JP4594743B2 - 空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法 - Google Patents

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本発明は、鉄道車両の空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法に関する。
一般に鉄道車両の空気バネ式車体傾斜システムは、図8に示すように、台車1の振動を吸収する左右の空気バネ2,3と、この空気バネ2,3に空気を供給する空気タンク4と、空気バネ2,3の高さを検出する車高センサ5,6と、空気バネ2,3に供給する空気流量を制御する電磁弁装置7,8と、空気タンク4に空気を充填するコンプレッサ9と、車高センサ5,6の検出値と車両の速度・位置情報とで電磁弁装置7,8を制御する車体傾斜制御装置10(以下、「制御装置」と称する。)で構成されている。
制御装置10は車高センサ5,6の検出値と、車両速度・位置情報とから算出する傾斜角指令値との偏差を求め、この偏差に応じて電磁弁装置7,8を駆動する。電磁弁装置7,8は容量の異なる大中小の電磁弁を有し、制御装置10の指令に基づいてこれらの電磁弁を切替えて空気タンク4から空気バネ2,3に供給する空気流量を制御し、空気バネ2,3の高さを調整することによって車体11の傾斜を調整する。
空気バネ2,3の高さを検出する車高センサ5,6の検出値は制御装置10に伝送にてフィードバックされる。即ち、傾斜角指令値に対し車高センサ5,6の検出値の偏差が大きい場合は容量の大きい電磁弁を制御し、偏差が小さくなると徐々に容量の小さい電磁弁に切替える。
制御装置10には予め曲線データベースがダウンロードされ、図9に示すように車体傾斜を行う曲線(本曲線)Rrと入口緩和曲線Rin、出口緩和曲線Routのキロ程、各曲線Rrで傾斜させる角度がデータベース化されている。制御装置10は入口緩和曲線Rinを通過する間に車体11を目標の傾斜角に傾け、本曲線Rrでは傾斜角を維持する制御を行う。そして本曲線Rrを抜けて出口緩和曲線Routを通過する間に徐々に水平に戻す制御を行い、その間、車高センサ5,6の検出値が制御装置10で傾斜角指令値と常に比較される。
この車体傾斜角制御をより詳しく説明する。空気バネ2,3に給気するまでに3つのノーマルクローズの電磁弁を中継するシステムとし、異常検知時に確実に給気を遮断し、さらに通常の電磁弁装置7,8経由の給気へ確実に空気回路を切替えられるように電磁弁装置7,8内の遮断弁についてはノーマルオープンとしている。これにより、電磁弁等が固渋するなどの故障モードが他の故障と重なっても、安全に制御を中断させることが可能にしている。
空気バネ2,3の高さをセンシングする車高センサ5,6電磁弁内蔵型とし、かつ、重要な部品のために2重系に配置している。またレゾルバタイプのものにして、非接触の堅牢な作りが特徴である。この車高センサ5,6には異常検知機能がついており、異常を検知すると他系へ移行するシステムとして冗長系を確保している。
ところが、このような従来の空気バネ式車体傾斜システムでは車体傾斜角制御を単純な比例制御で行っているため、電磁弁装置は容量の大きい電磁弁から徐々に容量の小さい電磁弁の制御に移行し、微小な調整はほとんど小電磁弁で行うことになる。静的な状態(定置状態)であれば比較的速くシステムが安定し、車体が不安定な状態になったり、電磁弁が無用に動作したりすることはない。しかし実際には、車両の走行振動と空気バネの揺動や外乱要因(乗客の移動、線路の状況など)があるため、入口緩和曲線から本曲線、出口緩和曲線までほとんどの状態は微調整で容量の小さい電磁弁だけ動作することになる。
電磁弁装置のメンテナンスは一定の周期で行われ、動作回数の多い電磁弁は交換されるが、大中小の電磁弁の動作回数に極端な差がある場合、この動作回数の極端に多い電磁弁に合わせた交換周期にしなければならず、交換が頻繁になる問題点があった。この問題点を解決するためには、電磁弁動作回数を少なくするか、大中小の電磁弁の動作回数の均一化を図ることが望ましい。また電磁弁の制御は制御装置内のリレー基板で行っているため、リレーのメンテナンスについても同様の要請がある。
そこで、本発明は、メンテナンス周期を延長することができる車体傾斜システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、容量の同じ複数体の電磁弁を備えた空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法にあって、目標傾斜角と実傾斜角との偏差の大小に応じて同時に開閉制御する電磁弁の数を増減変化させ、かつ1体の電磁弁のみを開閉制御する微調整段階では、所定の順序に従って動作中の電磁弁の動作停止ごとに次に動作させる電磁弁を切り換えて開閉制御することにある。
本発明の第2の特徴は、容量が異なる複数体の電磁弁を備えた空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法にあって、目標傾斜角と実傾斜角との偏差の大小に応じて同時に開閉制御する電磁弁の組合せを変化させ、かつ1体の電磁弁のみを開閉制御する微調整段階では、所定の順序に従って動作中の電磁弁の動作停止ごとに次に動作させる電磁弁を切り換えて開閉制御することにある。
本発明の第3の特徴は、容量が異なる複数体の電磁弁を備えた空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法にあって、走行中の軌道上での距離程と走行速度とに基づきこれから進入する本曲線で必要とする傾斜角を求め、当該傾斜角に到達するのに必要な空気バネに対する所要空気供給量Yを求め、当該本曲線につながる入口緩和曲線の距離と当該車両の走行速度とから当該入口緩和曲線を通過して本曲線に進入するまでに要する時間Tを求め、複数種の電磁弁の組合せごとに前記所要空気供給量Yだけ空気供給するのに必要とされる空気供給所要時間を求め、前記入口緩和曲線を通過するのに要する時間T以内に前記所要空気供給量以上の空気を前記空気バネに供給できる電磁弁の組合せのうち、前記空気供給所要時間が最も長い電磁弁の組合せを選択し、前記選択した電磁弁の組合せにて前記空気バネに所要空気量だけ空気を供給することにある。
ここでは、複数の電磁弁ごとに空気源の空気圧と空気流量との関係をデータベースに登録しておき、複数種の電磁弁の組合せごとの空気供給所要時間を計算する際に、前記空気源の空気圧を測定し、各電磁弁による空気流量を前記データベースに参照して当該空気圧に対応したものに補正してから、前記所要空気供給量Yだけ空気供給するのに必要とされる空気供給所要時間を求めるようにすることができる。
本発明の第4の特徴は、車体を傾斜させる複数の車体傾斜装置と、車体の実傾斜角を検知する傾斜角検知装置と、目標傾斜角と実傾斜角との偏差に基づき前記車体傾斜装置を制御する車体傾斜制御装置とを有し、前記車体傾斜制御装置は、前記複数の車体傾斜装置の動作回数が等しくなるように制御することを特徴とする車体傾斜システムにある。
本発明によれば、メンテナンス周期を延長することができる車体傾斜システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムを、図1を用いて説明する。第1の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムの概要構成は、図8に示した従来例と同様であり、電磁弁装置7,8は大中小の容量の異なる電磁弁を有している。しかしながら、本実施の形態では、電磁弁装置7,8が容量の同じ3つの電磁弁で構成され、制御偏差に応じて制御する電磁弁の数を変え、偏差が大きい場合3つの電磁弁が空気バネに空気を送り込み、偏差が小さくなるに従って開いている電磁弁の数を減少させ、1つの電磁弁の開閉で微調整に入ってからは、電磁弁を順繰りに動作させ、つまりローテーションして動作回数の均一化を図ることを特徴とする。
図1に示したように、列車編成ごとに列車運行制御装置20が搭載されていて、この列車運行制御装置20は中央装置21と、車両ごとの端末装置22から構成されている。この列車運行制御装置20は冗長性のために1系、2系のデュアル系をとっている。中央装置21は中央制御室から新ATC31から距離程を含む新ATC信号を受け、またヨーレートジャイロ32から車体傾斜角信号を受け取るようになっている。
各車両の台車1ごとに左右の電磁弁装置7,8、空気バネ2,3、リミットスイッチを兼備した車高センサ5,6を装備している。また車高センサ5,6の信号を受けて電磁弁装置7,8を制御する車体傾斜制御装置(制御装置)10を備え、さらに空気バネ2,3に供給する圧縮空気を貯留する空気タンク4、空気タンク4に圧縮空気を供給するコンプレッサ9を備えている。これら空気バネ2,3、空気タンク4、電磁弁装置7,8、コンプレッサ9は車体傾斜装置を構成する。
制御装置10は冗長性のために1系、2系それぞれに車高指令値を指示する指令部101、電磁弁装置7,8を制御する制御部102を備えている。また制御装置10には、車両の加速度計12による水平方向加速度信号を入力するようにしてある。電磁弁装置7,8それぞれは、3つの同じ容量の電磁弁110A,110B,110Cとそれらの駆動部111を備えている。
次に、上記構成の空気バネ式車体傾斜システムにおいて実行する電磁弁制御方法について説明する。制御装置10は、直線軌道を走行している通常走行時には、左右の車高センサ5,6の検出値をフィードバックし、左右の車高の偏差を求め、その偏差が0となるように右あるいは左の空気バネ2,3に対する空気流量を調整すべく左右の電磁弁装置7,8を動作させる。
制御装置10はまた、新ATC31からの距離程信号、自車両の速度信号を受けて車両が図9に示した入口緩和曲線Rinに進入したことを検知した時に、当該入力口緩和曲線Rinの区間内で目標傾斜角まで車体11を傾斜させるように左右の電磁弁装置7,8を動作させる。通常、車体の傾斜角は最大で1°である。
左右の空気バネ2,3に対する空気流量の調整には、図2のフローチャートに従う処理を所定周期にて実行する。つまり、該当する側の電磁弁装置の中の3つの等容量の電磁弁110A,110B,110Cに対して、空気流量がある設定値αよりも大きい時には等容量の3つの電磁弁110A,110B,110C3体を同時に開閉制御し(ステップS1〜S3)、空気流量が設定値αよりも小さく、かつ設定値β(α>β)よりも大きい時には等容量の2つの電磁弁110B,110Cを同時に開閉制御する(ステップS4〜S6)。そして制御空気流量が設定値βよりも小さくなればステップS4でNOに分岐し、電磁弁110A,110B,110Cに対して、C→閉→A→閉→B→閉→C…と順繰りに別の電磁弁を開閉制御する(ステップS7〜S14)。
なお、本曲線Rrを通過し、車体を水平に戻すための制御では、出口緩和曲線Routの距離と車両速度を求め、出口緩和曲線Routを通過するのに要する時間Toutを計算し、この通過時間Toutの内に水平に戻せる制御パターンを決定し、これによって空気バネ2又は3内の空気を放出させる。
本実施の形態によれば、電磁弁装置7,8は制御空気流量が微少で、設定値β以下の場合、つまり、各弁の開閉制御が最も頻繁に繰り返される制御モードにおいて、3つの等容量の電磁弁110A,110B,110Cを順繰りに開閉制御することでこれらの3つ電磁弁の動作回数を均等化し、結果的にメンテナンス周期を長くすることができる。
(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムについて、図3、図4を用いて説明する。第2の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムの構成は第1の実施の形態と同様に図1に示す構成であるが、電磁弁装置7,8は大中小の容量の異なる電磁弁110A(大),110B(中),110C(小)を有している。そして本実施の形態の電磁弁制御方法の特徴は、微少空気流量制御ではこれら大中小の容量の電磁弁を順繰りに動作させるが、同じ空気流量を流すために容量大の電磁弁110Aは短い時間、容量中の電磁弁110Bは中くらいの時間、容量小の電磁弁110Cは長い時間開動作させることで同じ空気流量を流す制御をし、しかも容量の異なる複数の電磁弁の動作回数は均等化することにある。
すなわち、図3のテーブルに示すように、電磁弁110A,110B,110Cの容量は大、中、小3種類あり、空気流量の制御パターンとして、これらの容量を組み合わせた大中小、大中、大小、大、中小、中、小の7パターンに分け、空気流量指令値αを設定値α1〜α6と比較してこれらのいずれかの制御パターンにて電磁弁110A,110B,110Cを単独であるいは2種類以上を同時に開閉制御する。例えば、空気流量指令値αがα2≧α>α3であれば、制御パターンは「大小」であり、大小の電磁弁110Aと電磁弁110Cとを同時に開閉制御して指定の車高になるまで空気バネに空気を供給する。これに対して、空気流量指令値αがα6以下(α≦α6)の微調整パターンである場合には、大、中、小の電磁弁110A〜110Cを順繰りに開閉制御することで、電磁弁をローテーションして各電磁弁110A〜110Cの動作回数の均一化を図る。ただし、この微調整パターンでは、空気圧が均一なら、空気流量はそれぞれの電磁弁の流量と動作時間の積で表されるので、同じ空気量を空気バネに供給するのに必要な動作時間は、容量が大きい電磁弁110Aでは短く、容量が小さい電磁弁110Cでは長くなる。
本実施の形態による空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法のフローチャートが図4に示してある。電磁弁装置10では、入口緩和曲線に進入すれば該当距離程の本曲線Rrでの傾斜角指定値をデータベースから読み出し、これに基づいて入口緩和曲線Rinにおいて車体傾斜させるために必要な空気供給量を演算し、空気流量指令値αを求め、テーブルを参照して該当する1あるいは複数の電磁弁の開閉制御を行う(ステップS21〜S23)。そして車体11の傾斜角が所定値に近づくと微調整パターンに移行する(ステップS21でNOに分岐)。
この微調整パターンでは、最初に容量の小さな電磁弁110Cを開閉制御して空気流量を調整し、車体11が所定の傾斜角まで傾斜するように制御する(ステップS24〜S26)。この電磁弁110Cでの微調整がいったん停止し、その後に再度微調整パターンでの制御が必要になれば、次にはステップS27でYESに分岐し、容量が大きい電磁弁110Aを短い時間だけ開閉制御して必要な供給量の空気を空気バネに供給する(ステップS27〜S29)。
この大きな容量の電磁弁110Aでの微調整制御が停止した後に、再度微調整パターンでの制御が必要になれば、次にはステップS27でNOに分岐し、容量が中くらいの電磁弁110Bを中くらいの時間だけ開閉制御して必要な供給量の空気を空気バネに供給する(ステップS27,S30,S31)。
なお、本曲線Rrを通過し、車体を水平に戻すための制御では、出口緩和曲線Routの距離と車両速度を求め、出口緩和曲線Routを通過するのに要する時間Toutを計算し、この通過時間Toutの内に水平に戻せる制御パターンを決定し、これによって空気バネ2又は3内の空気を放出させる。
本実施の形態によれば、従来同様の大、中、小等の複数種の容量の電磁弁を用い、制御プログラムを変更するだけで各電磁弁の開閉動作回数の均等化が図れ、メンテナンス周期を長くすることができる。
(第3の実施の形態)次に、本発明の第3の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法について、図5、図6を用いて説明する。第3の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムの構成は第1の実施の形態と同様に図1に示す構成であるが、電磁弁装置7,8は大中小の容量の異なる電磁弁110A(大),110B(中),110C(小)を有している。
そして本実施の形態の電磁弁制御方法の特徴は、曲線データベースの入口緩和曲線の距離と車両の走行速度から本曲線に入るまでの時間Tを演算し、その時間T内に目標傾斜角に到達できる制御パターンとして容量の小さい電磁弁を開閉制御するという前提条件の下に動作させる電磁弁を選択して開閉制御することで各電磁弁の開時間を長くとれるようにし、結果として各電磁弁の動作回数を少なくし、ひいてはメンテナンス周期を長くする点にある。
本実施の形態では、電磁弁110A,110B,110Cの容量は大、中、小3種類あり、空気流量の制御パターンとして、これらの容量を組み合わせ、全容量順に大中小、大中、大小、中小、大、中、小の7パターンに分ける。そして図5に示すような空気圧が均一の場合の各制御パターンでの空気供給量の時間に対する傾きを電磁弁装置10のデータベースに登録しておく。そしていま、曲線データベースの入口緩和曲線の距離と車両の走行速度から本曲線に入るまでの時間Tを演算し、また傾斜角指令値を実現するのに必要な空気供給量Yも計算し、その時間T内に目標傾斜角に到達できる制御パターンのうち、最も容量の小さい電磁弁を開閉制御する制御パターンを選択する。
つまり、図6のフローチャートに示すように、まず、入口緩和曲線通過所要時間T、目標傾斜角まで傾斜させるのに必要な空気供給量Yを計算し(ステップS51)、また時間T内に空気量Yを空気バネに供給できる制御パターンとして、それぞれの電磁弁110A,110A,110B,110Cの単独、また組合せの制御パターンについて空気供給量がYとなるまでにかかる動作時間T1〜T7を求める。ここでは、「大中小」の制御パターンではT1時間、「大中」の制御パターンではT2時間、「大小」の制御パターンではT3、「中小」の制御パターンではT4時間、「大」の制御パターンではT5時間、「中」の制御パターンではT6時間、そして「小」の制御パターンではT7時間となっている(ステップS52)。
そして、TとT1〜T7各々とを比較し、入口緩和曲線Rin通過時間Tの範囲内で目標傾斜角に到達できる制御パターンを探す(ステップS53,S55,S57,S59,S61)。本例では、T1〜T4までである。そしてT時間以内でT時間に一番近い動作時間をもたらす制御パターンを決定する。本例では、「中小」の制御パターンであり、その場合の動作時間はT4である。そこで、電磁弁装置10はこの制御パターン「中小」に決定し、これにより空気バネの空気供給を行い、車体11を本曲線Rrに進入する前に所定の傾斜角まで傾斜させる(ステップS59,S60)。
なお、本曲線Rrを通過し、車体を水平に戻すための制御では、出口緩和曲線Routの距離と車両速度を求め、出口緩和曲線Routを通過するのに要する時間Toutを計算し、この通過時間Toutの内に水平に戻せる制御パターンを決定し、これによって空気バネ2又は3内の空気を放出させる。
本実施の形態によれば、入口緩和曲線の距離と車両の走行速度から本曲線に入るまでの時間Tを演算し、その時間T内に目標傾斜角に到達できる制御パターンとして最も容量の小さい電磁弁又は電磁弁群を開閉制御するという前提条件の下に動作させる電磁弁を選択して開閉制御するので、各電磁弁の開動作時間を長くとることができ、結果として各電磁弁の動作回数を少なくし、ひいてはメンテナンス周期を長くすることができる。
なお、大、中、小それぞれの容量の電磁弁110A,110B,110CにはMR圧により同じ弁開度であっても空気流量が変化する。そのため、図7に示すような空気流量−MR圧特性をデータベースに登録しておき、電磁弁装置10において制御時にまずMR圧を測定し、測定値に基づいて電磁弁110A,110B,110Cそれぞれの正確な空気流量を決定する。そして図6のステップS52のT1〜T7の時間算定時にはこの正確な空気流量を用いて計算を実行する。これにより、本実施の形態の場合のように、時間管理を厳密にする必要がある場合でも、傾斜角到達までの正確な所要時間予測ができ、間違いなく時間T内の最も遅い時間をかけて目標傾斜角に到達するように電磁弁群の開閉制御ができる。
なお、上記の全実施の形態で、電磁弁群を110A〜110Cの3種類としたが、これに限定されるわけではなく、より多くの電磁弁群を制御する場合にも同様の制御が可能である。
本発明の第1の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムのブロック図。 上記実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法のフローチャート。 本発明の第2の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムにおいて採用する空気流量指令値とそれに対応して同時に開閉制御する1あるいは複数の電磁弁の組合せとの対応を示すテーブル。 上記実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法のフローチャート。 本発明の第3の実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムにおいて同時に開閉制御する1あるいは複数の電磁弁の組合せによる空気供給量特性を示すグラフ。 上記実施の形態の空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法のフローチャート。 上記実施の形態にて採用する大、中、小の電磁弁の空気圧と空気流量との対応関係を示す特性グラフ。 従来例の空気バネ式車体傾斜システムのブロック図。 鉄道軌道における車体傾斜制御を必要とする本曲線とその入口緩和曲線、出口緩和曲線との関係を示す説明図。
符号の説明
1 台車
2,3 空気バネ
4 空気タンク
5,6 車高センサ
7,8 電磁弁装置
9 コンプレッサ
10 車体傾斜制御装置
11 車体
12 加速度計
20 列車運行制御装置
21 中央装置
22 端末装置
31 新ATC
32 ヨーレートジャイロ
101 指令部
102 制御部
110A〜110C 電磁弁
111 駆動部

Claims (4)

  1. 容量の同じ複数体の電磁弁を備えた空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法であって、目標傾斜角と実傾斜角との偏差の大小に応じて同時に開閉制御する電磁弁の数を増減変化させ、かつ1体の電磁弁のみを開閉制御する微調整段階では、所定の順序に従って動作中の電磁弁の動作停止ごとに次に動作させる電磁弁を切り換えて開閉制御することを特徴とする空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法。
  2. 容量が異なる複数体の電磁弁を備えた空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法であって、目標傾斜角と実傾斜角との偏差の大小に応じて同時に開閉制御する電磁弁の組合せを変化させ、かつ1体の電磁弁のみを開閉制御する微調整段階では、所定の順序に従って動作中の電磁弁の動作停止ごとに次に動作させる電磁弁を切り換えて開閉制御することを特徴とする空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法。
  3. 容量が異なる複数体の電磁弁を備えた空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法であって、
    走行中の軌道上での距離程と走行速度とに基づきこれから進入する本曲線で必要とする傾斜角を求め、
    当該傾斜角に到達するのに必要な空気バネに対する所要空気供給量Yを求め、
    当該本曲線につながる入口緩和曲線の距離と当該車両の走行速度とから当該入口緩和曲線を通過して本曲線に進入するまでに要する時間Tを求め、
    複数種の電磁弁の組合せごとに前記所要空気供給量Yだけ空気供給するのに必要とされる空気供給所要時間を求め、
    前記入口緩和曲線を通過するのに要する時間T以内に前記所要空気供給量以上の空気を前記空気バネに供給できる電磁弁の組合せのうち、前記空気供給所要時間が最も長い電磁弁の組合せを選択し、
    前記選択した電磁弁の組合せにて前記空気バネに所要空気量だけ空気を供給することを特徴とする空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法。
  4. 前記複数の電磁弁ごとに空気源の空気圧と空気流量との関係をデータベースに登録しておき、
    前記複数種の電磁弁の組合せごとの空気供給所要時間を計算する際に、前記空気源の空気圧を測定し、各電磁弁による空気流量を前記データベースに参照して当該空気圧に対応したものに補正してから、前記所要空気供給量Yだけ空気供給するのに必要とされる空気供給所要時間を求めることを特徴とする請求項3に記載の空気バネ式車体傾斜システムにおける電磁弁制御方法。
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