JP2017181681A - 赤外線カットフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線カットコートの層数を増加させることなく、透過率を急峻に変化させることが可能な赤外線カットフィルタを提供する。
【解決手段】赤外線カットフィルタ10は、複数の高屈折率膜30Hと、高屈折率膜30Hよりも小さい屈折率を有する複数の低屈折率膜30Lとが、交互に積層された赤外線カットコート30を備え、低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値が、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値よりも大きく、低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比が、1.5〜4.0になっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、近赤外光領域の光を遮断する赤外線カットフィルタに関する。
近赤外光領域の光を遮断する赤外線カットフィルタとして、人の目の感度特性に近い透過率特性を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、400nm〜555nmの波長では、なだらかに漸増するとともに、555nm〜700nmの波長では、なだらかに漸減する透過率特性が記載されている。また、700nm〜1100nmの波長の近赤外光領域の光を反射させることが記載されている。
特開2007−86289号公報
しかし、特許文献1に記載の赤外線カットフィルタでは、400nm〜700nmの波長の可視光領域の光、つまり、可視光領域の略全域の波長の光を透過させる構成になっており、透過率がなだらかに減少あるいは増加する特性となっている。このように、可視光領域から近赤外光領域にかけて(555nm〜700nmの波長で)赤外線カットフィルタの透過率がなだらかに減少する場合、撮像デバイスで撮像される画像にゴーストが発生する可能性がある。
一方、赤外線カットフィルタの透過率を急峻に変化させる手法としては、多層膜(赤外線カットコート)の層数を増加させることが考えられる。しかし、この手法では、成膜時間や製造コストが増大することが懸念される。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、赤外線カットコートの層数を増加させることなく、透過率を急峻に変化させることが可能な赤外線カットフィルタを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、近赤外光領域の光を遮断する赤外線カットフィルタであって、複数の高屈折率膜と、前記高屈折率膜よりも小さい屈折率を有する複数の低屈折率膜とが、交互に積層された赤外線カットコートを備え、前記低屈折率膜の光学膜厚の平均値が、前記高屈折率膜の光学膜厚の平均値よりも大きく、前記低屈折率膜の光学膜厚の平均値と、前記高屈折率膜の光学膜厚の平均値との膜厚比が、1.5〜4.0になっていることを特徴とする。
上記構成によれば、赤外線カットコートの低屈折率膜の光学膜厚の平均値と、高屈折率膜の光学膜厚の平均値とを異ならせ、両者のバランスを調整することによって、赤外線カットコートの層数を増加させることなく、可視光領域における近赤外光領域付近の波長で赤外線カットフィルタの透過率が急峻に減少するフィルタ特性を得ることができる。これにより、赤外線カットフィルタを用いた撮像デバイスにおいて、撮像される画像にゴーストが発生することを抑制できる。
上記構成の赤外線カットフィルタにおいて、前記膜厚比が、2.16〜3.24になっていることを特徴とすることが好ましい。
上記構成によれば、可視光領域における近赤外光領域付近の領域での赤外線カットフィルタの透過率を略100%に近づけつつ、近赤外光領域(もしくは可視光領域と近赤外光領域との境界領域)での赤外線カットフィルタの透過率を略0%に近づけることができる。
上記構成の赤外線カットフィルタにおいて、長波長側に向かうにつれて透過率が減少する領域において、透過率が70%となる波長と、透過率が20%となる波長との波長差の上限が、6nmになっていることを特徴とする赤外線カットフィルタ。
上記構成によれば、赤外線カットフィルタを用いた撮像デバイスにおいて、撮像される画像にゴーストが発生することを効果的に抑制できる。
本発明によれば、赤外線カットコートの層数を増加させることなく、透過率を急峻に変化させることが可能な赤外線カットフィルタを提供することができる。
本発明に係る赤外線カットフィルタを用いた撮像デバイスの概略構成を示す図である。 本発明に係る赤外線カットフィルタの概略構成を模式的に示す図である。 図2の赤外線カットフィルタのフィルタ特性の一例を示す図である。 赤外線カットフィルタ(実施例1)のフィルタ特性を示す図である。 赤外線カットフィルタ(実施例1)の各層の構成を示す図である。 赤外線カットフィルタ(実施例2)のフィルタ特性を示す図である。 赤外線カットフィルタ(実施例2)の各層の構成を示す図である。 赤外線カットフィルタ(実施例3)のフィルタ特性を示す図である。 赤外線カットフィルタ(実施例3)の各層の構成を示す図である。 赤外線カットフィルタ(比較例)のフィルタ特性を示す図である。 赤外線カットフィルタ(比較例)の各層の構成を示す図である。
以下、本発明に係る赤外線カットフィルタの実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明において、可視光領域とは、光の波長が約400nm〜約660nmの領域を言い、より好ましくは、光の波長が約550nm〜約640nmの領域を言いう。また、近赤外光領域とは、光の波長が約660nm〜約750nmまでの領域を言う。
図1は、赤外線カットフィルタ10を用いた撮像デバイスの概略構成を示す図である。図2は、赤外線カットフィルタ10の概略構成を模式的に示す図である。図3は、赤外線カットフィルタ10のフィルタ特性の一例を示す図である。
図1に示すように、撮像デバイスにおいて、赤外線カットフィルタ10は、レンズ80によって集光された光について、可視光領域の一部の領域の波長の光を透過させ、近赤外光領域の波長の光を遮断(遮光)させ、CCDやCMOS等の撮像素子90に光を入射させる光学フィルタである。赤外線カットフィルタ10は、図3に示すようなフィルタ特性(透過率波形)を示す光学フィルタであって、図2に示すように、可視光領域の一部の領域の光を透過し、近赤外光領域の光を反射する赤外線カットコート30が、透光性基板20上に形成された構成になっている。なお、赤外線カットフィルタ10は、近赤外光領域の光を遮断するものであれば、可視光領域については一部の領域のみの光を透過させるものであってもよいし、略全域の光を透過させるものであってもよい。
透光性基板20は、本実施形態では水晶板である。なお、透光性基板20は水晶板に限られるものではなく、光を透過可能な基板であれば、例えばガラス板であってもよい。また、単板の水晶板、例えば複屈折板であってもよく、複数枚からなる複屈折板であってもよい。また、水晶板とガラス板を組み合わせてもよい。
赤外線カットコート30は、高屈折率膜30HであるTiO2と、低屈折率膜30LであるSiO2とが交互に複数積層された多層膜として形成されている。透光性基板20側から数えて奇数番目の層が高屈折率膜30Hであり、偶数番目の層が低屈折率膜30Lである。高屈折率膜30Hと低屈折率膜30Lの積層順はこの例に限らず、透光性基板20側から数えて奇数番目の層が低屈折率膜30Lであり、偶数番目の層が高屈折率膜30Hであってもよい。
本実施形態では高屈折率膜30Hは、TiO2としたがこれに限られず、例えば、ZrO2、Nb25、Ta25といった材料でもよい。つまり、高屈折率膜30Hの材料としては、屈折率が2.0より大きいものが好ましい。また、低屈折率膜30LについてもSiO2に限られず、例えばMgF2といった材料でもよい。つまり、低屈折率膜30Lの材料としては、高屈折率膜30Hよりも屈折率が小さいものが好ましく、さらに好ましくは屈折率が1.5より小さいものがよい。
透光性基板20と、最下層(最も透光性基板20側に近い層)の高屈折率膜30Hとの間には、調整層31が介在されている。また、最上層の低屈折率膜30Lの上側には、調整層32が積層されている。調整層31,32は、屈折率の変化が比較的大きい箇所に設けられている。透光性基板20と最下層の高屈折率膜30Hとの間に設けられた調整層31は、高屈折率膜31HであるTiO2と、低屈折率膜31LであるSiO2とが1層ずつ積層された構成になっている。つまり、高屈折率膜31Hが透光性基板20側に形成され、低屈折率膜31Lが最下層の高屈折率膜30H側に形成されている。高屈折率膜31Hと低屈折率膜31Lの積層順はこの例に限らず、透光性基板20側に低屈折率膜31Lが形成され、最下層の高屈折率膜30H側に高屈折率膜31Hが形成されていてもよい。また、調整層31を高屈折率膜31H及び低屈折率膜31Lのうちいずれか1層のみの構成としたり、あるいは調整層31を設けない構成としてもよい。
また、最上層(最も透光性基板20から遠い層)の低屈折率膜30Lの上側に設けられた調整層32は、高屈折率膜32HであるTiO2と、低屈折率膜32LであるSiO2とが1層ずつ積層された構成になっている。高屈折率膜32Hが最上層の低屈折率膜30L側に形成され、低屈折率膜32Lが大気側に形成されている。高屈折率膜32Hと低屈折率膜32Lの積層順はこの例に限らず、最上層の低屈折率膜30L側に低屈折率膜32Lが形成され、大気側に高屈折率膜32Hが形成されていてもよい。また、調整層32を高屈折率膜32H及び低屈折率膜32Lのうちいずれか1層のみの構成としたり、あるいは調整層32を設けない構成としてもよい。
赤外線カットコート30の各層(低屈折率膜30L及び高屈折率膜30H)は、例えば、電子ビーム蒸着、イオンビームアシスト蒸着等の公知の蒸着方法によって交互に形成される。調整層31,32の各層(低屈折率膜31L,32L及び高屈折率膜31H,32H)も、同様の手法によって形成される。蒸着膜厚は、屈折率と物理膜厚との積である光学膜厚に基づいて設計されており、本実施形態の赤外線カットコート30の各層の光学膜厚は、例えば、図5に示すように設計されている。なお、光学膜厚Ndと中心波長λとの間には、[Nd=λ/4]という関係がある。図5中の中心波長(680nm)は膜厚設計の際の中心波長である。
赤外線カットフィルタ10では、赤外線カットコート30及び調整層31,32の高屈折率膜30H〜32Hと低屈折率膜30L〜32Lとは、例えば、合計で20層積層され、そのときの総膜厚(物理膜厚)は約4.4μmになっている。赤外線カットフィルタ10の総膜厚は、好ましくは、4.3μm〜4.5μmとされる。また、赤外線カットコート30の高屈折率膜30H及び低屈折率膜30Lの層数は、好ましくは、合計で18層〜22層とされる。言い換えれば、赤外線カットコート30の高屈折率膜30H及び低屈折率膜30Lの繰り返し回数が、好ましくは、9回〜11回とされる。
本実施形態では、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚と、高屈折率膜30Hの光学膜厚とを異ならせた点を特徴としている。この赤外線カットフィルタ10によれば、図3に示すように、可視光領域の一部の領域の光を透過させ、近赤外光領域の光を遮断させるフィルタ特性が得られる。図3の例では、可視光領域における近赤外光領域付近の波長(650nm付近の波長)で赤外線カットフィルタ10の透過率が急峻に減少している。
具体的には、可視光領域で波長が640nm以下の領域での赤外線カットフィルタ10の透過率が、略93.1%〜略100%になっている。また、波長が660nm以上の領域での赤外線カットフィルタ10の透過率が、略0%〜略5.8%になっている。ここで、可視光領域で波長が640nm以下の領域での赤外線カットフィルタ10の透過率は、90%以上であることが好ましい。また、波長が660nm以上の領域での赤外線カットフィルタ10の透過率は、10%以下であることが好ましい。また、長波長側に向かうにつれて赤外線カットフィルタ10の透過率が減少する領域において、赤外線カットフィルタ10の透過率が20%となる波長と、赤外線カットフィルタ10の透過率が70%となる波長との波長差(絶対値)の上限が、6nmであることが好ましい。上記の波長差の下限は、特に限定されず、例えば1nmであってもよい。
本実施形態では、赤外線カットフィルタ10において、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚と、高屈折率膜30Hの光学膜厚との間には、膜厚差が設けられており、低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値が、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値よりも大きくなっている。そして、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値が、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値よりも、1.0〜3.0だけ大きくなっている。また、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比[低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値/高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値]が、1.5〜4.0になっている。なお、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値は、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値よりも、1.57〜2.17だけ大きいことが好ましい。また、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比は、2.16〜3.24であることが好ましい。
以下、本実施形態の特徴について、3つの実施例と、1つの比較例とを挙げて説明する。なお、以下に示す赤外線カットコート30の各層の光学膜厚の値(図5等参照)は一例であって、赤外線カットコート30の各層の光学膜厚をその他の値としてもよい。
[実施例1]
図4は、赤外線カットフィルタ10(実施例1)のフィルタ特性を示す図であって、図3の一部を拡大して示す図である。図5は、赤外線カットフィルタ10(実施例1)の各層の構成を示す図である。
赤外線カットフィルタ10(実施例1)の赤外線カットコート30の各層は、図5の第3層〜第18層に対応しており、高屈折率膜30Hと低屈折率膜30Lとが交互に合計で16層積層されている。調整層31は、図5の第1層及び第2層に対応しており、調整層32は、図5の第19層及び第20層に対応している。
図5に示すように、赤外線カットフィルタ10(実施例1)の赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚は、2.82〜3.20になっており、光学膜厚の平均値が2.93になっている。赤外線カットコート30の高屈折率膜30Hの光学膜厚は、1.27〜1.80になっており、光学膜厚の平均値が1.36になっている。そして、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値が、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値よりも、1.57だけ大きくなっている。また、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比[低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値/高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値]が、2.16になっている。
図4に示すように、可視光領域で波長が640nm以下の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が、略100%になっている。赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が略90%となる波長L11が、略645nmになっており、赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が略70%となる波長L12が、略648nmになっている。赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が略20%となる波長L13が、略654nmになっており、赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が略10%となる波長L14が、略657nmになっている。波長が670nm以上の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が、略0%になっている。
そして、長波長側に向かうにつれて赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が減少する領域において、赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が略20%となる波長L13と、赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率が略70%となる波長L12との波長差(絶対値)が、略6.0nmになっている。
また、図4に示すように、波長が550〜640nmの領域、つまり、可視光領域における近赤外光領域付近の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率の最小値が、略93.1%になっている。波長が660〜750nmの領域、つまり、近赤外光領域での赤外線カットフィルタ10(実施例1)の透過率の最大値が、略5.8%になっている。
[実施例2]
図6は、赤外線カットフィルタ10(実施例2)のフィルタ特性を示す図である。図7は、赤外線カットフィルタ10(実施例2)の各層の構成を示す図である。赤外線カットフィルタ10(実施例2)の赤外線カットコート30の各層は、上述した赤外線カットフィルタ10(実施例1)の赤外線カットコート30の各層とは、光学膜厚の値が異なっており、それ以外は同様の構成になっている。
図7に示すように、赤外線カットフィルタ10(実施例2)の赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚は、2.96〜3.03になっており、光学膜厚の平均値が2.99になっている。赤外線カットコート30の高屈折率膜30Hの光学膜厚は、1.07〜1.20になっており、光学膜厚の平均値が1.13になっている。そして、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値が、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値よりも、1.86だけ大きくなっている。また、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比[低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値/高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値]が、2.65になっている。
図6に示すように、可視光領域で波長が640nm以下の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が、略100%になっている。赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が略90%となる波長L21が、略646nmになっており、赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が略70%となる波長L22が、略648nmになっている。赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が略20%となる波長L23が、略653nmになっており、赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が略10%となる波長L24が、略656nmになっている。波長が670nm以上の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が、略0%になっている。
そして、長波長側に向かうにつれて赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が減少する領域において、赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が略20%となる波長L23と、赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率が略70%となる波長L22との波長差(絶対値)が、略5.4nmになっている。
また、図6に示すように、波長が550〜640nmの領域、つまり、可視光領域における近赤外光領域付近の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率の最小値が、略98.8%になっている。波長が660〜750nmの領域、つまり、近赤外光領域での赤外線カットフィルタ10(実施例2)の透過率の最大値が、略4.6%になっている。
[実施例3]
図8は、赤外線カットフィルタ10(実施例3)のフィルタ特性を示す図である。図9は、赤外線カットフィルタ10(実施例3)の各層の構成を示す図である。赤外線カットフィルタ10(実施例3)の赤外線カットコート30の各層は、上述した赤外線カットフィルタ10(実施例1)の赤外線カットコート30の各層とは、光学膜厚の値が異なっており、それ以外は同様の構成になっている。
図9に示すように、赤外線カットフィルタ10(実施例3)の赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚は、3.05〜3.27になっており、光学膜厚の平均値が3.14になっている。赤外線カットコート30の高屈折率膜30Hの光学膜厚は、0.90〜1.04になっており、光学膜厚の平均値が0.97になっている。そして、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値が、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値よりも、2.17だけ大きくなっている。また、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比[低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値/高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値]が、3.24になっている。
図8に示すように、可視光領域で波長が640nm以下の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が、略100%になっている。赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が略90%となる波長L31が、略646nmになっており、赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が略70%となる波長L32が、略648nmになっている。赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が略20%となる波長L33が、略653nmになっており、赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が略10%となる波長L34が、略656nmになっている。波長が670nm以上の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が、略0%になっている。
そして、長波長側に向かうにつれて赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が減少する領域において、赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が略20%となる波長L33と、赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率が略70%となる波長L32との波長差(絶対値)が、略5.4nmになっている。
また、図8に示すように、波長が550〜640nmの領域、つまり、可視光領域における近赤外光領域付近の領域での赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率の最小値が、略97.9%になっている。波長が660〜750nmの領域、つまり、近赤外光領域での赤外線カットフィルタ10(実施例3)の透過率の最大値が、略4.0%になっている。
[比較例]
図10は、赤外線カットフィルタ10(比較例)のフィルタ特性を示す図である。図11は、赤外線カットフィルタ10(比較例)の各層の構成を示す図である。赤外線カットフィルタ10(比較例)の赤外線カットコート30の各層は、上述した赤外線カットフィルタ10(実施例1)の赤外線カットコート30の各層とは、光学膜厚の値が異なっており、それ以外は同様の構成になっている。
図11に示すように、赤外線カットフィルタ10(比較例)の赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚は、0.98〜1.01になっており、光学膜厚の平均値が0.99になっている。赤外線カットコート30の高屈折率膜30Hの光学膜厚は、0.97〜1.02になっており、光学膜厚の平均値が0.99になっている。そして、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値とが略同じになっている。また、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比[低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値/高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値]が、1.00になっている。
図10に示すように、可視光領域で波長が640nm以下の領域での赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が、略100%になっている。赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が略90%となる波長L1が、略643nmになっており、赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が略70%となる波長L2が、略646nmになっている。赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が略20%となる波長L3が、略655nmになっており、赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が略10%となる波長L4が、略659nmになっている。波長が670nm以上の領域での赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が、略0%になっている。
そして、長波長側に向かうにつれて赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が減少する領域において、赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が略20%となる波長L3と、赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率が略70%となる波長L2との波長差(絶対値)が、略8.3nmになっている。
また、図10に示すように、波長が550〜640nmの領域、つまり、可視光領域における近赤外光領域付近の領域での赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率の最小値が、略96.4%になっている。波長が660〜750nmの領域、つまり、近赤外光領域での赤外線カットフィルタ10(比較例)の透過率の最大値が、略8.4%になっている。
本実施形態の実施例1〜3と、比較例とを比べると、実施例1〜3の場合、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比が、1.5〜4.0の範囲内の値になっている。一方、比較例の場合、その膜厚比が、1.00になっている。このように、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値とを異ならせ、両者のバランスを調整することによって、赤外線カットコート30の層数を増加させることなく、可視光領域における近赤外光領域付近の波長で赤外線カットフィルタ10の透過率が急峻に減少するフィルタ特性を得ることができる。詳細には、赤外線カットフィルタ10の透過率が略20%となる波長と、赤外線カットフィルタ10の透過率が略70%となる波長との波長差(絶対値)が、比較例の場合、略8.3nmであるのに対し、実施例1〜3の場合、6.0nm以下の値になっている。このように、実施例1〜3の場合には、比較例の場合に比べて、可視光領域における近赤外光領域付近の波長で赤外線カットフィルタ10の透過率を急峻に変化させることができるので、赤外線カットフィルタ10を用いた撮像デバイスにおいて、撮像される画像にゴーストが発生することを抑制できる。
なお、低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比が、1.5未満の場合には、可視光領域における近赤外光領域付近の波長で赤外線カットフィルタ10の透過率を急峻に減少させることが困難になる。また、低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比が、4.0よりも大きい場合には、可視光領域にリップルが発生しやすくなり、可視光領域における透過率が局所的に低下することが懸念される。このため、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比は、1.5〜4.0であることが好ましい。
そして、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値と、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値との膜厚比を、1.5〜4.0とすることによって(より好ましくは、2.16〜3.24とすることによって)、可視光領域における近赤外光領域付近の領域での赤外線カットフィルタ10の透過率を略100%に近づけつつ、近赤外光領域(もしくは可視光領域と近赤外光領域との境界領域)での赤外線カットフィルタ10の透過率を略0%に近づけることができる。
また、赤外線カットコート30の低屈折率膜30Lの光学膜厚の平均値を、高屈折率膜30Hの光学膜厚の平均値よりも、1.0〜3.0だけ大きくすることによって(より好ましくは、1.57〜2.17だけ大きくすることによって)、可視光領域における近赤外光領域付近の領域での赤外線カットフィルタ10の透過率を略100%に近づけつつ、近赤外光領域(もしくは可視光領域と近赤外光領域との境界領域)での赤外線カットフィルタ10の透過率を略0%に近づけることができる。
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
本発明は、光学フィルタに利用可能であり、近赤外光領域の光を遮断する赤外線カットフィルタに好適に利用可能である。
10 赤外線カットフィルタ
20 透光性基板
30 赤外線カットコート
30H 高屈折率膜
30L 低屈折率膜

Claims (3)

  1. 近赤外光領域の光を遮断する赤外線カットフィルタであって、
    複数の高屈折率膜と、前記高屈折率膜よりも小さい屈折率を有する複数の低屈折率膜とが、交互に積層された赤外線カットコートを備え、
    前記低屈折率膜の光学膜厚の平均値が、前記高屈折率膜の光学膜厚の平均値よりも大きく、前記低屈折率膜の光学膜厚の平均値と、前記高屈折率膜の光学膜厚の平均値との膜厚比が、1.5〜4.0になっていることを特徴とする赤外線カットフィルタ。
  2. 請求項1に記載の赤外線カットフィルタであって、
    前記膜厚比が、2.16〜3.24になっていることを特徴とする赤外線カットフィルタ。
  3. 請求項1または2に記載の赤外線カットフィルタであって、
    長波長側に向かうにつれて透過率が減少する領域において、透過率が70%となる波長と、透過率が20%となる波長との波長差の上限が、6nmになっていることを特徴とする赤外線カットフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102055579B1 (ko) * 2019-06-27 2019-12-13 주식회사 옵트론텍 광학 필터

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