JPWO2015119255A1 - 固相担体、該固相担体の製造方法、アフィニティ精製用担体、充填剤、クロマトグラフィーカラム及び精製方法 - Google Patents

固相担体、該固相担体の製造方法、アフィニティ精製用担体、充填剤、クロマトグラフィーカラム及び精製方法 Download PDF

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Abstract

高い親水性と優れた耐圧性能を両立した固相担体を提供すること。式(1)で表される2〜4価の構造を有する樹脂を含むことを特徴とする固相担体。〔式(1)中、R1は、n価の有機基を示し、X1は、それぞれ独立して、下記式(2)で表される2価の基等を示し、nは2〜4の整数を示す。〕〔式(2)中、R2は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示し、Y1は、チオ基、スルフィニル基、オキシ基またはイミノ基を示す。〕

Description

本発明は、固相担体、該固相担体の製造方法、アフィニティ精製用担体、充填剤、クロマトグラフィーカラム及び精製方法に関する。特に、抗体などのタンパク質の精製に有用な、固相担体、該固相担体の製造方法、アフィニティ精製用担体、充填剤、クロマトグラフィーカラムおよび精製方法に関する。
近年、抗体医薬等に代表されるバイオ医薬品の分野では、タンパク質等の標的物質の発現技術が著しく進展し、それに伴いクロマトグラフィー等による精製工程での生産性の向上が求められている。生産性を向上させる方法として、宿主細胞由来タンパク質、デオキシリボ核酸のような、医薬品原料に混在する不純物の濃度を1回の精製で可能な限り低減させ、精製回数や工程を少なくすることが挙げられ、これを実現できるクロマトグラフィーカラム用充填剤の需要が高まっている。
そして、精製工程における不純物除去効率を向上させるためには、担体の防汚性を改善させ、不純物と充填剤との疎水性相互作用による非特異吸着を抑制し、充填剤に対する不純物の付着を抑える必要があり、斯様な付着を抑える有効な手段として、クロマトグラフィーカラム用充填剤の担体である固相担体の親水化が知られている(特許文献1)。
そのため、親水性を高めた固相担体として、水溶性ポリマーで細孔内部が固定された特定の固相担体(特許文献2)や、アクリルアミドモノマー等の親水性モノマーを逆相懸濁重合して形成した固相担体、親水性モノマーを保護基等で疎水化処理した後に重合し、脱保護して得た固相担体が開発されている(特許文献3〜5)。
国際公開第2005/010529号 特許第5250985号 特表2003−511659号公報 特表2009−503203号公報 特開2006−111717号公報
しかしながら、従来採用されていた技術で固相担体の親水性を高めた場合や担体の防汚性を改善させた場合には、機械強度(耐圧性能)が低下するという問題があった。固相担体の耐圧性能が不十分な場合には、スケールの大きなカラムを用いて精製を行う際に圧密化が起こり、通液しなくなる可能性がある。また、カラム圧力損失が大きくなり、高線速下で使用することが困難となるため、操作に要する時間が長時間化する。
本発明が解決しようとする第1の課題は、高い親水性と優れた耐圧性能を両立した固相担体を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする第2の課題は、優れた防汚性と優れた耐圧性能を両立したアフィニティ精製用担体を提供することにある。
そこで、本発明者らは固相担体に架橋構造を導入することに着目し、斯かる架橋構造について鋭意検討した結果、特定の架橋構造を、固相担体に導入することによって、高い親水性と優れた耐圧性能が両立されることを見出し、本発明を完成した。
また、本発明者らは鋭意検討した結果、固相担体を構成する高分子の末端の一部または全部を、特定の架橋構造で互いに架橋させることによって、優れた防汚性と優れた耐圧性能を両立したアフィニティ精製用担体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、前記第1の課題を解決するために、以下の<1−1>〜<1−5>を提供するものである。
<1−1>式(1)で表される2〜4価の構造を有する樹脂を含むことを特徴とする固相担体(以下、第1の固相担体とも称する)。
Figure 2015119255
〔式(1)中、
1は、n価の有機基を示し、
1は、それぞれ独立して、下記式(2)、(3)、(4)または(5)で表される2価の基を示し、
nは2〜4の整数を示す。〕
Figure 2015119255
〔式(2)中、
2は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示し、
1は、チオ基(>S)、スルフィニル基(>S(=O))、オキシ基(>O)またはイミノ基(>NH)を示す。〕
Figure 2015119255
〔式(3)中、
1は、前記と同義である。〕
Figure 2015119255
〔式(4)中、
3は、カルボニル基または*−(C=O)−NH−を示し(*は、式(4)中のY1と結合する位置を示す)、
1は、前記と同義である。〕
Figure 2015119255
<1−2>上記<1−1>の固相担体を担体とするクロマトグラフィーカラム用充填剤(以下、第1のクロマトグラフィーカラム用充填剤とも称する)。
<1−3>上記<1−2>の充填剤がカラム容器に充填されているクロマトグラフィーカラム(以下、第1のクロマトグラフィーカラムとも称する)。
<1−4>標的物質を含む組成物を用意する工程と、上記<1−3>のクロマトグラフィーカラムに前記組成物を通液する工程を含むことを特徴とする標的物質の精製方法(以下、第1の精製方法とも称する)。
<1−5>下記式(8)で表される1価の基、下記式(9)で表される1価の基、カルボキシ基、コハク酸イミドオキシ基、ホルミル基およびイソシアネート基から選ばれる1種以上の官能基を有する固相と、下記式(10)で表される架橋剤とを接触させる工程を含むことを特徴とする固相担体の製造方法(以下、第1の固相担体の製造方法とも称する)。
Figure 2015119255
〔式(8)中、
7は炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。〕
Figure 2015119255
Figure 2015119255
〔式(10)中、
1は、n価の有機基を示し、
2は、チオ基、オキシ基またはイミノ基を示し、
nは2〜4の整数を示す。〕
また、本発明は、前記第2の課題を解決するために、以下の<2−1>〜<2−12>を提供するものである。
<2−1>固相担体と、リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基と、を有するアフィニティ精製用担体であって、前記リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基が、固相担体に結合しており、前記固相担体を構成する高分子の末端の一部または全部が、下記式(21)で表される架橋構造で互いに架橋されている、アフィニティ精製用担体(以下、第2のアフィニティ精製用担体とも称する)。
Figure 2015119255
〔式(21)中、
21は、n2価の有機基を示し、
21は、それぞれ独立して、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基を示し、
n2は、2以上の整数を示す。〕
<2−2>前記固相担体を構成する高分子が、スチレン系モノマーに由来する構造単位、ビニルケトン系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリロニトリル系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構造単位および(メタ)アクリルアミド系モノマーに由来する構造単位から選ばれる1種または2種以上を有する高分子である、前記<2−1>のアフィニティ精製用担体。
<2−3>前記架橋構造が、固相担体の重合前或いは重合中に下記式(33)で表される多官能チオール化合物を添加して導入されるものである、前記<2−1>または<2−2>のアフィニティ精製用担体。
Figure 2015119255
〔式(33)中、R21およびn2は、前記と同義である。〕
<2−4>前記固相担体が、固相担体の重合後に下記式(22)で表される架橋剤を添加して導入される架橋構造を更に有する、前記<2−3>のアフィニティ精製用担体。
Figure 2015119255
〔式(22)中、
22は、炭素数1〜10の2価の有機基を示し、
22およびX23は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、アミノ基またはチオール基を示す。〕
<2−5>X22およびX23が、チオール基である、前記<2−4>のアフィニティ精製用担体。
<2−6>式(22)で表される架橋剤を添加して導入された架橋構造中のチオ基を酸化してなる、前記<2−5>のアフィニティ精製用担体。
<2−7>前記リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基が、リガンドである、前記<2−1>〜<2−6>いずれかのアフィニティ精製用担体。
<2−8>前記リガンドが、タンパク質またはペプチドである、前記<2−7>のアフィニティ精製用担体。
<2−9>前記<2−1>〜<2−8>いずれかのアフィニティ精製用担体を担体とする、クロマトグラフィーカラム用充填剤(以下、第2のクロマトグラフィーカラム用充填剤とも称する)。
<2−10>前記<2−9>の充填剤がカラム容器に充填されている、クロマトグラフィーカラム(以下、第2のクロマトグラフィーカラムとも称する)。
<2−11>標的物質を含む組成物を用意する工程と、前記<2−10>のクロマトグラフィーカラムに前記組成物を通液する工程を含むことを特徴とする、標的物質の精製方法(以下、第2の精製方法とも称する)。
<2−12>標的物質が、標的タンパク質である、前記<2−11>の精製方法。
本発明の第1の固相担体は、高い親水性を有し、耐圧性能に優れるため圧密化しにくく、また、リガンドを固定した場合の標的物質に対する動的結合容量が大きい。したがって、本発明によれば、不純物除去効率が高く、耐圧性能に優れ圧密化しにくく、且つリガンドを固定した場合の標的物質に対する動的結合容量が大きいクロマトグラフィーカラム用充填剤及びクロマトグラフィーカラムを提供できる。
本発明の第2のアフィニティ精製用担体は、優れた防汚性を有し、耐圧性能に優れるため圧密化しにくく、また、リガンドを有する場合には標的物質に対する動的結合容量が大きい。したがって、本発明によれば、不純物除去効率が高く、耐圧性能に優れ圧密化しにくく、且つリガンドを有する場合には標的物質に対する動的結合容量が大きいクロマトグラフィーカラム用充填剤およびクロマトグラフィーカラムを提供できる。
本発明の固相担体の製造方法の一例を示す図である。 本発明の固相担体の製造方法の一例を示す図である。 本発明の固相担体の製造方法の一例を示す図である。 本発明の固相担体の製造方法の一例を示す図である。 本発明の固相担体の製造方法の一例を示す図である。
<第1の固相担体>
本発明の第1の固相担体は、下記式(1)で表される2〜4価の構造を有する樹脂を含むことを特徴とするものであり、斯かる構造(1)を樹脂表面に有するものが好ましい。なお、式(1)中、Rに結合していない側のX1から伸びる−は、結合手を意味する。本明細書において、特に断りがない限り以下同様である。
Figure 2015119255
〔式(1)中、
1は、n価の有機基を示し、
1は、それぞれ独立して、下記式(2)、(3)、(4)または(5)で表される2価の基を示し、
nは2〜4の整数を示す。〕
Figure 2015119255
〔式(2)中、
2は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示し、
1は、チオ基(>S)、スルフィニル基(>S(=O))、オキシ基(>O)またはイミノ基(>NH)を示す。〕
Figure 2015119255
〔式(3)中、
1は、前記と同義である。〕
Figure 2015119255
〔式(4)中、
3は、カルボニル基または*−(C=O)−NH−を示し(*は、式(4)中のY1と結合する位置を示す)、
1は、前記と同義である。〕
Figure 2015119255
以下、構造(1)について詳細に説明する。
式(1)中、R1は、n価の有機基を示す。nは2〜4の整数であるが、2または3が好ましく、2がより好ましい。なお、nが2である場合の構造(1)は、下記式(1−1)で表される。
Figure 2015119255
〔式(1−1)中、
1-2は2価の有機基を示し、
1は前記と同義であり、それぞれ独立して、式(2)、(3)、(4)または(5)で表される2価の基を示す。〕
また、R1における2価の有機基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、斯かる2価の有機基としては、2価の炭化水素基、2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にエーテル結合、イミノ基及びエステル結合から選ばれる1種以上を有する基が挙げられ、これらは、置換基として親水性基を有していてもよい。親水性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオ基、アミノ基、スルホ基、チオール基、リン酸基、アルデヒド基、シアノ基等が挙げられる。斯かる親水性基の置換位置及び個数は任意であるが、その個数は、親水性、耐圧性能の観点から、好ましくは0〜6個であり、より好ましくは0〜4個であり、更に好ましくは0〜2個である。
また、上記2価の有機基が2価の炭化水素基である場合、その炭素数は、親水性、耐圧性能の観点から、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜6であり、特に好ましくは2〜6である。また、2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。
アルカンジイル基の具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
また、上記2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にエーテル結合、イミノ基及びエステル結合から選ばれる1種以上を有する基としては、親水性、耐圧性能、リガンドを固定した場合の動的結合容量の観点から、2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にエーテル結合を有する基が好ましく、−Ra(ORbmORc−で表される基がより好ましい(Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立して炭素数2〜4のアルカンジイル基を示し、mは0〜30の整数を示す)。
上記Ra、RbおよびRcで示されるアルカンジイル基の炭素数としては、2または3が好ましく、2がより好ましい。また、斯かるアルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、好適な具体例としては、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基が挙げられる。
また、mは0〜30の整数を示すが、親水性、耐圧性能、リガンドを固定した場合の動的結合容量の観点から、0〜25の整数が好ましく、0〜20の整数がより好ましく、0〜15の整数が更に好ましく、0〜10の整数が更に好ましく、0〜5の整数が更に好ましく、0〜3の整数が特に好ましい。
なお、上記R1-2は、R1で示される2価の有機基と同じである。
また、式(1)中、X1は、それぞれ独立して、下記式(2)、(3)、(4)または(5)で表される2価の基を示すが、親水性、耐圧性能、リガンドを固定した場合の動的結合容量の観点から、式(2)、(3)または(4)で表される2価の基が好ましく、式(2)または(4)で表される2価の基がより好ましく、式(2)で表される2価の基が特に好ましい。
Figure 2015119255
〔式(2)中、
2は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示し、
1は、チオ基(>S)、スルフィニル基(>S(=O))、オキシ基(>O)またはイミノ基(>NH)を示す。〕
Figure 2015119255
〔式(3)中、
1は、前記と同義である。〕
Figure 2015119255
〔式(4)中、
3は、カルボニル基または*−(C=O)−NH−を示し(*は、式(4)中のY1と結合する位置を示す)、
1は、前記と同義である。〕
Figure 2015119255
上記式(2)中、R2は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。斯かる2価の炭化水素基の炭素数としては1が好ましい。また、2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。好適な具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
また、上記式(2)〜(4)中、Y1は、チオ基、スルフィニル基、オキシ基またはイミノ基を示すが、親水性と耐圧性能とリガンドを固定した場合の動的結合容量とをいずれも高める観点から、チオ基、スルフィニル基が好ましく、スルフィニル基がより好ましい。
なお、式(2)、(3)または(4)で表される2価の基はY1側の結合手がR1と結合していてもよく、他方の結合手がR1と結合していてもよい。同様に、式(5)で表される2価の基は、窒素原子側の結合手がR1と結合していてもよく、他方の結合手がR1と結合していてもよい。
また、本発明の第1の固相担体としては、親水性、リガンドを固定した場合の動的結合容量の観点から、上記構造(1)に加えて、チオ基またはスルフィニル基とヒドロキシ基とを有する1価の基を更に有するものが好ましく、斯かる基を樹脂表面に有するものがより好ましい。
上記チオ基またはスルフィニル基とヒドロキシ基とを有する1価の基としては、式(6−1)または(6−2)で表されるものが好ましく、式(6−1)で表されるものがより好ましい。
Figure 2015119255
〔式(6−1)中、
4は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示し、
5は、炭素数1〜10の1価の有機基を示し、
3は、チオ基またはスルフィニル基を示す。〕
Figure 2015119255
〔式(6−2)中、
5およびY3は前記と同義である。〕
上記式(6−1)中、R4は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。斯かる2価の炭化水素基の炭素数としては1が好ましい。また、2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。好適な具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
また、式(6−1)および(6−2)中、R5は、炭素数1〜10の1価の有機基を示す。斯かる1価の有機基の炭素数としては、親水性、リガンドを固定した場合の動的結合容量の観点から、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましい。
また、上記1価の有機基としては、1価の炭化水素基、該1価の炭化水素基に含まれる水素原子の少なくとも1個以上が親水性基に置換された基、−(RdO)p−H(Rdは炭素数2〜4のアルカンジイル基を示し、pは1〜30の整数を示す)が挙げられる。これらは直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記1価の炭化水素基は、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基および1価の芳香族炭化水素基を包含する概念であるが、好ましくは1価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルキル基である。斯かるアルキル基の炭素数としては、親水性、リガンドを固定した場合の動的結合容量の観点から、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましい。
上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
また、上記親水性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、スルホ基、チオール基、リン酸基、アルデヒド基等が挙げられるが、リガンドを固定した場合の動的結合容量、防汚性の観点から、ヒドロキシ基が好ましい。
また、親水性基の置換位置および個数は任意であるが、その個数は、リガンドを固定した場合の動的結合容量、防汚性の観点から、好ましくは1〜6個であり、より好ましくは1〜4個であり、特に好ましくは2個である。
また、上記−(RdO)p−Hにおいて、Rdで示されるアルカンジイル基の炭素数としては、2または3が好ましく、2がより好ましい。また、斯かるアルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、好適な具体例としては、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基が挙げられる。
また、pは1〜30の整数を示すが、耐圧性能の観点から、1〜25の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、1〜15の整数が更に好ましく、1〜10の整数が更に好ましく、1〜5の整数が更に好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。
斯様なR5の中でも、上記1価の炭化水素基に含まれる水素原子の少なくとも1個以上が親水性基に置換された基が好ましく、好適な具体例としては、下記式(7)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015119255
〔式(7)中、
6は炭素数1〜10の2価または3価の有機基を示し、
qは1または2を示し、
**は、式(6−1)または(6−2)中のY3との結合位置を示す。〕
式(7)中、R6で示される2価または3価の有機基の炭素数としては、リガンドを固定した場合の動的結合容量、防汚性の観点から、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましい。
また、上記2価の有機基としては、2価の炭化水素基が挙げられ、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。斯かるアルカンジイル基の炭素数としては、リガンドを固定した場合の動的結合容量、防汚性の観点から、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましい。
上記アルカンジイル基の具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等が挙げられる。
また、上記3価の有機基としては、3価の炭化水素基が挙げられ、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。上記3価の炭化水素基は、好ましくは3価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカントリイル基である。斯かるアルカントリイル基の炭素数としては、リガンドを固定した場合の動的結合容量、防汚性の観点から、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましい。
上記アルカントリイル基の具体例としては、メタン−1,1,1−トリイル基、エタン−1,1,2−トリイル基、プロパン−1,2,3−トリイル基、プロパン−1,2,2−トリイル基等が挙げられる。
また、式(7)中、qとしては、リガンドを固定した場合の動的結合容量、防汚性の観点から、2が好ましい。
また、本発明の第1の固相担体としては、上記の構造等の他に、リガンドを固定可能な官能基を有するものが好ましく、斯かる基を表面に有するものがより好ましい。
また、上記リガンドを固定可能な官能基としては、下記式(8)で表される1価の基、下記式(9)で表される1価の基、カルボキシ基、コハク酸イミドオキシ基、ホルミル基、イソシアネート基、アミノ基が挙げられ、式(8)で表される基が好ましい。
Figure 2015119255
〔式(8)中、
7は炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。〕
Figure 2015119255
式(8)中、R7で示される2価の炭化水素基の炭素数としては、1が好ましい。また、2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。好適な具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
また、上記リガンドは、標的物質と結合する分子であればよいが、例えば、プロテインA、プロテインG、アビジン等のタンパク質;インシュリン等のペプチド;モノクローナル抗体等の抗体;酵素;ホルモン;DNA;RNA;ヘパリン、ルイスX、ガングリオシド等の糖質;イミノジ酢酸、合成色素、2−アミノフェニル硼素酸、4−アミノベンズアミジン、グルタチオン、ビオチンやその誘導体のような低分子化合物が挙げられる。なお、上記に例示したリガンドはその全体を用いてもよいが、リコンビナント、酵素処理等によって得られるそのフラグメントを用いてもよい。また、人工的に合成されたペプチドやペプチド誘導体であってもよい。
斯様なリガンドの中でも、精製の標的物質が抗体である場合は、アミノ基を含むものが好ましく、タンパク質がより好ましく、イムノグロブリン結合タンパク質が更に好ましく、プロテインAが更に好ましい。
また、本発明の第1の固相担体の平均粒径(体積平均粒径)は、耐圧性能の観点から、好ましくは20〜150μmであり、より好ましくは40〜100μmである。なお、斯かる平均粒径はリガンド固定前の平均粒径をいう。また、平均粒径の変動係数は、好ましくは40%以下であり、より好ましくは30%以下である。
また、本発明の第1の固相担体の比表面積は、リガンドを固定した場合の動的結合容量の観点から、ポアサイズ10nm〜5000nmにおける比表面積で、好ましくは70m2/g以上であり、より好ましくは90m2/g以上である。
なお、上記平均粒径および比表面積は、レーザー回折・散乱式粒径分析測定装置や水銀ポロシメータ等により測定できる。
また、本発明の第1の固相担体の形態は、モノリス、膜、中空繊維、粒子、カセット、チップ等のいずれでもよいが、粒子が好ましい。また、第1の固相担体は、表面積の向上の観点から、多孔質粒子等の多孔質化されたものが好ましい。また、多孔質粒子としては、多孔質ポリマー粒子が好ましい。また、第1の固相担体が含む樹脂は、式(1)で表される2〜4価の構造を有するものであれば特に限定されるものではなく、アガロース、デキストラン、セルロース等の多糖類で構成される天然高分子でもよく、合成高分子でもよい。
<第1の固相担体の製造方法>
本発明の第1の固相担体の製造方法は常法を適宜組み合わせて製造すればよく、特に限定されないが、下記式(8)で表される1価の基、下記式(9)で表される1価の基、カルボキシ基、コハク酸イミドオキシ基、ホルミル基およびイソシアネート基から選ばれる1種以上の官能基を有する固相と、下記式(10)で表される架橋剤とを接触させる工程を含むことを特徴とする固相担体の製造方法により、簡便かつ効率よく製造することができる。
Figure 2015119255
〔式(8)中、
7は炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。〕
Figure 2015119255
Figure 2015119255
〔式(10)中、
1は、n価の有機基を示し、
2は、チオ基、オキシ基またはイミノ基を示し、
nは2〜4の整数を示す。〕
また、上記製法の具体的な方法としては、例えば、<PR−1>(工程1−1)原料粒子等の固相を常法に従って得て、図1〜4に例示するように、(工程1−2)得られた固相と式(10)で表される架橋剤とを接触させる方法が挙げられる。
また、構造(1)中のX1が式(2)〜(4)で表される2価の基であり、Y1がスルフィニル基である固相担体は、<PR−2>(工程2−1)上記固相を常法に従って得て、図5に例示するように、(工程2−2)得られた固相と式(10)で表される架橋剤とを接触させ、(工程2−3)更に得られた固相担体(i)に酸化剤を接触させる方法等により得られる。なお、この場合、架橋化剤として、式(10)中のY2がチオ基のものを用いる。
また、上記方法<PR−1>および<PR−2>において、(工程1−2)、(工程2−2)に先立ち、(工程1−1)、(工程2−1)で得られた固相にR5SHで表される化合物を接触させることで、式(6−1)または(6−2)で表される1価の基を固相担体に導入することもできる。なお、上記R5SHで表される化合物におけるR5は式(6−1)中のR5と同義である。
以下、上記各工程について、具体的に説明する。
(工程1−1および2−1)
工程1−1および2−1は、式(8)で表される1価の基、式(9)で表される1価の基、カルボキシ基、コハク酸イミドオキシ基、ホルミル基およびイソシアネート基から選ばれる1種以上の官能基を有するモノマー(以下、官能基含有モノマーという)を(共)重合させ、上記官能基を有する固相を得る工程である。上記(共)重合の方法は、好ましくは懸濁重合である。
上記官能基含有モノマーとしては、式(8)で表される1価の基を有するものが好ましく、例えば、エポキシ基含有不飽和モノマーが挙げられる。斯かるエポキシ基含有不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマー、スチレン系モノマー等が好ましく、(メタ)アクリレート系モノマーがより好ましく、下記式(11)で表される(メタ)アクリレート系モノマーがさらに好ましい。
Figure 2015119255
〔式(11)中、
8は水素原子またはメチル基を示し、
9は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基または−(R10O)r−を示し(R10は炭素数2〜4のアルカンジイル基を示し、rは1〜30の整数を示す)、
7は前記と同義である。〕
9で示される2価の炭化水素基の炭素数としては、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が更に好ましい。また、2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。好適な具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
また、R10で示されるアルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体例としては、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
また、rとしては、1〜25の整数が好ましく、1〜15の整数がより好ましい。
また、上記のようなR9の中でも、単結合が好ましい。
また、上記官能基含有モノマーの好適な具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、α−(メタ)アクリル−ω−グリシジルポリエチレングリコール、(4−ビニルベンジル)グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、上記官能基含有モノマーの合計使用量としては、親水性、耐圧性能の観点から、モノマー総量100質量部に対し、1〜90質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜70質量部が特に好ましい。
また、工程1−1および2−1には、官能基含有モノマーとともに他のモノマーを用いてもよい。該他のモノマーとしては、非架橋性モノマー、架橋性モノマーのいずれも使用でき、これらを併用してもよい。
上記非架橋性モノマーとしては、(メタ)アクリレート系非架橋性モノマー、(メタ)アクリルアミド系非架橋性モノマー、スチレン系非架橋性モノマー、ビニルケトン系非架橋性モノマー、(メタ)アクリロニトリル系非架橋性モノマー、N−ビニルアミド系非架橋性モノマーが挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、(メタ)アクリレート系非架橋性モノマーが好ましい。
上記(メタ)アクリレート系非架橋性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ブタントリオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、イノシトールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリルアミド系非架橋性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、上記スチレン系非架橋性モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等が挙げられる。
また、上記ビニルケトン系非架橋性モノマーとしては、例えば、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、イソプロピルビニルケトン等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリロニトリル系非架橋性モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
また、上記N−ビニルアミド系非架橋性モノマーとしては、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロパミド等が挙げられる。
また、上記非架橋性モノマーの合計使用量としては、親水性、耐圧性能の観点から、モノマー総量100質量部に対し、0〜70質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部が特に好ましい。
また、上記架橋性モノマーとしては、(メタ)アクリレート系架橋性モノマーが好ましい。また、2〜5官能のものが好ましく、2または3官能のものがより好ましい。
また、上記(メタ)アクリレート系架橋性モノマーの具体例としては、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ブタントリオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、イノシトールジ(メタ)アクリレート、イノシトールトリ(メタ)アクリレート、イノシトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、架橋性モノマーを使用する場合、その合計使用量としては、親水性、耐圧性能の観点から、モノマー総量を100質量部に対し、1〜90質量部が好ましく、5〜70質量部がより好ましく、10〜60質量部が更に好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
また、工程1−1および2−1の具体的な方法としては、例えば、モノマーおよび必要に応じて多孔化剤を含む混合溶液(単量体溶液)に重合開始剤を溶解し、水系媒体中に懸濁させて所定温度まで加熱して重合させる方法や、モノマーおよび必要に応じて多孔化剤を含む混合溶液(単量体溶液)に重合開始剤を溶解し、所定温度まで加熱した水系媒体中に添加して重合させる方法、モノマーおよび必要に応じて多孔化剤を含む混合溶液(単量体溶液)を、水系媒体中に懸濁させて所定温度まで加熱して、重合開始剤を添加し重合させる方法等が挙げられる。
重合開始剤としてはラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等が挙げられ、具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン等が挙げられる。重合開始剤の合計使用量は、通常、モノマー総量100質量部に対して0.01〜10質量部程度である。
上記多孔化剤は、多孔質粒子を製造するために使用され、油滴内の重合において、モノマーと共に存在し、非重合成分として孔を形成する役割を有する。多孔化剤は、多孔質表面において容易に除去可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、各種の有機溶剤や混合モノマーに可溶な線状重合物等が挙げられ、これらを併用してもよい。
上記多孔化剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール等の脂肪族アルコール類;シクロヘキサノール等の脂環式アルコール類;2−フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類;ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトフェノン、2−オクタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、アニソール、エトキシベンゼン等のエーテル類;酢酸イソペンチル、酢酸ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、マロン酸ジエチル等のエステル類の他、非架橋性ビニルモノマーのホモポリマー等の線状重合物が挙げられる。多孔化剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記多孔化剤の合計使用量は、通常、モノマー総量100質量部に対して70〜600質量部であり、より好ましくは70〜400質量部である。
上記水系媒体としては、例えば水溶性高分子水溶液等が挙げられ、水溶性高分子としては、例えばヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ゼラチン等が挙げられる。
水系媒体の合計使用量は、モノマー総量100質量部に対して、通常、200〜7000質量部程度である。
また、水系媒体の分散媒として水を用いる場合、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、燐酸カルシウム、塩化ナトリウム等の分散安定剤を使用してもよい。
また、工程1−1および2−1には、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、脂肪酸塩等のアニオン性界面活性剤をはじめとする各種界面活性剤を用いてもよい。
また、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩、ヨウ化カリウム等のヨウ化物塩、tert−ブチルピロカテコール、ベンゾキノン、ピクリン酸、ハイドロキノン、塩化銅、塩化第二鉄等の重合禁止剤を用いることもできる。
また、ドデシルメルカプタン等の重合調製剤を用いてもよい。
また、工程1−1および2−1の重合温度は重合開始剤に応じて決定すればよいが、例えば、アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤として用いる場合は、50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。
また、重合時間は通常5分〜48時間、好ましくは10分〜24時間である。
なお、斯様にして得られた固相の式(8)または(9)で表される基に対し、R5SHで表される化合物を開環付加させることで、下記式(6−1)または(6−2)で表される1価の基を固相に導入することもできる。
Figure 2015119255
〔式(6−1)中、各記号は前記と同義である。〕
Figure 2015119255
〔式(6−2)中、各記号は前記と同義である。〕
上記R5SHで表される化合物としては、メタンチオール、チオグリセロールが挙げられる。斯かる化合物の合計使用量は、式(8)または(9)で表される基1モルに対し、通常0.1〜12モル当量である。
また、斯かる開環付加反応の反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜72時間程度である。また、反応温度は、溶媒の沸点以下で適宜選択すればよいが、通常2〜100℃程度である。
(工程1−2および2−2)
工程1−2および2−2は、官能基含有モノマーに由来する官能基に対し、式(10)で表される架橋剤を開環付加させ、架橋構造を導入する工程である。
工程1−2および2−2で用いる架橋剤(10)としては、エチレンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール等のジオール類;エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、2,2’−オキシビス(エチルアミン)、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジアミン等のジアミン類;エチレンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール等のジチオール類の他、2−メルカプトエタノール、グリセリン等が挙げられる。これら架橋剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記架橋剤(10)の合計使用量は、官能基含有モノマーに由来する官能基1モルに対し、通常0.1〜12モル当量であり、好ましくは0.1〜6モル当量であり、より好ましくは0.1〜3モル当量である。
なお、工程1−2および2−2は、塩基性触媒存在下で行ってもよい。斯かる塩基性触媒としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、工程1−2および2−2の反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜72時間程度であり、好ましくは0.5〜48時間である。また、反応温度は、溶媒の沸点以下で適宜選択すればよいが、通常2〜100℃程度である。
(工程2−3)
工程2−3は、式(10)中のY2がチオ基の架橋剤で架橋された固相担体(i)に酸化剤を接触させて、固相担体(i)のチオ基をスルフィニル基に酸化する工程である。
上記酸化剤は、有機酸化剤と無機酸化剤とに大別され、有機酸化剤としては、例えば、過酢酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸等が挙げられる。一方、無機酸化剤としては、例えば、過酸化水素、クロム酸、過マンガン酸塩等が挙げられる。なお、これら酸化剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、酸化剤の合計使用量は、チオ基1モルに対し、通常0.1〜10モル当量程度であるが、好ましくは0.5〜5モル当量であり、さらに好ましくは0.5〜3モル等量である。
なお、工程2−3は、溶媒存在下で行ってもよい。斯かる溶媒としては、水や、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、これら溶媒は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、工程2−3の反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜72時間程度であり、反応温度は、溶媒の沸点以下で適宜選択すればよいが、通常1〜70℃程度である。
なお、上記各工程で得られる反応生成物を、蒸留、抽出、洗浄等の分離手段で精製してもよい。
そして、上記のようにして得られる本発明の構造(1)を有する樹脂を含む第1の固相担体は、高い親水性を有し、耐圧性能(機械的強度)に優れるため圧密化しにくく、また、リガンドを固定した場合の標的物質に対する動的結合容量が大きいため、クロマトグラフィー用担体として有用である。
<第1のクロマトグラフィーカラム用充填剤>
本発明の第1のクロマトグラフィーカラム用充填剤は、本発明の第1の固相担体を担体とするものである。
本発明の第1の固相担体はリガンドを固定した場合の標的物質(特に標的タンパク質)に対する動的結合容量が大きいため、上記充填剤はアフィニティクロマトグラフィーへの使用に適する。
斯様なアフィニティクロマトグラフィーカラム用充填剤としては、上記固相担体に上記リガンドを固定したものが挙げられる。リガンドの合計使用量は、本発明の第1の固相担体1gあたり、通常50〜300mg程度であるが、好ましくは120〜180mgである。
また、リガンドの固定は、上記固相担体を用いる以外は常法と同様にして行えばよいが、塩を添加したバッファー下で行うのが好ましい。塩の種類としては、クエン酸三ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、上記バッファーとしては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ホウ酸等が挙げられる。
また、バッファーの合計使用量は、本発明の第1の固相担体に対し、通常20〜80質量倍程度であるが、好ましくは35〜45質量倍である。
また、リガンド固定の反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜72時間程度であり、反応温度は通常1〜40℃程度である。
なお、充填剤の担体である固相担体中に式(8)で表される1価の基等の官能基が残存する場合は、R5SHで表される化合物(R5は、炭素数1〜10の1価の有機基を示す)を反応させて、上記官能基を開環させてもよい。
<第1のクロマトグラフィーカラム>
本発明の第1のクロマトグラフィーカラムは、本発明の第1のクロマトグラフィーカラム用充填剤がカラム容器に充填されているものである。該カラムはアフィニティクロマトグラフィーへの使用に適する。
<第1の精製方法>
本発明の第1の精製方法は、標的物質を含む組成物を用意する工程と、本発明の第1のクロマトグラフィーカラムに前記組成物を通液する工程を含むことを特徴とするものである。上記標的物質としては、標的タンパク質が挙げられる。また、精製は本発明の第1のクロマトグラフィーカラムを用いる以外は常法に従い行えばよい。
<第2のアフィニティ精製用担体>
本発明の第2のアフィニティ精製用担体は、固相担体と、リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基と、を有するアフィニティ精製用担体であって、リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基が、固相担体に結合しており、固相担体を構成する高分子の末端の一部または全部が、下記式(21)で表される架橋構造で互いに架橋されているものである。
Figure 2015119255
〔式(21)中、
21は、n2価の有機基を示し、
21は、それぞれ独立して、チオ基(>S)、スルフィニル基(>S=O)またはスルホニル基(>S(=O)2)を示し、
n2は、2以上の整数を示す。〕
(架橋構造)
以下、架橋構造(21)について詳細に説明する。架橋構造(21)は、結合手の数がn2の架橋構造である。
式(21)中、R21は、n2価の有機基を示す。n2は、2以上の整数であるが、防汚性および耐圧性能等の観点から、2〜6の整数が好ましく、2〜4の整数が好ましく、2または3がより好ましく、2が特に好ましい。
また、R21で示されるn2価の有機基の総炭素数は、防汚性および耐圧性能等の観点から、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜24、更に好ましくは2〜18、更に好ましくは2〜12、更に好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜8、更に好ましくは3〜7、特に好ましくは4〜6である。
また、R21で示されるn2価の有機基としては、n2価の炭化水素基、n2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基(>O)、チオ基(>S)、スルフィニル基(>S=O)、スルホニル基(>S(=O)2)、エステル結合(−C(=O)O−)およびイミノ基(>NH)から選ばれる1種以上を有する基(以下、n2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基等を有する基とも称する)が挙げられる。中でも、防汚性および耐圧性能等の観点から、n2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基等を有する基が好ましく、n2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基、チオ基、スルフィニル基、およびスルホニル基から選ばれる1種以上を有する基がより好ましい。
21で示されるn2価の有機基がn2価の炭化水素基である場合、その炭素数としては、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜6が更に好ましく、2〜4が更に好ましく、2または3が特に好ましい。一方、R21で示されるn2価の有機基がn2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基等を有する基である場合、斯かる基におけるn2価の炭化水素基の炭素数としては、2〜40が好ましく、2〜30がより好ましく、2〜24が更に好ましく、2〜18が更に好ましく、2〜12が更に好ましく、2〜10が更に好ましく、2〜8が更に好ましく、3〜7が更に好ましく、4〜6が特に好ましい。
これらR21における「n2価の炭化水素基」は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、好ましくはn2価の脂肪族炭化水素基であり、好適な具体例としては、2〜4価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基としては、アルカンジイル基が好ましく、具体的には、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。3価の脂肪族炭化水素基としては、アルカントリイル基が好ましく、具体的には、メタン−1,1,1−トリイル基、エタン−1,1,2−トリイル基、プロパン−1,2,3−トリイル基、プロパン−1,2,2−トリイル基等が挙げられる。4価の脂肪族炭化水素基としては、アルカンテトライル基が好ましく、4,4−ジプロピルヘプタン−テトライル基等が挙げられる。
上記のような架橋構造(21)の好適な具体例としては、式(23)または(24)で表される架橋構造が挙げられ、防汚性および耐圧性能等の観点から、式(23)で表される架橋構造が好ましい。なお、架橋構造(23)は、結合手の数が2の架橋構造であり、架橋構造(24)は、結合手の数がp2の架橋構造である。
Figure 2015119255
〔式(23)中、
23は、2価の炭化水素基、または2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基、チオ基、スルフィニル基およびスルホニル基から選ばれる1種以上を有する基を示し、
21は前記と同義であり、それぞれ独立して、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基を示す。〕
式(23)中、R23が2価の炭化水素基である場合、その炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が更に好ましく、2〜4が更に好ましく、2または3が特に好ましい。一方、R23が2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基、チオ基、スルフィニル基およびスルホニル基から選ばれる1種以上を有する基である場合、斯かる基における2価の炭化水素基の炭素数としては、2〜18が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜10が更に好ましく、2〜8が更に好ましく、3〜7が更に好ましく、4〜6が特に好ましい。
これらR23における「2価の炭化水素基」は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基である。2価の脂肪族炭化水素基としては、アルカンジイル基が好ましく、具体的には、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
また、上記の中でも、R23としては、防汚性および耐圧性能等の観点から、2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基、チオ基、スルフィニル基およびスルホニル基から選ばれる1種以上を有する基が好ましく、−R(Yab−で表される基(R、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルカンジイル基を示し、YaおよびYbは、それぞれ独立して、オキシ基、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基を示し、tは0〜10の整数を示す)がより好ましい。
、RおよびRで示されるアルカンジイル基の炭素数としては、2または3が好ましく、2がより好ましい。また、斯かるアルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、好適な具体例としては、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基が挙げられる。また、tは、0〜10の整数を示すが、0〜5の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましく、0または1が特に好ましい。
Figure 2015119255
〔式(24)中、
24は、p2+q2価の有機基を示し、
25は、2価の炭化水素基を示し、
26は、炭化水素基を示し、
p2は、2〜6の整数を示し、
q2は、0〜8の整数を示し、
21は前記と同義であり、それぞれ独立して、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基を示す。〕
式(24)中、p2は、2〜6の整数を示すが、2〜4の整数が好ましく、3または4がより好ましく、4が特に好ましい。q2は、0〜8の整数を示すが、0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0が特に好ましい。また、p2+q2は、好ましくは2〜10の整数であり、より好ましくは2〜6の整数であり、更に好ましくは2〜4の整数であり、更に好ましくは3または4であり、特に好ましくは4である。
24で示されるp2+q2価の有機基としては、p2+q2価の炭化水素基、p2+q2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にオキシ基を有する基が好ましく、p2+q2価の炭化水素基が好ましい。p2+q2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、アルカンジイル基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基が好ましい。
24で示されるアルカンジイル基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6、特に好ましくは2〜4である。具体的には、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
24で示されるアルカントリイル基、アルカンテトライル基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは2〜8、特に好ましくは4〜6である。アルカントリイル基、アルカンテトライル基の好適な具体例は、以下の式に示すとおりである。
Figure 2015119255
〔各式中、*は結合手を示す。〕
25で示される2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜4である。また、当該2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、当該2価の炭化水素基としては、2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、アルカンジイル基がより好ましい。具体的には、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等が挙げられる。
26で示される炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは2〜8である。当該炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、当該炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
(リガンド等)
また、本発明の第2のアフィニティ精製用担体は、リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基を有する。
上記リガンドは標的物質と結合する分子であればよいが、例えば、プロテインA、プロテインG、アビジン等のタンパク質;インシュリン等のペプチド;モノクローナル抗体等の抗体;酵素;ホルモン;DNA;RNA;ヘパリン、ルイスX、ガングリオシド等の糖質;イミノジ酢酸、合成色素、2−アミノフェニル硼素酸、4−アミノベンズアミジン、グルタチオン、ビオチンやその誘導体のような低分子化合物が挙げられる。なお、上記に例示したリガンドはその全体を用いてもよいが、リコンビナント、酵素処理等によって得られるそのフラグメントを用いてもよい。また、人工的に合成されたペプチドやペプチド誘導体であってもよい。
上記リガンドの中でも、タンパク質、ペプチドが好ましく、タンパク質がより好ましく、特に、イムノグロブリンの分離または精製に好適なリガンドとしては、イムノグロブリン結合性タンパク質が挙げられる。
イムノグロブリン結合性タンパク質としては、プロテインA、プロテインG、プロテインL、Fc結合タンパクおよびそれらの機能性変異体よりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。中でも、好ましくはプロテインA、プロテインG、それらの機能性変異体であり、より好ましくはプロテインA、その機能性変異体である。
リガンドの結合量は、固相担体1g当たり、好ましくは10〜200mg、より好ましくは25〜100mgである。
リガンドを結合するための反応性基としては、環状エーテル基、カルボキシ基、コハク酸イミドオキシ基、ホルミル基、イソシアネート基、アミノ基が挙げられ、環状エーテル基が好ましい。環状エーテル基としては、下記式(25)で表される1価の基、下記式(26)で表される1価の基が挙げられ、式(25)で表される1価の基が特に好ましい。
Figure 2015119255
〔式(25)中、R27は炭素数1〜6の2価の炭化水素基を示す。〕
Figure 2015119255
式(25)中、R27で示される2価の炭化水素基の炭素数としては、1〜4が好ましく、1または2がより好ましい。2価の炭化水素基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。
好適な具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
また、固相担体を構成する高分子は、高分子鎖の末端の一部または全部が、式(21)で表される架橋構造で互いに架橋されているものであれば特に限定されるものではなく、アガロース、デキストラン、セルロース等の多糖類で構成される天然高分子でもよく、合成高分子でもよい。
固相担体を構成する高分子としては、エチレン性不飽和モノマーに由来する構造単位を有する高分子が好ましい。例えば、スチレン系モノマーに由来する構造単位、ビニルケトン系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリロニトリル系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構造単位および(メタ)アクリルアミド系モノマーに由来する構造単位から選ばれる1種または2種以上を有する高分子などである。
また、固相担体の形態は、モノリス、膜、中空繊維、粒子、カセット、チップ等のいずれでもよいが、粒子が好ましい。また、固相担体は、表面積の向上の観点から、多孔質粒子等の多孔質化されたものが好ましい。また、多孔質粒子としては、多孔質ポリマー粒子が好ましい。
本発明の第2のアフィニティ精製用担体を構成する固相担体が粒子である場合、その粒子径は、通常、35〜100μmであり、好ましくは40〜85μmである。粒子径を35μm以上とすることにより、圧力特性が向上する。また、100μm以下とすることによりリガンドを結合した場合の動的結合容量が大きくなる。また、粒子径の変動係数は、好ましくは40%以下であり、より好ましくは30%以下である。
粒子径は、重合する際の条件で調整することができる。なお、上記「粒子径」とは、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置により得られる体積平均粒子径を意味する。
<第2のアフィニティ精製用担体の製造方法>
本発明の第2のアフィニティ精製用担体の製造方法は、常法を適宜組み合わせて製造することができる。
例えば、(工程PS1)リガンドを結合するための反応性基を有するモノマーと、必要に応じで当該モノマー以外のモノマー(以下、他のモノマーとも称する)を、下記式(33)で表される多官能チオール化合物および重合開始剤の存在下で(共)重合させ、必要に応じて、(工程PS2−1)架橋剤を用いた架橋化反応や(工程PS2−2)酸化剤を用いるなどしてチオ基をスルフィニル基に酸化をするなどして製造できる。また、(工程PS3)斯様な方法で得られた固相担体にリガンドを結合させてもよい。
Figure 2015119255
〔式(33)中、
21は、前記と同義であり、n2価の有機基を示し、
n2は、前記と同義であり、2以上の整数を示す。〕
(工程PS1)
リガンドを結合するための反応性基を有するモノマー、他のモノマーとしては、いずれも、エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。具体的には、スチレン系モノマー、ビニルケトン系モノマー、(メタ)アクリロニトリル系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマーおよび(メタ)アクリルアミド系モノマーから選ばれる1種または2種以上のモノマーを例示することができる。
リガンドを結合するための反応性基を有するモノマーとしては、環状エーテル基、カルボキシ基、コハク酸イミドオキシ基、ホルミル基、イソシアネート基およびアミノ基から選ばれる反応性基を有するモノマーが好ましく、環状エーテル基を有するモノマーがより好ましく、式(25)または(26)で表される1価の基を有するモノマーが更に好ましく、式(25)で表される1価の基を有するモノマーが特に好ましい。式(25)で表される1価の基を有するモノマーとしては、エポキシ基含有不飽和モノマーが挙げられる。
エポキシ基含有不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマー、スチレン系モノマー等が好ましく、(メタ)アクリレート系モノマーがより好ましく、下記式(27)で表される(メタ)アクリレート系モノマーがさらに好ましい。
Figure 2015119255
〔式(27)中、
28は水素原子またはメチル基を示し、
29は単結合、炭素数1〜10の2価の炭化水素基または−(R30O)j−を示し(R30は炭素数2〜4のアルカンジイル基を示し、jは1〜30の整数を示す)、
27は前記と同義である。〕
29で示される2価の炭化水素基の炭素数としては、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が更に好ましい。また、2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。好適な具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
また、R30で示されるアルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体例としては、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
また、jとしては、1〜25の整数が好ましく、1〜15の整数がより好ましい。
また、上記のようなR29の中でも、単結合が好ましい。
リガンドを結合するための反応性基を有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、α−(メタ)アクリル−ω−グリシジルポリエチレングリコール、(4−ビニルベンジル)グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、リガンドを結合するための反応性基を有するモノマーの合計使用量としては、固定可能なリガンド量とリガンドを固定した場合の動的結合容量の観点から、モノマー総量100質量部に対し、1〜90質量部が好ましく、20〜80質量部がより好ましく、30〜70質量部がさらに好ましく、40〜60質量部が特に好ましい。
また、他のモノマーとしては、非架橋性モノマー、架橋性モノマーのいずれも使用でき、これらを併用してもよい。
また、上記非架橋性モノマーとしては、ヒドロキシ基含有非架橋性不飽和モノマー、ヒドロキシ基を含まない非架橋性不飽和モノマーが挙げられ、架橋性モノマーとしては、ヒドロキシ基含有架橋性不飽和モノマー、ヒドロキシ基を含まない架橋性不飽和モノマーが挙げられる。
上記ヒドロキシ基含有非架橋性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマー等が好ましい。また、上記ヒドロキシ基含有非架橋性不飽和モノマーに含まれるヒドロキシ基の個数としては、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。また、上記(メタ)アクリレート系モノマーとしては、下記式(28)で表される(メタ)アクリレート系モノマーが好ましい。
Figure 2015119255
〔式(28)中、
31は水素原子またはメチル基を示し、
32は炭素数1〜6の3価の炭化水素基を示す。〕
32で示される3価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、その炭素数は、好ましくは2〜4である。また、上記3価の炭化水素基は、好ましくは3価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカントリイル基である。具体的には、エタン−1,1,2−トリイル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有非架橋性不飽和モノマーの具体例としては、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ブタントリオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、イノシトールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、上記ヒドロキシ基含有非架橋性不飽和モノマーを使用する場合、その合計使用量としては、製造時の凝集防止の観点から、モノマー総量100重量部に対し、1〜30質量部が好ましく、2〜20質量部がより好ましく、3〜15質量部が特に好ましい。
また、上記ヒドロキシ基を含まない非架橋性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマー等が好ましい。また、上記(メタ)アクリレート系モノマーとしては、下記式(29)で表される(メタ)アクリレート系モノマーがより好ましい。
Figure 2015119255
〔式(29)中、
33は、水素原子またはメチル基を示し、
34は、炭素数2〜4のアルカンジイル基を示し、
35は、炭素数1〜6の炭化水素基を示し、
kは、0〜50の整数を示す。〕
34で示されるアルカンジイル基の炭素数は、好ましくは2または3である。また、アルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、好適な具体例としてはエタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基等が挙げられる。
35で示される炭化水素基の炭素数としては、1〜4が好ましく、1または2がより好ましい。また、炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基を包含する概念であるが、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
kは、0〜50の整数を示すが、1〜25の整数が好ましく、1〜15の整数がより好ましい。
ヒドロキシ基を含まない非架橋性不飽和モノマーの具体例としては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、上記ヒドロキシ基を含まない非架橋性不飽和モノマーの合計使用量としては、動的結合容量の観点から、モノマー総量100質量部に対し、0〜70質量部が好ましく、0〜30質量部がより好ましく、0〜20質量部が特に好ましい。
また、上記ヒドロキシ基含有架橋性不飽和モノマーに含まれるヒドロキシ基の個数としては、動的結合容量と防汚性の観点から、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。また、上記ヒドロキシ基含有架橋性不飽和モノマーとしては、2〜5官能のものが好ましく、2または3官能のものがより好ましい。
また、上記ヒドロキシ基含有架橋性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、下記式(30)で表される(メタ)アクリレート系モノマーがより好ましい。
Figure 2015119255
〔式(30)中、
36およびR37は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示し、
38は、炭素数1〜8の3価の炭化水素基を示す。〕
38で示される3価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、その炭素数は、好ましくは1〜5である。
また、上記3価の炭化水素基は、好ましくは3価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカントリイル基である。具体的には、メタン−1,1,1−トリイル基等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有架橋性不飽和モノマーの具体例としては、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ブタントリオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、イノシトールジ(メタ)アクリレート、イノシトールトリ(メタ)アクリレート、イノシトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、ヒドロキシ基含有架橋性不飽和モノマーを使用する場合、その合計使用量としては、動的結合容量、防汚性の観点から、モノマー総量100質量部に対し、1〜70質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましく、15〜40質量部が好ましい。
また、上記ヒドロキシ基を含まない架橋性不飽和モノマーとしては、2〜5官能のものが好ましく、2または3官能のものがより好ましい。また、上記ヒドロキシ基を含まない架橋性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、下記式(31)または(32)で表される(メタ)アクリレート系モノマーがより好ましい。
Figure 2015119255
〔式(31)中、
39〜R41は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示し、
42は、炭素数1〜6の3価の炭化水素基を示す。〕
Figure 2015119255
〔式(32)中、
43およびR44は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を示し、
45は、炭素数2〜4のアルカンジイル基を示し、
iは、1〜50の整数を示す。〕
式(31)中、R42で示される3価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、その炭素数は、好ましくは2〜4である。
また、上記3価の炭化水素基は、好ましくは3価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカントリイル基である。具体的には、プロパン−1,1,1−トリイル基等が挙げられる。
また、式(32)中のR45で示されるアルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体例としては、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
また、iとしては、1〜25の整数が好ましく、1〜15の整数がより好ましい。
ヒドロキシ基を含まない架橋性不飽和モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2以上のエチレングリコールを含むポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2以上のエチレングリコールを含むポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、上記ヒドロキシ基を含まない架橋性不飽和モノマーを使用する場合、その合計使用量としては、動的結合容量、防汚性の観点から、モノマー総量100質量部に対し、1〜90質量部が好ましく、5〜70質量部がより好ましく、10〜60質量部が更に好ましく、20〜50質量部が特に好ましい。
工程PS1における(共)重合反応は、下記式(33)で表される多官能チオール化合物存在下で行われるものであるが、多官能チオール化合物の添加は、固相担体の重合前でも重合中でもよい。
Figure 2015119255
〔式(33)中、
21は、前記と同義であり、n2価の有機基を示し、
n2は、前記と同義であり、2以上の整数を示す。〕
上記多官能チオール化合物の添加により、ラジカル重合中の複数の生長炭素ラジカルが、多官能チオール化合物からの水素引き抜き反応を伴って容易に反応し、複数の水素末端のポリマーと複数の硫黄ラジカルを有する単一の化合物を生成する。この複数の硫黄ラジカルを有する単一の化合物からの再開始により再びポリマー鎖が形成される。このように多官能チオール化合物が連鎖移動剤として作用し、上記多官能チオール化合物由来の架橋構造(21)が導入される。これにより、得られる担体の防汚性が改善され、充填剤に非特異的に吸着する不純物、例えば宿主細胞タンパク質(HCP=Host Cell Protein)等に対する防汚性を改善することが可能となり、また、優れた耐圧性能が得られ、しかも、リガンドを結合した際の動的結合容量も大きくなる。
上記多官能チオール化合物としては、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2’−チオジエタンチオール、3−メルカプトプロパン酸2−メルカプトエチル、ビス(3−メルカプトプロパン酸)エチレン、ビス[オクタン酸]2,2−ビス[(3−メルカプト−1−オキソプロポキシ)メチル]−1,3−プロパンジイル、トリス(3−メルカプトプロパン酸)[(エタン−1,1,1−トリイル)トリスメチレン]、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオナート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヘキサキス(3‐メルカプトプロパン酸)[オキシビス(メチレンメタンテトライル)ヘキサキスメチレン]等が挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記多官能チオール化合物の使用量は、モノマー総量100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。
なお、上記のとおり多官能チオール化合物の添加は重合前でも重合中でもよいが、重合開始剤の投入と同時または重合開始剤の投入後に多官能チオール化合物を添加する場合は、重合開始剤の投入から、好ましくは0〜5時間以内、より好ましくは0〜3時間以内、さらに好ましくは0〜1時間以内に多官能チオール化合物を添加する。また、多官能チオール化合物の添加は、塩基性触媒存在下で行ってもよい。
上記モノマーを重合させるための重合開始剤としてはラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等が挙げられ、具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン等が挙げられる。
重合開始剤の合計使用量は、通常、モノマー総量100質量部に対して、0.01〜10質量部程度である。
また、工程PS1における(共)重合反応は、懸濁重合が好ましい。懸濁重合の具体的な手法としては、例えば、モノマーおよび必要に応じて多孔化剤を含む混合溶液(単量体溶液)に重合開始剤を溶解し、水系媒体中に懸濁させて所定温度まで加熱して重合させる方法や、モノマーおよび必要に応じて多孔化剤を含む混合溶液(単量体溶液)に重合開始剤を溶解し、所定温度まで加熱した水系媒体中に添加して重合させる方法、モノマーおよび必要に応じて多孔化剤を含む混合溶液(単量体溶液)を、水系媒体中に懸濁させて所定温度まで加熱して、重合開始剤を添加し重合させる方法等が挙げられる。
上記多孔化剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール等の脂肪族アルコール類;シクロヘキサノール等の脂環式アルコール類;2−フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類;ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、アセトフェノン、2−オクタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、アニソール、エトキシベンゼン等のエーテル類;酢酸イソペンチル、酢酸ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、マロン酸ジエチル等のエステル類の他、非架橋性ビニルモノマーのホモポリマー等の線状重合物が挙げられる。多孔化剤は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記多孔化剤の合計使用量は、通常、モノマー総量100質量部に対して40〜400質量部程度である。
上記水系媒体としては、例えば水溶性高分子水溶液等が挙げられ、水溶性高分子としては、例えばヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ゼラチン等が挙げられる。
水系媒体の合計使用量は、モノマー総量100質量部に対して、通常、200〜7000質量部程度である。
また、水系媒体の分散媒として水を用いる場合、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等の分散安定剤を使用してもよい。
また、工程PS1の重合反応には、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、脂肪酸塩等のアニオン性界面活性剤をはじめとする各種界面活性剤を用いてもよい。
また、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸塩、ヨウ化カリウム等のヨウ化物塩、tert−ブチルピロカテコール、ベンゾキノン、ピクリン酸、ハイドロキノン、塩化銅、塩化第二鉄等の重合禁止剤を用いることもできる。
また、重合温度は重合開始剤に応じて決定すればよいが、例えば、通常2〜100℃程度であり、アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤として用いる場合は、50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。
また、重合時間は通常5分〜48時間、好ましくは10分〜24時間である。
(工程PS2−1)
工程PS2−1は、リガンドを結合するための反応性基を有するモノマーに由来するリガンドを結合するための反応性基の一部に、架橋剤を開環付加させ、架橋剤由来の架橋構造を固相担体に導入する架橋化反応である。これにより、リガンドを結合するための反応性基の残基を介して固相担体表面等に架橋構造が形成される。このようにして固相担体の重合後に架橋剤を添加して、架橋構造を固相担体に導入することによって、防汚性や耐圧性能が向上する。
上記架橋剤としては、2〜6価の架橋剤が好ましく、2または3価の架橋剤がより好ましい。また、スチレン系架橋剤、ヒドロキシ基、アミノ基またはチオール基を反応性基とする架橋剤が好ましく、ヒドロキシ基、アミノ基またはチオール基を反応性基とする架橋剤がより好ましい。斯様な架橋剤の中でも、下記式(22)で表される架橋剤が好ましい。
Figure 2015119255
〔式(22)中、
22は、炭素数1〜10の2価の有機基を示し、
22およびX23は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、アミノ基またはチオール基を示す。〕
22における2価の有機基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、斯かる2価の有機基としては、2価の炭化水素基、2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にエーテル結合、イミノ基およびエステル結合から選ばれる1種以上を有する基が挙げられる。
また、上記2価の有機基が2価の炭化水素基である場合、その炭素数は、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜6であり、特に好ましくは2〜6である。また、2価の炭化水素基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
また、上記2価の炭化水素基は、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはアルカンジイル基である。
アルカンジイル基の具体例としては、メタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
また、上記2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にエーテル結合、イミノ基およびエステル結合から選ばれる1種以上を有する基としては、2価の炭化水素基の炭素−炭素原子間にエーテル結合を有する基が好ましく、−R(ORuOR−で表される基がより好ましい(R、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数2〜4のアルカンジイル基を示し、uは0〜30の整数を示す)。
上記R、RおよびRで示されるアルカンジイル基の炭素数としては、2または3が好ましく、2がより好ましい。また、斯かるアルカンジイル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、好適な具体例としては、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基が挙げられる。
また、uは0〜30の整数を示すが、0〜25の整数が好ましく、0〜20の整数がより好ましく、0〜15の整数が更に好ましく、0〜10の整数が更に好ましく、0〜5の整数が更に好ましく、0〜3の整数が特に好ましい。
22およびX23は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、アミノ基またはチオール基を示すが、チオール基が好ましい。
また、上記ヒドロキシ基、アミノ基またはチオール基を反応性基とする架橋剤の種類としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、トリス(メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、ビス(メルカプト酢酸)エチレングリコール、(±)−ジチオスレイトールなどが挙げられる。
また、上記スチレン系架橋剤としては、例えば、芳香族環又は芳香族複素環と2〜4個のエチレン性不飽和結合とを分子内に有する架橋剤が挙げられる。具体的には、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、フタル酸ジアリル、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベンゼン等が挙げられ、ジビニルピリジンのようなヘテロ環式架橋剤でもよい。
工程PS2−1の架橋反応の反応温度は、通常25〜200℃であるが、好ましくは50〜100℃である。
工程PS2−1の架橋反応の反応時間は、通常30分〜24時間程度であり、好ましくは1〜12時間程度である。
(工程PS2−2)
工程PS2−2は、酸化剤を用いるなどして、工程PS1で多官能チオール化合物存在下で(共)重合反応を行うことで導入された架橋構造(21)中のチオ基や工程PS2−1で導入された架橋構造中のチオ基を酸化する工程である。工程PS2−2により、これらチオ基は、スルフィニル基またはスルホニル基に、好ましくはスルフィニル基に酸化される。
上記酸化剤は、有機酸化剤と無機酸化剤とに大別され、有機酸化剤としては、例えば、過酢酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸等が挙げられる。一方、無機酸化剤としては、例えば、過酸化水素、クロム酸、過マンガン酸塩等が挙げられる。なお、これら酸化剤は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
また、酸化剤の合計使用量は、チオ基1モルに対し、通常0.1〜10モル当量程度であるが、好ましくは0.5〜3モル当量である。
また、上記酸化反応は、溶媒存在下で行うのが好ましい。斯かる溶媒としては、水;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、これら溶媒は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記溶媒の合計使用量は、原料となる固相担体に対し、通常1〜50質量倍程度であるが、好ましくは5〜15質量倍である。
また、上記酸化反応の反応時間は特に限定されないが、通常1〜72時間程度であり、反応温度は、溶媒の沸点以下で適宜選択すればよいが、通常1〜90℃程度である。
なお、上記各工程で得られる固相担体は、必要に応じて多孔化剤や未反応モノマーを蒸留、抽出、洗浄等により除去することで得ることができる。
(工程PS3)
リガンドの固定は、上記で得られた固相担体を用いる以外は常法と同様にして行えばよいが、塩を添加したバッファー下で行うのが好ましい。塩の種類としては、クエン酸三ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、上記バッファーとしては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ホウ酸等が挙げられる。バッファーの合計使用量は、原料となる固相担体に対し、通常20〜80質量倍程度であるが、好ましくは35〜45質量倍である。
また、反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜72時間程度であり、反応温度は通常1〜40℃程度である。
なお、リガンドが固定された担体を、チオール化合物と接触させ、未反応の反応性基を開環させてもよい。
そして、本発明の第2のアフィニティ精製用担体は、優れた防汚性を有し、耐圧性能に優れるため圧密化しにくく、また、リガンドを有する場合には標的物質に対する動的結合容量が大きい。したがって、本発明の第2のアフィニティ精製用担体は、クロマトグラフィーカラム用充填剤の担体として有用である。
<第2のクロマトグラフィーカラム>
本発明の第2のクロマトグラフィーカラムは、本発明の第2のアフィニティ精製用担体を担体とするクロマトグラフィーカラム用充填剤がカラム容器に充填されているものである。該クロマトグラフィーカラムはアフィニティクロマトグラフィーへの使用に適する。
<第2の精製方法>
本発明の第2の精製方法は、標的物質を含む組成物を用意する工程と、本発明の第2のクロマトグラフィーカラムに前記組成物を通液する工程を含むことを特徴とするものである。
精製は、本発明の第2のクロマトグラフィーカラムを用いる以外は常法と同様であるが、例えば、標的物質を含む組成物を準備する準備工程と、本発明の第2のクロマトグラフィーカラムに前記組成物を通液する通液工程と、該通液工程により担体に吸着された標的物質を溶出させる溶出工程を含む方法が挙げられる。
本発明の第2の精製方法は、タンパク質の精製に適し、イムノグロブリンの精製に特に適する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、平均粒径(体積平均粒径)は、ベックマン・コールター社製レーザー回析・散乱法粒径分布測定装置(LS13 320)を用いて求めた。
〔実施例1−1 ジチオール架橋粒子〕
(1)多孔質粒子の合成
358gの純水にポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA−217)0.72gを添加し、55℃で4時間撹拌しポリビニルアルコールを溶解させた。これにドデシル硫酸ナトリウム(花王社製 エマール10G)0.18g、炭酸ナトリウム0.36gおよび亜硝酸ナトリウム0.18gを添加し、撹拌して水溶液(S−1)を調製した。
一方、グリシジルメタクリレート(三菱レーヨン社製)8.23g、グリセロールモノメタクリレート(日油社製)1.37gおよびトリメチロールプロパントリメタクリレート(サートマー社製)4.12gからなる単量体組成物を、2−オクタノン(東洋合成社製)20.63gおよびアセトフェノン(井上香料製造所社製)5.30gの混液に溶解させ、単量体溶液(M−1)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−1)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。次いで、セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−1)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬工業社製)0.97gを添加し、86℃で3.5時間撹拌した。
(2)親水化反応
その後、上記反応液にチオグリセロール(旭化学工業社製)25.03gを添加し、86℃に温度を維持させたまま更に3時間撹拌した。
(3)架橋反応
次いで、上記反応液を25℃まで冷却した後、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル(東京化成)2.40gを反応液に添加し、その後温水バスにより加温し内温を85℃に維持して1時間撹拌した。次いで、反応液を25℃まで冷却した後、斯かる反応液をろ過し、純水とエタノールで洗浄した。洗浄した粒子をポリビンに移し、純水に分散させてデカンテーションを3回行い、小粒子を除いた。次いで、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、ジチオール架橋粒子分散液(P−1)を得た。
なお、分散液(P−1)中のジチオール架橋粒子の平均粒径は70μmであった。
〔実施例1−2 スルホキシド化粒子〕
実施例1−1の操作(3)で得られたジチオール架橋粒子分散液を氷浴で冷却し、この分散液に過酸化水素(和光純薬工業社製)11.85gを添加した後、25℃で24時間転倒混和し、粒子をスルホキシド化した。その後、この反応液をろ過し、純水で洗浄し、更に、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、スルホキシド化粒子分散液(P−2)を得た。
なお、分散液(P−2)中のスルホキシド化粒子の平均粒径は70μmであった。
〔実施例1−3 スルホキシド化粒子〕
実施例1−1の操作(1)および(2)と同様の操作で反応を行った後、反応液を25℃まで冷却し、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール3.16gを反応液に添加し、その後温水バスにより加温し内温を85℃に維持して1時間撹拌した。次いで、反応液を25℃まで冷却した後、斯かる反応液をろ過し、純水とエタノールで洗浄した。洗浄した粒子をポリビンに移し、純水に分散させてデカンテーションを3回行い、小粒子を除いた。次いで、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、ジチオール架橋粒子分散液を得た。
次いで、得られたジチオール架橋粒子分散液を氷浴で冷却し、この分散液に過酸化水素(和光純薬工業社製)11.85gを添加した後、25℃で24時間転倒混和し、粒子をスルホキシド化した。その後、この反応液をろ過し、純水で洗浄し、更に、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、スルホキシド化粒子分散液(P−3)を得た。
なお、分散液(P−3)中のスルホキシド化粒子の平均粒径は70μmであった。
〔実施例1−4 スルホキシド化粒子〕
実施例1−1の操作(1)および(2)と同様の操作で反応を行った後、反応液を25℃まで冷却し、1,2−エタンジチオール1.72gを反応液に添加し、その後温水バスにより加温し内温を85℃に維持して1時間撹拌した。次いで、反応液を25℃まで冷却した後、斯かる反応液をろ過し、純水とエタノールで洗浄した。洗浄した粒子をポリビンに移し、純水に分散させてデカンテーションを3回行い、小粒子を除いた。次いで、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、ジチオール架橋粒子分散液を得た。
次いで、得られたジチオール架橋粒子分散液を氷浴で冷却し、この分散液に過酸化水素(和光純薬工業社製)11.85gを添加した後、25℃で24時間転倒混和し、粒子をスルホキシド化した。その後、この反応液をろ過し、純水で洗浄し、更に、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、スルホキシド化粒子分散液(P−4)を得た。
なお、分散液(P−4)中のスルホキシド化粒子の平均粒径は67μmであった。
〔実施例1−5 ジアミン架橋粒子〕
実施例1−1の操作(1)および(2)と同様の操作で反応を行った後、反応液を25℃まで冷却し、エチレンジアミン1.04gおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)3.12gを反応液に添加し、その後温水バスにより加温し内温を85℃に維持して1時間撹拌した。次いで、反応液を25℃まで冷却した後、斯かる反応液をろ過し、純水とエタノールで洗浄した。洗浄した粒子をポリビンに移し、純水に分散させてデカンテーションを3回行い、小粒子を除いた。次いで、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、ジアミン架橋粒子分散液(P−5)を得た。
なお、分散液(P−5)中のジアミン架橋粒子の平均粒径は69μmであった。
〔実施例1−6 ジオール架橋粒子〕
実施例1−1の操作(1)および(2)と同様の操作で反応を行った後、反応液を25℃まで冷却し、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジオール2.61gを反応液に添加し、その後温水バスにより加温し内温を85℃に維持して1時間撹拌した。次いで、反応液を25℃まで冷却した後、斯かる反応液をろ過し、純水とエタノールで洗浄した。洗浄した粒子をポリビンに移し、純水に分散させてデカンテーションを3回行い、小粒子を除いた。次いで、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、ジオール架橋粒子分散液(P−6)を得た。
なお、分散液(P−6)中のジオール架橋粒子の平均粒径は68μmであった。
〔比較例1−1〕
実施例1−1の操作(1)および(2)と同様の操作で反応を行った後、反応液を氷浴で冷却し、この分散液に過酸化水素(和光純薬工業社製)11.85gを添加した後、25℃で24時間転倒混和し、粒子をスルホキシド化した。その後、この反応液をろ過し、純水で洗浄し、更に、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、粒子分散液(P−7)を得た。
なお、分散液(P−7)中の粒子の平均粒径は57μmであった。
〔比較例1−2〕
チオグリセロールの添加量を50.10gに変更した以外は、比較例1−1と同様の操作を行い、粒子分散液(P−8)を得た。
なお、分散液(P−8)中の粒子の平均粒径は71μmであった。
〔比較例1−3〕
358gの純水にポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA−217)0.72gを添加し、55℃で4時間撹拌しポリビニルアルコールを溶解させた。これにドデシル硫酸ナトリウム(花王社製 エマール10G)0.18g、炭酸ナトリウム0.36gおよび亜硝酸ナトリウム1.8gを添加し、撹拌して水溶液(S−2)を調製した。
一方、グリシジルメタクリレート(三菱レーヨン社製)1.4g、グリセロールモノメタクリレート(日油社製)2.8gおよびグリセロール−1,3−ジメタクリレート(新中村化学工業社製)9.8gからなる単量体組成物を、2−オクタノン(東洋合成社製)7.4gおよびアセトフェノン(井上香料製造所社製)21.6gの混液に溶解させ、単量体溶液(M−2)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−2)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。次いで、セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−2)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(AIBN)(和光純薬工業社製)0.97gを添加し、86℃で3.5時間撹拌した。その後、この反応液を冷却した後ろ過し、純水で洗浄し、更に、粒子の濃度が10質量%となるように純水に分散させ、粒子分散液(P−9)を得た。
なお、分散液(P−9)中の粒子の平均粒径は48μmであった。
Figure 2015119255
〔試験例1−1 粒子の耐圧性評価〕
実施例1−1で得られた多孔質粒子の流通特性を測定するために、内径16mm、長さ100mmのHR(High Resolution)カラムに分散液(P−1)を流し込み、GEヘルスケア社製AKTA Pilotを用いて、線流速450cm/hrで通液して、カラムに粒子を充填した。次いで、純水を通液し、段階的に線流速を上げていき、圧力損失1.9MPaの時の線流速を測定した。この線流速を測定可能線流速とし、以下の基準に従い耐圧性を評価した。また、分散液(P−1)を分散液(P−2)〜(P−9)にそれぞれ変更し、実施例1−2〜実施例1−6および比較例1−1〜比較例1−3で得られた多孔質粒子についても耐圧性評価を行った。これら結果を表2に示す。
(耐圧力性能評価基準)
AA:測定可能線流速が2700cm/hr以上
A:測定可能線流速が2400cm/hr以上2700cm/hr未満
B:測定可能線流速が2400cm/hr未満
〔試験例1−2 粒子の親水性評価(親水性指標値:Vuv/Vcon比)〕
1.0Mクエン酸三ナトリウム/0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH6.6)40mLに国際公開第2012/086660号に記載のプロテインA0.15gを分散させたプロテインA分散液に、粒子分散液(P−1)を粒子乾燥質量換算で0.9g添加した。この分散液を25℃で5時間振とう撹拌し、プロテインAを粒子に固定した。
得られたプロテインA固定粒子を、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH7.6)で洗浄した後、1.0Mチオグリセロール/0.1M硫酸ナトリウム水溶液(pH8.3)40mLに分散させ、25℃で24時間振とう撹拌した。
その後、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH7.6)、0.5M水酸化ナトリウム水溶液、0.1Mクエン酸ナトリウムバッファー(pH3.2)で順次洗浄し、アフィニティクロマトグラフィー用充填剤を得た。
次いで、上記アフィニティクロマトグラフィー用充填剤を、容量4mL(5mmφ×200mm長)のカラムに充填し、このカラムに、濃度1MのNaCl溶液にアセトンを1質量%溶かした溶液100μLを供し、20mMリン酸ナトリウム/150mM塩化ナトリウム水溶液(pH7.5)を溶出液として用いて溶出ピークを電導度検出器(GEヘルスケア社製AKTAprime plus)で検出し、線流速300cm/hrにおけるNaClとアセトンの溶出時間を測定した。
得られたNaCl溶液とアセトン溶液の溶出時間の比(アセトン溶出時間/NaCl溶出時間=Vuv/Vcond)を、親水性を表す値とし、以下の基準に従い親水性を評価した。
分散液(P−1)を分散液(P−2)〜(P−9)にそれぞれ変更し、実施例1−2〜実施例1−6および比較例1−1〜比較例1−3で得られた多孔質粒子についても親水性評価を行った。これら結果を表2に示す。
(親水性能評価基準)
AA :Vuv/Vcondが1.06未満
A :Vuv/Vcondが1.06以上1.10未満
B :Vuv/Vcondが1.10以上
〔試験例1−3 動的結合容量測定試験〕
1.0Mクエン酸三ナトリウム/0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH6.6)40mLに国際公開第2012/086660号に記載のプロテインA0.15gを分散させたプロテインA分散液に、粒子分散液(P−1)を粒子乾燥質量換算で0.9g添加した。この分散液を25℃で5時間振とう撹拌し、プロテインAを粒子に固定した。
得られたプロテインA固定粒子を、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH7.6)で洗浄した後、1.0Mチオグリセロール/0.1M硫酸ナトリウム水溶液(pH8.3)40mLに分散させ、25℃で24時間振とう撹拌した。
その後、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH7.6)、0.5M水酸化ナトリウム水溶液、0.1Mクエン酸ナトリウムバッファー(pH3.2)で順次洗浄し、アフィニティクロマトグラフィー用充填剤を得た。
次いで、アフィニティクロマトグラフィー用充填剤について、GEヘルスケア社製AKTAprime plusを用いて、線流速60cm/hrにおけるタンパク質(ヒトIgG抗体、Equitech Bio社製 HGG−1000)に対するDBCを測定した。カラムは容量4mL(5mmφ×200mm長)のものを、タンパク質は20mMリン酸ナトリウム/150mM塩化ナトリウム水溶液(pH7.5)で25mg/mLに希釈したものをそれぞれ使用し、溶出先端10%ブレークスルーのときのタンパク質捕捉量とカラム充填体積からDBCを求めた。
分散液(P−1)を分散液(P−2)〜(P−9)にそれぞれ変更し、実施例1−2〜実施例1−6および比較例1−1〜比較例1−3で得られた多孔質粒子についても動的結合容量(DBC)測定を行った。これら結果を表2に示す。
(動的結合容量評価基準)
AA:55mg/mL以上
A :53mg/mL以上55mg/mL未満
B :50mg/mL以上53mg/mL未満
C :48mg/mL以上50mg/mL未満
Figure 2015119255
表2に示す通り、実施例1−1〜実施例1−6の粒子は、比較例1−1、比較例1−2の親水化粒子と比べて測定可能線流速が高く、親水性と動的結合容量も同等以上であった。また、比較例1−3の非親水化粒子と比べて親水性と動的結合容量が高く、圧力性能は同等以上であった。
〔実施例2−1〕
(1)360gの純水にポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA−217)0.72gを添加し、加熱撹拌しポリビニルアルコールを溶解させ、冷却した後、ドデシル硫酸ナトリウム(花王社製 エマール10G)0.18g、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)0.36gおよび亜硝酸ナトリウム(和光純薬社製)0.18gを添加し、撹拌して水溶液(S−3)を調製した。
一方、グリシジルメタクリレート(三菱レーヨン社製)8.23g、グリセロールモノメタクリレート(日油社製)1.37g、およびトリメチロールプロパントリメタクリレート(サートマー社製)4.12gからなる単量体組成物を、2−オクタノン(東洋合成社製)20.63gおよびアセトフェノン(井上香料製造所社製)5.30gの混液に溶解させ、単量体溶液(M−3)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−3)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−3)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.53gを添加し、内温を86℃にした。
(2)その後、86℃に温度を維持させたまま、上記反応液に、連鎖移動剤として3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール(丸善油化社製)10.94gを添加し、3時間撹拌を行うことで、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール存在下での重合反応を行った。
(3)次いで、反応液を冷却した後、斯かる反応液をろ過し、純水とエタノールで洗浄した。洗浄した粒子を純水に分散させてデカンテーションを3回行い、小粒子を除いた。次いで、粒子の濃度が10質量%となるように粒子を純水に分散させた。この分散液を、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール処理粒子分散液とする。
(4)上記3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール処理粒子分散液に過酸化水素(和光純薬工業社製)4.30gを添加した後、25℃で24時間転倒混和し、粒子をスルホキシド化した。その後、この反応液をろ過し、純水で洗浄した。次いで、粒子の濃度が10質量%となるように粒子を純水に分散させた。この分散液を、スルホキシド化粒子分散液とする。
(5)改変プロテインA(Repligen製 rSPA)0.15gを、1.0Mクエン酸三ナトリウム/0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH6.6)40mLに分散させプロテインA分散液を得て、このプロテインA分散液に上記スルホキシド化粒子分散液(粒子乾燥質量換算で1g)を添加した。この分散液を25℃で5時間振とう撹拌し、プロテインAを粒子に固定した。
生成したプロテインA固定粒子を、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH7.6)で洗浄した後、1.0Mチオグリセロール/0.1M硫酸ナトリウム水溶液(pH8.3)40mLに分散させ、25℃で17時間振とう撹拌することで、過剰量のチオグリセロールで未反応のエポキシ基を開環させた。
その後、0.1Mリン酸ナトリウムバッファー(pH7.6)、0.5M水酸化ナトリウム水溶液、0.1Mクエン酸ナトリウムバッファー(pH3.2)で順次洗浄し、アフィニティ精製用担体2−1を得た。
〔実施例2−2〕
(1)実施例2−1と同様の手順で水溶液(S−3)を調製した。一方、グリシジルメタクリレート8.87g、グリセロールモノメタクリレート1.48g、およびグリセリンジメタクリレート(新中村化学工業社製)4.44gからなる単量体組成物を、2−オクタノン(東洋合成社製)20.63gおよびアセトフェノン(井上香料製造所社製)5.30gの混液に溶解させ、単量体溶液(M−4)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−3)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−4)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.53gを添加し、内温を86℃にした。
(2)その後、86℃に温度を維持させたまま、上記反応液に、連鎖移動剤として1,2−エタンジチオール(和光純薬社製)5.65gを添加し、3時間撹拌を行うことで、1,2−エタンジチオール存在下での重合反応を行った。
次いで、反応液を25℃まで冷却し、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール(丸善油化社製)を45.56g添加して30分撹拌した後に温水バスによって再び加温し、内温が85℃に到達した時点から5時間撹拌することで、グリシジルメタクリレート由来のエポキシ基を一部架橋化した。
その後、実施例2−1の工程(3)〜(5)と同様の操作を行い、アフィニティ精製用担体2−2を得た。
〔実施例2−3〕
(1)実施例2−1と同様の手順で水溶液(S−3)を調製した。一方、グリシジルメタクリレート8.79g、グリセロールモノメタクリレート1.46g、およびエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)4.40gからなる単量体組成物を、2−オクタノン(東洋合成社製)20.63gおよびアセトフェノン(井上香料製造所社製)5.30gの混液に溶解させ、単量体溶液(M−5)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−3)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−5)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.53gを添加し、内温を86℃にした。
(2)その後、86℃に温度を維持させたまま、上記反応液に、連鎖移動剤として1,3−プロパンジチオール(和光純薬社製)4.57gを添加し、3時間撹拌を行うことで、1,3−プロパンジチオール存在下での重合反応を行った。
次いで、反応液を25℃まで冷却し、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール(丸善油化社製)を45.56g添加して30分撹拌した後に温水バスによって再び加温し、内温が85℃に到達した時点から5時間撹拌することで、グリシジルメタクリレート由来のエポキシ基を一部架橋化した。
その後、実施例2−1の工程(3)〜(5)と同様の操作を行い、アフィニティ精製用担体2−3を得た。
〔実施例2−4〕
(1)実施例2−1と同様の手順で水溶液(S−3)、単量体溶液(M−3)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−3)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−3)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.53gを添加し、内温を86℃にした。
(2)その後、86℃に温度を維持させたまま、上記反応液に、連鎖移動剤として2,2’−チオジエタンチオール(丸善油化社製)9.26gを添加し、3時間撹拌を行うことで、2,2’−チオジエタンチオール存在下での重合反応を行った。
次いで、反応液を25℃まで冷却し、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール(丸善油化社製)を45.56g添加して30分撹拌した後に温水バスによって再び加温し、内温が85℃に到達した時点から5時間撹拌することで、グリシジルメタクリレート由来のエポキシ基を一部架橋化した。
その後、実施例2−1の工程(3)および(5)と同様の操作を行い、アフィニティ精製用担体2−4を得た。
〔実施例2−5〕
(1)実施例2−1と同様の手順で水溶液(S−3)、単量体溶液(M−3)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−3)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−3)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.53gを添加し、内温を86℃にした。
(2)その後、86℃に温度を維持させたまま、上記反応液に、連鎖移動剤としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)10.94gを添加し、3時間撹拌を行うことで、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)存在下での重合反応を行った。
次いで、反応液を25℃まで冷却し、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール(丸善油化社製)を45.56g添加して30分撹拌した後に温水バスによって再び加温し、内温が85℃に到達した時点から5時間撹拌することで、グリシジルメタクリレート由来のエポキシ基を一部架橋化した。
その後、実施例2−1の工程(3)および(5)と同様の操作を行い、アフィニティ精製用担体2−5を得た。
〔比較例2−1〕
(1)実施例2−1と同様の手順で水溶液(S−3)、単量体溶液(M−3)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−3)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−3)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.53gを添加し、内温を86℃にした。
(2)その後、86℃に温度を維持させたまま、3時間撹拌を行うことで、重合反応を行った。
次いで、反応液を25℃まで冷却し、1,2−エタンジチオールを45.56g添加して30分撹拌した後に温水バスによって再び加温し、内温が85℃に到達した時点から5時間撹拌することで、グリシジルメタクリレート由来のエポキシ基を一部架橋化した。
その後、実施例2−1の工程(3)〜(5)と同様の操作を行い、アフィニティ精製用担体2−6を得た。
〔比較例2−2〕
(1)実施例2−2と同様の手順で水溶液(S−3)、単量体溶液(M−4)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−3)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−4)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.53gを添加し、内温を86℃にした。
(2)その後、86℃に温度を維持させたまま、3時間撹拌を行うことで、重合反応を行い、反応液を25℃まで冷却した。
その後、実施例2−1の工程(3)および(5)と同様の操作を行い、アフィニティ精製用担体2−7を得た。
〔比較例2−3〕
(1)実施例2−1と同様の手順で水溶液(S−3)を調製した。一方、グリシジルメタクリレート8.86g、グリセロールモノメタクリレート(日油社製)0.74g、およびトリメチロールプロパントリメタクリレート5.17gからなる単量体組成物を、2−オクタノン(東洋合成社製)20.63gおよびアセトフェノン(井上香料製造所社製)5.30gの混液に溶解させ、単量体溶液(M−6)を調製した。
次いで、上記水溶液(S−3)を、500mLセパラブルフラスコ内に全量投入し、温度計、撹拌翼および冷却管を装着して、温水バスにセットし、窒素雰囲気下で撹拌を開始した。セパラブルフラスコ内に上記単量体溶液(M−6)を全量投入して、温水バスにより加温し内温が85℃に到達したところで2,2’−アゾイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)0.53gを添加し、内温を86℃にした。
(2)その後、86℃に温度を維持させたまま、上記反応液に、連鎖移動剤としてチオグリセロール(旭化学工業社製)6.26gを添加し、3時間撹拌を行うことで、チオグリセロール存在下での重合反応を行った。
次いで、反応液を25℃まで冷却し、1,2−エタンジチオールを45.56g添加して30分撹拌した後に温水バスによって再び加温し、内温が85℃に到達した時点から5時間撹拌することで、グリシジルメタクリレート由来のエポキシ基を一部架橋化した。
その後、実施例2−1の工程(3)〜(5)と同様の操作を行い、アフィニティ精製用担体2−8を得た。
〔試験例2−1 平均粒子径の測定〕
実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−3の各担体の平均粒子径を、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製 LS13320)により測定した。結果を表3に示す。
〔試験例2−2 プロテインA結合量の定量〕
実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−3の各担体に結合したリガンドであるプロテインAの結合量を、ビシンコニン酸(BCA)試薬を用いて定量した。具体的には、固形分換算で1mgの担体をテストチューブに採取し、これをThermoFisher Scientific社のBCA Protein Assay Kitで定量した。反応は、37℃で30分間、転倒混和することによって行った。検量線は、担体に結合させたプロテインAと同一のものを用いて作成した。結果を表3に示す。
〔試験例2−3 動的結合容量(DBC)測定試験〕
GEヘルスケア社製AKTAprime plusを用いて、線流速300cm/hrにおけるタンパク質(ヒトIgG抗体、Equitech Bio社製 HGG−1000)に対する実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−3の各担体のDBCを測定した。カラム容器は容量4mL(5mmφ×200mm長)のものを、タンパク質は20mMリン酸ナトリウム/150mM塩化ナトリウム水溶液(pH7.5)で5mg/mLにタンパク質を溶解したものをそれぞれ使用し、溶出先端10%ブレークスルーのときのタンパク質捕捉量とカラム充填体積からDBCを求めた。結果を表3に示す。
〔試験例2−4 HCPの定量〕
カラム容器(GEヘルスケア社製Tricorn10/50 column)に、実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−3の各担体を、充填高さ約5cmで充填してカラムを作製した。得られたカラムをGEヘルスケア社製AKTA Prime Plusにそれぞれ接続し、20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)を5カラム容量(カラム容積の5倍)、流速1mL/分にて通液し、平衡化させた。
次いで、モノクローナル抗体Trastuzumabを含有するCHO細胞培養上清を、約23mg抗体/mL担体の負荷量で、流速1mL/分にてカラムに通液した。
次いで、20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)、20mMリン酸ナトリウム/1M塩化ナトリウムバッファー(pH7.5)、および20mMリン酸ナトリウムバッファー(pH7.5)を、それぞれ5カラム容量、流速1mL/分にてカラムに順次通液した。
その後、50mMクエン酸ナトリウムバッファー(pH3.2)を、流速1mL/分にてカラムに通液し、カラム内に捕捉されていたモノクローナル抗体を溶出させ、Abs.280>100mAuの溶出フラクションを回収した。
そして、分光光度計を用い、回収したフラクション中に含有される抗体濃度(mg/mL)を測定した。また、Cygnus Technologies社製 CHO HCP ELISA kit,3Gを用い、回収したフラクション中に含有されるHost Cell Protein(HCP)の濃度(ng/mL)を測定した。さらにHCPの濃度を抗体濃度で除することにより、単位抗体量当たりのHCP量を算出し、以下の基準に従い評価した。結果を表3に示す。
(HCP定量評価基準)
AA:HCP量が1500ppm未満
A:HCP量が1500ppm以上3000ppm未満
B:HCP量が3000ppm以上
〔試験例2−5 担体の耐圧性能評価〕
実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−3の各担体を、濃度が10質量%となるように純水にそれぞれ分散させた。カラム充填後の担体の体積が20mLとなる量の分散液を、内径16mm、長さ100mmのHR(High Resolution)カラム容器に流し込み、GEヘルスケア社製AKTA Pilotを用いて、線流速450cm/hrで通液して、カラムに担体を充填した。次いで、純水を通液し、段階的に線流速を上げていき、圧力損失1.9MPaの時の線流速を測定した。この線流速を測定可能線流速とし、以下の基準に従い耐圧性能を評価した。結果を表3に示す。
(耐圧力性能評価基準)
AA:測定可能線流速が2700cm/hr以上
A:測定可能線流速が2400cm/hr以上2700cm/hr未満
B:測定可能線流速が2400cm/hr未満
Figure 2015119255
表3の結果から、重合中に多官能チオール化合物を連鎖移動触媒として添加して、固相担体を構成する高分子の末端を架橋構造(21)で互いに架橋させることによって、優れた防汚性を有し、耐圧性能に優れ、標的物質に対する動的結合容量が大きい担体が得られることが分かる。

Claims (26)

  1. 式(1)で表される2〜4価の構造を有する樹脂を含むことを特徴とする
    固相担体。
    Figure 2015119255
    〔式(1)中、
    1は、n価の有機基を示し、
    1は、それぞれ独立して、下記式(2)、(3)、(4)または(5)で表される2価の基を示し、
    nは2〜4の整数を示す。〕
    Figure 2015119255
    〔式(2)中、
    2は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示し、
    1は、チオ基、スルフィニル基、オキシ基またはイミノ基を示す。〕
    Figure 2015119255
    〔式(3)中、
    1は、前記と同義である。〕
    Figure 2015119255
    〔式(4)中、
    3は、カルボニル基または*−(C=O)−NH−を示し(*は、式(4)中のY1と結合する位置を示す)、
    1は、前記と同義である。〕
    Figure 2015119255
  2. nが2である請求項1に記載の固相担体。
  3. 1が、式(2)、(3)または(4)で表される2価の基であり、Y1が、チオ基またはスルフィニル基である請求項1または2に記載の固相担体。
  4. 更に、チオ基またはスルフィニル基と、ヒドロキシ基とを有する1価の基を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の固相担体。
  5. 前記チオ基またはスルフィニル基と、ヒドロキシ基とを有する1価の基が、式(6−1)または(6−2)で表される、請求項4に記載の固相担体。
    Figure 2015119255
    〔式(6−1)中、
    4は、炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示し、
    5は、炭素数1〜10の1価の有機基を示し、
    3は、チオ基またはスルフィニル基を示す。〕
    Figure 2015119255
    〔式(6−2)中、
    5およびY3は前記と同義である。〕
  6. 粒子である、請求項1〜5いずれか1項に記載の固相担体。
  7. 多孔質粒子である、請求項6に記載の固相担体。
  8. 更に、リガンドを固定可能な官能基を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の固相担体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の固相担体を担体とするクロマトグラフィーカラム用充填剤。
  10. 請求項8に記載の固相担体にリガンドを固定したアフィニティクロマトグラフィー用充填剤。
  11. 前記リガンドがタンパク質である請求項10に記載のアフィニティクロマトグラフィー用充填剤。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の充填剤がカラム容器に充填されているクロマトグラフィーカラム。
  13. 標的物質を含む組成物を用意する工程と、請求項12に記載のクロマトグラフィーカラムに前記組成物を通液する工程を含むことを特徴とする標的物質の精製方法。
  14. 下記式(8)で表される1価の基、下記式(9)で表される1価の基、カルボキシ基、コハク酸イミドオキシ基、ホルミル基およびイソシアネート基から選ばれる1種以上の官能基を有する固相と、下記式(10)で表される架橋剤とを接触させる工程を含むことを特徴とする固相担体の製造方法。
    Figure 2015119255
    〔式(8)中、
    7は炭素数1〜2の2価の炭化水素基を示す。〕
    Figure 2015119255
    Figure 2015119255
    〔式(10)中、
    1は、n価の有機基を示し、
    2は、チオ基、オキシ基またはイミノ基を示し、
    nは2〜4の整数を示す。〕
  15. 固相担体と、リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基と、を有するアフィニティ精製用担体であって、
    前記リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基が、固相担体に結合しており、
    前記固相担体を構成する高分子の末端の一部または全部が、下記式(21)で表される架橋構造で互いに架橋されている、
    アフィニティ精製用担体。
    Figure 2015119255
    〔式(21)中、
    21は、n2価の有機基を示し、
    21は、それぞれ独立して、チオ基、スルフィニル基またはスルホニル基を示し、
    n2は、2以上の整数を示す。〕
  16. 前記固相担体を構成する高分子が、スチレン系モノマーに由来する構造単位、ビニルケトン系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリロニトリル系モノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリレート系モノマーに由来する構造単位および(メタ)アクリルアミド系モノマーに由来する構造単位から選ばれる1種または2種以上を有する高分子である、請求項15に記載のアフィニティ精製用担体。
  17. 前記架橋構造が、固相担体の重合前或いは重合中に下記式(33)で表される多官能チオール化合物を添加して導入されるものである、請求項15または16に記載のアフィニティ精製用担体。
    Figure 2015119255
    〔式(33)中、R21およびn2は、前記と同義である。〕
  18. 前記固相担体が、固相担体の重合後に下記式(22)で表される架橋剤を添加して導入される架橋構造を更に有する、請求項17に記載のアフィニティ精製用担体。
    Figure 2015119255
    〔式(22)中、
    22は、炭素数1〜10の2価の有機基を示し、
    22およびX23は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、アミノ基またはチオール基を示す。〕
  19. 22およびX23が、チオール基である、請求項18に記載のアフィニティ精製用担体。
  20. 式(22)で表される架橋剤を添加して導入された架橋構造中のチオ基を酸化してなる、請求項19に記載のアフィニティ精製用担体。
  21. 前記リガンドまたはリガンドを結合するための反応性基が、リガンドである、請求項15〜20のいずれか1項に記載のアフィニティ精製用担体。
  22. 前記リガンドが、タンパク質またはペプチドである、請求項21に記載のアフィニティ精製用担体。
  23. 請求項15〜22のいずれか1項に記載のアフィニティ精製用担体を担体とする、
    クロマトグラフィーカラム用充填剤。
  24. 請求項23に記載の充填剤がカラム容器に充填されている、
    クロマトグラフィーカラム。
  25. 標的物質を含む組成物を用意する工程と、
    請求項24に記載のクロマトグラフィーカラムに前記組成物を通液する工程を含むことを特徴とする、
    標的物質の精製方法。
  26. 標的物質が、標的タンパク質である、請求項25に記載の精製方法。
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