形に基づく応力を受けやすくなる。このため、高温時にプラスチックレンズが変形してワイドバンドARコートにクラックが発生し、反射防止膜としての機能が損なわれるおそれがある。また、膜厚が厚くなることで、レンズに対する入射角の大きい光の反射率が、膜厚が薄い場合に比べて上昇し(入射角依存性が悪化し)、反射防止膜としての機能が損なわれるおそれがある。したがって、反射防止膜(ARコート)を形成してレンズ表面での光の反射を抑制しつつ、可視光撮影および近赤外光撮影を同時に行うことが困難であった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、赤外カットフィルタを用いることなく可視光撮影および近赤外光撮影を同時に行うことができるとともに、レンズ表面に形成された反射防止膜がその膜厚増大を抑制しつつ高温/高温高湿環境下で優れた耐久性および反射防止特性を示すことができる、撮像装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、画素毎に受光素子が配置された撮像センサ本体と、可視光の複数の色の領域および赤外光の領域が、所定配列で前記撮像センサ本体の前記受光素子に対応して配置されたカラーフィルタとを備える撮像センサと、前記撮像センサ上に像を結ぶレンズを有する光学系と、前記撮像センサまたは前記光学系のいずれかに設けられ、可視光帯域に透過特性を有し、前記可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に高反射率特性を有し、前記第1の波長帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有する光学フィルタと、前記撮像センサから出力される信号に基づいて、前記可視光の各色の成分の信号から前記赤外光の成分の信号を減算する処理を行い、可視画像信号および赤外画像信号を出力する信号処理手段とを備え、前記レンズの表面には分光特性を有する反射防止膜が形成されており、前記分光特性は、前記可視光帯域に低反射率特性を有し、前記可視光帯域の長波長側に隣接する前記第1の波長帯域に高反射率特性を有し、前記第1の波長帯域内の一部分である第3の波長帯域に低反射率特性を有し、前記第3の波長帯域が、前記光学フィルタの前記第2の波長帯域に含まれていることを特徴とする。なお、前記反射防止膜は光学系を構成するレンズのすべてに形成される必要はなく、少なくともの一部のレンズに形成されればよい。特に、前記反射防止膜は光学系を構成するレンズのうちの樹脂レンズに形成するのが好ましいが、ガラスレンズに形成されても構わない。
このような構成によれば、光学フィルタが、可視光帯域に透過特性を有し、可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に遮断特性を有し、第1の波長帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有しており、かつ、レンズの表面には分光特性を有する反射防止膜が形成されており、この分光特性は、可視光帯域に低反射率特性を有し、可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に高反射率特性を有し、第1の波長帯域内の一部分である第3の波長帯域に低反射率特性を有し、第3の波長帯域が、光学フィルタの第2の波長帯域に含まれている。このため、カラーフィルタの各色の領域を通過する各色の可視光成分に含まれる赤外光成分は、反射防止膜の第3の波長帯域と光学フィルタの第2の波長帯域とを通過する赤外光成分となる。また、カラーフィルタの赤外光の領域を通過する赤外光成分は、反射防止膜の第3の波長帯域と光学フィルタの第2の波長帯域とを通過する赤外光成分となる。このように、可視光に含まれる赤外光成分の波長範囲を、反射防止膜(第3の波長帯域)とDBPF(第2の波長帯域)とにより制限することで、波長範囲が制限された赤外光成分を、各色の可視光成分から除去することが可能となる。このため、各色の可視光成分に含まれる赤外光成分をより正確に除去することが可能となり、赤外カットフィルタを用いることなく、赤外カットフィルタを用いた場合と同様の可視画像を得ることができる。これにより、赤外カットフィルタを用いることなく可視光撮影と近赤外光撮影とを同時に行うことができる。また、レンズの表面に形成される反射防止膜が前述したような分光特性を有するように構成されることにより、反射防止膜を薄膜とすることができる。すなわち、本発明の反射防止膜は、前述した29層のワイドバンドARコートのように約400nmから約1000nmの幅広い波長区間にわたって反射率を0.5%以下にすることなく、高反射率特性領域を間に挟んで可視光帯域と第3の波長帯域とに分けて限定的に低反射率特性領域を設ける(実際に必要となる領域のみに部分的に低反射率特性領域(反射防止特性領域)を割り当てる)ようにしているため、その総膜厚を大幅に削減する(総膜厚を800nm以下にする)ことが可能となる。この場合、特に、反射防止膜は、可視光帯域に透過率が95%以上の低反射率特性を有するとともに、第3の波長帯域に透過率が95%以上の低反射率特性を有し、低反射率特性を有するこれら2つの帯域間に透過率が95%未満の高反射率特性を有することが好ましい。このように、反射防止膜を薄膜とすることができれば、反射防止膜の膜厚が厚い場合に生じる、クラックの発生、入射角依存性の悪化という問題を防ぐことができる。これにより、反射防止膜の機能が損なわれることがなく、レンズ表面での光の反射に起因する問題が生じるのを抑制できる。
なお、可視光帯域は、約400nm程度から約700nm程度の波長帯域である。第1の波長帯域は、近赤外の波長帯域として約700nm程度以上の波長帯域である。第2の波長帯域は、例えば、約800nm程度から約1100nm程度の波長帯域、またはこの波長帯域に含まれる波長帯域である。第3の波長帯域は、例えば、約930nm程度から約980nmの波長帯域である。
また、1つの撮像素子で赤外光の領域を含むカラーフィルタを用いて撮影しているので、可視画像と赤外画像とで撮影範囲にずれがでることがなく、基本的に可視画像の各画素と赤外画像との各画素がそれぞれ対応していることになる。よって、2つの撮像素子を用いた場合のように両者の位置ずれを補正する必要がない。
本発明の前記構成において、前記光学フィルタの前記第2の波長帯域が、前記可視光帯域より長波長側において前記カラーフィルタの各色の領域の透過率が互いに近似する第4の波長帯域に含まれていることを特徴とする。
このような構成によれば、光学フィルタの第2の波長帯域が、カラーフィルタの各色の領域の透過率が略近似した状態となる第4の波長帯域に含まれているため、光学フィルタの第2の波長帯域(反射防止膜の第3の波長帯域)を通過し、かつカラーフィルタの各色の領域を通過する光の透過率が、当該各色の領域で略同じになる。また、カラーフィルタの各色の領域で透過率が大きく異なる波長帯域が、光学フィルタにおける可視光帯域と第2の波長帯域との間であり遮断特性を有する波長帯域と重なるため、カラーフィルタの各色の領域で透過率が大きく異なる波長帯域の光は光学フィルタを通過せず、赤外側において、カラーフィルタの各色の領域で透過率が近似する波長帯域の光のみが光学フィルタを通過することとなる。これにより、可視光の各色の成分の信号から赤外光の成分の信号をより正確に除去することができ、光学フィルタの第2の波長帯域を透過した赤外光による影響を抑制した可視画像を得ることができる。
また、本発明の上記構成において、前記カラーフィルタの前記第4の波長帯域では、各色の領域の透過率の差が10%以下となっていることを特徴とする。
このような構成によれば、第4の波長帯域では、各色の領域の透過率の差が10%以内となっているため、光学フィルタの第2の波長帯域を通過する赤外光による可視画像への影響を抑制する画像処理がより容易となり、色の再現性を向上させることができる。
なお、反射防止膜の組成は様々に考えられるが、前述の分光特性を実現する好適な例として、第1の屈折率を有する材料から形成される第1の膜と、第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する材料から形成される第2の膜とを交互に積層して成り、第1の膜を形成する材料がSiOを主成分とし、第2の膜を形成する材料がZrOまたはTaを主成分とする反射防止膜を挙げることができる。
また、本発明者らは、上記に加え、多層構造を成す反射防止膜を構成する各層(各膜)の内部応力が高温及び高温高湿環境下での膜の耐久性にどのような影響を及ぼすかにつき検証し、低屈折率材料の膜と高屈折率材料の膜とを交互に積層して成る積層構造において、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の内部応力がいずれも0~50MPaの圧縮応力を示すような応力形態を保つと、換言すると、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の融点がいずれも2100℃以下で、かつ、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜のヤング率がいずれも110MPa以下であれば、反射防止膜が高温環境下及び高温高湿環境下で優れた耐久性を示すことを知見した。以下、これについて具体的に説明する。
まず初めに、図17の表に示されるように、屈折率が1.54の樹脂レンズ上に、屈折率が1.54のSiOを26.33nmの厚さで設け、さらにその上に、屈折率が2.00のZrO(融点2700℃;ヤング率210MPa)とこのZrOよりも低い1.42の屈折率を有するSiO(融点1700℃)とを交互に積層して成る積層構造(下層から順に厚さが6.75nm(ZrO)、14.28nm(SiO)、33.76nm(ZrO)、9.52nm(SiO)、76.30nm(ZrO)、85.69nm(SiO))を有する反射防止膜(全部で7層の積層構造)につき所定の光入射角で所定のシミュレーションにより最適化を行なったところ、図13の分光特性図(反射防止膜の片面反射率(%)と入射光波長(nm)との間の関係を示す分光特性図)に示される分光特性曲線L2が得られた。
この分光特性曲線L2から分かるように、低屈折率材料(SiO)の膜と高屈折率材料(ZrO)の膜とを交互に積層して成るこの反射防止膜は、規定の広波長帯域(400nm~700nm)において所望の低反射率条件(反射率1.5以下)をほぼ満たすことができるが、前述したように、SiO膜の内部応力が圧縮応力を示し、ZrO膜の内部応力が高い引張応力を示すようになり、膜全体として引張応力が強くなりすぎてしまう(膜全体の内部応力が一方に偏ってしまう)ことから、高温試験時など高温環境に晒されてレンズが膨張すると、その変形に耐え切れなくなって表面(反射防止膜の表面)にクラックが発生し得る。そして、このようにして生じたクラックは、ゴースト現象の原因になるとともに、光学特性にも悪影響を与える。
このような内部応力の偏りに伴うクラックの発生は、膜の積層数を減らして膜全体の応力を小さくすれば、ある程度防止し得る。しかしながら、そのような反射防止膜では、規定の入射波長範囲(400nm~700nm)内で反射率が1.5以下に完全に収まらなかった。すなわち、反射率が全体的に高くなってしまい、分光特性が悪化してしまう。
そこで、本発明者らは、低屈折率材料の膜と高屈折率材料の膜とを交互に積層して成る反射防止膜の積層構造を構成する各層(各膜)の内部応力に着目し、様々な試験を伴う試行錯誤の結果、広波長帯域において所望の低反射率条件を満たしつつ(具体的には、例えば、規定の広波長帯域(400nm~700nm)において所望の低反射率条件(反射率1.5以下)をほぼ満たすことができる積層数を確保した状態でも)クラックや膜の膨れ隆起現象が生じ得ない(高温環境下および高温高湿環境下での応力変化に膜が追従できる)応力形態を突き止めた。すなわち、常温において、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の内部応力がいずれも0~50MPaの圧縮応力を示すような応力形態を保つと、具体的には、例えば、そのような応力形態を実現し得るような材料を低屈折率材料および高屈折率材料として採用し、必要に応じて各層(各膜)の内部応力(圧縮応力)を0~50MPaまで下げるような成膜条件を設定すると、高温高湿環境下で優れた膜耐久性が得られることが本発明者らにより確認された。この場合、積層構造を構成する各層間の内部応力(圧縮応力)の差を可能な限り低く抑え、積層構造全体にわたる圧縮応力分布を可能な限り平滑化する(あるいは、反射防止膜全体を低応力化する)ことが望ましい。
一例として、ZrOまたはTaよりも内部応力が低い(ZrOまたはTaよりも柔らかく融点が低い)材料、例えばNbTiOを高屈折率材料(または高屈折率材料の主成分)として採用する。NbTiOは、融点が低く(融点が約1490℃)かつヤング率が低い(ヤング率が約100MPa)ため、高温時にも樹脂レンズ等の基材との追従性が高い。また、SiOよりも緻密で耐熱性があるSiOとAlとの混合材料(融点が約2000℃)を低屈折率材料(または低屈折率材料の主成分)として採用する。SiOに対してAlを加えることにより、硬いだけでなく緻密な結晶構造を得ることができ、隣接する高屈折率材料による高屈折率層や樹脂レンズ等の基材との密着性を向上でき、高温時に隣接する高屈折率層やレンズ基材に対して追従性が向上する。そして、これらの高屈折率材料と低屈折率材料とを組み合わせることにより、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の内部応力がいずれも0~50MPaの圧縮応力を示すような応力形態を実現することができる(低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の融点をいずれも2100℃以下とし、かつ、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜のヤング率をいずれも110MPa以下とすることにより、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の内部応力がいずれも0~50MPaの圧縮応力を示すような応力形態を実現できる)。また、各層(各膜)の内部応力(圧縮応力)を0~50MPaまで下げるような成膜条件の設定は、例えば、酸素導入量の制御によって行なわれてもよく、あるいは、積層構造を構成する各層がイオンアシスト法またはプラズマアシスト法を用いて形成される場合には、そのようなアシストプロセスのパラメータ(例えばガス流量、照射時間、印加出力など)を制御することによって行なわれてもよい。
なお、上記構成において、反射防止膜は、レンズの少なくとも光学的に有効な範囲(有効径)内に例えば蒸着により設けられる。また、上記構成において、反射防止膜は、交互に積層される第1の膜と第2の膜との間に他の膜が介在していてもよい。また、上記構成において、反射防止膜を伴う膜付きレンズは、ガラス製であってもよく、あるいは、樹脂製であってもよい。しかしながら、前述したように、この反射防止膜は、レンズの熱変形にも追従できる耐熱性の優れた性質を有するため、温度変化によって膨張収縮し易い樹脂レンズにおいて特に好適である。また、上記構成において、反射防止膜は、物体側に面するレンズの表面のみならず、像側に面するレンズの裏面に設けられてもよい。
本発明によれば、赤外カットフィルタを用いることなく可視光撮影および近赤外光撮影を同時に行うことができるとともに、レンズ表面に形成された反射防止膜がその膜厚増大を抑制しつつ高温/高温高湿環境下で優れた耐久性および反射防止特性を示すことができる撮像装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る撮像装置の概略構成図である。 同、赤外領域を有するカラーフィルタの配列パターンを説明するための図である。 同、カラーフィルタのR,Gの領域の透過率スペクトルを示すグラフである。 同、カラーフィルタのB,IRの領域の透過率スペクトルを示すグラフである。 同、DBPFの透過率スペクトルを示すグラフである。 同、カラーフィルタおよびDBPFの透過率スペクトルを示すグラフである。 同、撮像レンズについて説明するための図である。 同、反射防止膜の積層構造の詳細なデータを示す表図である。 同、図8の積層構造を成す反射防止膜の分光特性図(波長-片面反射率線図)である。 同、図8の積層構造を成す反射防止膜の分光特性図(波長-透過率線図)である。 同、DBPF、カラーフィルタおよび反射防止膜の透過率スペクトルを示すグラフである。 図8と同様に15層構造を成す変形例に係る高耐熱反射防止膜の積層構造の詳細なデータを示す表図である。 図8、図16および図17のそれぞれの積層構造を成す反射防止膜の分光特性図(波長-片面反射率線図)である。 図8および図12のそれぞれの積層構造を成す反射防止膜の分光特性図(波長-片面反射率線図)である。 図8および図12のそれぞれの積層構造を成す反射防止膜の分光特性図(波長-透過率線図)である。 ワイドバンドARコートの積層構造の詳細なデータを示す表図である。 従来の7層反射防止膜の積層構造の詳細なデータを示す表図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、撮像装置100で用いられるカメラ110は、光学フィルタとしてのDBPF111と、撮像用の光学系としての撮像レンズ10と、カラーフィルタ113およびセンサ本体114を備えた撮像センサ115と、撮像センサ115からの出力信号に処理を施す信号処理部(信号処理手段)116とを備えている。また、信号処理部116は、カラーの可視画像信号121と赤外画像信号122とを出力する。
撮像センサ(イメージセンサ)115は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサであるセンサ本体114と、このセンサ本体114の各画素(各受光素子)に対応して、赤(R)、緑(G)、青(B)、赤外(IR)の各領域(各色のフィルタ)が、所定の配列で配置されたカラーフィルタ113とを備えている。
センサ本体114としてのCCDイメージセンサでは、各画素に受光素子としてのフォトダイオードが配置されている。なお、センサ本体114は、CCDイメージセンサに代えてCMOS(Complementary Metal・Oxide Semiconductor)イメージセンサであってもよい。
赤(R)、緑(G)、青(B)の各領域を有しているが赤外(IR)の領域を有していないベイヤー配列のカラーフィルタは、基本パターンとなる縦4×横4の16個の領域を有し、8個の領域がGの領域とされ、4個の領域がRとされ、4個の領域がBとされている。これに対して、本実施の形態に係るカラーフィルタ113は、図2に示すように、ベイヤー配列における8個のGの領域のうちの4個がIRの領域となっており、Rの領域が4個、Gの領域が4個、Bの領域が4個、IRの領域が4個となっている。なお、R,G,Bの各領域は、各色の波長範囲に透過率のピークを備えるとともに、近赤外の波長域に透過性を有しているため、図2では、Rの領域を「R+IR」、Gの領域を「G+IR」、Bの領域を「B+IR」としている。なお、IRの領域を含むカラーフィルタは、図2に示すカラーフィルタ113に限られるものではなく、様々な配列のカラーフィルタを用いることができる。ただし、可視光の各色の領域とIRの領域との両方を含む必要がある。なお、カラーフィルタを以下のように構成してもよい。すなわち、カラーフィルタを、4行4列の基本配列において、R,G,B,Cの4種類の領域のうちのGの領域が4つ、Cの領域が8つ、Rの領域およびBの領域が2つずつ配置されるとともに、同じ種類の領域同士は互いに行方向および列方向で隣接しないように離れて配置されているものとしてもよい。このとき、8つ配置されるCの領域は市松模様となるように配置される。ここで、Cとは、クリアな領域として素通しの状態を示すもので、基本的に可視光帯域から近赤外の波長帯域まで透過特性を有するものとなっている。可視光帯域においてC=R+G+Bとなる。なお、クリアとなるCは、RGBの3色が透過することから白色光、すなわちホワイト(W)ということができ、C=W=R+G+Bとなる。したがって、Cは、可視光帯域の略全波長帯域の光量に対応することになる。
カラーフィルタ113のRの領域、Gの領域、およびBの領域の透過率スペクトルは、図3および図4に示すグラフのようになっている。図3には、カラーフィルタ113のRの領域、Gの領域の透過率スペクトルが示されており、図4には、カラーフィルタ113のBの領域、IRの領域の透過率スペクトルが示されている。図3および図4では、縦軸が透過率を示し、横軸が波長を示している。図3および図4のグラフにおける波長(横軸)の範囲は、可視光帯域と近赤外帯域の一部とを含むもので、300nm~1100nmとなっている。
図3(a)は、Rの領域の透過率スペクトルを示している。
Rの領域は、グラフのR(点線)に示すように、波長600nmで略最大の透過率となり、その長波長側は、1000nmを超えても透過率が略最大の状態が維持された状態となっている。
図3(b)は、Gの領域の透過率スペクトルを示している。
Gの領域は、グラフのG(二点鎖線)に示すように、波長が540nm程度の部分に透過率極大となるピークを有し、その長波長側の620nm程度の部分に、透過率極小となる部分がある。また、透過率極小となる部分より長波長側が上昇傾向となり、850nm程度で透過率が略最大となる。それより長波長側では、1000nmを超えても透過率が略最大となった状態となっている。
図4(a)は、Bの領域の透過率スペクトルを示している。
Bの領域は、グラフのB(破線)に示すように、波長が460nm程度の部分に透過率が極大となるピークを有し、その長波長側の630nm程度の部分に、透過率が極小となる部分がある。また、それより長波長側が上昇傾向となり、860nm程度で透過率が略最大となり、それより長波長側では、1000nmを超えても透過率が略最大となった状態となっている。
図4(b)は、IRの領域の透過率スペクトルを示している。
IRの領域は、グラフのIR(一点鎖線)に示すように、780nm程度から短波長側の光を遮断し、1020nm程度から長波長側の光を遮断し、820nm~920nm程度の部分が、透過率が略最大となっている。
図3および図4において、縦軸(透過率)の1.0は、光を100%透過することを意味するものではなく、カラーフィルタ113において、例えば、最大の透過率を示すものである。
DBPF111の透過率スペクトルは、図5に示すグラフのようになっている。DBPF111は、可視光帯域に透過特性を有し、可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に遮断特性を有し、第1の波長帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有する光学フィルタとなっている。このDBPF111の第2の波長帯域を通過する赤外光は、カラーフィルタ113のIRの領域(図4(b))を通過することとなる。
なお、可視光帯域とは、約400nm程度から約700nm程度の波長帯域である。また、第1の波長帯域とは、近赤外の波長帯域としての約700nm程度以上の波長帯域である。また、第2の波長帯域とは、例えば、約800nm程度から約1100nm程度の波長帯域、またはこの波長帯域に含まれる波長帯域であり、図5では、約830nm程度から約970nm程度の波長帯域となっている。
また、図1に示すように、DBPF111を、撮像レンズ10と、カラーフィルタ113を備える撮像センサ115との間に設ける場合、DBPF111を撮像レンズ10の像側に設けても、撮像センサ115における撮像レンズ10側に設けてもよい。また、DBPF111を、撮像レンズ10の物体側に設けてもよい。
図5に示すように、DBPF111は、DBPF(VR)と示されている可視光帯域と、可視光帯域の長波長側であって可視光帯域から少し離れた位置にDBPF(IR)と示されている赤外帯域の一部分との2つの帯域で、透過率が高くなっている。なお、可視光帯域における透過率が高い帯域としてのDBPF(VR)は、約370nm程度から約700nm程度の波長帯域となっている。また、赤外帯域における透過率が高い帯域(第2の波長帯域)としてのDBPF(IR)は、既述のとおり、約830nm程度から約970nm程度の波長帯域となっている。
図6は、カラーフィルタ113およびDBPF111の透過率スペクトルを示すグラフである。すなわち、図3、図4および図5を重ねたグラフである。
カラーフィルタ113の各領域の透過率スペクトルと、DBPF111の透過率スペクトルとの関係が以下のように規定されている。すなわち、DBPF111の透過率スペクトルの赤外光を透過するDBPF(IR)は、Rの領域、Gの領域、Bの領域の全てが略最大の透過率となって各領域で透過率が略同じとなる波長帯域A(第4の波長帯域)内に含まれている。また、DBPF(IR)は、IRの領域で透過率が略最大となる波長帯域B(第5の波長帯域)内に含まれるようになっている。波長帯域Aは、例えば、約820nm程度以上の波長帯域である。また、波長帯域Bは、例えば、約790nm程度から約990nm程度の波長帯域である。
R,G,Bの各領域の透過率が略同じになる波長帯域Aでは、各領域の透過率の差が透過率で10%以下であることが好ましい。また、波長帯域Aより短波長側の波長帯域C(第6の波長帯域)では、透過率が略最大のRの領域に対して、Gの領域、Bの領域では透過率が低くなっている。なお、波長帯域Cは、例えば、約700nm程度から約820nm程度の波長帯域である。
図6に示すように、R,G,Bの各領域の透過率に差がある部分は、DBPF111における、可視光帯域において透過率が高い部分であるDBPF(VR)と、赤外帯域において透過率が高い部分であるDBPF(IR)との間の、透過率が極小となる部分(光が略遮断される部分)に対応している。換言すると、DBPF111は、赤外側において、R,G,Bの各領域の透過率の差が大きくなる波長帯域の光は遮断し、その波長帯域より長波長側でR,G,Bの各領域の透過率が略最大となって透過率が略同じとなる波長帯域(波長帯域A)の光を透過するようになっている。
本実施の形態において、赤外光カットフィルタに代えて用いられるDBPF111では、可視光帯域だけではなく、赤外側の第2の波長帯域にも光を透過する領域があるため、可視光によるカラー撮影に際して、第2の波長帯域を通過した光の影響を受けることとなるが、DBPF111の第2の波長帯域は、R,G,Bの各領域で透過率が異なる部分の光を透過せず、各領域の透過率が略最大となって略同じ透過率となる波長帯域の光だけを透過するようになっている。また、DBPF111の第2の波長帯域においては、IRの領域で透過率が略最大となる部分の光を透過するようになっている。ここで、略同じ光が照射される極めて近接した4つの画素にR,G,B,IRの領域がそれぞれ設けられていると仮定した場合に、第2の波長帯域においては、Rの領域、Gの領域、Bの領域、IRの領域で略同様に光が通過することになり、赤外側の光としては、IRを含む各領域で略同じ光量の光が、センサ本体114の画素のフォトダイオードに至ることとなる。すなわち、R,G,Bの各領域を透過する光のうちの赤外側の第2の波長帯域を通過する光の光量は、IRの領域を通過する光の光量と同様となる。
このため、R,G,Bの各領域を透過した光を受光したセンサ本体114(R画素、G画素、B画素)の出力信号と、IRの領域を通過した光を受光したセンサ本体114(IR画素)の出力信号との差分が、各R,G,Bの領域で通過した赤外側の光を除去したR,G,Bそれぞれの可視光部分の出力信号となる。
カラーフィルタ113のパターン(図2)に示したように、センサ本体114の画素毎にR,G,B,IRのいずれか1つの領域が配置されることになる。各画素に照射される各色の光の光量が異なる場合、例えば、各画素において、周知の内挿法(補間法)を用いて、各画素の各色の輝度を求め、この補間された各画素のR,G,Bの輝度と、同じく補間されたIRの輝度との差分を、それぞれR,G,Bの輝度とすることができる。なお、R,G,Bの各色の輝度から赤外光成分を除く画像処理方法はこれに限られるものではなく、最終的にR,G,Bの各輝度から第2の波長帯域を通過した光の影響を除去できる方法であれば、いずれの方法を用いてもよい。いずれの方法を用いても、DBPF111が、赤外側でR,G,Bの領域の透過率の差が所定の割合(例えば10%)より大きい部分の光をカットしているので、各画素において、赤外光の影響を除く処理が容易となる。
赤外光撮影を夜間撮影として用いる場合には、赤外光照明が必要となる。DBPF111の透過率スペクトルは、R,G,B,IRの各領域の透過率スペクトルと、赤外光照明の光、たとえば、照明用赤外光LEDの発光スペクトルとを考慮して決定する。
撮像装置100によれば、DBPF111の赤外側で光を透過する第2の波長帯域が、R,G,B,IRの各領域の赤外側で、各領域の透過率が略最大となって各領域の透過率が略同じとなる波長帯域Aに含まれるとともに、IRの領域の透過率が略最大となる波長帯域Bに含まれる。換言すると、可視光帯域より長波長側で、R,G,Bの各領域(各フィルタ)の透過率がRの領域だけ略最大となり、G,Bの領域は透過率が略最大となっておらず、R,G,Bの各領域の透過率が略同じとならずに異なっている部分の光は、DBPF111によりカットされる。
R,G,B,IRの各領域における赤外側の透過率が全て略同じであり、第2の波長帯域を透過する光が同じ光量で照射されれば、R,G,B,IRの各領域における透過光量が同じになる。このため、R,G,Bの各領域に対応する画素から出力される信号に基づき色の補正を行う処理を、容易かつ正確に行い、カラー撮影時に、DBPF111の第2の波長帯域を通過する赤外光による影響を抑制した可視画像を得ることができる。これにより、赤外光の影響を除去する画像処理を容易かつ正確に行うことができ、従来の赤外光カットフィルタを用いた場合と同様に、色再現性に優れた可視画像(カラー画像)を得ることができる。
また、DBPF111の第2の波長帯域を、波長帯域Aおよび波長帯域Bに含まれる赤外光照明の発光スペクトルのピークに対応させることで、赤外光照明の光が効率的に用いられるとともに、第2の波長帯域の幅を狭めて、カラー撮影時に、第2の波長帯域を通過する赤外光の影響を小さくすることができる。
DBPF111を用いた場合、信号処理部116が行う処理、すなわち撮像センサ115から出力されるRGBの各信号の値からIRの信号の値を減算する処理(補正)がより高精度となる。例えば、撮像センサ115のR,G,Bの各画素の受光成分は、以下に示すように、各色の成分にIRの成分を加えた状態となっている。
R画素 R+IR
G画素 G+IR
B画素 B+IR
IR画素 IR
そこで、以下に示すように、R,G,Bの各画素の受光成分からIR成分を除くIR補正を行う。
R画素 (R画素出力)-(IR画素出力)=(R+IR)-IR=R
G画素 (G画素出力)-(IR画素出力)=(G+IR)-IR=G
B画素 (B画素出力)-(IR画素出力)=(B+IR)-IR=B
これにより、DBPF111を透過するとともにカラーフィルタ113を透過するIR成分を、カラーフィルタ113のIR以外の各色の領域から除去することができる。
また、信号処理部116は、同時化処理(内挿処理)、ガンマ補正、ホワイトバランス、RGBマトリックス補正等の処理を行う。信号処理部116は、IR成分が除かれたRGBの各信号からなる可視画像信号121と、IR信号からなる赤外画像信号122とを出力する。
撮像レンズ10は、撮像センサ115上に像を結ぶ光学系を構成する。本実施の形態では、可視画像の撮像と、赤外画像の撮像とを1群の撮像レンズ10で行っても、可視画像と赤外画像との両方で略ピントがあった状態とするために、以下に示す構造の撮像レンズ10を用いている。
図7に示すように、撮像レンズ10は、物体側から像側に向かって順に、負のパワーを備える第1レンズ11、負のパワーを備える第2レンズ12、正のパワーを備える第3レンズ13、および正のパワーを備える第4レンズ14を備えている。また、第3レンズ13と第4レンズ14の間には絞り15が配置されており、第4レンズ14の像側には板ガラス16が配置されている。結像面I1は、板ガラス16から所定の距離だけ離れた位置となっている。第4レンズ14は、接合レンズであり、負のパワーを備える物体側レンズ17と正のパワーを備える像側レンズ18とからなっている。物体側レンズ17と像側レンズ18とは樹脂接着剤により接着されており、物体側レンズ17と像側レンズ18との間には樹脂接着剤層B1が形成されている。
撮像レンズ10を構成する第1レンズ11はガラス製のレンズ、第2レンズ12、第3レンズ13および第4レンズ14は樹脂製のレンズ(プラスチックレンズ)である。次に、第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、および第4レンズの表面に形成されている反射防止膜について説明する。
反射防止膜は、物質の表面における光の反射を減少させるために、物質の表面に形成される透明な薄膜である。例えば、単層の薄膜では、物質の屈折率をn0、薄膜の屈折率をn1、外の媒質の屈折率をn2としたときに、n0>n1>n2(またはn0<n1<n2)の条件で、薄膜の厚さをdとすると、薄膜の光学的厚さn1dが1/4波長のとき、反射率は最小になり、さらに薄膜の屈折率n1=(n0・n2)1/2の条件を満足するとき、最小反射率の値は0になる。また、物質の表面における光の反射をさらに減少させる場合には、多層反射防止膜(多層膜)が用いられる。
反射防止膜には、ARコートがある。ARコートは真空蒸着法等により形成される。ARコートの材料としては、例えば、MgF2、SiO2、Ta2O5、ZrO2等が用いられる。また、ARコートの形成には、真空蒸着法以外の方法として、湿式による方法があり、例えば、フッ素樹脂系の材料を塗布するものが知られている。なお、ARコートとしては、上述のものに限られず、各種ARコートを用いることができるが、蒸着により形成され、硬度が高いものが好ましい。
本実施の形態では、反射防止膜としてのARコートが、第1レンズ11から第4レンズ14の表面(少なくとも有効径部分)に形成されている。このARコートは、分光特性を有している。以下、分光特性を有するARコートのことを分光ARコートという。また、分光特性とは、可視光帯域の光および近赤外光帯域の一部の光の反射を減少させ、それらの光を透過させる性質である。分光ARコートは、DBPF111と同等の機能を有するDBPF機能付きARコートであるため、ワイドバンドARコートに比べて薄膜とすることができる。
図8は、分光ARコートを構成する各層について説明するための図である。図8に示すように、分光ARコートは15層で構成され、総膜厚は約740nm程度となっている。具体的には、分光ARコートは、第1の屈折率を有する材料から形成される第1の膜と、第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する材料から形成される第2の膜とを交互に積層して成り、前記第1の膜を形成する材料がSiOを主成分とし、前記第2の膜を形成する材料がZrOまたはTaを主成分としている。より具体的には、屈折率が1.54の樹脂レンズ上に、屈折率が1.60のSiOを35.78nmの厚さで設け、さらにその上に、屈折率が2.05のZrOまたはTaとこのZrOまたはTaよりも低い1.41の屈折率を有するSiOとを交互に積層して成る積層構造(下層から順に厚さが10.15nm(ZrOまたはTa)、45.17nm(SiO)、31.55nm(ZrOまたはTa)、56.16nm(SiO)、23.15nm(ZrOまたはTa)、114.04nm(SiO)、6.22nm(ZrOまたはTa)、100.64nm(SiO)、28.99nm(ZrOまたはTa)、31.89nm(SiO)、92.14nm(ZrOまたはTa)、14.10nm(SiO)、41.98nm(ZrOまたはTa)、108.63nm(SiO))を有する。
また、図9は、分光ARコートをレンズ(プラスチックレンズ)の表面に形成した場合における、波長(横軸)と片面反射率(縦軸)との関係を示したグラフである。図9に示すように、この分光ARコートの分光特性曲線L3では、波長が約420nm程度から約720nm程度となる区間で、反射率が0.5%以下となっている。また、波長が約930nm程度から約980nm程度となる区間で、反射率が0.5%以下となっている。なお、反射率は、設計上0.5%以下としているが、製品としては1%以下となっていればよい。
図10は、分光ARコートをレンズ(プラスチックレンズ)の表面に形成した場合における、波長(横軸)と透過率(縦軸)との関係を示したグラフである。図示のように、この分光ARコートの分光特性曲線L3’では、波長が約420nm程度から約720nm程度となる区間で、透過率が約99%となっている。また、波長が約930nm程度から約980nm程度となる区間(第3の波長帯域)で、透過率が約99%以上となっている。しかしながら、分光ARコートは(後述する高耐熱ARコートも含めて)、好適には、可視光帯域に透過率が95%以上の低反射率特性を有するとともに、第3の波長帯域に透過率が95%以上の低反射率特性を有し、低反射率特性を有するこれら2つの帯域間に透過率が95%未満の高反射率特性を有していればよい。
図11は、DBPF111、カラーフィルタ113および分光ARコートの透過率スペクトルを示すグラフである。換言すると、図6のグラフに、さらに分光ARコートの透過率スペクトル(太線)を加えたグラフである。
分光ARコートは、可視光帯域に低反射率特性を有し、可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に高反射率特性を有し、第1の波長帯域内の一部分である第3の波長帯域(約930nm程度から約980nm程度)に低反射率特性を有しており、この第3の波長帯域が、DBPF111の第2の波長帯域に含まれている。なお、図11では、第2の波長帯域が、約810nm程度~約1000nm程度の波長帯域となっている。
レンズの表面に反射防止膜(分光ARコート)を形成した場合でも、第3の波長帯域が第2の波長帯域に含まれているため、反射防止膜(分光ARコート)が、DBPF111を用いての可視光撮影および赤外光撮影の妨げとなることはない。すなわち、レンズの表面に分光ARコートを形成した場合でも、DBPF111を用いた可視光撮影および近赤外光撮影を行うことができる。
このとき、分光ARコートはワイドバンドARコートに比べて膜厚が薄く、その総膜厚が約740nm程度となっている。換言すると分光ARコートの総膜厚は、ワイドバンドARコートの総膜厚の約半分となっている。これは、分光ARコートが、前述した29層のワイドバンドARコートのように約400nmから約1000nmの幅広い波長区間にわたって反射率を0.5%以下にすることなく、高反射率特性領域を間に挟んで可視光帯域と第3の波長帯域とに分けて限定的に低反射率特性領域を設ける(実際に必要となる領域のみに部分的に低反射率特性領域(反射防止特性領域)を割り当てる)ようにしているからである。このことは、図9に示される分光ARコートの分光特性曲線L3を前述した分光特性曲線L1,L2と重ね合わせた図13を見ても明らかである。
このように総膜厚を大幅に減らすことができれば、プラスチックレンズが熱膨張による変形をした際でも、分光ARコートにクラックが入ることはなく、反射防止膜としての機能が損なわれることはない。また、入射角の大きい光の反射率が上昇すること(入射角依存性が悪化すること)がなく、反射防止膜としての機能が損なわれることはない。
これにより、レンズ表面に形成された反射防止膜(分光ARコート)を有し、レンズ表面での光の反射に起因する問題の発生が抑制されるとともに、赤外カットフィルタを用いることなく可視光撮影および近赤外光撮影を同時に行うことが可能な撮像装置100を提供することができる。
図12には、図8の分光ARコートと同様に15層構造を成すが、それよりも高い耐熱性を有するとともに総膜厚を更に薄くできる反射防止膜(DBPF機能付き高耐熱ARコート)の積層構造が示されている。図示のように、この高耐熱反射防止膜は、屈折率が1.54の樹脂レンズ上に形成され、低屈折率材料の膜(第1の膜)と高屈折率材料の膜(第2の膜)とを交互に積層した積層構造を成す。この場合、反射防止膜は、前述したZrOよりも内部応力が低い(ZrOよりも柔らかく融点が低い)材料であるNbTiO(融点が約1490℃;ヤング率が約100MPa)を高屈折率材料(または高屈折率材料の主成分)として採用し、SiOよりも緻密で耐熱性があるSiOとAlとの混合材料(融点が約2000℃;ヤング率が110MPa以下)を低屈折率材料(または低屈折率材料の主成分)として採用することにより、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の内部応力がいずれも0~50MPaの圧縮応力を示すような応力形態を実現している(低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の融点をいずれも2100℃以下とし、かつ、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜のヤング率をいずれも110MPa以下とすることにより、低屈折率材料膜および高屈折率材料膜の内部応力がいずれも0~50MPaの圧縮応力を示すような応力形態を実現している)。また、この場合、各層(各膜)の内部応力(圧縮応力)を0~50MPaの範囲内で更に下げるように成膜条件を設定してもよい。そのような成膜条件の設定は、例えば、酸素導入量の制御によって行なわれてもよく、あるいは、積層構造を構成する各層がイオンアシスト法またはプラズマアシスト法を用いて形成される場合には、そのようなアシストプロセスのパラメータ(例えばガス流量、照射時間、印加出力など)を制御することによって行なわれてもよい。
反射防止膜の積層構造は、より具体的には、図12に示されるように、屈折率が1.54の樹脂レンズ上に、屈折率が1.64のSiOを33.84nmの厚さで設け、さらにその上に、屈折率が2.13のNbTiOとこのNbTiOよりも低い1.43の屈折率を有するSiOとAlとの混合材料とを交互に積層して成る積層構造(下層から順に厚さが7.35nm(NbTiO)、45.65nm(SiO+Al)、28.49nm(NbTiO)、54.83nm(SiO+Al)、20.98nm(NbTiO)、112.54nm(SiO+Al)、5.98nm(NbTiO)、97.94nm(SiO+Al)、27.13nm(NbTiO)、31.67nm(SiO+Al)、88.15nm(NbTiO)、11.39nm(SiO+Al)、41.11nm(NbTiO)、105.21nm(SiO+Al))を有し、蒸着によって形成される。
このような全部で15層の積層構造を成す反射防止膜につき所定の光入射角で所定のシミュレーションにより最適化を行なったところ、図14の分光特性図(反射防止膜の片面反射率(%)と入射光波長(nm)との間の関係を示す分光特性図)に示される分光特性曲線L4および図15の分光特性図(反射防止膜の透過率(%)と入射光波長(nm)との間の関係を示す分光特性図)に示される分光特性曲線L4’が得られた。図14および図15には、前述した図8の分光ARコートの図9および図10において示した分光特性曲線L3,L3’も重ね合わせて示されるが、これらの図からも明らかなように、低屈折率材料としてのSiOとAlとの混合材料の第1の膜と高屈折率材料としてのNbTiOの第2の膜とを交互に積層して成るこの反射防止膜は、前述した図8の分光ARコートとほぼ同様の分光特性を有しつつ、高温環境下および高温高湿環境下でクラックや膜の膨れ隆起現象が生じなかった。すなわち、前述した積層構造により、高温環境下および高温高湿環境下での応力変化に膜が柔軟に追従できる応力形態を実現できた。
なお、本実施の形態において、積層構造を形成する反射防止膜の膜応力は、以下の通り測定し、算出する。
1.シリコンウエハ等の反りが少ない平板基板に任意の蒸着材料を単層で成膜。
2.膜を安定させるために、製膜後2週間常温で放置し、2週間経過後、常温環境下で成膜前後での膜面の曲率半径の変化を測定し、下記の式にて内部応力を算出する。
σ=[E /(1-V)6t]×[1/R-1/R]・・・(式)
ここで、σは膜応力(内部応力)、Eは基板(レンズ)のヤング率、tは基板の厚さ、Vは基板のポアソン比、tは基板上の膜の厚さ、Rは製膜前の基板の曲率半径、Rは製膜後の膜およびレンズの曲率半径である。この場合、膜およびレンズの曲率半径とは、蒸着された後のレンズの曲率半径のことである。
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、撮像レンズ、光学フィルタ、センサ本体などの構成配置形態は、前述した実施の形態に限定されない。また、レンズ上における高耐熱反射防止膜の形成形態は、前述した機能を有しさえすれば、どのような形態であっても構わない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
10 撮像レンズ(光学系)
111 DBPF(光学フィルタ)
113 カラーフィルタ
114 撮像センサ本体
115 撮像センサ
116 信号処理部(信号処理手段)
121 可視画像信号
122 赤外画像信号

Claims (10)

  1. 画素毎に受光素子が配置された撮像センサ本体と、可視光の複数の色の領域および赤外光の領域が、所定配列で前記撮像センサ本体の前記受光素子に対応して配置されたカラーフィルタとを備える撮像センサと、
    前記撮像センサ上に像を結ぶレンズを有する光学系と、
    前記撮像センサまたは前記光学系のいずれかに設けられ、可視光帯域に透過特性を有し、前記可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に遮断特性を有し、前記第1の波長帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有する光学フィルタと、
    前記撮像センサから出力される信号に基づいて、前記可視光の各色の成分の信号から前記赤外光の成分の信号を減算する処理を行い、可視画像信号および赤外画像信号を出力する信号処理手段とを備え、
    前記レンズの表面には分光特性を有する反射防止膜が形成されており、前記分光特性は、前記可視光帯域に低反射率特性を有し、前記可視光帯域の長波長側に隣接する前記第1の波長帯域に高反射率特性を有し、前記第1の波長帯域内の一部分である第3の波長帯域に低反射率特性を有し、前記第3の波長帯域が、前記光学フィルタの前記第2の波長帯域に含まれていることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記反射防止膜は、前記可視光帯域に透過率が95%以上の低反射率特性を有するとともに、前記第3の波長帯域に透過率が95%以上の低反射率特性を有し、低反射率特性を有するこれら2つの帯域間に透過率が95%未満の高反射率特性を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記反射防止膜は前記光学系を構成する前記レンズのうちの少なくとも樹脂製のレンズに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置
  4. 前記光学フィルタの前記第2の波長帯域が、前記可視光帯域より長波長側において前記カラーフィルタの各色の領域の透過率が互いに近似する第4の波長帯域に含まれていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記カラーフィルタの前記第4の波長帯域では、各色の領域の透過率の差が10%以下となっていることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記反射防止膜は、第1の屈折率を有する材料から形成される第1の膜と、第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する材料から形成される第2の膜とを交互に積層して成り、前記第1の膜を形成する材料がSiOを主成分とし、前記第2の膜を形成する材料がZrOまたはTaを主成分とすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記反射防止膜は、第1の屈折率を有する材料から形成される第1の膜と、第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する材料から形成される第2の膜とを交互に積層して成り、前記第1の膜および前記第2の膜の内部応力がいずれも0~50MPaの圧縮応力を示すことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記反射防止膜は、第1の屈折率を有する材料から形成される第1の膜と、第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する材料から形成される第2の膜とを交互に積層して成り、前記第1の膜および前記第2の膜の融点がいずれも2100℃以下で、かつ、前記第1の膜および前記第2の膜のヤング率がいずれも110MPa以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  9. 前記第1の膜を形成する材料がSiOとAlとの混合材料を主成分とし、前記第2の膜を形成する材料がNbTiOを主成分とすることを特徴とする請求項7または8に記載の撮像装置。
  10. 前記反射防止膜の総膜厚が800nm以下であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
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