JP2015184628A - エッジフィルタ - Google Patents

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慎太郎 山形
Shintaro Yamagata
慎太郎 山形
藤本 英俊
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英俊 藤本
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Abstract

【課題】可視光領域の光を確実に遮光して近赤外領域の光のみを透過させるとともに、近赤外領域における透過率の立ち上がりが急峻であるフィルタ特性を有するエッジフィルタを提供する。【解決手段】可視光領域の光を遮光し、近赤外領域の光を透過させるエッジフィルタ10であって、短波長遮光多層膜41と、長波長遮光多層膜43と、中間波長遮光多層膜42とが、透光性基板20上に少なくとも備えられている。【選択図】図1

Description

本発明は、可視光領域の光を確実に遮光し、近赤外領域の光を透過させるエッジフィルタに関する。
従来から、複数種類の多層膜を透過性基板に形成することにより、それぞれの多層膜のフィルタ特性を組み合わせた光学フィルタが特許文献1〜3に開示されている。なお、本願において、フィルタ特性とは、光の波長に対する光の透過率特性を指すものである。
特許文献1には、透明な基板表面に屈折率の異なる2種以上の薄膜を交互に積層配置してなる多層膜を形成し、同多層膜によって可視光線領域では高透過特性を示すとともに、近赤外線領域では低透過特性を示し、同可視光線領域の長波長領域では同近赤外線領域に向かってなだらかに減衰する透過特性を示すように設計した近赤外線カットフィルタが開示されている。
特許文献2には、可視光帯域に透過特性を有し、可視光帯域の長波長側に隣接する第1の波長帯域に遮断特性を有し、第1の近赤外帯域内の一部分である第2の波長帯域に透過特性を有する光学フィルタであって、少なくとも第2の近赤外帯域に透過特性を有する赤外カットフィルタと、第2の波長帯域の長波長端までの波長帯域を透過させる短波長透過フィルタとを備える光学フィルタが開示されている。
特許文献3には、自然光が入る昼間だけでなく夜間などの暗視下であっても撮影が可能な光学フィルタであって、可視域と赤外域における光線の反射を防止する光学フィルタが開示されている。
ところで、可視光領域より長波長側の近赤外領域の光を透過させる光学フィルタとして、特許文献4には、ナイトビジョン用ハロゲンランプなどのガラスバルブ表面に成膜され、赤外線の波長域を選択的に透過させる多層膜フィルタであって、透光性基板上に高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に複数層積層して成る多層膜フィルタが開示されている。
特開2003−029027号公報 特開2006−010764号公報 特開2010−206626号公報 特開2000−352612号公報
特許文献1〜3に開示された光学フィルタは、可視光領域の光を透過させる光学フィルタであるので、赤外光領域のみの光を透過させるものではなかった。さらに、特許文献1〜3に開示された光学フィルタについて多層膜の光学膜厚等を変更したとしても、可視光領域(380nm〜750nm)の全域の光を遮光することはできないものであった。
ところで、特許文献4に開示された多層膜フィルタは、近赤外領域のみの光を透過させる光学フィルタである。しかし、この多層膜フィルタは、波長が750nmから850nmの領域の透過率が緩やかに立ち上がるフィルタ特性を有しており、そのフィルタ特性は急峻なものではなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可視光領域の光を確実に遮光して近赤外領域の光のみを透過させるとともに、近赤外領域における透過率の立ち上がりが急峻であるフィルタ特性を有するエッジフィルタを提供することにある。
上記目的を達するために、本発明は次のとおりの構成としている。
本発明に係るエッジフィルタは、可視光領域の光を遮光し、近赤外領域の光を透過させるエッジフィルタであって、可視光領域の短波長端から長波長側の領域の光を遮光する膜が積層された短波長遮光多層膜と、前記可視光領域の長波長端から短波長側の領域の光を遮光する膜が積層された長波長遮光多層膜と、前記短波長遮光多層膜が光を遮光する領域の長波長端と、前記長波長遮光多層膜が光を遮光する領域の短波長端と、を含む領域の光を遮光する中間波長遮光多層膜と、が、透光性基板上に少なくとも備えられていることを特徴とする。
このような構成によれば、短波長遮光多層膜、中間波長遮光多層膜及び長波長遮光多層膜を組み合わせることにより、短波長遮光多層膜によって光を遮光する領域、中間波長遮光多層膜によって光を遮光する領域、長波長遮光多層膜によって光を遮光する領域が重なり合うので、可視光領域の全域の光を確実に遮光することができる。よって、可視光領域の光を確実に遮光し、予め設計される設計波長よりも長波長の光のみを透過させるエッジフィルタとすることができる。また、短波長遮光多層膜、中間領域遮光多層膜、長波長遮光多層膜は、いずれも多層膜であるため、各層の境界で光を干渉させることができ、多層にするほど光の干渉効果によって近赤外領域における透過率の立ち上がりが急峻であるフィルタ特性を得ることができる。
上記のエッジフィルタであって、前記透光性基板の一主面には、前記短波長遮光多層膜、前記中間波長遮光多層膜、前記長波長遮光多層膜のうちいずれか1つ又は2つの遮光多層膜が配置されており、前記透光性基板の他主面には、前記短波長遮光多層膜、前記中間波長遮光多層膜、前記長波長遮光多層膜のうち、前記一主面に積層された遮光多層膜を除いた遮光多層膜が配置されている構成とする。
このような構成によると、透光性基板の両面に多層膜が形成されているので、多層膜形成時の膜応力が互いに打ち消しあうように作用する。よって、エッジフィルタの反り量を低減させることができる。また、透光性基板の両面に形成された多層膜は、反射防止のためのARコートとしても機能するため、エッジフィルタの透過率を、片面のみに多層膜が形成されたエッジフィルタの透過率よりも向上させることができる。
上記のエッジフィルタであって、前記短波長遮光多層膜、前記中間波長遮光多層膜、前記長波長遮光多層膜はそれぞれ、高屈折率材料と低屈折率材料とが交互に複数積層されてなり、前記高屈折率材料は、ZrO2、TiO2、Nb25、及びTa25のうち少なくとも1つを含んでおり、前記低屈折率材料は、SiO2、及びMgF2のうち少なくとも1つを含んでいる構成とする。
このような構成によると、高屈折率材料と低屈折率材料との屈折率の差によって光を遮光する領域を広く設計することができるので、可視光領域の光の遮光効果を高めることができる。
上記のエッジフィルタであって、前記短波長遮光多層膜と、前記中間遮光多層膜との光学膜厚比が、1:1から1:1.37に設定され、前記短波長遮光多層膜と、前記中間遮光多層膜との光学膜比が、1:1.37から1:1.81に設定された構成とする。
このような構成によれば、光学膜厚比に対応して可視光領域の光を遮光することができる範囲が最適化され、さらに確実に可視光領域の光を遮光することができる。
本発明によれば、可視光領域の光を確実に遮光して近赤外領域の光のみを透過させるとともに、近赤外領域における透過率の立ち上がりが急峻であるフィルタ特性を有するエッジフィルタを提供できる。
本発明に係るエッジフィルタを用いた撮像デバイスの概略構成図である。 本発明に係るエッジフィルタの実施形態を示す概略模式図である。 本発明に係るエッジフィルタの実施形態の変形例を示す概略模式図である。 本発明に係るエッジフィルタの遮光多層膜の透過率特性を示すグラフ図であって、(a)は、短波長遮光多層膜の透過率特性を示すグラフ図、(b)は、中間波長遮光多層膜の透過率特性を示すグラフ図、(c)は長波長遮光多層膜の透過率特性を示すグラフ図である。 本発明に係るエッジフィルタの透過率特性を示すグラフ図である。 比較例を示すグラフ図である。 他の比較例を示すグラフ図である。
以下、本発明に係るエッジフィルタについて、図1〜図5を参照しながら説明する。なお、本発明において、可視光領域とは、光の波長が約380nmから約750nmまでの領域を指し、近赤外領域とは、光の波長が約750nmから約1400nmまでの領域を指すものとする。
図1は、エッジフィルタを用いた撮像デバイスの概略構成図、図2は、エッジフィルタの実施形態を示す概略模式図、図3は、エッジフィルタの実施形態の変形例を示す概略模式図、図4は、エッジフィルタの遮光多層膜の透過率特性を示すグラフ図であって、(a)は、短波長遮光多層膜の透過率特性を示すグラフ図、(b)は、中間波長遮光多層膜の透過率特性を示すグラフ図、(c)は長波長遮光多層膜の透過率特性を示すグラフ図、図5は、エッジフィルタの透過率特性を示すグラフ図である。
本実施形態に係るエッジフィルタ10は、撮像デバイスにおいて、レンズ80によって集光された光について、可視光領域の光を遮光し、近赤外領域において予め設計した設計波長よりも長波長の光を透過させ、CCDやCMOS等の撮像素子90に光を入射させる光学フィルタである(図1参照)。エッジフィルタ10には、透光性基板20上に短波長遮光多層膜41と、中間波長遮光多層膜42と、長波長遮光多層膜43とが少なくとも備えられている(図2参照)。以下、各構成について詳述し、その後にエッジフィルタ10の作用及び効果を説明する。
−透光性基板−
透光性基板20は、本実施形態では水晶板である。なお、透光性基板20は水晶板に限られるものではなく、光線が透過可能な基板であれば、例えばガラス板であってもよい。また、透光性基板20は、複数枚からなってもよい。また、透光性基板20が複数枚からなるときは、水晶板とガラス板とを組み合わせてもよい。
−短波長遮光多層膜−
短波長遮光多層膜41は、透光性基板20上に形成され、高屈折率膜41HであるTiO2と低屈折率膜41LであるSiO2とが交互に複数積層されている。すなわち、透光性基板20側から数えて奇数番目の層が高屈折率膜41Hであり、偶数番目の層が低屈折率膜41Lである。なお、高屈折率膜41Hと低屈折率膜41Lの積層順はこの例に限らず、透光性基板20側から数えて奇数番目の層が低屈折率膜41Lであり、偶数番目の層が高屈折率膜41Hであってもよい。
本実施形態では高屈折率膜41HはTiO2としたが、これに限られず、例えば、ZrO2、Nb25、Ta25といった材料でもよい。つまり、高屈折率膜41Hの材料としては、屈折率が2.0より大きいものが好ましい。また、低屈折率膜41Lは、SiO2に限られず、例えばMgF2といった材料でもよい。つまり、低屈折率膜41Lの材料としては、高屈折率膜41Hよりも屈折率が小さいものが好ましく、さらに好ましくは屈折率が1.5より小さいものがよい。
短波長遮光多層膜41の各層(低屈折率膜41L及び高屈折率膜41H)は、周知の真空蒸着装置によって交互に真空蒸着される。蒸着膜厚は、屈折率と物理膜厚との積である光学膜厚に基づいて設計されており、本実施形態の短波長遮光多層膜41の光学膜厚は、具体的には下記の表1のように設計されている。
Figure 2015184628
表1に示すように、短波長遮光多層膜41は、高屈折率膜41Hと低屈折率膜41Lとが交互に合計で16層積層されている。また、表1中の中心波長とは、光が遮光する領域の中心の波長である。本実施形態では、短波長遮光多層膜41は、420nmを中心波長として可視光領域の光が遮光するように設計されている。なお、表1中の光学膜厚は、1.000として設計されているが、リップル(フィルタ特性の脈打ち)が生じないように公知のプログラムによって光学膜厚が最適化されていてもよい。
上記した構成により、本実施形態の短波長遮光多層膜41は、図4(a)に示したフィルタ特性が得られる。すなわち、可視光領域の短波長端から長波長側の領域の光を遮光することができる。

−長波長遮光多層膜−
次に長波長遮光多層膜43について説明するが、長波長遮光多層膜43は、短波長遮光多層膜41と、光学膜厚が異なるだけである。以下、その相違点のみを説明する。
なお、長波長遮光多層膜43の材料は、短波長遮光多層膜41の材料は同じであるので、屈折率は同じである。つまり、長波長遮光多層膜43と短波長遮光多層膜41との光学膜厚が異なるということは、長波長遮光多層膜43と短波長遮光多層膜41との物理膜厚だけが異なる。
本実施形態の長波長遮光多層膜43の光学膜厚は、下記する表2のように設計されている。
Figure 2015184628
表2に示すように、長波長遮光多層膜43は、高屈折率膜43Hと低屈折率膜43Lとが交互に合計で16層積層されている。また、表2中の中心波長とは、光学膜厚の値を1としたときに、光が遮光する領域の中心波長である。本実施形態では、光学膜厚の値が1.670であるので、光学膜厚の値を1.000としたときよりも、中心波長が長波長側にずれた波長の光を遮光することとなる。なお、表2中の光学膜厚は、1.670として設計されているが、リップル(フィルタ特性の脈打ち)が生じないように公知のプログラムによって光学膜厚が最適化されていてもよい。
上記した構成により、本実施形態の長波長遮光多層膜43は、図4(c)に示したフィルタ特性が得られる。すなわち、可視光領域の長波長端から短波長側の領域の光を遮光するフィルタ特性が得られる。
なお、本実施形態では、光学膜厚が1.67である長波長遮光多層膜43の形態を説明したが、後述の変形例で説明するとおり、短波長遮光多層膜41の光学膜厚を1としたときに、長波長遮光多層膜43の光学膜厚は、1.37から1.81とすることが好ましい。
−中間波長遮光多層膜−
次に中間波長遮光多層膜42について説明するが、中間波長遮光多層膜42は、短波長遮光多層膜41と、光学膜厚が異なるだけである。以下、その相違点のみを説明する。
なお、中間波長遮光多層膜42の材料は、短波長遮光多層膜41の材料は同じであるので、屈折率は同じである。つまり、中間波長遮光多層膜42と短波長遮光多層膜41との光学膜厚が異なるということは、中間波長遮光多層膜42と短波長遮光多層膜41との物理膜厚だけが異なる。
本実施形態の中間波長遮光多層膜42の光学膜厚は、下記する表3のように設計されている。
Figure 2015184628
表3に示すように、中間波長遮光多層膜42は、高屈折率膜42Hと低屈折率膜42Lとが交互に合計で16層積層されている。また、表3中の中心波長とは、光学膜厚の値を1としたときに、光が遮光する領域の中心波長である。本実施形態では、光学膜厚の値が1.290であるので、光学膜厚の値を1.000としたときよりも、中心波長が長波長側にずれた波長の光を遮光することとなる。なお、表3中の光学膜厚は、1.290として設計されているが、リップル(フィルタ特性の脈打ち)が生じないように公知のプログラムによって光学膜厚が最適化されていてもよい。
上記した構成により、本実施形態の中間波長遮光多層膜42は、図4(b)に示したフィルタ特性が得られる。すなわち、短波長遮光多層膜41が光を遮光する領域の長波長端と、長波長遮光多層膜43が光を遮光する領域の短波長端と、を含む領域の光を遮光するフィルタ特性が得られる。
なお、本実施形態では、光学膜厚を1.29と設定した中間波長遮光多層膜42の形態を説明したが、後述の変形例で説明するとおり、短波長遮光多層膜41の光学膜厚を1としたときに、中間波長遮光多層膜42の光学膜厚は、1から1.37とすることが好ましい。

−作用及び効果−
以上説明したとおり、本実施形態では透光性基板20上に短波長遮光多層膜41と、中間波長遮光多層膜42と、長波長遮光多層膜43とが備えられているので、エッジフィルタ10のフィルタ特性は、図4(a)の短波長遮光多層膜41のフィルタ特性と、図4(b)中間波長遮光多層膜42のフィルタ特性と、図4(c)の長波長遮光多層膜43のフィルタ特性とを積算したもの(透過率の積)となり、例えば、図5に示すようなフィルタ特性となる。
従って、本実施形態によれば、短波長遮光多層膜41、中間波長遮光多層膜42、長波長遮光多層膜43を組み合わせることにより、短波長遮光多層膜41によって光を遮光する領域、中間波長遮光多層膜42によって光を遮光する領域、長波長遮光多層膜43によって光を遮光する領域が重なり合うので、可視光領域の全域の光を確実に遮光することができる。
これにより、可視光領域の光を確実に遮光し、近赤外領域の光のみを透過させるエッジフィルタ10とすることができる。なお、本実施形態では、短波長遮光多層膜41、中間波長遮光多層膜42、長波長遮光多層膜43のそれぞれの膜を個別に最適化した後に、これらの多層膜を組み合わせて可視光領域の光を遮光するフィルタが得られているが、この例に限られず、例えば、各多層膜を組み合わせて得られたフィルタ特性について最適化してもよい。この場合、最適化を行う回数が1回で済むので効率的である。
また、短波長遮光多層膜41、中間波長遮光多層膜42、長波長遮光多層膜43は、いずれも多層膜であるため、各層の境界で光を干渉させることができ、多層にするほど近赤外領域における透過率の立ち上がりが急峻なフィルタ特性を得ることができる。
また、短波長遮光多層膜41の光学膜厚は1であり、中間波長遮光多層膜42の光学膜厚は1.29であるので、短波長遮光多層膜41と、中間波長遮光多層膜42との光学膜厚比は、1:1から1:1.37に設定されている。さらに、短波長遮光多層膜41の光学膜厚は1であり、長波長遮光多層膜43の光学膜厚は1.67であるので、短波長遮光多層膜41と、長波長遮光多層膜43との光学膜厚比は、1:1.37から1:1.81に設定されている。
従って、上述したとおりに短波長遮光多層膜41の光学膜厚、中間波長遮光多層膜42の光学膜厚、長波長遮光多層膜43の光学膜厚が設定されているので、光学膜厚比に対応して可視光領域の光を遮光することができる範囲が最適化され、さらに確実に可視光領域の光を遮光することができる。
ところで、本実施形態では、透光性基板20上に、短波長遮光多層膜41、中間波長遮光多層膜42、長波長遮光多層膜43の順番に積層された形態を説明したが、この形態に限られず、透光性基板20上に遮光多層膜を積層する順番は、どのような順番でもよい。いずれの形態であっても短波長遮光多層膜41の透過率特性及び長波長遮光多層膜43の透過率特性は、上述した透過率特性と略同じである。
また、透光性基板20の一主面に短波長遮光多層膜41、中間波長遮光多層膜42、長波長遮光多層膜43のうちいずれか1つ又は2つの遮光多層膜が配置されており、透光性基板の他主面には、短波長遮光多層膜41、中間波長遮光多層膜42、長波長遮光多層膜43のうち、一主面に積層された遮光多層膜を除いた遮光多層膜が配置されていてもよい(図3参照)。図3に示すエッジフィルタ10Aでは、透光性基板20の一主面に短波長遮光多層膜41及び中間波長遮光多層膜42が積層され、透光性基板20の他主面に長波長遮光多層膜43が積層されている。
このような構成によると、透光性基板20の両面に多層膜が形成されているので、多層膜形成時の膜応力が互いに打ち消しあうように作用する。よって、エッジフィルタ10Aの反り量を低減させることができる。また、透光性基板20の両面に形成された多層膜は、近赤外領域の反射防止膜(ARコート)としても機能するため、エッジフィルタ10Aの透過率は、片面のみに多層膜が形成されたエッジフィルタ10(図2参照)のように、別途、反射防止膜を形成する必要がなくなる。
なお、上記に示した本発明の実施形態はいずれも本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[比較例]
次に、短波長遮光多層膜41、中間波長遮光多層膜42、長波長遮光多層膜43の光学膜厚が上記実施形態で説明した光学膜厚比と異なるもののフィルタ特性について、図6を参照しながら説明する。図6は、比較例を示すグラフ図である。
図6に示すグラフでは、短波長遮光多層膜41の光学膜厚を1としたときに、中間波長遮光多層膜42の光学膜厚を1.38、長波長遮光多層膜43の光学膜厚を1.82と設定している。このときのエッジフィルタの特性は、600nmから650nmの領域でリップルが生じ、光の透過率が10%を超える波長の領域が存在する。つまり、可視光領域の光を10%透過させることとなる。
以上により、本実施形態のように、短波長遮光多層膜と、中間波長遮光多層膜との光学膜厚比を、1:1から1:1.37に設定し、短波長遮光多層膜と、長波長遮光多層膜との光学膜比が、1:1.37から1:1.81に設定することが好ましい。
[他の比較例]
次に、遮光多層膜の積層数を変化させたときのフィルタ特性について図7を参照しながら説明する。図7は、比較例を示すグラフ図である。
図7中の二点鎖線が示すグラフは、透光性基板20上に、光学膜厚を1.000と設定し、高屈折率膜及び低屈折率膜を交互に5層ずつ合計10層積層させたグラフである。また、図7中の一点鎖線が示すグラフは、透光性基板20上に、光学膜厚を1.000と設定し、高屈折率膜及び低屈折率膜を交互に8層ずつ合計16層積層させたグラフである。また、図7中の実線が示すグラフは、透光性基板20上に、光学膜厚を1.000と設定し、高屈折率膜及び低屈折率膜を交互に12層ずつ合計24層積層させたグラフである。
図7から、透過率の立ち上がりが急峻であるフィルタ特性が得られることがわかる。
エッジフィルタ 10
透光性基板 20
短波長遮光多層膜 41
中間波長遮光多層膜 42
長波長遮光多層膜 43
高屈折率膜 41H、42H、43H
低屈折率膜 41L、42L、43L
レンズ 80
撮像素子 90

Claims (4)

  1. 可視光領域の光を遮光し、近赤外領域の光を透過させるエッジフィルタであって、
    可視光領域の短波長端から長波長側の領域の光を遮光する膜が積層された短波長遮光多層膜と、
    前記可視光領域の長波長端から短波長側の領域の光を遮光する膜が積層された長波長遮光多層膜と、
    前記短波長遮光多層膜が光を遮光する領域の長波長端と、前記長波長遮光多層膜が光を遮光する領域の短波長端と、を含む領域の光を遮光する中間波長遮光多層膜と、
    が、透光性基板上に少なくとも備えられていることを特徴とするエッジフィルタ。
  2. 請求項1に記載のエッジフィルタであって、
    前記透光性基板の一主面には、前記短波長遮光多層膜、前記中間波長遮光多層膜、前記長波長遮光多層膜のうちいずれか1つ又は2つの遮光多層膜が配置されており、
    前記透光性基板の他主面には、前記短波長遮光多層膜、前記中間波長遮光多層膜、前記長波長遮光多層膜のうち、前記一主面に積層された遮光多層膜を除いた遮光多層膜が配置されていることを特徴とするエッジフィルタ。
  3. 請求項1又は2に記載のエッジフィルタであって、
    前記短波長遮光多層膜、前記中間波長遮光多層膜、前記長波長遮光多層膜はそれぞれ、高屈折率材料と低屈折率材料とが交互に複数積層されてなり、
    前記高屈折率材料は、ZrO2、TiO2、Nb25、及びTa25のうち少なくとも1つを含んでおり、
    前記低屈折率材料は、SiO2、及びMgF2のうち少なくとも1つを含んでいることを特徴とするエッジフィルタ。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載のエッジフィルタであって、
    前記短波長遮光多層膜と、前記中間遮光多層膜との光学膜厚比が、1:1から1:1.37に設定され、
    前記短波長遮光多層膜と、前記中間遮光多層膜との光学膜比が、1:1.37から1:1.81に設定されたことを特徴とするエッジフィルタ。
JP2014063440A 2014-03-26 2014-03-26 エッジフィルタ Pending JP2015184628A (ja)

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