JP2015129121A - 3,6−ジヒドロ−1,3,5−トリアジン誘導体の鏡像異性体の分離方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、式Iの化合物及びその酸付加塩の鏡像異性体のラセミ体及び非ラセミ体混合物をクロマトグラフィ分離する方法であって、その分離をキラルイオン交換材料上で行うことを特徴とする方法に関する。
但し、R1、R2は、各々互いに独立して、H又はAを意味し、
R3、R4は、各々互いに独立して、H、A、2〜10個のC原子を有するアルケニル、2〜10個のC原子を有するアルキニル、Ar又はHetを意味し、
R5及びR6は、また、一緒になって、2、3、4又は5個のC原子を有するアルキレンを意味し、
R5、R6は、各々互いに独立して、H、A、(CH2)nAr、(CH2)mOAr、(CH2)mOA又は(CH2)mOHを意味し、
R5及びR6は、また、一緒になって、2、3、4又は5個の炭素原子を有するアルキレンを意味し、ここでは、1つのCH2基が、O、NH若しくはNAによって置き換えられていてもよく、及び/又は1つのH原子が、OHによって置き換えられていてもよい。
R3、R4は、各々互いに独立して、H、A、2〜10個のC原子を有するアルケニル、2〜10個のC原子を有するアルキニル、Ar又はHetを意味し、
R5及びR6は、また、一緒になって、2、3、4又は5個のC原子を有するアルキレンを意味し、
R5、R6は、各々互いに独立して、H、A、(CH2)nAr、(CH2)mOAr、(CH2)mOA又は(CH2)mOHを意味し、
R5及びR6は、また、一緒になって、2、3、4又は5個の炭素原子を有するアルキレンを意味し、ここでは、1つのCH2基が、O、NH若しくはNAによって置き換えられていてもよく、及び/又は1つのH原子が、OHによって置き換えられていてもよい。
Arは、フェニル、ナフチル又はビフェニルを意味し、ただし、これらの各々は、無置換であるか、あるいはHal、A、OA、OH、COOH、COOA、CN、NH2、NHA、NA2、SO2A及び/又はCOAにより1置換、2置換又は3置換されている。
Hetは、1〜4個のN原子、O原子及び/又はS原子を有する単環式、二環式又は三環式の不飽和又は芳香族複素環を意味し、ただし、これは、無置換でもよく、あるいはHal、A、OH、OA、NH2、(CH2)nAr、NHA、NA2、COOH、COOA及び/又は=O(カルボニル酸素)により1置換、2置換又は3置換されていてもよい。
Aは、1〜10個のC原子を有する非分岐又は分岐のアルキル基を意味し、ここでは、1〜7個のH原子がF、又は3〜7個のC原子を有する環状アルキルで置き換えられていてもよい。
Halは、F,Cl、Br又はIを意味し、mは、1、2、3、4、5又は6を意味し、nは、0、1又は2を意味する。
式Iの化合物は、インシュリン抵抗症候群を伴う疾患の治療に役立つ。
ジアステレオマー塩の塩形成及び分離によって、式Iの化合物のラセミ体を光学分割する方法は、WO2004/098817により公知である。
驚くべきことに、ジヒドロ−1,3,5−トリアジンアミン誘導体を分離する過程の研究において、式Iの化合物が、従来技術と比較して、かなり高い収率かつより高い鏡像体過剰率で得られることが分かった。
特に、4−アミノ−3,6−ジヒドロ−2−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン化合物は、本発明に従って調製される。
超臨界HPLCを利用したキラル相上での鏡像異性体の分析分離に関するこれまでに知られた従来技術(WO2004/098817に記載されている)と対照的に、驚くべきことに、標準HPLCを利用した2つの鏡像異性体の測定のための分析法が意外にも見つけられた。この方法は、その分離のために特別な装置はもはや必要ないという利点を有する。
移動相は、典型的には、例えばメタノール、エタノール、水、イソプロパノール、及び酸性又は塩基性の緩衝塩等の極性溶媒からなる。移動相は、典型的には、0.01%〜2%のこの酸性又は塩基性の緩衝塩を含んでいる。
固定相は、典型的には、シリカゲルに結合された、オリゴ糖、多糖、又は大環状糖タンパク質の群から選ばれるキラル担体である。この種の担体は、ダイセル(Daicel)社からChiralcel(登録商標)、キラルセップ(Chiralsep)社からChirose(登録商標)、及びアステック(Astec)社からChirobiotic(登録商標)の商品名で市販されている。
上記又は下記において、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6基は、他に明示的に示さない限り、式Iにおいて示された意味を有する。
また、式Iは、例えば鏡像異性体のような光学活性型(立体異性体)を包含する。
好ましい出発原料としてのメトホルミンは、以下の構造を有する。
Aは、非分岐状(直鎖状)又は分岐状で、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のC原子を有するアルキルを意味する。好ましくはメチルを意味し、さらには、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル又はtert−ブチルを意味する。またさらに、ペンチル、1−、2−又は3−メチルブチル、1,1−、1,2−又は2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−又は4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−又は3,3−ジメチルブチル、1−又は2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−又は1,2,2−トリメチルプロピルを意味し、より好ましくは、例えばトリフルオロメチルを意味する。
Aは、さらにより好ましくは、1、2、3、4、5又は6個のC原子を有するアルキルを意味し、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル又は1,1,1−トリフルオロエチルを意味する。
さらに特に好ましくは、メチルを意味する。
環状アルキル(シクロアルキル)は、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを意味する。
アルケニルは、2、3、4、5又は6個のC原子を有し、好ましくは、ビニル、プロペニル又はヘキセニルを意味する。
アルキニルは、2、3、4、5又は6個のC原子を有し、好ましくは、C≡CH又はC≡C−CH3を意味する。
Arは、例えばo−、m−又はp−トリル、o−、m−又はp−エチルフェニル、o−、m−又はp−プロピルフェニル、o−、m−又はp−イソプロピルフェニル、o−、m−又はp−tert−ブチルフェニル、o−、m−又はp−ヒドロキシフェニル、o−、m−又はp−アミノフェニル、o−、m−又はp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−又はp−(N−メチルアミノカルボニル)−フェニル、o−、m−又はp−メトキシフェニル、o−、m−又はp−エトキシフェニル、o−、m−又はp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−又はp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−又はp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−又はp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−又はp−フルオロフェニル、o−、m−又はp−ブロモフェニル、o−、m−又はp−クロロフェニル、o−、m−又はp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−又はp−シアノフェニル、o−、m−又はp−カルボキシフェニル、o−、m−又はp−メトキシカルボニルフェニル、o−、m−又はp−アセチルフェニルを意味する。さらに好ましくは、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−若しくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−若しくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−若しくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−若しくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−若しくは3,4−ジメトキシフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−若しくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−若しくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル又は2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを意味する。
Arは、特に好ましくは、フェニル、ヒドロキシフェニル又はメトキシフェニルを意味する。
Hetは、さらなる置換基の存在に拘らず、例えば2−又は3−フリル、2−又は3−チエニル、1−、2−又は3−ピロリル、1−、2−、4−又は5−イミダゾリル、1−、3−、4−又は5−ピラゾリル、2−、4−又は5−オキサゾリル、3−、4−又は5−イソオキサゾリル、2−、4−又は5−チアゾリル、3−、4−又は5−イソチアゾリル、2−、3−又は4−ピリジル、2−、4−、5−又は6−ピリミジニルを意味する。さらにより好ましくは、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−又は−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−又は5−イル、1−又は5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−又は−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−又は−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−又は−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−又は−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−又は−5−イル、3−又は4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−インドリル、4−又は5−イソインドリル、インダゾリル、1−、2−、4−又は5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−又は7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−又は7−ベンズオキサゾリル、3−、4−、5−、6−又は7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−又は7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−又は7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−又は7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−又は8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−又は8−キナゾリニル、5−又は6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−又は8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニルを意味する。さらに好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−若しくは−5−イル、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イル又はジベンゾフラニルを意味する。
複素環基は、部分的に又は完全に水素化されていてもよい。したがって、Hetはまた、さらなる置換基の存在に拘らず、例えば2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−又は−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−又は5−フリル、テトラヒドロ−2−又は−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−又は−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−又は−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−又は−5−ピロリル、1−、2−又は3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−又は−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−又は−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−又は−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−又は−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−又は−6−ピリジル、1−、2−、3−又は4−ピペリジニル、2−、3−又は4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−又は−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−又は−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−又は−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−又は−5−ピリミジニル、1−、2−又は3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−又は−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−又は−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−又は8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニルを意味する。さらに好ましくは、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−若しくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニル、又は3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−若しくは−7−イルを意味する。さらに好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニル、3,4−ジヒドロ−2−オキソ−1H−キナゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾキサゾリル、2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾキサゾリル、2,3−ジヒドロベンズイミダゾリル、1,3−ジヒドロインドール、2−オキソ−1,3−ジヒドロインドール、又は2−オキソ−2,3−ジヒドロベンズイミダゾリルを意味する。
好ましくは、Hetは、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキザゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、インダゾリル又はベンゾ−2,1,3−チアジアゾリルを意味する。これらは、無置換であるか、A、COOA、Hal及び/又は=O(カルボニル酸素)で1置換、2置換又は3置換されている。
R1、R2は、好ましくは、Aを意味し、R3、R4は、好ましくはHを意味し、R5は、好ましくはHを意味し、R6は、好ましくはAを意味する。
さらに特に好ましくは、R1、R2はメチルを意味し、R3、R4はHを意味し、R5はHを意味し、R5はメチルを意味する。
式Iの塩基は、酸を用いて、例えばエタノール等の不活性溶媒中で塩基と酸との等量反応及びその後のエバポレーションにより、対応する酸−付加塩に変換することができる。特に、この反応に適している酸は、生理的に受け入れられる塩を生成するものである。したがって、無機酸、例えば硫酸、硝酸、塩化水素酸又は臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、オルトリン酸等のリン酸、スルファミン酸を用いることができる。さらには有機酸、特に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族又は複素環の、一又は多塩基の、カルボン酸、スルホン酸又は硫酸を用いることができる。例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタン−又はエタン−スルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノ−及びジスルホン酸、ラウリル硫酸を用いることができる。生理的に受け入れられない酸の塩、例えばピクリン酸塩は、式Iの化合物の単離及び/又は精製のために用いることができる。
原理的には、鏡像異性体は、キラル吸着剤上で分離することができる。多数のキラル吸着剤が当業者に知られており、例えば光学活性側鎖を有する、セルロース誘導体、シクロデキストリン又はポリ(メタ)アクリルアミド誘導体がある。この種のキラル吸着剤及びその使用は、例えば「液体クロマトグラフィによる鏡像異性体分離の最近の動向
(Recent developments in liquid chromatographic enantioseparation),M.Lammerhofer,W.Lindner,Handbook of analytical separations(Vol.1):Separation methods in drug synthesis and purification(K.Valko,Editor),Elsevier,NL,2000」、又は「鏡像異性体分離(Enantiomer Separation),M.Lammerhofer,N.M.Maier,W.Lindner,in:L.R.Snyder,J.J.Kirkland,J.W.Dolan(Editors),Introduction to Modern Liquid Chromatography,3rd edition,John Wiley,Hoboken,NJ,USA,2009」に開示されている。
(Recent developments in liquid chromatographic enantioseparation),M.Lammerhofer,W.Lindner,Handbook of analytical separations(Vol.1):Separation methods in drug synthesis and purification(K.Valko,Editor),Elsevier,NL,2000」、又は「鏡像異性体分離(Enantiomer Separation),M.Lammerhofer,N.M.Maier,W.Lindner,in:L.R.Snyder,J.J.Kirkland,J.W.Dolan(Editors),Introduction to Modern Liquid Chromatography,3rd edition,John Wiley,Hoboken,NJ,USA,2009」に開示されている。
しかしながら、驚くべきことに、この種類の化合物の分離が、イオン交換材料の上でも可能であることが分かった。
エナンチオ選択的分離のためのこの種の交換材料は、例えばWO03/068397A1に記載されている。
本発明に係る課題を解決するエナンチオ選択性イオン交換材料の特徴について、以下説明する。使用されるイオン交換材料は、実質的に、i)陰イオン性又は両イオン性のキラルセレクタ、ii)担体、及びiii)キラルセレクタを担体に結合させるリンカーから構成される。
陰イオン性又は両イオン性のキラルセレクタは、少なくとも一つの酸機能を有する鏡像異性的に純粋な形態でのキラル骨格からなり、ここでの酸機能は、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、又はホスフィン酸基である。この酸基は、キラルセレクタ又はイオン交換材料と、分離される式Iの化合物とのイオン相互作用を引き起こす。キラル骨格は、キラル中心、キラル軸、キラル平面、及びキラル螺旋の群からの少なくとも1つのキラル要素を含んでいる。また、キラル骨格は、明確な立体異性体の形態で適用され、ここでのキラル骨格の立体化学的純度は、できる限り高くすべきである。キラルセレクタは、しばしば、複数のキラル中心の結合により形成され、それによって多くの明確な立体異性体が生じる。骨格中のキラル要素やキラル要素の組合せは、エナンチオ選択性イオン交換材料のキラル認識能の基礎となる。キラルイオン交換骨格は、好ましくは、天然又は合成の、環状又は非環状の、アミノ酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノスルホン酸、アミノホスホン酸、アミノホスフィン酸、アミノスルフィン酸、ヒドロキシホスホン酸、ヒドロキシホスフィン酸、ケトスルホン酸、酒石酸、カンファースルホン酸、マンデル酸、硫酸化合物、ペプチド又はスルホペプチドの群からの低分子量化合物である。
低分子量イオン交換セレクタは、使用条件下で少なくとも1つの帯電した酸性基を運ぶ両性化合物でもよい。さらに、式Iの目的化合物の鏡像異性分離のための効果的なキラルイオン交換セレクタを区別する典型的な構造要素は、追加的な水素ドナ−アクセプタ基(例えばアミド、カルバミン酸塩、スルホンアミド、尿素、カルボニル、セミカルバジド、ヒドラジド、若しくはスルホンイミド基、又は他の水素ドナ−アクセプタ系)、π−π相互作用点(すなわち、好ましくは電子吸引性又は電子供与性の官能基を有する芳香族基)、及び任意成分である立体相互作用又はファンデルワールス相互作用のための嵩高い基である。これらの二次的な相互作用力は、しばしば立体選択的であると言われ、分離される目的化合物の二つの鏡像異性体に異なる親和力を引き起こす。
多くの適用において、キラルイオン交換セレクタは、固体又は場合によっては液体の担体上に固定化されなければならない。好適な担体は、無機、有機、又は無機/有機ハイブリッド材料である。担体は、微粒子又はモノリス材料の群から製造され、その材料としては、シリカゲル(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、チタニア(TiO2)、他のゾル−ゲル材料、有機/無機−炭素/シリコン含有ハイブリッド材料が挙げられ、場合によっては架橋ポリシロキサン、場合によってはポリ(メタ)アクリルレートの群からの架橋有機ポリマー、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリスチレン、「開環メタセシス」ポリマー、これらの有機ポリマーの混合物、多糖、アガロース及びセラミック材料が挙げられる。担体は、60Å〜1000Åの平均細孔幅を有する多孔質材料が好ましいが、1000Åより大きい細孔幅を有する非多孔質又は超多孔質の材料もまた好ましい。
リンカーは、セレクタを担体の表面に固定し、セレクタを目的化合物と相互作用しやすい状態にする機能を有する。リンカーは、通常、キラルの認識及び分離に間接的にのみ関与しているので、リンカーは長さも化学構造も両方とも可変である。幾つかの場合、すなわち、単量体または重合体の状態のイオン交換セレクタが担体の表面上へ直接被覆される場合には、リンカーは不要である。従来の固相リンカーの考え方は全て用いることができる。典型的な固定化方法では二官能性リンカーを用い、先ず初めにリンカーを1つの官能基によって担体に固定し、第2段階でその変性担体の反応性固定基を介してキラルイオン交換セレクタと化学的に反応させることで、リンカーは担体上に固定される。したがって、二重結合を有するイオン交換セレクタは、例えばチオール変性シリカゲルに共有結合することができる。
その後に行われる担体の表面へのブラシ状固定の他に、グラフト重合び同様の重合固定法等の考え方もあり得る。キラルイオン交換セレクタは、インサイチュー共重合によって担体中に組み込み、固定できる。
結果として生じる被覆密度は、好ましくは、100〜1000μmol(イオン交換セレクタ)/g(固定相)である。
使用される溶離液としては、次のものが好ましい。
i)メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、THF、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、tert−ブチルメチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、又はこれらの溶媒の2成分、3成分、4成分の混合物(共・対イオンを添加したもの、若しくは、イオン発生用添加剤(ionogenic additives)を含まないもの)の群からの有機溶媒、
ii)水性媒体であって、緩衝剤を添加したもの又は添加しないものであり、かつ、i)で規定される群からの混和性の極性有機溶媒を含むもの又は含まないもの、
iii)超臨界又は臨界前のCO2であって、i)で規定される有機溶媒を含むもの又は含まないものであり、かつ、共・対イオンを添加したもの又はイオン発生用添加剤を含まないもの。
i)メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、THF、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、tert−ブチルメチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、又はこれらの溶媒の2成分、3成分、4成分の混合物(共・対イオンを添加したもの、若しくは、イオン発生用添加剤(ionogenic additives)を含まないもの)の群からの有機溶媒、
ii)水性媒体であって、緩衝剤を添加したもの又は添加しないものであり、かつ、i)で規定される群からの混和性の極性有機溶媒を含むもの又は含まないもの、
iii)超臨界又は臨界前のCO2であって、i)で規定される有機溶媒を含むもの又は含まないものであり、かつ、共・対イオンを添加したもの又はイオン発生用添加剤を含まないもの。
用いられる添加剤は、揮発性であることが好ましい。成分の溶出は、好ましくは一定組成モードで行われるが、勾配−溶出モードで行うこともできる。
分離は、バッチモードでのリサイクルクロマトグラフィによる不連続な試料注入と連続的な溶出を伴う従来のゾーン−溶出クロマトグラフィ法、又は連続クロマトグラフィ法(例えば疑似移動床SMB技術)により行うことができる。
クロマトグラフィ分離は、HPLC、UPLC、SFC技術によって行うことができる。
本発明に係る方法では、分離に用いられたラセミ体混合物に基づいて、ee>98%でほぼ50%の収率が得られる。
〔実施例1〕
本発明に係る方法では、例えば担体材料としてのシリカゲルに担持された、以下の化学構造を有するキラルイオン交換材料を用いることができる。カチオン交換サイトにおける対イオンX−の種類は、移動相中の緩衝塩の種類に依存する。
本発明に係る方法では、例えば担体材料としてのシリカゲルに担持された、以下の化学構造を有するキラルイオン交換材料を用いることができる。カチオン交換サイトにおける対イオンX−の種類は、移動相中の緩衝塩の種類に依存する。
このイオン交換材料を用いることで、式Iの化合物のラセミ体について以下のクロマトグラフィ分離を行うことができる。
但し、R1、R2は、メチルを意味し、R3、R4は、Hを意味し、R5は、Hを意味し、R6は、メチルを意味する。
但し、R1、R2は、メチルを意味し、R3、R4は、Hを意味し、R5は、Hを意味し、R6は、メチルを意味する。
実験条件:
カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:240nm、移動相:アセトニトリル/メタノールの9/1(v/v)中における50mMのギ酸及び25mMのジエチルアミン。
カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:240nm、移動相:アセトニトリル/メタノールの9/1(v/v)中における50mMのギ酸及び25mMのジエチルアミン。
溶出の順序は、絶対鏡像異性配置を有するイオン交換材料に換えることによって逆にすることができる。
左:上記(1R,2R)−構造を有するイオン交換材料、
右:上記(1S,2S)−構造を有するイオン交換材料、
実線:ラセミ体の分離、破線:個々の鏡像異性体の溶出。
右:上記(1S,2S)−構造を有するイオン交換材料、
実線:ラセミ体の分離、破線:個々の鏡像異性体の溶出。
実験条件:
カラム寸法:100×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:240nm、移動相:メタノール中における10mMのNH4Cl。
カラム寸法:100×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:240nm、移動相:メタノール中における10mMのNH4Cl。
〔実施例2〕
式Iの化合物のラセミ体の分離のために、上述のイオン交換材料を用いた本発明に係る方法のさらなる実施例である。
式Iの化合物のラセミ体の分離のために、上述のイオン交換材料を用いた本発明に係る方法のさらなる実施例である。
但し、a)において、R1は、アリルを意味し、R2は、メチルを意味し、R3、R4は、Hを意味し、R5は、Hを意味し、R6は、メチルを意味する。
b)において、R1、R2は、メチルを意味し、R3は、アリルを意味し、R4は、Hを意味し、R5は、Hを意味し、R6は、メチルを意味する。
実験条件:
カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:240nm、移動相:メタノール中における50mMのギ酸及び25mMのジエチルアミン。
カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:240nm、移動相:メタノール中における50mMのギ酸及び25mMのジエチルアミン。
〔実施例3〕
式Iの化合物のラセミ体の分離のために、以下の化学構造を有する両イオン性のイオン交換材料を用いた本発明に係る方法のさらなる実施例である。
式Iの化合物のラセミ体の分離のために、以下の化学構造を有する両イオン性のイオン交換材料を用いた本発明に係る方法のさらなる実施例である。
但し、a)において、R1、R2は、メチルを意味し、R3、R4は、Hを意味し、R5は、Hを意味し、R6は、メチルを意味する。
b)において、R1、R2は、メチルを意味し、R3は、アリルを意味し、R4は、Hを意味し、R5は、Hを意味し、R6は、メチルを意味する。
実験条件:
カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:240nm、移動相:メタノール中における50mMのギ酸及び25mMのアンモニア。
カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:240nm、移動相:メタノール中における50mMのギ酸及び25mMのアンモニア。
〔実施例4〕
式Iの化合物のラセミ体の予備的な分離のために、担体材料としてのシリカゲルに担持された、以下の化学構造のキラルイオン交換材料を用いた本発明に係る方法の実施例である。カチオン交換サイトにおける対イオンX−の種類は、移動相中の緩衝塩の種類に依存する。
式Iの化合物のラセミ体の予備的な分離のために、担体材料としてのシリカゲルに担持された、以下の化学構造のキラルイオン交換材料を用いた本発明に係る方法の実施例である。カチオン交換サイトにおける対イオンX−の種類は、移動相中の緩衝塩の種類に依存する。
但し、R1は、アリルを意味し、R2は、メチルを意味し、R3、R4は、Hを意味し、R5は、Hを意味し、R6は、メチルを意味する。
以下のクロマトグラムの実験条件:
カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:254nm(実線)、280nm(破線)、移動相:アセトニトリル/メタノールの4/1(v/v)中における50mMの酢酸及び25mMのアンモニア、サンプル濃度:113mg/ml、注入量:26.5μl。
カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:254nm(実線)、280nm(破線)、移動相:アセトニトリル/メタノールの4/1(v/v)中における50mMの酢酸及び25mMのアンモニア、サンプル濃度:113mg/ml、注入量:26.5μl。
最初に溶出された鏡像異性体の収集留分(12.20〜13.85min)は、縦点線で示されている。
収集留分の鏡像異性体純度は、キラルイオン交換材料の分析によって測定することができる。
以下のクロマトグラムの実験条件:
イオン交換材料の絶対配置:(1S,2S)、カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:254nm、移動相:メタノール中における50mMの酢酸及び25mMのアンモニア。
イオン交換材料の絶対配置:(1S,2S)、カラム寸法:150×4mmI.D.、粒径:5μm、温度:25℃、流量:1.0ml/min、検出:254nm、移動相:メタノール中における50mMの酢酸及び25mMのアンモニア。
実線:鏡像異性体基準で、収率>80%、>98%eeの収集留分の分析、
破線:比較のための対応ラセミ体の分離。
破線:比較のための対応ラセミ体の分離。
〔実施例5〕
例えばキャピラリー電気泳動のバックグラウンド電解質への添加剤として溶解された状態の、式Iの化合物のラセミ体の分離を実現するキラル化合物の例としては、以下の構造を有することができる。
例えばキャピラリー電気泳動のバックグラウンド電解質への添加剤として溶解された状態の、式Iの化合物のラセミ体の分離を実現するキラル化合物の例としては、以下の構造を有することができる。
レシプロカル(reciprocal)CE実験の実験条件:
バックグラウンド電解質:エタノール中における50mMのギ酸+25mMのトリエチルアミン+50mMの4−アミノ−3,6−ジヒドロ−2−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン(鏡像異性的に純粋)、T=25℃、注入:50mbar/5s、試料:ラセミ状態の表の化合物(電解質中1〜10mg/ml)、溶融シリカキャピラリー:内径50μm、全長=50cm、検出器に対する有効な長さ=41.5cm、電圧=−25kV、30分後、キャピラリーから非溶出の化合物を除去するために、20mbarの圧力が注入器側に印加される。
バックグラウンド電解質:エタノール中における50mMのギ酸+25mMのトリエチルアミン+50mMの4−アミノ−3,6−ジヒドロ−2−ジメチルアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン(鏡像異性的に純粋)、T=25℃、注入:50mbar/5s、試料:ラセミ状態の表の化合物(電解質中1〜10mg/ml)、溶融シリカキャピラリー:内径50μm、全長=50cm、検出器に対する有効な長さ=41.5cm、電圧=−25kV、30分後、キャピラリーから非溶出の化合物を除去するために、20mbarの圧力が注入器側に印加される。
これらの化合物を、例えば粒子状若しくはモノリスのシリカゲル、又は粒子状又はモノリスの有機ポリマー等の担体に適切に固定した後、式Iのキラル化合物をその鏡像異性体に分離可能なイオン交換体が得られる。
本発明の態様は以下のとおりである。
〔態様1〕
式Iの化合物及びその酸付加塩をクロマトグラフィ分離する方法であって、その分離をキラルイオン交換体上で行うことを特徴とする方法。
〔態様2〕
前記式Iの鏡像異性体の分離を、陰イオン性の交換材料上で陽イオン交換の過程において行うことを特徴とする態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記式Iの鏡像異性体が、両イオン性のキラル固定相上で分離されることを特徴とする態様1又は2に記載の方法。
〔態様4〕
前記式Iの鏡像異性体が、水素結合により担持されたイオン相互作用を有する固定相上で分離されることを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載の方法。
〔態様5〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載の方法[但し、R1、R2はAを意味する。]。
〔態様6〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜5のいずれかに記載の方法[但し、R3、R4はHを意味する。]。
〔態様7〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜6のいずれかに記載の方法[但し、R5はHを意味し、R6はAを意味する。]。
〔態様8〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜7のいずれかに記載の方法[但し、R1、R2はメチルを意味し、R3、R4はHを意味し、R5はHを意味し、R6はメチルを意味する。]。
〔態様9〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜8のいずれかに記載の方法[但し、R1、R2はメチルを意味し、R3、R4はHを意味し、R5はHを意味し、R6はメチルを意味する。]。
〔態様10〕
前記イオン交換材料が、キラル要素及び少なくとも一つのイオン交換基を有するキラルセレクタと、スペーサと、担体とを含むことを特徴とする態様1〜9のいずれかに記載の方法。
〔態様11〕
前記キラル要素が1000未満の分子量を有し、前記陽イオン交換基がpKa<4.0の酸基であることを特徴とする態様1〜10のいずれかに記載の方法。
〔態様12〕
前記酸基が、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、又はホスフィン酸基であることを特徴とする態様11に記載の方法。
〔態様13〕
i)メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、THF、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、tert−ブチルメチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、又はこれらの溶媒の2成分、3成分、4成分の混合物(共・対イオンを添加したもの、若しくは、イオン発生用添加剤を含まないもの)の群からの有機溶媒、
ii)水性媒体であって、緩衝剤を添加したもの又は添加しないものであり、かつ、i)で規定される群からの混和性の極性有機溶媒を含むもの又は含まないもの、
iii)超臨界又は臨界前のCO2であって、i)で規定される有機溶媒を含むもの又は含まないものであり、かつ、共・対イオンを添加したもの又はイオン発生用添加剤を含まないもの、
を含む溶離液が用いられることを特徴とする態様1〜12のいずれかに記載の方法。
〔態様1〕
式Iの化合物及びその酸付加塩をクロマトグラフィ分離する方法であって、その分離をキラルイオン交換体上で行うことを特徴とする方法。
〔態様2〕
前記式Iの鏡像異性体の分離を、陰イオン性の交換材料上で陽イオン交換の過程において行うことを特徴とする態様1に記載の方法。
〔態様3〕
前記式Iの鏡像異性体が、両イオン性のキラル固定相上で分離されることを特徴とする態様1又は2に記載の方法。
〔態様4〕
前記式Iの鏡像異性体が、水素結合により担持されたイオン相互作用を有する固定相上で分離されることを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載の方法。
〔態様5〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載の方法[但し、R1、R2はAを意味する。]。
〔態様6〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜5のいずれかに記載の方法[但し、R3、R4はHを意味する。]。
〔態様7〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜6のいずれかに記載の方法[但し、R5はHを意味し、R6はAを意味する。]。
〔態様8〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜7のいずれかに記載の方法[但し、R1、R2はメチルを意味し、R3、R4はHを意味し、R5はHを意味し、R6はメチルを意味する。]。
〔態様9〕
前記式Iの鏡像異性体が分離されることを特徴とする態様1〜8のいずれかに記載の方法[但し、R1、R2はメチルを意味し、R3、R4はHを意味し、R5はHを意味し、R6はメチルを意味する。]。
〔態様10〕
前記イオン交換材料が、キラル要素及び少なくとも一つのイオン交換基を有するキラルセレクタと、スペーサと、担体とを含むことを特徴とする態様1〜9のいずれかに記載の方法。
〔態様11〕
前記キラル要素が1000未満の分子量を有し、前記陽イオン交換基がpKa<4.0の酸基であることを特徴とする態様1〜10のいずれかに記載の方法。
〔態様12〕
前記酸基が、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、又はホスフィン酸基であることを特徴とする態様11に記載の方法。
〔態様13〕
i)メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、THF、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、tert−ブチルメチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、又はこれらの溶媒の2成分、3成分、4成分の混合物(共・対イオンを添加したもの、若しくは、イオン発生用添加剤を含まないもの)の群からの有機溶媒、
ii)水性媒体であって、緩衝剤を添加したもの又は添加しないものであり、かつ、i)で規定される群からの混和性の極性有機溶媒を含むもの又は含まないもの、
iii)超臨界又は臨界前のCO2であって、i)で規定される有機溶媒を含むもの又は含まないものであり、かつ、共・対イオンを添加したもの又はイオン発生用添加剤を含まないもの、
を含む溶離液が用いられることを特徴とする態様1〜12のいずれかに記載の方法。
Claims (3)
- 式(1)の化合物及びその酸付加塩の鏡像異性体をクロマトグラフィ分離する方法であって、その鏡像異性体の分離をキラルイオン交換体上で行うこと,かつ、該キラルイオン交換体が、式(2)の構造または式(3)の構造を有することまたは式(4)〜(13)からなる群から選ばれるひとつの構造とスペーサと担体を有することを特徴とする方法:
- R 1 、R 2 及びR 6 がメチルである請求項1に記載の方法。
- 前記分離において溶離液が用いられ、該溶離液が
i)メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、THF、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、tert−ブチルメチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、又はこれらの溶媒の2成分、3成分、4成分の混合物(共・対イオンを添加したもの、若しくは、イオン発生用添加剤を含まないもの)の群からの有機溶媒、または
ii)水性媒体であって、緩衝剤を添加したもの又は添加しないものであり、かつ、i)で規定される群からの混和性の極性有機溶媒を含むもの又は含まないもの、または
iii)超臨界又は臨界前のCO2であって、i)で規定される有機溶媒を含むもの又は含まないものであり、かつ、共・対イオンを添加したもの又はイオン発生用添加剤を含まないもの、
を含む請求項1に記載の方法。
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