JP2016011835A - 液体クロマトグラフィー用充填剤、液体クロマトグラフィー用カラム及び液体クロマトグラフィー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間でアミノ酸を分離することが可能な液体クロマトグラフィー用充填剤、並びに液体クロマトグラフィー用のカラム及び装置を提供する。
【解決手段】スチレン系架橋共重合体を基体として含み、平均細孔径2〜100nm、細孔容積0.2〜2.4mL/g及び比表面積100〜1200m2/gであり、交換容量が0.1〜200μeq/gであるスルホ基を交換基として含み、かつフェノール構造を前記共重合体100重量部に対して0.1〜30重量部含む、液体クロマトグラフィー用充填剤。
【選択図】図1
【解決手段】スチレン系架橋共重合体を基体として含み、平均細孔径2〜100nm、細孔容積0.2〜2.4mL/g及び比表面積100〜1200m2/gであり、交換容量が0.1〜200μeq/gであるスルホ基を交換基として含み、かつフェノール構造を前記共重合体100重量部に対して0.1〜30重量部含む、液体クロマトグラフィー用充填剤。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体クロマトグラフィー用充填剤、液体クロマトグラフィー用カラム及び液体クロマトグラフィー装置に関する。より詳細には、本発明は、アミノ酸や核酸塩基を短時間で簡潔に分離することのできる液体クロマトグラフィー用充填剤、並びに該液体クロマトグラフィー用充填剤を含む液体クロマトグラフィー用カラム及び液体クロマトグラフィー装置に関する。
アミノ酸分析や核酸塩基分析は、蛋白質の一次構造を決定するのに重要な手段であるばかりでなく、臨床医学分野においては、先天性代謝異常症のスクリーニングや疾病患者の血液や尿中の遊離アミノ酸を分析することによる診断等、応用分野が広がっている。更には、食品・配合肥料医薬品等のアミノ酸及び核酸塩基の組成分析等、生物化学に関する広い分野で欠かすことのできない分析となっている。
このようなアミノ酸分析において、アミノ酸の直接分析としては逆相系の分離モードで行うイオンペアークロマトグラフィーがあり、逆相カラム充填剤としては、シリカ系充填剤等がある。これらの中でもシリカ系充填剤の一種であるオクタデシルシリカ(ODSシリカ)系充填剤が実用上、アミノ酸分析において広く用いられている。
オクタデシルシリカ(ODSシリカ)系の代表的な利点としては、非常に硬く、粒径が揃っているために分離性が良い点、耐圧性や溶媒安定性に優れている点、カラムのコストが安い点等が挙げられる。欠点としては使用できるpH領域が狭い点、塩基性物質の非可逆的吸着が起こりやすい点、ピークテーリングがある点、回収率が低下しやすい点等が挙げられる。
このようなイオンペアークロマトグラフィーでは、有機溶媒やイオンペアー試薬を多量に消費してしまう点、再現性が悪い点等の欠点を有するため、日常的にはあまり用いられてはいない。
オクタデシルシリカ(ODSシリカ)系の代表的な利点としては、非常に硬く、粒径が揃っているために分離性が良い点、耐圧性や溶媒安定性に優れている点、カラムのコストが安い点等が挙げられる。欠点としては使用できるpH領域が狭い点、塩基性物質の非可逆的吸着が起こりやすい点、ピークテーリングがある点、回収率が低下しやすい点等が挙げられる。
このようなイオンペアークロマトグラフィーでは、有機溶媒やイオンペアー試薬を多量に消費してしまう点、再現性が悪い点等の欠点を有するため、日常的にはあまり用いられてはいない。
一方、アミノ酸分析において、イオン交換樹脂も広く用いられている。アミノ酸分析に用いられているイオン交換樹脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を基体として、そのスチレン部分にスルホ基を導入した強酸性陽イオン交換樹脂が用いられている。
このようなイオン交換樹脂によるアミノ酸分析のシステムとしては、数種類の溶離液をグラジエント(pH、塩及び有機溶剤のグラジエント)で流すことにより、分離を素早く行い、OPA法又はニンヒドリンにより検出する方法が主流である。
このようなイオン交換樹脂によるアミノ酸分析のシステムとしては、数種類の溶離液をグラジエント(pH、塩及び有機溶剤のグラジエント)で流すことにより、分離を素早く行い、OPA法又はニンヒドリンにより検出する方法が主流である。
イオン交換法によるアミノ酸の分離をpHグラジエントで行う場合、シリカ系充填剤はこれに適していないことから、多くのカラムにはスチレン系架橋共重合体に陽イオン交換基を導入した架橋有機ポリマー系充填剤の樹脂カラムが用いられている。
このような架橋有機ポリマー系充填剤を用いた液体クロマトグラフィー用充填剤の一例として、体積平均粒径、排除限界分子量及び架橋度が特定範囲のスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体にスルホ基を導入したものが簡便かつ短時間にアミノ酸の分離を行うことができるものとして報告されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の実施例に記載されているように、この液体クロマトグラフィー用充填剤では、蛋白質を構成する17種のアミノ酸の分析において、アミノ酸の分析に1時間ほどの時間を要しており、実用上、十分な速さであるとはいえない。また、17種のアミノ酸のすべてが同一の溶離条件で分離できてはいない。
そこで本発明の目的は、短時間で簡潔にアミノ酸、核酸塩基等を分離することができ、さらに17種のアミノ酸を同一の溶離条件で分離することが可能な液体クロマトグラフィー用充填剤、並びにそれを利用した液体クロマトグラフィー用カラム及び液体クロマトグラフィー装置を提供することにある。
本発明者らが前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の多孔度(平均細孔径、細孔容積及び比表面積)を有し、かつ特定の官能基を特定量で有する架橋共重合体からなる液体クロマトグラフィー用充填剤が、アミノ酸の分離能に非常に優れるという特徴を有することを見出し、本発明を完成したものである。即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[11]に存する。
[1] スチレン系架橋共重合体を基体として含み、平均細孔径2〜100nm、細孔容積0.2〜2.4mL/g及び比表面積100〜1200m2/gであり、交換容量が0.1〜200μeq/gであるスルホ基を交換機として含み、かつフェノール構造を前記スチレン系架橋共重合体100重量部に対して0.1〜30重量部含む、液体クロマトグラフィー用充填剤。
[2] 前記スチレン系架橋共重合体の架橋度が50重量%以上である、[1]に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[3] 体積平均粒径が1.0〜10.0μmである、[1]又は[2]に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[4] 前記スチレン系架橋共重合体がエチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体である、[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[5] 前記スルホ基として炭素数1〜6のスルホアルキル基を含む、[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[6] 前記スルホ基としてスルホプロピル基を含む、[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[7] 前記フェノール構造が、前記スチレン系架橋共重合体に対し、パラターシャリーブトキシスチレンを反応させた後、加水分解することにより導入されたものである、[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[8] 前記スチレン系架橋共重合体に対し、パラターシャリーブトキシスチレンを反応させた後、加水分解することにより前記フェノール構造を導入し、続いてスルホアルキル化剤と反応させることにより前記スルホ基を導入させたものである、[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[9] 前記スルホ基が、硫酸濃度50〜97重量%の水溶液中で前記スチレン系架橋共重合体をスルホン化することにより導入されたものである、[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
[10] [1]乃至[9]のいずれか1つに記載の液体クロマトグラフィー用充填剤を含む液体クロマトグラフィー用カラム。
[11] [10]に記載の液体クロマトグラフィー用カラムを含む液体クロマトグラフィー装置。
本発明によれば、短時間で多くのアミノ酸を分離することが可能な液体クロマトグラフィー用充填剤、並びにそれを利用した液体クロマトグラフィー用カラム及び液体クロマトグラフィー装置が提供される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
〔液体クロマトグラフィー用充填剤〕
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、スチレン系架橋共重合体を基体として含み、平均細孔径2〜100nm、細孔容積0.2〜2.4mL/g及び比表面積100〜1200m2/gであり、交換容量が0.1〜200μeq/gであるスルホ基を交換基として含み、かつフェノール構造を前記スチレン系架橋共重合体100重量部に対して1〜30重量部有することを特徴とする。なお、本発明に係る液体クロマトグラフィー用充填剤はイオン交換樹脂である。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、スチレン系架橋共重合体を基体として含み、平均細孔径2〜100nm、細孔容積0.2〜2.4mL/g及び比表面積100〜1200m2/gであり、交換容量が0.1〜200μeq/gであるスルホ基を交換基として含み、かつフェノール構造を前記スチレン系架橋共重合体100重量部に対して1〜30重量部有することを特徴とする。なお、本発明に係る液体クロマトグラフィー用充填剤はイオン交換樹脂である。
上記特徴を有することにより、本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤を用いてアミノ酸分析を行うと従来のものよりも短時間で分析でき、蛋白質を構成するアミノ酸の分離能に優れるという特長を有する。これは、アミノ酸の分離能が液体クロマトグラフィー用充填剤の基体、スルホ基及びフェノール構造との間での親水的相互作用、疎水的相互作用、静電的相互作用及びイオン交換作用が協奏的に作用しているものと考えられる。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、特定の多孔度(平均細孔径、細孔容積及び比表面積)を有し、かつフェノール構造及びスルホ基を含むことにより、これらの相互作用の効果が顕著に高められるものと考えられる。特に、本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤を特許文献1の実施例において製造されている液体クロマトグラフィー用充填剤と比較すると、液体クロマトグラフィー用充填剤の多孔度(平均細孔径、細孔容積及び比表面積)の値が大きい領域である点フェノール構造を有している点に特徴があると言える。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、特定の多孔度(平均細孔径、細孔容積及び比表面積)を有し、かつフェノール構造及びスルホ基を含むことにより、これらの相互作用の効果が顕著に高められるものと考えられる。特に、本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤を特許文献1の実施例において製造されている液体クロマトグラフィー用充填剤と比較すると、液体クロマトグラフィー用充填剤の多孔度(平均細孔径、細孔容積及び比表面積)の値が大きい領域である点フェノール構造を有している点に特徴があると言える。
[基体]
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、スチレン系架橋共重合体を基体とする。該スチレン系架橋共重合体とは、モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの混合物(以下「モノマー混合物」と称する場合がある。)を共重合させて得られるものである。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、スチレン系架橋共重合体を基体とする。該スチレン系架橋共重合体とは、モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの混合物(以下「モノマー混合物」と称する場合がある。)を共重合させて得られるものである。
ここで、「モノビニル芳香族モノマー」とはビニル基を1つ有し、かつ芳香族炭化水素基を有するモノマーを意味する。また、「架橋性芳香族モノマー」とはビニル基を少なくとも1つと、架橋構造を形成し得る反応性の官能基(ここでいう「反応性の官能基」にはビニル基も含まれ、架橋性芳香族モノマーとしてはビニル基を複数もつものであってもよい。)を少なくとも1つ有し、かつ芳香族炭化水素基を有するモノマーを意味する。
前記モノビニル芳香族モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等のアルキル置換スチレン類、ブロモスチレン等のハロゲン置換スチレン類が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。モノビニル芳香族モノマーとしては、これらの中でも、スチレンやエチルスチレン等が製造容易性、原料調達の容易性等の観点から好ましい。なお、前記アルキル置換スチレン類や前記ハロゲン置換スチレン類における置換位置及び/又は置換数に制限はないが、通常、パラ位の一置換体が用いられる。
前記架橋性芳香族モノマーとしては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、ジビニルビフェニル、ビス(ビニルフェニル)メタン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ビス(ビニルフェニル)プロパン、ビス(ビニルフェニル)ブタン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
架橋性芳香族モノマーとしては、中でも、ジビニルベンゼンが製造容易性、原料調達の容易性等の観点から好ましい。なお、工業的に製造されるジビニルベンゼンは、通常、副生物であるエチルビニルベンゼン(エチルスチレン)を多量に含有しているが、本発明においてはこのようなジビニルベンゼンも使用できる。
架橋性芳香族モノマーとしては、中でも、ジビニルベンゼンが製造容易性、原料調達の容易性等の観点から好ましい。なお、工業的に製造されるジビニルベンゼンは、通常、副生物であるエチルビニルベンゼン(エチルスチレン)を多量に含有しているが、本発明においてはこのようなジビニルベンゼンも使用できる。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤の基体のスチレン系架橋共重合体に用いることのできるモノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーの例は前記した通りであり、スチレン系架橋共重合体を形成するものであれば、その種類は特に制限されない。ただし、アミノ酸分離の充填剤における基体のスチレン系架橋共重合体としては、エチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体が一般的に用いられており、本発明においても製造容易性、原料調達の容易性等の点から好適に用いられる。なお、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、スチレン系架橋共重合体の原料として、上記に挙げた以外のビニルモノマーを共重合してもよい。
[架橋度]
本発明における基体のスチレン系架橋共重合体の架橋度は50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましい。架橋度が上記下限値以上であると、前記した多孔度(細孔径、細孔容積及び比表面積)を維持しやすく、アミノ酸を分離する際に樹脂の変形が起こりにくく、高流速であっても測定することができるために好ましい。一方、架橋度の上限は特に制限されないが、通常、90重量%以下である。
本発明における基体のスチレン系架橋共重合体の架橋度は50重量%以上であることが好ましく、60重量%以上であることがより好ましい。架橋度が上記下限値以上であると、前記した多孔度(細孔径、細孔容積及び比表面積)を維持しやすく、アミノ酸を分離する際に樹脂の変形が起こりにくく、高流速であっても測定することができるために好ましい。一方、架橋度の上限は特に制限されないが、通常、90重量%以下である。
なお、本発明において、「架橋度」は、架橋共重合体の原料として用いるモノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの合計量に対する架橋性芳香族モノマーの重量として定義される。
[多孔度]
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、特定の多孔度を有することによりアミノ酸との相互作用の効果を高めている。本明細書において「多孔度」とは液体クロマトグラフィー用充填剤の平均細孔径、細孔容積及び比表面積により表される。平均細孔径、細孔容積及び比表面積のそれぞれの値が大きいほど、多孔度が高いことを意味する。なお、平均細孔径、細孔容積及び比表面積はそれぞれBET法により測定することができる。より具体的な測定方法の例を後掲の実施例において示す。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、特定の多孔度を有することによりアミノ酸との相互作用の効果を高めている。本明細書において「多孔度」とは液体クロマトグラフィー用充填剤の平均細孔径、細孔容積及び比表面積により表される。平均細孔径、細孔容積及び比表面積のそれぞれの値が大きいほど、多孔度が高いことを意味する。なお、平均細孔径、細孔容積及び比表面積はそれぞれBET法により測定することができる。より具体的な測定方法の例を後掲の実施例において示す。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤の平均細孔径は2〜100nmである。平均細孔径は、好ましくは3nm以上であり、より好ましくは5nm以上であり、一方、好ましくは80nm以下であり、より好ましくは60nm以下であり、更に好ましくは40nm以下である。
平均細孔径が前記下限値以上であると、液体クロマトグラフィー用充填剤の使用時に試料の流速を広範囲に設定することができ、結果として高速分析が可能となるために好ましい。一方、平均細孔径が前記上限値以下であると、液体クロマトグラフィー充填剤の強度が高められるため、使用時の流速に制限を受けにくくなるために好ましい。
平均細孔径が前記下限値以上であると、液体クロマトグラフィー用充填剤の使用時に試料の流速を広範囲に設定することができ、結果として高速分析が可能となるために好ましい。一方、平均細孔径が前記上限値以下であると、液体クロマトグラフィー充填剤の強度が高められるため、使用時の流速に制限を受けにくくなるために好ましい。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤の細孔容積は0.2〜2.4mL/gである。細孔容積は、好ましくは0.3mL/g以上であり、より好ましくは0.5mL/g以上であり、一方、好ましくは2.0mL/g以下であり、より好ましくは1.5mL/g以下である。
細孔容積が前記下限値以上であると、液体クロマトグラフィー用充填剤の使用時に試料の流速を広範囲に設定することができ、結果として高速分析が可能となるために好ましい。一方、細孔容積が前記上限値以下であると、液体クロマトグラフィー充填剤の強度が高められるため、使用時の流速に制限を受けにくくなるために好ましい。
細孔容積が前記下限値以上であると、液体クロマトグラフィー用充填剤の使用時に試料の流速を広範囲に設定することができ、結果として高速分析が可能となるために好ましい。一方、細孔容積が前記上限値以下であると、液体クロマトグラフィー充填剤の強度が高められるため、使用時の流速に制限を受けにくくなるために好ましい。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤の比表面積は100〜1200m2/gである。比表面積は、好ましくは300m2/g以上であり、より好ましくは500m2/g以上であり、一方、1000m2/g以下であり、より好ましくは850m2/g以下である。
比表面積が前記下限値以上であると、液体クロマトグラフィー用充填剤の使用時に試料の流速を広範囲に設定することができ、結果として高速分析が可能となるために好ましい。一方、比表面積が前記上限値以下であると、液体クロマトグラフィー充填剤の強度が高められるため、使用時の流速に制限を受けにくくなるために好ましい。
比表面積が前記下限値以上であると、液体クロマトグラフィー用充填剤の使用時に試料の流速を広範囲に設定することができ、結果として高速分析が可能となるために好ましい。一方、比表面積が前記上限値以下であると、液体クロマトグラフィー充填剤の強度が高められるため、使用時の流速に制限を受けにくくなるために好ましい。
[フェノール構造]
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、フェノール構造を基体である架橋共重合体100重量部に対して0.1〜30重量部有する。フェノール構造を0.1重量部以上有することにより、アミノ酸との間での親水性相互作用が高くなり、アミノ酸の分離能が高められるものと考えられる。この効果をより高める観点からは基体である架橋共重合体100重量部に対してフェノール構造の含有量が好ましくは1重量部以上であり、より好ましくは3重量部以上である。
一方、フェノール構造を30重量部以下で有することにより、液体クロマトグラフィー用充填剤の圧密化を防ぎ、アミノ酸等の高速分析のために有利となり、また、スルホ基の導入も行いやすくなる。これらの観点から、フェノール構造は基体である架橋共重合体100重量部に対して25重量部以下有することが好ましく、20重量部以下有することがより好ましい。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、フェノール構造を基体である架橋共重合体100重量部に対して0.1〜30重量部有する。フェノール構造を0.1重量部以上有することにより、アミノ酸との間での親水性相互作用が高くなり、アミノ酸の分離能が高められるものと考えられる。この効果をより高める観点からは基体である架橋共重合体100重量部に対してフェノール構造の含有量が好ましくは1重量部以上であり、より好ましくは3重量部以上である。
一方、フェノール構造を30重量部以下で有することにより、液体クロマトグラフィー用充填剤の圧密化を防ぎ、アミノ酸等の高速分析のために有利となり、また、スルホ基の導入も行いやすくなる。これらの観点から、フェノール構造は基体である架橋共重合体100重量部に対して25重量部以下有することが好ましく、20重量部以下有することがより好ましい。
なお、フェノール構造の含有量は、後掲の実施例のような方法により、スチレン系架橋共重合体を製造した後にフェノール構造を導入した場合には、その前後での重量変化に基づいてフェノール構造の含有量を求めるものである。
また、スチレン系架橋共重合体の重合工程(後述する重合工程(a))において、フェノール構造を導入しうるモノマーを同時に共重合させる場合には、その仕込みモノマーの重量に基づいて決定するものである。
また、スチレン系架橋共重合体の重合工程(後述する重合工程(a))において、フェノール構造を導入しうるモノマーを同時に共重合させる場合には、その仕込みモノマーの重量に基づいて決定するものである。
[スルホ基]
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、交換基としてスルホ基を有する。本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤が特定量のスルホ基を有することにより、充填剤粒子表面のスルホ基との間でアミノ酸との相互作用が高められるものと考えられる。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤は、交換基としてスルホ基を有する。本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤が特定量のスルホ基を有することにより、充填剤粒子表面のスルホ基との間でアミノ酸との相互作用が高められるものと考えられる。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤において、スルホ基は、基体であるスチレン系架橋共重合体のベンゼン環に直接結合していてもよいし、基体であるスチレン系架橋共重合体のベンゼン環にエーテル結合等やアルキレン基等を介して結合していてもよい。本発明において、スルホ基とはこの様な、スルホ基に結合しているエーテル結合等やアルキレン基等を含めた基をも包含するものである。
液体クロマトグラフィー用充填剤のアミノ酸との相互作用を高め、アミノ酸分離能の効果を高める観点から、スルホ基は炭素数1〜6のスルホアルキル基を含む場合が好ましく、スルホプロピル基を含む場合がより好ましい。
また、より具体的な態様として特に好ましいのは、基体であるスチレン系架橋共重合体のベンゼン環にエーテル結合を介して炭素数1〜6のスルホアルキル基が結合している場合であり、最も好ましいのはエーテル結合を介してスルホプロピル基が結合している場合である。
また、より具体的な態様として特に好ましいのは、基体であるスチレン系架橋共重合体のベンゼン環にエーテル結合を介して炭素数1〜6のスルホアルキル基が結合している場合であり、最も好ましいのはエーテル結合を介してスルホプロピル基が結合している場合である。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤において、交換基として有するスルホ基の量は、交換容量で0.1〜200μeq/gである。交換容量が0.1μeq/g以上であることにより、アミノ酸との相互作用が高くなり、分離能が高められる。この観点から、交換容量は好ましくは1μeq/g以上であり、より好ましくは5μeq/g以上であり、更に好ましくは10μeq/g以上である。
一方、交換容量が高すぎるとアミノ酸とのイオン交換作用が強くなり、高速分析において不利となるため、交換容量は200μeq/g以下であり、好ましくは180μeq/g以下であり、より好ましくは150μeq/g以下である。
一方、交換容量が高すぎるとアミノ酸とのイオン交換作用が強くなり、高速分析において不利となるため、交換容量は200μeq/g以下であり、好ましくは180μeq/g以下であり、より好ましくは150μeq/g以下である。
なお、本発明において、スルホ基の交換容量は下記式により定義され、中和滴定により求められる。より具体的な方法としては後掲の実施例の項目に記載する方法が挙げられる。なお、滴定量のファクターは、滴定用の試薬においてメーカーが定めている値である。
[交換容量(μeq/g)]=〔[滴定量(mL)]×[滴定液濃度(10mmol/L)]×[滴定液のファクター]〕/[乾燥樹脂量(g)]
[交換容量(μeq/g)]=〔[滴定量(mL)]×[滴定液濃度(10mmol/L)]×[滴定液のファクター]〕/[乾燥樹脂量(g)]
[体積平均粒径]
本発明に係る液体クロマトグラフィー用充填剤であるイオン交換樹脂の体積平均粒径は好ましくは1.0μm以上であり、より好ましくは2μm以上であり、更に好ましくは2.5μm以上である。一方、体積平均粒径は好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは4.5μm以下である。
体積平均粒径が上記下限値以上であると、カラムに液体クロマトグラフィー用充填剤を充填し易くなり、また、試料の流量を低くすることなく通液することができるためグラジエント溶離において好ましい。一方、体積平均粒径が上記上限値以下であると、アミノ酸及び核酸塩基の分離能が向上する効果を得易くなる。なお、体積平均粒径は電気抵抗計測法により求めることができる。より具体的な測定方法を後掲の実施例において記載する。
本発明に係る液体クロマトグラフィー用充填剤であるイオン交換樹脂の体積平均粒径は好ましくは1.0μm以上であり、より好ましくは2μm以上であり、更に好ましくは2.5μm以上である。一方、体積平均粒径は好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは4.5μm以下である。
体積平均粒径が上記下限値以上であると、カラムに液体クロマトグラフィー用充填剤を充填し易くなり、また、試料の流量を低くすることなく通液することができるためグラジエント溶離において好ましい。一方、体積平均粒径が上記上限値以下であると、アミノ酸及び核酸塩基の分離能が向上する効果を得易くなる。なお、体積平均粒径は電気抵抗計測法により求めることができる。より具体的な測定方法を後掲の実施例において記載する。
[液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法]
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤であるイオン交換樹脂の製造方法には特に制限はなく、常法(例えば、北条舒正著「キレート樹脂・イオン交換樹脂」(講談社・1984年)参照)に従って、スチレン等のモノビニル芳香族モノマーとジビニルベンゼン等の架橋性芳香族モノマーとを懸濁重合等により共重合させて架橋共重合体を合成し、この架橋共重合体に炭素数1〜6のスルホアルキル基や必要に応じてフェノール性水酸基を導入すればよい。
以下により具体的な一例を挙げる。本発明に用いる架橋共重合体の製造工程の代表例は、大きく分けて(a)重合工程、(b)ハロアルキル化工程、(c)フェノール構造導入工程及び(d)スルホ基導入工程に分けられる。これらの工程は通常、(a)重合工程が最初に行われるが、(b)ハロアルキル化工程、(c)フェノール構造導入工程及び(d)スルホ基導入工程についてはその順序は特に制限されるものではない。
また、後述するように(a)重合工程において(c)フェノール構造導入工程を同時に行ってもよい。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤であるイオン交換樹脂の製造方法には特に制限はなく、常法(例えば、北条舒正著「キレート樹脂・イオン交換樹脂」(講談社・1984年)参照)に従って、スチレン等のモノビニル芳香族モノマーとジビニルベンゼン等の架橋性芳香族モノマーとを懸濁重合等により共重合させて架橋共重合体を合成し、この架橋共重合体に炭素数1〜6のスルホアルキル基や必要に応じてフェノール性水酸基を導入すればよい。
以下により具体的な一例を挙げる。本発明に用いる架橋共重合体の製造工程の代表例は、大きく分けて(a)重合工程、(b)ハロアルキル化工程、(c)フェノール構造導入工程及び(d)スルホ基導入工程に分けられる。これらの工程は通常、(a)重合工程が最初に行われるが、(b)ハロアルキル化工程、(c)フェノール構造導入工程及び(d)スルホ基導入工程についてはその順序は特に制限されるものではない。
また、後述するように(a)重合工程において(c)フェノール構造導入工程を同時に行ってもよい。
<(a)重合工程>
(a)重合工程においては、モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの混合物(モノマー混合物)を多孔化剤の存在下で共重合させて架橋共重合体を製造する。原料として用いることのできるモノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーのそれぞれの例は先述した通りである。
(a)重合工程においては、モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの混合物(モノマー混合物)を多孔化剤の存在下で共重合させて架橋共重合体を製造する。原料として用いることのできるモノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーのそれぞれの例は先述した通りである。
本発明に用いる架橋共重合体を前述した架橋度の範囲とするため、架橋性芳香族モノマーの使用量としては、モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーの混合物の重量に対して50重量%以上とすることが好ましく、60重量%以上とすることがより好ましい。一方、モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーの混合物の重量に対する架橋性芳香族モノマーの使用量の上限については特に制限はないが、通常、90重量%以下である。
なお、本発明の架橋度は原料の使用量により決定するものであるが、十分に架橋反応を行うためには、後段の(b)ハロアルキル化工程において、ハロアルキル化の副反応としての後架橋反応を利用して架橋反応を進行させることもできる。
なお、本発明の架橋度は原料の使用量により決定するものであるが、十分に架橋反応を行うためには、後段の(b)ハロアルキル化工程において、ハロアルキル化の副反応としての後架橋反応を利用して架橋反応を進行させることもできる。
また、本発明のクロマトグラフィー用充填剤が前記の多孔度を有するものとするために、原料モノマーに対して不活性な物質(多孔化剤)を混合しておき、重合後にこれを有機溶媒等により抽出して除去する方法が用いられる。
多孔化剤としては、前記モノマー混合物には溶解するが、得られる架橋共重合体は膨潤しない物質(以下、「貧溶媒」と称する場合がある。)、あるいは、前記モノマー混合物に溶解し、得られる架橋共重合体を膨潤させる物質(以下、「良溶媒」と称する場合がある。)を用いることもできる。
多孔化剤としては、前記モノマー混合物には溶解するが、得られる架橋共重合体は膨潤しない物質(以下、「貧溶媒」と称する場合がある。)、あるいは、前記モノマー混合物に溶解し、得られる架橋共重合体を膨潤させる物質(以下、「良溶媒」と称する場合がある。)を用いることもできる。
前記モノマー混合物には溶解するが得られる架橋共重合体は膨潤しない物質(貧溶媒)としては、具体的には、非水溶性の有機化合物を用いることができる。非水溶性の有機化合物としては、直鎖または分岐の炭化水素類、直鎖または分岐の非水溶性のアルコール類、ポリマー、コポリマーなどが挙げられる。
直鎖または分岐の炭化水素類としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、イソオクタン、ガソリン、ミネラルオイルなどを挙げることができる。また、非水溶性のアルコール類としては、炭素数4以上でアルキル鎖が直鎖または分岐のアルコールを挙げることができ、例えばn−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、メチルイソブチルカルビノールなどが挙げられる。
ポリマーとしては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、ブロックコポリマーも使用することができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
直鎖または分岐の炭化水素類としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、イソオクタン、ガソリン、ミネラルオイルなどを挙げることができる。また、非水溶性のアルコール類としては、炭素数4以上でアルキル鎖が直鎖または分岐のアルコールを挙げることができ、例えばn−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、メチルイソブチルカルビノールなどが挙げられる。
ポリマーとしては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、ブロックコポリマーも使用することができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記モノマー混合物に溶解し、かつ得られる架橋共重合体を膨潤させる物質(良溶媒)としては、具体的には、芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン(オルト、メタ、パラ)、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、ブロモベンゼン、アニリン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの、芳香環が置換されていてもよい芳香族炭化水素類を用いることができる。また、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
多孔化剤は、前記モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの混合物に対して、通常1重量%以上100重量%以下、好ましくは5重量%以上80重量%以下、より好ましくは10重量%以上60重量%以下の量で用いられる。多孔化剤の量が上記上限値以下であると、物理的強度の観点で好ましく、一方、多孔化剤の量が上記下限値以上であると、所望の多孔度を得る観点から好ましい。
モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの共重合反応は、ラジカル重合開始剤を用いて公知の技術に基づいて行うことができる。ラジカル重合開始剤としては、過酸化ジベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びアゾビスイソブチロニトリル等からなる群より選ばれる1種又は2種以上が用いられ、その使用量は、モノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーの混合物の重量に対して通常、0.05重量%以上、5重量%以下である。
重合様式は、特に限定されるものではなく、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等の種々の様式で重合を行うことができるが、このうち均一な粒子状の共重合体が得られる懸濁重合法が好ましく採用される。懸濁重合法は、一般にこの種の共重合体の製造に使用される溶媒、分散安定剤等を用い、公知の反応条件を選択して行うことができる。
なお、共重合反応における重合温度は、通常、室温(約18℃〜25℃)以上、好ましくは40℃以上、更に好ましくは70℃以上であり、通常250℃以下、好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
重合温度が高すぎると解重合が併発し重合完結度がかえって低下する。重合温度が低すぎると重合完結度が不十分となることがある。
重合温度が高すぎると解重合が併発し重合完結度がかえって低下する。重合温度が低すぎると重合完結度が不十分となることがある。
また、重合雰囲気は、空気下もしくは不活性ガス下で実施可能であり、不活性ガスとしては窒素、二酸化炭素、アルゴン等が使用できる。また、日本国特開2006−328290号公報に記載の、シード重合法によらずに粒状重合体を得る方法も好適に使用できる。また、均一粒径の架橋共重合体を得る公知の方法も好適に使用できる。例えば日本国特開2002−035560号公報、日本国特開2001−294602号公報、日本国特開昭57−102905号公報及び日本国特開平03−249931号公報に記載の方法を好適に使用できる。
<(b)ハロアルキル化工程>
(b)ハロアルキル化工程は、(a)重合工程にて得られたスチレン系架橋共重合体を膨潤状態で、フリーデル−クラフツ反応触媒の存在下、ハロアルキル化剤を反応させてハロアルキル化する工程である。このハロアルキル化により、ハロアルキル化架橋共重合体を得ることができる。
(b)ハロアルキル化工程は、(a)重合工程にて得られたスチレン系架橋共重合体を膨潤状態で、フリーデル−クラフツ反応触媒の存在下、ハロアルキル化剤を反応させてハロアルキル化する工程である。このハロアルキル化により、ハロアルキル化架橋共重合体を得ることができる。
スチレン系架橋共重合体を膨潤させるためには、膨潤溶媒、例えばジクロロエタンを使用することができる。ハロアルキル化剤の種類によっては、ハロアルキル化剤のみで膨潤させることもできる。
ハロアルキル化剤としては、クロロメチルメチルエーテル、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)エーテル、塩化ビニル、ビス(クロロメチル)ベンゼン等のハロゲン化合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、より好ましいのは製造効率の点からクロロメチルメチルエーテルである。
なお、ハロアルキル基を基体に導入する方法としては、前記(a)重合工程においてハロアルキル基を含有するモノマーを共重合成分として用いる方法もある。
なお、ハロアルキル基を基体に導入する方法としては、前記(a)重合工程においてハロアルキル基を含有するモノマーを共重合成分として用いる方法もある。
ハロアルキル化剤の使用量は、架橋共重合体の架橋度、その他の条件により広い範囲から選ばれる。ハロアルキル化剤のみで膨潤させる場合のその使用量は、少なくとも架橋共重合体を十分に膨潤させる量が好ましく、架橋共重合体の重量に対して、通常1倍以上、好ましくは2倍以上であり、通常20倍以下、好ましくは10倍以下である。
フリーデル−クラフツ反応触媒としては、塩化亜鉛、塩化鉄(III)、塩化スズ(IV)、塩化アルミニウム等のルイス酸触媒が挙げられる。これらの触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、フリーデル−クラフツ反応触媒の使用量は通常架橋共重合体の重量に対して0.001〜10倍量、好ましくは0.1〜2倍量、更に好ましくは0.2〜1倍量である。
反応温度は、採用するフリーデル−クラフツ反応触媒の種類によっても異なるが、通常0℃以上であり、55℃以下とすることが好ましい。
また、フリーデル−クラフツ反応触媒の使用量は通常架橋共重合体の重量に対して0.001〜10倍量、好ましくは0.1〜2倍量、更に好ましくは0.2〜1倍量である。
反応温度は、採用するフリーデル−クラフツ反応触媒の種類によっても異なるが、通常0℃以上であり、55℃以下とすることが好ましい。
また、(b)ハロアルキル化工程において、フリーデル−クラフツ反応触媒の使用量の増加、あるいは反応温度を上げることによって、後架橋反応が促進される傾向にある。この反応を利用して架橋反応の進行度を制御することができる。
<(c)フェノール構造導入工程>
(c)フェノール構造導入工程においては、まず、スチレン系架橋共重合体と、これと共重合可能なラジカル重合性の炭素間二重結合を有し、かつフェノール構造導入の起点を有するモノマーとを通常、ラジカル重合開始剤の存在下で重合させる。次に、ここで得られた共重合体に対して加水分解反応やグルコール類の付加反応を行うことにより、フェノール構造を導入することができる。
(c)フェノール構造導入工程においては、まず、スチレン系架橋共重合体と、これと共重合可能なラジカル重合性の炭素間二重結合を有し、かつフェノール構造導入の起点を有するモノマーとを通常、ラジカル重合開始剤の存在下で重合させる。次に、ここで得られた共重合体に対して加水分解反応やグルコール類の付加反応を行うことにより、フェノール構造を導入することができる。
重合に用いることのできるラジカル重合開始剤の例としては前記(a)重合工程において例示したものと同様の過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は1種のみでも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
この重合の反応温度は、通常、大気圧下で、60〜110℃、好ましくは70〜100℃で行われる。また、重合の反応時間は通常4〜9時間、好ましくは5〜8時間である。
加水分解反応やグルコール類の付加反応を行うときの反応温度は、通常50〜100
℃、好ましくは60〜90℃である。また、反応時間は通常3〜10時間、好ましくは
4〜9時間である。
℃、好ましくは60〜90℃である。また、反応時間は通常3〜10時間、好ましくは
4〜9時間である。
スチレン系架橋共重合体と共重合可能なラジカル重合性の炭素間二重結合を有し、かつフェノール構造導入の起点を有するモノマーの例としては、パラターシャリーブトキシスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン等が挙げられる。
パラターシャリーブトキシスチレン等を用いた場合にはその後に加水分解反応を行うことにより効率的にフェノール構造を導入することができるために好ましい。
また、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン等を用いた場合にはその後にグルコール類の付加反応を行うことによりフェノール構造を導入することもできる。
パラターシャリーブトキシスチレン等を用いた場合にはその後に加水分解反応を行うことにより効率的にフェノール構造を導入することができるために好ましい。
また、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン等を用いた場合にはその後にグルコール類の付加反応を行うことによりフェノール構造を導入することもできる。
<(d)スルホ基導入工程>
(d)スルホ基導入工程においては、(a)重合工程、(b)ハロアルキル化工程、又は(c)フェノール構造導入工程で得られた架橋共重合体を以下に例示する方法により、スルホ基を導入することができる。
(d)スルホ基導入工程においては、(a)重合工程、(b)ハロアルキル化工程、又は(c)フェノール構造導入工程で得られた架橋共重合体を以下に例示する方法により、スルホ基を導入することができる。
スルホ基の交換容量を制御しやすく、好ましい方法の1つとして、スルホン化を用いることができる。具体的にはスチレン系架橋共重合体を硫酸濃度50〜97重量%の水溶液中で、温度25〜70℃、反応時間1〜3時間でスルホン化する方法が好ましい。これらの硫酸濃度、温度及び反応時間により、スルホ基の交換容量を制御することができる。
なお、原料にアルキル基を有するスチレン系モノマーを用いて得られた架橋共重合体に対し、上記のような処理を行うことによりスルホアルキル基として導入することができる。このような方法を用いる場合、本発明においては硫酸もスルホアルキル化剤とみなされる。
なお、原料にアルキル基を有するスチレン系モノマーを用いて得られた架橋共重合体に対し、上記のような処理を行うことによりスルホアルキル基として導入することができる。このような方法を用いる場合、本発明においては硫酸もスルホアルキル化剤とみなされる。
スルホ基をスルホメチル基として導入する方法の例として、クロロメチルエーテル等のハロゲノメチル化剤を用いる方法が挙げられる。
より具体的には、スチレン系架橋共重合体に対してハロゲノメチル化剤によりハロゲノメチル化架橋共重合体とし、次いでハロゲン部位をアセチルチオ化した後、酸化してスルホメチル基を導入すればよい。
より具体的には、スチレン系架橋共重合体に対してハロゲノメチル化剤によりハロゲノメチル化架橋共重合体とし、次いでハロゲン部位をアセチルチオ化した後、酸化してスルホメチル基を導入すればよい。
スルホ基を炭素数2〜6のスルホアルキル基として導入する方法の例として、Cl−(CH2)n−COCl(ここで、nは2〜6の整数である。)で示されるクロル置換酸クロライドにより、塩化アルミニウムや塩化鉄等のルイス酸を用いたフリーデル−クラフツ反応によりクロル置換アシル基を導入し、次いでジメチルチオエーテルとチオ硫酸ソーダで塩素原子をスルホ基とした後、カルボニル基をヒドラジンで還元する方法が挙げられる。スルホ基の交換容量は使用するクロル置換酸クロライドの量や反応温度、反応時間等を制御することにより調節することができる。
また、J.Org.Chem.45.2717(1980)に記載されている方法に準じて芳香環の水素をリチウム化し、次いでジハロゲノアルカンでハロゲノアルキル化し、その後は前記の方法で塩素原子をスルホ基に変換する方法を用いてもよい。この方法の場合にはスルホ基の交換容量は使用するジハロゲノアルカンの量やハロゲノアルキル化反応の反応温度、反応時間等を制御することにより調節することができる。
また、スルホ基を炭素数3〜6のスルホアルキル基として導入する方法の例として、スルホアルキル化剤を用いる方法も挙げられる。スルホアルキル化剤としては1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、1,5−ペンタンスルトン、1,6−ヘキサンスルトン等が挙げられる。
これらを有機溶媒に溶解させておき、架橋共重合体とスルホアルキル化反応させることによりスルホアルキル基として、スルホ基を導入することができる。
この方法を用いる場合には、スルホ基の交換容量は使用するスルホアルキル化剤の量やスルホアルキル化反応の反応温度、反応時間等を制御することにより調節することができる。特に、本発明においては上記スルホアルキル化剤を用いる方法がスルホ基の交換容量の制御を行いやすいために好ましい。
これらを有機溶媒に溶解させておき、架橋共重合体とスルホアルキル化反応させることによりスルホアルキル基として、スルホ基を導入することができる。
この方法を用いる場合には、スルホ基の交換容量は使用するスルホアルキル化剤の量やスルホアルキル化反応の反応温度、反応時間等を制御することにより調節することができる。特に、本発明においては上記スルホアルキル化剤を用いる方法がスルホ基の交換容量の制御を行いやすいために好ましい。
〔用途〕
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤を用いて液体クロマトグラフィー用カラムを製造することができる。また、この液体クロマトグラフィー用カラムを用い、液体クロマトグラフィー装置を製造することができる。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤はアミノ酸の高速での分離に非常に好適であるが、その用途は特に制限されず、核酸塩基の分離や医薬品の精製等、種々の分析の用途に用いることができる。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤を用いて液体クロマトグラフィー用カラムを製造することができる。また、この液体クロマトグラフィー用カラムを用い、液体クロマトグラフィー装置を製造することができる。
本発明の液体クロマトグラフィー用充填剤はアミノ酸の高速での分離に非常に好適であるが、その用途は特に制限されず、核酸塩基の分離や医薬品の精製等、種々の分析の用途に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔物性・特性の測定・決定方法〕
以下の実施例において、物性・特性の測定又は決定は以下に記載の方法により行った。
以下の実施例において、物性・特性の測定又は決定は以下に記載の方法により行った。
1)多孔度
得られたクロマトグラフィー用充填剤について、メタノール置換を行い、60℃で8時間減圧乾燥した。液体クロマトグラフィー用充填剤の細孔容積及び平均細孔径は島津製作所製ASAP−2400を用い、BET多点法により求めた。また、比表面積は島津製作所製フローソーブ2300を用い、BET1点法により求めた。
得られたクロマトグラフィー用充填剤について、メタノール置換を行い、60℃で8時間減圧乾燥した。液体クロマトグラフィー用充填剤の細孔容積及び平均細孔径は島津製作所製ASAP−2400を用い、BET多点法により求めた。また、比表面積は島津製作所製フローソーブ2300を用い、BET1点法により求めた。
2)スルホ基の交換容量
スルホ基を導入した湿潤樹脂2.0gを47mmφ−75mmガラス製ミリポア濾過器(フィルター:テフロン(登録商標)1μm)に入れ、1N−HCl水溶液50mLで5分間浸漬し、吸引する操作を3回実施後、pH3の水により水洗した。このスルホ基を導入した再生型樹脂を100mLビーカーに採り、1%NaCl水溶液を添加し、攪拌下、0.01N−NaOH水溶液(滴定液のファクター:1.0000)により、三菱化学アナリテック製 GT100型滴定装置を用いて中和滴定を行った。
変曲点(pH約7付近)までの0.01N−NaOHの滴定量、滴定液濃度、滴定液のファクター及び乾燥後の樹脂量(以下、「乾燥樹脂量」と称する。)より交換容量を算出した。
スルホ基を導入した湿潤樹脂2.0gを47mmφ−75mmガラス製ミリポア濾過器(フィルター:テフロン(登録商標)1μm)に入れ、1N−HCl水溶液50mLで5分間浸漬し、吸引する操作を3回実施後、pH3の水により水洗した。このスルホ基を導入した再生型樹脂を100mLビーカーに採り、1%NaCl水溶液を添加し、攪拌下、0.01N−NaOH水溶液(滴定液のファクター:1.0000)により、三菱化学アナリテック製 GT100型滴定装置を用いて中和滴定を行った。
変曲点(pH約7付近)までの0.01N−NaOHの滴定量、滴定液濃度、滴定液のファクター及び乾燥後の樹脂量(以下、「乾燥樹脂量」と称する。)より交換容量を算出した。
滴定終了後の樹脂は47mmφ−75mmガラス製ミロポア濾過器(フィルター:1μm)に入れ、50mL脱塩水で3回水洗後、アセトン100mLで3回洗浄し、全量を容器に移し、60℃で8時間、真空乾燥した。乾燥後放冷し、乾燥樹脂量を計量した。交換容量は下記の式により算出した。
[交換容量(μeq/g)]=〔[滴定量(mL)]×[滴定液濃度(10mmol/L)]×[滴定液のファクター]〕/[乾燥樹脂量(g)]
[交換容量(μeq/g)]=〔[滴定量(mL)]×[滴定液濃度(10mmol/L)]×[滴定液のファクター]〕/[乾燥樹脂量(g)]
3)フェノール構造の含有量
フェノール構造導入前のスチレン系架橋共重合体の重量に対するフェノール構造導入後の重量増加量をフェノール構造の含有量とした。
フェノール構造導入前のスチレン系架橋共重合体の重量に対するフェノール構造導入後の重量増加量をフェノール構造の含有量とした。
4)架橋度
原料として用いるモノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの合計量に対する架橋性芳香族モノマーの重量として決定した。
原料として用いるモノビニル芳香族モノマーと架橋性芳香族モノマーとの合計量に対する架橋性芳香族モノマーの重量として決定した。
5)体積平均粒径
ベックマン・コールター社製マルチサイザー3型装置を用い、電気抵抗計測法の体積平均粒径として求めた。
ベックマン・コールター社製マルチサイザー3型装置を用い、電気抵抗計測法の体積平均粒径として求めた。
〔液体クロマトグラフィー用充填剤及び液体クロマトグラフィー用カラムの製造〕
[実施例1−1]
<種ポリマーの製造>
四つ口フラスコにエタノール381.68g、ポリビニールピロリドン(分子量40,000)9.27g及びテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)3.00gを添加し、磁気誘導式攪拌シール、テフロン(登録商標)攪拌羽根を備えた反応装置でウォーターバス上、内温30℃攪拌下で溶解した。
[実施例1−1]
<種ポリマーの製造>
四つ口フラスコにエタノール381.68g、ポリビニールピロリドン(分子量40,000)9.27g及びテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)3.00gを添加し、磁気誘導式攪拌シール、テフロン(登録商標)攪拌羽根を備えた反応装置でウォーターバス上、内温30℃攪拌下で溶解した。
次いで、モノマー相として、クロロメチルスチレン15.00g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.50g、グリシジルメタクリレート135.00gを溶解した溶液を添加後、窒素置換を行い、内温を70℃まで昇温させ、70℃で6時間重合した。
重合終了後、放冷しながらメタノール400mLを添加し、攪拌洗浄した。次いで高速遠心分離器により5000rpmで5分間、分離し、上澄み液を廃棄した。得られた濾物の入った四つ口フラスコに再度メタノール400mLを添加し、室温において攪拌洗浄し、メタノールを除去した。
再度、1L四つ口フラスコに0.1%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液400mLにより凝集物を解しながら添加し、室温で分散洗浄を行った。ポリマー分散液を高速遠心分離器で濾過後、0.1%SDS水溶液400mLに添加し、室温で再分散し、高速遠心分離を行った後、0.1%SDS水溶液200mLに再分散し、ポリマーエマルジョンを得た。
なお、種ポリマーとは、スチレン系架橋共重合体を製造する前段階の種となるポリマーのことを意味する。
<エチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体の製造>
下記表−1の乳化液組成の溶液を用意した。この溶液を、バルブホモジナイザー(ラボ用 マントン・ゴーリン社製 ゴーリン15MR型)を用い、微細乳化液を調製した。その後、前工程で製造した種ポリマー溶液75.0g(ポリマー換算)を添加した重合容器に30℃の攪拌下(40rpm)でモノマーエマルジョン2170mLを1時間で滴下後、2時間熟成した。この操作は所定量のモノマー(種ポリマーに対し体積で8倍の10%エマルジョン換算6520mL)となるまで3回に分割し実施した。
下記表−1の乳化液組成の溶液を用意した。この溶液を、バルブホモジナイザー(ラボ用 マントン・ゴーリン社製 ゴーリン15MR型)を用い、微細乳化液を調製した。その後、前工程で製造した種ポリマー溶液75.0g(ポリマー換算)を添加した重合容器に30℃の攪拌下(40rpm)でモノマーエマルジョン2170mLを1時間で滴下後、2時間熟成した。この操作は所定量のモノマー(種ポリマーに対し体積で8倍の10%エマルジョン換算6520mL)となるまで3回に分割し実施した。
上記表−1中の略号は以下の通りである。
DVB:ジビニルベンゼン
Et:エチルスチレン
EDC:1,2−ジクロロエタン
TL:トルエン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
SDS:ラウリル硫酸ナトリウム
DVB:ジビニルベンゼン
Et:エチルスチレン
EDC:1,2−ジクロロエタン
TL:トルエン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
SDS:ラウリル硫酸ナトリウム
滴下終了後、室温で一晩攪拌下熟成した。これに下記表−2の組成の重合安定剤を添加後、窒素置換し、75℃まで昇温後、攪拌下で8時間重合した。
上記表−2中の略号は以下の通りである。
PVA:ポリビニルアルコール
PVA:ポリビニルアルコール
<重合後の後処理>
重合終了後、SUS製バットに脱塩水2Lと重合物を入れ一晩静置下で放置した。次いで、デカンテーションで上済み液を除去した後、SUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、次いで、水3Lにより洗浄した。次いで、メタノール3Lにより洗浄した後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、次いで、1,2−ジクロロエタン5Lを入れて、50℃、5時間で抽出した。再度、メタノール3Lを振り掛け洗浄後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、メタノール5Lを加えて、50℃で5時間、抽出を行った。再度、予めセットしておいたSUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、メタノール3Lを1回振り掛け洗浄した。濾過ポリマーをSUS製バットに入れ、室温で一晩風乾後、60℃で8時間、減圧乾燥機で乾燥した。
重合終了後、SUS製バットに脱塩水2Lと重合物を入れ一晩静置下で放置した。次いで、デカンテーションで上済み液を除去した後、SUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、次いで、水3Lにより洗浄した。次いで、メタノール3Lにより洗浄した後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、次いで、1,2−ジクロロエタン5Lを入れて、50℃、5時間で抽出した。再度、メタノール3Lを振り掛け洗浄後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、メタノール5Lを加えて、50℃で5時間、抽出を行った。再度、予めセットしておいたSUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、メタノール3Lを1回振り掛け洗浄した。濾過ポリマーをSUS製バットに入れ、室温で一晩風乾後、60℃で8時間、減圧乾燥機で乾燥した。
<パラターシャリーブトキシスチレンのグラフト重合>
得られたエチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体の20g(乾燥重量)を四つ口フラスコに入れ、パラターシャリーブトキシスチレン(PTBST)2.0gのイソオクタン140mL溶液とし、これにt−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製 パーヘキシル(登録商標)I)2.0gを添加した。攪拌下100℃まで昇温後、6時間保持することにより、反応を行った。
得られたエチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体の20g(乾燥重量)を四つ口フラスコに入れ、パラターシャリーブトキシスチレン(PTBST)2.0gのイソオクタン140mL溶液とし、これにt−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製 パーヘキシル(登録商標)I)2.0gを添加した。攪拌下100℃まで昇温後、6時間保持することにより、反応を行った。
反応終了後、ガラス濾過器で減圧濾過し、アセトン洗浄、メタノール洗浄及び水洗を行った。これを四つ口フラスコに移し、35%濃塩酸水溶液を添加し、四つ口フラスコにHCl吸収管付き気泡管をセットして60℃で5時間、攪拌下で加水分解反応を行った。反応物を濾過して中性になるまで水洗し、更にメタノール洗浄を行った。その後、60℃で8時間、減圧乾燥を行い、フェノール構造を導入した乾燥ポリマーを得た。
<スルホプロピル化反応>
フェノール構造を導入した乾燥ポリマー10gを0.3L四つ口フラスコに入れ、プロパンスルトン3.0mL/g−樹脂及びテトラヒドロフラン2.0mL/g−樹脂を混合したプロパンスルトンのテトラヒドロフラン溶液を添加し、90℃まで昇温して6時間保持した。
フェノール構造を導入した乾燥ポリマー10gを0.3L四つ口フラスコに入れ、プロパンスルトン3.0mL/g−樹脂及びテトラヒドロフラン2.0mL/g−樹脂を混合したプロパンスルトンのテトラヒドロフラン溶液を添加し、90℃まで昇温して6時間保持した。
その後、得られた反応物を冷却し、ガラス濾過器により反応物を濾過した。更に、メタノール洗浄及び水洗を行い、液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。得られた液体クロマトグラフィー用充填剤の物性・特性を表−7に示す。
<液体クロマトグラフィー用カラムの製造>
上記で得られた液体クロマトブラフィー用充填剤の湿潤樹脂4gを下記の条件でカラムに充填し、液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
カラム :内径4.6mm、長さ15cm、容量2.49mL
(SUS製、1μmフィルター)
充填ポンプ :島津製作所製LC−6AD
充填パッカー容量 :15mL
充填圧 :15MPa
充填時間 :15MPa、29分間
充填液 :100mMリン酸水溶液
上記で得られた液体クロマトブラフィー用充填剤の湿潤樹脂4gを下記の条件でカラムに充填し、液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
カラム :内径4.6mm、長さ15cm、容量2.49mL
(SUS製、1μmフィルター)
充填ポンプ :島津製作所製LC−6AD
充填パッカー容量 :15mL
充填圧 :15MPa
充填時間 :15MPa、29分間
充填液 :100mMリン酸水溶液
[実施例1−2]
<種ポリマーの製造>
四つ口フラスコにエタノール380.70g、ポリビニールピロリドン(分子量40,000)9.80gを用いた以外は実施例1−1と同様に実施してポリマーエマルジョン400gを得た。
<種ポリマーの製造>
四つ口フラスコにエタノール380.70g、ポリビニールピロリドン(分子量40,000)9.80gを用いた以外は実施例1−1と同様に実施してポリマーエマルジョン400gを得た。
<エチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体の製造>
下記表−3の乳化液組成の溶液を3回分用意した。この溶液を、バルブホモジナイザー(ラボ用 マントン・ゴーリン社製 ゴーリン15MR型)を用い、微細乳化液を調製した。その後、前工程で製造した種ポリマー溶液25.7g(ポリマー換算)を添加した重合容器に滴下ロートを用い、30℃の攪拌下でモノマーエマルジョン667mLを滴下後、2時間熟成した。この操作は所定量のモノマー(種ポリマーに対し体積で7倍の10%エマルジョン換算2000mL)となるまで3回に分割して実施した。
下記表−3の乳化液組成の溶液を3回分用意した。この溶液を、バルブホモジナイザー(ラボ用 マントン・ゴーリン社製 ゴーリン15MR型)を用い、微細乳化液を調製した。その後、前工程で製造した種ポリマー溶液25.7g(ポリマー換算)を添加した重合容器に滴下ロートを用い、30℃の攪拌下でモノマーエマルジョン667mLを滴下後、2時間熟成した。この操作は所定量のモノマー(種ポリマーに対し体積で7倍の10%エマルジョン換算2000mL)となるまで3回に分割して実施した。
上記表−3中の略号は以下の通りである。
DVB:ジビニルベンゼン
Et:エチルスチレン
EDC:1,2−ジクロロエタン
TL:トルエン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
SDS:ラウリル硫酸ナトリウム
DVB:ジビニルベンゼン
Et:エチルスチレン
EDC:1,2−ジクロロエタン
TL:トルエン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
SDS:ラウリル硫酸ナトリウム
滴下終了後、室温で一晩攪拌下熟成した。これに下記表−2の組成の懸濁重合安定剤を添加後、窒素置換し、75℃まで昇温後、攪拌下で8時間重合した。
上記表−4中の略号は以下の通りである。
PVA:ポリビニルアルコール
PVA:ポリビニルアルコール
<重合後の後処理>
重合終了後、SUS製バットに脱塩水2Lと重合物を入れ一晩静置下で放置した。次いで、デカンテーションで上済み液を除去した後、SUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、次いで、水3Lにより洗浄し、更にメタノール1Lにより洗浄した後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れた。次いで、1,2−ジクロロエタン1.5Lを入れて、50℃で5時間で抽出した。再度、メタノール1Lにより洗浄した後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、メタノール5Lを加えて、50℃で5時間、抽出を行った。再度、予めセットしておいたSUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、メタノール3Lにより洗浄した。濾過ポリマーをSUS製バットに入れ、室温で一晩風乾後、60℃で8時間、減圧乾燥機で乾燥した。
重合終了後、SUS製バットに脱塩水2Lと重合物を入れ一晩静置下で放置した。次いで、デカンテーションで上済み液を除去した後、SUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、次いで、水3Lにより洗浄し、更にメタノール1Lにより洗浄した後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れた。次いで、1,2−ジクロロエタン1.5Lを入れて、50℃で5時間で抽出した。再度、メタノール1Lにより洗浄した後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、メタノール5Lを加えて、50℃で5時間、抽出を行った。再度、予めセットしておいたSUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、メタノール3Lにより洗浄した。濾過ポリマーをSUS製バットに入れ、室温で一晩風乾後、60℃で8時間、減圧乾燥機で乾燥した。
<パラターシャリーブトキシスチレンのグラフト重合>
得られたエチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体の20g(乾燥重量)を四つ口フラスコに入れ、パラターシャリーブトキシスチレン(PTBST)4.0gのイソオクタン140mL溶液とし、これにt−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製 パーヘキシル(登録商標)I)2.0gを添加した。攪拌下100℃まで昇温後、6時間保持することにより、反応を行った。
得られたエチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体の20g(乾燥重量)を四つ口フラスコに入れ、パラターシャリーブトキシスチレン(PTBST)4.0gのイソオクタン140mL溶液とし、これにt−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート(日油社製 パーヘキシル(登録商標)I)2.0gを添加した。攪拌下100℃まで昇温後、6時間保持することにより、反応を行った。
反応終了後、ガラス濾過器で減圧濾過し、アセトン洗浄、メタノール洗浄及び水洗を行った。これを四つ口フラスコに移し、35%濃塩酸水溶液を添加し、四つ口フラスコにHCl吸収管付き気泡管をセットして60℃で5時間、攪拌下で加水分解反応を行った。反応物を濾過して中性になるまで水洗し、更にメタノール洗浄を行った。その後、減圧乾燥を行い、フェノール構造を導入した乾燥ポリマーを得た。
<スルホン化反応>
フェノール構造を導入したポリマー20g(乾燥重量)を四つ口フラスコに入れ、80%硫酸水溶液200mLを加え、四つ口フラスコを密封して攪拌下で15分間超音波をかけて分散させた。次いで50℃のバス中で2時間反応させ、すぐにガラス濾過器に移し、減圧濾過後、酢酸0.2Lを振りかけて洗浄した。その後、pHが中性になるまで水洗し、洗浄を止め、湿潤樹脂を再度四つ口フラスコに移した。これに脱塩水200mLを加え、95℃に昇温後、3時間、攪拌後で熱水処理を行なった。次いで、ガラス濾過器に移し、減圧濾過後、水洗し、更に0.5N−NaOH水溶液0.2Lを加えて30分間放置した後、中性となるまで洗浄し、液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。得られた液体クロマトグラフィー用充填剤の物性・特性を表−7に示す。
フェノール構造を導入したポリマー20g(乾燥重量)を四つ口フラスコに入れ、80%硫酸水溶液200mLを加え、四つ口フラスコを密封して攪拌下で15分間超音波をかけて分散させた。次いで50℃のバス中で2時間反応させ、すぐにガラス濾過器に移し、減圧濾過後、酢酸0.2Lを振りかけて洗浄した。その後、pHが中性になるまで水洗し、洗浄を止め、湿潤樹脂を再度四つ口フラスコに移した。これに脱塩水200mLを加え、95℃に昇温後、3時間、攪拌後で熱水処理を行なった。次いで、ガラス濾過器に移し、減圧濾過後、水洗し、更に0.5N−NaOH水溶液0.2Lを加えて30分間放置した後、中性となるまで洗浄し、液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。得られた液体クロマトグラフィー用充填剤の物性・特性を表−7に示す。
<液体クロマトグラフィー用カラムの製造>
上記で得られた液体クロマトグラフィー用充填剤を用い、実施例1−1と同様にして液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
上記で得られた液体クロマトグラフィー用充填剤を用い、実施例1−1と同様にして液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
[比較例1−1]
<種ポリマーの製造>
エタノール439.20g、ポリビニールピロリドン(分子量40,000)10.80gを用いた以外は実施例1−1と同様に実施し、ポリマーエマルジョンを得た。
<種ポリマーの製造>
エタノール439.20g、ポリビニールピロリドン(分子量40,000)10.80gを用いた以外は実施例1−1と同様に実施し、ポリマーエマルジョンを得た。
<エチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体の製造>
下記表−5の乳化液組成の溶液を3回分用意した。この溶液を、バルブホモジナイザー(ラボ用 マントン・ゴーリン社製 ゴーリン15MR型)を用い、微細乳化液を調製した。その後、前工程で製造した種ポリマー溶液75.0g(ポリマー換算)を添加したSUS製重合容器に滴下ロート(2Lガラス製分液ロート)を用い、30℃の攪拌下でモノマーエマルジョン2170mLを1時間で滴下後、2時間熟成した。この操作は所定量のモノマー(種ポリマーに対し体積で8倍の10%エマルジョン換算6520mL)となるまで3回に分割して実施した。
下記表−5の乳化液組成の溶液を3回分用意した。この溶液を、バルブホモジナイザー(ラボ用 マントン・ゴーリン社製 ゴーリン15MR型)を用い、微細乳化液を調製した。その後、前工程で製造した種ポリマー溶液75.0g(ポリマー換算)を添加したSUS製重合容器に滴下ロート(2Lガラス製分液ロート)を用い、30℃の攪拌下でモノマーエマルジョン2170mLを1時間で滴下後、2時間熟成した。この操作は所定量のモノマー(種ポリマーに対し体積で8倍の10%エマルジョン換算6520mL)となるまで3回に分割して実施した。
上記表−5中の略号は以下の通りである。
DVB:ジビニルベンゼン
Et:エチルスチレン
EDC:1,2−ジクロロエタン
TL:トルエン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
SDS:ラウリル硫酸ナトリウム
DVB:ジビニルベンゼン
Et:エチルスチレン
EDC:1,2−ジクロロエタン
TL:トルエン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
SDS:ラウリル硫酸ナトリウム
滴下終了後、室温(15〜35℃)で一晩攪拌下で熟成した。これに下記表−6の組成の分散安定剤を添加後、窒素置換し、75℃まで昇温後、攪拌下で8時間重合した。
上記表−6中の略号は以下の通りである。
PVA:ポリビニルアルコール
PVA:ポリビニルアルコール
<重合後の後処理>
重合終了後、SUS製バットに脱塩水2Lと重合物を入れ一晩静置下で放置した。次いで、デカンテーションで上済み液を除去した後、SUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、次いで、水3Lを3回振り掛け洗浄した。次いで、3Lメタノールを振り掛け洗浄後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、次いで、1,2−ジクロロエタン5Lを入れて、抽出した。再度、メタノール3Lを振り掛け洗浄後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、メタノール5Lを加えて、抽出を行った。再度、予めセットしておいたSUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、メタノール3Lを1回振り掛け洗浄した。濾過ポリマーをSUS製バットに入れ、室温で一晩風乾後、60℃で8時間、減圧乾燥機で乾燥した。
重合終了後、SUS製バットに脱塩水2Lと重合物を入れ一晩静置下で放置した。次いで、デカンテーションで上済み液を除去した後、SUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、次いで、水3Lを3回振り掛け洗浄した。次いで、3Lメタノールを振り掛け洗浄後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、次いで、1,2−ジクロロエタン5Lを入れて、抽出した。再度、メタノール3Lを振り掛け洗浄後、濾過ポリマーを四つ口フラスコに入れ、メタノール5Lを加えて、抽出を行った。再度、予めセットしておいたSUS製加圧濾過装置で3μmテフロン(登録商標)フィルターを用い、窒素下で加圧濾過し、メタノール3Lを1回振り掛け洗浄した。濾過ポリマーをSUS製バットに入れ、室温で一晩風乾後、60℃で8時間、減圧乾燥機で乾燥した。
<スルホン化反応>
得られたエチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体20gを300mL四つ口フラスコに入れ、80%硫酸水溶液200mLを加え、四つ口フラスコを密封して攪拌下で15分間超音波をかけて分散させた。付いで、50℃のバス中で2時間反応させ、すぐにガラス濾過器に移し、減圧濾過後、酢酸200mLを振りかけて洗浄した。その後、pHが中性になるまで水洗し、洗浄を止め、湿潤樹脂を再度四つ口フラスコに移した。これに脱塩水200mLを加え、95℃に昇温後、3時間、攪拌後で熱水処理を行なった。次いで、ガラス濾過器に移し、減圧濾過後、水洗し、更に0.5N−NaOH水溶液200mLを加えて30分間放置した後、中性となるまで洗浄し、液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。得られた液体クロマトグラフィー用充填剤の物性・特性を表−7に示す。
得られたエチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体20gを300mL四つ口フラスコに入れ、80%硫酸水溶液200mLを加え、四つ口フラスコを密封して攪拌下で15分間超音波をかけて分散させた。付いで、50℃のバス中で2時間反応させ、すぐにガラス濾過器に移し、減圧濾過後、酢酸200mLを振りかけて洗浄した。その後、pHが中性になるまで水洗し、洗浄を止め、湿潤樹脂を再度四つ口フラスコに移した。これに脱塩水200mLを加え、95℃に昇温後、3時間、攪拌後で熱水処理を行なった。次いで、ガラス濾過器に移し、減圧濾過後、水洗し、更に0.5N−NaOH水溶液200mLを加えて30分間放置した後、中性となるまで洗浄し、液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。得られた液体クロマトグラフィー用充填剤の物性・特性を表−7に示す。
〔アミノ酸分析〕
[実施例2−1]
実施例1−1で製造した液体クロマトグラフィー用カラムを用い、以下に記載する方法にて各種アミノ酸を含む試料の液体クロマトグラフィー分析を行った。その分析結果のクロマトグラムを図−1に示す。図−1中、Dはアスパラギン酸、Sはセリン、Gはグリシン、Tはトレオニン、Eはグルタミン酸、Aはアラニン、Pはプロリンをそれぞれ表す略号である。
[実施例2−1]
実施例1−1で製造した液体クロマトグラフィー用カラムを用い、以下に記載する方法にて各種アミノ酸を含む試料の液体クロマトグラフィー分析を行った。その分析結果のクロマトグラムを図−1に示す。図−1中、Dはアスパラギン酸、Sはセリン、Gはグリシン、Tはトレオニン、Eはグルタミン酸、Aはアラニン、Pはプロリンをそれぞれ表す略号である。
<試料の調製>
アスパラギン酸、セリン、グリシン、トレオニン、グルタミン酸、アラニン、プロリン、をそれぞれ1mMとなるように水に溶かしてアミノ酸混合試料とした。
アスパラギン酸、セリン、グリシン、トレオニン、グルタミン酸、アラニン、プロリン、をそれぞれ1mMとなるように水に溶かしてアミノ酸混合試料とした。
<測定条件>
実施例1−1で得た液体クロマトグラフィー用カラムを用い、以下の条件で分析を行った。
実施例1−1で得た液体クロマトグラフィー用カラムを用い、以下の条件で分析を行った。
(装置)
ポンプ:島津製作所社製 LC−10A
デガッサー:島津製作所社製 DGU−14A
カラムオーブン:日立製作所社製 L−7300
ダイオードアレイ紫外可視多波長検出器:日立製作所社製 L−2450
ポンプ:島津製作所社製 LC−10A
デガッサー:島津製作所社製 DGU−14A
カラムオーブン:日立製作所社製 L−7300
ダイオードアレイ紫外可視多波長検出器:日立製作所社製 L−2450
(クロマトグラフィー条件)
カラム温度:40℃
検出波長:UV210nm
試料注入量:20μL
流速:1.0mL/min
溶離液:4mMリン酸
カラム温度:40℃
検出波長:UV210nm
試料注入量:20μL
流速:1.0mL/min
溶離液:4mMリン酸
[実施例2−2a及び比較例2−1a]
液体クロマトグラフィー用カラムを、実施例2−2aにおいては実施例1−2で製造したものを用い、比較例2−1aにおいては比較例1−1で製造したものを用いた以外は、実施例2−1と同様にして分析を行なった。これらの分析結果のクロマトグラムを図−1に示す。
液体クロマトグラフィー用カラムを、実施例2−2aにおいては実施例1−2で製造したものを用い、比較例2−1aにおいては比較例1−1で製造したものを用いた以外は、実施例2−1と同様にして分析を行なった。これらの分析結果のクロマトグラムを図−1に示す。
[実施例2−2b、比較例2−1b]
実施例2−2b及び比較例2−1bではそれぞれ、実施例2−2a及び比較例2−1aに対し、用いた溶離液を1mMリン酸とした以外はそれぞれ同様に実施した。これらの分析結果のクロマトグラムを図−2に示す。図−2中の略号D、S、G、T、E、A及びPはそれぞれ図−1と同様である。
実施例2−2b及び比較例2−1bではそれぞれ、実施例2−2a及び比較例2−1aに対し、用いた溶離液を1mMリン酸とした以外はそれぞれ同様に実施した。これらの分析結果のクロマトグラムを図−2に示す。図−2中の略号D、S、G、T、E、A及びPはそれぞれ図−1と同様である。
〔結果の解析・評価1〕
図−1は実施例2−1、実施例2−2a及び比較例2−1aで得られたクロマトグラムであり、また、図−2は実施例2−2b及び比較例2−1bで得られたクロマトグラムである。図−1及び図−2のそれぞれにおいて、横軸は保持時間を表し、縦軸は紫外吸光度(UV210nm)を表す。ピークの保持時間が短いほどアミノ酸が高速で検出されたことを示し、また、各ピークの幅が狭いほど分離能に優れることを示す。
図−1は実施例2−1、実施例2−2a及び比較例2−1aで得られたクロマトグラムであり、また、図−2は実施例2−2b及び比較例2−1bで得られたクロマトグラムである。図−1及び図−2のそれぞれにおいて、横軸は保持時間を表し、縦軸は紫外吸光度(UV210nm)を表す。ピークの保持時間が短いほどアミノ酸が高速で検出されたことを示し、また、各ピークの幅が狭いほど分離能に優れることを示す。
図−1に示されるように、実施例2−1は、8分以内で7種のアミノ酸について明確なピークが確認された。
また、図−1において実施例2−2aと比較例2−1aを比較すると、実施例2−2aにおいてはアスパラギン酸とセリンのピーク、及びグルタミン酸とアラニンのピークにやや重なりがあるものの、7種のアミン酸に帰属されるピークがすべて認識できる程度の分離能が示されたのに対し、比較例2−1aではアスパラギン酸とセリンのピーク、及びグルタミン酸とアラニンのピークが完全に重なっていることから、実施例2−2aは比較例2−1aよりも優れた分離能を示した。また、実施例2−2aが約16分でプロリンのピークが確認されたのに対し、比較例2−1aでは約22分でプロリンのピークが確認され、分離速度においても実施例2−2aは比較例2−1aよりも優れることがわかる。
また、図−2の実施例2−2b及び比較例2−1bはそれぞれ、図−1の実施例2−2a及び比較例2−1aに対して溶離液であるリン酸水溶液の濃度を変更したものである。実施例2−2b及び比較例2−1bは共に7種のアミノ酸のピークが確認されたが、実施例2−2bは比較例2−1bよりも分離速度が優れていることがわかる。
以上の図−1及び図−2の結果から、実施例1−2で製造したフェノール構造を有するクロマトラフィー用充填剤は、比較例1−1で製造したフェノール構造を有さないクロマトラフィー用充填剤よりもアミノ酸分析において分離能及び分離速度の両方に優れたものであることがわかる。
[実施例3−1]
実施例1−1で製造した液体クロマトグラフィー用カラムを用い、以下に記載する方法にて各種アミノ酸を含む試料の液体クロマトグラフィー分析を行った。その分析結果のクロマトグラムを図−3に示す。図−3中の略号D、S、G、T、E、A及びPはそれぞれ図−1と同様である。また、Vはバリン、Mはメチオニン、Yはチロシン、Iはイソロイシン、Lはロイシン、Fはフェニルアラニン、Hはヒスチジン、Kはリシン、Wはトリプトファン及びRはアルギニンをそれぞれ表す。また、1は試料注入に起因するシステムピーク、2は有機溶媒グラジエントに基づくシステムピーク、3及び4は不純物によるピークである。
実施例1−1で製造した液体クロマトグラフィー用カラムを用い、以下に記載する方法にて各種アミノ酸を含む試料の液体クロマトグラフィー分析を行った。その分析結果のクロマトグラムを図−3に示す。図−3中の略号D、S、G、T、E、A及びPはそれぞれ図−1と同様である。また、Vはバリン、Mはメチオニン、Yはチロシン、Iはイソロイシン、Lはロイシン、Fはフェニルアラニン、Hはヒスチジン、Kはリシン、Wはトリプトファン及びRはアルギニンをそれぞれ表す。また、1は試料注入に起因するシステムピーク、2は有機溶媒グラジエントに基づくシステムピーク、3及び4は不純物によるピークである。
<試料の調製>
アスパラギン酸、セリン、グリシン、トレオニン、グルタミン酸、アラニン、プロリン、バリン、イソロイシン、ロイシン、リシン及びアルギニンはそれぞれ1mM、メチオニン、フェニルアラニン及びヒスチジンはそれぞれ0.1mM、チロシン及びトリプトファンはそれぞれ0.01mMとなるように水に溶かしてアミノ酸混合試料とした。
アスパラギン酸、セリン、グリシン、トレオニン、グルタミン酸、アラニン、プロリン、バリン、イソロイシン、ロイシン、リシン及びアルギニンはそれぞれ1mM、メチオニン、フェニルアラニン及びヒスチジンはそれぞれ0.1mM、チロシン及びトリプトファンはそれぞれ0.01mMとなるように水に溶かしてアミノ酸混合試料とした。
<測定条件>
実施例1−1で得た液体クロマトグラフィー用カラムを用い、以下の条件で分析を行った。
(装置)
ポンプ:島津製作所社製 LC−9A(10A相当)
2台による高圧グラジエント送液システム
デガッサー:島津製作所社製 DGU−14A
カラムオーブン:日立製作所社製 L−7300
ダイオードアレイ紫外可視多波長検出器:日立製作所社製 L−2450
インジェクター:レオダイン7725i
実施例1−1で得た液体クロマトグラフィー用カラムを用い、以下の条件で分析を行った。
(装置)
ポンプ:島津製作所社製 LC−9A(10A相当)
2台による高圧グラジエント送液システム
デガッサー:島津製作所社製 DGU−14A
カラムオーブン:日立製作所社製 L−7300
ダイオードアレイ紫外可視多波長検出器:日立製作所社製 L−2450
インジェクター:レオダイン7725i
(クロマトグラフィー条件)
カラム温度:40℃
検出波長:UV210nm
試料注入量:20μL
溶離液 A液:4mMリン酸
B液:20mM NaH2PO4+30%CH3CN
A/B組成および流速のタイムプログラム(グラジエント条件)を次の表−8に示す。
カラム温度:40℃
検出波長:UV210nm
試料注入量:20μL
溶離液 A液:4mMリン酸
B液:20mM NaH2PO4+30%CH3CN
A/B組成および流速のタイムプログラム(グラジエント条件)を次の表−8に示す。
<方法>
上記のように二液高圧グラジエント溶離システムを構築し、マイクロシリンジを用いて分析対象のアミノ酸混合試料の所定量を注入した。クロマトグラフィーデータの取得及び解析は、ダイオードアレイ検出器を制御するパーソナルコンピューターに付属のソフトウェアによって行った。
上記のように二液高圧グラジエント溶離システムを構築し、マイクロシリンジを用いて分析対象のアミノ酸混合試料の所定量を注入した。クロマトグラフィーデータの取得及び解析は、ダイオードアレイ検出器を制御するパーソナルコンピューターに付属のソフトウェアによって行った。
〔結果の解析・評価2〕
図−3は実施例3−1で得られたクロマトグラムである。横軸は保持時間を表し、縦軸は紫外吸光度(UV210nm)を表す。ピークの保持時間が短いほどアミノ酸が高速で検出されたことを示し、また、各ピークの幅が狭いほど分離能に優れることを示す。
図−3は実施例3−1で得られたクロマトグラムである。横軸は保持時間を表し、縦軸は紫外吸光度(UV210nm)を表す。ピークの保持時間が短いほどアミノ酸が高速で検出されたことを示し、また、各ピークの幅が狭いほど分離能に優れることを示す。
なお、図−3のクロマトグラムにおいて、各ピークの帰属方法は次の通りである。実施例1−1において得られた液体クロマトグラフィー用カラムを用い、標準アミノ酸を単品ごとに分離し、それぞれの保持時間を求めた。アミノ酸混合物試料のピーク保持時間を既知と比較し、それぞれのピークを帰属した。
図−3に示すように、17種のアミノ酸について明確なピークが確認された。また、いずれのピークも保持時間は9分以内であり、遊離アミノ酸を直接、高速で分離可能であることが示された。
また、紫外吸収性アミノ酸の保持時間の再現性と定量範囲は次の表−9の通りである。クロマトグラムの再現性は良好で、定量範囲は広く精度も高いことが示された。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は2012年3月30日出願の日本特許出願(特願2012−081658)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本出願は2012年3月30日出願の日本特許出願(特願2012−081658)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の液体クロマトグラフィー用分離剤、それを用いた液体クロマトグラフィー用カラム及び液体クロマトグラフィー装置は、アミノ酸の分離に非常に好適であり、多くの種類のアミノ酸を高速で分離することができる。また、その用途はアミノ酸の分析に制限されず、核酸塩基の分離や医薬品の精製等、種々の分析の用途に用いることができる。
Claims (11)
- スチレン系架橋共重合体を基体として含み、
平均細孔径2〜100nm、細孔容積0.2〜2.4mL/g及び比表面積100〜1200m2/gであり、
交換容量が0.1〜200μeq/gであるスルホ基を交換基として含み、かつ
フェノール構造を前記スチレン系架橋共重合体100重量部に対して0.1〜30重量部含む、液体クロマトグラフィー用充填剤。 - 前記スチレン系架橋共重合体の架橋度が50重量%以上である、請求項1に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 体積平均粒径が1.0〜10.0μmである、請求項1又は2に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 前記スチレン系架橋共重合体がエチルスチレン−ジビニルベンゼン架橋共重合体である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 前記スルホ基として炭素数1〜6のスルホアルキル基を含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 前記スルホ基としてスルホプロピル基を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 前記フェノール構造が、前記スチレン系架橋共重合体に対し、パラターシャリーブトキシスチレンを反応させた後、加水分解することにより導入されたものである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 前記スチレン系架橋共重合体に対し、パラターシャリーブトキシスチレンを反応させた後、加水分解することにより前記フェノール構造を導入し、続いてスルホアルキル化剤と反応させることにより前記スルホ基を導入させたものである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 前記スルホ基が、硫酸濃度50〜97重量%の水溶液中で前記スチレン系架橋共重合体をスルホン化することにより導入されたものである、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の液体クロマトグラフィー用充填剤を含む液体クロマトグラフィー用カラム。
- 請求項10に記載の液体クロマトグラフィー用カラムを含む液体クロマトグラフィー装置。
Priority Applications (1)
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JP2013073990A JP2016011835A (ja) | 2012-03-30 | 2013-03-29 | 液体クロマトグラフィー用充填剤、液体クロマトグラフィー用カラム及び液体クロマトグラフィー装置 |
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