JPWO2015064498A1 - フェニル(メタ)アクリレートの製造方法及びフェニル(メタ)アクリレート組成物 - Google Patents

フェニル(メタ)アクリレートの製造方法及びフェニル(メタ)アクリレート組成物 Download PDF

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Abstract

安価かつ高収率でフェニル(メタ)アクリレートを製造できる方法を提供する。本発明に係るフェニル(メタ)アクリレートの製造方法は、(メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを反応させる。また、本発明に係るフェニル(メタ)アクリレート組成物は、フェニル(メタ)アクリレートを90〜99.999質量%、及び炭酸ジフェニルを0.001〜10質量%含む。また、本発明に係るフェニル(メタ)アクリレート組成物は、フェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下、及び特定の化合物を0.001質量%以上10質量%以下含む。

Description

本発明はフェニル(メタ)アクリレートの製造方法及びフェニル(メタ)アクリレート組成物に関する。
フェニル(メタ)アクリレートの製造方法としては、いくつかの方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、非特許文献1)。
特許文献1は、(メタ)アクリル酸とフェノールとを酸触媒下で脱水反応させる方法を開示している。特許文献2は、(メタ)アクリル酸エステルと炭酸ジフェニルとを反応させる方法を開示している。非特許文献1は、(メタ)アクリル酸クロリドとフェノールとをアミン存在下で反応させる方法を開示している。
特開2011−105667号公報 特開2007−246503号公報
Journal of Organic Chemistry,1977,42,3965
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、反応によって生成する水によりフェニル(メタ)アクリレートが分解するため、反応の平衡を生成系に偏らせることが難しく、フェニル(メタ)アクリレートを効率よく合成することができない。特許文献2に記載された方法では、炭酸ジフェニルに対して余剰の(メタ)アクリル酸エステルを必要とするため、反応容積あたりのフェニル(メタ)アクリレートの生成量が少ない。また、非特許文献1に記載された方法では、原料の(メタ)アクリル酸クロリド由来の塩化水素により反応装置が腐食する可能性がある。また、(メタ)アクリル酸クロリドが高価であるため、製造されるフェニル(メタ)アクリレートの製造コストが高くなる。
従って、本発明の目的は、安価かつ高収率でフェニル(メタ)アクリレートを製造できる方法を提供することにある。
本発明者等は、従来技術の課題に鑑みて鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを反応させることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の[1]から[13]である。
[1](メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを反応させる、フェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[2](メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを触媒存在下で反応させる、[1]に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[3]触媒が、窒素含有有機化合物、第1族金属化合物、第2族金属化合物及びトリフルオロメタンスルホン酸金属化合物から選ばれる少なくとも1種である、[2]に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[4]触媒が下記式(1)または(2)で示される窒素含有有機化合物である、[3]に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
Figure 2015064498
(式(1)中、NR基はピリジン環の2位、3位、4位のいずれか1つに結合している。RおよびRは、それぞれ独立に、水素、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、或いは置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基である。RとRが任意に結合して、環状構造を形成していてもよい。)
Figure 2015064498
(式(2)中、Rは水素、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、或いは置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基である。)
[5]第2族金属化合物が、有機分子からなるイオン性配位子を有するマグネシウム化合物である、[3]に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[6]触媒の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.00001モル以上4モル以下である、[2]から[5]のいずれかに記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[7]触媒の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.0001モル以上0.6モル以下である、[6]に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[8]触媒の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.03モル以上0.15モル以下である、[7]に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[9](メタ)アクリル酸の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.1モル以上5モル以下である、[1]から[8]のいずれかに記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[10](メタ)アクリル酸の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.8モル以上1.6モル以下である、[9]に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[11](メタ)アクリル酸を、炭酸ジフェニルに対して分割添加または連続添加する、[1]から[10]のいずれかに記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
[12]フェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下、及び炭酸ジフェニルを0.001質量%以上10質量%以下含む、フェニル(メタ)アクリレート組成物。
[13]フェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下、及び下記式(3)で表される化合物および/または下記式(4)で表される化合物を0.001質量%以上10質量%以下含む、フェニル(メタ)アクリレート組成物。
Figure 2015064498
Figure 2015064498
本発明によれば、安価かつ高収率でフェニル(メタ)アクリレートを製造することができる。
本発明に係るフェニル(メタ)アクリレートの製造方法は、(メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを反応させる。即ち、本発明に係る方法では、原料として(メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを用い、これらを反応させる。二酸化炭素が副生することにより、反応が非平衡となり、原料を完全に反応させることができる。したがって、本発明に係る方法ではフェニル(メタ)アクリレートを安価に、かつ高収率で製造することができる。
本発明に係るフェニル(メタ)アクリレートの製造方法について以下に詳しく説明する。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。また、フェニル(メタ)アクリレートは、フェニルアクリレートおよび/またはフェニルメタクリレートを意味する。また、MAA付加体(メタクリル酸付加体)は、前記式(3)で表される化合物である。また、AA付加体(アクリル酸付加体)は、前記式(4)で表される化合物である。また、(メタ)アクリル酸付加体は、前記式(3)で表される化合物および/または前記式(4)で表される化合物を意味する。また、PhOH付加体(フェノール付加体)は、下記式(5)で表される化合物である。また、フェニルメタクリレート二量体は、下記式(6)で表される化合物である。また、PHA−PhOH付加体は、下記式(7)で表される化合物である。
Figure 2015064498
Figure 2015064498
Figure 2015064498
(1)炭酸ジフェニル
本発明で用いられる炭酸ジフェニルの純度は、特に限定されるものではないが、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。純度が50質量%以上の炭酸ジフェニルを使用することにより、反応容積あたりのフェニル(メタ)アクリレートの生成量を多くすることができる。
(2)(メタ)アクリル酸
本発明で用いられる(メタ)アクリル酸の純度は、特に限定されるものではないが、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。純度が50質量%以上の(メタ)アクリル酸を使用することにより、反応容積あたりのフェニル(メタ)アクリレートの生成量を多くすることができる。
本発明で用いられる(メタ)アクリル酸としては、メタクリル酸が好ましい。メタクリル酸を用いることにより、短時間の反応でフェニルエステルを高収率で得ることができる。
(3)触媒
(メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを反応させる際、触媒は使用しても、使用しなくてもよいが、使用するほうが反応速度向上の観点から好ましい。該触媒としては、特に限定されるものではないが、窒素含有有機化合物、第1族金属化合物、第2族金属化合物、トリフルオロメタンスルホン酸金属化合物等を使用することが、フェニル(メタ)アクリレートの生成速度向上の観点から好ましい。これらの触媒は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(3−1)窒素含有有機化合物
窒素含有有機化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、モノメチルアミン、アニリン、o−トルイジン、o−アニシジン等の1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピペリジン等の2級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−tert−ブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン;ピリジン、ピロール、キノリン、アクリジン等の複素環式化合物等が挙げられる。また、1分子内に、1級アミン部位、2級アミン部位、3級アミン部位、複素環式化合物の窒素部位のいずれか2つ以上を有する窒素含有有機化合物でもよい。
上記窒素含有有機化合物のうち、1分子内に窒素原子を2つ以上有する窒素含有有機化合物が好ましく、2つ以上の窒素原子が共役相互作用を有する窒素含有有機化合物がより好ましい。該窒素含有有機化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、ピリミジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを挙げることができる。
上記2つ以上の窒素原子が共役相互作用を有する窒素含有有機化合物のうち、特に前記式(1)または(2)で示される窒素含有有機化合物であることが、フェニル(メタ)アクリレートの生成速度向上の観点から好ましい。前記式(1)のRおよびRにおいて、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントラセニル基等が挙げられる。アルキル基、アルケニル基及びアリール基の置換基としては、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メトキシ基、エトキシ基、アセチル基、トリメチルシリル基、ジメチルホスフィノ基、ニトリル基、ニトロ基等が挙げられる。RとRが結合して環状構造を形成している場合には、炭素−炭素結合、炭素−酸素結合、炭素−窒素結合、炭素−硫黄結合、硫黄−硫黄結合、炭素−リン結合、炭素−ケイ素結合等によりRとRが結合していてもよい。前記式(3)のRの置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基は、前記式(1)のRおよびRと同様の基であることができる。
前記式(1)で表される窒素含有有機化合物としては、例えば、2−アミノピリジン、2−(メチルアミノ)ピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、3−アミノピリジン、3−(メチルアミノ)ピリジン、3−ジメチルアミノピリジン、4−アミノピリジン、4−(メチルアミノ)ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、4−アニリノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−(4−ピリジル)モルホリン、4−(4−アミノピペリジノ)ピリジン等が挙げられる。
前記式(2)で表される窒素含有有機化合物としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−イソプロピルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
前記式(1)または(2)で表される窒素含有有機化合物のうち、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、イミダゾール、1−メチルイミダゾールが好ましく、4−アミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジンがより好ましい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
(3−2)第1族金属化合物
第1族金属化合物としては、特に限定されない。第1族金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが好ましく、リチウム、ナトリウムがより好ましく、リチウムがさらに好ましい。
第1族金属化合物は、配位子を有する化合物であることが好ましい。配位子としては、例えば、(メタ)アクリル酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、アセチルアセトナートイオン、トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナトイオン、フェノキシイオン、メトキシイオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン等が挙げられる。
配位子は、イオン性配位子であることが好ましく、フェニル(メタ)アクリレートの生成速度向上の観点から、有機分子からなるイオン性配位子であることがより好ましい。有機分子からなるイオン性配位子は、カルボン酸イオン配位子、芳香族アルコキシイオン配位子であることが好ましく、(メタ)アクリル酸イオン配位子、フェノキシイオン配位子であることがより好ましく、メタクリル酸イオン配位子、フェノキシイオン配位子であることがさらに好ましい。
有機分子からなるイオン性配位子を有する第1族金属化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸リチウム、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、リチウムフェノキシド、リチウムメトキシド、(メタ)アクリル酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムフェノキシド、ナトリウムメトキシド、(メタ)アクリル酸カリウム、ギ酸カリウム、酢酸カリウム、カリウムフェノキシド、カリウムメトキシド等が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸リチウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシドが好ましく、(メタ)アクリル酸リチウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシドがより好ましく、(メタ)アクリル酸リチウム、リチウムフェノキシドがさらに好ましく、メタクリル酸リチウム、リチウムフェノキシドが特に好ましい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
(3−3)第2族金属化合物
第2族金属化合物としては、特に限定されない。第2族金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムが好ましく、マグネシウム、カルシウムがより好ましく、マグネシウムがさらに好ましい。
第2族金属化合物は、配位子を有する化合物であることが好ましい。配位子は、第1族金属化合物と同様の配位子であることができる。特に、フェニル(メタ)アクリレートの生成速度向上の観点から、第2族金属化合物は、有機分子からなるイオン性配位子を有するマグネシウム化合物であることが好ましい。
有機分子からなるイオン性配位子を有する第2族金属化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸ベリリウム、ギ酸ベリリウム、酢酸ベリリウム、ベリリウムフェノキシド、ベリリウムメトキシド、(メタ)アクリル酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、マグネシウムフェノキシド、マグネシウムメトキシド、マグネシウムアセチルアセトナート、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、カルシウムフェノキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムアセチルアセトナート、ビス(トリフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)カルシウム等が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、マグネシウムフェノキシド、カルシウムフェノキシド、マグネシウムアセチルアセトナート、カルシウムアセチルアセトナートが好ましく、(メタ)アクリル酸マグネシウム、マグネシウムフェノキシド、マグネシウムアセチルアセトナートがより好ましく、(メタ)アクリル酸マグネシウム、マグネシウムフェノキシドがさらに好ましく、メタクリル酸マグネシウム、マグネシウムフェノキシドが特に好ましい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
(3−4)トリフルオロメタンスルホン酸金属化合物
トリフルオロメタンスルホン酸金属化合物としては、特に限定されない。トリフルオロメタンスルホン酸金属化合物に含まれる金属としては、サマリウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、スズ、銅、ユウロピウム、ハフニウム、ネオジム、ニッケル、銀、ツリウム、イッテルビウム、イットリウム、亜鉛等を挙げることができる。これらのうち、サマリウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、ハフニウムが好ましく、サマリウム、スカンジウム、ランタンがより好ましく、サマリウムがさらに好ましい。
より詳細には、トリフルオロメタンスルホン酸金属化合物としては、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、トリフルオロメタンスルホン酸ランタンが好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウムがより好ましい。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
(4)フェニル(メタ)アクリレートの製造
本発明で使用する(メタ)アクリル酸の量は、効率良くフェニル(メタ)アクリレートが得られる限り特に限定されるものではないが、炭酸ジフェニル1モルに対して、0.1モル以上とすることができ、0.5モル以上が好ましく、0.8モル以上がより好ましく、0.9モル以上がさらに好ましく、0.95モル以上が特に好ましい。
また、(メタ)アクリル酸の量は、炭酸ジフェニル1モルに対して、5モル以下とすることができ、3モル以下が好ましく、2モル以下がより好ましく、1.6モル以下がさらに好ましく、1.3モル以下が特に好ましい。
(メタ)アクリル酸の量を炭酸ジフェニル1モルに対して、0.1モル以上5モル以下にすることにより、反応容積あたりのフェニル(メタ)アクリル酸の生成量を多くすることができる。
本発明において触媒を使用する場合には、触媒の使用量は、効率良くフェニル(メタ)アクリレートが得られる限り特に限定されるものではないが、炭酸ジフェニル1モルに対して0.00001モル以上4モル以下とすることができ、0.00005モル以上1モル以下が好ましく、0.0001モル以上0.6モル以下がより好ましく、0.001モル以上0.3モル以下がさらに好ましく、0.01モル以上0.2モル以下がよりさらに好ましく、0.03モル以上0.15モル以下が特に好ましく、0.05モル以上0.1モル以下が最も好ましい。
触媒の使用量を炭酸ジフェニル1モルに対して0.00001モル以上にすることにより、不純物による触媒活性の低下を効果的に抑制することができる。触媒の使用量を炭酸ジフェニル1モルに対して4モル以下とすることにより、フェニル(メタ)アクリレートの生産性や生成物の純度低下を効率的に防ぐことができる。
また、触媒は、反応液に溶解した状態であってもよく、溶解していない状態であってもよいが、溶解した状態であることが好ましい。触媒が反応液に溶解した状態であることにより、フェニル(メタ)アクリレートの生成速度を向上させることができる。
(メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを反応させる(以下、単に「反応」ということがある)際は、溶媒を使用してもよいが、生産性の観点から溶媒を使用しないことが好ましい。溶媒を使用する場合は、(メタ)アクリル酸、炭酸ジフェニル、触媒、フェニル(メタ)アクリレートと反応しない限り、その種類は特に限定されない。溶媒としては、例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらは一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
反応温度は特に限定されるものでないが、60℃以上180℃以下であることが好ましく、80℃以上160℃以下であることがより好ましく、95℃以上150℃以下であることがさらに好ましく、110℃以上140℃以下であることが特に好ましい。反応温度を60℃以上とすることで、反応を円滑に進行させることができる。反応温度を180℃以下とすることにより、重合や副反応を抑えることができる。なお、反応温度は一定である必要はなく、好ましい範囲で変化させてもよい。
反応時間は特に限定されるものでなく、反応の規模や条件等に応じて適宜選択することができる。反応時間は1時間以上80時間以下とすることができ、2時間以上40時間以下が好ましく、3時間以上20時間以下がより好ましい。反応時間を1時間以上とすることにより反応を円滑に進行させることができる。反応時間を80時間以下とすることにより重合や副反応を抑えることができる。
反応させる際の圧力は、特に限定されるものではなく、減圧した状態、大気圧、加圧した状態のいずれでもよい。
反応を行う反応器の形態は、特に限定されるものではなく、バッチ式槽型反応器、連続式槽型反応器、連続式管型反応器等が使用でき、バッチ式槽型反応器が好ましい。
反応原料((メタ)アクリル酸、炭酸ジフェニル、触媒、溶媒等)の反応器への導入方法については、特に制限されるものでなく、加熱前または加熱中に全ての反応原料を一度に反応器に導入してもよいし、加熱中に一部または全ての反応原料を段階的に添加してもよく、加熱中に一部または全ての反応原料を連続的に添加してもよい。また、これらを組みあわせた導入方法でもよい。
特に、(メタ)アクリル酸の反応器への導入方法については、反応速度向上とフェニル(メタ)アクリレートの生産性向上の観点から、炭酸ジフェニルと、触媒を使用する場合は触媒とを含む反応液に、(メタ)アクリル酸を分割添加または連続添加することが好ましく、連続添加することがより好ましい。なお、分割添加とは、(メタ)アクリル酸を2回以上に分けて反応液に添加することを示す。また、連続添加とは、(メタ)アクリル酸を滴下等により反応液に継続的に添加することを示す。連続添加は、2以上の区間に分けて行ってもよい。
(メタ)アクリル酸を分割添加する場合、各添加量は一定でも、一定でなくてもよいが、隣接する2回の添加のいずれかで添加量を減少させることが好ましく、隣接する2回の添加の全てで添加量を減少させることがより好ましい。また、添加する間隔は一定でも、増加させても、減少させてもよいが、一定または増加させることが好ましく、増加させることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸を連続添加する場合、その添加速度は一定でも、増加させても、減少させてもよいが、連続添加する区間の一部で添加速度を減少させることが好ましい。また、連続添加するすべての区間で添加速度が一定である、または添加速度を減少させることが好ましい。
(メタ)アクリル酸を分割添加または連続添加する場合、反応液中の(メタ)アクリル酸の濃度は特に限定されるものではなく、一定でも、一定でなくてもよい。しかしながら、反応を行う区間の一部において(メタ)アクリル酸の濃度が低いことが好ましく、反応を行うすべての区間において(メタ)アクリル酸の濃度が低いことがより好ましい。(メタ)アクリル酸の濃度が低いとは、具体的には、反応液中の(メタ)アクリル酸のモル数を、炭酸ジフェニルのモル数とフェニル(メタ)アクリレートのモル数の和で割った値(モル比)が0.0001以上1以下であることを示す。上記モル比は、0.0001以上0.8以下であることが好ましく、0.0001以上0.6以下であることがより好ましく、0.0001以上0.4以下であることがさらに好ましく、0.0001以上0.2以下であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸を分割添加または連続添加する場合、反応液の温度は、特に制限されるものではないが、60℃以上180℃以下であることが好ましく、80℃以上160℃以下であることがより好ましく、95℃以上150℃以下であることがさらに好ましく、110℃以上140℃以下であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸を分割添加または連続添加する際の所要時間は、特に制限されるものではないが、30分以上であることが好ましく、60分以上であることがより好ましく、90分以上であることがさらに好ましく、120分以上であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸を分割添加または連続添加することにより、(メタ)アクリル酸を一括導入する方法に比べて、反応速度が速くなる。さらに、MAA付加体、PhOH付加体、フェニルメタクリレート二量体、AA付加体及びPHA−PhOH付加体の副生を抑制することができ、フェニル(メタ)アクリレートの生成量が増加する。
反応時、生成物の精製時、生成物を含む溶液及び精製フェニル(メタ)アクリレート溶液を保存する際には、原料や生成物の重合を防止するために、反応容器中の気相部を酸素含有ガス雰囲気にすることが好ましく、反応溶液中に酸素や空気等の酸素含有ガスを吹き込むことがより好ましい。酸素含有ガスは反応容器の2か所以上から導入してもよい。
また、反応溶液中に重合禁止剤を添加して、重合防止剤を反応溶液中に共存させることが好ましい。重合防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えばベンゾキノン等のキノン系重合防止剤;フェノール、1,4−ベンゼンジオール、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のフェノール系重合防止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系重合防止剤;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(HO−TEMPO)、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(BTOX)、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系重合防止剤;金属銅、硫酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合防止剤等が挙げられる。これらのうち、フェノール、1,4−ベンゼンジオール、4−メトキシフェノール、フェノチアジン、HO−TEMPO、BTOXが好ましく、フェノール、1,4−ベンゼンジオール、4−メトキシフェノール、BTOXがより好ましく、フェノールがさらに好ましい。これらの重合防止剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(5)フェニル(メタ)アクリレートの精製
本発明において得られたフェニル(メタ)アクリレートは、必要に応じて精製を行うことができる。精製方法については特には限定されず、公知の方法を使用することができる。
フェニル(メタ)アクリレートを精製する方法としては、例えば分液、蒸留、晶析等を挙げることができる。これらを単独で実施してもよいし、2以上を組み合わせて実施してもよい。分液と蒸留によりフェニル(メタ)アクリレートを精製することが好ましい。
分液にて、フェニル(メタ)アクリレートを洗浄する場合、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液を使用して洗浄することができる。使用するアルカリ水溶液のアルカリの濃度や洗浄回数については、反応条件等に応じて適宜選択することができる。
蒸留方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、単蒸留、精密蒸留、薄膜蒸留等が挙げられる。蒸留は、減圧下、大気圧下、加圧下のいずれで実施してもよいが、減圧下で実施することが好ましい。
(6)フェニル(メタ)アクリレート組成物
本発明に係るフェニル(メタ)アクリレート組成物(以下、第一の組成物とも示す)は、フェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下、及び炭酸ジフェニルを0.001質量%以上10質量%以下含む。第一の組成物は、フェニル(メタ)アクリレートを95質量%以上99.999質量%以下、及び炭酸ジフェニルを0.001質量%以上5質量%以下含むことが好ましく、フェニル(メタ)アクリレートを98質量%以上99.999質量%以下、及び炭酸ジフェニルを0.001質量%以上2質量%以下含むことがより好ましく、フェニル(メタ)アクリレートを99質量%以上99.999質量%以下、及び炭酸ジフェニルを0.001質量%以上1質量%以下含むことがさらに好ましく、フェニル(メタ)アクリレートを99.5質量%以上99.999質量%以下、及び炭酸ジフェニルを0.001質量%以上0.5質量%以下含むことが特に好ましい。
第一の組成物がフェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下含むことでポリマー物性への影響を抑制することができる。また、第一の組成物が炭酸ジフェニルを0.001質量%以上10質量%以下含むことで保存中の重合が抑制されて取扱いが容易になる。フェニル(メタ)アクリレートの精製が不十分で触媒が残存した場合においても、炭酸ジフェニルが0.001質量%以上10質量%以下含まれることによって、予期せぬ重合を抑制することができる。第一の組成物は、90質量%以上99.999質量%以下のフェニル(メタ)アクリレート、及び0.001質量%以上10質量%以下の炭酸ジフェニルからなってもよい。すなわち、第一の組成物は、フェニル(メタ)アクリレートと炭酸ジフェニルとの合計が100質量%であってもよい。
第一の組成物は、本発明に係るフェニル(メタ)アクリレートの製造方法により好適に製造することができる。フェニル(メタ)アクリレートと炭酸ジフェニルの含有量は、例えば、触媒や反応時間を変更すること等により、本発明に係る範囲内に調整することができる。
また、本発明に係るフェニル(メタ)アクリレート組成物(以下、第二の組成物とも示す)は、フェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下、及び(メタ)アクリル酸付加体を0.001質量%以上10質量%以下含む。第二の組成物は、フェニル(メタ)アクリレートを95質量%以上99.999質量%以下、及び(メタ)アクリル酸付加体を0.001質量%以上5質量%以下含むことが好ましく、フェニル(メタ)アクリレートを98質量%以上99.999質量%以下、及び(メタ)アクリル酸付加体を0.001質量%以上2質量%以下含むことがより好ましく、フェニル(メタ)アクリレートを99質量%以上99.999質量%以下、及び(メタ)アクリル酸付加体を0.001質量%以上1質量%以下含むことがさらに好ましく、フェニル(メタ)アクリレートを99.5質量%以上99.999質量%以下、及び(メタ)アクリル酸付加体を0.001質量%以上0.5質量%以下含むことが特に好ましい。
第二の組成物がフェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下含むことでポリマー物性への影響を抑制することができる。また、第二の組成物が、分子鎖がフェニル(メタ)アクリレートより長い(メタ)アクリル酸付加体を0.001質量%以上10質量%以下含むことで、フェニル(メタ)アクリレート組成物の融点を下げることができ、寒冷地においても凍結することがなく取扱いが容易になる。第二の組成物は、90質量%以上99.999質量%以下のフェニル(メタ)アクリレート、及び0.001質量%以上10質量%以下の(メタ)アクリル酸付加体からなってもよい。すなわち、第二の組成物は、フェニル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸付加体との合計が100質量%であってもよい。
第二の組成物は、本発明に係るフェニル(メタ)アクリレートの製造方法により好適に製造することができる。フェニル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸付加体の含有量は、例えば(メタ)アクリル酸の反応器への導入方法を変更すること等により、本発明に係る範囲内に調整することができる。
第一の組成物及び第二の組成物の保存容器は、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス製容器、樹脂製容器、金属製の貯蔵タンク、ドラム缶、ローリーなどが挙げられる。
第一の組成物及び第二の組成物は、特に限定されるものではないが、例えば食品添加物、化粧品添加物、医薬品原料、香料、合成樹脂原料、樹脂添加剤、塗料、各種材料等に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例において、炭酸ジフェニル、フェニル(メタ)アクリレート等の分析は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーにより行った。
炭酸ジフェニルは、東京化成株式会社より購入した純度が99質量%のものを使用した。メタクリル酸は、三菱レイヨン株式会社において製造した純度が99.9質量%のものを使用した。アクリル酸は和光純薬工業株式会社より購入した純度が98質量%のものを使用した。
<実施例1>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸25.8g(300mmol)、炭酸ジフェニル40.0g(187mmol)、触媒としてメタクリル酸ナトリウム0.6g(6mmol)、重合禁止剤として1,4−ベンゼンジオール0.02g及び4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.02gを入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が140℃になるように加熱して6時間攪拌した。
その結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は45%であった。生成したフェニルメタクリレートは13.6g(84mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は45%であった。
<実施例2〜14>
触媒として、メタクリル酸ナトリウム0.6g(6mmol)を用いる代わりに、表1に示す触媒種と触媒量(仕込み量)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率、フェニルメタクリレートの生成量、炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率を表1に併記した。なお、表中のDPCは炭酸ジフェニル、PHMAはフェニルメタクリレートを示す。
Figure 2015064498
これらの実施例から、種々の触媒(アミン化合物、第1族金属化合物、第2族金属化合物及びトリフルオロメタンスルホン酸金属化合物)で、効率的にフェニルメタクリレートが得られることが分かった。
<実施例15>
ジムロート冷却器、空気導入管を備えた200mLのガラス製三つ口フラスコに、メタクリル酸45.0g(523mmol)、炭酸ジフェニル79.9g(373mmol)、触媒としてメタクリル酸ナトリウム4.9g(45mmol)、重合禁止剤として1,4−ベンゼンジオール0.04g及び4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.04gを入れた。
この混合液に空気を毎分20mLの流量で吹き込みながら、内温が130℃になるように加熱して26時間攪拌したところ、炭酸ジフェニルの濃度が0.003質量%以下である反応液を得た。
得られた反応液を分液ロートに移し、n−ヘキサン19gと15質量%水酸化ナトリウム水溶液42gを加え、激しく振って混合させた後、静置すると油層と水層に分離した。水層を下部から抜き出し、次いで、油層に対してn−ヘキサンを加えることなく同様の操作を行い、15質量%水酸化ナトリウム水溶液60gで1回、15質量%水酸化ナトリウム水溶液40gで1回、水50gで2回、油層を洗浄した。
得られた油層に、重合禁止剤として4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.02gを加えた後、空気を導入しながら、25℃、50torr(6.7kPa)の条件でエバポレーターを用いて、n−ヘキサンを留去し、濃縮した。
得られた液を、空気導入管を備えた100mLフラスコに移し、空気を導入しながら、圧力1〜2torr(0.1〜0.3kPa)で蒸留することで、71〜74℃の留出物として、純度99.9質量%であるフェニルメタクリレートを得た。
この実施例から、メタクリル酸ナトリウムを触媒として用いたとき、洗浄と蒸留を行うことで、フェニルメタクリレートを高純度で単離できることが分かった。
<実施例16>
ジムロート冷却器、空気導入管を備えた300mLのガラス製四つ口フラスコに、メタクリル酸48.2g(560mmol)、炭酸ジフェニル100.3g(468mmol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム5.5g(28mmol)、重合禁止剤として1,4−ベンゼンジオール0.02g及び4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.02gを入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が140℃になるように加熱して9時間攪拌した。
反応終了時の反応液の質量は132gであった。この反応液の組成は、フェニルメタクリレートが52質量%、フェノールが34質量%、メタクリル酸が5質量%、残りは触媒由来のマグネシウム化合物等であり、炭酸ジフェニルは0.003質量%以下であった。
次に得られた反応液を分液ロートに移し、n−ヘキサン23gと水55gを加え、激しく振って混合させた後、静置すると油層と水層に分離した。水層を下部から抜き出し、次いで、油層に対してn−ヘキサンを加えることなく同様の操作を行い、水55gで1回、15質量%水酸化ナトリウム水溶液50gで1回、15質量%水酸化ナトリウム水溶液100gで1回、15質量%水酸化ナトリウム水溶液50gで2回、水50gで2回、油層を洗浄した。
得られた油層に、重合禁止剤として4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.02gを加えた後、空気を導入しながら、25℃、50torr(6.7kPa)の条件でエバポレーターを用いて、n−ヘキサンを留去し、濃縮した。
得られた液を、空気導入管を備えた100mLフラスコに移し、空気を導入しながら、圧力2〜11torr(0.3〜1.5kPa)で蒸留することで、57〜74℃の留出物として、純度99.6質量%であるフェニルメタクリレートを得た。この留出物には、MAA付加体が0.029質量%含まれていた。
この実施例から、メタクリル酸マグネシウムを触媒として用いたとき、洗浄と蒸留を行うことで、フェニルメタクリレートを高純度で単離できることが分かった。
<実施例17>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸8.0g(93mmol)、炭酸ジフェニル40.0g(187mmol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム2.2g(11mmol)、重合禁止剤として1,4−ベンゼンジオール0.02gと4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.02g、および内部標準物質としてジフェニルエーテル3.2g(19mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が130℃になるように加熱して5時間攪拌した。この結果、反応で生成したフェニルメタクリレートは14.0g(86mmol)であった。
<実施例18〜21>
ガラス製容器に入れるメタクリル酸の量を、表2に示す量に変えた以外は実施例17と同様の操作を行った。原料として用いた炭酸ジフェニルに対する原料として用いたメタクリル酸のモル比、加熱時間1時間ごとのフェニルメタクリレートの生成量を表2に併記した。なお、表中のMAAはメタクリル酸、DPCは炭酸ジフェニル、PHMAはフェニルメタクリレートを示す。
Figure 2015064498
これらの実施例から、炭酸ジフェニルに対して種々のモル比の(メタ)アクリル酸を用いても、フェニルメタクリレートが多く生成することが分かった。
<実施例22>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸21.2g(246mmol)、炭酸ジフェニル44.0g(205mmol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム1.2g(6mmol)、重合禁止剤として1,4−ベンゼンジオール0.006gと4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.006g、および内部標準物質としてジフェニルエーテル3.5g(21mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が100℃になるように加熱して16時間攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は28.2%であった。生成したフェニルメタクリレートは8.8g(54mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は27%であった。また、フェニルメタクリレートの選択率(フェニルメタクリレートの収率を炭酸ジフェニルの転化率で割った値)は94%であった。
<実施例23〜26>
反応温度を表3に示す値に変えた以外は、実施例22と同様の操作を行った。得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率、フェニルメタクリレートの生成量、炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率、フェニルメタクリレートの選択率を表3に併記した。なお、表中のDPCは炭酸ジフェニル、PHMAはフェニルメタクリレートを示す。
Figure 2015064498
これらの実施例から、種々の反応温度において、非常に高い選択率でフェニルメタクリレートが得られることが分かった。
<実施例27>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸21.2g(246mmol)、炭酸ジフェニル44.0g(205mmol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム2.4g(12mmol)、重合禁止剤としてフェノール0.001g、内部標準物質としてジフェニルエーテル3.5g(21mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が130℃になるように加熱して5時間攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は89%であった。生成したフェニルメタクリレートは27.9g(172mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は84%であった。
この実施例から、重合禁止剤を1,4−ベンゼンジオールと4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルから、フェノールに代えても、高収率でフェニルメタクリレートが得られることが分かった。
<実施例28>
空気導入管を備えた50mLのガラス製三つ口フラスコに、アクリル酸6.5g(90mmol)、炭酸ジフェニル16.0g(75mmol)、触媒として4−ジメチルアミノピリジン0.5g(4mmol)、重合禁止剤としてフェノール0.004g、内部標準物質としてジフェニルエーテル1.3g(7mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が130℃になるように加熱して6時間攪拌した。続いて、内温が140℃になるように加熱して3時間攪拌した。
この結果、生成したフェニルアクリレートは6.5g(44mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルアクリレートの収率は59%であった。
この実施例から、原料をメタクリル酸からアクリル酸に代えても、効率よくフェニルエステルが得られることが分かった。
<実施例29>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸21.2g(246mmol)、炭酸ジフェニル44.0g(205mmol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム3.6g(18mmol)、重合禁止剤として1,4−ベンゼンジオール0.006gと4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.006g、および内部標準物質としてジフェニルエーテル3.5g(21mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が130℃になるように加熱して5時間攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は95%であった。生成したフェニルメタクリレートは29.3g(180mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は88%であった。フェニルメタクリレートの選択率(フェニルメタクリレートの収率を炭酸ジフェニルの転化率で割った値)は93%であった。
この実施例から、触媒であるメタクリル酸マグネシウムの量を増やすと、さらに効率よくフェニルエステルが得られることが分かった。
<実施例30>
空気導入管を備えた50mLのガラス製三つ口フラスコに、メタクリル酸11.2g(131mmol)、炭酸ジフェニル23.2g(108mmol)、触媒としてメタクリル酸ナトリウム1.4g(13mmol)、重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.01gと4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.01gを入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が130℃になるように加熱して3.0時間攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は59%であった。生成したフェニルメタクリレートは10.1g(62mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は58%であった。
<実施例31、32>
フラスコに入れるメタクリル酸ナトリウムを表4に示す量に変え、加熱時間を表4に示す値に変えた以外は、実施例30と同様の操作を行った。原料として用いた炭酸ジフェニルに対する触媒として用いたメタクリル酸ナトリウムのモル比、加熱時間、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率、フェニルメタクリレートの生成量、炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率を表4に併記した。なお、表中のDPCは炭酸ジフェニル、PHMAはフェニルメタクリレートを示す。
Figure 2015064498
これらの実施例から、メタクリル酸ナトリウムの量を変えても、効率よくフェニルメタクリレートが得られることが分かった。
<実施例33>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸22.6g(263mmol)、炭酸ジフェニル43.0g(201mmol)、触媒としてメタクリル酸ナトリウム0.7g(6mmol)、重合禁止剤として1,4−ベンゼンジオール0.02gと4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.02gを入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が140℃になるように加熱して3.5時間攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は36%であった。生成したフェニルメタクリレートは11.5g(71mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は35%であった。
<実施例34>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸12.3g(143mmol)、炭酸ジフェニル43.0g(201mmol)、触媒としてメタクリル酸ナトリウム0.7g(6mmol)、重合禁止剤として1,4−ベンゼンジオール0.02gと4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル0.02gを入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が140℃になるように加熱攪拌した。内温が140℃になった時点を0時間としたとき、0.5時間、1.0時間、1.5時間、2.0時間、2.5時間、3.0時間の時点でそれぞれメタクリル酸1.7g(20mmol)を添加し、最終的なメタクリル酸投入量は22.6g(263mmol)となった。加熱時間が3.5時間になるまで攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は45%であった。生成したフェニルメタクリレートは14.5g(89mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は45%であった。
表5に得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率、フェニルメタクリレートの生成量、炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率を記載した。なお、表中のDPCは炭酸ジフェニル、PHMAはフェニルメタクリレートを示す。
Figure 2015064498
これらの実施例から、メタクリル酸を分割添加しながら反応させることで、フェニルメタクリレートの生成速度が向上することが分かった。
<実施例35>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸21.2g(246mmol)、炭酸ジフェニル44.0g(205mmol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム2.4g(12mmol)、重合禁止剤としてフェノール0.04g、および内部標準物質としてジフェニルエーテル3.5g(21mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が140℃になるように加熱して5時間攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は98.8%であった。生成したフェニルメタクリレートは30.3g(187mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は91%であった。生成したMAA付加体は1.05g(4.2mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するMAA付加体の収率は2.07%であった。生成したPhOH付加体は0.27g(1.1mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するPhOH付加体の収率は0.51%であった。生成したフェニルメタクリレート二量体は0.84g(2.6mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレート二量体の収率は2.52%であった。フェニルメタクリレートの選択率(フェニルメタクリレートの収率を炭酸ジフェニルの転化率で割った値)は92%であった。
<実施例36>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸9.2g(106mmol)、炭酸ジフェニル44.0g(205mmol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム2.4g(12mmol)、重合禁止剤としてフェノール0.04g、および内部標準物質としてジフェニルエーテル3.5g(21mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が140℃になるように加熱攪拌した。内温が140℃になった時点を0時間としたとき、0.5時間の時点でメタクリル酸3.5g(40mmol)を添加し、1.0時間、1.5時間、2.0時間、2.5時間、3.0時間の時点でそれぞれメタクリル酸1.7g(20mmol)を添加し、最終的なメタクリル酸投入量は21.2g(246mmol)となった。加熱時間が5.0時間になるまで攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は98.9%であった。生成したフェニルメタクリレートは30.7g(189mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は92%であった。生成したMAA付加体は0.57g(2.3mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するMAA付加体の収率は1.12%であった。生成したPhOH付加体は0.19g(0.8mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するPhOH付加体の収率は0.37%であった。生成したフェニルメタクリレート二量体は0.79g(2.4mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレート二量体の収率は2.38%であった。フェニルメタクリレートの選択率(フェニルメタクリレートの収率を炭酸ジフェニルの転化率で割った値)は93%であった。
<実施例37>
空気導入管を備えた200mLのガラス製容器に、メタクリル酸9.2g(106mmol)、炭酸ジフェニル44.0g(205mmol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム2.4g(12mmol)、重合禁止剤としてフェノール0.04g、および内部標準物質としてジフェニルエーテル3.5g(21mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が140℃になるように加熱攪拌した。内温が140℃になった時点を0時間としたとき、30分〜90分の期間に0.113g/分の流量でメタクリル酸6.8g(80mmol)を連続添加した。また、95分〜185分の期間に0.058g/分の流量でメタクリル酸5.2g(60mmol)を連続添加した。最終的なメタクリル酸投入量は21.2g(246mmol)となった。加熱時間が5.0時間になるまで攪拌した。
この結果、得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は99.0%であった。生成したフェニルメタクリレートは30.9g(190mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は93%であった。生成したMAA付加体は0.53g(2.1mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するMAA付加体の収率は1.04%であった。生成したPhOH付加体は0.20g(0.8mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するPhOH付加体の収率は0.39%であった。生成したフェニルメタクリレート二量体は0.79g(2.4mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレート二量体の収率は2.38%であった。フェニルメタクリレートの選択率(フェニルメタクリレートの収率を炭酸ジフェニルの転化率で割った値)は94%であった。
表6に得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率、フェニルメタクリレートの生成量、炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率、炭酸ジフェニルに対するMAA付加体の収率、炭酸ジフェニルに対するPhOH付加体の収率、炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレート二量体の収率を記載した。なお、表中のDPCは炭酸ジフェニル、PHMAはフェニルメタクリレート、MAAはメタクリル酸を示す。
Figure 2015064498
これらの実施例から、メタクリル酸を分割添加または連続添加しながら反応させることで、副反応が抑制され、フェニルメタクリレートの生成量が増えることが分かった。
<実施例38>
ジムロート冷却器、空気導入管を備えた1Lのガラス製四つ口フラスコに、メタクリル酸193.1g(2.24mol)、炭酸ジフェニル400.0g(1.87mol)、触媒としてメタクリル酸マグネシウム21.8g(0.11mol)、重合禁止剤としてフェノール0.4gを入れた。
この混合液に空気を毎分20mLの流量で吹き込みながら、内温が100℃になるように加熱して2時間攪拌した。続いて、内温が120℃になるように加熱して2時間攪拌した。続いて、内温が130℃になるように加熱して14時間攪拌したところ、527.0gの反応液を得た。
得られた反応液の炭酸ジフェニルの転化率は99.5%であった。生成したフェニルメタクリレートは268.3g(1.65mol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレートの収率は88%であった。生成したMAA付加体は11.1g(44.7mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するMAA付加体の収率は2.4%であった。生成したPhOH付加体は3.4g(13.3mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するPhOH付加体の収率は0.7%であった。生成したフェニルメタクリレート二量体は8.5g(26.2mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルメタクリレート二量体の収率は2.8%であった。フェニルメタクリレートの選択率(フェニルメタクリレートの収率を炭酸ジフェニルの転化率で割った値)は88%であった。
得られた反応液を分液ロートに移し、n−ヘキサン120gと9質量%塩化水素水溶液150gを加え、激しく振って混合させた後、静置すると油層と水層に分離した。水層を下部から抜き出し、次いで、油層に対してn−ヘキサンを加えることなく同様の操作を行い、水100gで1回、15質量%水酸化ナトリウム水溶液200gで3回、水200gで2回、油層を洗浄した。
得られた油層に、重合禁止剤としてフェノチアジン0.6gを加えた後、空気を導入しながら、20℃、70〜120torr(9.3〜16.0kPa)の条件でエバポレーターを用いて、n−ヘキサンを留去し、濃縮した。
得られた液を、熱媒温度72℃、圧力0.7〜0.8torr(0.09〜0.11kPa)、送液量3.6mL/分の条件で薄膜蒸留装置にて蒸留精製を行ったところ、留出物として純度99.7質量%であるフェニルメタクリレート227.6g(1.40mol)を得た。炭酸ジフェニルに対する全収率は75%であった。また、この留出物には、炭酸ジフェニルが0.050質量%、フェノールが0.006質量%、MAA付加体が0.165質量%、PhOH付加体が0.007質量%含まれていた。
この実施例から、薄膜蒸留を用いても、高純度のフェニルメタクリレートが得られることが分かった。
<実施例39>
30mLのガラス製試験管に、フェニルメタクリレートを90.0質量%、及び炭酸ジフェニルを10.0質量%含む組成物を5.6g入れた。120℃のオイルバスで6時間加熱したところ、重合せず、液体のままであった。
<比較例1>
30mLのガラス製試験管に、フェニルメタクリレートを99.9質量%含み、炭酸ジフェニルを含まない組成物を5.0g入れた。120℃のオイルバスで6時間加熱したところ、重合して固体が得られた。
<実施例40〜44>
ガラス製試験管の内容物を表7に示す物に変えた以外は、実施例39と同様の操作を行った。加熱後の内容物の状態を表7に併記した。なお、表中のDPCは炭酸ジフェニル、PHMAはフェニルメタクリレートを示す。
Figure 2015064498
これらの実施例から、フェニルメタクリレート組成物に炭酸ジフェニルが0.001質量%以上10質量%以下含まれると、重合を抑制できることがわかった。
<実施例45>
空気導入管を備えた50mLのガラス製三つ口フラスコに、アクリル酸12.1g(168mmol)、炭酸ジフェニル12.0g(56mmol)、触媒として水酸化マグネシウム0.34g(6mmol)、重合禁止剤としてフェノール0.01g、内部標準物質としてジフェニルエーテル0.95g(5mmol)を入れた。この混合液に空気を毎分10mLの流量で吹き込みながら、内温が135℃になるように加熱して12時間攪拌した。
この結果、生成したフェニルアクリレートは4.1g(28mmol)であった。炭酸ジフェニルに対するフェニルアクリレートの収率は49%であった。
<実施例46>
フラスコに入れる水酸化マグネシウム0.34g(6mmol)を4−ジメチルアミノピリジン0.68g(6mmol)に変えた以外は、実施例45と同様の操作を行った。フェニルアクリレートの生成量、炭酸ジフェニルに対するフェニルアクリレートの収率を表8に併記した。なお、表中のPHAはフェニルアクリレートを示す。
Figure 2015064498
この出願は、2013年10月30日に出願された日本出願特願2013−225352を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。

Claims (13)

  1. (メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを反応させる、フェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. (メタ)アクリル酸と炭酸ジフェニルとを触媒存在下で反応させる、請求項1に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  3. 触媒が、窒素含有有機化合物、第1族金属化合物、第2族金属化合物及びトリフルオロメタンスルホン酸金属化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  4. 触媒が下記式(1)または(2)で示される窒素含有有機化合物である、請求項3に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
    Figure 2015064498

    (式(1)中、NR基はピリジン環の2位、3位、4位のいずれか1つに結合している。RおよびRは、それぞれ独立に、水素、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、或いは置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基である。RとRが任意に結合して、環状構造を形成していてもよい。)
    Figure 2015064498

    (式(2)中、Rは水素、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数2〜30のアルケニル基、或いは置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基である。)
  5. 第2族金属化合物が、有機分子からなるイオン性配位子を有するマグネシウム化合物である、請求項3に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  6. 触媒の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.00001モル以上4モル以下である、請求項2に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  7. 触媒の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.0001モル以上0.6モル以下である、請求項6に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  8. 触媒の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.03モル以上0.15モル以下である、請求項7に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  9. (メタ)アクリル酸の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.1モル以上5モル以下である、請求項1に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  10. (メタ)アクリル酸の使用量が、炭酸ジフェニル1モルに対して0.8モル以上1.6モル以下である、請求項9に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  11. (メタ)アクリル酸を、炭酸ジフェニルに対して分割添加または連続添加する、請求項1に記載のフェニル(メタ)アクリレートの製造方法。
  12. フェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下、及び炭酸ジフェニルを0.001質量%以上10質量%以下含む、フェニル(メタ)アクリレート組成物。
  13. フェニル(メタ)アクリレートを90質量%以上99.999質量%以下、及び下記式(3)で表される化合物および/または下記式(4)で表される化合物を0.001質量%以上10質量%以下含む、フェニル(メタ)アクリレート組成物。
    Figure 2015064498

    Figure 2015064498

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