JP2010175838A - 光線カットフィルタ - Google Patents

光線カットフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP2010175838A
JP2010175838A JP2009018442A JP2009018442A JP2010175838A JP 2010175838 A JP2010175838 A JP 2010175838A JP 2009018442 A JP2009018442 A JP 2009018442A JP 2009018442 A JP2009018442 A JP 2009018442A JP 2010175838 A JP2010175838 A JP 2010175838A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
cut
less
film
film thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009018442A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5126089B2 (ja
Inventor
Hidekazu Kameda
英一 亀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daishinku Corp
Original Assignee
Daishinku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daishinku Corp filed Critical Daishinku Corp
Priority to JP2009018442A priority Critical patent/JP5126089B2/ja
Publication of JP2010175838A publication Critical patent/JP2010175838A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5126089B2 publication Critical patent/JP5126089B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Abstract

【課題】光線カットフィルタとして赤外線カットコートを用いて赤外線カットコートにより赤外線カットを行う薄型の光線カットフィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】光線カットフィルタ1は、水晶板2と、この水晶板2上に形成され所望の波長帯域の光線をカットする多層膜とからなる。多層膜は、予め設定した光学膜厚ごとに区分した、カットする対象の光線の波長帯域が異なる複数の光線カットグループ(第1光線カットグループ35と第2光線カットグループ36)と、共通の光学膜厚からなる複数の共通膜33から構成されている。これら第1光線カットグループ35と第2光線カットグループ36それぞれには、それぞれ共通膜33が隣接して設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、本発明は、予め設定した波長帯域の光線の透過を抑制する光線カットフィルタに関する。
一般的なビデオカメラやデジタルスチルカメラ等に代表される電子カメラの光学系では、光軸に沿って被写体側から、結合光学系、赤外線カットフィルタ、光学ローパスフィルタ、CCD(Charge Coupled Device )やMOS(Metal Oxide Semiconductor )等の撮像デバイスが順に配設されている(例えば、特許文献1参照)。なお、ここでいう撮像デバイスは、人の目が視認可能な波長帯域の光線(可視光線)よりも広い波長帯域の光線に応答する感度特性を有している。そのため、可視光線に加えて、赤外域や紫外域の光線にも応答してしまう。
ところで、人の目は、暗所において400〜620nm程度の範囲の波長の光線に応答し、明所において420〜700nm程度の範囲の波長の光線に応答する仕組みになっている。これに対し、例えば、CCDでは、400〜700nmの範囲の波長の光線に高感度で応答し、さらに400nm未満の波長の光線や700nmを越える波長の光線にも応答する。
このため、下記する特許文献1に記載の撮像デバイスでは、撮像デバイスであるCCDのほかに赤外線カットフィルタを設けて、撮像デバイスに赤外域の光線を到達させないようにし、人の目に近い撮像画像が得られるようにしている。
下記する特許文献1に記載の撮像デバイスに用いられる赤外線カットフィルタとして、可視光線を透過し且つ赤外線を反射する赤外線カットコートが用いられている。
現在、赤外線カットコートは、TiO2、ZrO2、Ta25、Nb25等の高屈折率物質と、SiO2、MgF2等の低屈折率物質とを透明基板上に交互に積層して数十層とした多層膜から構成されている。
この赤外線カットコートによれば、可視域から赤外域に亘って「透過率が急峻に減少する特性」を得ることができ、透過率を略0%とするポイントを約700nmに合わせ込むことが容易である。
ところで、現在、低消費電力や高感度の要求が高まり、これらの要求に対応した電子カメラが開発されている。特に、従来の撮像素子に対して赤外の感度が高いものが開発されているが、現状の赤外線カットコートだけを用いた撮像デバイスでは、赤外線のカットが不十分である。そこで、現在、赤外線のカットを行うために、赤外線カットコートと赤外吸収ガラスを併用する方法が採られている。
特開2000−209510号公報
しかしながら、赤外線のカットを行うために、赤外線カットコートと赤外吸収ガラスを併用した場合、光線カットフィルタが厚くなり、さらに材料コストが嵩むという問題が生じる。
そこで、上記課題を解決するために本発明は、光線カットフィルタとして赤外線カットコートだけで赤外線カットを行う薄型の光線カットフィルタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる光線カットフィルタは、透明基板と、この透明基板上に形成され所望の波長帯域の光線をカットする多層膜とからなり、前記多層膜は、予め設定した光学膜厚ごとに区分した、カットする対象の光線の波長帯域が異なる複数の光線カットグループと、共通の光学膜厚からなる複数の共通膜とから構成され、前記複数の光線カットグループには、それぞれ前記共通膜が隣接して設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、光線カットフィルタとして赤外線カットコートだけで赤外線カットを行う薄型の光線カットフィルタとすることができる。すなわち、本発明によれば、前記多層膜を複数の光線カットグループに分けるので、1つの光線カットグループ内の膜の層数を増やすことなく、広域の波長における透過率の変化率(変移量)を抑える特性を有する。そして、本発明によれば、さらに、前記多層膜は、前記複数の光線カットグループと前記共通膜とから構成され、前記複数の光線カットグループそれぞれには、それぞれ共通の光学膜厚からなる共通膜が隣接して配されるので、これら複数の光線カットグループと前記共通膜とを組合わせた合成波を構成する。この本発明の特性によれば、可視域の光線を透過させながら、赤外域(特に近赤外域)の光線の透過量を抑えることが可能となる。具体的に、可視域の下限波長である約400nm付近から上限波長である約650nm付近までの光線を透過させながら、赤外域における光線の透過量を抑える帯域を広げることが可能となる。その結果、本発明にかかる光線カットフィルタは、別途赤外吸収ガラスを必要としない。
前記構成において、前記複数の光線カットグループは、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が0.9以上であって1.15未満である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループと、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.15以上であって1.30未満である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループとから構成され、前記共通膜は、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.30以上であって1.80以下である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループであってもよい。
この場合、可視域の光線を透過させながら、赤外域(特に近赤外域)の光線の透過量を抑えることが可能となる。具体的に、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が0.9以上であって1.15未満である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループと、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.30以上であって1.80以下である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループとが隣接して配されるので、可視域の下限波長である約400nm付近の光線を透過させることができ、前記共通膜の光学膜厚が1.80を越える場合、可視光の透過が阻害されることになる。さらに、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.15以上であって1.30未満である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループと、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.30以上であって1.80以下である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループとが隣接して配されるので、赤外域における光線の透過量を抑える帯域を広げることが可能となる。その結果、可視域である約400nm〜約650nmの波長の光線を透過させながら、約650nm〜約1100nmの波長の光線の透過量を抑えることが可能となるだけでなく、約1100nm〜約1200nmの波長の光線の透過量も抑えることが可能となる。
前記構成において、前記多層膜は、高屈折率材料からなるTiO2もしくはNb22を用いた第1薄膜と、低屈折率材料からなるSiO2を用いた第2薄膜とが交互に複数積層されてなり、 前記複数の光線カットグループは、物理膜厚が68nm以上であって74nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が107nm以上であって148nm以下である前記第2薄膜とからなる光線カットグループと、物理膜厚が87nm以上であって106nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が137nm以上であって167nm以下である前記第2薄膜とからなる光線カットグループとから構成され、前記共通膜は、物理膜厚が98nm以上であって147nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が155nm以上であって232nm以下である前記第2薄膜とからなる光線カットグループであってもよい。
この場合、可視域の光線を透過させながら、赤外域(特に近赤外域)の光線の透過量を抑えることが可能となる。具体的に、物理膜厚が68nm以上であって74nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が107nm以上であって148nm以下である前記第2薄膜とからなる光線カットグループと、物理膜厚が98nm以上であって147nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が155nm以上であって232nm以下である前記第2薄膜とからなる前記共通膜とが隣接して設けられるので、可視域の下限波長である約400nm付近の光線を透過させることが可能となり、さらに、物理膜厚が87nm以上であって106nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が137nm以上であって167nm以下である前記第2薄膜とからなる光線カットグループと、物理膜厚が98nm以上であって147nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が155nm以上であって232nm以下である前記第2薄膜とからなる前記共通膜とが隣接して設けられるので、赤外域における光線の透過量を抑える帯域を広げることができる。その結果、可視域である約400nm〜約650nmの波長の光線を透過させながら、約650nm〜約1100nmの波長の光線の透過量を抑えることができるだけでなく、約1100nm〜約1200nmの波長の光線の透過量も抑えることができる。
前記構成において、前記多層膜は、屈折率が変化する位置に調整層を含んでもよい。
この場合、リップルの発生を抑制することが可能となり、特に透過させたに波長領域におけるリップルの発生を抑制することが可能となり、急峻に変位する透過率の変移量も抑えることが可能となる。
本発明によれば、光線カットフィルタとして赤外線カットコートだけで赤外線カットを行う薄型の光線カットフィルタを提供することが可能となる。
図1は、本実施の形態にかかる赤外線カットフィルタの構成を示す概略模式図である。 図2は、本実施の形態にかかる赤外線カットフィルタの構成を示す概略構成図である。 図3は、本実施の形態にかかる赤外線カットフィルタの透過率特性を示す概略図である。 図4は、本実施例1にかかる赤外線カットフィルタの透過率特性を示す図である。 図5は、本実施例2にかかる赤外線カットフィルタの透過率特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態では、光線カットフィルタとして赤外線カットを対象とした赤外線カットフィルタに本発明を適用した場合を示す。
本実施の形態にかかる赤外線カットフィルタ1は、図1に示すように、透明基板である水晶板2と、この水晶板2の一主面21上に形成され所望の波長帯域の光線をカットする多層膜3と、水晶板2の他主面22上に形成された反射防止膜4(AR膜)とからなる。
多層膜3は、高屈折率材料からなる第1薄膜31と、低屈折率材料からなる第2薄膜32とが交互に複数積層されてなる。そのため、水晶板2一面側から数えて奇数番目の層が第1薄膜31により構成され、偶数番目の層が第2薄膜32により構成されている。なお、この実施の形態では、第1薄膜にTiO2を用い、第2薄膜にSiO2を用いている。
この多層膜3の製造方法として、水晶板2の一主面21に対して、周知の真空蒸着装置(図示省略)によってTiO2とSiO2とが交互に真空蒸着され、図1に示すような多層膜3が形成される。なお、各薄膜31、32の膜厚調整は、膜厚をモニタしながら蒸着動作を行い、所定の膜厚に達したところで蒸着源(図示省略)近傍に設けられたシャッター(図示省略)を閉じるなどして蒸着物質(TiO2、SiO2)の蒸着を停止することにより行われる。
また、水晶板2の他主面22に対して、MgF2からなる単層、Al22とZrO2とMgF2とからなる多層膜、TiO2とSiO2とからなる多層膜のいずれかの膜が周知の真空蒸着装置(図示省略)によって真空蒸着され、図1に示すような反射防止膜4が形成される。なお、反射防止膜4は、膜厚をモニタしながら蒸着動作を行い、所定の膜厚に達したところで蒸着源(図示省略)近傍に設けられたシャッター(図示省略)を閉じるなどして蒸着物質の蒸着を停止することにより行われる。
多層膜3は、図2に示すように、水晶板2の一主面21側から順に序数詞で定義される複数層、本実施の形態では1層、2層、3層・・・から構成されている。これら1層、2層、3層・・・それぞれの層は、第1薄膜31と第2薄膜32とが積層されて構成されている。これら積層される第1薄膜31と第2薄膜32との光学膜厚が異なることにより1層、2層、3層・・・それぞれの厚さが異なる。なお、ここでいう光学膜厚は、下記する数式1により求められる。
[数式1]
Nd=d×N×4/λ(Nd:光学膜厚、d:物理膜厚、N:屈折率、λ:中心波長)
上記した多層膜は、予め設定した光学膜厚ごとに区分した複数の光線カットグループ(膜厚グループ)と、共通の光学膜厚からなる複数の共通膜33と、屈折率が変化する位置に配された調整層34とから構成されている。
具体的に、複数の光線カットグループは、それぞれカットする対象の光線の波長帯域が異なるものであり、本実施の形態では、第1光線カットグループ35と、第2光線カットグループ36とから構成されている。
第1光線カットグループ35は、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が0.9以上であって1.15未満である少なくとも1つのカット層からなる。また、この第1光線カットグループ35は、物理膜厚が68nm以上であって74nm以下である第1薄膜31と、物理膜厚が107nm以上であって148nm以下である第2薄膜32とからなる。
また、第2光線カットグループ36は、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.15以上であって1.30未満である少なくとも1つのカット層からなる。また、この第2光線カットグループ36は、物理膜厚が87nm以上であって106nm以下である第1薄膜31と、物理膜厚が137nm以上であって167nm以下である第2薄膜32とからなる。
複数の共通膜33は、複数の光線カットグループそれぞれに隣接して配されている。これら共通膜33は、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.30以上であって1.80以下である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループである。この共通膜33は、物理膜厚が98nm以上であって147nm以下である第1薄膜31と、物理膜厚が155nm以上であって232nm以下である第2薄膜32とからなる。
上記した構成により、本実施の形態にかかる赤外線カットフィルタ1では、図3に示すような透過率特性が得られる。
この実施の形態にかかる赤外線カットフィルタ1の波長特性を実際に測定し、その測定結果や構成を図4や表1に実施例1として示す。
本実施例1では、透明基板として、N大気中における屈折率が1,54である水晶板2を用いている。また、第1薄膜31として、N大気中における屈折率が2.3000であるTiO2を用い、第2薄膜31として、N大気中における屈折率が1.46000であるSiO2を用い、これらの中心波長を725.00nmとしている。
これら各薄膜31、32各々の光学膜厚が、表1に示すような値になるように上記した48層からなる多層膜3の製造方法により各薄膜31、32が形成され、図4に示すような透過特性が得られる。なお、この実施例1では、光線の入射角を0度、すなわち光線を垂直入射させている。
Figure 2010175838
表1は、赤外線カットフィルタ1の多層膜3の組成及び各薄膜(第1薄膜31、第2薄膜32)の光学膜厚を示している。
また、この実施例1では、表1に示すように、多層膜3の48層のうち、1層と2層が調整層34として構成され、3層〜19層が第1光線カットグループとして構成され、20層〜22層が共通膜33として構成され、23層〜28層が第2光線カットグループとして構成され、29層〜47層が共通膜33として構成され、48層が調整層34として構成されている。
図4に示すように、この実施例1にかかる赤外線カットフィルタ1では、可視域である約400nmから約650nmまでの波長の光線を透過させながら、赤外域(特に近赤外域)の光線である約680nmから約1200nmまでの透過量を略0%(具体的に約5%以下)に抑えている。
上記したように、本実施の形態によれば、光線カットフィルタとして薄型の赤外線カットフィルタ1だけで赤外線カットを行うことができる。
すなわち、本実施の形態にかかる光線カットフィルタ1によれば、多層膜を複数の光線カットグループ(第1光線カットグループ35と第2光線カットグループ36)に分けるので、1つの光線カットグループ内の膜の層数を増やすことなく、広域の波長における透過率の変化率(変移量)を抑える特性を有する。そして、本実施の形態にかかる光線カットフィルタ1によれば、さらに、多層膜は、第1光線カットグループ35と第2光線カットグループ36と共通膜33とから構成され、第1光線カットグループ35と第2光線カットグループ36それぞれには、それぞれ共通の光学膜厚からなる共通膜33が隣接して配されるので、これら第1光線カットグループ35と第2光線カットグループ36と共通膜33とを組合わせた合成波を構成する。この本実施の形態にかかる光線カットフィルタ1の特性によれば、可視域の光線を透過させながら、赤外域(特に近赤外域)の光線の透過量を抑えることができる。具体的に、可視域の下限波長である約400nm付近から上限波長である約650nm付近までの光線を透過させながら、赤外域における光線の透過量を抑える帯域を広げることができる。その結果、本実施の形態にかかる光線カットフィルタ1は、別途赤外吸収ガラスを必要としない。
また、複数の光線カットグループは、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が0.9以上であって1.15未満である少なくとも1つのカット層からなる第1光線カットグループ35と、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.15以上であって1.30未満である少なくとも1つのカット層からなる第2光線カットグループ36とから構成され、共通膜33は、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.30以上であって1.80以下である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループであるので、可視域の光線を透過させながら、赤外域(特に近赤外域)の光線の透過量を抑えることができる。
具体的に、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が0.9以上であって1.15未満である少なくとも1つのカット層からなる第1光線カットグループ35と、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.30以上であって1.80以下である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループ(共通膜33)とが隣接して設けられるので、可視域の下限波長である約400nm付近の光線を透過させることができ、前記共通膜の光学膜厚が1.80を越える場合、可視光の透過が阻害されることになる。さらに、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.15以上であって1.30未満である少なくとも1つのカット層からなる第2光線カットグループ36と、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.30以上であって1.80以下である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループ(共通膜33)とが隣接して設けられるので、赤外域における光線の透過量を抑える帯域を広げることができる。その結果、可視域である約400nm〜約650nmの波長の光線を透過させながら、約650nm〜約1100nmの波長の光線の透過量を抑えることができるだけでなく、約1100nm〜約1200nmの波長の光線の透過量も抑えることができる。
また、多層膜は、高屈折率材料からなるTiO2もしくはNb22を用いた第1薄膜31と、低屈折率材料からなるSiO2を用いた第2薄膜32とが交互に複数積層されてなり、第1光線カットグループ35は、物理膜厚が68nm以上であって74nm以下である第1薄膜31と、物理膜厚が107nm以上であって148nm以下である第2薄膜32とからなり、第2光線カットグループ36は、物理膜厚が87nm以上であって106nm以下である第1薄膜31と、物理膜厚が133nm以上であって167nm以下である第2薄膜32とからなり、共通膜33は、物理膜厚が98nm以上であって147nm以下である第1薄膜31と、物理膜厚が155nm以上であって232nm以下である第2薄膜32とからなる光線カットグループであるので、可視域の光線を透過させながら、赤外域(特に近赤外域)の光線の透過量を抑えることができる。具体的に、上記した物理膜厚と材料からなる第1光線カットグループ35と、上記した物理膜厚と材料からなる光線カットグループ(共通膜33)とが隣接して設けられるので、可視域の下限波長である約400nm付近の光線を透過させることができ、さらに、上記した物理膜厚と材料からなる第2光線カットグループ36と、上記した物理膜厚と材料からなる光線カットグループ(共通膜33)とが隣接して設けられるので、赤外域における光線の透過量を抑える帯域を広げることができる。その結果、可視域である約400nm〜約650nmの波長の光線を透過させながら、約650nm〜約1100nmの波長の光線の透過量を抑えることができるだけでなく、約1100nm〜約1200nmの波長の光線の透過量も抑えることができる。
また、多層膜には、屈折率が変化する位置に調整層34が設けられているので、リップルの発生を抑制することができ、特に透過させたに波長領域におけるリップルの発生を抑制することができ、急峻に変位する透過率の変移量も抑えることができる。
なお、本実施の形態では、可視域から赤外域に亘る帯域の光線をカットすることを対象とする多層膜3を形成しているが、これに限定されるものではなく、併せて紫外域から可視域に亘る帯域の光線をカットすることを対象とする多層膜を形成してもよい。そして、本実施の形態では、水晶板2の一主面21上に可視域から赤外域に亘る帯域の光線をカットすることを対象とする多層膜3を形成し、他主面22上に反射防止膜4を形成しているが、これに限定されるものではなく、任意に設計変更可能である。
また、本実施の形態では、透明基板に水晶板2を用いているが、これに限定されるものではなく、光線が透過可能な基板であれば、例えばガラス板であってもよい。また、水晶板2も限定されるものではなく、単板の水晶板、例えば複屈折板であってもよく、複数枚からなる複屈折板であってもよい。また、水晶板とガラス板を組合わせて透明基板を構成してもよい。
また、本実施の形態では、第1薄膜31にTiO2を用いているが、これに限定されるものではなく、第1薄膜31が高屈折率材料からなっていればよく、例えば、ZrO2、Ta22、Nb22等を用いてよい。また、第2薄膜32にSiO2を用いているが、これに限定されるものではなく、第2薄膜32が低屈折率材料からなっていればよく、例えば、MgF2等を用いてもよい。
また、本実施の形態では、複数の光線カットグループを第1光線カットグループ35と第2光線カットグループ36とから構成しているが、これに限定されるものではなく、3つ以上の構成カットグループであってもよい。
また、本実施の形態では、多層膜3や反射防止膜4を真空蒸着法により水晶板2に形成しているが、これに限定されるものではなく、これら多層膜3や反射防止膜4をイオンアシスト蒸着法やスパッタリング法などの他の手法により水晶板2に形成してもよい。
また、本実施例1では、多層膜3は48層から構成されているが、その層数は限定されるものではなく、例えば、60層であってもよい。
具体的に、60層の多層膜3の実施例(実施例2)を、以下に示す。
この本実施例2にかかる赤外線カットフィルタ1は、上記した本実施の形態および実施例1に対して、多層膜3の構成が異なる。そこで、本実施例2では、上記した本実施の形態および実施例1と異なる多層膜3の構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。そのため、本実施の形態および実施例1と同一の構成による作用効果は、上記した本実施の形態および実施例1と同様の作用効果を有する。
本実施例2では、各薄膜(第1薄膜31、第2薄膜32)各々の光学膜厚が、表2に示すような値になるように上記した60層からなる多層膜3の製造方法により各第1薄膜31、第2薄膜32が形成され、図5に示すような透過特性が得られる。
Figure 2010175838
表2は、赤外線カットフィルタ1の多層膜3の組成及び各薄膜(第1薄膜31、第2薄膜32)の光学膜厚を示している。
また、この実施例2では、表2に示すように、多層膜3の60層のうち、1、11、12、18〜22、40層が調整層3dとして構成されている。
また、この実施例2では、表2に示すように、多層膜3の60層のうち、1層〜4層が調整層34として構成され、5層〜25層が第1光線カットグループとして構成され、26層が調整層34として構成され、27層〜31層が共通膜33として構成され、32層〜36層が第2光線カットグループとして構成され、37層〜59層が共通膜33として構成され、60層が調整層34として構成されている。
上記したように、本実施例2では、調整層34が、水晶板2と第1光線カットグループ35との間と、第1光線カットグループ35と共通膜33との間と、第2光線カットグループ36の外方に配されている。特に、第1光線カットグループ35と共通膜33との間の調整層34は、屈折率が急激に変化するのを防ぐために設けられており、上記した実施例1と比べて透過率の変移を緩和にすることができるが、実施例1と比べてその分の厚みを増すことになる。
図5に示すように、この実施例2にかかる赤外線カットフィルタ1では、可視域である約400nmから約650nmまでの波長の光線を透過させながら、赤外域(特に近赤外域)の光線である約680nmから約1200nmまでの透過量を略0%(具体的に約2%以下)に抑えている。
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、少なくとも赤外線カットを含む光線カットフィルタに適用できる。
1 光線カットフィルタ(赤外線カットフィルタ)
2 透明基板(水晶板)
21 水晶板の一主面
22 水晶版の他主面
3 多層膜
31 第1薄膜
32 第2薄膜
33 共通膜
34 調整層
35 第1光線カットグループ
36 第2光線カットグループ
4 反射防止膜

Claims (4)

  1. 光線カットフィルタにおいて、
    透明基板と、この透明基板上に形成され所望の波長帯域の光線をカットする多層膜とからなり、
    前記多層膜は、予め設定した光学膜厚ごとに区分した、カットする対象の光線の波長帯域が異なる複数の光線カットグループと、共通の光学膜厚からなる複数の共通膜とから構成され、
    前記複数の光線カットグループには、それぞれ前記共通膜が隣接して設けられたことを特徴とする光線カットフィルタ。
  2. 請求項1に記載の光線カットフィルタにおいて、
    前記複数の光線カットグループは、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が0.9以上であって1.15未満である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループと、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.15以上であって1.30未満である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループとから構成され、
    前記共通膜は、中心波長が700nm以上であって750nm以下であり、光学膜厚が1.30以上であって1.80以下である少なくとも1つのカット層からなる光線カットグループであることを特徴とする光線カットフィルタ。
  3. 請求項1または2に記載の光線カットフィルタにおいて、
    前記多層膜は、高屈折率材料からなるTiO2もしくはNb22を用いた第1薄膜と、低屈折率材料からなるSiO2を用いた第2薄膜とが交互に複数積層されてなり、
    前記複数の光線カットグループは、物理膜厚が68nm以上であって74nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が107nm以上であって148nm以下である前記第2薄膜とからなる光線カットグループと、物理膜厚が87nm以上であって106nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が137nm以上であって167nm以下である前記第2薄膜とからなる光線カットグループとから構成され、
    前記共通膜は、物理膜厚が98nm以上であって147nm以下である前記第1薄膜と、物理膜厚が155nm以上であって232nm以下である前記第2薄膜とからなる光線カットグループであることを特徴とする光線カットフィルタ。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の光線カットフィルタにおいて、
    前記多層膜は、屈折率が変化する位置に調整層を含むことを特徴とする光線カットフィルタ。
JP2009018442A 2009-01-29 2009-01-29 光線カットフィルタ Expired - Fee Related JP5126089B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009018442A JP5126089B2 (ja) 2009-01-29 2009-01-29 光線カットフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009018442A JP5126089B2 (ja) 2009-01-29 2009-01-29 光線カットフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010175838A true JP2010175838A (ja) 2010-08-12
JP5126089B2 JP5126089B2 (ja) 2013-01-23

Family

ID=42706886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009018442A Expired - Fee Related JP5126089B2 (ja) 2009-01-29 2009-01-29 光線カットフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5126089B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013129335A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 コニカミノルタ株式会社 近赤外反射フィルムおよびこれを用いた近赤外反射ガラス
JP2015227963A (ja) * 2014-06-02 2015-12-17 京セラクリスタルデバイス株式会社 光学フィルタ及びその製造方法
KR101884893B1 (ko) * 2017-04-24 2018-08-03 주식회사 유아이디 광학 다층막 구조체 및 이를 구비한 표시 장치

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61296306A (ja) * 1985-06-25 1986-12-27 Horiba Ltd 赤外線多層膜干渉フイルタ
JP2003043245A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Canon Inc 光学フィルター
JP2003279726A (ja) * 2002-03-20 2003-10-02 Kinseki Ltd 赤外線カットフィルタ付き光学ローパスフィルタ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61296306A (ja) * 1985-06-25 1986-12-27 Horiba Ltd 赤外線多層膜干渉フイルタ
JP2003043245A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Canon Inc 光学フィルター
JP2003279726A (ja) * 2002-03-20 2003-10-02 Kinseki Ltd 赤外線カットフィルタ付き光学ローパスフィルタ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013129335A1 (ja) * 2012-02-29 2013-09-06 コニカミノルタ株式会社 近赤外反射フィルムおよびこれを用いた近赤外反射ガラス
US10145995B2 (en) 2012-02-29 2018-12-04 Konica Minolta, Inc. Near-infrared reflective film having adjacent first and second dielectric film groups and near-infrared reflective glass using same
JP2015227963A (ja) * 2014-06-02 2015-12-17 京セラクリスタルデバイス株式会社 光学フィルタ及びその製造方法
KR101884893B1 (ko) * 2017-04-24 2018-08-03 주식회사 유아이디 광학 다층막 구조체 및 이를 구비한 표시 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP5126089B2 (ja) 2013-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5013022B2 (ja) 赤外線カットフィルタ
US8861088B2 (en) Optical filter
JP6034785B2 (ja) 光学部材
KR102061477B1 (ko) 근적외선 커트 필터
TWI526767B (zh) Optical filter module and optical filter system
JP2004354735A (ja) 光線カットフィルタ
TW201319632A (zh) 近紅外線截止濾波器
JP2010032867A (ja) Irカットフィルタ
JP5126089B2 (ja) 光線カットフィルタ
JP5287362B2 (ja) 光学フィルタおよび撮像システム
JP2010175941A (ja) 光学フィルタ及び光学フィルタの製造方法、並びにこれらの光学フィルタを有する撮像装置
JP6174379B2 (ja) 可視光透過フィルタ
JP2012037610A (ja) Irカット機能付きndフィルタ
JP2020109496A (ja) 光学フィルタおよび近赤外線カットフィルタ
JP2013200519A (ja) 光学フィルタおよび撮像デバイス
JP2004246018A (ja) 光量調節装置及び光学機器
JP6247033B2 (ja) Irカットフィルタ
JP2018060163A (ja) 光学フィルタ及び撮像デバイス
US20220003896A1 (en) Optical filter
JP2018036371A (ja) 光学フィルタ
JP2020056877A (ja) 光学フィルタ、及び光学装置
JP2015184628A (ja) エッジフィルタ
JP2020056873A (ja) 光学フィルタ、及び撮像装置
JP2018055009A (ja) 光学フィルタ及び撮像デバイス
JP2012037873A (ja) Irカット機能付きndフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5126089

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees