JPWO2015122531A1 - 還元型補酵素q10を含有する組成物 - Google Patents

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Abstract

市場での要望に応えうる安価で簡便な製剤化に適する、酸化安定性の良好な、室温で固体状態の還元型補酵素Q10組成物、詳しくは、還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を含有する25℃で固体状態の組成物を提供する。有機酸としては、イタコン酸、L−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸又はエリソルビン酸が好ましく、炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムやそれらの水和物が好ましい。

Description

本発明は還元型補酵素Q10を含有する組成物に関する。還元型補酵素Q10は、酸化型補酵素Q10に比べて高い経口吸収性を示し、優れた食品、健康食品、栄養機能食品、特定保健用食品、サプリメント、栄養補助剤、栄養剤、飲料、飼料、動物薬、化粧品、医薬品、治療薬、予防薬等として有用な化合物である。
還元型補酵素Q10は、酸化型補酵素Q10に比べて高い経口吸収性を示し、また抗酸化物質としても非常に有用な化合物であり、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により得た酸化型補酵素Q10を還元する事でも得られる。
還元型補酵素Q10を含む組成物として、これまでに、例えば還元型補酵素Qとミネラル類及びビタミン類を含有する組成物が報告されている(特許文献1)。上記特許文献1には、還元型補酵素Q10と界面活性剤を用いて水溶液を調製し、ここにミネラル類として具体的には鉄塩と、ビタミン類としてはアスコルビン酸を、それぞれ特定の割合で配合することで、水溶液の乳化安定性が向上することが開示されている。
これ以外にも、例えば経口吸収性に優れた還元型補酵素Q10を含有する組成物として、補酵素Q10中の還元型補酵素Q10の割合が20重量%を超える組成物が報告されている(特許文献2)。上記特許文献2では、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10の重量比が異なる混合物を用いて吸収性試験を実施し、還元型補酵素Q10が特定の含量以上の場合に吸収性が向上する事を見出している。また、還元型補酵素Q10を用いた各種製剤について記載がある。
ところで、還元型補酵素Q10は一般的に酸化されやすい化合物として知られており、このため酸化を抑制する方法や組成物について、種々検討がなされてきている。例えば、酸化に対して安定な還元型補酵素Q10含有組成物として、還元型補酵素Q10とアスコルビン酸類及び/又はクエン酸類を共存させる組成物が報告されている(特許文献3)。特許文献3には、還元型補酵素Q10とアスコルビン酸類又はクエン酸類を含有する溶液の調製方法やその酸化安定性が開示されている。
さらに、最近になって還元型補酵素Q10に結晶多形が存在することが見出されており、新たに見出された結晶形(以下、FormII結晶と記す)は、従来型の結晶形(以下、FormI結晶と記す)と比較して、酸化安定性が良好である事が報告されている(特許文献4)。
一方、補酵素Q10を含有し、なおかつ炭酸塩と有機酸を含む組成物として、補酵素Q10を含む発泡性組成物(特許文献5)や、ユビデカレノン及びビタミンB1誘導体を配合したことを特徴とする医薬(特許文献6)等の報告がある。
特開2009−057302号公報 特開平10−109933号公報 特開2003−032967号公報 WO2012/176842号公報 CN101966165号公報 特開平10−287560号公報
上記特許文献2において、還元型補酵素Q10が経口吸収性に非常に優れていることが明らかになったが、還元型補酵素Q10は空気中に放置すると酸化が速やかに進行し、酸化型補酵素Q10へ変化してしまうという性質があるため、その酸化安定性については、課題があった。
従来の還元型補酵素Q10の安定性向上方法は、上記の通り、主として酸化安定性を向上させる成分と還元型補酵素Q10を相溶性の高い状態で接触させた状態、すなわち溶液中の安定性向上を目的としたものであり、またその酸化安定性も十分ではなく、長期保存のためには、ソフトカプセル剤などの外部から遮断された状態の製剤とする必要があった。さらに、ソフトカプセル剤においては、製剤化する際のコストが高いこと、またソフトカプセル剤を製造するためには高い技術が要求されることなどの問題がある。よって市場からは、より安価で簡便な還元型補酵素Q10含有組成物の製剤(例えば、錠剤や散剤、ハードカプセルといった剤形)の開発が望まれていたが、従来報告されている安定化方法では、粉末等の固体状態では、特に、十分な安定化効果を得ることが出来ないことがわかった。
また、上記特許文献4の製法で得られる還元型補酵素Q10のFormII結晶は、従来型の還元型補酵素Q10のFormI結晶と比較して酸化安定性は良好であるものの、完全に酸化に対して安定というわけではなく、特定の目的においてはさらに酸化安定性の向上が要求される。そこで本発明は、市場での要望に応えうる安価で簡便な製剤化に適する、酸化安定性の良好な、粉末などの室温で固体状態の還元型補酵素Q10組成物の提供を目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、驚くべきことに還元型補酵素Q10を、有機酸とある特定の種類の炭酸塩と共存させ25℃で固体状態の組成物とすることで、例えば還元型補酵素Q10に、有機酸と、ある特定の種類の炭酸塩をそれぞれ固体状態で添加混合することで、還元型補酵素Q10の酸化安定性が著しく向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を含有する、25℃で固体状態の組成物に関する。すなわち本発明は、以下の通りである。
「[1]還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を含有する、25℃で固体状態の組成物。
[2]還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩が固体である[1]に記載の組成物。
[3]組成物中の還元型補酵素Q10の含有量が30重量%以上、95重量%重量以下である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]還元型補酵素Q10が、還元型補酵素Q10のFormII結晶である事を特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の組成物。
[5]有機酸が、イタコン酸、L−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸及びエリソルビン酸からなる群より選択される1種以上である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の組成物。
[6]ナトリウムカチオンを含む炭酸塩が、炭酸ナトリウムもしくはその水和物、又は炭酸水素ナトリウムである[1]〜[5]のいずれか1項に記載の組成物。
[7]カルシウムカチオンを含む炭酸塩が、炭酸カルシウム又はその水和物である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の組成物。
[8]経口用途である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の組成物。
[9]錠剤、散剤、顆粒剤、チュアブル剤、丸剤、又はカプセル剤の形態である[1]〜[8]のいずれか1項に記載の組成物。
[10]それぞれ固体の還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を混合することにより製造された固形組成物。」
還元型補酵素Q10としては、還元型補酵素Q10のFormII結晶が好ましく、有機酸としては、イタコン酸、L−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、又はエリソルビン酸が好ましく、ナトリウムカチオンを含む炭酸塩としては炭酸ナトリウムもしくはその水和物、又は炭酸水素ナトリウムが好ましく、カルシウムカチオンを含む炭酸塩としては炭酸カルシウム又はその水和物が好ましい。
本発明によれば、有機酸と特定の炭酸塩を還元型補酵素Q10と固体状態で混合する事で、酸化安定性の良好な還元型補酵素Q10組成物を簡便に得る事ができ、これまでの還元型補酵素Q10では作製できなかった錠剤や散剤、ハードカプセルといった製剤を安価に製造する事が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を含有する組成物であり、室温で固体状態であり、25℃で固体状態の組成物である。
本発明において「固体」とは、一般に物質の三態の一つである固態の状態にある物体であり、弾性又は塑性を示すことで気体や液体と区別される。また「固体状態」には、粉末状、顆粒状、塊状等の他、液晶、柔粘性結晶、不整合構造やゲルなどの半固体状態も含むが、本発明においては、粉末状又は顆粒状であるのが好ましい。また、本発明の組成物及びその成分は、結晶状態であっても非晶状態であってもかまわない。
本発明の組成物において、組成物中に含有され、安定化の対象となる還元型補酵素Q10は、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出や酸化型補酵素Q10を還元する等の従来公知の方法により得ることができる。また、還元型補酵素Q10には、従来から知られているFormIと、最近になって新たに見出されたFormIIの2種の結晶多形が存在する事が知られている。具体的には、融点が48℃付近で、粉末エックス線(Cu−Kα)回析において、回析角(2θ±0.2°)3.1°、18.7°、19.0°、20.2°、23.0°に特徴的なピークを示す還元型補酵素Q10の結晶形がFormIであり、融点が52℃付近で、粉末エックス線(Cu−Kα)回析において、回析角(2θ±0.2°)11.5°、18.2°、19.3°、22.3°、23.0°、33.3°に特徴的なピークを示す還元型補酵素Q10の結晶形がFormIIである。本発明においては、いずれの多形の還元型補酵素Q10結晶でも、或いは非晶状態の還元型補酵素Q10固体も用いる事ができるが、還元型補酵素Q10のFormII結晶、又は還元型補酵素Q10のFormII結晶を主成分とする還元型補酵素Q10結晶又は結晶性固体を使用することが、その酸化安定性の点から好ましい。なお、ここでいう主成分とは、還元型補酵素Q10全量に対して還元型補酵素Q10のFormII結晶が60重量%以上、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらにより好ましくは95重量%以上含まれていることを意味する。
本発明の組成物において使用される還元型補酵素Q10は、還元型補酵素Q10単独でも良く、又、酸化型補酵素Q10との混合物であっても良い。上記還元型補酵素Q10が酸化型補酵素Q10との混合物である場合、補酵素Q10の総量(すなわち、還元型補酵素Q10及び酸化型補酵素Q10の合計量)に占める還元型補酵素Q10の割合は、特に制限されないが、普通約65重量%以上、好ましくは約70重量%以上、より好ましくは85重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、とりわけ95重量%以上、なかんずく98重量%以上である。上限はいうまでもなく、100重量%である。
本発明の組成物において使用される炭酸塩は、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩であれば特に限定されない。ナトリウムカチオンを含む炭酸塩としては炭酸ナトリウム及びその水和物(例えば、1水和物、7水和物、10水和物等)や、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。又、カルシウムカチオンを含む炭酸塩としては炭酸カルシウム及びその水和物(例えば、0.65水和物、1水和物、1.5水和物、6水和物等)等が挙げられる。またこれら炭酸塩は、単独で使用することも出来るし、2種以上併用しても良い。さらにナトリウムカチオンとカルシウムカチオンの両方を含む複塩であっても良い。
本発明の組成物において使用される有機酸は特に限定されないが、例えば、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、パントイン酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、没食子酸、フェルラ酸、カフェ酸、クロロゲン酸、アジピン酸、安息香酸、グルコン酸、ケイヒ酸、コハク酸、ソルビン酸、ニコチン酸、パラヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、パントテン酸、フマル酸、マレイン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ドコサペンタエン酸、L−アスパラギン酸、5’−アデニル酸、アルギン酸、イタコン酸、オリゴガラクチュロン酸、5’−シチジル酸、ヒアルロン酸、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、シュウ酸、葉酸及びそれらの水和物が好ましく、特に、L−アスパラギン酸、5’−アデニル酸、アルギン酸、イタコン酸、オリゴガラクチュロン酸、5’−シチジル酸、ヒアルロン酸、フェルラ酸、没食子酸、アジピン酸、L−アスコルビン酸、安息香酸、グルコン酸、エリソルビン酸、クエン酸、ケイヒ酸、コハク酸、酒石酸、ソルビン酸、ニコチン酸、乳酸、フマル酸、葉酸、リンゴ酸及びそれらの水和物が好ましく、さらには、L−アスパラギン酸、イタコン酸、アジピン酸、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、クエン酸、ケイヒ酸、コハク酸、酒石酸、ニコチン酸、フマル酸及びそれらの水和物が好ましく、とりわけ、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、クエン酸、酒石酸、イタコン酸及びそれらの水和物が好ましく、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、酒石酸及びそれらの水和物が特に好ましく、酒石酸がもっとも好ましい。またこれら有機酸は、単独で使用することも出来るし、2種以上併用しても良い。
本発明の組成物においては、還元型補酵素Q10と上記炭酸塩、有機酸の3成分のみからなる組成物とすることも出来るし、その他の第3成分をさらに含むことも出来る。炭酸塩や有機酸以外の第3成分として、例えば、界面活性剤、油脂、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、色素、凝集防止剤、吸収促進剤、安定化剤、還元型補酵素Q10以外の活性成分等が挙げられ、かかる第3成分は、その含有量において、本発明の組成物を固体状態に保ちうるものであれば、特に制限はない。
上記界面活性剤としては、特に制限されないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、サポニン、リン脂質等を挙げることができる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、特に制限されないが、例えば、グリセリンの重合度が1〜10のものを挙げることができる。脂肪酸の炭素数が各々6〜22のグリセリン脂肪酸エステル等を挙げることができる。グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基としては特に制限されないが、脂肪酸の炭素数が各々6〜18のものを好ましく使用することができ、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等を挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、特に制限されないが、ショ糖の水酸基の1つ以上に炭素数が各々6〜22の脂肪酸がエステル結合したものが挙げられ、たとえば、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ベヘン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等を挙げることができる。
有機酸モノグリセリドとしては特に限定されないが、モノグリセリンカプリル酸コハク酸エステル、モノグリセリンステアリン酸クエン酸エステル、モノグリセリンステアリン酸酢酸エステル、モノグリセリンステアリン酸コハク酸エステル、モノグリセリンステアリン酸乳酸エステル、モノグリセリンステアリン酸ジアセチル酒石酸エステル等を挙げることができる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、特に制限されないが、ソルビタンの水酸基の1つ以上に炭素数が各々6〜18の脂肪酸がエステル結合したものが挙げられ、たとえば、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル等が挙げられる。
プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、モノエステル、ジエステル問わず使用できる。プロピレングリコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基としては特に制限されないが、脂肪酸の炭素数が6〜18のものを好ましく使用することができ、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等を挙げることができる。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとしては、特に制限されないが、たとえば、ポリグリセリンの平均重合度が2〜10、ポリリシノレイン酸の平均縮合度(リシノレイン酸の縮合数の平均)が2〜4であるものが挙げられ、たとえば、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ペンタグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等が挙げられる。
サポニンとしては、特に制限されないが、エンジュサポニン、キラヤサポニン、精製大豆サポニン、ユッカサポニン等を挙げることができる。
リン脂質としては、特に制限されないが、例えば、卵黄レシチン、精製大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ジセチルリン酸、ステアリルアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールアミン、カルジオリピン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール、及び、これらの混合物等を挙げることができる。言うまでもなく、水素添加、酵素分解等の加工を施したリン脂質も使用できる。還元型補酵素Q10の吸収性向上の観点からは、酵素分解されたリン脂質を使用するのが好ましい。
上記油脂としては、動植物からの天然油脂であってもよく、合成油脂や加工油脂であっても良いが、本発明における組成物が固体状を維持するためには、上記油脂の中でも固体脂や比較的融点の高い油脂を使用するのが好ましい。そのような植物油脂としては、例えば、パーム油、グアヤク脂、シア脂、サル脂、カカオ脂、ホホバ脂、ピーナツバター等を挙げることができ、動物油脂としては、例えば、豚脂、乳脂、牛脂、鶏油等を挙げることができ、さらに、植物油脂や動物油脂を分別、水素添加、エステル交換等により加工した油脂(例えば硬化油)も挙げることができる。また、これらの混合物を使用しても良い。
上記賦形剤としては、特に制限されないが、例えば、スクロース、ラクトース、グルコース、デンプン、マンニトール、結晶セルロース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等を挙げることができる。
上記崩壊剤としては、特に制限されないが、例えば、デンプン、寒天、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、トラガント等を挙げることができる。
上記滑沢剤としては、特に制限されないが、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化油等を挙げることができる。
上記結合剤としては、特に制限されないが、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、トラガント、シェラック、ゼラチン、プルラン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ソルビトール等を挙げることができる。
上記色素としては、特に制限されないが、例えば酸化チタン、合成色素、ベンガラ色素、タール色素等の色素を挙げることができる。
上記凝集防止剤としては、特に制限されないが、例えば、ステアリン酸、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ酸等を挙げることができる。
上記吸収促進剤としては、特に制限されないが、例えば、高級アルコール類、高級脂肪酸類等を挙げることができる。
上記安定化剤としては、特に制限されないが、例えば、蜜蝋、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等を挙げることができる。
上記還元型補酵素Q10以外の他の活性成分としては特に制限されないが、例えば、アミノ酸、ビタミンCやビタミンE等のビタミン類やその誘導体、β−カロチンやアスタキサンチン等のカロチノイド類、ミネラル、ポリフェノール、有機酸類、糖類、ペプチド、タンパク質等を挙げることができる。
上記した物質は、複数の役割を担わせても良い。例えば、でんぷんに賦形剤と崩壊剤の役割を担わせても良い。
本発明の組成物において、組成物の全重量に対する還元型補酵素Q10の含有量は特に制限されないが、還元型補酵素Q10を出来るだけ高含有する組成物を作製するという観点においては、普通約10重量%以上、好ましくは約20重量%以上、より好ましくは約23重量%以上、さらに好ましくは25重量%以上、特に好ましくは30重量%以上である。また、酸化安定性向上の観点においては、ある程度以上の含有量で有機酸と特定の炭酸塩を添加する必要があり、還元型補酵素Q10の含有量は普通約99重量%以下、好ましくは約98重量%以下、より好ましくは約95重量%以下、さらに好ましくは90重量%以下、さらにより好ましくは80重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。
本発明の組成物における、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩の使用量は特に限定されないが、十分な酸化安定化効果を得る観点から、組成物中の還元型補酵素Q10に対して、モル量比として、0.5倍以上使用するのが好ましく、1倍以上使用するのが好ましく、2倍以上使用するのがより好ましい。上限としては特に限定されないが、通常10倍以下であり、5倍以下でも十分に効果が得られる。また、本発明の組成物の全重量に対するナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩の含有量としては、特に制限されず、その種類にもよるが、普通約1重量%以上、好ましくは約2重量%以上、より好ましくは約3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上であり、普通約60重量%以下、好ましくは約50重量%以下、より好ましくは約45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下である。
本発明の組成物における、有機酸の使用量は特に限定されないが、十分な酸化安定化効果を得る観点から、組成物中の還元型補酵素Q10に対して、モル量比として、1倍以上使用するのが好ましく、2倍以上使用するのが好ましく、4倍以上使用するのがより好ましい。上限としては特に限定されないが、通常20倍以下であり、10倍以下でも十分に効果が得られる。また、本発明の組成物の全重量に対する有機酸の含有量としては、特に制限されず、その種類にもよるが、普通約1重量%以上、好ましくは約3重量%以上、より好ましくは約7重量%以上、さらに好ましくは15重量%以上であり、普通約80重量%以下、好ましくは約70重量%以下、より好ましくは約65重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。
以上のように、還元型補酵素Q10を、有機酸と、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩と共存させ、25℃で固体状の組成物とすることによって、還元型補酵素Q10を酸化から防御し、より安定に保存することができる。例えば、本発明の組成物は、25℃、60%RHで28日間保管後の還元型補酵素Q10の残存率として約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは98%以上の保存安定性を示すことができるものであり、また、40℃、75%RHで7日間保管後の還元型補酵素Q10の残存率として約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上の保存安定性を示すことができるものである。なお、ここでいう残存率とは、所定期間保存後の還元型補酵素Q10の組成物中の絶対量/ 保存前の還元型補酵素Q10の組成物中の絶対量の比、あるいは、所定期間保存後の補酵素Q10全量に対する還元型補酵素Q10比率/ 保存前の補酵素Q10全量に対する還元型補酵素Q10比率の比として求められるものである。
本発明の組成物において、還元型補酵素Q10と有機酸と特定の炭酸塩を含有する組成物を調製する方法は、最終的に組成物が固体状態であれば、特に制限されない。例えば、それぞれが固体状態のものを混合して調製することが挙げられる。すなわち、それぞれ固体の還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を混合することにより製造された固形組成物も本発明に包含される。この場合、単に還元型補酵素Q10と有機酸と特定の炭酸塩を混合するだけでもいいし、これらを混合後、前述したような他の成分をさらに混合しても良い。
また、溶融状態の還元型補酵素Q10を、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩と混合した後に冷却固化することで、本発明の組成物を調製することもできるし、還元型補酵素Q10、有機酸、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩のいずれかあるいは2種以上を、適切な溶媒に溶解させた状態で、他の成分と混合し、その後、溶媒を除去して固体状態とすることで本発明の組成物を調製することもできる。さらに、溶融状態の酸化型補酵素Q10や溶媒に溶解した酸化型補酵素Q10を、還元剤共存下に、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩と混合し、混合物中で酸化型補酵素Q10を還元型補酵素Q10に還元することで、本発明の組成物を調製しても良い。
これらの中でも、それぞれ固体の還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を混合することにより本発明の組成物を調製するのが、簡便であり好ましい。
本発明の効果を最大限に発揮するためには、本発明の組成物を脱酸素雰囲気下において調製及び/又は保存するのが好ましい。また後述する製剤への加工や加工後の保存も脱酸素雰囲気下に行うのが好ましい。脱酸素雰囲気は、不活性ガスによる置換、減圧、沸騰やこれらを組み合わせることにより達成できる。少なくとも、不活性ガスによる置換、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適である。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガスである。
本発明の組成物は、錠剤、散剤、顆粒剤、チュアブル剤、丸剤、又はカプセル剤の形態であってもよく、通常カプセル剤(ハードカプセル、マイクロカプセル)、錠剤、顆粒剤、散剤等の経口投与形態として使用しうる。また本発明の組成物に第3成分を添加して、シロップ、飲料等の経口投与形態や、クリーム、坐薬、練り歯磨き等のための形態としても使用しうる。その中でも上記経口投与形態が好ましく、特に好ましくは、カプセル剤及び錠剤の形態であり、とりわけ、ハードカプセル形態が好ましい。このときの、カプセル基材としては特に制限されず、牛骨、牛皮、豚皮、魚皮等を由来とするゼラチンをはじめとして、他の基材(例えば、食品添加物として使用しうるカラギーナン、アルギン酸等の海藻由来品やローカストビーンガムやグアーガム等の植物種子由来品等の増粘安定剤やセルロース類を含む製造用素材)も使用しうる。
錠剤の基材としては、特に制限されないが、例えば、セルロース、マルチトール、乳糖、デキストリン、無水リン酸カルシウム等が挙げられ、特にセルロースが好ましい。本発明の組成物は、有効成分である還元型補酵素Q10が酸化から防護され高度に安定に保持されているため、栄養機能食品、特定保健用食品などの食品やサプリメント、医薬品、動物薬、化粧品、栄養剤、飲料、治療薬、予防薬、医薬部外品、化粧品、飼料又はペットフード等として有用な組成物にもなり得る。
次に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。また、実施例中の還元型補酵素Q10の純度、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比は、下記HPLC分析により求めたが、得られた還元型補酵素Q10の純度は本発明における純度の限界値を規定するものではなく、また、同様に、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比も、その上限値を規定するものではない。なお、本実施例では補酵素Q10全量(酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の合計量)中に占める還元型補酵素Q10の割合を「QH比」と定義する。また、サンプル保管開始時のQH比と終了時のQH比より、以下の式で「QH比残存率」を算出し、酸化安定性の評価尺度として用いる。QH比残存率が高いほど、酸化安定性が良好である事を意味する。
本実施例で使用した還元型補酵素Q10は、従来のFormI結晶については、市販の還元型補酵素Q10(株式会社カネカ製、商品名:カネカQH)を、最近見いだされたFormII結晶については、特許文献4に記載されている実施例5の方法に従い、市販の還元型補酵素Q10(株式会社カネカ製、商品名:カネカQH)から製造したものを、それぞれ使用した。
QH比残存率 =(評価終了時のQH比)/(評価開始時のQH比)*100
(HPLC分析条件)
カラム:YMC−Pack(ワイ・エム・シー製)、150mm(長さ)、4.6mm(内径)
移動相:メタノール/ヘキサン=9/1(v/v)
検出波長:290nm
流速:1ml/min
(実施例1、比較例1)
還元型補酵素Q10(FormII結晶)1.0g、アスコルビン酸1.0gに、表1記載の炭酸塩を所定量混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、40℃、75%RHで7日間保管した。また比較のため、炭酸塩とアスコルビン酸を添加しないもの(還元型補酵素Q10(FormII結晶)のみのもの)も作製し同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表1に示す。
Figure 2015122531
(実施例2、比較例2)
還元型補酵素Q10(FormII結晶)1.0g、酒石酸0.87gに、表2記載の炭酸塩を所定量混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、40℃、75%RHで7日間保管した。また比較のため、炭酸塩と酒石酸を添加しないもの(還元型補酵素Q10(FormII結晶)のみのもの)も作製し同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2015122531
(実施例3、比較例3)
還元型補酵素Q10(FormII結晶)1.0g、クエン酸1.1gに、表3記載の炭酸塩を所定量混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、40℃、75%RHで7日間保管した。また比較のため、炭酸塩とクエン酸を添加しないもの(還元型補酵素Q10(FormII結晶)のみのもの)も作製し同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表3に示す。
Figure 2015122531
(実施例4、比較例4)
還元型補酵素Q10(FormII結晶)1.0g、エリソルビン酸1.0gに、表4記載の炭酸塩を所定量混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、40℃、75%RHで7日間保管した。また比較のため、炭酸塩とエリソルビン酸を添加しないもの(還元型補酵素Q10(FormII結晶)のみのもの)も作製し同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表4に示す。
Figure 2015122531
(実施例5、比較例5)
還元型補酵素Q10(FormII結晶)1.0g、イタコン酸0.75gに、表5記載の炭酸塩を所定量混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、40℃、75%RHで28日間保管した。また比較のため、炭酸塩を添加しないものも作製し同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表5に示す。
Figure 2015122531
(実施例6、比較例6)
還元型補酵素Q10(FormII結晶)に、表6記載の有機酸及び炭酸塩をそれぞれ所定量混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、25℃、60%RHで28日間保管した。また比較のため、還元型補酵素Q10(FormII結晶)のみのもの、又、炭酸塩を添加しないものも作製し同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表6に示す。
Figure 2015122531
(実施例7、比較例7)
還元型補酵素Q10(FormII結晶)に、表7記載の有機酸及び炭酸塩を、それぞれ所定量を混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、40℃、75%RHで56日間保管した。また比較のため、還元型補酵素Q10(FormII結晶)のみのものも同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表7に示す。
Figure 2015122531
(実施例8、比較例8)
還元型補酵素Q10(FormII結晶)に、表8記載の有機酸及び炭酸塩をそれぞれ所定量混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、25℃、60%RHで84日間保管した。また比較のため、還元型補酵素Q10(FormII結晶)のみのものも同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表8に示す。
Figure 2015122531
(実施例9、比較例9)
還元型補酵素Q10(FormI結晶)に、表9記載の有機酸及び炭酸塩をそれぞれ所定量混合して、混合粉末を調製した。得られた各粉末をサンプル瓶中に入れ、開放状態で空気中、25℃、60%RHで28日間保管した。また比較のため、還元型補酵素Q10(FormI結晶)のみのものも同様に保管した。保管後、混合粉末のHPLC分析を行い、粉末中に含まれる補酵素Q10のQH比残存率を調べた。結果を表9に示す。
Figure 2015122531
本発明は、日本で出願された特願2014-027544を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (10)

  1. 還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を含有する、25℃で固体状態の組成物。
  2. 還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩が固体である、請求項1に記載の組成物。
  3. 組成物中の還元型補酵素Q10の含有量が30重量%以上、95重量%以下である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 還元型補酵素Q10が、還元型補酵素Q10のFormII結晶である事を特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 有機酸が、イタコン酸、L−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸及びエリソルビン酸からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. ナトリウムカチオンを含む炭酸塩が、炭酸ナトリウムもしくはその水和物、又は炭酸水素ナトリウムである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. カルシウムカチオンを含む炭酸塩が、炭酸カルシウム又はその水和物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 経口用途である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 錠剤、散剤、顆粒剤、チュアブル剤、丸剤、又はカプセル剤の形態である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. それぞれ固体の還元型補酵素Q10、有機酸、並びに、ナトリウムカチオン及び/又はカルシウムカチオンを含む炭酸塩を混合することにより製造された固形組成物。
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