JP2003252830A - アダマンタンジカルボン酸ジアリールエステルの製造方法 - Google Patents

アダマンタンジカルボン酸ジアリールエステルの製造方法

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JP2003252830A
JP2003252830A JP2002051101A JP2002051101A JP2003252830A JP 2003252830 A JP2003252830 A JP 2003252830A JP 2002051101 A JP2002051101 A JP 2002051101A JP 2002051101 A JP2002051101 A JP 2002051101A JP 2003252830 A JP2003252830 A JP 2003252830A
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dicarboxylic acid
group
adamantane dicarboxylic
ester
carbon atoms
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Tetsuo Ban
哲夫 伴
Akinobu Yoshisato
瑛信 善里
Masaharu Muramoto
雅晴 村元
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はアダマンタンジカルボン酸を原料と
して工業的規模で経済的に効率良く生産可能なアダマン
タンジカルボン酸ジアリールエステルの製造方法に関す
るものである。 【解決手段】 アダマンタンジカルボン酸をジアリール
カーボネートと、塩基触媒或いはエステル交換触媒存在
下で加熱溶融反応させることによりアダマンタンジカル
ボン酸ジアリールエステルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアダマンタンジカル
ボン酸ジアリールエステルの製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは、工業的規模で経済的に効率良く生産
可能なアダマンタンジカルボン酸ジアリールエステルの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アダマンタンジカルボン酸ジアリールエ
ステルは,高分子重合体,医薬品等の製造中間体として
有用な化合物である。これまでにアダマンタンジカルボ
ン酸を原料としてアダマンタンジカルボン酸ジアリ−ル
エステルを高収率で製造する方法はなかった。例えば
J.Polym.Sci.,Part A−1(197
0),8(12),3665にアダマンタンジカルボン
酸ジフェニルエステルの調製方法が示されている。しか
し、この方法はアダマンタンジカルボン酸ジクロライド
を調製した後、フェノールと反応させる方法(収率50
%)であるため2段階反応であること、SOCl2等の
ハロゲン化合物を使用することから経済的な問題並びに
グリーン・ケミストリィーの理念から問題がある。
【0003】一方、特開2001−354618号公報
にはアダマンタンジカルボン酸ジアルキルエステルを得
る方法としてアダマンタンジカルボン酸ジメチルをte
rt−ブタノールとエステル交換反応させる反応が記載
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アダマンタ
ンジカルボン酸を原料として高収率でアダマンタンジカ
ルボン酸ジアリールエステルを製造する方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、アダマンタンジカル
ボン酸を塩基触媒存在下,ジアリールカーボネートと加
熱溶融反応させることにより、良好な生産性でアダマン
タンジカルボン酸ジアリールエステルを製造することを
見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は下記式(1)あるいは
(2)
【0007】
【化4】 [R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数
1から7までのアルキル基、炭素数6から12までのア
リール基、炭素数7から12までのアラルキル基であ
る。aおよびbは1から8までの自然数で、cは1から
9までの自然数である]で示されるアダマンタンジカル
ボン酸を下記式(3)
【0008】
【化5】 [R4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸
基、カルボキシル基、エステル基、炭素数1〜6のアル
コキシ基あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
で示されるジアリールカーボネートと、触媒存在下で加
熱溶融反応させることを特徴とする下記式(4)あるい
は(5)
【0009】
【化6】 [R1、R2、R3、a、b、およびcは上記式(1)にお
ける定義と同じ、R4は上記式(3)における定義と同
じである。]で表されるアダマンタンジカルボン酸ジア
リールエステルの製造方法である。
【0010】本発明で使用する上記式(1)あるいは
(2)で示されるアダマンタンジカルボン酸におけるR
1、R2及びR3は、水素原子、メチル基、エチル基、プ
ロピル基などの炭素数1〜7までのアルキル基、フェニ
ル基、ナフチル基などの炭素数6から12までのアリー
ル基、もしくはベンジル基、2−フェニルエチル基、3
−フェニルプロピル基などの炭素数7〜12のアラルキ
ル基を表す。なお、式(1)あるいは(2)中のR1
2及びR3は互いに同一でもよく異なるものでもよい。
このような式(1)あるいは(2)で示されるアダマン
タンジカルボン酸の具体例としては、1,3−アダマン
タンジカルボン酸,1,3−ジメチル−5,7−アダマ
ンタンジカルボン酸が挙げられる。
【0011】一方、上記式(3)で示されるジアリール
カーボネートにおける置換基R4は水素原子、水酸基,
カルボキシル基、または塩素原子、臭素原子等のハロゲ
ン原子、あるいはメチルエステル基,エチルエステル
基、フェニルエステル基等のエステル基、メトキシ基、
エトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基、もしく
はメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6の
アルキル基を表す。なお、式(3)中の2個のR4は互
いに同一でもよく異なるものでもよい。
【0012】このような式(3)で示されるジアリール
カーボネートの具体例としては、ジフェニルカーボネー
ト、ビス(2−メチルフェニル)カーボネート、ビス
(4−メチルフェニル)カーボネート、ビス(2−メト
キシフェニル)カーボネート、ビス(4−メトキシフェ
ニル)カーボネートを例示できるが、これらのうちでも
特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0013】触媒としては塩基触媒もしくはエステル交
換触媒が用いられる。塩基触媒としては従来のエステル
化触媒でよく、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのア
ルカリ金属炭酸水素塩、さらには4−アミノピリジン、
4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン
などの有機の塩基性化合物があげられる。またエステル
交換触媒としては、すず、アンチモン、ストロンチウ
ム、亜鉛、コバルト、ニッケル、チタン、ゲルマニウ
ム、アルカリ土類金属、IIIB族金属、希土類金属等の
単体、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、無機および有
機酸塩類、錯塩などが挙げられる。これらの中でも炭酸
カリウム、4−ジメチルアミノピリジン、テトラフェノ
キシチタンが好ましい。
【0014】これらの触媒の使用量としては、アダマン
タンジカルボン酸1モルに対して、塩基触媒もしくはエ
ステル交換触媒1μモル〜0.02モルが好ましく、5
μモル〜0.0005モルが更に好ましい。
【0015】本発明においては、上記式(1)あるいは
(2)で示されるアダマンタンジカルボン酸1モルに対
して、上記式(3)で示されるジアリールカーボネート
は1.5モル〜3.0モルの割合で反応容器に仕込み、
更に好ましくは、アダマンタンジカルボン酸1モルに対
してジアリールカーボネート2モル〜2.5モルの割合
で用いる。ジアリールカーボネートの仕込み量がアダマ
ンタンジカルボン酸1モルに対して1.8モルより少な
いとエステル交換反応が不完全で、目的とする生成物の
収率が十分でなく生成も困難になりやすい。3モルより
多くても特に問題はないが、反応後に多くの未反応物が
残ることになる。
【0016】また、反応時に、酸化防止剤等の各種添加
剤を併用してもよい。反応は、通常、窒素ガス、ヘリウ
ムガス等の不活性ガス雰囲気下で行う。これらの化合物
を加熱溶融する温度としては、180℃〜300℃が好
ましく、200℃〜240℃が更に好ましい。180℃
より低いと反応時間が長くなり、300℃より高いと、
分解等の副反応が起こりやすくなる為である。反応時間
は反応温度や触媒量にもよるが、通常数十分〜数時間程
度であり、好ましくは50分〜120分である。反応と
共に炭酸ガスとフェノール類が留出する。留出物は反応
系外に取り出すようにすることが好ましい。反応は常圧
下から減圧下(60〜700mmHg)で行う。好まし
くは、反応は常圧下から減圧下(320〜540mmH
g)で行い、炭酸ガスの留出が止まり、ほぼ反応が終了
した時点で、更に減圧(100〜300mmHg)し、
未反応のジアリールカーボネートを留去させる。このよ
うにして、目的とするアダマンタンジカルボン酸ジアリ
ールエステルが得られるので、必要に応じてこれを分離
・精製する。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。
【0018】[実施例1]1,3−アダマンタンジカルボ
ン酸25g、ジフェニルカーボネート49g、4−ジメ
チルアミノピリジン0.014gを攪拌装置および留出
系を有する反応容器に仕込み、該容器内を窒素置換した
後、常圧下200℃まで加熱した。溶融後220℃まで
加熱し,2時間反応させることで、炭酸ガスの留出が止
まった(フローメーターで確認できた)。そして240
℃、減圧下(320〜540mmHg)でフェノールを
溜去する事で目的の生成物を得た。冷却後、反応生成物
をトルエン300gに溶解させ、室温にて1昼夜静置し
たところ針状結晶の1,3−アダマンタンジカルボン酸
ジフェニルエステルを得た。収量41gで収率95%で
あった。 [実施例2]1,3−ジメチル−5,7−アダマンタンジ
カルボン酸25g、ジフェニルカーボネート43g、4
−ジメチルアミノピリジン0.012gを攪拌装置およ
び留出系を有する反応容器に仕込み、該容器内を窒素置
換した後、常圧下200℃まで加熱した。溶融後220
℃まで加熱し,2時間反応させることで、炭酸ガスの留
出が止まった(フローメーターで確認できた)。そして
240℃、減圧下(320〜540mmHg)でフェノ
ールを溜去する事で目的の生成物を得た。冷却後、反応
生成物をトルエン300gに溶解させ、室温にて1昼夜
静置したところ針状結晶の1,3−ジメチル−5,7−
アダマンタンジカルボン酸ジフェニルエステルを得た。
収量38gで収率94%であった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、アダマンタンジカルボ
ン酸とジアリールカーボネートとを良好に反応させるこ
とが可能となり、アダマンタンジカルボン酸ジアリール
エステルを高反応速度、高反応率で得られることができ
る。
【0020】そして、以上のごとき本発明により製造さ
れるアダマンタンジカルボン酸ジアリールエステルは、
高分子重合体、医薬品等の製造中間体として有効に使用
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村元 雅晴 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BA51 BA69 BJ30 BJ50 KA04 4H039 CA66 CD30 CE10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)あるいは(2) 【化1】 [R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数
    1から7までのアルキル基、炭素数6から12までのア
    リール基、炭素数7から12までのアラルキル基であ
    る。aおよびbは1から8までの自然数で、cは1から
    9までの自然数である]で示されるアダマンタンジカル
    ボン酸を下記式(3) 【化2】 [R4は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸
    基、カルボキシル基、エステル基、炭素数1〜6のアル
    コキシ基あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
    で示されるジアリールカーボネートと、触媒存在下で加
    熱溶融反応させることを特徴とする下記式(4)あるい
    は(5) 【化3】 [R1、R2、R3、a、b、およびcは上記式(1)にお
    ける定義と同じ、R4は上記式(3)における定義と同
    じである。]で表されるアダマンタンジカルボン酸ジア
    リールエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 該触媒として塩基触媒を用いる請求項1
    に記載のアダマンタンジカルボン酸ジアリールエステル
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 該触媒としてエステル交換触媒を用いる
    請求項1に記載のアダマンタンジカルボン酸ジアリール
    エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 該アダマンタンジカルボン酸が1,3−
    アダマンタンジカルボン酸、もしくは1,3−ジメチル
    −5,7−アダマンタンジカルボン酸であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のアダマンタンジ
    カルボン酸ジアリールエステルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012524829A (ja) * 2009-04-23 2012-10-18 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー アダマンタンを有するプロ触媒組成物及び方法
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