JPWO2015075778A1 - ロボットシステム - Google Patents

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Abstract

ハンドをそれぞれ有する複数のロボットと、ワークを前記ハンドでそれぞれ保持させた状態で、互いに協調しながらワークの姿勢を変化させる動作をロボットに対して指示する制御装置とを備えるようにロボットシステムを構成する。ワークに含まれる回転部材の回転位置を検出する検出部と、回転部材を回転させる回転部とをさらに備えるようにロボットシステムを構成する。制御装置は、ワークの姿勢を変化させる動作の後、ワークを回転部へ載置させる動作をロボットに対して指示し、検出部による検出結果に基づいて回転部材を所定の回転位置へ回転させることを回転部に対して指示するようにロボットシステムを構成する。

Description

開示の実施形態は、ロボットシステムに関する。
従来、一連の加工や部品の組み付けを行う組み立て工程などにおいて、複数の部品を、ロボットが搬送したり姿勢を変えたりしながら組み付けることで、作業の効率化を図るロボットシステムが種々提案されている。
かかるロボットシステムには、たとえば、ロボットが、シャフトに対して環状部材を組み付ける組み立てシステムがある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2013−031892号公報
しかしながら、上記した従来技術には、効率よく加工品や組み立て品の生産を行うという点で更なる改善の余地がある。
たとえば、上述したロボットシステムでは、1台のロボットで組み立て作業が行われる。このため、重量の大きいワークの反転作業などが困難であり、ロボットが行うことができる作業は限られていた。また、反転作業などのワークの姿勢を変化させる作業工程を組み立て工程へ含めようとすると専用の装置が必要となり、設備の設置面積が大きくなったり、設備のコストが大きくなったりするといった問題があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、効率よく加工品や組み立て品の生産をすることができるロボットシステムを提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るロボットシステムは、複数のロボットと、制御装置とを備える。前記複数のロボットは、ハンドをそれぞれ有する。前記制御装置は、ワークを前記ハンドでそれぞれ保持させた状態で、互いに協調しながら前記ワークの姿勢を変化させる動作を前記ロボットに対して指示する。
実施形態の一態様によれば、効率よく加工品や組み立て品の生産をすることができるロボットシステムを提供することができる。
図1は、実施形態に係るロボットシステムによるワーク姿勢変化の一連の動作を示す模式図である。 図2は、ロボットシステムの配置を示す平面模式図である。 図3は、ワークの上面斜視図である。 図4Aは、ロボットの構成を示す斜視図である。 図4Bは、ハンドの構成を示す斜視図である。 図5は、ロボットシステムのブロック図である。 図6Aは、ロボットのワークの姿勢変化の一連の動作を説明するための模式図(その1)である。 図6Bは、ロボットのワークの姿勢変化の一連の動作を説明するための模式図(その2)である。 図6Cは、ロボットのワークの姿勢変化の一連の動作を説明するための模式図(その3)である。 図6Dは、ロボットのワークの姿勢変化の一連の動作を説明するための模式図(その4)である。 図7は、回転部のワークの位相合わせを説明するための模式図である。 図8は、ロボットシステムが実行する処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するロボットシステムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、実施形態に係るロボットシステムによるワークの姿勢変化の動作について図1を用いて説明する。図1は、実施形態に係るロボットシステムによるワーク姿勢変化の一連の動作を示す模式図である。図1に示すように、実施形態に係るロボットシステムは、第1のロボットと第2のロボットとを備える。
第1のロボットおよび第2のロボットは、たとえば複数のアームがそれぞれ関節によって連結された7軸ロボットなどの多軸ロボットであり、先端には、ワークをたとえば把持することで保持可能なハンドをそれぞれ備える。また、第1のロボットおよび第2のロボットは、ワークを把持することができるそれぞれの可動領域を重複させて設けられる。なお、以下の説明では、複数のアームを総称してアームと呼ぶことがある。
ところで、従来のロボットシステムとしては、1台のロボットで組み立て作業を行うものが知られていた。しかしながら、このような従来の手法では、重量の大きいワークの反転作業などが困難であり、ロボットが行うことができる作業は限られていた。
したがって、反転作業などのワークの姿勢を変化させる作業工程を組み立て工程へ含めようとすると専用の装置が必要となり、設備の設置面積が大きくなったり、設備のコストが大きくなったりするといった問題があった。
そこで、実施形態に係るロボットシステムでは、ワークを複数のロボットで同時に保持し、かかる複数のロボットを、お互いに協調させながらワークの姿勢を変化させることとした。以下では、実施形態にかかるロボットシステムが、ワークの姿勢を変化させる方法について説明する。
図1に示すように、実施形態に係るロボットシステムにおける第1のロボットおよび第2のロボットは、ワークを同時に把持して保持する(図1のステップS1参照)。
そして、第1のロボットおよび第2のロボットが共にワークを保持した状態で、第1のロボットは、たとえば、アームを同図の矢印601のように、第2のロボットは、たとえば、アームを同図の矢印602のように、それぞれ移動させる。この場合、第1のロボットおよび第2のロボットは、ワークを保持した状態が維持されるようにお互いに協調しながら動作する(図1のステップS2参照)。なお、第1のロボットおよび第2のロボットがアームを移動させる方向は、図示した向きには限られず、たとえば、それぞれ逆方向でも構わない。
第1のロボットおよび第2のロボットは、ワークの姿勢が鉛直方向に対して反転したところで、アームの移動を停止する(図1のステップS3参照)。このように、実施形態に係るロボットシステムでは、複数のロボットでワークを同時に保持してワークの姿勢を変化させる。これにより、ワークの姿勢を変化させる専用の装置が不要となり、効率よく加工品や組み立て品の生産をすることができる。
さらに、複数のロボットで協調して作業することで、1つのロボットあたりのワークの重量による負荷が軽減される。また、複数のロボットが、ワークを介して閉じられたリンク構造を形成することで、ロボットの単腕のみでワークを保持する場合に比べて、ワークのモーメントによる負荷も軽減される。したがって、ロボットのアームや関節の剛性を高めたりすることなく、1つのロボットでは実行が難しい複雑で高精度な軌跡でワークの姿勢を変化させることが可能となる。
なお、図1では、2つのロボットが、ハンドをそれぞれ鉛直方向に対向させてワークを把持する場合を示したが、ワークを把持するハンドの方向は、ともに任意の方向から把持することとしてよい。
また、図1では、ワークの姿勢変化として鉛直方向に対する反転を例にとって説明したが、ワークの姿勢変化はこれに限られない。たとえば、ワークを、斜めに傾けたり、移動を伴いながら姿勢を変化させたりすることとしてもよい。したがって、アームの動作も図1に示した移動に限られず、ワークの姿勢変化に合わせて適宜設定されてよい。また、ロボットは2つに限られず3つ以上の任意の数とすることができる。
次に、実施形態に係るロボットシステム1の配置について説明する。図2は、ロボットシステムの配置を示す平面模式図である。なお、図2には、説明を分かりやすくするために、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、以下の説明で用いる他の図面においても示し、また、対象物に対してZ軸の正方向を上側、負方向を下側として示す場合がある。なお、本実施形態では、X軸の正方向がロボット12の前方を指すものとする。
また、以下では、複数個で構成される構成要素については、複数個のうちの一部にのみ符号を付し、その他については符号の付与を省略する場合がある。かかる場合、符号を付した一部とその他とは同様の構成であるものとする。
また、同じく複数個で構成される構成要素につき、符号に「−番号」の形式の符番を付して構成要素をそれぞれ識別する場合がある。かかる場合、これら構成要素を総称する際には、上記「−番号」の付番を用いずに符号のみを用いるものとする。
図2に示すように、ロボットシステム1は、直方体形状の作業スペースを形成するセル11を備える。また、ロボットシステム1は、かかるセル11の内部に、2台のロボット12と、回転部13と、作業台14と、作業装置15と、パレット台16とを備える。なお、ロボット12の詳細については、図4Aと図4Bとを用いて後述する。
パレット台16上には、パレット30が係止される。そして、パレット30には、ワーク40や、ロボット12が各工程で使用する部材などが載置される。なお、パレット30は、ロボット12−1およびロボット12−2がパレット30上の物品に到達可能な位置に配置される。
ここで、ワーク40の一例について図3を用いて説明しておく。なお、図3では、ワーク40が、ギア41および回転部材42を含む場合を例にとって示すが、ワーク40に含まれる部材はこれに限られない。たとえば、ワーク40は、お互いに接したり係合したりする2つの部材を含むものであればよい。また、ワーク40の形態も図3に示した例に限られず、任意のものとすることができる。
図3は、ワークの上面斜視図である。図3に示すように、ワーク40は、ギア41と回転部材42とを備える。ギア41は、円環状に形成されたギア部411と、ギア部411と同軸に形成された係合部412とを有する。
回転部材42は、胴部421と回転軸422とを有する。回転軸422は、胴部421に対して、回転軸422の軸心を結んだ軸である軸AXwまわりに回転自在に設けられる。また、回転軸422は、両端を胴部421の2つの主面からそれぞれ露出させて設けられる。回転軸422の一方の端部には、切欠き状の溝部423が設けられる。
そして、回転軸422の他方の端部には、係合部412を、たとえばスプライン嵌合させてギア41が取り付けられる(矢印603)。図3には、かかるスプラインの溝を、係合部412の内周部に点線で、回転軸422の図中の上側の端部に実線で示している。これにより、ギア部411は、回転軸422と同軸に配置され、さらにギア41は、回転軸422に対して回り止めされる。
図2の説明に戻り、ロボットシステム1の説明をつづける。回転部13は、ワーク40を保持して回転軸422(図3参照)を回転させる装置である。回転部13の詳細については、図7を用いて後述する。作業台14は、ロボット12−1がワーク40などに対して作業を行うための作業台である。作業装置15は、ワーク40に対して加工や組み付けなどの所定の作業を行う装置である。
また、ロボットシステム1は、セル11の外部に制御装置20を備える。制御装置20は、ロボット12や、回転部13、作業装置15といったセル11内部の各種装置と情報伝達可能に接続される。
ここで、制御装置20は、接続された各種装置の動作を制御するコントローラであり、種々の制御装置や演算処理装置、記憶装置などを含んで構成される。制御装置20の詳細については、図5を用いて後述する。
なお、図2では、1筐体の制御装置20を示しているが、制御装置20は、たとえば、制御対象となる各種装置のそれぞれに対応付けられた複数個の筐体で構成されてもよく、さらに、セル11の内部に配設されてもよい。
また、ここで「制御装置」とは、単独の制御装置だけでなく、複数の制御装置が協働して制御を行う制御装置群も含んで意味する。したがって、制御装置20は、上位の制御装置と、この上位の制御装置と対応付けて設けられた、1または複数のロボット12を制御する下位の制御装置とを含むこととしてもよい。なお、かかる上位の制御装置のみを制御装置20としてもよい。
また、制御装置20は、少なくとも1つのロボット12に対して動作の指示を行う。なお、上記した上位の制御装置20がロボット12に動作の指示をする場合、下位の制御装置を経由してロボット12に指示が伝達される。
次に、ロボット12の構成例について、図4Aを用いて説明する。図4Aは、ロボットの構成を示す斜視模式図である。図4Aに示すように、ロボット12は、単腕型の多軸ロボットである。具体的には、ロボット12は、第1アーム部121と、第2アーム部122と、第3アーム部123と、第4アーム部124と、第5アーム部125と、基台部126とを備える。
第1アーム部121は、基端部を第2アーム部122によって支持される。第2アーム部122は、基端部を第3アーム部123によって支持され、先端部において第1アーム部121を支持する。
第3アーム部123は、基端部を第4アーム部124によって支持され、先端部において第2アーム部122を支持する。第4アーム部124は、基端部を第5アーム部125によって支持され、先端部において第3アーム部123を支持する。
第5アーム部125は、セル11(図2参照)の床面などに固定された基台部126によって基端部を支持され、先端部において第4アーム部124を支持する。また、第1アーム部121〜第5アーム部125の各連結部分である各関節部(図示せず)にはそれぞれアクチュエータが搭載されており、ロボット12は、かかるアクチュエータの駆動によって多軸動作を行うことができる。
具体的には、第1アーム部121および第2アーム部122を連結する関節部のアクチュエータは、第1アーム部121をB軸まわりに回動させる。また、第2アーム部122および第3アーム部123を連結する関節部のアクチュエータは、第2アーム部122をU軸まわりに回動させる。
また、第3アーム部123および第4アーム部124を連結する関節部のアクチュエータは、第3アーム部123をL軸まわりに回動させる。また、第4アーム部124および第5アーム部125を連結する関節部のアクチュエータは、第4アーム部124をS軸まわりに回動させる。
また、ロボット12は、第1アーム部121をT軸まわりに、第2アーム部122をR軸まわりに、第3アーム部123をE軸まわりに、それぞれ回動させる個別のアクチュエータを備える。
すなわち、ロボット12は、7軸を有する。そして、ロボット12は、制御装置20からの動作指示に基づき、かかる7軸を組み合わせた多様な多軸動作を行うこととなる。なお、制御装置20からの動作指示は、具体的には、前述のアクチュエータそれぞれに対する駆動指示として通知される。
なお、第1アーム部121の先端部は、ロボット12の終端可動部であり、かかる終端可動部には、後述するハンド120が取り付けられる。つづいて、かかるハンド120について図4Bを用いて説明する。図4Bは、ハンドの構成を示す斜視図である。なお、説明を分かりやすくするために、図4Bでは、ハンド120が、T軸をZ軸と、駆動軸120bをY軸と、それぞれ平行に位置している場合を例にとって説明する。
図4Bに示すように、ハンド120は、駆動部120aと、駆動軸120bと、ガイド軸120cと、ブラケット120dと、把持部120eとを備える。駆動部120aは、第1アーム部121の先端部に取り付けられる。駆動軸120bは、軸心をY軸方向に向けてT軸に関して対称に配置された、それぞれ一対のシャフトである。駆動軸120bは、駆動部120aによりY軸方向に進退し、それぞれの先端にブラケット120dが取り付けられる。
また、ガイド軸120cは、かかるガイド軸120cとT軸に関して反対側の駆動軸120bと軸心を一致させて設けられた、それぞれ一対のシャフトであり、ブラケット120dの基端部と摺動自在に備えられる。
ブラケット120dは、駆動軸120bの動作に伴い、ガイド軸120cにガイドされながらY軸方向に進退する。ブラケット120dの他端部には、把持部120eが、ブラケット120dのY軸方向への進退に伴い、ワーク40(図2参照)などを把持可能に備えられる。
また、ハンド120の近傍には、検出部50が設けられる。検出部50は、たとえば所定の撮像領域を有する撮像デバイスであり、回転部13(図2参照)に設置されたワーク40などを撮像する。
なお、本実施形態では、検出部50の撮像データに基づいてワーク40に関する情報を取得することとするが、撮像デバイスに限らず、たとえば、光学センサといった検出デバイスを用いてもよい。また、検出部50が設けられる場所は、ハンド120に限らず、たとえば、セル11の内壁や、回転部13であってもよい。
次に、実施形態に係るロボットシステム1の構成について、図5を用いて説明する。図5は、実施形態に係るロボットシステムのブロック図である。なお、図5では、ロボットシステム1の説明に必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。また、図5を用いた説明では、主として制御装置20の内部構成について説明することとし、既に図2で示した各種装置については説明を簡略化する場合がある。
図5に示すように、制御装置20は、制御部21と、記憶部22とを備える。制御部21は、取得部211と、判定部212と、指示部213とをさらに備える。制御部21は、制御装置20の全体制御を行う。取得部211は、検出部50で撮像された撮像データを受け取る。
判定部212は、取得部211で取得された情報から回転軸422(図3参照)の回転位置(位相)の判定を行い、判定内容を指示部213に通知する。なお、かかる位相の判定は、位相判定情報221に基づいて行われる。位相判定情報221は、たとえば、溝部423の軸AXw(図3参照)についての周方向の位置を含む画像情報であり、あらかじめ記憶部22に登録される。
指示部213は、通知された判定部212からの情報に基づき、ロボット12や回転部13といった各種装置を動作させる動作信号を生成して各種装置へ向け出力する。たとえば、指示部213は、判定部212からの情報に基づき、回転部13が回転軸422を回転させる動作を停止させる。
また、指示部213は、ロボット12−1およびロボット12−2にワーク40(図3参照)を同時に保持させ、さらに協調して動作させることによって、ワーク40の姿勢を変化させる。そして、少なくとも1つのロボット12に、ワーク40を回転部13に設置させる。なお、この点の詳細については、図6A〜図6Dを用いて後述する。
記憶部22は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスであり、位相判定情報221を記憶する。なお、位相判定情報221の内容については既に説明したため、ここでの記載を省略する。
また、図5で制御装置20の内部に示した各構成要素は、制御装置20単体に配置されなくともよい。たとえば、記憶部22の記憶する位相判定情報221を検出部50の内部メモリに記憶させることによって、スループットの向上を図ることとしてもよい。
また、上記した説明では、制御装置20が、あらかじめ登録された位相判定情報221などに基づいて回転軸422の回転位置の判定を行う例を示したが、制御装置20と相互通信可能に接続された上位装置から逐次必要な情報を取得することとしてもよい。
次に、ロボット12によるワーク40の姿勢変化の一例について図6A〜図6Dを用いて説明する。図6A〜図6Dは、ロボットのワークの姿勢変化の一連の動作を説明するための模式図(その1)〜(その4)である。
なお、図6A〜図6Dに示すロボット12−1およびロボット12−2が、ワーク40を保持したり、ワーク40を上下反転したりする動作は、ロボットシステム1が行うワーク40の姿勢を変化させる動作の一例に過ぎない。
したがって、ロボットシステム1は、ロボット12−1およびロボット12−2に、ワーク40を任意の向きに傾けたり、移動を伴いながら姿勢を変化させたりすることとしてもよい。この場合、ロボット12の動作も図6A〜図6Dに示した移動に限られず、ワーク40の姿勢変化に合わせて適宜設定される。また、ロボット12は2つに限られず3つ以上の任意の数とすることができる。
また、図6Aに示した例では、回転部材42は、ロボット12−1によりパレット30(図2参照)から作業台14へ搬送され、作業台14に設けられた不図示のジグなどにより固定される。この場合、回転部材42は、溝部423(図3参照)をZ軸の負方向に向けて固定される。また、ギア41もロボット12−1によりパレット30から搬送されるものとする。
図6Aに示すように、ロボット12−1は、Z軸の正方向からギア41を回転軸422に組み付ける(矢印604)。ロボット12−1は、ワーク40を把持して、回転軸422の向きを維持しつつ、たとえば矢印605のように作業台14からロボット12−2の作業が可能な可動範囲内へ搬送する。
つづいて、図6Bに示すように、ロボット12−2は、ギア41と回転部材42とを、たとえば挟んで把持し(矢印606)、ワーク40は、ロボット12−1およびロボット12−2に同時に保持される。
ここで、図6Bには、ロボット12−2がギア41および回転部材42を挟んで把持する例を示しているが、ロボット12−1およびロボット12−2がワーク40を保持する形態はこれに限られない。
たとえば、ロボット12−2がギア41のみを保持したり、ロボット12−1およびロボット12−2のそれぞれのハンド120(図4B参照)で、ワーク40を上下方向から所定の間隔をあけて挟むように保持したりすることとしてもよい。この場合、ロボット12−2は、後述する反転作業が完了したワーク40を、たとえばハンド120−2上に載置して保持することとしてもよい。
つづいて、ロボット12−1およびロボット12−2は、たとえば矢印607の方向に協調して動作することにより、Z軸方向に関してワーク40を反転させる。この場合、図6Cに示すように、ギア41は、Z軸の負方向を向くが、ロボット12−2に支持されているため、ワーク40から落下しない。
そして、図6Dに示すように、ロボット12−1は、ワーク40の把持動作を解除し(矢印608)、ロボット12−2は、回転軸422の向きを維持しつつ回転部13へワーク40を搬送する(矢印609)。
このように、ロボット12−1およびロボット12−2は、ワーク40の姿勢が変化すると落下する部材(ギア41、以下、単に「落下部材」と記載する)および回転部材42を挟む姿勢で保持する。したがって、ワーク40の姿勢の変化に伴い、かかる部材が落下する事態を回避することができる。
さらに、図6A〜図6Dに示した例では、落下部材がギア41であることとしたが、落下部材はギア41以外の部材であってもよい。たとえば、落下部材は、作業台14上のワーク40と接した状態で載置されたブロックなどの部材であってもよい。この場合、ロボット12−1およびロボット12−2は、かかる位置関係を維持しつつ、ワーク40をそれぞれ同時に保持する。
また、図6A〜図6Dに示した例では、ロボット12は、ワーク40の反転作業を行う。このため、ギア41の組み付け作業や、回転軸422の位相の検出作業(図7を用いて後述)を、上方から行うことができる。
さらに、本実施形態に係るロボットシステム1では、図6A〜図6Dに示した反転作業に限られず、ワーク40の任意の向きの姿勢変化が可能である。このため、落下部材を含むワーク40に対しても、かかる部材を落下させることなく作業対象部位を上方に向けることができる。したがって、ワーク40に対して常に上方から作業することができ、作業の容易化が可能となる。
つづいて、回転軸422の位相合わせについて図7を用いて説明する。図7は、回転部のワークの位相合わせを説明するための模式図である。まず、回転部13について説明する。回転部13は、保持部131と動力部132とを備える。
保持部131は、ワーク40の上下方向に所定の空間を有してワーク40を保持する。これにより、ロボット12(図2参照)がワーク40を保持部131へ設置する際に、ハンド120(図4B参照)が保持部131と干渉する事態を回避することができる。
なお、図7ではワーク40を保持部131に載置(係止)して保持する場合を例にとって説明したが、保持部131の形態はこれに限られない。たとえば、保持部131は、胴部421を軸AXwについての径方向の両側から挟持したり、上下方向の両側から挟持したりして、ワーク40を保持することとしてもよい。
動力部132は、動力源132aと、動力軸132bと、ギア部132cとを備える。なお、図7には、動力軸132bの軸心を結んだ軸を軸AXmとして示している。動力源132aは、モータなどの動力源であり、動力軸132bを軸AXmまわりに回転させる。動力軸132bには、ギア部411と歯合するギア部132cが設けられる。
ギア部132cは、ワーク40が保持部131に保持された状態でギア部411と歯合する位置に設置される。これにより、ロボット12が回転部13にワーク40を設置した後に把持動作を解除しても、ギア41はギア部132cに支持されるので、回転部材42から落下しない。
そして、動力軸132bが、たとえば軸AXmまわりの矢印610の方向に回転すると、ギア部132cは、ギア41を介して回転軸422を、軸AXwまわりの矢印611の方向に回転する。
検出部50は、Z軸の正方向からワーク40を撮像する(矢印612)。判定部212(図5参照)は、検出部50の撮像データから、溝部423の回転位置に基づいて、回転軸422の位相を判定する。すなわち、判定部212は、溝部423が所定の位相P1に達した際に指示部213(図5参照)へ信号を送る。
そして、指示部213は、かかる信号に基づいて動力部132の動作を停止させる。なお、所定の位相P1は、たとえば、次工程で溝部423の位置を利用して、ワーク40を加工したり、ワーク40に他の部材などを取り付けたりするために利用されることになる。
このように、回転部13および検出部50によれば、回転部位を有するワーク40であっても、かかる回転部位の位相を特定するための複雑な演算処理を行うことなく、位相合わせを簡便かつ正確に行うことができる。
なお、ここでは回転軸422の両端が、胴部421から露出することとしたが、回転軸422の形態はこれに限られない。たとえば、回転軸422について、胴部421から露出した一方の端部と他方の端部とは別体に設けられ、これらの端部が胴部421の内部に設けられたギア機構などにより連結されるようにしてもよい。
この場合、一方の端部は、他方の端部の回転に連動して、他方の端部とは異なる回転速度で回転することとしてもよい。なお、位相を検出する側の一方の端部が、ギア41が組み付けられた他方の端部に対して、小さい回転速度で回転することとすれば、精密な位相合わせを容易に行うことができる。一方、位相を検出する側の一方の端部が、ギア41が組み付けられた他方の端部に対して、大きい回転速度で回転することとすれば、位相合わせを短時間で行うことができる。
また、一方の端部と他方の端部とは、異径であってもよく、同軸に配置されなくてもよい。この場合も、保持部131は、溝部423を上向きにしてワーク40を保持するが、ギア部132cは、ギア部411の位置に合わせて適宜配置される。
また、ここでは、位相が溝部423の回転位置に基づいて検出されることとしたが、位相の検出対象はこれに限られず、たとえば、ボルト穴や位置決め穴であったり、所定の形状や印であったりしてもよい。また、位相検出後のワーク40への加工や組み付けは、ワーク40が回転部13に設置された状態で行われてもよい。
次に、実施形態に係るロボットシステム1が、回転軸422の位相を検出する場合の処理手順について図8を用いて説明する。図8は、ロボットシステムが実行する処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、第1のロボット(ロボット12−1)が、回転軸422にワーク40の上方からギア41を組み付ける(ステップS101)。第1のロボットは、ワーク40の姿勢を維持しつつ、落下部材が落下しないようにワーク40を第2のロボット(ロボット12−2)の可動範囲内へ搬送する(ステップS102)。第1のロボットおよび第2のロボットは、ワーク40およびワーク40の含む落下部材を挟んで保持する(ステップS103)。
つづいて、第1のロボットおよび第2のロボットが、協調して動作することにより、ワーク40を反転させる(ステップS104)。この場合、第1のロボットおよび第2のロボットは、ワーク40およびワーク40の含む落下部材を挟んで保持しているので、かかる落下部材はワーク40から落下しない。そして、第2のロボットが、ワーク40の姿勢を維持しつつ、落下部材が落下しないようにワーク40を回転部13へ搬送して設置する(ステップS105)。
つづいて、回転部13が、回転軸422を回転させる(ステップS106)。検出部50は、ワーク40の上方から溝部423の位置に基づいて、回転軸422の位相を検出する(ステップS107)。判定部212は、回転軸422が所定の位相P1にあるか否かを判定する(ステップS108)。
回転軸422が所定の位相P1にある場合(ステップS108,Yes)、回転部13は、回転軸422の回転を停止する(ステップS109)。そして、第2のロボットは、ワーク40を作業装置15へ搬送して(ステップS110)、処理を終了する。回転軸422が所定の位相にない場合(ステップS108,No)、ステップS106以降の処理を繰り返す。
上述してきたように、実施形態の一態様に係るロボットシステムは、ハンドをそれぞれ有する複数のロボットと、ワークをハンドでそれぞれ保持させた状態で、互いに協調しながらワークの姿勢を変化させる動作をロボットに対して指示する制御装置とを備える。
このように、実施形態に係るロボットシステムは、複数のロボットでワークを同時に保持して、ワークの姿勢を変化させる。これにより、ワークの姿勢を変化させる専用の装置が不要となり、効率よく加工品や組み立て品の生産をすることができる。
また、上述した実施形態では、単腕ロボットを例示したが、これに限られるものではなく、2つ以上の腕を備える多腕ロボットを用いることとしてもよい。また、上述した実施形態では、7軸を有する多軸ロボットを例示したが、軸数を限定するものではない。
また、上述した実施形態では、把持対象物を挟持して保持するロボットハンドを例示したが、これに限られるものではない。たとえば、3つ以上の把持爪や、多数のリンクを有する指を複数備えたロボットハンドなどを用いることとしてもよく、把持機構をもたないロボットハンドを用いることとしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 ロボットシステム
11 セル
12 ロボット
13 回転部
14 作業台
15 作業装置
16 パレット台
20 制御装置
30 パレット
40 ワーク
41 ギア
42 回転部材
50 検出部

Claims (6)

  1. ハンドをそれぞれ有する複数のロボットと、
    ワークを前記ハンドでそれぞれ保持させた状態で、互いに協調しながら前記ワークの姿勢を変化させる動作を前記ロボットに対して指示する制御装置と
    を備えることを特徴とするロボットシステム。
  2. 前記ワークは、
    前記ワークの姿勢を変化させると落下する部材である落下部材を含み、
    前記制御装置は、
    前記落下部材と、前記ワークに含まれるその他の部材とを挟む姿勢で前記ハンドがそれぞれ前記ワークを保持するように前記ロボットに対して指示すること
    を特徴とする請求項1に記載のロボットシステム。
  3. 前記ワークに含まれる回転部材の回転位置を検出する検出部と、
    前記回転部材を回転させる回転部と
    をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記ワークの姿勢を変化させる動作の後、当該ワークを前記回転部へ載置させる動作を少なくとも1つの前記ロボットに対して指示し、前記検出部による検出結果に基づいて前記回転部材を所定の回転位置へ回転させるように前記回転部に対して指示すること
    を特徴とする請求項2に記載のロボットシステム。
  4. 前記制御装置は、
    前記落下部材を1つの前記ロボットによって上方から前記ワークへ載置させた後に、前記ワークの姿勢を変化させる動作として前記ワークの姿勢を反転させる動作を指示し、
    前記検出部は、
    前記回転部材の回転位置を上方から検出すること
    を特徴とする請求項3に記載のロボットシステム。
  5. 前記ワークは、
    第1の回転軸と前記第1の回転軸に連動して回転する第2の回転軸とを異なる向きに露出させた部材と、前記第1の回転軸に取り付けられる前記落下部材であるギアとを含み、
    前記回転部は、
    前記ギアおよび第1の回転軸を介して前記第2の回転軸を回転させ、
    前記検出部は、
    前記第2の回転軸の回転位置を検出すること
    を特徴とする請求項3または4に記載のロボットシステム。
  6. 前記第2の回転軸は、
    前記第1の回転軸よりも小さい回転速度で回転すること
    を特徴とする請求項5に記載のロボットシステム。
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