JP2008285457A - グリセリンカーボネートの製造方法 - Google Patents

グリセリンカーボネートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】グリセリンと尿素を原料として、高収率でグリセリンカーボネートを製造する方法を提供する。
【解決手段】(1)反応系内の含水率が0.01〜2重量%の条件下で、グリセリンと尿素を反応させるグリセリンカーボネートの製造方法、及び(2)反応系内の含水率を予め0.01〜2重量%に調整した後、グリセリンと尿素を反応させるグリセリンカーボネートの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリセリンカーボネートを高収率で製造する方法に関する。
グリセリンカーボネートはポリエステルやポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド等のポリマー合成原料や、界面活性剤・潤滑油等の分野において応用分野が広く、また脱炭酸反応させることにより容易にグリシドールへと変換することもできる。
グリセリンカーボネートの製造方法としては、(i)ホスゲンを用いる方法(例えば特許文献1参照)、(ii)ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等とグリセリンとの交換反応によって製造する方法(例えば、特許文献2参照)、(iii)触媒の存在下に、グリセリンを一酸化炭素及び酸素と反応させる方法(例えば、特許文献3参照)、(iv)グリセリンと尿素から製造する方法等が知られている。
グリシドールは、ポリグリセリン、(ポリ)グリセリンエステル、ジヒドロキシプロピルアミン等や、香粧品、洗浄剤、医薬品、塗料、半導体用UV硬化剤等の原料として有用な物質である。
このうち、(iv)グリセリンと尿素から製造する方法は、簡便で安価にグリセリンカーボネートを得ることができる点で工業的に有利と思われる。この方法においては、反応は無触媒でも進行するが、硫酸亜鉛や硫酸マンガンのようなルイス酸を触媒として用いるとグリセリンカーボネートが高収率で得られることが知られている(特許文献4参照)。また、触媒及び脱水剤の存在下で反応させることも知られている(特許文献5参照)。
しかしながら、これらの方法は収率の点で未だ十分に満足できるものではない。
特開平6−9610号公報 特開平6−329663号公報 特開平6−157509号公報 欧州特許出願公開第955298号明細書 特開2000−247967号公報
本発明は、グリセリンと尿素を原料として高収率でグリセリンカーボネートを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、グリセリンと尿素を反応させる際に反応系内の含水率を特定範囲に調整することにより高収率でグリセリンカーボネートを製造しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の(1)及び(2)を提供する。
(1)反応系内の含水率が0.01〜2重量%の条件下で、グリセリンと尿素を反応させるグリセリンカーボネートの製造方法。
(2)反応系内の含水率を予め0.01〜2重量%に調整した後、グリセリンと尿素を反応させるグリセリンカーボネートの製造方法。
本発明の製造方法によれば、グリセリンと尿素を原料として高収率でグリセリンカーボネートを製造することができる。
本発明のグリセリンカーボネートの製造方法は、(1)反応系内の含水率が0.01〜2重量%の条件下で、グリセリンと尿素を反応させること、及び(2)反応系内の含水率を予め0.01〜2重量%に調整した後、グリセリンと尿素を反応させることを特徴とする。
この反応は、下記の反応式で示されるように、式(1)で表されるグリセリンと、式(2)で表される尿素とを反応させて、グリセリンをカーボネート化することにより、式(3)で表されるグリセリンカーボネートを得る反応である。
Figure 2008285457
上記反応においては、尿素や、尿素からアンモニアが脱離して生じるイソシアン酸、イソシアン酸とグリセリンとの反応により生じるカルバミン酸エステル等が加熱条件下で加水分解され易く、最終的に二酸化炭素とアンモニアに分解され易いためグリセリンカーボネートの収率が低下すると考えられる。また、生成物であるグリセリンカーボネートも加水分解によりグリセリンへ分解される可能性がある。
本発明は、これらの副反応を抑制し収率を向上させる観点及び工業生産性の観点から反応系内の含水率を特定範囲に調整し、原料の尿素やイソシアン酸、カルバミン酸エステル等の中間体及び生成物であるグリセリンカーボネートの加水分解を効果的に抑制することが重要であることを見出すことにより成されたものである。すなわち、本発明においては反応系内の含水率を0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1.8重量%、より好ましくは0.1〜1.5重量%、より好ましくは0.2〜1.2重量%、特に好ましくは0.3〜1.0重量%に調整する。反応系内の含水率を0.01重量%未満にすることは工業生産性の観点から不利であり、大きな収率向上も期待できない。
反応系内の含水率を0.01〜2重量%に調整するためには、カーボネート化反応前に予め反応系内の含水率を0.01〜2重量%に調整することが好ましい。より具体的には、グリセリンと尿素を均一に溶解させた後、脱水処理して反応系内の含水率を0.01〜2重量%に調整した後、グリセリンと尿素を反応させることが好ましい。
グリセリンと尿素を均一に溶解させる際の温度は、好ましくは60〜100℃、より好ましくは65〜95℃、特に好ましくは70〜90℃である。この均一溶解時の温度が100℃を超えると、グリセリンと尿素が反応する可能性があるため好ましくない。
脱水処理の圧力は反応系中の水分が除去できれば特に限定はされないが、好ましくは0.13〜13.3kPa、より好ましくは0.7〜10kPa、特に好ましくは2〜10kPaである。
また、脱水処理は窒素等の不活性ガスを液相中に導入し、撹拌しながら行うことが好ましい。
グリセリンと尿素との反応は触媒を用いなくても可能であるが、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム等の各種硫酸塩等のルイス酸触媒を用いることが反応を良好に進行させるうえで好ましい。この場合使用する触媒は無水のものが好ましく、無水硫酸亜鉛や無水硫酸マンガン等が好ましく、特に無水硫酸亜鉛が好ましい。反応開始時の触媒量は、グリセリン1モルに対し好ましくは0.001〜1モル倍量、より好ましくは0.005〜0.5モル倍量、特に好ましくは0.01〜0.1モル倍量である。
グリセリンと尿素の仕込み比は、グリセリン1モルに対し、尿素を好ましくは0.2〜2.0モル倍量、より好ましくは0.4〜1.8モル倍量、特に好ましくは0.5〜1.5モル倍量で用いる。
反応温度は、好ましくは80〜170℃、より好ましくは90〜150℃、特に好ましくは100〜140℃である。反応圧力は特に限定はないが、好ましくは0.1〜100kPa、より好ましくは1〜50kPa、より好ましくは1.5〜10kPa、特に好ましくは2〜7kPaである。
グリセリンと尿素の反応時にも反応系内の含水率を0.01〜2質量%に維持し、イソシアン酸やカルバミン酸エステル等の中間体及び生成物であるグリセリンカーボネートの加水分解を抑制することが重要である。
この反応時にはアンモニアが発生するが、発生するアンモニアを効率良く除去する観点から窒素を流通させる方法や減圧下で反応させる方法を用いることが好ましい。特に好ましくは、減圧下で窒素を液相中に流通させながら発生するアンモニアを除去しつつ、グリセリンと尿素を反応させる方法である。窒素はグリセリン液相中に導入することが好ましく、その窒素量はアンモニアや余分な水分が除去できるのであれば特に限定されない。
本発明において、上記のようにして得られたグリセリンカーボネートを他の物質を製造するための原料として使用する場合は、必要に応じて精製しグリセリンカーボネート中に残存する触媒等の不純物を予め低減しておくことが好ましい。
触媒等の残存する不純物を低減する方法としては、例えば、蒸留又は中和により不純物を除去する方法、有機系又は無機系の吸着剤を用いて吸着除去する方法、再沈殿/ろ過により除去する方法等が挙げられる。
実施例1
1000ml四つ口フラスコにグリセリン 301.05g( 3.27mol )、尿素 235.25g(3.91mol)を秤量し、メカニカルスターラー・窒素導入管・気体排気口を取付けた後、80℃ まで昇温して均一溶解させた。昇温後、系内圧力を2.7〜4.0kPaにして脱水処理を4時間行った。その際、溶液中に窒素を145ml/minで吹き込むことで反応系中の水を効率よく除去した。脱水処理後常圧に戻したところ反応溶液中の含水率は0.33重量%だった。その後、硫酸亜鉛(無水物)20.74g(0.13mol)を投入して130℃まで昇温した。昇温後、系内圧力を2.7〜4.0kPaにして反応を10時間行った。その際、反応混合溶液中に窒素を145ml/minで吹き込むことで生成するアンモニアを効率よく除去するようにした。反応終了後常圧に戻して放冷し、析出した固体は濾別した。下記条件でガスクロマトグラフィー分析を行い、グリセリン転化率96%、反応収率90%(グリセリン基準)でグリセリンカーボネートを得た。なお、脱水処理後の含水率は以下の方法で求めた。
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
ヒューレット・パッカード社製、「HP−6850」シリーズを用いた。
カラム:Agilent19091J−433E(HP−5 5%Phenyl Methyl Siloxane)、キャピラリー30.0m×250μm×0.25μm
Inlet:270℃、Detector:300℃
Oven:50℃(2min)、300℃(10℃/min)、300℃(5min)
<含水率の測定方法>
平沼産業株式会社製、水分測定装置「AQV−5」シリーズを用いた。試料は測定前に80℃に加熱して均一溶解させ、脱水処理したメタノール及びクロロホルムを重量比1:1で混合した溶媒に溶解させて測定を行った。
実施例2
実施例1における脱水操作時間を2時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行ってグリセリンカーボネートを得た。脱水処理後の反応溶液中の含水率は0.56重量%であり、反応終了後のガスクロマトグラフィー分析の結果、グリセリン転化率96%、反応収率89%(グリセリン基準)であった。
実施例3
実施例1における脱水操作を省略した以外は、実施例1と同様の操作を行ってグリセリンカーボネートを得た。反応前の含水率は1.06重量%であり、反応終了後のガスクロマトグラフィー分析の結果、グリセリン転化率95%、反応収率85%(グリセリン基準)であった。
比較例1
実施例1における脱水操作を省略し、反応前の含水率を3重量%に調製した以外は、実施例1と同様の操作を行ってグリセリンカーボネートを得た。反応終了後のガスクロマトグラフィー分析の結果、グリセリン転化率88%、反応収率82%(グリセリン基準)であった。

Claims (5)

  1. 反応系内の含水率が0.01〜2重量%の条件下で、グリセリンと尿素を反応させるグリセリンカーボネートの製造方法。
  2. 反応系内の含水率を予め0.01〜2重量%に調整した後、グリセリンと尿素を反応させるグリセリンカーボネートの製造方法。
  3. グリセリンと尿素を60〜100℃で均一に溶解させた後、脱水処理して反応系内の含水率を0.01〜2重量%に調整する請求項2に記載のグリセリンカーボネートの製造方法。
  4. 脱水処理を0.13〜13.3kPaで行う請求項3に記載のグリセリンカーボネートの製造方法。
  5. 酸触媒の存在下で反応させる請求項1〜4のいずれかに記載のグリセリンカーボネートの製造方法。
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