JP2005517196A - エナンチオ選択的カチオン交換材料 - Google Patents

エナンチオ選択的カチオン交換材料 Download PDF

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Abstract

本発明は,キラル成分(2)及び少なくとも1種のカチオン交換基(X)から構成されたキラルセレクター(1),スペーサー(3)並びに担体(4)を含むエナンチオ選択的カチオン交換材料に関する。このカチオン交換材料は,キラル成分(2)が,1,000未満の分子量を有し,そして少なくとも1種のカチオン交換基(X)が,pKa<4.0を有する酸基であることを特徴とする。

Description

本発明は,キラル成分及び少なくとも1種のカチオン交換基から構成されたキラルセレクター(chiral selector),スペーサー並びに担体を含む,エナンチオ選択的カチオン交換材料に関する。
特に,本発明は,それらの表面で相補構造化分子(complementary structured molecule)と特別に相互作用するために,それぞれ,遊離官能性酸基又は遊離官能性酸基群を有する新規なキラルセレクター成分を有する分離材料の新しい種類を表す,カチオン対生成型及びカチオン交換型のエナンチオ選択的分子認識材料(molecular recognition material)に関する。本発明の別の主題は,カイロン,薬物物質,アミノ酸,ペプチド,タンパク質,アミノグリコシド及び他の塩基性キラル化合物を含む塩基性キラル化合物の,高度に選択的な結合及び分離,単離並びに精製のための分子認識概念に於けるそれらの使用である。
生物学的システムは,固有キラル成分,例えば,異なった方式で,内因性キラル化合物及び外因性キラル化合物の立体異性体と相互作用し得るタンパク質からなる。その結果,薬物物質,毒素,農薬又は食品添加物のような外因性化合物の立体異性体は,非常にしばしば,異なった薬物学的及び毒物学的プロフィールを有する。この影響は,例えば,薬物物質の開発者を,個々のエナンチオマーの薬物学的プロフィールを別々に研究するように強制し,また,個々のエナンチオマーとして生産され,市場に出される薬物物質の増加した数になる。このための必須条件は,エナンチオマーの生産のための製造方法の有用性並びに品質及び薬物動力学的効果の立体選択的分析用の分析ツールの有用性である。
個々のエナンチオマーは,立体選択的合成又はラセミ化合物分割によって製造することができる。後者のアプローチは,しばしば,ラセミ化合物の合成が,通常,立体選択的合成に比較して,容易に且つ比較的低コストで実施することができ,ラセミ化合物分割の方法論が,しばしば,異なった構造的に変化した種類の化合物に適用可能であるので,好ましく且つ一層広く利用可能な方法である。後者のアプローチは,また,両方のエナンチオマーが,薬物学的試験用のような純粋にエナンチオマー形で使用される場合に好ましいであろう。何れにしても,後者のアプローチは,キラルセレクター又はラセミ化合物と接触した場合に両方のエナンチオマーと立体選択的に相互作用し得るセレクター基によって変性されている官能性物質を必要とする。
(技術水準)
種々のキラル的に官能化された吸着材料は,以前に,エナンチオマー分離の目的のために開発された。このような材料がHPLCエナンチオマー分離のために使用される,エナンチオ選択的固定相及びそれぞれの方法の詳細な概説は,他のところ[M.Laemmerhofer及びW.Lindner,液体クロマトグラフィーエナンチオ分離の最近の発展。分析分離のハンドブック(Handbook of analytical separations)(シリーズ,R.M.Smith編)第1巻:薬物合成及び精製に於ける分離方法(Separation methods in drug synthesis and purification)(K.Valko編)Elsevier,アムステルダム,2000年,第337−437頁]に記載されている。ある態様又は他の態様により本発明に関連する官能化キラル材料の幾つかを,以下の章で説明する。
(低分子量キラルイオン交換体)
以前に,本発明の発明者らは,固体担体上に固定された低分子量合成塩基性キラルセレクターを有し,酸化合物からの立体異性体の分離のために使用された,アニオン交換型のキラル分離材料の発見を開示した(立体異性体の分離用のシンコナンベースのキラルセレクター(Cinchonan Based Chiral Selectors for Separation of Stereoisomers),Lindner,W.,Laemmerhofer,M.,Maier,N.M.,PCT国際特許出願公開(1997年)第WO9746557号明細書,欧州特許第912563号明細書,米国特許第6313247号明細書)。該研究の詳細な説明は,後で種々の評論中に公開された[M.Laemmerhoferら,J.Chromatogr.A,第741号(1996年)第33頁;A.Mandlら,J.Chromatogr.A,第858号(1999年)第1頁;N.M.Maierら,Chirality,第11巻(1999年)第522頁],[M.Laemmerhofer及びW.Lindner,液体クロマトグラフィーエナンチオ分離の最近の発展。分析分離のハンドブック(シリーズ,R.M.Smith編)第1巻:薬物合成及び精製に於ける分離方法(K.Valko編)Elsevier,アムステルダム,2000年,第337−437頁]によるチャプター9.2.3.2.及びその中に含まれる文献も参照。同じセレクター及びキラル固定相は,また,毛管エレクトロクロマトグラフィー(CEC)で使用された[M.Laemmerhofer及びW.Lindner,J.Chromatogr.A,第829号(1998年)第115−125頁]か又はCECで使用するために特別に適合された[M.Laemmerhoferら,Anal.Chem.,第72巻(2000年)第4614−4628頁;J.M.J.Frechet,F.Svec,M.Laemmerhofer,エナンチオ選択的分離に使用するためのエレクトロクロマトグラフィー装置及びその中で使用するためのエナンチオ選択的分離媒体(Electrochromatographic device for use in enantioselective separation and enantioselective separation medium for use therein),米国特許出願第09/645,079号明細書(2000年)]。麦角アルカロイドセレクターをベースにした関連キラル固定相が,M.Flieger,M.Sinibaldi及び同僚によって開発された,[M.Laemmerhofer及びW.Lindner,液体クロマトグラフィーエナンチオ分離の最近の発展。分析分離のハンドブック(シリーズ,R.M.Smith編)第1巻:薬物合成及び精製に於ける分離方法(K.Valko編)Elsevier,アムステルダム,2000年,第337−437頁]による文献392−395頁参照。全てのこれらのアルカロイド誘導キラル材料は,反対に帯電したキラルセレクターとアナライトとの間のイオン性相互作用を含むエナンチオ選択的キラルイオン交換機構の存在により,本発明に概念的に付随する。しかしながら,これは,本件特許出願で特許請求されているものに対して相補的であるアプローチを表し,カチオン性キラル化合物の個々のエナンチオマーが,キラルセレクターとして使用され,固体担体上に固定されるか又はポリマー主鎖材料中に含有されて,キラルアニオン交換体になることを意味する。当然に,このようなエナンチオ選択的アニオン交換体の応用性のスペクトルは,キラル酸の分離に幾分限定される。理論的に,キラル塩基からのエナンチオマーの分離を可能にするエナンチオ選択的固定相は,キラル認識の相互性の原理を適用することによって開発でき[W.Pirkleら,J.Chromatogr.,第192号(1980年)第143−158頁;W.Pirkle及びR.Daeppen,J.Chromatogr.,第404号(1987年)第107−115頁],ここで上記のキラルアニオン交換概念の酸性結合相手の単一エナンチオマーが固定される。しかしながら,実際には,該原理は,以下説明するように,容易に失敗し,その実験的実現化は平凡ではない。この点で,キラル認識の相互性の原理は,元来,これも中性セレクター及びアナライトを使用するピルクル(Pirkle)概念(上記参照)の固定相について発見され,それで,該原理を,帯電したセレクター及びアナライト種でキラルイオン交換概念にも適用するか否かは明らかでなかったことが強調されなくてはならない。
キラルアニオン交換のアプローチの成功により助けられて,本発明者らは,既に以前に実際に,該概念を塩基性アナライトにまで相互性に拡張することを試み,これは,残念ながら非常に負の結果で,低分子量キラルカチオン交換体になった[E.Veiglら,J.Chromatogr.A,第694号(1995年)第151頁]。ピルクル概念と関連して報告された成功した例とは反対に,キラル認識の相互性の原理は,非常に驚くべきことに,エナンチオ選択的イオン交換体の場合に働かなかった。相互性の原理の実現化での同様の問題点は,既に以前に,これもピルクル概念のキラル固定相を扱う幾つかの刊行物中で取り組まれた[M.H.Hyunら,J.Chromatogr.A,第922号(2001年)第119−125頁]。
Veiglらによる研究は,これまで報告されたエナンチオ選択的カチオン交換体での唯一の試みであった。しかしながら,開発された材料は完全に役に立たなかった。これらの完全に負の結果は,J.Chromatogr.[E.Veiglら,J.Chromatogr.A,第694号(1995年)第151頁]に公表された評論に記載され,説明され,このようなエナンチオ選択的カチオン交換体は,成功裡に機能する理由になり得ないという,キラル分離の分野で仕事をする科学者の間の技術的偏見に至った。これはまた,本発明者らが驚くべきことに該技術的偏見を覆すことができたまでの長期間にわたり反映されている。本発明の成功への鍵は,エナンチオ選択的カチオン交換体のキラル認識の能力が,低分子量合成キラルセレクターの増加した酸性度によって改良されるという発見であった。以前には,この発明段階は勝っておらず,適切な強い酸性官能構造要素は,成功したキラルセレクターのために必要である,他の適切な構造要素(ステレオジェン中心(stereogenic centre)と,ステレオジェン中心に対してα,β又はγ位にある主イオン相互作用部位との間の短い距離,立体バリヤー,π−π相互作用のための芳香族基)と決して組み合わされなかった。全ての上記の有利な構造的特徴と組み合わさった新規なエナンチオ選択的カチオン交換体によって,エナンチオ選択的分子認識及び異なった種類のキラル塩基のエナンチオマー分離の項目で,非常に見込みのある結果がもたらされた。好ましくは,スルホン酸基又はホスホン酸基を有するセレクターをベースにした強エナンチオ選択的カチオン交換体は,それらのエナンチオ認識の大きい能力によって,前記の評論の成功しなかった先例から明瞭に区別可能である(実施例参照)。
(キラルイオン対クロマトグラフィー)
一般的観点から,キラルイオン対クロマトグラフィーは,ともかくエナンチオ選択的イオン交換クロマトグラフィーの方法と関連しているとみなすことができる[C.Pettersson及びE.Heldinによって,液体クロマトグラフィーによるキラル分離への実際的アプローチ(A practical approach to chiral separations by liquid chromatography),G.Subramanian(編),VCH,ワインハイム(Weinheim),1994年刊,第279−310頁で検討されている]。キラル塩基を分離する目的のために,例えば,2,3,4,6−ジ−O−イソプロピリデン−2−ケト−L−グロン酸,Z−誘導アミノ酸,ジ−又はトリペプチド,10−ショウノウスルホン酸,酒石酸及び酒石酸誘導体のような酸性キラル対イオンが,移動相への添加物として使用された[C.Pettersson及びE.Heldin,液体クロマトグラフィーによるキラル分離への実際的アプローチ,G.Subramanian(編),VCH,ワインハイム,1994年刊,第279−310頁及びその中に含まれる参考文献参照]。これらのキラル対イオンは,移動相に於いてキラル塩基と共に電気的に中性のイオン対を立体選択的に形成し,逆相型の固定相のようなアキラル固定相上で異なった吸着特性を示す。二次バランスとして,キラル対イオンもこの固定相上に吸着され,そうして動的に被覆されたキラルイオン交換体を形成することができる。このようなアプローチの欠点は,殆どの検出方法において障害及び問題を起こし,製造段階の概念(preparative concept)での使用を妨げる,流出液媒体中のセレクターの存在にある。本発明に従った材料に於ける固定相へのセレクターの共有接着及びその結果の流出液媒体からのセレクターの排除は,実際に,イオン対クロマトグラフィーの方式を超えた実質的な利点を表す。
(キラル配位子置換分離材料)
分離の原理として立体選択的キレート形成を使用する,キラル配位子置換型の固定相[V.A.Davankov,J.Chromatogr.A,第666号(1994年)第55頁により並びにA.Kurganov,J.Chromatogr.A,第906号(2001年)第51−71頁により並びにM.Laemmerhofer及びW.Lindner,液体クロマトグラフィーエナンチオ分離の最近の発展。分析分離のハンドブック(シリーズ,R.M.Smith編)第1巻:薬物合成及び精製に於ける分離方法(K.Valko編)Elsevier,アムステルダム,2000年,第337−437頁により検討されている]は,ともかく前記の低分子量キラルイオン交換体と関連していると推定することができた。最も頻繁に,アミノ酸,特にプロリン誘導体は,それぞれ,キレート化剤又はキラルセレクターとして適切な担体上に動的に又は共有結合で固定され,この担体は,液体(移動)相内に溶解されている金属イオンのためにもキレート化特性を示さなくてはならないアナライトと共に混合金属錯体を選択的に形成する。本発明の材料と比較すると,一般的に,少なくとも2個の明瞭な差異が存在する。即ち,i)イオン交換型のセレクターの代わりに,キレーター(chelator)が担体上に固定される。このようなキレーターは,しばしば,プロリン,ヒドロキシプロリン又は前記のようなペニシリン誘導体のようなアミノ酸である[その構造に関して,前記のレビュー論文及びその中に含まれる文献を参照]。キラル配位子置換(CLEC)型の官能性材料は,通常,酸性官能基及び塩基性官能基を有する。ii)全体的に異なる分子認識及びSO−SA結合機構が含まれる。カチオン交換型の本発明に従った分離材料とは反対に,酸性セレクター成分とアナライトのカチオン性基との間のイオン−イオン相互作用の形成は存在しない。例えば,アミノアルコールのエナンチオマーは,CLEC型の相によって分割することができ,この場合CLEC型の相の官能性酸基は,また混合セレクター−金属−アナライト錯体中のアナライトの塩基性官能基のための電子受容体としても作用する,正に帯電した金属イオンと相互作用する。
(キラルクラウンエーテル相)
最近,Machidaらは,キラル第一級アミンからエナンチオマーを分離するための,新規なキラル固定クラウンエーテル相を開発した[Y.Machidaら,J.Chromatogr.A,第805号(1998年)第85−92頁;M.H.Hyunら,J.Chromatogr.A,第822号(1998年)第155−161頁]。このCSPのクラウンエーテル成分には,カルボン酸基が含まれている。しかしながら,巨大環状クラウンの空洞内に含まれることによって,第一級アミンは,NMR試行に示されるように,特に,アンモニウムイオンのNHとエーテル酸素との間の同時三重水素結合のために,錯化され,内側に保持されている[Y.Machidaら,J.Chromatogr.A,第810号(1998年)第33−41頁:第39頁]。Steffeck,Zelechonok及びGahmは,J.Chromatogr.A,第947号(2002年)第301−305頁に於いて,クラウンエーテルをベースにしたこのキラル固定液体クロマトグラフィー相上でのラセミ第二級アミンのエナンチオ選択的分離を記載している。
(巨大分子及び中間サイズの天然セレクターをベースにしたキラル固定相)
例えば,ウシ血清アルブミン(BSA)[S.Allenmarkら,J.Chromatogr.,第264号(1983年)第63頁],ヒト血清アルブミン(HSA)[E.Domeniciら,Chromatographia,第29巻(1990年)第170頁],α−酸性糖タンパク質(AGP)[J.Hermansson,J.Chromatogr.,第269号(1983年)第71頁]又はオボムコイド(OVM)[T.Miwaら,J.Chromatogr.,第408号(1987年)第316頁]をベースにしたタンパク質型の固定相は,巨大分子セレクターレベル上で,本発明のイオン交換型の低分子量セレクターに対する対イオンとみなすことができる[エナンチオマー分離のために使用されるタンパク質の一層詳細なリストに関して,J.Haginaka,J.Chromatogr.A,第906号(2001年)第253−273頁による検討並びにM.Laemmerhofer及びW.Lindner,液体クロマトグラフィーエナンチオ分離の最近の発展。分析分離のハンドブック(シリーズ,R.M.Smith編)第1巻:薬物合成及び精製に於ける分離方法(K.Valko編)Elsevier,アムステルダム,2000年,第337−437頁;チャプター9.2.1.2,第365−373頁による検討を参照]。タンパク質の側鎖のイオン化した官能基を,アナライトの相補的に帯電した官能基とのイオン−イオン相互作用に付すことができる。強調されるように,これらは,セレクターの分子サイズ及びタンパク質1モル当たりの高いアフィニティを有する選択的結合部位とキラル固定相との間の,得られる好ましくない比(これは,後者のために不利な負荷容量になる)によって,本発明の材料から区別される。更に,タンパク質セレクターは,生物学的資源からの完全に天然のセレクターであり,天然タンパク質由来アミノ酸から排他的に形成され,これらの差別化結合部位は,アナライトの立体的及び官能的必須条件により良く揃うように,化学的に適応させることができない。専用の誘導化及び最適化戦略は実施できない。これらは,更に,限定された化学的及び生物学的安定性,本発明に従った材料中に存在しないか又は構造単位として非天然のアミノ酸の使用によって克服される欠点を有する。
キラル分離材料の製造のために使用された,更なるものであるが異なった巨大分子天然キラルセレクターは,ヘパリン,即ちグルコサミノグリカンであり,これは,D−グルコサミンとL−イズロン酸又はD−グルクロン酸との繰り返し単位からなる変化して硫酸化された多糖類鎖の不均一混合物である。クロロキンエナチオマーが,ヘパリンをベースにしたキラル固定相を使用する,高圧液体クロマグラフィーによって分離された[A.Stalcupら,Anal.Chem.,第68巻(1996年)第13頁]。ヘパリンをベースにしたCSPは,それが変化する繰り返し単位からランダムに構成され(下記参照),また,立体障害物及びπ−π相互作用部位のような本発明のセレクターの必須構造要素を欠いているので,非常によく特性化(characterized)されているわけではない。
天然資源からのセレクターの更なるグループは,バンコマイシン,テイコプラニン,リストセチン及びアボパルシンを含む巨大環式抗生物質である[M.Laemmerhofer及びW.Lindner,液体クロマトグラフィーエナンチオ分離の最近の発展。分析分離のハンドブック(シリーズ,R.M.Smith編)第1巻:薬物合成及び精製に於ける分離方法(K.Valko編)Elsevier,アムステルダム,2000年,第337−437頁;チャプター9.2.2.2,第381−392頁並びにT.J.Ward及びA.B.Farris III,J.Chromatogr.A,第906号(2001年)第73−89頁により検討された]。同様にイオン性相互作用の能力を有するこれらの中間サイズの巨大環式セレクターから,キラル固定相が,また,例えば,バンコマイシン[D.W.Armstrongら,Anal.Chem.,第66巻(1994年)第1473頁],テイコプラニン[D.W.Armstrongら,Chirality,第7巻(1995年)第474頁]及びリストセチン[K.H.Ekborg−Ottら,Chirality,第10巻(1998年)第434頁]から開発された。主機能性機構として,巨大環式構造によって形成されるバスケットの中への包接錯体形成が,ペプチド疑似体(peptidomimetic)のペプチド鎖での多重水素結合と組み合わさって優勢であり,一方,イオン交換型の相互作用−それらが存在すれば−は,二次的に重要なものであることが示された。イオン交換型の本発明に従った低分子量合成セレクターとは対照的に,これらの天然セレクターは,それらの複雑な構造のために合成的に組み立てられず,それで両方のエナンチオマー形に利用できない。
(分子刷り込み方法により得られる,巨大分子合成キラルイオン交換体)
分離媒体が完全に合成物であり,イオン化性官能性モノマー及び相補的イオン化性マトリックス分子,所謂分子的に刷り込まれたポリマー(MIP)のマトリックス重合によって得られる,幾つかのキラル分離媒体を,該イオン交換種類の中に数えることができる。マトリックス分子がキラル化合物の個々のエナンチオマーである場合,再びマトリックスに選択的に結合することができるキラルキャビティを形成させることができる。これより前に,酸性MIPについてのカチオン交換保持機構の存在及び優位性は,Sellergren及びSheaによって確立され,これは,官能性モノマーとしてのメタクリル酸及びマトリックスとしての塩基性フェニルアラニンアニリドから製造された[B.Sellergren及びK.J.Shea,J.Chromatogr.A,第654号(1993年)第17頁]。本発明のものとの比較に於けるこれらの材料の最も顕著な差異は,結合部位の(微小)不均一性に存する。強調されるように,MIP型カチオン交換体のエナンチオ選択的結合部位は,非キラル官能性モノマーから組み立てられ,結合部位が完全に特定され,キャラクタリゼーションされる本発明に従ったエナンチオ選択的カチオン交換材料とは違って,明確でなく,不均一な結合部位になる。これは,MIPに固有の問題点である,分離材料の容量への負の影響を有する。更に詳細なことは,最近公表されたレビュー論文[B.Sellergren,J.Chromatogr.A,第906号(2001年)第227−252頁]に記載されている。
本発明と或る関係を有する非イオン交換型のキラル分離材料
多数の,低分子量合成セレクターをベースにしたキラル固定相では,本件特許出願に開示されたものと同じか又は類似のキラル構造単位(カイロン)が使用されている。しかしながら,一つの顕著な差異は,酸性官能基がエステル化又はアミド化されて,中性キラルセレクターを有する分離材料になっていることに存する。このようなCSPは,イオン化が抑制される条件下で,中性キラル化合物から又は塩基性及び酸性キラル化合物からのエナンチオマーの分離のために使用される。この概念は,ピルクル概念として知られており,開発され,ピルクル概念相として分類することができるセレクター及びキラル固定相の詳細なリストは,[M.Laemmerhofer及びW.Lindner,液体クロマトグラフィーエナンチオ分離の最近の発展。分析分離のハンドブック(シリーズ,R.M.Smith編)第1巻:薬物合成及び精製に於ける分離方法(K.Valko編)Elsevier,アムステルダム,2000年,第337−437頁,チャプター9.2.3.1.;第395−405頁;F.Gasparriniら,J.Chromatogr.A,第906号(2001年)第35−40頁並びにC.Welch,J.Chromatogr.A,第666号(1994年)第3頁]による検討の中に記載されている。最も顕著な代表の幾つかは,N−(3,5−ジニトロベンゾイル)フェニルグリシン(DNBPG)又はN−(3,5−ジニトロベンゾイル)ロイシン(DNBLeu)をベースにした相である[W.H.Pirkleら,J.Chromatogr.,第348号(1985年)第89頁並びにW.H.Pirkle及びJ.E.McCune,J.Chromatogr.,第479号(1989年)第419頁],N−DNB−3−アミノ−3−フェニル−2−tert−ブチル−プロパン酸(β−Gem1)[W.H.Pirkle及びJ.E.McCune,J.Chromatogr.,第441号(1988年)第311頁],N−(2−ナフチル)アラニン(NAP−A1)[W.H.Pirkleら,J.Org.Chem.,第51巻(1986年)第4991頁],N−(3,5−ジニトロベンゾイル)チロシン(DNB Tyr−E及びChyRoSine)[N.Bargmann−Leyderら,Chromatographia,第39巻(1994年)第673頁及びN.Bargmann−Leyderら,Anal.Chem.,第67巻(1995年)第952頁],N−{[1−(1−ナフチル)エチル]アミド}−tert−ロイシン(スミキラル(Sumichiral)OA−4600)[N.Oiら,J.Chromatogr.A,第694号(1995年)第129頁],N−DNB−α−アミノ−2,2−ジメチル−4−ペンチルホスホン酸(α−ブルケ(Burke)1)[W.H.Pirkle及びJ.A.Burke,J.Chromatogr.,第557号(1991年),第173頁]及びL−Val−L−Val−L−Val−トリペプチド[N.Oiら,J.Chromatogr.A,第722号(1996年)第229頁]をベースにした相である。ペプチドをベースにした他のCSPについての,例えば,Val−トリペプチド及びトリアジンの周りに集められたカイロンとしての1−(1−ナフチル)アミンからのCSPについての報告[A.Iulianoら,J.Chromatogr.A,第786号(1997年)第355頁]又はDNBでN−末端誘導され,組合せアプローチによって開発されたジペプチドセレクターをベースにしたN−(2−ナフチル)アラニンジエチルアミドのためのCSPについての報告[C.J.Welchら,Enantiomer,第3巻(1998年)第471頁]が存在した。再び,全てのこれらのアプローチに於いて,イオン交換機構が優勢ではなく,それによってこれらは本発明とは明らかに区別できることが強調されなくてはならない。
(他の非関連アプローチ及び材料)
カチオン交換型の従来の分離材料は,担体上に固定されたアキラル官能性酸成分を有し,それで,本発明の官能性材料とは関係がない。これらは,キラル塩基の分離のために使用できる。しかしながら,これらはエナンチオ選択的ではない。即ち,これらは,キラル塩基からエナンチオマーを分離することができない。同様に,光学的不活性ポリ(スクシンイミド)から製造された,ペプチド様ポリ(アスパラギン酸)−二酸化ケイ素収着剤(PolyCAT A)[C.N.Ouら,J.Chromatogr.,第266号(1983年)第197頁]は,タンパク質の非エナンチオ選択的カチオン交換クロマトグラフィーのために開発された。更に,該ポリ(アスパラギン酸)材料は,スルホエチルアスパルタミド変性固定相(ポリスルホエチルA)が得られるように,アキラルタウリンで変性された。これはまた,非エナンチオ選択的カチオン交換クロマトグラフィーのために使用された。これらの収着剤の官能基は,不特定の,ランダムに重合した光学的に不活性の配位子分子を表し,それで本発明に従った低分子量キラル酸セレクターから明瞭に区別でき,それによって適切に特徴付けられた構造及び追加の構造的特徴(例えば,π−π相互作用部位)が,エナンチオ選択性であるために必要である。実際に,上記のPolyCAT A及びポリスルホエチルA相は,キラル塩基のためにエナンチオ選択性ではない。
ペプチドで変性された他の固定相が,非エナンチオ選択的アフィニティクロマトグラフィー概念で使用される。このような材料の例には,合成ペプチドで変性され,免疫アフィニティクロマトグラフィーのために使用されるモノリス[G.A.Platonovaら,J.Chromatogr.A,1999年,第852号,第129−140頁],即ち,モノリスディスク及び顆粒状材料の上で直接合成され,次いで−N−末端保護基を開裂させた後に−免疫アフィニティクロマトグラフィーのために直接使用されたSer−Pro−Gly−Phe−Arg配列を有するモノリス[V.L.Korolkovら,Lett.Pept.Sci.,2000年,第7巻,第53−61頁]並びにインサイチューで製造され,免疫アフィニティクロマトグラフィーのためのペプチド配位子を含むモノリス[R.Hahnら,Anal.Chem.,第73巻(2001年)第5126−5132頁]が含まれる。
本発明は,クロマトグラフィー的固体−液体又は液体−液体方法,固体−液体又は液体−液体抽出技術及び膜分離技術を含む,異なった分取ラセミ化合物分割又はエナンチオマー分離概念に適用可能である,この種の新規なキラルセレクター及び新規な官能性材料を開示する。同様に,このキラルセレクター及び官能性材料は,また,分析エナンチオマー分離方法に於いて使用することができ,この場合に,これらは,チップ技術(chip technology)に於いてカラム液体クロマトグラフィー,超臨界流体クロマトグラフィー,毛管エレクトロクロマトグラフィーに於ける吸着材料として又はセンサー技術に於ける分子認識材料及び感受性層として組み合わせられる。
本発明に従ったエナンチオ選択的カチオン交換材料は,キラル成分及び少なくとも1種のカチオン交換基から構成されたキラルセレクター,スペーサー並びに担体を含み,キラル成分が,1,000未満の分子量を有し,そして少なくとも1種のカチオン交換基がpKa<4.0を有する酸基であることを特徴とする。
エナンチオ選択的カチオン交換材料は,好ましくは,酸基がpKa<3.5を有することを特徴とする。更に,酸基がpKa<2.5を有することが好ましい。
別の好ましい態様に於いて,本発明に従ったエナンチオ選択的カチオン交換材料は,酸基が,スルホン酸基,スルフィン酸基,リン酸基,ホスホン酸基又はホスフィン酸基であることを特徴とする。
本発明は,エナンチオ選択的カチオン交換体のキラル認識の能力が,低分子量合成キラルセレクターの増加した酸性度によって改良されるという驚くべき発見に基づいている。
カチオン対生成型及びカチオン交換型の,本発明のエナンチオ選択的分子認識材料の主標的化合物は,塩基性キラル薬物物質及び中間体(カイロン)である。キラル薬物物質の全市場シェアの高いパーセンテージには,それらを本発明の官能性分子認識材料によって分離させ易くする塩基性官能基が含まれているので,これらの物質は広範囲の応用性を有するであろう。
更に,多くの生体分子は,また,キラルであり,塩基性官能基を含み,それで本発明の官能化固体相及び材料は,それぞれまた,塩基性生体分子,特に密接に関連している類似物及び異性体形の分離のために適している。それで,この新規材料の応用領域には,アミノ酸,ペプチド,タンパク質,ヌクレオチド,アミノグリコシド及び多数の他の塩基性キラル化合物の分離が含まれる。
以下,本発明の最も重要な特徴を簡単に説明する。本発明は,図1に示されるような一般的パターンに従って,i)官能性酸基を含むキラル成分又は構造単位を含む酸性キラルセレクター,ii)スペーサー及びiii)担体又はポリマー主鎖である,少なくとも3個のモジュールを含む,カチオン交換型及びカチオン対生成型のエナンチオ選択的分子認識材料に関する。
何れにしても,本発明の官能性材料は,少なくとも1個の遊離官能性酸基(以下,X置換基と言う)を有する。X置換基は,pK<4.0(水性系全体基準;pK決定の条件に関して,実施例7参照)を有する強い酸性の官能基,例えば,スルホン酸,スルフィン酸,リン酸,ホスホン酸,ホスフィン酸,ボロン酸,アミドホスホン酸,アミドスルホン酸又は全ての他の酸基である。分子認識の観点から見て,この官能性酸基は,イオン対生成及びイオン交換機構に従った強い分子間イオン性相互作用による,カチオン性標的,アナライト又はサンプル成分との相互作用(これらは,媒体の誘電定数が低いほど強いが,水相又は水−有機液体相中でも活性である)を制御する。
カチオン交換基のpKが低下したとき,即ち,セレクターの官能性酸基の酸性度が増加したとき,セレクター−アナライト結合強度が増加することが見出された。驚くべきことに,またエナンチオ選択的結合及び分離の能力は,より強い結合によって改良された。このことは全く予想されなかった。より強いカチオン交換体は,反対に帯電したアナライトと,弱い等価物よりも強く結合するであろうと推定できるけれども,論理的結論として,より高いエナンチオ選択性は予想できなかった。反対に,実験では,過度に強く結合するアナライトは,非常に頻繁に,並のエナンチオ選択性しかもたらさないことが示されている。
酸性X置換基を有するキラル成分は,単一のエナンチオマー形にあるキラル化合物であるか又はエナンチオマー的に純粋のカイロンから構成される。一緒に,キラル成分及びX置換基は,これらが標的化合物の選択的分子認識のための情報を提供するので,本発明の官能性材料の中心を形成する低分子量キラル酸性セレクターを形成する。タンパク質のような巨大分子形成物とは反対に,キラル成分は,好ましくは,低い分子量を有し,そして典型的に,天然又は非天然の,環式又は非環式のアミノ酸,ヒドロキシカルボン酸,アミノホスホン酸,アミノホスフィン酸,アミノスルホン酸,アミノスルフィン酸,アミノボロン酸,ヒドロキシホスホン酸,メルカプトホスホン酸,ヒドロキシホスフィン酸,酒石酸誘導体,マンデル酸誘導体,ショウノウスルホン酸誘導体,線状又は環式の,天然又は非天然のペプチド,線状又は環式のスルホペプチド,線状又は環式のホスホノペプチドのようなカイロンから合成される。低分子量キラル酸性セレクターは,また,等電点以下の条件下で使用する場合に負に帯電する両性イオン性化合物であってもよい。X置換基によって作られた主イオン性相互作用部位とは別に,カチオン交換型及びカチオン対生成型の分子認識材料の最適に官能化する変形は,更に,水素−供与体−受容体基(Yによって示される)及び/又はπ−π相互作用部位(好ましくは電子求引性又は電子放出性置換基を有する芳香族基)並びにファンデルワールス型の反発及び/又は吸引相互作用のためのバルキー要素のような他の相互作用部位を示す。官能性Y置換基は,アミド,カルバマート,スルホンアミド,尿素,カルボニル,セミカルバジド,ヒドラジド若しくはスルホンイミド基又は他の類似の水素−供与体−受容体系であってよい。セレクター成分のバルキー要素及び相互作用官能基は,結合ポケットが予め形成され,極性相互作用部位がこのポケットの中心により近く配置され,疎水性バルキー基がこのポケットの縁に配置されるように組み立てられる。立体的に且つ静電的に結合条件に適合している標的アナライトは,該ポケットの中に選択的に結合することができ,他方,他のものは強い結合から排除される。
多くの応用のために,これらのセレクターは,セレクター基が,選択的に認識し,結合すべき標的化合物を含有する周りの溶液に適切に露出され,それによってこれらの結合が可能になるような方式で,担体と呼ばれる固体又は任意にまた液体マトリックス上に固定されなくてはならない。担体は,分子認識材料の化学的及び物理的安定性を保証する機能を有しながら,標的化合物の結合に関して非活性(不活性)でなくてはならない。クロマトグラフィーのような流動応用に於いて,担体又はその物理的特性は,それぞれ,材料の動力学的特性を決定する。それで,これは官能性材料の重要な成分である。本発明に於いて,担体は,無機,有機又は混合された無機−有機ハイブリッド状材料であってよい。このような担体材料には,シリカ(SiO),アルミナ(Al),ジルコニア(ZrO),チタニア(TiO),ゾル−ゲルから誘導された材料,有機−無機シリカ含有ハイブリッド材料,任意に架橋されたポリシロキサン,ビニルモノマーから得られる全てのポリマー,任意に架橋されたポリ(メタ)アクリレート,任意に架橋されたポリ(メタ)アクリルアミド,任意に架橋されたポリスチレン,混合スチレン−(メタ)アクリレートポリマー,開環メタセシスポリマー,多糖類,アガロース及び低分子量キラル酸性セレクターの固定化を許容するように特別に官能化されたこれらの材料の全てを含む化学物質から製造された,市販の及び自己開発したビーズ,モノリス又は連続材料,ナノ粒子,膜,樹脂,表面限定層が含まれる。好ましい担体の中には,シリカビーズ,ポリ(メタ)アクリレートポリマービーズ,ポリ(メタ)アクリルアミドビーズ,ポリ(メタ)アクリレートモノリス,セレクターを固定するために接着反応性基で任意に変性されたポリスチレン樹脂がある。
ポリマー主鎖又はポリマーマトリックスは,また,スペーサー及びキラル酸性セレクターが,塩基性標的化合物の選択的分子認識のために応答性であるポリマーの接着性キラル基を実際に表す場合に,担体としてみなすこともできる。
スペーサーは,主として,低分子量酸性セレクターを担体に結合させる機能を有する。スペーサーの長さ及び化学的官能度の両方は変動性である。一定の程度まで,これは,選択性に正の影響も負の影響も含めて,セレクター−アナライト結合に関与し得る。これは,セレクターの剛性及びアクセシビリティーに影響を与えることができ,それによって結合特性に影響を与えることができる。最後に,これは,官能性材料の化学安定性を決定し,特に生体分子の分離のために必須の要因である,アナライトとのそれらの適合性に影響を与えることができる。クロマトグラフィー固定相の製造のための全ての一般的な固相リンカー概念及びアプローチを,本発明の官能性材料の合成のために使用することができる。本発明のキラルカチオン交換材料の合成のために好ましい固定化戦略には,ビニル変性酸性セレクターとチオール変性担体,特にチオールプロピル変性シリカとの,ラジカル付加反応による反応が含まれる。適用することができる他の固定化概念には,ジイソシアナートリンカーとアミノ−又はヒドロキシアルキル−変性担体及びアミノ−又はヒドロキシ−変性セレクター成分との非対称反応,アミノ−,ヒドロキシ−又はチオール−変性担体とクロロ−又はブロモアルカノイル−誘導セレクターとの反応,アルコキシ−又はクロロオルガノシランとセレクター成分に結合するための末端反応性官能基との反応,アルコキシ−又はクロロヒドロシランと,ビニル基を含有するセレクターとのヒドロシリル化反応,2成分の一方とジカルボン酸無水物スペーサー成分との反応及び得られるカルボン酸官能基の続く活性化並びに第二のアミノ成分との反応による,アミノ変性担体とアミノ変性スセレクターとの結合並びに固体担体上へのキラルセレクター,タンパク質及びペプチドの固定化のために一般的に使用される多数の他の固定化戦略が含まれる。
特別の場合に,カチオン交換型のこのエナンチオ選択的分離方法は,例えば,上記のセレクター成分と長鎖アルキル基とを組み合わせることによって得られた新規な表面変性を使用することにより,逆相クロマトグラフィーのような他の分離方法と組み合わせることができ,カチオン交換型のRP−キラルハイブリッドセレクター及び専用の選択性及び分離特性を有する固相になる。
特別の利点の一つは,上記の官能性材料が,通常使用される殆ど全ての液相システムに対して耐性であることである。それで,これらの官能性材料は,水,水−有機(逆相),極性有機相及び非極性有機相(正常相)(但し,液相又は移動相には,全ての場合に,イオン交換方式で運転するために,対イオンとしてカチオン,好ましくはアンモニウム又は有機アンモニウム化合物が含有されていなくてはならない)で運転することができる。
本発明は,また,分取クロマトグラフィー固体−液体又は液体−液体方法,固体−液体又は液体−液体抽出技術及び膜分離技術に於いて,カチオン交換型及びカチオン対生成型の本発明に従った新規な分子認識材料を使用する全ての方法の応用に関する。同様に,本件特許出願の別の主題は,それらが,チップ技術に於いてカラム液体クロマトグラフィー,超臨界流体クロマトグラフィー,毛管エレクトロクロマトグラフィーに於ける吸着材料として又はセンサー技術に於ける分子認識材料及び感受性層として集積されている分析方法論に於けるそれらの応用である。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明は,カチオン交換型のエナンチオ選択的分子認識材料及びカチオン対生成型のエナンチオ選択的分子認識材料であって,無機,有機若しくはキラル化学化合物又は無機/有機ハイブリッドをベースにした材料であり,低分子量カイロン及び低分子量合成キラル酸性セレクターとしての少なくとも1種のpK<4.0(純粋に水性条件基準)を有する遊離官能性酸基から構成された材料を提供する。
このキラル酸性セレクターは,好ましくは,下記の追加の構造的特徴を,好ましくは組み合わせて示す。
・最もステレオジェン中心(stereogenic center)へ近く,酸性官能基に近接するグループである,。これは酸性官能基がステレオジェン中心に対してα,β又はγ位にあることを意味する,
・かさ高の(bulky)脂肪族,脂環式又は芳香族基である立体構造の障害物,
・π−π相互作用部位としてπ−酸性又はπ−塩基性特性を有する芳香族基。
本発明に従った官能化材料は,好ましくは,スペーサー又はテザー(tether)によって相互連結されている,低分子量キラル酸性セレクター及びポリマーマトリックスから構成され,ここで低分子量キラル酸性セレクターの官能性酸基は,スルホン酸,ホスホン酸,ホスフィン酸,リン酸,ホウ酸,ホスホン酸モノアミド,リン酸モノアミド,アミドスルホン酸及び他のものを含む群から選択することができる。
低分子量キラル酸性セレクターは,好ましくは,シリカ(SiO),アルミナ(Al),ジルコニア(ZrO),チタニア(TiO),ゾル−ゲル技術によって製造されたマトリックス,有機−無機シリカ含有ハイブリッド材料,任意に架橋されたポリシロキサン,ビニルモノマーから得られたそれぞれのポリマー,任意に架橋されたポリ(メタ)アクリレート,任意に架橋されたポリ(メタ)アクリルアミド,任意に架橋されたポリスチレン,混合スチレン−(メタ)アクリレートポリマー,開環メタセシスポリマー,多糖類,アガロースからなる群から選択され,ビーズ,モノリス又は連続材料,ナノ粒子,膜,樹脂及び表面限定層を含む群内に含まれるような形状の一つを有する固体担体上に固定される。
キラル酸セレクターは,低分子量キラル官能性酸モノマーから得られる無機,有機又は無機/有機ハイブリッド様ポリマー中に含有させることができ,ここで官能性モノマーは,例えば,ビニル化合物又はアルコキシシランであり,ポリマーは,ビーズ,モノリス又は連続材料,ナノ粒子,膜,樹脂及び表面限定層を含む群内に含まれるような形状の一つを有する。
スペーサー,リンカー又はテザーは,全ての長さ及び官能度を有するか又は一般構造−(CHni−Y−(CHnj−(式中,Yは,存在しないか又は下記に示す官能基(a)−(k)の何れかであり,そしてn,nは,1〜18の数字である)を示すことができる。
Figure 2005517196
低分子量キラル酸セレクターは,天然及び非天然の,アミノ酸,ヒドロキシカルボン酸,アミノホスホン酸,アミノホスフィン酸,アミノスルホン酸,ヒドロキシスルホン酸,アミドスルホン酸,アミノホウ酸,ヒドロキシホスホン酸,メルカプトホスホン酸,ヒドロキシホスフィン酸,アミドホスホン酸,ホスホン酸モノアミド,リン酸モノアミド,酒石酸誘導体,マンデル酸誘導体,ショウノウスルホン酸誘導体,線状若しくは環式の,天然及び非天然のペプチド,線状若しくは環式のスルホペプチド,線状若しくは環式のホスホノペプチド又は該基の成分の少なくとも1個から構成された化合物からなる群から選択することができる。
それから低分子量キラル酸性セレクターが合成されるカイロンは,上記特定されたキラル化合物の群から得られ,下記に示す一般構造(1)−(15)(式中,Xは,ホスホン酸,スルホン酸,ホスフィン酸,ボロン酸,リン酸,アミドホスホン酸,アミドスルホン酸,アミドホスフィン酸からなる群から選択することができ,Yは,上記に示す基(a)−(k)の一つを示し,そしてR,R....Rは,水素,任意に置換された,脂肪族,芳香族,芳香脂肪族,ヘテロ芳香族及び脂環式置換基からなる群からの置換基の一つである)の何れかに適合し,低分子量キラル酸性セレクターは,置換基R,R....Rの何れかを介してオリゴマー化され,重合され,固定され,グラフト化され,組み立てられ,上記に示すようなスペーサーを含む。
Figure 2005517196
低分子量キラル酸性セレクターは,好ましくは,チオール,アミノ,ヒドロキシ,カルボキシ,エポキシ,ビニル変性シリカ,ポリメタクリレートポリマービーズ及び樹脂,ポリアクリルアミドビーズ及び樹脂,触手状シリカ又は有機ポリマービーズ及び樹脂上に固定される。
低分子量キラル酸性セレクターを任意に変性された又は活性化された担体に結合するスペーサーは,チオアルキル変性担体の,セレクター成分に結合されているビニル基へのラジカル付加反応によって得ることができるか又はジイソシアナートとアミノ−若しくはヒドロキシアルキル変性担体及びアミノ−若しくはヒドロキシ変性セレクター成分との非対称反応により又はアミノ−,ヒドロキシ−又はチオール−変性担体とクロロ−若しくはブロモアルカノイル−誘導セレクターとの反応により又は2成分の一方とジカルボン酸無水物スペーサー成分との反応及び得られるカルボン酸官能基の続く活性化並びにセレクター成分にカップリングさせるための末端官能基を有する第二のアミノ成分若しくはアルコキシシランとの反応及び得られるアルコキシシラン変性セレクターのシリカゲルへの続く結合による,アミノ変性担体とアミノ変性セレクターとのカップリングにより又はセレクター固定化のために適している全ての他のアプローチにより得ることができる。
上記のX,Y及びR基又は置換基は,下記に示されるような意味を有することができる。
Figure 2005517196
Figure 2005517196
X,Y及びR基又は置換基は,下記に示されるような意味を有することができる。
Figure 2005517196
Figure 2005517196
Figure 2005517196
Figure 2005517196
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Figure 2005517196
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Figure 2005517196
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Figure 2005517196
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更に,本発明は,本明細書に記載したような官能化材料の1種の,キラル化合物の分子認識,結合及び分離のための使用であって,キラル化合物が,塩基性薬物組成物,塩基性シントン又は中間体,アミノ酸,ペプチド,タンパク質,ヌクレオチド,アミノグリコシド及び他の塩基性生体分子を含む群から選択される使用並びにこの化合物を,少なくとも1種の本明細書に記載したような官能化材料と接触させて,可逆性分子結合生成物を形成し,そしてこれらの化合物の混合物を分離する方法であって,接触させる工程及び分離する工程を,
a.液体クロマトグラフィー,毛管電気泳動,毛管エレクトロクロマトグラフィー若しくは超臨界流体クロマトグラフィーを含む液相分離技術又は
b.液−液抽出,向流液体クロマトグラフィー,遠心分布クロマトグラフィー,液−固抽出技術,担持液体膜若しくは固定部位膜技術を含む抽出方法論
の手段によって実施する方法に関する。
(実施例)
本発明を,下記の非限定実施例を参照して説明する。
(実施例1)
(S)−O−アリル−N−(3,5−ジクロロベンゾイル)−チロシン,N−DCB−O−アリル−Tyrをベースにした弱キラルカチオン交換体の合成
(a)カチオン交換型のセレクターの合成
N−Boc−(S)−チロシン(3ミリモル)(プロペプチド社(Propeptide),Vert Le Petit,フランス)を,2mLのジクロロメタン及び2mLのトリフルオロ酢酸(アルドリッチ社(Aldrich))中に溶解させ,この反応混合物を3時間室温で攪拌した。減圧下で溶媒を除去して,(S)−O−アリル−チロシンを粗製生成物として得,これを更に精製することなく次の工程で使用した。
標準的反応プロトコルに従って,3,5−ジクロロ安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを,等モル量のN−ヒドロキシスクシンイミド(アルドリッチ社)及び3,5−ジクロロ安息香酸(98%)(アクロス・オルガニックス社(Acros Organics),Geel,ベルギー)から,酢酸エチル中で,等モル量のジシクロヘキシルカルボジイミド(アルドリッチ社)の存在下で製造した。
3ミリモルの(S)−O−アリル−チロシン及び15ミリモルの重炭酸ナトリウムを,100mLの水中に溶解させた。3ミリモルの3,5−ジクロロ安息香酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを,該溶液中に激しく攪拌しながら懸濁させた。15時間後に,未反応の試薬を濾過によって除去し,濾液を1M HClの滴下添加により酸性にした。こうして生成した沈殿を,濾過によって単離し,水で洗浄した。この粗製生成物を,シリカを含むフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤として,メタノールの増加する体積含有量を有するクロロホルム−メタノール)により更に精製した(全収率85%)。
H NMR(CDCl)δ 3.25(q,2H)4.5(d,2H)5.02(q,1H)5.3(d,1H)5.4(d,1H)6.05(m,1H)6.45(d,1H)6.85(d,2H)7.05(d,2H)7.35(s,1H)7.55(s,2H)ppm。
(b)シリカ上へのセレクターの固定化
クロマシル(Kromasil)100−3.5μm(エカ・ケミカルス社(Eka Chemicals),Bohus,スウェーデンから購入した)を,トルエン中で,3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(ABCR,カールスルーエ(Karlsruhe),ドイツ)と共に還流させることによって変性した(変性した粒子の元素分析:4.58% C,1.0% H)。
続いて,(S)−N−DCB−O−アリル−Tyrを,該チオール変性収着剤に,標準的手順に従ったラジカル付加反応[M.Laemmerhofer及びW.Lindner,J.Chromatogr.A,第741号(1996年)第33頁]によって共有結合させた。キラル的に変性したシリカ粒子の元素分析により,下記の結果を得た。N−DCB−O−アリル−Tyrセレクターを有するCSP1について,15.19% C,1.73% H,0.64% N(0.44ミリモルSO/g CSPの平均SO占有率に相当)。
(実施例2)
(R)−N−(4−アリルオキシ−3,5−ジクロロベンゾイル)−1−アミノ−3−メチルブタンホスホン酸,N−(4−アリルオキシ−DCB)−LeuPをベースにした強キラルカチオン交換体の合成
(a)カチオン交換型のセレクターの合成
4−アリルオキシ−3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの合成のために,9.7ミリモルの3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸(アクロス・オルガニックス社,Geel,ベルギー),20ミリモルの水酸化カリウム及び11.6ミリモルの臭化アリル(アルドリッチ社)を,エタノール中で24時間還流させた。1.8Mの水酸化カリウム溶液でエステル副生物を加水分解させると,2M HClで酸性化することによって,カルボン酸が沈殿した。石油エーテル−メタノールからの再結晶によって,純粋のカルボン酸が92%の収率で製造された。次いで,0.5ミリモルのアリコートを,塩化チオニルと共に3時間還流させ,乾固まで蒸発させ,残留した酸クロリドを,次のアミノホスホン酸との反応のために乾燥ジオキサン中に溶解させた。
0.5ミリモルの(R)−1−アミノ−3−メチルブタンホスホン酸,即ちL−ロイシンのリン酸類似物,L−LeuP(合成に関して,他に[F.Hammerschmidt及びF.Wuggenig,Tetrahedron Asymmetr.,第10巻(1999年)第1709頁]参照)を,10mLの乾燥ジオキサン中に懸濁させた。1.5ミリモルのN,O−ビス−トリメチルシリルアセトアミド(BSA,アルドリッチ社)を添加した後,この混合物を,透明な溶液が得られるまで,70℃で3時間加熱した。その後直ぐに,0.5ミリモルのN−エチル−ジイソプロピルアミンを添加し,続いて0.5ミリモルの4−アリルオキシ−3,5−ジクロロ安息香酸クロリドを氷冷下で滴下により添加した。この反応混合物を,室温にまでゆっくり昇温させた。4時間攪拌した後,溶媒を蒸発させ,シリカ及びメタノールの増加する体積含有量でのクロロホルム−メタノール溶離剤によるフラッシュクロマトグラフィーによって粗製生成物を精製して,純粋の生成物を50%の収率で製造した。
H NMR(DMSO)δ 0.85(d,6H)1.4−1.7(m,3H)4.3(q,1H)4.6(d,2H)5.3(d,1H)5.45(d,1H)6.1(m,1H)8.0(s,2H)8.45(d,1H)。
(b)SOの固定化:実施例1bと同じ
キラル的に変性したシリカ粒子(図1参照)の元素分析により,下記の結果を得た。N−(4−アリルオキシ−DCB)−LeuPセレクターを有するCSP2について,8.02% C,1.25% H,0.3% N(0.21ミリモルSO/g CSPのSO占有率に相当)。
(実施例3)
キラル塩基のエナンチオマー分離のための,実施例1及び2の材料の使用
(a)強キラルカチオン交換体対弱キラルカチオン交換体の比較
主イオン性相互作用部位としての,ホスホン酸基によるセレクターのカルボン酸官能基の置換は,SO−SA結合エンタルピー及びエナンチオ選択率の項目に於いて有利であると推定された。非水性カチオン交換毛管エレクトロクロマトグラフィー(NA−CEC)の表1に示されるデータから,弱カチオン交換体((S)−N−DCB−O−アリル−Tyrをベースにした実施例1の材料である,CSP1)と比較して,強カチオン交換体(N−(4−アリルオキシ−DCB)−LeuPセレクターをベースにした実施例2の材料である,CSP2)の,より高いエナンチオ選択率が確認される。
Figure 2005517196
カラム寸法:250(335)×0.1mm内径,移動相:ACN−MeOH(80/20,体積%)中の50mMの2−アミノブタノール及び12mMのHCOOH;T:20℃;張力:+15kV;インジェクション:+5kV 5秒間
α=kapp2/kapp1;kapp=(t−t)/t;t(CSP1)=3.91分;t(CSP2)=4.90分
表1は,より高い酸性度を有するカチオン交換体が,著しく良好な結果をもたらすことを,明らかに示している。
(b)非水性毛管エレクトロクロマトグラフィー(NA−CEC)による,異なったβ−遮断薬のエナンチオマー分離のための,N−(4−アリルオキシ−DCB)−LeuPセレクターをベースにした強キラルカチオン交換体(CSP2)の使用
Figure 2005517196
条件は表2参照,t(アセトン)=4.9分
最初に溶離されたエナンチオマー:(S)
最初に溶離されたエナンチオマー:(−)
溶離液:ACN−MeOH(80:20,体積%)中の50mMの2−アミノブタノール及び4mMのHCOOH;t(アセトン)=4.78分
(c)非水性毛管エレクトロクロマトグラフィー(NA−CEC)による,異なった塩基性薬物組成物のエナンチオマー分離のための,N−(4−アリルオキシ−DCB)−LeuPセレクターをベースにした強キラルカチオン交換体(CSP2)の使用
Figure 2005517196
張力:+15kV,電解質:脚注b−f参照,他の条件に関して,表2参照
50mMの2−アミノブタノール,12mMのHCOOH;t(アセトン)=4.90分
10mMのTEOA,100mMのHCOOH;t(アセトン)=4.99分
10mMの2−アミノブタノール,100mMのHCOOH;t(アセトン)=5.41分
10mMの2−アミノブタノール,2.4mMのHCOOH;t(アセトン)=5.71分
50mMのTEOA,5mMのAcOH;張力:+25kV;t(アセトン)=5.32分
表2及び3は,異なった種類のキラル塩基についての,本発明に従ったカチオン交換体の応用性の広いスペクトルを明らかに示している。
(実施例4)
(R)−N−(4−アリルオキシ−3,5−ジクロロベンゾイル)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタンスルホン酸をベースにした強キラルカチオン交換体の合成
(a)セレクターの合成
スルホン酸をベースにしたキラルセレクターは,実施例2aに記載したような方法に従って,(R)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタンスルホン酸の,4−アリルオキシ−3,5−ジクロロ安息香酸クロリドを使用するN−アシル化によって合成した。溶媒を蒸発させた後,生成物を,粗製反応混合物から,tert−ブチルカルバモイルキニジンをベースにしたキラル固定相上での分取クロマトグラフィー(d=15μm;カラム寸法:250×16mm内径;溶離剤:メタノール−1.5M酢酸アンモニウム(80:20,体積%)(pH=6.0);流量:6mL/分,室温)によって単離した。クロマトグラフィー通過物の純粋画分を,カチオン交換体(ダウエックス(Dowex)50W,溶離剤として水)上で脱塩した。溶離液を蒸発させ,それによって純粋の生成物が生成された。
H NMR(DO)δ 7.6(s,2H),6.0(m,1H),5.25(d,1H),5.1(d,1H),4.45(d,2H),4.1(d,1H),2.7−3.2(m,2H),0.75(s,9H)ppm。
(b)チオール変性クロマシル100−3.5μm上へのSOの固定化
実施例1bに記載したものと同様の方法を使用した。しかしながら,溶媒として水−メタノール混合物(80:20,体積%)を使用し,開始剤として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を使用した。
100mgのセレクターを3mLの水−メタノール混合物(80:20,体積%)中に溶解させた。200mgの3−チオ−ルプロピル変性クロマシル100−3.5μmを該溶液中に懸濁させ,そして10mgの水溶性開始剤である2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を添加した。この混合物を15分間超音波処理し,Nで10分間フラッシュした。ラジカル付加反応を一晩(24時間)50℃で続けた。その後直ぐに,変性したシリカを単離し,異なった溶媒で洗浄した。
キラル的に変性したシリカ粒子の元素分析により,下記の結果を得た。10.06% C,1.62% H,(0.29ミリモルSO/g CSPのSO占有率に相当)。
(c)試験クロマトグラム:クレンブテロールエナンチオマーの分離
Figure 2005517196
NA−CECによるβ−アミノスルホン酸をベースにした強キラルカチオン交換体上のクレンブテロールのエナンチオマーの分離
カラム寸法:250×0.1mm内径(L有効=250mm,L全体=335mm),溶離剤:アセトニトリル−メタノール(80:20,体積%)中の,50ミリモル/Lのギ酸及び25ミリモル/Lの2−アミノブタノール;張力:+15kV(18.2μA);温度:20℃。
(d)エレクトロクロマトグラフィー結果
Figure 2005517196
Figure 2005517196
表4の結果は,本発明の強エナンチオ選択的カチオン交換体の応用性の極めて広いスペクトルについての強い証拠を提供する。こうして,本発明の分離の原理は,キラル塩基性化合物の,そして−トリプトファンアミドの実施例によって示されるように−またアミノ酸及びペプチドのエナンチオマー分離に,一般的に応用可能であると考えることができるツールを表す。
(実施例5)
β−アミンカルボン酸,ホスホン酸及びスルホン酸をベースにした弱キラルカチオン交換体と強キラルカチオン交換体とのクロマトグラフィー挙動の比較
Figure 2005517196
CSP3 tert−ブチル,(S)−立体配置
CSP4 tert−ブチル,(S)−立体配置
CSP5 (R)−立体配置
CSP7 tert−ブチル
R又はSであるステレオジェン中心を示す。
Figure 2005517196
カラム寸法:250×0.1mm内径(L有効=250mm,L全体=335mm),溶離剤:アセトニトリル−メタノール(80:20,体積%)中の,50ミリモル/Lのギ酸及び25ミリモル/Lの2−アミノブタノール;張力:+15kV;温度:20℃。
カルボン酸等価物(CSP3)とスルホン酸等価物(CSP4)との直接比較(表5)は,全ての試験サンプルに於いてCSP4について,より高い溶解値(R)によって示されるような,より強いカチオン交換体の実質的に増加したエナンチオ分離能力を示している。
(実施例6)
それぞれ,ペプチド誘導セレクター又はCSPの合成
Figure 2005517196
(a)それぞれのスルホン酸ジペプチドへの(Cys−Leu)の酸化
0.5mLのH(水中30%)を9.5mLのギ酸と,2時間室温で混合することによって,過ギ酸溶液を新たに製造する。酸化された二量体(Cys−Leu)ジペプチドを,ギ酸−メタノール(5:1,体積%)中に溶解させる(40mg/mL)。この二つの溶液を0℃に冷却し,その後,このペプチド溶液を,過ギ酸に滴下により添加する。次いで,この溶液を0℃で2.5時間攪拌する。反応を停止させるために,この反応混合物に氷を添加する。その後直ぐに,溶媒を蒸発によって除去する。
(b)4−アリルオキシ−3,5−ジクロロ安息香酸ヒドロキシスクシンイミドエステルによるアシル化
0.5ミリモルのスルホン酸ジペプチドを,25mLの水中に激しく攪拌しながら溶解させた。10mLの水中に溶解させた7ミリモルのNaHCO及び0.7ミリモルの4−アリルオキシ−3,5−ジクロロ安息香酸ヒドロキシスクシンイミドエステルを逐次的に添加した。この反応混合物を室温で16時間激しく攪拌した。溶媒を蒸発させた後,生成物を,粗製反応混合物から,tert−ブチルカルバモイルキニジンをベースにしたキラル固定相上での分取クロマトグラフィー(d=15μm;カラム寸法:250×16mm内径;溶離剤:メタノール−1.5M酢酸アンモニウム(80:20,体積%)(pH=6.0);流量:6mL/分,室温)によって単離した。生成物を含有するクロマトグラフィー通過物の純粋画分を乾固まで蒸発させ,水中に溶解させ,カチオン交換体(ダウエックス50W,溶離剤として水)上で脱塩した。溶離液を乾固まで蒸発させ,それによって純粋のN−(4−アリルオキシ−3,5−ジクロロベンゾイル)−CySOH−Leu−ジペプチド生成物が生成された。
(b)チオール変性クロマシル100−3.5μm上へのSOの固定化:実施例4b参照。
(実施例7)
pK値(水性条件基準,pKa aq)の決定
(a)水性条件下
1ミリモルの酸を,100mLの水中に溶解させ,0.1モル/LのNaOH溶液で電位差滴定により滴定する。pKは,滴定曲線を実験データで配置調整(アラインニング)し,最良配置(アラインメント)を有する曲線についてpKを得ることによって決定する。
(b)混合水−有機条件下
純粋に水性条件下で可溶性ではないセレクターのpK−値を,24℃で,シリウス・アナリティカル・インスツルメンツ社(Sirius Analytical Instruments Ltd.)(イーストサセックス(East Sussex),英国)のシリウス滴定器で,異なったメタノール−水比で滴定した。次いで,実施例7aの値に匹敵するpK値を,ヤスダ−シェドロブスキー(Yasuda−Shedlovsky)法を使用して,0%有機補助溶媒の方に逆外挿することによって得た。
(実施例8)
キラル有機カチオン交換ポリマービーズの合成
Figure 2005517196
(a)チオール変性ポリメタクリレートビーズ
10gのポリ(グリシジルメタクリレート−共−エチレンジメタクリレート)ポリマービーズ(スプレマ(Suprema)1000u)を,100mLのメタノール中に懸濁させ,10分間超音波処理して,全ての凝集体を破壊して,均一な懸濁液を得た。この懸濁液を,機械式攪拌機を取り付けたフラスコに移した。30mLのメタノール中に溶解させた,80ミリモル(=9.4mL)の1,4−ブタンジチオール及び80ミリモル(=4.48g)の水酸化カリウムを添加した。この反応混合物を室温で窒素雰囲気下で72時間攪拌した。その後直ぐに,ポリマー粒子を濾過し,メタノール,THF,クロロホルム及びジエチルエーテル(それぞれの場合に2回)で十分に洗浄し,乾燥させた。元素分析によって8.0%(重量%)のSが得られ,これは1.25ミリモルのチオール/ポリマーgの占有率に等しい。
(b)チオール変性有機ポリマービーズ上への,(R)−N−(4−アリルオキシ−3,5−ジクロロベンゾイル)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタンスルホン酸の固定化
0.5gのチオール変性ポリマー粒子を,25mLの水−メタノール混合物(80:20,体積%)中に溶解させ,10分間超音波処理し,機械式攪拌機及び凝縮冷却器を取り付けたフラスコに移した。300mgの(R)−N−(4−アリルオキシ−3,5−ジクロロベンゾイル)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタンスルホン酸及び開始剤としての30mgの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を添加した。この反応混合物を窒素雰囲気下で18時間還流させた。この粒子を,水−メタノール,メタノール,クロロホルム及びジエチルエーテルで十分に洗浄し,乾燥させた。元素分析によって,102μモル/ポリマーgのセレクター占有率が得られた。
本発明に従ったキラルセレクターの構造を概略で示す。
符号の説明
1 キラルセレクター
2 キラル成分
X カチオン交換基
3 スペーサー
4 担体

Claims (4)

  1. キラル成分(2)及び少なくとも1種のカチオン交換基(X)から構成されたキラルセレクター(1)と,スペーサー(3)と,担体(4)と,を含むエナンチオ選択的カチオン交換材料であって:
    前記キラル成分(2)が,1,000未満の分子量を有し,
    前記少なくとも1種のカチオン交換基(X)が,pKa<4.0を有する酸基であることを特徴とする,エナンチオ選択的カチオン交換材料。
  2. 酸基がpKa<3.5を有することを特徴とする,請求項1に記載のエナンチオ選択的カチオン交換材料。
  3. 酸基がpKa<2.5を有することを特徴とする,請求項2に記載のエナンチオ選択的カチオン交換材料。
  4. 酸基が,スルホン酸基,スルフィン酸基,リン酸基,ホスホン酸基又はホスフィン酸基であることを特徴とする,請求項1〜3の何れかに記載のエナンチオ選択的カチオン交換材料。

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