JP5176939B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば効率的な転舵のために後輪の転舵を行うリアステア装置などの転舵機構と、例えばアクティブサスペンション、アクティブスタビライザ等の可変サスペンションとを備える車両を制御する、車両制御装置の技術分野に関する。
この種の車両制御装置は、転舵されることで、ボディ(具体的には、ホイールアーチ或いはホイールハウスの内壁)に接近する後輪と該ボディとの間における相互干渉或いは接触を未然防止するために、各種の制御を行うように構成されている。例えば、ソレノイドバルブ等の転舵角制限手段を備える車両制御装置によれば、後輪のバウンドストロークが所定値より大きい場合に、該転舵角制限手段により、後輪に連結されるピストンロッドが中立位置に保持され、後輪の転舵が行えない状態にする(特許文献1参照)。また、例えば走行状態に基づいて目標転舵角を演算する手段を備える車両制御装置によれば、サスペンションのストローク量が所定値以上の場合に、該演算された目標転舵角にゼロをセットして、後輪を中立方向に戻す(特許文献2参照)。
特開昭61−67671号公報 特開平11−245838号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び2の装置によれば、後輪或いはサスペンションのストローク量等の上下方向の移動量に応じて、後輪を中立位置に保持する又は中立位置に向けて転舵する。このため、長距離のコーナリングに伴って転舵を行う毎に、後輪が中立位置に戻ることは、転舵を非効率にし兼ねないという技術的問題がある。
他方で、このような後輪及びボディ間の相互干渉を未然防止すべく、安易に両者の間隔を拡張したのでは、これらの部分が占めるスペースの肥大化を招く。この結果、乗車スペースの容積やトランクルームの容積が狭くなり、更には車輪とホイールアーチとの相対位置に制約が生まれ、車両の利便性や快適性、更に意匠性が大きく損なわれか兼ねない。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、リアステア等の車輪の転舵を効率的に可能ならしめ、省スペース化に適した車両制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る第1車両制御装置は上記課題を解決するために、車輪の転舵を行う転舵機構及び前記車輪に設けられた可変サスペンションを有する車両を制御する車両制御装置であって、前記車輪及び前記車両の本体が相互に干渉する危険性を示す所定パラメータの値を特定する特定手段と、前記転舵が行われる際に、前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記可変サスペンションの動作に制限を加えるように、前記可変サスペンションを制御する制御手段とを備える。
本発明に係る第1車両制御装置によれば、その制御対象である車両は、例えばリアステア装置或いはアクティブリアステア装置等と称される後輪の転舵を行う転舵機構を備える。これにより、車両が走行中に曲がる際に或いは湾曲した道路を走行する際に、後輪が前輪の転舵に協調する形で転舵され、効率的で且つ快適な走行が可能となる。更に、制御対象である車両では、例えばアクティブサスペンション、アクティブスタビライザ等と称される、可変サスペンションが、このように転舵される車輪に設けられている。これにより、加速度等の車輪若しくは車両の挙動や、車両が走行する路面の状況によらずに効率的で快適な走行が可能となる。
ここで特に、転舵機構によって後輪等の車輪が転舵されると、後輪等の車輪の一部が車両の本体に接近する。ここに「車両の本体」とは、例えば車輪の周囲に位置するボディ、ホイールアーチ、ホイールハウス等或いはそれらのうち車輪に面する内壁部分などである、車両の本体側に属する部分を意味する。このため、仮に何らの対策も施さねば、転舵機構により転舵される後輪等の車輪が、ホイールアーチ等の車両本体に干渉(即ち、接触或いは衝突)しかねない。特に、このように転舵される後輪等の車輪の一部が車両の本体に接近した際に、タイヤバウンドなどの本体に対する車輪の上下動があると、干渉はより発生し易くなる。
しかるに本発明では、先ず、例えばセンサ、プロセッサ、メモリ等を備える特定手段によって、このような車輪及び車両の本体が相互に干渉する危険性を示す所定パラメータの値が特定される。ここに「所定パラメータ」とは、例えば、車輪及び本体間の距離、車両に対する車輪の上下方向の移動量(言い換えれば、車輪のストローク)、簡易には可変サスペンションのストローク、タイヤバウンドなどの衝撃或いは加速度などのうち、予め設定された少なくとも一種であり、車輪及び車両の本体が相互に干渉する危険性を定量的に示す或いは定量化されたパラメータである。尚、実際の走行時或いは転舵時におけるこのようなパラメータの特定は、センサを用いて直接的にパラメータを(例えば距離センサを用いて)測定することによるものでもよく、又は計算若しくは演算、マップの利用、関数の利用等により、間接的にパラメータを特定することによるものでもよい。
実際に車輪の転舵が行われる際には、このように特定された所定パラメータの値に応じて、例えばコントローラ、マイコン等を備える制御手段により、可変サスペンションが制御され、該可変サスペンションの動作に制限が加えられる。ここに「所定パラメータの値に応じて」とは、所定パラメータの値の大小、典型的には基準値或いは閾値との大小関係や、基準範囲或いは閾値範囲に入っているかに応じてという意味である。また「可変サスペンションの動作」についての「制限」とは、典型的には、サスペンションのストロークやダンピング係数を制限することを意味し、より一般には、可変サスペンションに係る性質を車輪が本体に干渉し難い側に変更することを意味する。このように転舵が行われる際に、可変サスペンションの動作に制限を加えることで、車輪が本体に接近し難い状態を迅速且つ比較的容易に構築でき、これにより迅速且つ比較的容易にして、車輪と本体との干渉を未然防止することが可能となる。
また、本発明は、既存の転舵機構及び可変サスペンションをそのまま又はこれらに若干の変更を加えるのみで利用できるので、車両の本体に対しても殆ど又は全く手を加えることを必要としない。即ち、例えば後輪及び本体間の相互干渉を未然防止するために、両者の間隔を拡張する必要はなく、転舵機構及び可変サスペンションを含めた制御装置及び被制御装置全体の省スペース化を図ることも可能となる。この結果、乗車スペースの容積やトランクルームの容積を広く確保することが容易となり、車輪とホイールアーチとの相対位置にも制約が生まれず、車両の利便性や快適性、更に意匠性を向上させることが可能となる。
以上のように、リアステア等の車輪の転舵を効率的に可能ならしめ、省スペース化に適した車両制御装置が実現される。
本発明の第1車両制御装置の一態様では、前記所定パラメータは、前記車輪及び前記本体間の距離であり、前記制御手段は、前記距離の値が、予め設定された距離閾値より小さくなる場合に、前記動作に制限を加える。
この態様によれば、特定手段によって、車輪及び車両の本体が相互に干渉する危険性を示す所定パラメータとして、車輪及び本体間の距離(典型的には、両者間における最短距離)の値が特定される。そして転舵が行われる際には、車輪及び本体間の距離の値が、予め設定された距離閾値より小さくなる場合に、可変サスペンションの動作に制限が加えられる。ここに「距離閾値」とは、可変サスペンションの動作に制限を加えるか否かを判断するための基準値であり、車輪がその値以上に本体に接近したのでは、干渉の可能性がある値として或いはこれに若干のマージンを加えた値として、実験的、経験的若しくは理論的により、又はシミュレーション等により決定されればよい。尚、小さくなる場合に動作に制限が加えられるが、等しい場合には、動作に制限を加えても加えなくてもいずれでもよい。
このように可変サスペンションの動作に対して、車輪及び本体間の距離に基づいて制限を加えることで、車輪が本体に接近し難い状態を迅速且つ比較的容易に構築できる。
本発明の第1車両制御装置の他の態様では、前記所定パラメータは、前記車両に対する前記車輪の上下方向の移動量であり、前記制御手段は、前記移動量の値が、前記車輪の転舵角度の関数として予め設定された移動量閾値より大きくなる場合に、前記可変サスペンションの動作に制限を加える。
この態様によれば、特定手段によって、車輪及び車両の本体が相互に干渉する危険性を示す所定パラメータとして、車両に対する車輪の上下方向の移動量(言い換えれば、車輪のストローク)の値が特定される。ここに「移動量」とは、例えば車輪が上下に動く(即ち、バウンシングする)距離のみならず、車輪の動きに対応するショックアブソーバ等の緩衝器の伸縮の長さ(即ち、振幅)を意味してもよい。そして転舵が行われる際には、この移動量の値が、予め設定された移動量閾値より大きくなる場合に、可変サスペンションの動作に制限が加えられる。ここに「移動量閾値」とは、可変サスペンションの動作に制限を加えるか否かを判断するための基準値であり、車輪がその値以上に上下移動したのでは、干渉の可能性がある値として或いはこれに若干のマージンを加えた値として、実験的、経験的若しくは理論的により、又はシミュレーション等により決定されればよい。尚、大きくなる場合に動作に制限が加えられるが、等しい場合には、動作に制限を加えても加えなくてもいずれでもよい。また「車輪の転舵角度の関数として予め設定された」とは、転舵角度が異なる毎に異なる閾値が設定されていることを意味し、各種転舵角度の場合の各々について、上述同様に実験的等により閾値を決定しておけばよい。
このように可変サスペンションの動作に対して、車輪の上下方向の移動量に基づいて制限を加えることで、車輪が本体に接近し難い状態を迅速且つ比較的容易に構築できる。
本発明の第1車両制御装置の他の態様では、前記制御手段は更に、前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記車輪の転舵角度に制限を加えるように、前記転舵機構を制御する。
この態様によれば、転舵が行われる際には、制御手段によって、特定された所定パラメータの値に応じて、可変サスペンションの動作に制限が加えられるのみならず、特定された所定パラメータの値に応じて、車輪の転舵角度に制限が加えられる。ここに「車輪の転舵角度」についての「制限」とは、転舵角度を車輪が本体に干渉し難い側に、即ち転舵角度を小さくする或いはゼロに近付ける(言い換えれば、車輪を中立位置に近付ける)ことを意味する。このような転舵角度の制限について、具体的には、例えば各種転舵角を有する車輪の移動軌跡を示すマップから、車輪及び本体間の干渉が予測され、予測された干渉を回避すべく車輪が本体から離れる方向へ逃れるべき“逃げ転舵角度”が特定され、この特定された逃げ転舵角度が、基本の転舵角度に加算されてもよい。すると、転舵機構により、算出された転舵角度分だけ車輪が転舵されてもよい。これにより、車輪と車両本体との干渉を回避することを、効率的に実行できる。このように迅速に或いは確実に、車輪が本体に接近し難い状態を構築できる。
本発明の第1車両制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記転舵が行われる際に、少なくとも前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記可変サスペンションのダンピング係数が大きくなる側に前記制限を加える。
この態様によれば、転舵が行われる際には、特定された所定パラメータの値に応じて、可変サスペンションのダンピング係数(即ち、減衰係数)が大きくなる側に制限が加えられる。ここに「ダンピング係数」とは、例えばショックアブソーバにおけるダンピング係数であって、ショックアブソーバの伸縮(即ち、サスペンション或いはショックアブソーバのストローク)が減衰する速度の係数を意味する。具体的には、例えば車輪が転舵される際に、制御手段により、ショックアブソーバのダンピング係数が大きく設定されてもよい。このようにダンピング係数が従前に比べて大きくされると、可変サスペンションは伸び難く或いは伸縮し難くされる。ここにサスペンションについて「伸び難い」とは、例えばショックアブソーバの伸縮を固くし、該伸縮の速度を低減させることを意味し、実際には「伸縮し難い」と同意である。このようなサスペンションの制御に伴い、低減された速度で車輪が上下方向に移動される中、車輪は車両本体から離れる方向(即ち、中立位置に向かう方向)に変位される。この結果、車輪が本体に接近し難い状態を、比較的簡単に構築できる。
本発明の第1車両制御装置の他の態様では、前記制御手段は、前記転舵が行われる際に、少なくとも前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記可変サスペンションのストローク量が小さくなる側に前記制限を加える。
この態様によれば、転舵が行われる際には、特定された所定パラメータの値に応じて、可変サスペンションのストローク量が小さくなる側に制限が加えられる。例えば、ストローク量が小さくなる側に制限を加えるために、サスペンションの負荷を大きくする側に制限を加える。ここに「負荷」とは、例えばショックアブソーバの伸縮を減衰させる動力を意味する。具体的には、例えばアクティブスタビライザ、アクティブサスペンション等の機構により、該負荷が変化されると共に、ショックアブソーバの伸縮が制御されてもよい。例えば車輪が転舵される際に、制御手段により、ショックアブソーバに対して負荷が大きく設定されてもよい。このようにストロークが従前に比べて小さくされると、可変サスペンションは短くされる。これにより、車輪が本体に接近し難い状態を、比較的簡単に構築できる。
尚、上述の二つの態様において、「少なくとも前記特定された所定パラメータの値に応じて」における「少なくとも」は、これらの態様に夫々、特定されたパラメータに転舵角度が加味されていない場合には、(所定パラメータの値のみならず)転舵角度にも応じて、制限を加える態様をも含める趣旨である。
本発明の第1車両制御装置の他の態様では、前記特定手段は、前記車輪の転舵角度を加味して前記所定パラメータの値を特定する。
この態様によれば、特定手段によって、車輪の転舵角度が加味された上で、所定パラメータの値が特定される。即ち、転舵角度が大きい程、車輪及び本体間の距離(典型的には、両者間における最短距離)は短くなるが、可変サスペンションのストローク量等に基づいてのみならず、転舵角度にも基づいて、所定パラメータの値が特定される。よって、所定パラメータを、車輪及び車両の本体が相互に干渉する危険性を、より正確或いは厳格に示すパラメータとして特定できる。よって最終的には、より無駄なく且つ確実に、車輪及び車両の本体が相互に干渉する事態を未然防止できる。
本発明の第1車両制御装置の他の態様では、前記特定手段は、前記車輪の転舵角度を加味することなく前記所定パラメータの値を特定し、前記制御手段は、前記特定された所定パラメータの値に加えて前記転舵角度に応じて、前記制限を加える。
この態様によれば、特定手段によって、車輪の転舵角度が加味されることなく、所定パラメータの値が特定される。即ち、転舵角度が大きい程、車輪及び本体間の距離(典型的には、両者間における最短距離)は短くなるが、転舵角度にも基づくことなく、所定パラメータの値が特定されるので、当該特定をより簡単に実行可能となる。その後、実際に転舵されている際には、制御手段によって、このように簡易に特定された所定パラメータの値に加えて、転舵角度にも応じて、制限が加えられる。例えば、移動量の値が、転舵角度の関数として予め設定された移動量閾値(即ち転舵角度が加味され、転舵角度に応じて異なる閾値)よりも大きくなる場合に、可変サスペンションの動作に制限が加えられる。よって、車輪及び車両の本体が相互に干渉するのを、より正確或いは厳格に未然防止できる。
本発明の第1車両制御装置の他の態様では、前記特定手段は、前記可変サスペンションのストローク量を含む前記車輪若しくは前記車両の挙動、並びに前記車両が走行する路面の状況のうち少なくとも一つに基づいて、前記所定パラメータの値を特定する。
この態様によれば、可変サスペンションのストローク量を含む車輪若しくは車両の挙動や、車両が走行する路面の状況に基づくことで、実際の走行環境や道路環境に適した値として、所定パラメータの値を特定可能となる。
本態様に係る「挙動」は、例えば、前記車輪又は前記車両に係る、バウンド、タイヤストローク、切れ角、ロール角度、ロールレイト、スリップ角、横速度及び横加速度のうち少なくとも一つを含んでもよい。このようにすれば、実際の走行環境や道路環境により一層適した値として、所定パラメータの値を特定可能となる。
本発明の第1車両制御装置の他の態様では、前記車輪は、後輪である。
この態様によれば、リアステアの採用により、曲がる或いは湾曲道路を走行する際における車両の操作性や快適性を高レベルに確保しつつ、後輪周りにおける省スペース化により典型的には乗車スペース及び/又はトランクルームの容積を広く確保できる。
本発明に係る第2車両制御装置は上記課題を解決するために、車輪の転舵を行う転舵機構を有する車両を制御する車両制御装置であって、前記車輪のスリップ角及び横速度のうち少なくとも一方の値を、前記車輪及び前記車両の本体が相互に干渉する危険性を示す所定パラメータの値として特定する特定手段と、前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記車輪の転舵角度に制限を加えるように、前記転舵機構を制御する制御手段とを備える。
本発明に係る第2車両制御装置によれば、その制御対象である車両は、転舵機構及び可変サスペンションを備える。
ここで特に、転舵機構によって後輪等の車輪が転舵されると、後輪等の車輪の一部が車両の本体に接近する。このため、仮に何らの対策も施さねば、転舵機構により転舵される後輪等の車輪が、ホイールアーチ等の車両本体に干渉しかねない。
しかるに本発明では、先ず、例えばセンサ、プロセッサ、メモリ等を備える特定手段によって、このような車輪及び車両の本体が相互に干渉する危険性を示す所定パラメータの値として、車輪のスリップ角及び横速度のうち少なくとも一方の値が特定される。ここに「所定パラメータ」とは、車輪及び車両の本体が相互に干渉する危険性を定量的に示す或いは定量化されたパラメータであるが、ここでは、スリップ角及び横速度のうち少なくとも一方の値に限定されている。「スリップ角」とは、車両の進行方向と車輪の向きとの角度差を意味する。このスリップ角について「特定する」とは、例えばハンドルの切れ角等を含む設計情報をパラメータとして所定の関数に入力することにより一義的に出力或いは算出する、又はCADを用いてシミュレーションを行うことにより推測すればよく、スリップ角を決定或いは指定すればよい趣旨を意味する。「横速度」とは、車両の横方向の速度を意味する。この横速度に基づいて、車両の横滑りの度合いを判定してもよい。このような横速度について「特定する」とは、例えば走行距離、走行時間等をパラメータとして所定の関数に入力することにより一義的に出力或いは算出する、又はCADを用いてシミュレーションを行うことにより推測すればよく、横速度を決定或いは指定すればよい趣旨を意味する。
尚、実際の走行時或いは転舵時におけるこのようなスリップ角や横速度パラメータの特定は、センサを用いて直接的にパラメータを(例えばスリップ角センサを用いて)測定することによるものでもよく、又は計算若しくは演算、マップの利用、関数の利用等により、間接的にパラメータを特定することによるものでもよい。
実際に車輪の転舵が行われる際には、このように特定された所定パラメータの値に応じて、例えばコントローラ、マイコン等を備える制御手段により、転舵機構が制御され、車輪の転舵角度に制限が加えられる。ここに「所定パラメータの値に応じて」とは、所定パラメータの値の大小、典型的には基準値或いは閾値との大小関係や、基準範囲或いは閾値範囲に入っているかに応じてという意味である。具体的には、例えばスリップ角又は横速度が所定の閾値より大きくなり、傾いた車両の本体が不安定であると判定された場合に、転舵角度に制限が加えられてもよい。
また「転舵角度」についての「制限」とは、前出の場合と同様に、転舵角度を車輪が本体に干渉し難い側に、即ち転舵角度を小さくする或いはゼロに近付ける(言い換えれば、車輪を中立位置に近付ける)ことを意味する。このような転舵角度の制限について、具体的には、例えば各種転舵角を有する車輪の移動軌跡を示すマップから、車輪及び本体間の干渉が予測され、予測された干渉を回避すべく車輪が本体から離れる方向へ逃れるべき“逃げ転舵角度”が特定され、この特定された逃げ転舵角度が、基本の転舵角度に加算されてもよい。すると、転舵機構により、算出された転舵角度分だけ車輪が転舵されてもよい。これにより、車輪と車両本体との干渉を回避することを、効率的に実行できる。
このように転舵が行われる際に、転舵機構における転舵角度に制限を加えることで、車輪が本体に接近し難い状態を迅速且つ比較的容易に構築でき、これにより迅速且つ比較的容易にして、車輪と本体との干渉を未然防止することが可能となる。特に、例えば車両が、路面摩擦係数が高い路面に乗り移った場合に、車両本体にかかる横向きの力(即ち、横加速度)が増大され、突然に車輪の移動量が増大される状況があっても、車輪と車両本体との干渉を回避することが可能となる。
また、本発明は、既存の転舵機構をそのまま又はこれらに若干の変更を加えるのみで利用できるので、車両の本体に対しても殆ど又は全く手を加えることを必要としない。即ち、例えば後輪及び本体間の相互干渉を未然防止するために、両者の間隔を拡張する必要はなく、転舵機構を含めた制御装置及び被制御装置全体の省スペース化を図ることも可能となる。この結果、乗車スペースの容積やトランクルームの容積を広く確保することが容易となり、車輪とホイールアーチとの相対位置にも制約が生まれず、車両の利便性や快適性、更に意匠性を向上させることが可能となる。
以上のように、リアステア等の車輪の転舵を効率的に可能ならしめ、省スペース化に適した車両制御装置が実現される。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
先ず、実施形態に係る車両制御装置の構成について図1から図3を参照して説明する。ここに図1は、実施形態に係る車両制御装置を搭載した車両の概要を示すブロック図であり、図2は、本発明に係る本体間の距離として図1の車輪と本体との間の距離を示す説明図であり、図3は、実施形態に係る本体間の距離の特定、及び転舵量の補正に用いられるマップである。
図1において、本実施形態に係る車両100は、機構系としてハンドル1、右フロントタイヤ2R及び左フロントタイヤ2L(以下適宜単に「フロントタイヤ2」と呼ぶ)、右リアタイヤ3R及び左リアタイヤ3L(以下適宜単に「リアタイヤ3」と呼ぶ)、転舵機構11、サスペンション12、及びステアリングギア13、並びに制御系としてコントローラ30、タイヤストローク検出部31、切れ角検出部32、ボディ間距離算出部33、ダンピング制御部35、サスペンションストローク制御部36、及び車速検出部37を備える。車両100は、本実施形態では、転舵機構11によりリアタイヤ3を転舵させる際に、リアタイヤ3に取り付けられるサスペンション12を適宜制御する。
ステアリングギア13は、ハンドル1の回転を左右方向の動力に変換する。フロントタイヤ2は、ステアリングギア13による左右方向の動力により、進行方向に転舵される。
リアタイヤ3は、本発明に係る「車輪」の一例として、転舵機構11により、ハンドル1の回転に対応して転舵される。図2において、リアタイヤ3は、通常のリアステアにおけるハンドル1の回転及び走行速度等の走行状態に応じて転舵されることに加えて、本実施形態では特に、ボディ10との間の距離であるボディ間距離に応じて転舵角に対して制限が、以下に詳述するように適宜加えられる。これと並行して、ボディ間距離に応じて、サスペンション12の動作に対しても制限が、以下に詳述するように適宜加えられる。尚、「ボディ間距離」は、本発明に係る「本体間の距離」の一例として、路面状態に応じてストロークするリアタイヤ3と、ボディ10との間の距離が最短になる距離を示す。ボディ間距離は、ボディ間距離算出部33により算出される。
ボディ間距離算出部33は、本発明に係る「特定手段」の一例として、図3の3次元マップを用いて、タイヤストローク検出部31により検出されるストローク量SRと、切れ角検出部32により検出される切れ角δRとに基づいて、ボディ間距離Lxを算出する。
タイヤストローク検出部31は、本発明に係る「特定手段」の他の一例として、ストロークするリアタイヤ3の移動量をストローク量SRとして検出する。
切れ角検出部32は、本発明に係る「特定手段」の他の一例として、現行のリアタイヤ3の舵角を切れ角δRとして検出する。
次に、ボディ間距離の算出方法について、図2(a)及び図3を参照して説明する。
図3において、3次元マップについて、X軸に「ストローク量」、Y軸にリアタイヤ3の「切れ角」、Z軸に「ボディ間距離」が夫々とられており、これらXYZ軸により、リアタイヤ3の予測ストローク軌跡が6つ示される。各予測ストローク軌跡は、相異なる「切れ角」を有しており、「ストローク量」がゼロの場合に、「ボディ間距離」が、リアタイヤ3が中立位置にあることを示すLmidをとる。6つの予測ストローク軌跡のうち、「切れ角」が最も大きい軌跡から、3番目に大きい軌跡までの3つの予測ストローク軌跡について、終点E4〜E6における「ボディ間距離」がゼロ又はゼロより小さくなり、リアタイヤ3がボディ10に干渉することが予測される。即ち、「ボディ間距離」がゼロ又はゼロより小さくなるストローク軌跡部分(即ち、図3において点線で示される)が、リアタイヤ3のボディ10に対する干渉量を示す。この干渉量は、言い換えれば、干渉を回避すべくリアタイヤ3がボディ10から逃れるべき逃げ量である。図2(a)において、点線で示される仮想の左リアタイヤ3Lは、3次元マップにおける終点E6の状態を示す。仮想の左リアタイヤ3Lは、ボディ間距離として「−L6」を有する。
一方、6つの予測ストローク軌跡のうち、「切れ角」が最も小さい(即ち、ゼロ)及び2番目に小さい2つの予測ストローク軌跡について、終点E1,E2における「ボディ間距離」がLmin(即ち、本発明に係る「距離閾値」の一例)より大きくなり、リアタイヤ3がボディ10に干渉する危険性がないことが予測される。図2(a)において、実線で示される実左リアタイヤ3Lは、3次元マップにおける終点E1の状態を示す。実左リアタイヤ3Lは、ボディ間距離として「+L1」を示す。
ボディ間距離算出部33は、ストローク量SR及び切れ角δRの検出値をパラメータとして3次元マップを生成し、これに示される予測ストローク軌跡の終点の座標から、ボディ間距離Lxを算出する。
転舵機構11は、不図示のモータ、アクチュエータ等の駆動機構を備えており、その駆動により、リアタイヤ3を転舵する。転舵機構11は、本実施形態では、ハンドル1の回転に対応して転舵する他に、ボディ間距離Lxに応じて適宜、リアタイヤ3をボディ10から離れる方向に転舵する。より具体的には、ボディ間距離Lxが所定閾値よりも小さくなると、リアタイヤ3を中立位置へと近付ける側に、その転舵角度を調整する。このような転舵角度を調整するのと並行して、ボディ間距離Lxに応じて、サスペンション12の動作に対しても制限が、後述の如く適宜加えられる。ボディ間距離Lxに応じて転舵すべき転舵量及びサスペンション12に対する制限(具体的には、制限後におけるダンピング係数やストローク)は、コントローラ30により決定される。この決定は、以下に詳述するように、ボディ間距離Lxを所定閾値より小さくしないような、転舵量とサスペンション12のダンピング係数或いはストロークとの組み合わせを決定するものである。
コントローラ30は、車両100の各部を制御して、車両を走行させる。コントローラ30は、本発明に係る「制御手段」の一例として、本実施形態では、ボディ間距離Lxが目標となるボディ間距離を示すLmin(以後、「目標ボディ間距離Lmin」と言う)より小さい場合に、転舵量をゼロに近付ける側に補正する。この場合、サスペンション12のダンピング係数やストロークについても、制限が加えられる。
次に、転舵量の補正方法について、図2(b)及び図3を参照して説明する。
再び図3において、3次元マップについて、上述の6つの予測ストローク軌跡の他に、これら軌跡に対応する転舵量補正エリアが示される。転舵量補正エリアは、「ボディ間距離」が目標ボディ間距離Lminより小さくなる軌跡部分にかかる3次元マップ上のエリアである。ボディ間距離算出部33により生成された予測ストローク軌跡の終点が、この転舵量補正エリアに含まれる場合に、ストローク量SR及び切れ角δRに応じて予め設定されたベース転舵量がゼロに近い側に向けて補正される。この場合、ベース転舵量の補正と並行して、サスペンション12のダンピング係数やストロークについても、ストローク量SR及び切れ角δRに応じた制限が加えられる。
本実施形態では、ベース転舵量を補正する際に、補正転舵量が算出される。補正転舵量は、予測ストローク軌跡の終点が転舵量補正エリアから逃れ、終点でのボディ間距離Lxが目標ボディ間距離Lminより大きくになるように、ベース転舵量の超過分を解消するマイナスの転舵量である。このマイナスの転舵量がベース転舵量に加算される(言い換えれば、補正転舵量がベース転舵量から減算される)ことにより、ベース転舵量がゼロに近い側に向けて補正される。そして、ベース転舵量の補正と並行して、サスペンション12のダンピング係数やストロークについても、終点でのボディ間距離Lxが目標ボディ間距離Lminより大きくになるように、ストローク量SR及び切れ角δRに応じた制限が加えられる。
コントローラ30は、転舵量補正エリアにおける、XYZ軸にとられたストローク量、切れ角、及びボディ間距離の3要素の相対関係から、補正転舵量を算出する。コントローラ30は、算出された補正転舵量をベース転舵量に加算することで、転舵機構11により実際に転舵すべき実転舵量を算出する。図2(b)において、実線で示される実左リアタイヤ3Lは、3次元マップにおける終点E2の状態を示す。実左リアタイヤ3Lは、ボディ間距離として「+L2」を示す。これは、図2(a)の仮想の左リアタイヤ3Lの状態を生むベース転舵量が補正された後の、左リアタイヤ3Lの状態である。
サスペンション12は、左リアタイヤ3Lに取り付けられた左ショックアブソーバ12L、及び右リアタイヤ3Rに取り付けられた右ショックアブソーバ12Rを含んでおり、不図示のスプリングの伸縮を夫々減衰させる。本実施形態では、ダンピング制御部35又はサスペンションストローク制御部36により、ショックアブソーバ12L,12Rのストロークの速度が制御される。
ダンピング制御部35は、本発明に係る「制御手段」の一部として機能し、ボディ間距離Lxに応じて転舵が行われる際に、ショックアブソーバ12L,12Rのダンピング係数を現行より大きくする。これにより、ショックアブソーバ12L,12Rのストロークの一周期が長くなり、そのストロークの速度が低減される。
サスペンションストローク制御部36は、ダンピング制御部35と同様にして、本発明に係る「制御手段」の一部として機能し、ボディ間距離Lxに応じて転舵が行われる際に、ショックアブソーバ12L,12Rにおける負荷を現行より大きくする。これにより、ショックアブソーバ12L,12Rのストロークの一周期が長くなり、そのストロークの速度が低減される。また、ショックアブソーバ12L,12Rのスロトーク量が、負荷を大きくする前よりも大きく減衰される。
車速検出部37は、速度センサを含んでおり、車両100の走行速度を検出する。コントローラ30は、上述のサスペンション12の制御(即ち、ショックアブソーバ12L,12Rのストロークの速度の制御)に加えて又は代わりに、車速検出部37による走行速度に応じて、リアタイヤ3の切れ角δR又は転舵量を制御してもよい。例えば、ホイールベースと走行速度とから、フロントタイヤ2と同様にリアタイヤ3がストロークするまでの時間を予測する。この予測時間が短い程(即ち、走行速度が速い程)、リアタイヤ3の切れ角δRを小さくしておけば、リアタイヤ3とボディ10との干渉をより確実に回避することが可能となる。また、走行速度が速い程、転舵量の最大値を小さくしておけば、同様にして、それらの干渉をより確実に回避することが可能となる。
尚、本実施形態では、ボディ間距離Lxの算出に、ストローク量SRと切れ角δRとが用いられるが、ロール角或いはロールレイト(即ち、ローリング時の角速度)、ローリング時に横方向にかかる力(即ち、「横G」とも言う)、及びバウンシング時に上下方向にかかる力のうち、少なくともいずれか一つを、ボディ間距離Lxの算出に用いてもよい。
また、本実施形態では、リアタイヤ3のストローク量SRが検出され、そのストローク量SRに基づいてボディ間距離Lxが算出されるが、フロントタイヤ2のストローク量から、リアタイヤ3の予測ストローク量を特定し、その予測ストローク量に基づいてボディ間距離Lxが算出されてもよい。これにより、ホイールベースと走行速度とから求められる時間分、転舵の開始時間が早められ、転舵角を大きく設定することも可能になる。
尚、本実施形態では、転舵機構11により、算出された実転舵量に応じた転舵が行われるが、この転舵に加えて又は代わりに、転舵量を変化させるギアの比率が制御されてもよい。この制御について、例えば転舵量「10」に対して、転舵角が「1」から「0.5」に変更される。また、コントローラ30により、ベース転舵量が補正されることに加えて又は代わりに、そのギアの比率が制限されてもよい。
(転舵制御処理)
次に、本実施形態に係る制御手段による転舵制御処理について図4を参照して説明する。ここに図4は、図3のマップを用いた転舵制御処理を示すフローチャートである。
図4において、先ずタイヤストローク検出部31により、リアタイヤ3のストローク量SRが検出されると共に(ステップS51)、切れ角検出部32により、リアタイヤ3の切れ角δRが検出される(ステップS52)。すると、図3の3次元マップを用いて、検出されたストロークSRと切れ角δRから、リアタイヤ3とボディ10との間の距離がボディ間距離Lxとして算出される(ステップS53)。続いて、算出されたボディ間距離Lxが目標ボディ間距離Lminより小さいか否かが判定される(ステップS54)。この判定の結果、目標ボディ間距離Lminより大きい場合に(ステップS54:NO),ベース転舵量が実転舵量として設定される(ステップ55)。この後、後述するステップS58の処理が実行される。
一方、ステップS54の判定の結果、ボディ間距離Lxが目標ボディ間距離Lminより小さい場合に(ステップS54:YES)、補正転舵量が算出される(ステップS56)。即ち、転舵角度に対して制限が加えられ、ゼロに近付ける側への補正がなされる。すると、算出された補正転舵量をベース転舵量に加算した値が、実転舵量として設定される(ステップS57)。
続いて、ダンピング制御部35により、ショックアブソーバ12L,12Rのダンピング係数が大きくされる(ステップS58)。即ち、ダンピング係数についての制限が加えられる。この状態で、転舵機構11により、ステップS55又はS57で算出された実転舵量に応じて、リアタイヤ3が転舵される。これにより、一連の転舵制御処理が終了される。
このように、本実施形態の転舵制御処理によれば、ダンピング係数の増大により、低減された速度でストロークするリアタイヤ3を転舵することにより、リアタイヤ3とボディ10との干渉を回避する程度に、転舵を開始する時期を遅らせたり、転舵に要する時間を確保することが可能である。また、転舵機構11及びサスペンション12については、既存のものを利用できるので、車両100の本体に対しても殆ど又は全く手を加えることを必要としない。即ち、転舵機構11及びサスペンション12を含めた、リアタイヤ3回りにおける車両の省スペース化を図ることが可能となる。この結果、乗車スペースの容積やトランクルームの容積を広く確保することが容易となり、リアタイヤ3とホイールアーチとの相対位置にも制約が生まれず、車両100の利便性や快適性、更に意匠性を向上させることが可能となる。
尚、本実施形態では、リアタイヤ3の転舵を、ボディ間距離Lxに応じて行うが、ボディ間距離Lxに加えて又はボディ間距離Lxの代わりに、スリップ角や横速度等で表される走行状態に応じて、転舵を実行してもよい。
図5は、上述の実施形態の車両制御装置の他の例を示す、図1と同主旨のブロック図である。図5において、車両200は、図1の車両100と異なり、スリップ角検出部41、横速度検出部42、及び横G算出部43を備える。スリップ角検出部41は、リアタイヤ3のスリップ角を検出する。横速度検出部42は、車両200の横速度を検出する。横G算出部43は、車両200にかかる横加速度を検出する。車両200におけるコントローラ130は、スリップ角検出部41によるスリップ角、又は横速度検出部42による横速度が所定の閾値より大きくなり、車両本体の姿勢が不安定であると判定された場合に、転舵機構11によりリアタイヤ3の転舵が行われる。
これにより、車両200が、例えば路面摩擦係数(即ち、定数「μ」で示される)が高い路面に乗り移った場合に、車両本体にかかる横向きの力が増大され、突然にリアタイヤ3のストローク量が増大される状況があっても、リアタイヤ3とボディ10との干渉を回避することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能である。
実施形態の車両制御装置を搭載した車両を示すブロック図である。 本発明に係る本体間の距離を示す説明図である。 実施形態の本体間の距離及び転舵量を求めるためのマップである。 実施形態の転舵制御処理を示すフローチャートである。 図1の車両制御装置の他の例を示す図1と同主旨のブロック図である。
符号の説明
3…リアタイヤ、10…ボディ、11…転舵機構、12…サスペンション、30…コントローラ、35…ダンピング制御部、100…車両

Claims (9)

  1. 車輪の転舵を行う転舵機構及び前記車輪に設けられた可変サスペンションを有する車両を制御する車両制御装置であって、
    前記車輪及び前記車両の本体が相互に干渉する危険性を示す所定パラメータの値を特定する特定手段と、
    前記転舵が行われる際に、前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記可変サスペンションの動作に制限を加えるように、前記可変サスペンションを制御する制御手段と
    を備え
    前記所定パラメータは、前記車輪及び前記本体間の距離であり、
    前記特定手段は、前記車両に対する前記車輪の上下方向の移動量、及び前記車輪の転舵角度を加味して前記所定パラメータの値を特定する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記距離の値が、予め設定された距離閾値より小さくなる場合に、前記動作に制限を加える
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記制御手段は更に、前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記車輪の転舵角度に制限を加えるように、前記転舵機構を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記転舵が行われる際に、少なくとも前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記可変サスペンションのダンピング係数が大きくなる側に前記制限を加えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の車両制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記転舵が行われる際に、少なくとも前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記可変サスペンションのストローク量が小さくなる側に前記制限を加えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の車両制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記特定された所定パラメータの値に加えて前記転舵角度に応じて、前記制限を加えることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の車両制御装置。
  7. 前記特定手段は、前記可変サスペンションのストローク量を含む前記車輪若しくは前記車両の挙動、並びに前記車両が走行する路面の状況のうち少なくとも一つに基づいて、前記所定パラメータの値を特定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の車両制御装置。
  8. 前記車輪は、後輪であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の車両制御装置。
  9. 車輪の転舵を行う転舵機構を有する車両を制御する車両制御装置であって、
    前記車輪のスリップ角及び横速度のうち少なくとも一方の値を、前記車輪及び前記車両の本体が相互に干渉する危険性を示す所定パラメータの値として特定する特定手段と、
    前記特定された所定パラメータの値に応じて、前記車輪の転舵角度に制限を加えるように、前記転舵機構を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする車両制御装置。
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