JPWO2015050233A1 - 車体傾斜制御装置の異常検出方法 - Google Patents

車体傾斜制御装置の異常検出方法

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Abstract

何れの空気ばねの給排気に異常が生じているかを検出可能な車体傾斜制御装置の異常検出方法を提供する。本発明は、車両を前後に2分割した半車両10毎に状態推定モデルを作成するモデル作成ステップと、状態推定モデルに状態推定手法を適用することで、何れの空気ばね3に対する給排気に異常が生じているかを検出する異常検出ステップとを含む。状態推定モデルは、各半車両が有する各空気ばねに対する給排気の流量指令値が入力された場合に、該入力された各空気ばねに対する給排気の流量指令値にそれぞれ仮想ゲインを乗算して平均し、該平均した値に対して各空気ばねの高さの平均値を出力するモデルであって、各仮想ゲインが状態変数として含まれている。

Description

本発明は、鉄道車両の車体を傾斜させる車体傾斜制御装置の異常検出方法に関する。
軌道の曲線区間を通過している鉄道車両の乗り心地を改善する装置として、車体傾斜制御装置が知られている。車体傾斜制御装置は、車両が有する車体と一対の台車との間に配置された4つの空気ばねに対する給排気を制御することで車体を傾斜させる。
具体的には、車体傾斜制御装置は、車両が軌道の曲線区間を通過しているときに、外軌側に配置された空気ばねに給気して該空気ばねの高さを高くし、かつ、内軌側に配置された空気ばねを排気して該空気ばねの高さを低くする。これにより、車体を曲線区間の内側に向けて傾斜させる。
例えば、特許文献1(特許第5182239号公報)には、各空気ばねに、スプール型流量比例弁と、給気側締切弁(電磁弁)と、排気側締切弁(電磁弁)とを備えた車体傾斜制御装置が提案されている。スプール型流量比例弁は、スプールを摺動させてその停止位置を変えることで、各空気ばねに対する給排気流量を制御する。給気側締切弁は、スプール型流量比例弁と空気圧源(元圧だめ)とを接続する配管に設けられ、スプール型流量比例弁への給気を制御する。排気側締切弁は、スプール型流量比例弁と排気ポートとを接続する配管に設けられ、スプール型流量比例弁からの排気を制御する。
ここで、特許文献1に記載のような車体傾斜制御装置による空気ばねの給排気の異常に関し、特に問題となるのは、排気側締切弁が閉まったままの状態になることである。上述のように、車体傾斜制御装置は、車両が軌道の曲線区間を通過しているときに、外軌側に配置された空気ばねに給気して該空気ばねの高さを高くすることで車体を傾斜させている。従って、排気側締切弁が閉じたままの状態が生じると、外軌側に配置された空気ばねから排気することができなくなり、空気ばねの高さが元に戻らなくなる。この結果、車両が軌道の曲線区間を通過した後、車体を水平に戻せなくなる。
車体傾斜制御装置の異常検出に関しては、例えば、特許文献2(特許第5038615号公報)に記載の方法が提案されている。特許文献2に記載の方法は、4つの空気ばねの高さで表された所定の式の値が所定のしきい値を超えたときに異常が生じていると判定する。
特許文献2に記載の方法によれば、車体傾斜制御装置に異常が生じたこと自体は検出できるが、4つの空気ばねのうち、何れの空気ばねの給排気に異常が生じているかを検出することはできない。そのため、車体傾斜制御装置が通常備える差圧弁やLV弁を用いた給排気制御に切り替えることで車体を水平に戻すしかない。しかしながら、これらの弁は一般的に流量が小さいため、車体を元に戻す動作が非常に遅くなる。このため、乗客が重力を左右の方向に感じる時間が長くなり、乗り心地が大きく損なわれる。また、何れの空気ばねの給排気に異常が生じたのか検出できないため、修理を実施する際の作業が煩雑になる。
本発明の目的は、何れの空気ばねの給排気に異常が生じているかを検出できる車体傾斜制御装置の異常検出方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した。その結果、車体傾斜運動をモデリングした車体傾斜運動モデルを作成し、検出対象とする各空気ばねの給排気の異常を仮想ゲインとして表現し、その仮想ゲインを車体傾斜運動モデルに状態変数として付加した数理モデルとしての状態推定モデルを考えることに着眼した。そして、この状態推定モデルに拡張カルマンフィルタ等の状態推定手法を適用して仮想ゲインを推定すれば、その推定値が所定のしきい値未満となる仮想ゲインに対応する空気ばねの給排気に異常が生じていると判定可能であることを見出した。
なお、空気ばねへの給排気に異常が生じた場合、台車に対する車体の傾斜よりも、台車に対する車体の高さ(上下方向での位置)の方が影響を受け易い。なぜなら、各台車に対する車体の傾斜の挙動は、車体に作用するねじりモーメントの影響を受け、台車毎に独立とならないが、車体の高さの挙動は、台車毎に独立しているからである。この観点より、本発明者らは、各空気ばねの給排気の異常を検出するために用いる車体傾斜運動モデルとして、車両を前後に2分割した半車両毎(台車毎)に、各台車に配置された各空気ばねに対する給排気の流量指令値の平均値(すなわち、車体への上下指令)を入力とし、各空気ばねの高さの平均値(すなわち、車体の台車からの高さ)を出力とするモデルを考えれば良いことを見出した。そして、この車体傾斜運動モデルにおける各空気ばねに対する給排気の流量指令値に対して上記仮想ゲインを乗算し、仮想ゲインを乗算した後の各空気ばねに対する給排気の流量指令値の平均値を車体傾斜運動モデルの入力とすれば、仮に一の仮想ゲインの推定値が所定のしきい値未満である場合、当該仮想ゲインが乗算されている給排気の流量指令値は車体運動モデルの入力にあまり寄与していない、すなわち当該仮想ゲインに対応する空気ばねの給排気に異常が生じていると判定できることを見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成したものである。
本発明の実施の形態による異常検出方法は、車体、車体の前後に配置された一対の台車及び各台車の左右に配置され車体を支持する一対の空気ばねを有する車両に設けられ、各空気ばねに対する給排気を制御して車体を傾斜させる車体傾斜制御装置の異常検出方法である。この異常検出方法は、一対の台車の各々について、状態推定モデルを作成するステップと、状態推定モデルを用いて、何れの空気ばねに対する給排気に異常が生じているかを検出するステップとを含む。状態推定モデルは、一方の空気ばねに対する給排気の流量を指令するための第1流量指令値が入力された場合に第1流量指令値に状態変数である第1仮想ゲインを乗算し、他方の空気ばねに対する給排気の流量を指令するための第2流量指令値が入力された場合に第2流量指令値に状態変数である第2仮想ゲインを乗算し、第1仮想ゲインが乗算された第1流量指令値と第2仮想ゲインが乗算された第2流量指令値とを平均した値に対応して一対の空気ばねの高さの平均値を出力する数理モデルである。異常を検出するステップは、第1流量指令値に基づいて給排気が制御されたときの一方の空気ばねの高さを観測して得られた値と第2流量指令値に基づいて給排気が制御されたときの他方の空気ばねの高さを観測して得られた値との平均値を状態推定モデルが出力する値に用いて第1仮想ゲインの値及び第2仮想ゲインの値を推定するステップと、推定された第1仮想ゲインの値が所定のしきい値未満である場合に一方の空気ばねの給排気に異常が生じていると判定し、推定された第2仮想ゲインの値が所定のしきい値未満である場合に他方の空気ばねの給排気に異常が生じていると判定するステップとを含む。
上記の異常検出方法によれば、各空気ばねに対する給排気の流量指令値に乗算される各仮想ゲインの値を推定し、その推定値が所定のしきい値未満の仮想ゲインが存在する場合、当該仮想ゲインに対応する空気ばねの給排気に異常が生じていると判定する。すなわち、一の仮想ゲインの推定値が所定のしきい値未満である場合、当該仮想ゲインが乗算されている給排気の流量指令値は空気ばねの高さ制御に対する寄与が少なく、当該仮想ゲインに対応する空気ばねの給排気に異常が生じていると判定可能である。
このように、上記の異常検出方法によれば、何れの空気ばねの給排気に異常が生じているかを検出可能であるため、傾斜している車体を水平に戻す動作を早く行うことができると共に、容易に修理を実施することも可能である。
判定するステップは、好ましくは、推定された第1仮想ゲインの値が所定の期間に亘って所定のしきい値未満である場合に一方の空気ばねの給排気に異常が生じていると判定し、推定された第2仮想ゲインの値が所定の期間に亘って所定のしきい値未満である場合に他方の空気ばねの給排気に異常が生じていると判定する。
この場合、空気ばねの給排気の異常を誤って検出するのを防ぐことができる。その結果、何れの空気ばねの給排気に異常が生じているかを検出する精度を向上させることができる。
車体傾斜制御装置は、好ましくは、一方の空気ばねへの給気及び一方の空気ばねからの排気の流量を制御する第1流量比例弁と、一方の空気ばねへの給気をオン又はオフする第1給気締切弁と、一方の空気ばねからの排気をオン又はオフする第1排気締切弁と、他方の空気ばねへの給気及び他方の空気ばねからの排気の流量を制御する第2流量比例弁と、他方の空気ばねへの給気をオン又はオフする第2給気締切弁と、他方の空気ばねからの排気をオン又はオフする第2排気締切弁とを含む。第1流量指令値は、一方の空気ばねへの給気の流量を指令するための第1給気流量指令値と、一方の空気ばねからの排気の流量を指令するための第1排気流量指令値とを含む。第2流量指令値は、他方の空気ばねへの給気の流量を指令するための第2給気流量指令値と、他方の空気ばねからの排気の流量を指令するための第2排気流量指令値とを含む。第1仮想ゲインは、第1給気流量指令値が入力された場合に第1給気流量指令値に乗算される第1給気仮想ゲインと、第1排気流量指令値が入力された場合に第1排気流量指令値に乗算される第1排気仮想ゲインとを含む。第2仮想ゲインは、第2給気流量指令値が入力された場合に第2給気流量指令値に乗算される第2給気仮想ゲインと、第2排気流量指令値が入力された場合に第2排気流量指令値に乗算される第2排気仮想ゲインとを含む。状態推定モデルは、第1給気仮想ゲインが乗算された第1給気流量指令値又は第1排気仮想ゲインが乗算された第1排気流量指令値と、第2給気仮想ゲインが乗算された第2給気流量指令値又は第2排気仮想ゲインが乗算された第2排気流量指令値との平均値に対応して、一対の空気ばねの高さの平均値を出力する。推定するステップは、第1給気流量指令値又は第1排気流量指令値に基づいて制御されたときの一方の空気ばねの高さを観測して得られた値と、第2給気流量指令値又は第2排気流量指令値に基づいて制御されたときの他方の空気ばねの高さを観測して得られた値との平均値を、状態推定モデルが出力する値に用いて、第1給気仮想ゲインの値、第1排気仮想ゲインの値、第2給気仮想ゲインの値及び第2排気仮想ゲインの値を推定する。判定するステップは、推定された第1給気仮想ゲインの値が所定のしきい値未満である場合に第1給気締切弁に異常が生じていると判定し、推定された第1排気仮想ゲインの値が所定のしきい値未満である場合に第1排気締切弁に異常が生じていると判定し、推定された第2給気仮想ゲインの値が所定のしきい値未満である場合に第2給気締切弁に異常が生じていると判定し、推定された第2排気仮想ゲインの値が所定のしきい値未満である場合に第2排気締切弁に異常が生じていると判定する。
上記の態様によれば、何れの空気ばねの給排気に異常が生じているかを検出可能であるのみならず、給気及び排気のうち何れに異常が生じているか、具体的には、給気側締切弁及び排気側締切弁のうち何れに異常が生じているかまで検出可能である。従って、より一層、傾斜している車体を元に戻す動作を早く行うことができると共に、容易に修理を実施することも可能である。
例えば、一方の半車両の外軌側に配置された空気ばねに対する排気側締切弁に異常が生じていると判定した場合を想定する。この場合、当該半車両の内軌側に配置された空気ばねに対する流量比例弁のスプールの停止位置を調整することで、外軌側に配置された空気ばねの高さと等しくなるように内軌側の空気ばねの高さを調整すればよい。流量比例弁は、差圧弁やLV弁に比べて一般的に流量が大きいため、迅速に車体を元に戻す動作を行うことが可能である。
判定するステップは、好ましくは、推定された第1給気仮想ゲインの値が所定の期間に亘って所定のしきい値未満である場合に第1給気締切弁に異常が生じていると判定し、推定された第1排気仮想ゲインの値が所定の期間に亘って所定のしきい値未満である場合に第1排気締切弁に異常が生じていると判定し、推定された第2給気仮想ゲインの値が所定の期間に亘って所定のしきい値未満である場合に第2給気締切弁に異常が生じていると判定し、推定された第2排気仮想ゲインの値が所定の期間に亘って所定のしきい値未満である場合に第2排気締切弁に異常が生じていると判定する。
この場合、空気ばねの異常を誤って検出するのを防ぐことができる。その結果、何れの空気ばねの給排気に異常が生じているかを検出する精度を向上させることができる。
この場合、誤って異常を検出するのを防ぐことができる。その結果、給気側締切弁及び排気側締切弁の何れに異常が生じているかを検出する精度を向上させることができる。
車両の概略構成を示す模式図である。 台車と車体との関係を示す模式図である。 車体傾斜制御装置の概略構成を示す模式図である。 車体傾斜制御装置が有する制御装置の概略構成を示すブロック図である。 車体傾斜制御装置が有する制御弁の概略構成を示す模式図である。 状態推定モデルを示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る車両傾斜制御装置の異常検出方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る車両傾斜制御装置の異常検出方法のうち、異常を検出するステップを示すフローチャートである。 空気ばねのモデルである。 本発明の一実施形態に係る車体傾斜制御装置の異常検出方法による異常検出をシミュレーションした結果の一例を示すグラフであって、車体の台車からの高さの変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る車体傾斜制御装置の異常検出方法による異常検出をシミュレーションした結果の一例を示すグラフであって、流量指令値の変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る車体傾斜制御装置の異常検出方法による異常検出をシミュレーションした結果の一例を示すグラフであって、仮想ゲインの変化を示すグラフである。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る車体傾斜制御装置の異常検出方法について説明する。
図1Aは、車両の概略構成図である。図1Bは、台車と車体との関係を示す図である。図2Aは、本発明の一実施形態に係る車体傾斜制御装置の概略構成を示す図である。図2Bは、車体傾斜制御装置による車体の傾斜制御に係る構成を示すブロック図である。図3は、車体傾斜制御装置が有する制御弁の概略構成を示す図である。図4は、状態推定モデルを示す模式図である。
図2Aに示すように、車体傾斜制御装置10は、車両11に設けられる。図1Aに示すように、車両11は、車体1と、一対の台車2、2と、一対の空気ばね3、3とを有する。一対の台車2、2は、車体1の前後に配置される。一対の空気ばね3、3は、各台車2の左右に配置され、車体1を支持する。車体傾斜制御装置10は、各空気ばね3に対する給排気を制御することで車体1を傾斜させる。なお、各台車2の前後には、一対の輪軸4、4が配置されている。
図2Aに示すように、車体傾斜制御装置10は、制御装置12と、一対の制御弁14、14と、空気圧源(元だめ)16と、一対のセンサ18、18とを備える。制御装置12は、一対の制御弁14、14の動作を制御する。一対の制御弁14、14の一方(以下、一方の制御弁14A)は、一対の空気ばね3、3の一方(以下、一方の空気ばね3A)に対する給排気を制御する。一対の制御弁14、14の他方(以下、他方の制御弁14B)は、一対の空気ばね3、3の他方(以下、他方の空気ばね3B)に対する給排気を制御する。一対のセンサ18、18の一方(以下、一方のセンサ18A)は、一方の空気ばね3Aの高さを測定する。一対のセンサ18、18の他方(以下、他方のセンサ18B)は、他方の空気ばね3Bの高さを測定する。ここで、空気ばね3の高さは、例えば、台車2の上面から車体1の下面までの距離である。センサ18は、例えば、エンコーダとリンク機構とによって実現される。
図3に示すように、制御弁14は、流量比例弁14Aと、給気側締切弁14Bと、排気側締切弁14Cとを備える。流量比例弁14Aは、付勢ばね20、スプール22及びモータ24を含む。モータ24の駆動力をスプール22に伝達すると、スプール22が付勢ばね20の付勢力に抗して移動する。流量比例弁14Aは、スプール22の停止位置を変えることで、空気ばね3に対する給気の流量及び排気の流量を制御する。給気側締切弁14Bは、流量比例弁14Aへの給気を制御する。排気側締切弁14Cは、流量比例弁14Aからの排気を制御する。給気側締切弁14B及び排気側締切弁14Cは、電磁弁であり、閉じた状態と開いた状態との何れかをとる。空気ばね3に給気する際には、モータ24によって、スプール22が図3の紙面左側に移動する。空気ばね3から排気する際には、スプール22が右側に移動する。モータ24は、給排気指令に基づいて、無段階に動作する。そのため、高精度な空気ばね3への給排気の制御が可能である。
図2Bを参照して、制御装置12は、目標設定部12Aと、傾斜角制御部12Bと、第1高さ制御部12Cと、第2高さ制御部12Dと、データベース12Eとを備える。
目標設定部12Aは、車体1の台車2に対する傾斜角度の目標値、及び、車体1の台車2からの高さの目標値を設定する。このとき、目標設定部12Aは、車両11が地上子26(図2A参照)から取得する地点情報に対応する曲線情報を参照する。曲線情報は、データベース12Eに格納されている。
傾斜角制御部12Bは、車体1の台車2に対する傾斜角度が目標とする傾斜角度になるように、一対の空気ばね3、3の高さを制御する。ここで、車体1の台車2に対する傾斜角度は、車両11に設けられたセンサ(図示せず)から取得できる。
第1高さ制御部12Cは、一対の台車2、2のうち、車両11の進行方向で前方に位置する台車2(以下、台車2A)から車体1までの高さが目標とする高さとなるように、一対の空気ばね3、3の高さを制御する。ここで、台車2Aから車体1までの高さは、一対のセンサ18、18から取得した高さの平均値である。
第2高さ制御部12Dは、一対の台車2、2のうち、車両11の進行方向で後方に位置する台車2(以下、台車2B)から車体1までの高さが目標とする高さとなるように、一対の空気ばね3、3の高さを制御する。ここで、台車2Bから車体1までの高さは、一対のセンサ18、18から取得した高さの平均値である。
車両11が有する4つの空気ばね3のうち、何れの空気ばね3の給排気に異常が生じているかを検出可能な異常検出方法を提供するべく、本発明者らは鋭意検討した。その結果、車体傾斜運動をモデリングした車体傾斜運動モデルを作成し、検出対象とする各空気ばね3の給排気の異常を仮想ゲインとして表現し、その仮想ゲインを車体傾斜運動モデルに状態変数として付加した状態推定モデルを考えることに着眼した。そして、この状態推定モデルに拡張カルマンフィルタ等の状態推定手法を適用して仮想ゲインを推定すれば、その推定値が所定のしきい値未満となる仮想ゲインに対応する空気ばね3の給排気に異常が生じていると判定可能であることを見出した。
空気ばね3への給排気に異常が生じた場合、図1Bに示す台車2に対する車体1の傾斜よりも、台車2に対する車体1の高さの方が影響を受け易い。なぜなら、台車2に対する車体1の傾斜は、車体1のねじりモーメントの影響を受けるためである。また、車体1の高さの制御は、車体1の前後に配置された台車2毎に独立した制御であり、空気ばね3に対する給排気の指令も台車2毎に行われる。これらの観点より、本発明者らは、各空気ばね3の給排気の異常を検出するために用いる車体傾斜運動モデルとして、車両1を前後に2分割した半車両10毎(台車2毎)に、図4に示すように、各台車2に配置された各空気ばね3に対する給排気の流量指令値の平均値(すなわち、車体1への上下指令)を入力とし、各空気ばね3の高さの平均値(すなわち、車体1の台車2からの高さ)を出力とするモデル(半車両上下モデル)を考えれば良いことを見出した。この半車両上下モデルは、車体1、台車2、及び車体1と台車2との間に介在する空気ばね3の線形の運動方程式から車体1の上下運動について関わる部分を抽出することで導き出される。そして、本発明者らは、この半車両上下モデルにおける各空気ばね3に対する給排気の流量指令値に対して仮想ゲインを乗算し、仮想ゲインを乗算した後の各空気ばね3に対する給排気の流量指令値の平均値を半車両上下モデルの入力とすれば、仮に一の仮想ゲインの推定値が所定のしきい値未満である場合、当該仮想ゲインが乗算されている給排気の流量指令値は半車両上下モデルの入力にあまり寄与していない、すなわち当該仮想ゲインに対応する空気ばね3の給排気に異常が生じていると判定できることを見出した。
以上の知見に基づき、本実施形態に係る異常検出方法は、図5Aに示すように、車両を前後に2分割した半車両10毎に状態推定モデルを作成するモデル作成ステップ(ステップS1)と、状態推定モデルに状態推定手法を適用することで、何れの空気ばね3に対する給排気に異常が生じているかを検出する異常検出ステップ(ステップS2)とを含む。以下、各ステップについて順に説明する。
<モデル作成ステップ>
図4を参照して、モデル作成ステップで作成される状態推定モデル30は、各半車両10が有する各空気ばね3に対する給排気の流量指令値が入力された場合に、該入力された各空気ばね3に対する給排気の流量指令値にそれぞれ仮想ゲインを乗算して平均し、該平均した値(車体1への上下指令)を半車両上下モデルに入力することにより、各空気ばね3の高さの平均値(車体1の台車2からの高さ)を出力する数理モデルであって、各仮想ゲインが状態変数として含まれている。
より具体的に述べれば、状態推定モデル30は、各半車両10が有する一方の空気ばね3に対する給気の流量指令値(第1給気指令)が入力された場合には、該給気の流量指令値に第1の給気用仮想ゲイン(第1給気指令仮想ゲイン)g1inを乗算する。各半車両10が有する一方の空気ばね3に対する排気の流量指令値(第1排気指令)が入力された場合には、該排気の流量指令値に第1の排気用仮想ゲイン(第1排気指令仮想ゲイン)g1outを乗算する。各半車両10が有する他方の空気ばね3に対する給気の流量指令値(第2給気指令)が入力された場合には、該給気の流量指令値に第2の給気用仮想ゲイン(第2給気指令仮想ゲイン)g2inを乗算する。各半車両10が有する他方の空気ばね3に対する排気の流量指令値(第2排気指令)が入力された場合には、該排気の流量指令値に第2の排気用仮想ゲイン(第2排気指令仮想ゲイン)g2outを乗算する。第1の給気用仮想ゲインg1inが乗算された流量指令値又は第1の排気用仮想ゲインg1outが乗算された流量指令値と、第2の給気用仮想ゲインg2inが乗算された流量指令値又は第2の排気用仮想ゲインg2outが乗算された流量指令値とを平均する。該平均した値(車体1への上下指令)に対して一方及び他方の空気ばね3の高さの平均値(車体1の台車2からの高さ)を出力する。第1の給気用仮想ゲインg1in、第1の排気用仮想ゲインg1out、第2の給気用仮想ゲインg2in及び第2の排気用仮想ゲインg2outが状態変数として含まれている。
状態推定モデル30は、以下の状態方程式で表される。
Figure 2015050233
ここで、A、B、C、X及びUは、以下のとおりである。
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
ここで、Aに含まれるa21、a23、a24、a31、a32及びa33は、以下のとおりである。
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
ここで、kは、空気ばねの本体の上下方向での剛性である。kは、空気ばねの受圧面積の変化率に対する剛性である。cは、空気ばねの減衰係数である。Aは、空気ばねの有効受圧面積である。ρは、空気圧源の空気の密度である。mは、半車体の重量である。Nは、空気ばねの本体の補助空気室の容積比である。kVは、給排気流量を電圧で除した変換係数である。
入力ベクトルUを構成する第1給気指令(u1in)、第1排気指令(u1out)、第2給気指令(u2in)及び第2排気指令(u2out)は、以下のとおりである。
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
状態変数ベクトルXには、4つの仮想ゲインg1in、g1out、g2in及びg2outの他に、高さ(x)、速度(x)、第1空気ばね変数(x)及び第2空気ばね変数(x)が含まれる。高さ(x)は、車体の台車からの高さである。速度(x)は、車体の上下方向の速度である。第1空気ばね変数(x)は、空気ばねのうち、図6に示す部分の変数である。第2空気ばね変数(x)は、空気ばねのうち、図6に示す部分の変数である。
<異常検出ステップ>
異常検出ステップは、所定の時間が経過するごとに実行される。異常検出ステップでは、状態推定モデル30に入力された各空気ばね3に対する給排気の流量指令値に応じて観測された各空気ばね3の高さの平均値を用いて状態推定手法を適用することで、状態変数としての各仮想ゲインの値を推定し、その推定値が所定のしきい値未満の仮想ゲインが存在する場合、当該仮想ゲインに対応する空気ばね3の給排気に異常が生じていると判定する。
より具体的に述べれば、異常検出ステップでは、状態推定モデル30に入力された一方及び他方の空気ばね3に対する給気又は排気の流量指令値(第1給気指令、第1排気指令、第2給気指令及び第2排気指令)に応じて観測された一方及び他方の空気ばね3の高さの平均値(車体1の台車2からの高さ)を用いて状態推定手法を適用することで、状態変数としての第1の給気用仮想ゲインg1in、第1の排気用仮想ゲインg1out、第2の給気用仮想ゲインg2in及び第2の排気用仮想ゲインg2outの値を推定し、その推定値が所定のしきい値未満の仮想ゲインが存在する場合、当該仮想ゲインに対応する空気ばね3に対する給気側締切弁又は排気側締切弁(図3参照)に異常が生じていると判定する。
上記のように、状態推定モデル30を表す状態方程式の状態変数ベクトルXには、状態変数として、各仮想ゲインg1in、g1out、g2in及びg2outが含まれている(x=g1in、x=g1out、x=g2in、x=g2out)。また、観測ベクトルYが高さxであることがわかる。さらに、入力ベクトルUが、第1給気指令、第1排気指令、第2給気指令及び第2排気指令で構成されていることがわかる。上記のように、状態推定モデル30を表す状態方程式は、入力ベクトルUの係数ベクトルBが状態変数x〜xを含む非線形状態方程式であるため、非線形状態方程式に対応可能な拡張カルマンフィルタを適用して各仮想ゲインを推定できる。
図5Bを参照しながら、異常検出ステップについて、もう少し具体的に説明する。
先ず、制御装置12は、ステップS11において、一方の空気ばね3Aの高さの観測値、及び、他方の空気ばね3Bの高さの観測値を取得し、これらの観測値の平均値を用いて拡張カルマンフィルタを適用することにより、各仮想ゲインの値を推定する。拡張カルマンフィルタの適用に際しては、上記の状態方程式による状態空間表現を離散化した式及びそのヤコビアンを用いる。これらの式は、以下のとおりである。
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
Figure 2015050233
拡張カルマンフィルタのアルゴリズムでは、(1)観測ヤコビアン、(2)拡張カルマンゲイン、(3)状態推定値、(4)状態推定誤差共分散行列、(5)1期先状態推定値、(6)状態遷移ヤコビアン、及び、(7)予測誤差共分散行列を所定の周期ごとに求める。上記(3)の状態推定値(状態変数ベクトルX)を求めるときに、上記観測値の平均値を用いる。
次に、制御装置12は、ステップS12において、各仮想ゲインのうち、所定のしきい値未満の値を有する仮想ゲインが存在するかを判定する。しきい値は、例えば、0.5である。
所定のしきい値未満の値を有する仮想ゲインが存在しない場合(ステップS12:NO)には、制御装置12は、異常検出ステップを終了する。一方、所定のしきい値未満の値を有する仮想ゲインが存在する場合(ステップS12:YES)には、制御装置12は、ステップS13において、当該仮想ゲインが所定のしきい値未満の値を有する状態が所定の期間継続しているかを判定する。ここで、所定の期間は、例えば、3秒である。
所定の期間継続していない場合(ステップS13:NO)、制御装置12は、異常検出ステップを終了する。所定の期間継続している場合(ステップS13:YES)、制御装置12は、ステップS14において、所定の期間継続してしきい値未満の値を有する仮想ゲインを特定して、当該仮想ゲインに対応する締切弁に異常が発生していると判定する。その後、制御装置12は、異常検出ステップを終了する。
以上に説明した本実施形態に係る異常検出方法によれば、各空気ばね3に対する給排気の流量指令値に乗算される各仮想ゲインの値を推定し、その推定値が所定のしきい値未満の仮想ゲインが存在する場合、当該仮想ゲインに対応する空気ばね3の給排気に異常が生じていると判定する。すなわち、一の仮想ゲインの推定値が所定のしきい値未満である場合、当該仮想ゲインが乗算されている給排気の流量指令値は空気ばね3の高さの制御に対する寄与が少なく、当該仮想ゲインに対応する空気ばね3の給排気に異常が生じていると判定可能である。
このように、本実施形態に係る異常検出方法によれば、何れの空気ばね3の給排気に異常が生じているかを検出可能であるため、傾斜している車体1を元に戻す動作を早く行うことができると共に、容易に修理を実施することも可能である。
特に、本実施形態では、何れの空気ばね3の給排気に異常が生じているかを検出可能であるのみならず、給気及び排気のうち何れに異常が生じているか、具体的には、給気側締切弁及び排気側締切弁のうち何れに異常が生じているかまで検出可能である。従って、より一層、車体1の傾斜を戻す動作を早く行うことができると共に、容易に修理を実施することも可能である。
図7A、図7B及び図7Cは、本実施形態に係る車体傾斜制御装置の異常検出方法による異常検出をシミュレーションした結果の一例を示す。
シミュレーションの条件は以下の通りであった。
(1)走行速度:100[km/h]
(2)曲線半径:400[m]
(3)緩和曲線長:80[m]
(4)カント高さ:105[mm]
(5)目標傾斜角度:2[deg]
(6)想定した異常:外軌側空気ばね用の排気側締切弁が閉じたままである
上記の条件で車両を安定走行させるために設定された車体の台車からの高さ(図7Aにおいて「目標」と示された破線のグラフ)を得るために、図7Bに示す給排気指令(第1給気指令、第1排気指令、第2給気指令及び第2排気指令)を与えると、図7Aにおいて「実績」と示された実線のグラフに示すような車両の高さが観測されることがわかった。車体の台車からの高さの観測値を用いて拡張カルマンフィルタを適用して各仮想ゲインを推定すると、図7Cに示す結果が得られた。例えば、しきい値を0.5にすると、外軌側空気ばねに対応する排気用仮想ゲインがこのしきい値未満となり、外軌側空気ばね用の排気側締切弁に異常が生じていると判定できることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について、詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、上述の実施の形態によって、何等、限定されない。
例えば、上記実施の形態では、排気側の締切弁が閉じたままの状態を異常として検出する場合について説明した。しかしながら、給気側の締切弁が閉じたままの状態を異常として検出する場合についても、本発明は適用可能である。

Claims (4)

  1. 車体、前記車体の前後に配置された一対の台車及び各台車の左右に配置され前記車体を支持する一対の空気ばねを有する車両に設けられ、各空気ばねに対する給排気を制御して前記車体を傾斜させる車体傾斜制御装置の異常検出方法であって、
    前記一対の台車の各々について、状態推定モデルを作成するステップと、
    前記状態推定モデルを用いて、何れの空気ばねに対する給排気に異常が生じているかを検出するステップとを含み、
    前記状態推定モデルは、
    一方の空気ばねに対する給排気の流量を指令するための第1流量指令値が入力された場合に前記第1流量指令値に状態変数である第1仮想ゲインを乗算し、
    他方の空気ばねに対する給排気の流量を指令するための第2流量指令値が入力された場合に前記第2流量指令値に状態変数である第2仮想ゲインを乗算し、
    前記第1仮想ゲインが乗算された第1流量指令値と前記第2仮想ゲインが乗算された第2流量指令値とを平均した値に対応して前記一対の空気ばねの高さの平均値を出力する数理モデルであり、
    前記異常を検出するステップは、
    前記第1流量指令値に基づいて給排気が制御されたときの前記一方の空気ばねの高さを観測して得られた値と前記第2流量指令値に基づいて給排気が制御されたときの前記他方の空気ばねの高さを観測して得られた値との平均値を前記状態推定モデルが出力する値に用いて前記第1仮想ゲインの値及び前記第2仮想ゲインの値を推定するステップと、
    前記推定された第1仮想ゲインの値が所定のしきい値未満である場合に前記一方の空気ばねの給排気に異常が生じていると判定し、前記推定された第2仮想ゲインの値が所定のしきい値未満である場合に前記他方の空気ばねの給排気に異常が生じていると判定するステップとを含む、異常検出方法。
  2. 請求項1に記載の異常検出方法であって、
    前記判定するステップは、
    前記推定された第1仮想ゲインの値が所定の期間に亘って前記所定のしきい値未満である場合に前記一方の空気ばねの給排気に異常が生じていると判定し、前記推定された第2仮想ゲインの値が所定の期間に亘って前記所定のしきい値未満である場合に前記他方の空気ばねの給排気に異常が生じていると判定する、異常検出方法。
  3. 請求項1又は2に記載の異常検出方法であって、
    前記車体傾斜制御装置は、
    前記一方の空気ばねへの給気及び前記一方の空気ばねからの排気の流量を制御する第1流量比例弁と、
    前記一方の空気ばねへの給気をオン又はオフする第1給気締切弁と、
    前記一方の空気ばねからの排気をオン又はオフする第1排気締切弁と、
    前記他方の空気ばねへの給気及び前記他方の空気ばねからの排気の流量を制御する第2流量比例弁と、
    前記他方の空気ばねへの給気をオン又はオフする第2給気締切弁と、
    前記他方の空気ばねからの排気をオン又はオフする第2排気締切弁とを含み、
    前記第1流量指令値は、
    前記一方の空気ばねへの給気の流量を指令するための第1給気流量指令値と、
    前記一方の空気ばねからの排気の流量を指令するための第1排気流量指令値とを含み、
    前記第2流量指令値は、
    前記他方の空気ばねへの給気の流量を指令するための第2給気流量指令値と、
    前記他方の空気ばねからの排気の流量を指令するための第2排気流量指令値とを含み、
    前記第1仮想ゲインは、
    前記第1給気流量指令値が入力された場合に前記第1給気流量指令値に乗算される第1給気仮想ゲインと、
    前記第1排気流量指令値が入力された場合に前記第1排気流量指令値に乗算される第1排気仮想ゲインとを含み、
    前記第2仮想ゲインは、
    前記第2給気流量指令値が入力された場合に前記第2給気流量指令値に乗算される第2給気仮想ゲインと、
    前記第2排気流量指令値が入力された場合に前記第2排気流量指令値に乗算される第2排気仮想ゲインとを含み、
    前記状態推定モデルは、
    前記第1給気仮想ゲインが乗算された第1給気流量指令値又は前記第1排気仮想ゲインが乗算された第1排気流量指令値と、前記第2給気仮想ゲインが乗算された第2給気流量指令値又は前記第2排気仮想ゲインが乗算された第2排気流量指令値との平均値に対応して、前記一対の空気ばねの高さの平均値を出力し、
    前記推定するステップは、
    前記第1給気流量指令値又は前記第1排気流量指令値に基づいて制御されたときの前記一方の空気ばねの高さを観測して得られた値と、前記第2給気流量指令値又は前記第2排気流量指令値に基づいて制御されたときの前記他方の空気ばねの高さを観測して得られた値との平均値を、前記状態推定モデルが出力する値に用いて、前記第1給気仮想ゲインの値、前記第1排気仮想ゲインの値、前記第2給気仮想ゲインの値及び前記第2排気仮想ゲインの値を推定し、
    前記判定するステップは、
    前記推定された第1給気仮想ゲインの値が前記所定のしきい値未満である場合に前記第1給気締切弁に異常が生じていると判定し、前記推定された第1排気仮想ゲインの値が前記所定のしきい値未満である場合に前記第1排気締切弁に異常が生じていると判定し、前記推定された第2給気仮想ゲインの値が前記所定のしきい値未満である場合に前記第2給気締切弁に異常が生じていると判定し、前記推定された第2排気仮想ゲインの値が前記所定のしきい値未満である場合に前記第2排気締切弁に異常が生じていると判定する、異常検出方法。
  4. 請求項3に記載の異常検出方法であって、
    前記判定するステップは、
    前記推定された第1給気仮想ゲインの値が前記所定の期間に亘って前記所定のしきい値未満である場合に前記第1給気締切弁に異常が生じていると判定し、
    前記推定された第1排気仮想ゲインの値が前記所定の期間に亘って前記所定のしきい値未満である場合に前記第1排気締切弁に異常が生じていると判定し、
    前記推定された第2給気仮想ゲインの値が前記所定の期間に亘って前記所定のしきい値未満である場合に前記第2給気締切弁に異常が生じていると判定し、
    前記推定された第2排気仮想ゲインの値が前記所定の期間に亘って前記所定のしきい値未満である場合に前記第2排気締切弁に異常が生じていると判定する、異常検出方法。
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