JP4190773B2 - 反射防止膜と光学レンズ及び光学レンズユニット - Google Patents

反射防止膜と光学レンズ及び光学レンズユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外、可視、赤外領域で使用される光学レンズに施される反射防止膜、この反射防止膜を表面に形成した光学レンズおよびこの光学レンズから構成される光学レンズユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レンズやプリズムなどの光学部品の表面には反射防止膜が施される。その主な目的は、多数の光学部品により構成される光学機器全体の透過率を向上すること、特に可視域の反射を抑えることにより、像の明るさや見えやすさを向上させることである。これまでの多くの光学機器は、可視域やそれよりも狭い波長範囲で使用されるため、反射防止膜もこのような狭い波長域の反射率を低くすることができれば十分であった。
【0003】
しかし近年、より広い波長域に於いて使用する光学機器の出現により、これに用いる光学部品にも対応した波長域における反射防止膜が必要とされるようになってきている。広い波長域での従来の反射防止膜は例えば、特許第2711697号公報において開示されている。この公報の発明によれば、蒸着材料としてTiO、SiO、MgFの3種類の材料を用いた8層構成とすることにより、可視域から赤外域にわたる広帯域で0.8%以下の低反射率を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年の光学機器では、可視域(400nm〜700nm)、赤外域(700nm〜900nm)に加え、近紫外域(350nm〜400nm)においても高い反射防止性能、透過率を有した反射防止膜や光学部品が求められている。例えば、顕微鏡においては、目視のために可視域での見えをよくすること以外に、紫外域や赤外域の光をプローブとして用いる観察手法を並列で使用するため、より具体的には紫外域の光を物体に照射して励起した時に発せられる可視域の光や赤外域の光を観測するために、光学部品やこれに用いられる反射防止膜に対しても、紫外域から赤外域にわたる広帯域で高い透過率や反射防止性能が求められるようになってきている。
【0005】
しかし、上述した従来技術による反射防止膜は、400nm以下の波長において強い光吸収のあるTiOを使用しており、これを施した光学部品は紫外域では透過率が低いという問題がある。従って、このような光学部品は紫外域、可視域、赤外域を含む幅広い波長領域(350nm〜900nm)で観察や評価を行う光学機器には使用できない。
【0006】
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、紫外域から可視域、さらには赤外域にわたる広帯域で高い反射防止性能を有した反射防止膜およびこのような反射防止膜を設けた高い透過率を有する光学レンズ、さらにこのような光学レンズから構成されることにより広帯域で使用される光学機器に適用可能な光学レンズユニットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に中間屈折率材料を、第2,4層に高屈折率材料を、第3層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第5層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.08〜1.31)×λ/4、第2層は(0.17〜0.36)×λ/4、第3層は(0.45〜0.91)×λ/4、第4層は(0.15〜0.33)×λ/4、第5層は(1.13〜1.17)×λ/4としたことを特徴とする。
【0008】
請求項の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,6層に低屈折率材料を、第2層に中間屈折率材料を、第3,5層に高屈折率材料を、第4層に低屈折率材料または中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.23〜2.00)×λ/4、第2層は(1.20〜1.44)×λ/4、第3層は(0.25〜0.32)×λ/4、第4層は(0.48〜0.76)×λ/4、第5層は(0.21〜0.31)×λ/4、第6層は(1.13〜1.17)×λ/4としたことを特徴とする。
【0009】
請求項の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3層に中間屈折率材料を、第2,5層に高屈折率材料を、第4,6層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.20〜1.25)×λ/4、第2層は(0.16〜0.28)×λ/4、第3層は(0.61〜0.70)×λ/4、第4層は(0.07〜0.14)×λ/4、第5層は(0.20〜0.27)×λ/4、第6層は(1.13〜1.14)×λ/4としたことを特徴とする。
【0010】
請求項の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に中間屈折率材料を、第2,4,6層に高屈折率材料を、第3,5層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第7層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.04〜1.13)×λ/4、第2層は(0.30〜0.46)×λ/4、第3層は(0.13〜0.46)×λ/4、第4層は(0.56〜1.26)×λ/4、第5層は(0.22〜0.56)×λ/4、第6層は(0.31〜0.41)×λ/4、第7層は(1.05〜1.13)×λ/4としたことを特徴とする。
【0011】
請求項の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,4,6層に高屈折率材料を、第2,7層に低屈折率材料を、第3,5層に中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.16〜0.33)×λ/4、第2層は(0.06〜0.10)×λ/4、第3層は(0.26〜0.67)×λ/4、第4層は(0.31〜0.52)×λ/4、第5層は(0.61〜0.75)×λ/4、第6層は(0.23〜0.28)×λ/4、第7層は(1.13〜1.14)×λ/4としたことを特徴とする。
【0012】
請求項の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に高屈折率材料または低屈折率材料を、第2層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第3,6層に高屈折率材料を、第4,7層に低屈折率材料を、第5層に中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.13〜2.98)×λ/4、第2層は(0.28〜1.40)×λ/4、第3層は(0.25〜0.62)×λ/4、第4層は(0.06〜0.20)×λ/4、第5層は(0.38〜0.70)×λ/4、第6層は(0.18〜0.29)×λ/4、第7層は(1.14〜1.16)×λ/4としたことを特徴とする。
【0013】
請求項の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に高屈折率材料または低屈折率材料を、第2,4層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第3,5層に高屈折率材料を、第6層に中間屈折率材料を、第7層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.13〜2.98)×λ/4、第2層は(0.28〜1.43)×λ/4、第3層は(0.21〜0.64)×λ/4、第4層は(0.39〜0.84)×λ/4、第5層は(0.15〜0.32)×λ/4、第6層は(0.11〜0.23)×λ/4、第7層は(1.04〜1.09)×λ/4としたことを特徴とする。
【0014】
請求項の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,6層に中間屈折率材料を、第2,5層に高屈折率材料を、第4,7層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.20〜1.25)×λ/4、第2層は(0.16〜0.29)×λ/4、第3層は(0.56〜0.65)×λ/4、第4層は(0.10〜0.16)×λ/4、第5層は(0.18〜0.24)×λ/4、第6層は(0.08〜0.14)×λ/4、第7層は(1.05〜1.10)×λ/4としたことを特徴とする。
【0015】
請求項の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に高屈折率材料または低屈折率材料を、第2層に中間屈折率材料を、第3,5,7層に高屈折率材料を、第4,6層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第8層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.07〜1.81)×λ/4、第2層は(0.32〜1.30)×λ/4、第3層は(0.29〜0.69.)×λ/4、第4層は(0.07〜0.39)×λ/4、第5層は(0.67〜2.28)×λ/4、第6層は(0.21〜0.49)×λ/4、第7層は(0.28〜0.42)×λ/4、第8層は(0.98〜1.11)×λ/4としたことを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,5,7層に高屈折率材料を、第2,8層に低屈折率材料を、第4,6層に低屈折率材料または中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.12〜0.31)×λ/4、第2層は(0.22〜0.64)×λ/4、第3層は(0.35〜0.76)×λ/4、第4層は(0.07〜0.51)×λ/4、第5層は(0.62〜1.82)×λ/4、第6層は(0.20〜0.51)×λ/4、第7層は(0.27〜0.42)×λ/4、第8層は(0.97〜1.12)×λ/4としたことを特徴とする。
【0017】
請求項11の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,5,8層に低屈折率材料を、第2,4,6層に中間屈折率材料を、第3,7層に高屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.23〜1.01)×λ/4、第2層は(1.23〜1.41)×λ/4、第3層は(0.20〜0.25)×λ/4、第4層は(0.30〜0.37)×λ/4、第5層は(0.07〜0.10)×λ/4、第6層は(0.31〜0.37)×λ/4、第7層は(0.19〜0.23)×λ/4、第8層は(1.14〜1.15)×λ/4としたことを特徴とする。
【0018】
請求項12の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,6,8層に低屈折率材料を、第2,4層に中間屈折率材料を、第5,7層に高屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.15〜0.56)×λ/4、第2層は(0.08〜0.57)×λ/4、第3層は(1.29〜1.67)×λ/4、第4層は(1.07〜1.22)×λ/4、第5層は(0.33〜0.36)×λ/4、第6層は(0.43〜0.45)×λ/4、第7層は(0.32〜0.34)×λ/4、第8層は(1.11〜1.14)×λ/4としたことを特徴とする。
【0019】
請求項13の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,6,8層に低屈折率材料を、第2,4,7層に高屈折率材料を、第3層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第5層に中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.10〜2.16)×λ/4、第2層は(0.07〜0.23)×λ/4、第3層は(0.51〜0.96)×λ/4、第4層は(0.29〜0.44)×λ/4、第5層は(0.49〜0.53)×λ/4、第6層は(0.09〜0.19)×λ/4、第7層は(0.28〜0.33)×λ/4、第8層は(1.12〜1.16)×λ/4としたことを特徴とする。
【0020】
請求項14の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,4,6,8層に低屈折率材料を、第2,5層に中間屈折率材料を、第3,7層に高屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.01〜2.00)×λ/4、第2層は(1.21〜1.22)×λ/4、第3層は(0.28〜0.34)×λ/4、第4層は(0.11〜0.16)×λ/4、第5層は(0.33〜0.47)×λ/4、第6層は(0.08〜0.09)×λ/4、第7層は(0.24〜0.29)×λ/4、第8層は(1.13〜1.14)×λ/4としたことを特徴とする。
【0021】
請求項15の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,6層に高屈折率材料を、第2,4,8層に低屈折率材料を、第5,7層に中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.16〜0.35)×λ/4、第2層は(0.28〜0.61)×λ/4、第3層は(0.34〜0.60)×λ/4、第4層は(0.09〜0.15)×λ/4、第5層は(0.47〜0.66)×λ/4、第6層は(0.16〜0.25)×λ/4、第7層は(0.10〜0.16)×λ/4、第8層は(1.07〜1.09)×λ/4としたことを特徴とする。
【0022】
請求項16の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,7層に中間屈折率材料を、第2,4,6層に高屈折率材料を、第3,5,8層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.12〜2.14)×λ/4、第2層は(0.36〜0.37)×λ/4、第3層は(0.30〜0.31)×λ/4、第4層は(0.69〜0.74)×λ/4、第5層は(0.34〜0.36)×λ/4、第6層は(0.34〜0.37)×λ/4、第7層は(0.13〜0.17)×λ/4、第8層は(1.03〜1.05)×λ/4としたことを特徴とする。
【0023】
請求項17の発明の反射防止膜は、基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,6層に高屈折率材料を、第2,4,7層に中間屈折率材料を、第5,8層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.13〜0.30)×λ/4、第2層は(0.41〜0.79)×λ/4、第3層は(0.34〜0.53)×λ/4、第4層は(0.20〜0.31)×λ/4、第5層は(0.18〜0.34)×λ/4、第6層は(0.29〜0.31)×λ/4、第7層は(0.10〜0.11)×λ/4、第8層は(1.07〜1.10)×λ/4としたことを特徴とする。
【0024】
以上の請求項1乃至17の反射防止膜によれば、各層を構成する成膜材料の屈折率および膜厚を指定することにより、紫外域から赤外域にわたる広い波長域で高い反射防止効果を得ることができる。具体的には、350nmから800nmの波長域で、0.6%以下の平均反射率を実現することができる。また、設計波長λを変えることにより、反射防止波長帯域をシフトさせたり広げたりすることも可能である。基材の材質はガラスの他に、結晶材料、プラスチック等でもかまわない。
【0025】
また、基材の形状も平板形状、レンズ形状、プリズム形状等のあらゆる形状に適用可能である。反射防止膜の成膜方法も真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等、特に限定するものではない。
【0026】
請求項18の発明の反射防止膜は、請求項1乃至17のいずれかに記載の反射防止膜であって、前記低屈折率材料、中間屈折率材料および高屈折率材料は、350nmから1100nmの波長範囲における屈折率が、それぞれ1.3以上1.5未満、1.5以上1.85未満および1.85以上2.7未満であることを特徴とする。
【0027】
請求項18の反射防止膜によれば、反射防止膜を構成する低屈折率材料、中間屈折率材料および高屈折率材料のそれぞれの屈折率が上記範囲内にあることにより、紫外域から赤外域にわたる広い波長域で高い反射防止効果を得ることができる。また、上記範囲内の屈折率を有する種々の材料が使用できるため、広い範囲から材料を選択することができる。
【0028】
請求項19の発明の反射防止膜は、請求項1乃至18のいずれかに記載の反射防止膜において、基材に設けられる反射防止膜であって、そのうちの少なくとも1層を、その層よりも屈折率の高い材料からなる層と屈折率の低い材料からなる層とから構成される等価膜で置換したことを特徴とする。
【0029】
請求項19の反射防止膜によれば、等価膜を利用することにより少ない層数の反射防止膜の構成に基づいて、より層数が多く、かつ分光反射率特性の類似した反射防止膜を容易に導き出すことができる。
【0030】
請求項20の発明の反射防止膜は、請求項1乃至19のいずれかに記載の反射防止膜において、前記高屈折率材料がHfO、ZrO、Ta、LaTi、Y、Pr11、Nb、Laのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする。
【0031】
請求項21の発明の反射防止膜は、請求項1乃至19のいずれかに記載の反射防止膜において、前記中間屈折率材料がAl、CeF、LaF、MgOのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする。
【0032】
請求項22の発明の反射防止膜は、請求項1乃至19のいずれかに記載の反射防止膜において、前記低屈折率材料がSiO、MgFのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする。
【0033】
請求項20乃至22の発明の反射防止膜によれば、紫外域から赤外域にわたる広い波長域で高い反射防止効果を得ることができるとともに、適当な材料を選択することにより、特定の波長域の反射率を低下させたものや、一定の反射率を示す波長帯域を拡大したもの、あるいは製造コストの低減が可能なもの等、その材料の特性を生かした反射防止膜を形成することができる。
【0034】
請求項23の発明の光学レンズは、請求項1乃至22のいずれかに記載の反射防止膜を基材に設けたことを特徴とする。
【0035】
請求項23の発明の光学レンズによれば、請求項1乃至22の反射防止膜を設けることによって、紫外域から赤外域にわたる広帯域で高い透過率を有する光学レンズとすることができる。
【0036】
請求項24の発明の光学レンズユニットは請求項23記載の光学レンズを光路内に少なくとも1枚有することを特徴とする。
【0037】
請求項24の発明の光学レンズユニットによれば、請求項23の光学レンズから構成することによって、紫外域から赤外域にわたる広帯域で高い透過率を有する光学レンズユニットとすることができる。
【0038】
請求項25の発明の光学レンズユニットは、請求項24記載の光学レンズユニットにおいて、350nmから900nmの波長範囲において平均透過率が90%以上であることを特徴とする。
【0039】
請求項25の発明の光学レンズユニットによれば、紫外域から赤外域にわたる広帯域で高い透過率を有する光学レンズユニットとすることができ、特に350nmから900nmの波長帯域で使用する光学機器に用いた場合に著しい効果を奏する。仮に、350nmから900nmの波長範囲において平均透過率が90%未満であれば、その光学レンズユニットは、350nmから900nmの波長帯域で使用する光学機器に用いた場合、実用に供し得ない。
【0040】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
実施の形態1では、屈折率1.44〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表1のように基材側の第1層に中間屈折率材料としてAlを第2、4層に高屈折率材料としてTaを、第3層に低屈折率材料としてSiOを、第5層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0041】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を持つ材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0042】
図1にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。紫外域である350nmから赤外域である800nmの波長範囲における平均反射率が0.7%以下であり、良好な反射防止性能を有している。また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0043】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0044】
[実施の形態2]
実施の形態2では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表2のように基材側の第1、3層に中間屈折率材料としてAlを、第2、4層に高屈屈折率材料としてHfOを、第5層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0045】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にてイオンアシスト蒸着法により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料としてHfO、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてMgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を持つ材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0046】
図2にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜800nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長420nm〜690nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0047】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0048】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0049】
[実施の形態3]
実施の形態3では、屈折率1.57〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表3のように基材側の第1、3、5層に高屈折率材料としてTaを、第2、4層に中間屈折率材料としてAlを、第6層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0050】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてMgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0051】
図3にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜800nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長420nm〜690nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0052】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0053】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0054】
[実施の形態4]
実施の形態4では、屈折率1.44〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表4のように基材側の第1、3、5層に高屈折率材料としてTaを、第2層に低屈折率材料としてSiOを、第4層に中間屈折率材料としてAlを、第6層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0055】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0056】
図4にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜800nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長420nm〜690nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0057】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0058】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0059】
[実施の形態5]
実施の形態5では、屈折率1.44〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表5のように基材側の第1、3、5層に高屈折率材料としてHfOを、第2、4層に低屈折率材料としてSiOを、第6層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0060】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてHfO、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0061】
図5にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜800nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長420nm〜690nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0062】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0063】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0064】
[実施の形態6]
実施の形態6では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表6のように基材側の第1層に低屈折率材料としてSiOを、第2、4層に中間屈折率材料としてMgOを、第3、5層に高屈折率材料としてZrOを、第6層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0065】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてZrO、中間屈折率材料としてMgO、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0066】
図6にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜800nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長420nm〜690nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0067】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0068】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、安価なZrOを用いたので、低コストで反射防止膜が形成できる。
【0069】
[実施の形態7]
実施の形態7では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表7のように基材側の第1、4層に低屈折率材料としてSiOを、第2層に中間屈折率材料としてMgOを、第3、5層に高屈折率材料としてZrOを、第6層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0070】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてZrO、中間屈折率材料としてMgO、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0071】
図7にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜800nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長420nm〜690nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0072】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0073】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、安価なZrOを用いたので、低コストで反射防止膜が形成できる。
【0074】
[実施の形態8]
実施の形態8では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表8のように基材側の第1、3層に中間屈折率材料としてMgOを、第2、5層に高屈折率材料としてZrOを、第4層に低屈折率材料としてSiOを、第6層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0075】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてZrO、中間屈折率材料としてMgO、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0076】
図8にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜800nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長420nm〜690nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0077】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0078】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、安価なZrOを用いたので、低コストで反射防止膜が形成できる。
【0079】
[実施の形態9]
実施の形態9では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表9のように基材側の第1、3、5層に中間屈折率材料としてAlを、第2、4、6層に高屈折率材料としてTaを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0080】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてMgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0081】
図9にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0082】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0083】
このようにこの実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0084】
[実施の形態10]
実施の形態10では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表10のように基材側の第1、3層に中間屈折率材料としてAlを、第2、4、6層に高屈折率材料としてTaを、第5層に低屈折率材料としてSiOを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0085】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0086】
図10にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0087】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0088】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0089】
[実施の形態11]
実施の形態11では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表11のように基材側の第1層に中間屈折率材料としてAlを、第2、4、6層に高屈折率材料としてTaを、第3、5層に低屈折率材料としてSiOを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0090】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0091】
図11にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0092】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0093】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0094】
[実施の形態12]
実施の形態12では、屈折率1.57〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表12のように基材側の第1、4、6層に高屈折率材料としてNbを、第2層に低屈折率材料としてSiOを、第3、5層に中間屈折率材料としてCeFを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0095】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてNb、中間屈折率材料としてCeF、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0096】
図12にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0097】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0098】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0099】
[実施の形態13]
実施の形態13では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表13のように基材側の第1、4層に低屈折率材料としてSiOを、第2、5層に中間屈折率材料としてCeFを、第3、6層に高屈折率材料としてNbを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0100】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてNb、中間屈折率材料としてCeF、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を持つ材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0101】
図13にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0102】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0103】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0104】
[実施の形態14]
実施の形態14では、屈折率1.44〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表14のように基材側の第1、3、6層に高屈折率材料としてNbを、第2、4層に低屈折率材料としてSiOを、第5層に中間屈折率材料としてCeFを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0105】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてNb、中間屈折率材料としてCeF、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0106】
図14にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0107】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0108】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0109】
[実施の形態15]
実施の形態15では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表15のように基材側の第1、4層に低屈折率材料としてSiOを、第2、6層に中間屈折率材料としてAlを、第3、5層に高屈折率材料としてYを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0110】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてY、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を持つ材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0111】
図15にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0112】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0113】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0114】
[実施の形態16]
実施の形態16では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表16のように基材側の第1層に低屈折率材料としてSiOを、第2、4、6層に中間屈折率材料としてAlを、第3、5層に高屈折率材料としてYを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0115】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてY、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0116】
図16にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0117】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0118】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0119】
[実施の形態17]
実施の形態17では、屈折率1.44〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表17のように基材側の第1、3、5層に高屈折率材料としてYを、第2、4層に低屈折率材料としてSiOを、第6層に中間屈折率材料としてAlを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0120】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてY、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0121】
図17にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0122】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0123】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0124】
[実施の形態18]
実施の形態18では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表18のように基材側の第1、3、6層に中間屈折率材料としてAlを、第2、5層に高屈折率材料としてLaを、第4層に低屈折率材料としてSiOを、第7層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0125】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてLa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0126】
図18にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0127】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学ガラスは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0128】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0129】
[実施の形態19]
実施の形態19では、屈折率1.57〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表19のように基材側の第1、3、5、7層に高屈折率材料としてTaを、第2、4、6層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0130】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてMgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0131】
図19にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が0.8%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。
【0132】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0133】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0134】
[実施の形態20]
実施の形態20では、屈折率1.57〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表20のように基材側の第1、3、5、7層に高屈折率材料としてTaを、第2、6層に中間屈折率材料としてAlを、第4層に低屈折率材料としてSiOを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0135】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0136】
図20にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が0.8%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。
【0137】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0138】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0139】
[実施の形態21]
実施の形態21では、屈折率1.57〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表21のように基材側の第1、3、5、7層に高屈折率材料としてTaを、第2層に中間屈折率材料としてAlを、第4、6層に低屈折率材料としてSiOを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0140】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0141】
図21にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が0.8%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。
【0142】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0143】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0144】
[実施の形態22]
実施の形態22では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表22のように基材側の第1層に低屈折率材料としてSiOを、第3、5、7層に高屈折率材料としてTaを、第2、4、6層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0145】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有する材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0146】
図22にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が0.8%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。
【0147】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0148】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0149】
[実施の形態23]
実施の形態23では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表23のように基材側の第1、4層に低屈折率材料としてSiOを、第3、5、7層に高屈折率材料としてTaを、第2、6層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0150】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0151】
図23にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が0.8%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。
【0152】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0153】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0154】
[実施の形態24]
実施の形態24では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表24のように基材側の第1、4、6層に低屈折率材料としてSiOを、第3、5、7層に高屈折率材料としてTaを、第2層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0155】
この実施の形態の反射防止膿は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0156】
図24にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が0.8%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。
【0157】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0158】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0159】
[実施の形態25]
実施の形態25では、屈折率1.44〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表25のように基材側の第1、3、5、7層に高屈折率材料としてTaを、第2層に低屈折率材料としてSiOを、第4、6層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0160】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0161】
図25にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が0.8%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。
【0162】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0163】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0164】
[実施の形態26]
実施の形態26では、屈折率1.44〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表26のように基材側の第1、3、5、7層に高屈折率材料としてTaを、第2、4、6層に低屈折率材料としてSiOを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0165】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてTa、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0166】
図26にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が0.8%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。
【0167】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0168】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0169】
[実施の形態27]
実施の形態27では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表27のように基材側の第1、5層に低屈折率材料としてSiOを、第2、4、6層に中間屈折率材料としてAlを、第3、7層に高屈折率材料としてPr11を、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0170】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてPr11、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0171】
図27にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0172】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0173】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0174】
[実施の形態28]
実施の形態28では、屈折率1.57〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表28のように基材側の第1、3、6層に低屈折率材料としてSiOを、第2、4層に中間屈折率材料としてAlを、第5、7層に高屈折率材料としてPr11を、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0175】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では高屈折率材料としてPr11、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0176】
図28にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0177】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0178】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0179】
[実施の形態29]
実施の形態29では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表29のように基材側の第1、6層に低屈折率材料としてSiOを、第2、4、7層に高屈折率材料としてHfOを、第3、5層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0180】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてHfO、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0181】
図29にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0182】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0183】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0184】
[実施の形態30]
実施の形態30では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表30のように基材側の第1、3、6層に低屈折率材料としてSiOを、第2、4、7層に高屈折率材料としてHfOを、第5層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0185】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてHfO、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0186】
図30にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0187】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0188】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。
【0189】
[実施の形態31]
実施の形態31では、屈折率1.44〜1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表31のように基材側の第1、4、6層に低屈折率材料としてSiOを、第3、7層に高屈折率材料としてTaを、第2、5層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0190】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンフレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0191】
図31にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0192】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0193】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0194】
[実施の形態32]
実施の形態32では、屈折率1.44〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表32のように基材側の第1、3、6層に高屈折率材料としてTaを、第2、4層に低屈折率材料としてSiOを、第5、7層に中間屈折率材料としてAlを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0195】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0196】
図32にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0197】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0198】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0199】
[実施の形態33]
実施の形態33では、屈折率1.57〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表33のように基材側の第1、7層に中間屈折率材料としてAlを、第2、4、6層に高屈折率材料としてTaを、第3、5層に低屈折率材料としてSiOを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0200】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0201】
図33にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0202】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0203】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0204】
[実施の形態34]
実施の形態34では、屈折率1.57〜1.79の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表34のように基材側の第1、3、6層に高屈折率材料としてTaを、第2、4、7層に中間屈折率材料としてAlを、第5層に低屈折率材料としてSiOを、第8層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0205】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0206】
図34にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。
【0207】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0208】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0209】
[実施の形態35]
実施の形態35では、屈折率1.57の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表35のように基材側の第1、3、5、7、9層に高屈折率材料としてTaを、第2、4、6、8層に低屈折率材料としてSiOを、第10層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0210】
この実施の形態は、実施の形態21の第2層の中間屈折率材料であるAl層(光学的膜厚0.67×λ/4)を、等価膜理論を用いて表35のA欄に示すように、低屈折率材料のSiO層(光学的膜厚0.34×λ/4)、高屈折率材料のTa層(光学的膜厚0.11×λ/4)、低屈折率材料のSiO層(光学的膜厚0.07×λ/4)からなる3層の積層体に置換えたものであり、その結果、実施の形態21の8層構成から10層構成へと層数が増加している。
【0211】
等価膜とは、ある屈折率を有する層を、これより屈折率の高い層と屈折率の低い層からなる積層体に置換えたもので、元の層と同等の作用を有している。
【0212】
実施の形態35では、第2層の中間屈折率材料層を高屈折率材料であるTaと低屈折率材料であるSiOとからなる等価膜に置換えたが、これに限定されるものではなく、他の高屈折率材料と低屈折率材料とからなる等価膜に置換えてもよい。また、中間屈折率材料層が複数存在する場合には、その任意の層を等価膜に置換えることができる。さらに、中間屈折率材料層でなく高屈折率材料層や低屈折率材料層であっても、それ自身よりも屈折率の高い層と屈折率の低い層からなる等価膜で置換えることができる。
【0213】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態では、高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0214】
なお、表35のB欄は、この実施の形態である表35のA欄の構成を元に、分光反射率特性がより平滑になるように各層の膜厚を調整したものである。
【0215】
図35にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜850nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.5%以下である。図から明らかなように、この実施の形態の分光反射率特性は、元になった実施の形態21の分光反射率特性に酷似している。
【0216】
また、この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0217】
さらに、図35に示すように各層の膜厚を最適化した表35のB欄の分光反射率特性は、表35のA欄の分光反射率特性に比べ、波長350nm〜800nmの範囲で明らかに平滑になっている。
【0218】
この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。
【0219】
また、等価膜理論を用いることにより、層数の少ない反射防止膜の構成を元にして、層数が多くても同様な分光反射率特性を示す反射防止膜を得ることができる。さらに、層構成はそのままに各層の膜厚を最適化することにより、分光反射率特性が平坦で、より広帯域の反射防止膜を得ることができる。
【0220】
[実施の形態36]
実施の形態36では、屈折率1.44の基材の上に、設計波長λを500nmとして、表36のように基材側の第1、3層に低屈折率材料としてSiOを、第2、4、6、8層に高屈折率材料としてTaを、第5、7層に中間屈折率材料としてAlを、第9層に低屈折率材料としてMgFを使用した膜構成の反射防止膜を成膜した。
【0221】
この実施の形態は、実施の形態22の第2層の中間屈折率材料であるAl層(光学的膜厚1.08×λ/4)を、等価膜理論を用いて表36に示すように、高屈折率材料のTa層(光学的膜厚0.22×λ/4)、低屈折率材料のSiO層(光学的膜厚0.44×λ/4)、高屈折率材料のTa層(光学的膜厚0.22×λ/4)からなる3層の積層体に置換えたものであり、その結果、実施の形態22の8層構成から9層構成へと層数が増加している。なお、この実施の形態では、置換したTa層の一方が元のTa層に隣接するため層数の増加は1層となる。表36における、第4層−2は実施の形態22の第3層と同一であり、第4層−1(実施の形態22の第2層から置換されたもの)と合わせて、この実施の形態の第4層を形成している。
【0222】
この実施の形態では、第2層の中間屈折率材料層を高屈折率材料であるTaと低屈折率材料であるSiOとからなる等価膜に置換えたが、これに限定されるものではなく、他の高屈折率材料と低屈折率材料とからなる等価膜に置換えてもよい。また、第2層の中間屈折率材料層でなく、第4層、第6層の中間屈折率材料層を等価膜に置換えることができ、複数の中間屈折率材料層を同時に等価膜に置換えることも可能である。また、中間屈折率材料層でなく高屈折率材料層や低屈折率材料層であっても、それ自身よりも屈折率の高い層と屈折率の低い層からなる等価膜で置換えることができる。
【0223】
この実施の形態の反射防止膜は、10−4〜10−6Torrの真空域にて真空蒸着により形成したが、これに限定されるものでなく、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト蒸着法によっても同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。また、この実施の形態36では高屈折率材料としてTa、中間屈折率材料としてAl、低屈折率材料としてSiO、MgFを用いたが、これに限定されるものではなく、各材料と同様な屈折率を有した材料であれば同等の特性を有する反射防止膜を得ることができる。
【0224】
図36にこの実施の形態の分光反射率特性を示す。波長350nm〜850nmの範囲で反射率が1.0%以下になっており、波長350nm〜800nmの範囲では平均反射率が0.6%以下である。この実施の形態36の分光反射率特性は、元になった実施の形態22の分光反射率特性に比べ幾分、波打ってはいるが類似している。
【0225】
この実施の形態の反射防止膜を両面または片面に施した光学レンズは、紫外域から赤外域にかけての広帯域で良好な透過率を示した。
【0226】
このように、この実施の形態では、紫外域から赤外域にわたる広い波長帯域において、高い反射防止効果を持つ反射防止膜を得ることができる。また、高屈折率材料として、屈折率が高く、安定した膜形成や成膜材料の繰り返し使用が可能なTaを用いたので、良好な光学特性が得られるとともに低コストで反射防止膜が形成できる。さらに、等価膜理論を用いることにより、層数の少ない反射防止膜の構成を元にして、層数が1層だけ多く、かつ同様な分光反射率特性を示す反射防止膜を得ることができる。
【0227】
[実施の形態37]
この実施の形態では、光学レンズユニットに対する実施の形態を示す。図37は、この実施の形態における光学レンズを6枚有する光学レンズユニットを示す。
【0228】
図38は、図37の各光学レンズ(硝材はS−BSL7)の全ての両面に実施の形態22の反射防止膜を施した場合の光学レンズユニットの分光透過率特性を示す。波長350nm〜900nmの範囲で、平均透過率が90%以上となっており、可視域である波長400nm〜700nmの範囲の平均透過率は95%以上である。
【0229】
この実施の形態の光学レンズユニットは、可視域での平均透過率が95%以上であるため、目視による観察時の明るさを十分確保できるとともに、紫外域の波長350nm〜400nmでも平均透過率が90%以上であるため、励起光として紫外線を用いた観察時にも、紫外線を損失することなく照射することが可能となる。
【0230】
また、この実施の形態の光学レンズユニットは、赤外域の700nm〜900nmでも90%以上の透過率となっているため、赤外域の光を照射しても光量損失がなく、また観察時の明るさも確保することができる。
【0231】
【表1】
Figure 0004190773
【0232】
【表2】
Figure 0004190773
【0233】
【表3】
Figure 0004190773
【0234】
【表4】
Figure 0004190773
【0235】
【表5】
Figure 0004190773
【0236】
【表6】
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【0237】
【表7】
Figure 0004190773
【0238】
【表8】
Figure 0004190773
【0239】
【表9】
Figure 0004190773
【0240】
【表10】
Figure 0004190773
【0241】
【表11】
Figure 0004190773
【0242】
【表12】
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【0243】
【表13】
Figure 0004190773
【0244】
【表14】
Figure 0004190773
【0245】
【表15】
Figure 0004190773
【0246】
【表16】
Figure 0004190773
【0247】
【表17】
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【0248】
【表18】
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【0249】
【表19】
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【0250】
【表20】
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【0251】
【表21】
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【0252】
【表22】
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【0253】
【表23】
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【0254】
【表24】
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【0255】
【表25】
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【0256】
【表26】
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【0257】
【表27】
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【0258】
【表28】
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【0259】
【表29】
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【0260】
【表30】
Figure 0004190773
【0261】
【表31】
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【0262】
【表32】
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【0263】
【表33】
Figure 0004190773
【0264】
【表34】
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【0265】
【表35】
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【0266】
【表36】
Figure 0004190773
【0267】
【発明の効果】
請求項1乃至17の発明によれば、各層を構成する成膜材料の屈折率および膜厚を指定することにより、紫外域から赤外域にわたる広い波長域で高い反射防止効果を得られる反射防止膜とすることができる。
【0268】
請求項18の発明によれば、反射防止膜を構成する低屈折率材料、中間屈折率材料および高屈折率材料のそれぞれの屈折率を一定範囲内とすることにより、紫外域から赤外域にわたる広い波長域で高い反射防止効果を得られる反射防止膜とすることができる。また、上記範囲内の屈折率を有する種々の材料が使用できるため、広い範囲から材料を選択することができる。
【0269】
請求項19の発明によれば、等価膜を利用することにより、少ない層数の反射防止膜の構成に基づいて、より層数が多く、かつ分光反射率特性の類似した反射防止膜を容易に導き出すことができる。
【0270】
請求項20乃至22の発明によれば、紫外域から赤外域にわたる広い波長域で高い反射防止効果を得ることができるとともに、適当な材料を選択することにより、その材料の特性を生かした反射防止膜とすることができる。
【0271】
請求項23の発明によれば、紫外域から赤外域にわたる広帯域で高い透過率を有する光学レンズを提供できる。
【0272】
請求項24の発明によれば、紫外域から赤外域にわたる広帯域で高い透過率を有する光学レンズユニットを提供できる。
【0273】
請求項25の発明によれば、特に350nmから900nmの波長帯域で使用する光学機器に用いた場合に著しい効果を奏する光学レンズユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の分光反射率特性図である。
【図2】 実施の形態2の分光反射率特性図である。
【図3】 実施の形態3の分光反射率特性図である。
【図4】 実施の形態4の分光反射率特性図である。
【図5】 実施の形態5の分光反射率特性図である。
【図6】 実施の形態6の分光反射率特性図である。
【図7】 実施の形態7の分光反射率特性図である。
【図8】 実施の形態8の分光反射率特性図である。
【図9】 実施の形態9の分光反射率特性図である。
【図10】 実施の形態10の分光反射率特性図である。
【図11】 実施の形態11の分光反射率特性図である。
【図12】 実施の形態12の分光反射率特性図である。
【図13】 実施の形態13の分光反射率特性図である。
【図14】 実施の形態14の分光反射率特性図である。
【図15】 実施の形態15の分光反射率特性図である。
【図16】 実施の形態16の分光反射率特性図である。
【図17】 実施の形態17の分光反射率特性図である。
【図18】 実施の形態18の分光反射率特性図である。
【図19】 実施の形態19の分光反射率特性図である。
【図20】 実施の形態20の分光反射率特性図である。
【図21】 実施の形態21の分光反射率特性図である。
【図22】 実施の形態22の分光反射率特性図である。
【図23】 実施の形態23の分光反射率特性図である。
【図24】 実施の形態24の分光反射率特性図である。
【図25】 実施の形態25の分光反射率特性図である。
【図26】 実施の形態26の分光反射率特性図である。
【図27】 実施の形態27の分光反射率特性図である。
【図28】 実施の形態28の分光反射率特性図である。
【図29】 実施の形態29の分光反射率特性図である。
【図30】 実施の形態30の分光反射率特性図である。
【図31】 実施の形態31の分光反射率特性図である。
【図32】 実施の形態32の分光反射率特性図である。
【図33】 実施の形態33の分光反射率特性図である。
【図34】 実施の形態34の分光反射率特性図である。
【図35】 実施の形態35の分光反射率特性図である。
【図36】 実施の形態36の分光反射率特性図である。
【図37】 実施の形態37の光学レンズユニットの正面図である。
【図38】 実施の形態37の光学レンズユニットの分光透過率特性図である。

Claims (25)

  1. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に中間屈折率材料を、第2,4層に高屈折率材料を、第3層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第5層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.08〜1.31)×λ/4、第2層は(0.17〜0.36)×λ/4、第3層は(0.45〜0.91)×λ/4、第4層は(0.15〜0.33)×λ/4、第5層は(1.13〜1.17)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  2. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,6層に低屈折率材料を、第2層に中間屈折率材料を、第3,5層に高屈折率材料を、第4層に低屈折率材料または中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.23〜2.00)×λ/4、第2層は(1.20〜1.44)×λ/4、第3層は(0.25〜0.32)×λ/4、第4層は(0.48〜0.76)×λ/4、第5層は(0.21〜0.31)×λ/4、第6層は(1.13〜1.17)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  3. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3層に中間屈折率材料を、第2,5層に高屈折率材料を、第4,6層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.20〜1.25)×λ/4、第2層は(0.16〜0.28)×λ/4、第3層は(0.61〜0.70)×λ/4、第4層は(0.07〜0.14)×λ/4、第5層は(0.20〜0.27)×λ/4、第6層は(1.13〜1.14)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  4. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に中間屈折率材料を、第2,4,6層に高屈折率材料を、第3,5層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第7層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.04〜1.13)×λ/4、第2層は(0.30〜0.46)×λ/4、第3層は(0.13〜0.46)×λ/4、第4層は(0.56〜1.26)×λ/4、第5層は(0.22〜0.56)×λ/4、第6層は(0.31〜0.41)×λ/4、第7層は(1.05〜1.13)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  5. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,4,6層に高屈折率材料を、第2,7層に低屈折率材料を、第3,5層に中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.16〜0.33)×λ/4、第2層は(0.06〜0.10)×λ/4、第3層は(0.26〜0.67)×λ/4、第4層は(0.31〜0.52)×λ/4、第5層は(0.61〜0.75)×λ/4、第6層は(0.23〜0.28)×λ/4、第7層は(1.13〜1.14)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  6. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に高屈折率材料または低屈折率材料を、第2層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第3,6層に高屈折率材料を、第4,7層に低屈折率材料を、第5層に中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.13〜2.98)×λ/4、第2層は(0.28〜1.40)×λ/4、第3層は(0.25〜0.62)×λ/4、第4層は(0.06〜0.20)×λ/4、第5層は(0.38〜0.70)×λ/4、第6層は(0.18〜0.29)×λ/4、第7層は(1.14〜1.16)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  7. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に高屈折率材料または低屈折率材料を、第2,4層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第3,5層に高屈折率材料を、第6層に中間屈折率材料を、第7層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.13〜2.98)×λ/4、第2層は(0.28〜1.43)×λ/4、第3層は(0.21〜0.64)×λ/4、第4層は(0.39〜0.84)×λ/4、第5層は.(0.15〜0.32)×λ/4、第6層は(0.11〜0.23)×λ/4、第7層は(1.04〜1.09)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  8. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,6層に中間屈折率材料を、第2,5層に高屈折率材料を、策4,7層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.20〜1.25)×λ/4、第2層は(0.16〜0.29)×λ/4、第3層は(0.56〜0.65)×λ/4、第4層は(0.10〜0.16)×λ/4、第5層は(0.18〜0.24)×λ/4、第6層は(0.08〜0.14)×λ/4、第7層は(1.05〜1.10)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  9. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1層に高屈折率材料または低屈折率材料を、第2層に中間屈折率材料を、第3,5,7層に高屈折率材料を、第4,6層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第8層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.07〜1.81)×λ/4、第2層は(0.32〜1.30)×λ/4、第3層は(0.29〜0.69)×λ/4、第4層は(0.07〜0.39)×λ/4、第5層は(0.67〜2.28)×λ/4、第6層は(0.21〜0.49)×λ/4、第7層は(0.28〜0.42)×λ/4、第8層は(0.98〜1.11)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  10. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,5,7層に高屈折率材料を、第2,8層に低屈折率材料を、第4,6層に低屈折率材料または中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.12〜0.31)×λ/4、第2層は(0.22〜0.64)×λ/4、第3層は(0.35〜0.76)×λ/4、第4層は(0.07〜0.51)×λ/4、第5層は(0.62〜1.82)×λ/4、第6層は(0.20〜0.51)×λ/4、第7層は(0.27〜0.42)×λ/4、第8層は(0.97〜1.12)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  11. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,5,8層に低屈折率材料を、第2,4,6層に中間屈折率材料を、第3,7層に高屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.23〜1.01)×λ/4、第2層は(1.23〜1.41)×λ/4、第3層は(0.20〜0.25)×λ/4、第4層は(0.30〜0.37)×λ/4、第5層は(0.07〜0.10)×λ/4、第6層は(0.31〜0.37)×λ/4、第7層は(0.19〜0.23)×λ/4、第8層は(1.14〜1.15)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  12. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,6,8層に低屈折率材料を、第2,4層に中間屈折率材料を、第5,7層に高屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.15〜0.56)×λ/4、第2層は(0.08〜0.57)×λ/4、第3層は(1.29〜1.67)×λ/4、第4層は(1.07〜1.22)×λ/4、第5層は(0.33〜0.36)×λ/4、第6層は(0.43〜0.45)×λ/4、第7層は(0.32〜0.34)×λ/4、第8層は(1.11〜1.14)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  13. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,6,8層に低屈折率材料を、第2,4,7層に高屈折率材料を、第3層に低屈折率材料または中間屈折率材料を、第5層に中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.10〜2.16)×λ/4、第2層は(0.07〜0.23)×λ/4、第3層は(0.51〜0.96)×λ/4、第4層は(0.29〜0.44)×λ/4、第5層は(0.49〜0.53)×λ/4、第6層は(0.09〜0.19)×λ/4、第7層は(0.28〜0.33)×λ/4、第8層は(1.12〜1.16)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  14. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,4,6,8層に低屈折率材料を、第2,5層に中間屈折率材料を、第3,7層に高屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.01〜2.00)×λ/4、第2層は(1.21〜1.22)×λ/4、第3層は(0.28〜0.34)×λ/4、第4層は(0.11〜0.16)×λ/4、第5層は(0.33〜0.47)×λ/4、第6層は(0.08〜0.09)×λ/4、第7層は(0.24〜0.29)×λ/4、第8層は(1.13〜1.14)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  15. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,6層に高屈折率材料を、第2,4,8層に低屈折率材料を、第5,7層に中間屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.16〜0.35)×λ/4、第2層は(0.28〜0.61)×λ/4、第3層は(0.34〜0.60)×λ/4、第4層は(0.09〜0.15)×λ/4、第5層は(0.47〜0.66)×λ/4、第6層は(0.16〜0.25)×λ/4、第7層は(0.10〜0.16)×λ/4、第8層は(1.07〜1.09)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  16. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,7層に中間屈折率材料を、第2,4,6層に高屈折率材料を、第3,5,8層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(1.12〜2.14)×λ/4、第2層は(0.36〜0.37)×λ/4、第3層は(0.30〜0.31)×λ/4、第4層は(0.69〜0.74)×λ/4、第5層は(0.34〜0.36)×λ/4、第6層は(0.34〜0.37)×λ/4、第7層は(0.13〜0.17)×λ/4、第8層は(1.03〜1.05)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  17. 基材に設けられる反射防止膜であって、基材側から数えて第1,3,6層に高屈折率材料を、第2,4,7層に中間屈折率材料を、第5,8層に低屈折率材料をそれぞれ成膜したものであり、前記各層の光学的膜厚ndが設計波長λに対して、第1層は(0.13〜0.30)×λ/4、第2層は(0.41〜0.79)×λ/4、第3層は(0.34〜0.53)×λ/4、第4層は(0.20〜0.31)×λ/4、第5層は(0.18〜0.34)×λ/4、第6層は(0.29〜0.31)×λ/4、第7層は(0.10〜0.11)×λ/4、第8層は(1.07〜1.10)×λ/4としたことを特徴とする反射防止膜。
  18. 前記低屈折率材料、中間屈折率材料および高屈折率材料は、350nmから1100nmの波長範囲における屈折率が、それぞれ1.3以上1.5未満、1.5以上1.85未満および1.85以上2.7未満であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の反射防止膜。
  19. 基材に設けられる反射防止膜であって、そのうちの少なくとも1層を、その層よりも屈折率の高い材料からなる層と屈折率の低い材料からなる層とから構成される等価膜で置換したことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の反射防止膜。
  20. 前記高屈折率材料がHfO、ZrO、Ta、LaTi、Y、Pr11、Nb、Laのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の反射防止膜。
  21. 前記中間屈折率材料がAl、CeF、LaF、MgOのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の反射防止膜。
  22. 前記低屈折率材料がSiO、MgFのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の反射防止膜。
  23. 請求項1乃至22のいずれかに記載の反射防止膜を基材に設けたことを特徴とする光学レンズ。
  24. 請求項23記載の光学レンズを光路内に少なくとも1枚有することを特徴とする光学レンズユニット。
  25. 350nmから900nmの波長範囲において平均透過率が90%以上であることを特徴とする請求項24記載の光学レンズユニット。
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