JP2014062071A - エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法 - Google Patents

エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホスゲンを使用することなく人体や環境への安全性に優れるとともに、製造工程や製造設備を簡易なものとし、高収率でエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法は、アミノアルコールを原料として、エチレン性不飽和結合及びイソシアネナト基を分子内に有する化合物を製造する方法であって、分子内にウレタン結合を有する環状化合物を中間体として製造する工程を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アミノアルコールを出発物質とし、環状ウレタン化合物を中間体として経て、エチレン性不飽和基を有するイソシアネート化合物を製造する方法に関する。
エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法としては、いくつかの方法が知られおり、主な方法としてホスゲンを用いる方法が挙げられる。
ホスゲンを用いる方法は、エチレン性二重結合を有するアミンにホスゲンを供することで、カルバミン酸クロリドを得、さらに該カルバミン酸クロリドを熱分解することにより、イソシアネート化合物を製造する方法である。
例えば、特許文献1には、エチレン性二重結合を有するアミンにホスゲンを作用させ、加熱分解することでイソシアネートを得る方法が開示されている。
しかし、ホスゲンは、環境及び人体に有害であり、取り扱い等に制限が生じるという問題点があったため、ホスゲンを使わない製造方法が求められてきた。
ホスゲンを用いずに、エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を得る方法としては、ウレタンを熱分解する方法が挙げられる。
しかし、この方法では、200〜300℃の高い温度が必要であり、重合性のあるエチレン性二重結合を有するイソシアネートの製造には適していない。
そこで、熱分解の温度を下げるために、様々な触媒や助剤が用いられている。
例えば、特許文献2には、触媒として錫を用いる方法が開示されており、これにより、140〜142℃の温度での分解を実現している
また、特許文献3には、助剤としてシリル化助剤を用いる方法が開示されており、ウレタンをN−シリル化ウレタンとすることで、70〜120℃の温度での分解を実現している。
しかし、特許文献2に記載の方法は、エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の収率が48%と低い点で難がある。
また、特許文献3に記載の方法は、シリル化剤として用いられているトリメチルクロロシランが、湿気への感受性が高く、水と激しく反応してしまうため、トリメチルクロロシランを、窒素又はアルゴンのような不活性気体中で扱わなければならず、工業原料として使用しにくいという点で難がある。
米国特許第2821544号明細書 特開平6−263712号公報 特開平10−182582号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ホスゲンを使用することなく人体や環境への安全性に優れるとともに、製造工程や製造設備を簡易なものとし、高収率でエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]アミノアルコールを原料として、エチレン性不飽和結合及びイソシアナト基を分子内に有する化合物を製造する方法であって、分子内にウレタン結合を有する環状化合物を中間体として製造する工程を有することを特徴とするエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
[2]製造工程においてホスゲンを使用しない[1]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
[3]前記分子内にウレタン結合を有する環状ウレタン化合物が、下記一般式(5)で表される化合物である[1]又は[2]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
Figure 2014062071
[式中、Xはエーテル結合及び/又はフェニレン基を含んでもよい炭素数1〜8のアルキレン基を表す。]
[4]前記一般式(5)で表される化合物を、下記一般式(6)で表される2級アミン化合物と反応させることにより開環させる工程を有する[1]〜[3]のいずれか一つに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
Figure 2014062071
[式中、R及びRは各々独立に、アリール基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
[5]アミノアルコールと尿素又は炭酸エステルを反応させて、分子内にウレタン結合を有する環状ウレタン化合物を得る工程を含む[1]〜[4]のいずれか一つに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
[6]前記アミノアルコールが、下記一般式(1)で表される化合物である請求項[1]〜[5]のいずれか一つに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
Figure 2014062071
[式中、Xは前記一般式(5)におけるものと同じである。]
[7]前記エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である[1]〜[6]のいずれか一つに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
Figure 2014062071
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは前記一般式(5)におけるものと同じである。]
[8]前記Xが炭素数1〜5のアルキレン基である[3]〜[7]のいずれか一つに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
[9]前記一般式(2)で表されるアミノアルコールと、下記式(3)で表される尿素又は下記一般式(4)で表される炭酸エステルと、を反応させて前記一般式(5)で表される前記環状ウレタン化合物を製造する工程(工程1)と、
Figure 2014062071
Figure 2014062071
[式中、R2及びR3は各々独立に、アリール基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
前記一般式(5)で表される前記環状ウレタン化合物を、前記一般式(6)で表される前記2級アミン化合物と反応させて下記一般式(7)で表される三置換ヒドロキシル尿素を製造する工程(工程2)と、
Figure 2014062071
[式中、R及びRは、前記一般式(6)におけるものと同じであり、Xは前記一般式(5)におけるものと同じである。]
前記一般式(7)で表される三置換ヒドロキシル尿素と、下記一般式(8)で表される(メタ)アクリル酸エステルと反応させて下記一般式(9)で表されるエチレン性二重結合を有するアルキル基で三置換された尿素構造を有する化合物を製造する工程(工程3)と、
Figure 2014062071
[式中、Rは前記一般式(1)におけるものと同じであり、Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を表す。]
Figure 2014062071
[式中、Rは前記一般式(1)におけるものと同じであり、R及びRは、前記一般式(6)におけるものと同じである。]
前記一般式(9)で表される前記エチレン性二重結合を有するアルキル基で三置換された尿素構造を有する化合物と、塩化水素ガスを反応させることにより、前記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を製造する工程4と、を有する[1]〜[8]のいずれか一つに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
本発明の製造方法によれば、ホスゲンを使用することなく人体への安全性に優れるとともに、環境への負荷も少なく、製造工程や製造設備を簡易なものとすることができ、重合性の高いエチレン性二重結合を有するイソシアネート化合物を高収率で製造することができる。
エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法の第一実施形態における反応フローを示した図である。 エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法の第二実施形態における反応フローを示した図である。
本発明のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法(以下、本発明の製造方法ということもある。)は、アミノアルコールを原料として、エチレン性不飽和結合及びイソシアナト基を分子内に有する化合物を製造する方法であって、分子内にウレタン結合を有する環状化合物を中間体として製造する工程を有する。
分子内にウレタン結合を有する環状化合物を経由する方法である、本発明の製造方法によれば、比較的温和な条件で反応を進行させることができ、目的とするエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を高収率で製造することができる。
本発明の製造方法は、係る工程を有していれば、特に限定されない。
以下、本発明のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法の好ましい2つの実施形態について説明する。以下に具体的な化合物を挙げての反応の経路を示すが、これらの実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために一例として説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第一実施形態]
図1に示すように、本実施形態のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法(以下、本実施形態の製造方法ということもある。)は、好ましくはアミノアルコールと炭酸エステルを出発物質とし、環化(工程1)、尿素化(工程2)、エステル化(工程3)、イソシアネート化(工程4)の4工程を経て、生成物であるエチレン性二重結合を有するイソシアネート化合物を、重合抑制しつつ高収率で製造する方法である。
以下、各工程について説明する。
(工程1)
工程1は、アミノアルコール(好ましくは後記一般式(2)で表されるアミノアルコール)と、炭酸エステル(好ましくは後記一般式(4)で表される炭酸エステル)と、を反応させて環状ウレタン化合物(好ましくは後記一般式(5)で表される化合物)を製造する工程である。
工程1において、第一段階で、鎖状ウレタン化合物を製造し、第二段階で該鎖状ウレタン化合物を昇温することにより環状ウレタン化合物を製造する。
工程1で用いられるアミノアルコールは、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014062071
[式中、Xはエーテル結合及び/又はフェニレン基を含んでもよい炭素数1〜8のアルキレン基を表す。]
前記アミノアルコールにおけるXは、エーテル結合及び/又はフェニレン基を含んでもよい炭素数1〜8のアルキレン基を表す。中でも、エーテル結合を含んでもよい炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基が最も好ましい。
Xにおけるアルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい
直鎖状のアルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキレン基としては、具体的には、−C(CH−、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等が挙げられる
中でも、Xにおけるアルキレン基としては、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基が特に好ましく、エチレン基が最も好ましい。
Xにおけるエーテル結合を含んでもよい炭素数1〜8のアルキレン基とは、炭素数1〜8のアルキレン基中の炭素−炭素結合間に酸素原子が挿入されていてもよいことを意味し、−(CH−(O)−(CH−(O)−(CH−を表す。
ここで、a+c+eは2〜8の整数を表し、a及びcは1以上の整数を表し、b及びdは0又は1を表し、dが0のときeも0である。
エーテル結合を含んでもよい炭素数1〜8のアルキレン基として、具体的には、−CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−、−CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−、−CH−O−CH−が好ましく、−CH−O−(CH−、−(CH−O−(CH−、−(CH−O−CH−、−CH−O−(CH−がより好ましく、−(CH−O−(CH−が特に好ましい。
Xにおけるフェニレン基を含んでもよい炭素数1〜8のアルキレン基とは、炭素数1〜8のアルキレン基中の炭素−炭素結合間にフェニレン基が挿入されていてもよいことを意味し、−(CH−(Ph)−(CH−(Ph)−(CH−を表す。
ここで、Phは非置換の1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、又は1,4−フェニレン基を示し、n+l+oは2〜8の整数を表し、n及びlは1以上の整数を表し、m及びnは0又は1を表し、nが0のときoも0である。
フェニレン基を含んでもよい炭素数1〜8のアルキレン基としては、n+lは1〜4の整数を表し、且つ、oは0を表すものが好ましい。
具体的には、−CH−Ph−(CH−、−(CH−Ph−(CH−、−(CH−Ph−CH−、−CH−Ph−(CH−、−(CH−Ph−CH−、−CH−Ph−CH−が好ましく、−CH−Ph−(CH−、−(CH−Ph−(CH−、−(CH−Ph−CH−、−CH−Ph−(CH−がより好ましく、−(CH−Ph−(CH−が特に好ましい。
また、Xにおいて、例えば、−Ph−O−、−(CH−Ph−O−、−Ph−O−(CH−、−(CH−Ph−O−(CH−のように、上記エーテル結合及び上記フェニレン基の両方を含んでいてもよい。
前記一般式(2)で表されるアミノアルコールとして、具体的には、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、2−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−2−メチル−2−ヘプタノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール等が挙げられる。これらの中でも、エタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノールが好ましい。
工程1で用いられる炭酸エステルは、好ましくは下記一般式(4)で表される化合物である。
Figure 2014062071
[式中、R2及びR3は各々独立に、炭素数6〜20のアリール基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
2及びR3は異なる基であっても構わないが、同じ基であることが好ましい。
2及びR3における炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリル基、キシリル基等が挙げられれ、フェニル基が好ましい。
2及びR3における置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、置換基を有していてもよい直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい
直鎖状のアルキレン基としては、具体的には、メチル基、エチレル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、具体的には、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。
2及びR3におけるアルキル基の置換基としては、例えば、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、シリル基、フェニル基等が挙げられる。これらの置換基の置換位置は特に制限されず、同一又は相異なる複数個の置換基がアルキル基の水素原子を置換してもよい。置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばベンジル基が挙げられる。
前記一般式(4)で表される炭酸エステルとして、具体的には、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチル、炭酸ジペンチル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジオクチル、炭酸メチルフェニル、炭酸ジフェニル、炭酸メチルベンジル等が挙げられる。これらの中でも、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル等が好ましく、炭酸ジメチルがより好ましい。
[第一段階]
工程1の第一段階において、鎖状ウレタン化合物が製造される。鎖状ウレタンは、通常単離されず、そのまま第二段階の反応に付される。
第一段階においては、前記アミノアルコール1モルに対して、前記炭酸エステルを1.0〜2.0モル当量で反応させることが好ましく、1.0〜1.5モル当量で反応させることがより好ましい。
反応に用いる前記炭酸エステルが1.0モル当量以上の場合、前記アミノアルコールが残存しないため、副産物の生成を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
前記アミノアルコールと、前記炭酸エステルとの反応温度は、各化合物の種類によって異なるが、60℃〜80℃が好ましく、65℃〜75℃がより好ましく、70℃〜75℃が特に好ましい。
前記反応温度が60℃以上の場合、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
前記反応温度が80℃以下の場合、副産物の生成を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
尚、この反応温度には、前記アミノアルコール及び/又は前記炭酸エステルを滴下等により添加する際の反応温度も含まれる。
前記アミノアルコール及び/又は前記炭酸エステルを滴下により添加する場合、前記アミノアルコールと前記炭酸エステルとの反応時間は、滴下時間と滴下後の熟成時間からなる。
前記滴下時間は、前記熟成時間が適切であれば特に限定されず、短くとも長くとも問題ないが、3時間以内が好ましく、2時間以内がより好ましい。
熟成時間としては、1時間〜3時間が好ましく、1時間〜2時間がより好ましい。熟成時間が上記範囲内の場合、副産物の生成を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
本工程は基本的には、溶媒を必要としない。ただし基質等に応じて、反応に溶媒を加えてもよい。加えてもよい溶媒としては、ベンゼン・トルエン、キシレン・塩化メチレン、THF、アセトン、ジメチルホルムアミド、環状アルカン類、カルボン酸エステル類等の、プロトン性溶媒でないものが挙げられる。
工程1の第一段階を経ることにより、鎖状ウレタン化合物が製造される。鎖状ウレタンとしては、下記一般式(10)で表されるような構造のものが好ましい。
Figure 2014062071
[式中、Xは前記一般式(2)におけるものと同じであり、Rは前記一般式(4)におけるR2又はR3と同じである。]
[第二段階]
工程1の第二段階において、前記鎖状ウレタン化合物を昇温することにより環状ウレタン化合物が製造される。
第二段階において、先ず、前記鎖状ウレタン化合物を昇温し、環流下で攪拌する。
昇温した液中温度としては、70℃〜90℃が好ましく、75℃〜85℃がより好ましく、80℃〜85℃が特に好ましい。液中温度が70℃以上の場合、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。液中温度が90℃以下の場合、副産物の生成を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
環流時間としては、15時間〜20時間が好ましく、17時間〜19時間がより好ましく、18時間が特に好ましい。環流時間が15時間以上の場合、反応が完全に進行し、より高い収率で生成物が得られる。環流時間が20時間以下の場合、副産物の生成を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
係る環流により、前記鎖状ウレタンが環化し、環状ウレタン化合物が製造される。環状ウレタン化合物としては、下記一般式(5)で表されるような構造のものが好ましい。
Figure 2014062071
[式中、Xは前記一般式(2)におけるものと同じである。]
鎖状ウレタンの環化により、一般式R−OHで表されるアルコール化合物が副生される。ここで、Rは前記一般式(4)におけるR2又はR3と同じである。前記一般式(4)で表される炭酸エステルが、炭酸ジメチルである場合、鎖状ウレタンの環化により、メタノールが副生される。
反応時においては、溶媒を用いなくても構わないが、反応終了後に副生するアルコールの減圧留去を行うための便宜上、溶媒を加える方が好ましい。反応終了時に溶媒を加えて、アルコール留去を行ってもよい。
溶媒としては、沸点が80℃以上の非プロトン性溶媒であれば特に限定されず、トルエンやキシレンが挙げられ、キシレンが好ましい。プロトン性溶媒は、副生物を増加させ、生成物の収率を低下させるため、溶媒として用いることは好ましくない。
前記アミノアルコール1モルに対して、溶媒を0.5〜2.0モル当量投入することが好ましく、0.5〜1.5モル当量で投入することがより好ましく、0.6〜1.3モル当量投入することが特に好ましい。
投入する溶媒の量が0.5モル当量以上の場合、副生するアルコール化合物を効率よく除去することができ、2.0モル当量以下の場合、後の反応で反応速度が低下するおそれがなく、より高い収率で生成物が得られる。
前記アルコール化合物留去の時間としては、6時間〜10時間が好ましく、7時間〜9時間が好ましい。反応時間が6時間以上の場合、反応系内のアルコール化合物の残存を十分に低減することができ、反応時間が10時間以下の場合、溶媒のロスを抑えることができ、反応速度を効率よく維持できる。
前記アルコール化合物を留去する際の圧力としては、15kPa〜90kPaが好ましい。
留去初期は、副生するアルコール化合物の量が多いため、常圧で留出されるが、徐々に留出しにくくなるため減圧し、環流下で少しずつ留出させ系内のアルコール化合物を除去する。この際に減圧しすぎると溶媒のロスが増加する。
副生するアルコール化合物が、窒素バブリングで十分除去できないため、第二段階において、減圧留去することが好ましい。
(工程2)
工程2は、環状ウレタン化合物(好ましくは前記一般式(5)で表される化合物)を、2級アミン化合物(好ましくは後記一般式(6)で表される化合物)と反応させることにより開環させて、三置換ヒドロキシル尿素(好ましくは後記一般式(7で表される化合物)を製造する工程である。
本実施形態の製造方法は、2−オキサゾリドンのような環状ウレタン化合物を経由するため、工程2において、加圧等を必要とせず、比較的温和な条件で反応を進行させることができる。
工程2で用いられる2級アミン化合物は、好ましくは下記一般式(6)で表される化合物である。
Figure 2014062071
[式中、R及びRは各々独立に、アリール基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
前記2級アミン化合物におけるR及びRは各々独立に、アリール基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。具体的には、前記一般式(4)におけるR2及びR3と同様のものが挙げられる。
前記一般式(6)で表される2級アミン化合物の具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、メチルヘキシルアミン等の脂肪族2級アミン化合物;N−エチルアニリン、N−メチルベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン等の芳香族2級アミン化合物;等が挙げられる。中でも脂肪族2級アミン化合物が好ましく、ジエチルアミンが最も好ましい。
また、R及びRにおける置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、窒素原子又は酸素原子を含む基で置換されたものであってもよく、例えば、カルボキシメチル基、シアノエチル基等も挙げられる。
前記一般式(6)で表される2級アミン化合物として、イミノジ酢酸、3,3’−イミノジプロピオニトリル等も挙げられる。
更に、RとRは、結合して環を形成してもよく、前記一般式(6)で表される2級アミン化合物として、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピロール、N−メチルピペラジン、ピペコリン、インドール、テトラヒドロキシキノリン、エチレンイミン等も挙げられる。
工程2においては、前記アミノアルコール1モルに対して、前記第2級アミン化合物を1.0〜10.0モル当量で反応させることが好ましく、3.0〜6.0モル当量で反応させることがより好ましい。
反応に用いる前記第2級アミン化合物が1.0モル当量以上の場合、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
反応に用いる前記第2級アミン化合物が10モル当量を超えると、反応系中のアミノアルコール濃度が低下し反応速度が低下するので好ましくない。
前記環状ウレタン化合物と、前記第2級アミン化合物との反応温度は、各化合物の種類によって異なるが、45℃〜85℃が好ましく、55℃〜75℃がより好ましく、65℃〜75℃が特に好ましい。
前記反応温度が45℃以上の場合、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
前記反応温度が85℃以下の場合、副産物の生成を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
前記環状ウレタン化合物と、前記第2級アミン化合物との反応時間としては、20時間以上が好ましく、30時間以上がより好ましい。反応時間が20時間以上の場合、反応が完全に進行し、より高い収率で生成物が得られる。
前記環状ウレタン化合物と、前記第2級アミン化合物との反応に用いられる溶媒として、前記工程1において留去されずに残留しているキシレン等を引き続き用いるとよい。ただしここで、さらに溶媒を加えても構わない。加えてもよい溶媒としては、プロトン性溶媒あるいはエステル系溶媒以外であれば、何を選択しても構わない。
工程2により、三置換ヒドロキシル尿素が製造される。好ましい構造としては、下記一般式(7)が挙げられる。
Figure 2014062071
[式中、R及びRは、前記一般式(6)におけるものと同じであり、Xは前記一般式(5)におけるものと同じである。]
(工程3)
工程3は、三置換ヒドロキシル尿素(好ましくは前記一般式(7))と、(メタ)アクリル酸エステル(好ましくは後記一般式(8))と反応させて、エチレン性二重結合を有する、三置換された尿素構造を有する化合物(以下、三置換尿素化合物ということもある。好ましくは後記一般式(9))を製造する工程である。
当該工程は、前記工程2で製造した三置換ヒドロキシル尿素と、(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応により、三置換尿素に(メタ)アクリロイル基を導入する工程である。
工程3で用いられる(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくは下記一般式(8)で表される(メタ)アクリル酸エステルである。
尚、本明細書および本特許請求の範囲において、「(メタ)アクリロイル基」とは、α位に水素原子が結合したアクリロイル基、又はα位にメチル基が結合したアクリロイル基、すなわちメタクリロイル基を意味する。
Figure 2014062071
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を表す。]
における炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、又は、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基が好ましい。
炭素数1〜6の直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜6の分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、具体的には、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。
炭素数1〜6の直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、具体的には、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基等が挙げられる。
炭素数1〜6の分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、具体的には、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基等が挙げられる。
これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
前記一般式(8)で表される(メタ)アクリル酸エステルとして、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸プロペニル等が挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
工程3においては、前記三置換ヒドロキシル尿素1モルに対して、前記(メタ)アクリル酸エステルを2.0〜20.0モル当量で反応させることが好ましく、3.0〜15.0モル当量で反応させることがより好ましく、5.0〜10.0モル当量で反応させることが特に好ましい。
反応に用いる前記(メタ)アクリル酸エステルが2.0モル当量以上の場合、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
反応に用いる前記(メタ)アクリル酸エステルが20.0モル当量以下の場合、反応液中の三置換ヒドロキシル尿素の濃度が低くならないため生産性が低下せず、より高い収率で生成物が得られる。
前記三置換ヒドロキシル尿素と、前記(メタ)アクリル酸エステルとの反応の際、アセチルアセトン金属錯体を用いることが好ましい。アセチルアセトン金属錯体を用いることにより、反応効率が上昇し、より高い収率で生成物が得られる。
アセチルアセトン金属錯体としては、Al(acac)、Cr(acac)、Co(acac)、Cu(acac)、Fe(acac)、Ni(acac)、VO(acac)、Zn(acac)、Zr(acac)、In(acac)、Sn(acac)、Ti(acac)が挙げられ、Zn(acac)、Zr(acac)が好ましい。尚、acacはアセチルアセトナートを意味する。
反応に用いる前記アセチルアセトン金属錯体の量としては、前記三置換ヒドロキシル尿素に対して、0.5%〜5.0質量%が好ましく、1.0%〜3.0質量%がより好ましい。
反応に用いる前記アセチルアセトン金属錯体の量が、前記三置換ヒドロキシル尿素に対して、0.5質量%以上の場合、効率よく反応が進み、より高い収率で生成物が得られる。
反応に用いる前記アセチルアセトン金属錯体の量が、前記三置換ヒドロキシル尿素に対して、5.0質量%以下の場合、後記工程4における反応効率に影響を与えることなく、より高い収率で生成物が得られる。
また、反応系には、重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤は、遊離基重合反応において、単量体から生じた遊離基と、速やかに反応するため、遊離基による重合反応が進行しないように安定化させることができる。
重合禁止剤としては、フェノチアジン、p−メトキシフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール(以下、BHTという。)など、一般的に使用されているものを用いることができる。
重合禁止剤の使用量は、前記三置換ヒドロキシル尿素、及び前記(メタ)アクリル酸エステルの種類によって異なるが、前記三置換ヒドロキシル尿素と前記(メタ)アクリル酸エステルとの反応により得られる前記三置換尿素化合物に対し、10〜20000 ppmの割合で用いることが好ましく、50〜10000 ppmの割合で用いることがより好ましく、100〜5000 ppmの量となるように使用されることが特に好ましい。
前記三置換ヒドロキシル尿素と、前記(メタ)アクリル酸エステルとの反応に際し、乾燥空気をバブリングしながら、所定の圧力下及び温度下で加熱することが好ましい。乾燥乾燥空気は、重合禁止剤の役割をする。
バブリングに用いる乾燥空気の流量としては、1.0〜20.0mL/minが好ましく、5.0〜10.0mL/minがより好ましい。
乾燥空気の流量が1.0mL/min以上の場合、反応に用いる単量体から生じた遊離基による重合反応を効率よく抑制することができる。
乾燥空気の流量が20.0mL/min以下の場合、(メタ)アクリル酸エステルのロスを効率よく抑制することができる。
前記三置換ヒドロキシル尿素と、前記(メタ)アクリル酸エステルとの反応温度は、各化合物の種類によって異なるが、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
前記反応温度が40℃以上の場合、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
前記反応温度が80℃以下の場合、反応に用いる単量体から生じた遊離基による重合反応を効率よく抑制することができる。
前記三置換ヒドロキシル尿素と、前記(メタ)アクリル酸エステルとを反応させる際に加える圧力としては、15〜25kPaが好ましく、18〜22kPaがより好ましい。
圧力が15kPa以上の場合、反応温度が上昇し、反応が進行しやすくなる。圧力が25kPa以下の場合、副生する一般式R−OHで表されるアルコール化合物を効率よく除去でき、反応が進行しやすくなる。
反応の途中で副生する一般式R−OHで表されるアルコール化合物を効率よく除去するために、系内から、前記(メタ)アクリル酸エステルと前記一般式R−OHで表されるアルコール化合物の混合物を留出することが好ましい。
留出量としては、1.0〜30.0g/hが好ましく、2.0〜20.0g/hがより好ましい。
留出量が1.0g/h以上の場合、系内から副生したアルコール化合物を効率よく除去できるでき、反応が進行しやすくなる。
留出量が30.0g/h以下の場合、未反応の(メタ)アクリル酸エステルの留出を抑制することができ、反応が進行しやすくなる。
前記三置換ヒドロキシル尿素と、前記(メタ)アクリル酸エステルとの反応時間としては、20〜50時間が好ましく、20〜40時間がより好ましい。反応時間が20時間以上の場合、反応が完全に進行し、より高い収率で生成物が得られる。反応時間が50時間以下の場合、熱履歴が増加せず、反応に用いる単量体から生じた遊離基による重合反応を効率よく抑制することができる。
工程3により、三置換尿素化合物が製造される。三置換尿素化合物としては、下記一般式(9)で表されるような構造のものが好ましい。
Figure 2014062071
[式中、Rは前記一般式(1)におけるものと同じであり、R及びRは、前記一般式(6)におけるものと同じである。]
(工程4)
工程4は、前記三置換尿素化合物(好ましくは前記一般式(9)で表される化合物)と、塩化水素を反応させることにより、エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物(好ましくは後記一般式(1)で表される化合物)を製造する工程である。
工程4は、具体的には、
所定の温度で、三置換尿素化合物を、塩化水素を含有する溶液中で熱分解反応に付する工程(熱分解工程)と、
熱分解工程終了後、前記所定温度に保持した反応溶液に塩化水素ガスを吹き込む工程(熟成工程A)と、熟成工程A終了後、さらに前記所定温度に保持する工程(熟成工程B)と含む。
以下にそれぞれの工程について説明する。
≪熱分解工程≫
熱分解工程は、所定の温度に保持した溶媒に塩化水素ガスを吹き込みながら、前記三置換尿素化合物の溶液を滴下して行うことが好ましい。
熱分解工程で用いられる塩化水素ガスの使用量は、三置換尿素化合物1モルに対して、0.2〜4.0モル当量であることが好ましく、0.5〜2.0モル当量であることがより好ましく、1.0〜2.0モル当量であることが特に好ましい。
塩化水素ガスの使用量が0.2モル当量以上の場合、未反応の三置換尿素化合物の増加を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
塩化水素ガスの使用量が2.0モル当量以下の場合、塩化水素が前記三置換尿素化合物中の二重結合に付加するマイケル付加反応を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
熱分解工程で用いられる溶媒(塩化水素ガスを吹き込み、原料である三置換尿素化合物溶液を滴下する溶媒、及び該三置換尿素化合物溶液の溶媒)としては、特に限定されるものはないが、吹き込んだ塩化水素ガスと三置換尿素化合物の分解生成物(アミン化合物)との塩(アミン塩酸塩)が沈殿するものが好ましい。
例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピリジン、スルホラン、ベンゼン、エチルベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、デカン、ウンデカン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらの中でも、容易に入手できることから、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、デカン、ウンデカンが好ましい。
溶媒の使用量は、三置換尿素化合物1モルに対して0.2〜10.0Lが好ましく、0.5〜8.0Lがより好ましく、1.0〜5.0Lが特に好ましい。
使用する溶媒量が0.2L以上の場合、反応液内の三置換尿素化合物の濃度が増加しすぎることがなく、エステル分解等の副反応速度を抑制できるため、より高い収率で生成物が得られる。使用する溶媒量が極端に少ないと、生成する塩により撹拌が阻害され、反応効率低下を招くおそれがある。
使用する溶媒量が10.0L以下の場合、系内の三置換尿素化合物の濃度が低下しすぎることがなく、反応速度が遅くならないため、より高い収率で生成物が得られる。
熱分解工程では重合反応を避けるために、重合禁止剤を使用してもよい。重合禁止剤としては、前記工程3において述べたように、フェノチアジン、p−メトキシフェノール、2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)など、一般的に使用されているものを用いることができる。
更に、フェノール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、、クレゾール、カテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、6−t−ブチル−m−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4−t−ブチルカテコール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2−t−ブチルハイドロキノン、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール等のフェノール類、ベンゾキノン、1,2−ナフトキノン、、メチレンブルー、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4H−TEMPO)、ジメチルジチオカルバミン酸銅塩、ジエチルジチオカルバミン酸銅塩、ジプロピルジチオカルバミン酸銅塩、ジブチルジチオカルバミン酸銅塩、及びスチレン化フェノチアジン(STDP−D、Styrenated phenothiazine;川口化学工業)などが挙げられる。
これらの中でも、BHT、フェノチアジン、4H−TEMPOが好ましい。上記重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合禁止剤の使用量は、反応溶媒に対して500〜10000ppmが好ましく、1000〜8000ppmがより好ましく、2000〜6000ppmが特に好ましく、3000〜5000ppmが最も好ましい。
重合禁止剤の使用量が500ppm以上の場合、生成物または三置換尿素化合物の重合を抑制することができ、より高い収率で生成物が得られる。
重合禁止剤の使用量が10000ppm以下の場合、イソシアネート基と重合禁止剤の反応を抑制することができ、より高い収率で生成物が得られる。
滴下する原料三置換尿素化合物溶液の濃度は、2.0〜20.0モル/Lが好ましく、3.0〜15.0モル/Lがより好ましく、5.0〜10.0モル/Lが特に好ましい。
原料三置換尿素化合物の濃度が2.0モル/L以上の場合、原料の供給に時間がかからず、反応時間が長くならず、熱履歴増加を抑制できるため、より高い収率で生成物が得られる。
原料三置換尿素化合物の濃度が20.0モル/L以下の場合、原料三置換尿素化合物の濃度が高すぎず、粘度の増加を抑制できるため、効率よく原料を供給できる。
所定温度に保持した溶媒に滴下した後の反応液内の三置換尿素化合物の濃度としては、反応液に対して0.1〜5.0モル/Lが好ましく、0.1〜2.0モル/Lがより好ましく、0.1〜1.0モル/Lが特に好ましい。三置換尿素化合物の濃度が0.1モル/L以上の場合、反応速度の低下を抑制できる。三置換尿素化合物の濃度が5.0モル/L以下の場合、エステル分解などの副反応進行速度の増加を抑制できるため、より高い収率で生成物が得られる。
前記一般式(9)で表される三置換尿素化合物溶液の滴下速度としては、三置換尿素化合物の質量換算で0.1〜10.0g/minが好ましく、0.5〜8.0g/minがより好ましく、0.9〜4.0g/minが特に好ましい。
原料三置換尿素化合物溶液の滴下速度が0.1g/min以上の場合、系内の塩化水素濃度が過剰とならず、エステル分解、塩化水素のマイケル付加などの副反応の進行を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
原料三置換尿素化合物溶液の滴下速度が10.0g/min以下の場合、未反応の三置換尿素化合物の増加を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
塩化水素ガスの吹き込み量としては、三置換尿素化合物1モルに対して0.5〜6.0モル当量が好ましく、0.8〜4.0モル当量がより好ましく、1.0〜2.0モル当量が特に好ましい。
吹き込み量が0.5モル当量以上の場合、未反応の三置換尿素化合物の増加を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
吹き込み量が6.0モル当量以下の場合、塩化水素が前記三置換尿素化合物中の二重結合に付加するマイケル付加反応を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
塩化水素ガスの吹き込み時間は、0.2〜10.0時間が好ましく、0.5〜8.0時間がより好ましく、1.0〜5.0時間が特に好ましい。
吹き込み時間が0.2時間以上の場合、過剰な塩化水素の吹き抜けによる塩化水素のロスの増加を抑制することができる。
吹き込み時間が10.0時間以下の場合、熱履歴増加によるエステル分解等の副生物の増加を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
本実施形態においては、塩化水素ガスを、反応系内の液相部に吹き込むことが好ましい。反応系内の気相部に塩化水素ガスを吹き込む場合、吹き抜け塩化水素が増加し、反応速度が低下する。
本実施形態においては、反応系内で撹拌を行うことが好ましい。撹拌条件としては、50〜1000rpmが好ましく、100〜800rpmがより好ましく、200〜600rpmが特に好ましい。撹拌速度が100rpm以上の場合、撹拌効率が低下することなく、反応速度の低下を抑制できる。
熱分解工程の系内温度は、50〜200℃が好ましく、80〜180℃がより好ましく、120〜140℃が特に好ましい。系内温度が50℃以上の場合、反応速度の低下を抑制できる。系内温度が200℃以下の場合、重合反応を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
≪熟成工程A及びB≫
熟成工程は前記熱反応工程に引き続き同一の反応系内で行われる。
熟成工程Aにおける塩化水素ガスの吹き込み箇所、並びに、熟成工程A及びBにおける系内温度は、上記の熱分解工程と同様である。系内温度は、熱分解工程の温度の±10℃以内で変更してもよい。
熟成工程Aにおける塩化水素ガスの吹き込み速度は、熱分解工程における吹き込み速度と同じか、またはそれ以下の速度が好ましい。熱分解工程における吹き込み速度より速いと塩化水素の吹き抜けによるロスが増加する。
熟成工程Aにおける塩化水素ガスの吹き込み量は、三置換尿素化合物1モルに対して0.01〜5.0モル当量が好ましく、0.1〜2.0モル当量がより好ましく、0.2〜1.0モル当量が特に好ましい。
吹き込み量が0.2モル当量以上の場合、副生成物の分解を促進し、より高い収率で生成物が得られる。
吹き込み量が5.0モル当量以下の場合、吹き抜けによる塩化水素のロスの増加を抑制できる。
熟成時間は、塩化水素ガスを吹き込む熟成工程Aでは、0.1〜6.0時間が好ましく、0.3〜4.0時間がより好ましく、0.5〜2.0時間が特に好ましい。
塩化水素ガス吹き込み終了後の熟成工程Bでは、0.1〜4.0時間が好ましく、0.3〜2.0時間が好ましく、0.5〜1.0時間が特に好ましい。
熟成時間が短いと、特定の副生成物(製造中間体)の分解不足により収率が低下する。一方、熟成時間が長いと、熱履歴増加により、副生物が増加し、収率が低下する。
熟成工程Aにおいて塩化水素ガスを吹き込むことにより、副生成物の分解を促進し、目的生成物を得ることができる。
熟成工程B終了後、吹き込んだ塩化水素ガスと三置換尿素化合物の分解生成物(アミン化合物)との反応により生成し、反応系に沈殿したアミン塩酸塩を除去してもよい。除去方法としては、ろ過が一般的である。また、水に対する溶解度が低い溶媒中で反応を行った場合は、生成したアミン塩酸塩を水で抽出してもよい。
アミン塩酸塩を除去した後、残余の溶媒を留去する。留去の操作及び装置は特に限定されないが、精留、還流装置があるものが好ましい。また、薄膜蒸留装置を使用することもできる。
工程4により、エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物が製造される。好ましくは、下記一般式(1)の構造のものが挙げられる。
Figure 2014062071
[式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは前記一般式(5)におけるものと同じである。]
[第二実施形態]
図2に示すように、本実施形態の製造方法は、アミノアルコールと尿素を出発物質とし、環化(工程1)、尿素化(工程2)、エステル化(工程3)、イソシアネート化(工程4)の4工程を経て、生成物であるエチレン性二重結合を有するイソシアネート化合物を、重合抑制しつつ、高収率で製造する方法である。
以下、各工程について説明するが、第一実施形態における工程と重複する部分については、その説明を省略する。
(工程1)
工程1は、アミノアルコール(好ましくは前記一般式(2)で表される化合物)と、尿素(後記式(3)で表される化合物)と、を反応させて前記環状ウレタン化合物(好ましくは前記一般式(5)で表される化合物)を製造する工程である。
工程1において、第一段階で、鎖状ウレア化合物を製造し、第二段階で該鎖状ウレア化合物を昇温することにより環状ウレタン化合物を製造する。
工程1で用いられる尿素は、下記式(3)で表される化合物である。
Figure 2014062071
[第一段階]
工程1の第一段階において、鎖状ウレア化合物が製造される。
第一段階においては、前記アミノアルコール1モルに対して、前記尿素を1.0〜1.2モル当量で反応させることが好ましく、1.01〜1.10モル当量で反応させることがより好ましい。
反応に用いる前記尿素が1.0〜1.2モル当量の場合、工程2以降の反応効率を高め、より高い収率で生成物が得られる。
前記アミノアルコールと、前記尿素との反応温度は、各化合物の種類によって異なるが、90℃〜120℃が好ましく、95℃〜110℃がより好ましい。
前記反応温度が90℃以上の場合、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
前記反応温度が120℃以下の場合、尿素が分解することなく、より高い収率で生成物が得られる。
工程1の第一段階を経ることにより、アンモニアが副生される。該アンモニアを除去するために、第一段階において、窒素バブリングを行うことが好ましい。
バブリングに用いる窒素の流量としては、10〜200mL/minが好ましく、50〜150mL/minがより好ましい。
窒素の流量が10mL/min以上の場合、副生したアンモニアを効率よく除去できるため、、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
窒素の流量が200mL/min以下の場合、尿素の昇華速度の上昇を抑制することができる。
第一段階において、特に溶媒を必要としないが、N,N−ジメチルホルムアミド等の沸点が150℃以上の溶媒を用いてもよい。
第一段階における反応時間としては、12〜48時間が好ましく、18〜36時間がより好ましい。
工程1の第一段階を経ることにより、鎖状ウレア化合物(好ましくは下記一般式(11)で表される化合物)が製造される。
Figure 2014062071
[式中、Xは前記一般式(2)におけるものと同じである。]
[第二段階]
工程1の第二段階において、前記鎖状ウレア化合物を昇温することにより環状ウレタン化合物が製造される。
第二段階において、反応液内に溶媒を投入して、前記鎖状ウレア化合物を昇温する。用いられる溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピリジン、スルホラン、ベンゼン、エチルベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、デカン、ウンデカン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
これらの中でも、前記一般式(5)で表される環状ウレタン化合物が溶解し、沸点が150℃以上のものが好ましく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドが好ましい。反応終了後は、溶媒は減圧などにより除去することが好ましい。
反応液内に投入する溶媒の量としては、前記アミノアルコール1モルに対して、溶媒を1.2〜2.5倍モル量で投入することが好ましく、1.5〜2.0倍モル量で投入することがより好ましい。
投入する溶媒の量が1.2倍モル量以上の場合、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
投入する溶媒の量が2.5倍モル量以下の場合、溶媒の分解副生物の増加を抑制でき、後の反応で反応速度が低下するおそれがなく、より高い収率で生成物が得られる。
工程1の第二段階を経ることにより、第一段階と同様に、アンモニアが副生される。該アンモニアを除去するために、第二段階においても、窒素バブリングを行うことが好ましい。
バブリングに用いる窒素の流量としては、100〜1000mL/minが好ましく、300〜700mL/minがより好ましい。
窒素の流量が100mL/min以上の場合、副生したアンモニアを効率よく除去できるため、反応速度が遅くならず、より高い収率で生成物が得られる。
窒素の流量が1000mL/min以下の場合、溶媒が窒素に同伴して除去されることを抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
第二段階における反応時間としては、20〜30時間が好ましく、22〜26時間がより好ましい。反応時間が20時間以上の場合、反応が完全に進行し、より高い収率で生成物が得られる。反応時間が30時間以下の場合、溶媒分解副産物の生成を抑制でき、より高い収率で生成物が得られる。
第二段階を経ることにより、前記鎖状ウレアが環化し、前記一般式(5)で表される環状ウレタン化合物が製造される。
(工程2)
本実施形態において、溶媒を必要としない以外は、第一実施形態と同様である。但し、第一実施形態と同様に、キシレン等の溶媒や、プロトン性・エステル系以外の溶媒を加えて反応を行ってもよい
以上、説明した本発明の製造方法は、危険性の高いホスゲンを用いず、環状ウレタン化合物を経由する方法であるため、比較的温和な条件で反応を進行させることができ、重合性の高い、エチレン性二重結合を有するイソシアネート化合物を高収率で製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例における「収率」は、不純物を含む粗生成物(クルード体)の収率(粗生成物の質量/理論収量)を意味する。
実施例及び比較例で合成した化合物の定量は、下記の条件で高速液体クロマトグラフィー分析により行った。
高速液体クロマトグラフィー分析条件:
カラム:昭和電工(株)製、商品名「Shodex KF−801」4本、
カラム温度:40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン、
流速:0.8ml/分、
検出:RI/UV(210nm)
<実施例1>
[工程1:環化]
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び内装管を備えた500mL四つ口フラスコにエタノールアミン122.1g(2.0mol)と尿素126.1g(2.1mol)を入れ、100mL/minで窒素をバブリングしながら、105℃で24時間加熱した。そこにDMF219g(3.0mol)を加え、500mL/minで窒素ガスバブリングしながら150℃で18時間加熱し、溶媒のDMFを減圧留去し、目的の2−オキサゾリドンを、87.8%の収率で得た。
[工程2:尿素化]
攪拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた1L四つ口フラスコに工程1で得られた2−オキサゾリドンを入れ、そこにジエチルアミン585.12g(8.0mol)を加え、60℃(環流下)で96時間反応させた。反応後、過剰なジエチルアミンを減圧留去し、目的の2−ヒドロキシエチル−1,1−ジエチル尿素を、97.2%の収率で得た。ここまでの総収率は85.4%であった。
[工程3:エステル化]
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び内装管を備えた2L四つ口フラスコに工程2で得られた2−ヒドロキシエチル−1,1−ジエチル尿素を入れ、そこにメタクリル酸メチル1255g(10mol)、BHT0.25g、Zr(acac)4.0gを加え、7.5mL/minで乾燥空気をバブリングしながら、圧力22〜24kPa、温度60℃で加熱した。途中副生したメタノールを除くため、15g/hの留出量で、系内からメタクリル酸メチルとメタノールの混合物を抜き出した。24時間反応後、過剰なメタクリル酸メチルを留去し、目的の2−(N,N−ジエチルウレイド)エチルメタクリレートを95.4%の収率で得た。ここまでの総収率は81.5%であった。
[工程4:イソシアネート化]
攪拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた1L四つ口フラスコに溶媒のキシレン570g、重合防止剤のBHT0.5gを入れ、オイルバスで130℃に加熱した。別の250mL容器に2−(N,N−ジエチルウレイド)エチルメタクリレート121gとキシレン100gを入れて混合し、それを130℃に加熱した容器の中に2時間かけて滴下した。滴下すると同時に、乾燥塩化水素ガスを90mL/minで吹き込んだ。2時間の滴下終了後、130℃、90mL/minで塩化水素を30分間吹き込んだ後、さらに130℃で30分間熟成した。熟成終了後、反応液を冷却し、ジエチルアミン塩酸塩をろ過除去し、溶媒を留去し、目的の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネーを66.7%の収率で得た。ここまでの総収率は54.3%であった。
<実施例2>
[工程1:環化及び工程2:尿素化]
実施例1と同様の工程を経て、2−ヒドロキシエチル−1,1−ジエチル尿素を製造した。
[工程3:エステル化]
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び内装管を備えた2L四つ口フラスコに工程2で得られた2−ヒドロキシエチル−1,1−ジエチル尿素を入れ、そこにアクリル酸エチル1255g(10mol)、BHT0.25g、Zr(acac)4.0gを加え、7.5mL/minで乾燥空気をバブリングしながら、圧力22〜24kPa、温度60℃で加熱した。途中副生したエタノールを除くため、15g/hの留出量で系内からアクリル酸エチルとエタノールの混合物を抜き出した。24時間反応後、過剰なアクリル酸エチルを留去し、目的の2−(N,N−ジエチルウレイド)エチルアクリレートを94.0%の収率で得た。ここまでの総収率は80.2%であった。
[工程4:イソシアネート化]
攪拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた1L四つ口フラスコに溶媒のキシレン570g、重合防止剤のBHT0.5gを入れ、オイルバスで130℃に加熱した。別の250mL容器に2−(N,N−ジエチルウレイド)エチルアクリレート109gとキシレン100gを入れ混合し、それを130℃に加熱した容器の中に2時間かけて滴下した。滴下すると同時に、乾燥塩化水素ガスを90mL/minで吹き込んだ。2時間の滴下終了後、130℃、90mL/minで塩化水素を30分間吹き込んだ後、さらに130℃で30分間熟成した。熟成終了後、反応液を冷却し、ジエチルアミン塩酸塩をろ過除去し、溶媒を留去し、目的の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを60.7%の収率で得た。ここまでの総収率は48.6%であった。
<実施例3>
[工程1:環化]
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び内装管を備えた500mL四つ口フラスコにエタノールアミン61.1g(1.0mol)を入れ、70℃に昇温した。炭酸ジメチル108.1g(1.2mol)を1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間熟成した。反応液を80℃に昇温し、環流下で18時間攪拌した。そこにキシレン70gとトリエチルアミン1.0g(0.01mol)を投入し、常圧〜15kPaで8時間かけてメタノールを留去し、目的の2−オキサゾリドンのキシレン溶液を取得した。
[工程2:尿素化]
攪拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた1L四つ口フラスコに工程1で得られた2−オキサゾリドンのキシレン溶液を入れ、80℃に昇温し、そこにジエチルアミン292.4g(4.0mol)を75℃以下の温度にならない速度で滴下し、28時間反応させた。反応後、過剰なジエチルアミンを減圧留去し、目的の2−ヒドロキシエチル−1,1−ジエチル尿素を得た。ここまでの総収率は90.7%であった。
[工程3:エステル化]
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び内装管を備えた2L四つ口フラスコに工程2で得られた2−ヒドロキシエチル−1,1−ジエチル尿素を入れ、そこにメタクリル酸メチル500.63g(5mol)、BHT0.1g、Zr(acac)1.6gを加え、7.5mL/minで乾燥空気をバブリングしながら、圧力21kPa、温度62℃で加熱した。途中副生したメタノールを除くため、2.6g/hの留出量で系内からメタクリル酸メチルとメタノールの混合物を抜き出した。35時間反応後、過剰なメタクリル酸メチルを留去し、目的の2−(N,N−ジエチルウレイド)エチルメタクリレートを94.6%の収率で得た。ここまでの総収率は85.5%であった。
[工程4:イソシアネート化]
攪拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた1L四つ口フラスコに溶媒のキシレン570g、重合防止剤のBHT0.5gを入れ、オイルバスで130℃に加熱した。別の250mL容器に工程3で取得した2−(N,N−ジエチルウレイド)エチルメタクリレート140gとキシレン100gを入れて混合し、それを130℃に加熱した容器の中に2時間かけて滴下した。滴下すると同時に、乾燥塩化水素ガスを90mL/minで吹き込んだ。2時間の滴下終了後、130℃、90mL/minで塩化水素を30分間吹き込んだ後、さらに130℃で30分間熟成した。熟成終了後、反応液を冷却し、ジエチルアミン塩酸塩をろ過除去し、溶媒を留去し、目的の2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを68.0%の収率で得た。ここまでの総収率は58.1%であった。
<比較例1>
攪拌機、コンデンサー、及び温度計を備えた100mL三つ口フラスコに、実施例1の工程1の第一段階で得られた鎖状ウレア化合物である2−ヒドロキシエチル尿素5.0g(0.048mol)を入れ、そこにジエチルアミン35.0g(0.48mol)を温度55℃で92時間反応させた。反応後、得られた目的の2−ヒドロキシエチル−1,1−ジエチル尿素の収率は1%であった。
<比較例2>
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び内装管を備えた500mL四つ口フラスコにエタノールアミン61.1g(1.0mol)と炭酸ジメチル105.8g(1.0mol)を入れ、室温で3日間攪拌した。その後、反応液を40℃に昇温し、3時間攪拌後、副生したメタノールを減圧留去し、目的の3−メチル−1−ヒドロキシエチルウレアを90%の収率、92%の純度で取得した。
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び内装管を備えた2L四つ口フラスコに得られた3−メチル−1−ヒドロキシエチルウレアを入れ、そこにアクリル酸エチル1255g(10mol)、BHT0.25g、Zn(acac)2.0gを加え、7.5mL/minで乾燥空気をバブリングしながら、圧力22〜24kPa、温度60℃で加熱した。途中副生したエタノールを除くため、15g/hの留出量で系内からメタクリル酸メチルとエタノールの混合物を抜き出した。24時間反応後、過剰なアクリル酸エチルを留去し、目的の2−(メチルウレア)エチルアクリレートを84.0%の収率で得た。ここまでの総収率は75.6%であった。
BuSnL4.8mol%を入れた気相反応装置を300℃に加熱し、そこに上記反応で得られた2−(メチルウレア)エチルアクリレートを滴下し、得られたガスをトルエン中でバブリングし、目的の2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートを20%の収率で得た。ここまでの総収率は15.2%であった。
<比較例3>
100mL3つ口フラスコにエタノールアミン5.0g(0.08mol)とジエチル尿素9.5g(0.08mol)を入れ、80℃で5時間攪拌し、環状ウレタン化合物を反応中間体として経ない下記のルートにて三置換尿素化合物を得ようと試みた。
しかし、反応は進行せず、目的生成物は得られなかった。
Figure 2014062071
実施例1〜3の製造方法によれば、分子内にウレタン結合を有する環状化合物を中間体として製造する工程である工程1を有するため、簡便に、高収率でエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を得ることができた。
また、実施例1〜3の製造方法は、いずれの製造工程においても、ホスゲンを使用しないため、人体や環境に対して安全である。
一方、比較例1および2の製造方法(環状ウレタン化合物を反応中間体として経ず、また工程1の第一段階および工程2も経ない方法)では、高収率でエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を得ることができなかった。比較例3の製造方法(環状ウレタン化合物を反応中間体として経ず、また工程1および2も経ない方法)でも、やはりエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を得ることはできなかった。
以上の結果から、分子内にウレタン結合を有する環状化合物を中間体として製造する工程を有する本発明の方法によれば、人体や環境への安全性に優れるとともに、製造工程や製造設備を簡易なものとし、高収率でエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を得られることが明らかである。

Claims (9)

  1. アミノアルコールを原料として、エチレン性不飽和結合及びイソシアナト基を分子内に有する化合物を製造する方法であって、分子内にウレタン結合を有する環状ウレタン化合物を中間体として製造する工程を有することを特徴とするエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
  2. 製造工程においてホスゲンを使用しない請求項1に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
  3. 前記分子内にウレタン結合を有する環状ウレタン化合物が、下記一般式(5)で表される化合物である請求項1又は2に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
    Figure 2014062071
    [式中、Xはエーテル結合及び/又はフェニレン基を含んでもよい、炭素数1〜8のアルキレン基を表す。]
  4. 前記一般式(5)で表される化合物を、下記一般式(6)で表される2級アミン化合物と反応させることにより開環させる工程を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
    Figure 2014062071
    [式中、R及びRは各々独立に、炭素数6〜20のアリール基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
  5. アミノアルコールと尿素又は炭酸エステルを反応させて、分子内にウレタン結合を有する環状ウレタン化合物を得る工程を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
  6. 前記アミノアルコールが、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
    Figure 2014062071
    [式中、Xは前記一般式(5)におけるものと同じである。]
  7. 前記エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
    Figure 2014062071
    [式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは前記一般式(5)におけるものと同じである。]
  8. 前記Xが炭素数1〜5のアルキレン基である請求項3〜7のいずれか一項に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。
  9. 前記一般式(2)で表されるアミノアルコールと、下記式(3)で表される尿素又は下記一般式(4)で表される炭酸エステルと、を反応させて前記一般式(5)で表される前記環状ウレタン化合物を製造する工程(工程1)と、
    Figure 2014062071
    Figure 2014062071
    [式中、R2及びR3は各々独立に、アリール基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
    前記一般式(5)で表される前記環状ウレタン化合物を、前記一般式(6)で表される前記2級アミン化合物と反応させて下記一般式(7)で表される三置換ヒドロキシル尿素を製造する工程(工程2)と
    Figure 2014062071
    [式中、R及びRは、前記一般式(6)におけるものと同じであり、Xは前記一般式(5)におけるものと同じである。]
    前記一般式(7)で表される三置換ヒドロキシル尿素と、下記一般式(8)で表される(メタ)アクリル酸エステルと反応させて下記一般式(9)で表されるエチレン性二重結合を有する三置換された尿素構造を有する化合物を製造する工程(工程3)と、
    Figure 2014062071
    [式中、Rは前記一般式(1)におけるものと同じであり、Rは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を表す。]
    Figure 2014062071
    [式中、Rは前記一般式(1)におけるものと同じであり、R及びRは、前記一般式(6)におけるものと同じである。]
    前記一般式(9)で表される前記エチレン性二重結合を有する三置換された尿素構造を有する化合物と、塩化水素を反応させることにより、前記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物を製造する工程(工程4)と、を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物の製造方法。


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