JP5292318B2 - 反射防止膜、及びこれを有する光学部材 - Google Patents
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Description
第1層(SiO2層)の物理膜厚が10〜31 nmであり、
第2層(TiO2層)の物理膜厚が4〜34 nmであり、
第3層(SiO2層)の物理膜厚が18〜45 nmであり、
第4層(TiO2層)の物理膜厚が102〜117 nmであり、
第5層(SiO2層)の物理膜厚が7〜27 nmであり、
第6層(TiO2層)の物理膜厚が2〜18 nmであり、
第7層(SiO2層)の物理膜厚が153〜180 nmであり、
第8層(TiO2層)の物理膜厚が29〜41 nmであり、
第9層(SiO2層)の物理膜厚が2〜13 nmであり、
第10層(TiO2層)の物理膜厚が53〜66 nmであり、
第11層(SiO2層)の物理膜厚が83〜95 nmであるのが好ましい。
(1)構成
本発明の反射防止膜1は、図1に示すように、550 nmの波長における屈折率1.4〜2.2の基板2上に、前記基板2側から順にSiO2及びTiO2を交互に11層(第1層〜第11層)積層してなり、最上層(第11層)はSiO2層であり、総物理膜厚は500〜630 nmである。最上層(第11層)が、高い硬度を有するSiO2からなるため、この反射防止膜は優れた耐久性を有する。
第1層(SiO2層)の物理膜厚が10〜31 nmであり、
第2層(TiO2層)の物理膜厚が4〜34 nmであり、
第3層(SiO2層)の物理膜厚が18〜45 nmであり、
第4層(TiO2層)の物理膜厚が102〜117 nmであり、
第5層(SiO2層)の物理膜厚が7〜27 nmであり、
第6層(TiO2層)の物理膜厚が2〜18 nmであり、
第7層(SiO2層)の物理膜厚が153〜180 nmであり、
第8層(TiO2層)の物理膜厚が29〜41 nmであり、
第9層(SiO2層)の物理膜厚が2〜13 nmであり、
第10層(TiO2層)の物理膜厚が53〜66 nmであり、
第11層(SiO2層)の物理膜厚が83〜95 nmであるのが好ましい。
(1) 第1層〜第11層の形成方法
TiO2及びSiO2は反応性スパッタリング法、イオンビームアシスト蒸着法、反応性イオンプレーティング法のいずれかの方法で成膜するのが好ましい。また必要に応じてこれらの方法を組み合わせて用いても良い。これらの方法は膜厚制御性が良い成膜法なので、製造ごとの膜厚の変動が小さくなり、波長400〜700 nmで製造ばらつきを考慮しても最大反射率が0.2%以下の反射防止特性を有する反射防止膜が得られる。また、これらの方法で形成される膜は従来の真空蒸着法に比べて高い硬度を有するので耐久性に優れた反射防止膜が得られる。
本発明の反射防止膜を前述の基板に施すことにより、400〜700 nmの可視光帯域において、製造ばらつきを考慮しても最大反射率が0.2%以下の反射防止効果を有する光学部品が得られる。本発明の光学部品は、テレビカメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、車載カメラ、顕微鏡、望遠鏡等の光学機器に搭載されるレンズ、プリズム、回折素子等に好適である。特に本発明の反射防止膜は耐久性に優れているので、カメラの対物レンズや接眼レンズ等の手に触れやすい部分のレンズに好適である。
本発明の反射防止膜の例として、550nmの波長における、屈折率1.45のSiO2と屈折率2.45のTiO2とを屈折率1.4の基板に第1層〜第11層まで順に積層してなる反射防止膜を設計し、光学薄膜計算シミュレーションにより400〜700 nmの波長域で反射率が最も小さくなるように各層の物理膜厚を最適化した。最適化された物理膜厚を表1に示し、その分光反射率の計算結果を図2に示す。
基板の屈折率を表2〜9に示すように1.5〜2.2の間で変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜9の反射防止膜を設計し、各層の物理膜厚を最適化した。最適化された物理膜厚をそれぞれ表2〜9に示し、その分光反射率の計算結果をそれぞれ図3〜10に示す。
BSC7(nd=1.516)ガラス基板と、表10に示すTiO2及びSiO2の11層とからなる反射防止膜を設計し、実施例1と同様にして各層の物理膜厚を最適化した。最適化された物理膜厚を表10に示し、その分光反射率の計算結果を図11に示す。
TAFD30(nd=1.88)ガラス基板と、表11に示すTiO2及びSiO2の11層とからなる反射防止膜を設計し、実施例1と同様にして各層の物理膜厚を最適化した。最適化された物理膜厚を表11に示し、その分光反射率の計算結果を図13に示す。
特開2002-14203を参考にして、BSC7(nd=1.516)ガラス基板と、表12に示すTiO2及びSiO2の14層とからなる反射防止膜を設計し、実施例1と同様にして各層の物理膜厚を最適化した。最適化された物理膜厚を表12に示し、その分光反射率の計算結果を図15に示す。
BSC7(nd=1.516)ガラス基板に、物理膜厚95 nmのSiO2を反応性スパッタリング法で成膜したサンプルAと、物理膜厚100 nmのMgF2を真空蒸着法で成膜したサンプルBとを作成し、(株)レスカ製薄膜スクラッチテスタ(CSR-02)によって耐擦傷性の比較試験を行った。サンプルB(MgF2膜)は約100 mNで剥離が始まったが、サンプルA(SiO2膜)は約500 mNまで剥離は起こらなかった。本発明の実施例で使用した反応性スパッタリング法で成膜した膜の方が、耐擦傷性に優れていることが分かる。
2・・・基板
Claims (5)
- 550 nmの波長における屈折率1.4〜2.2の基板上に、前記基板側から順にSiO2及びTiO2を交互に11層積層してなる反射防止膜であって、
第1層(SiO2層)の物理膜厚が10〜31 nmであり、
第2層(TiO2層)の物理膜厚が4〜34 nmであり、
第3層(SiO2層)の物理膜厚が18〜45 nmであり、
第4層(TiO2層)の物理膜厚が102〜117 nmであり、
第5層(SiO2層)の物理膜厚が7〜27 nmであり、
第6層(TiO2層)の物理膜厚が2〜18 nmであり、
第7層(SiO2層)の物理膜厚が153〜180 nmであり、
第8層(TiO2層)の物理膜厚が29〜41 nmであり、
第9層(SiO2層)の物理膜厚が2〜13 nmであり、
第10層(TiO2層)の物理膜厚が53〜66 nmであり、
第11層(SiO2層)の物理膜厚が83〜95 nmであることを特徴とする反射防止膜。 - 請求項1に記載の反射防止膜において、波長550 nmにおける前記TiO2層の屈折率が2.4〜2.5であり、前記SiO2層の屈折率が1.44〜1.46であることを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1又は2に記載の反射防止膜において、前記TiO2層及び前記SiO2層は反応性スパッタリング法、イオンビームアシスト蒸着法又は反応性イオンプレーティング法で成膜してなる層であることを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止膜において、可視域の波長400〜700 nmにおいて反射率0.2%以下の分光反射特性を有することを特徴とする反射防止膜。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜を有する光学部材。
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