JPWO2015011925A1 - Led装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、長期間に亘って、光取り出し効率が良好なLED装置の製造方法を提供することにある。上記課題を解決するため、基板と、前記基板上に配置されたLED素子と、前記基板上に配置された金属部と、前記LED素子及び前記金属部を被覆する波長変換層と、を含むLED装置の製造方法を、基板上にLED素子及び金属部が配置されたLEDパッケージを準備し、前記LEDパッケージの前記LED素子及び前記金属部を被覆するように、蛍光体、非導電性層状粘土化合物、無機酸化物微粒子、及び溶媒を含む蛍光体分散液を塗布・硬化させて、波長変換層を形成し、前記非導電性層状粘土化合物は、前記非導電性層状粘土化合物の濃度が2質量%である水溶液の電気伝導率が、500μS/cm以下となる化合物とする。

Description

本発明はLED装置の製造方法に関する。
近年、窒化ガリウム(GaN)系の青色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップの近傍に、YAG蛍光体等の蛍光体を配置し、青色LED素子が出射する青色光と、青色光を受けて蛍光体が出射する黄色光とを混色して白色光を得るLED装置が開発されている。また、青色LED素子の近傍に各種蛍光体を配置し、青色LED素子が出射する青色光と、青色光を受けて蛍光体が出射する赤色光や緑色光を混色して白色光を得るLED装置も開発されている。
白色LED装置は、各種照明装置に広く適用されており;照明装置のコスト低減のため、LED装置からの光取り出し効率向上や、LED装置の長寿命化が求められている。そこで、例えば基板上、かつLED素子の近傍に、金属反射層を設けることが検討されている(特許文献1)。この方法によれば、LED素子からの出射光等が、光取り出し面側に効率良く反射される。
一方、特許文献2及び3には、蛍光体がセラミックに分散された波長変換層で、LED素子を被覆することが提案されている。これらの技術では、蛍光体が溶媒に分散された蛍光体分散液を塗布して、波長変換層が成膜される。このような蛍光体分散液において、比重の高い蛍光体は沈降しやすい。そこで、当該技術では、蛍光体分散液に、スメクタイト等の膨潤性粘土化合物を分散させ、蛍光体分散液の粘度を高め、蛍光体の分散安定性を高めている。
特開2005−136379公報 国際公開第2011/129320号 国際公開第2012/023425号
前述の特許文献2及び3の技術では、波長変換層にバインダが多く含まれると、蛍光体の密度が低くなり、LED装置からの出射光に色ムラが生じることがある。そこで、波長変換層中のセラミックバインダ量を少なくすることが考えられる。しかし、波長変換層中のセラミックバインダ量が少なくなると、LED装置内部に水分が入り込み易くなり、LED装置の内部の金属が腐食しやすくなる。また特に、波長変換層と金属反射層とが接する場合に、LED装置からの光取り出し効率が経時で低下する現象が見られた。その理由は以下の通りである。
前述の波長変換層に含まれるスメクタイト等の膨潤性粘土化合物は吸湿しやすく、さらに電気を通しやすい。スメクタイト等が吸湿すると、LED装置の使用時に波長変換層に電流がリークする。その結果、波長変換層と接する金属反射層が腐食し、金属反射層の光反射性が低下する。つまり、経時でLED装置からの光取り出し効率が低下する。
同様に、LED素子と電気的に接続している金属電極が腐食すると、金属電極の抵抗値が大きくなり、同じ外部電圧を印加した場合には、LED装置の明るさが低減することになる。この場合も、経時でLED装置からの光取り出し効率が低下することにつながる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は長期に亘って、良好な光取り出し効率を維持可能なLED装置の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明は、以下のLED装置の製造方法に関する。
[1]基板と、前記基板上に配置されたLED素子と、前記基板上、かつ前記LED素子の周囲に配置された金属反射層と、前記LED素子及び前記金属反射層を被覆する波長変換層と、を含むLED装置の製造方法であって、基板上にLED素子及び金属反射層が配置されたLEDパッケージを準備する工程と、前記LEDパッケージの前記LED素子及び前記金属反射層を被覆するように、蛍光体、非導電性層状粘土化合物、無機酸化物微粒子、及び溶媒を含む蛍光体分散液を塗布・硬化させて、波長変換層を形成する工程と、を有し、前記非導電性層状粘土化合物の濃度が2質量%である水溶液の電気伝導率は、500μS/cm以下である、LED装置の製造方法。
[2]前記非導電性層状粘土化合物は、前記非導電性層状粘土化合物の濃度が2質量%である水溶液の電気伝導率が、10〜80μS/cmとなる化合物である、[1]に記載のLED装置の製造方法。
[3]前記非導電性層状粘土化合物は、前記非導電性層状粘土化合物の濃度が2質量%である水溶液の電気伝導率が、150〜500μS/cmとなる化合物である、[1]に記載のLED装置の製造方法。
[4]前記波長変換層上にさらに封止層を形成する、[1]〜[3]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
[5]シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を塗布し、硬化させ、前記波長変換層上に封止層を形成する、[4]に記載のLED装置の製造方法。
[6]前記非導電性層状粘土化合物が、非膨潤性層状粘土化合物である、[1]〜[5]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
[7]前記非導電性層状粘土化合物が、白雲母、金雲母、絹雲母、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、合成雲母からなる群から選ばれる一種以上の化合物である、[1]〜[6]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
[8]前記非導電性層状粘土化合物の吸水率が0.2質量%以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
[9]前記溶媒がアルコールを含む、[1]〜[8]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
[10]前記蛍光体分散液がポリシロキサン前駆体を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
[11]前記蛍光体分散液の硬化膜上にポリシロキサン前駆体を塗布し、前記波長変換層を形成する、[1]〜[9]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
[12]前記金属部は、前記基板上に配置された金属反射層または突起電極である、[1]〜[11]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
[13]前記金属部は銀を含む、[1]〜[12]のいずれかに記載のLED装置の製造方法。
本発明の製造方法により得られるLED装置の波長変換層には、電流がリークし難い。したがって、金属反射層が経時で劣化し難く、長期間に亘って、高い光取り出し性が実現される。
本発明のLED装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
1.LED装置の構成について
本発明の製造方法で得られるLED装置の構造の例を図1の概略断面図に示す。本発明の製造方法で得られるLED装置100には、図1に示されるように、基板1と、基板1上に配置されたLED素子3と、基板1上かつLED素子3の周囲に配置された金属反射層2や突起電極4等からなる金属部と、当該LED素子3及び金属部を被覆する波長変換層5と、が含まれる。LED装置100には、必要に応じて、波長変換層5を覆う封止層6が含まれる。
本発明の波長変換層5には、層状粘土化合物が含まれる。層状粘土化合物は、波長変換層5作製用の蛍光体分散液中において、蛍光体の分散安定性を高めるための化合物である。ここで、従来の波長変換層には、吸湿性が高く、かつ電気伝導性の高い層状粘土化合物が多く含まれていた。そのため、層状粘土化合物が吸湿すると、LED装置の使用時に波長変換層に電流がリークしやすかった。そして、電流がリークすると、波長変換層に接する金属反射層や金属電極が腐食し、経時でLED装置からの光取り出し効率が低下する、という問題があった。
これに対し、本発明では、波長変換層5に電気を通し難い非導電性層状粘土化合物が含まれる。非導電性層状粘土化合物とは、濃度2質量%の水溶液としたときに、その電気伝導率が500μS/cm以下となる層状粘土化合物をいう。つまり、非導電性層状粘土化合物は、湿潤状態においても、電気伝導率が低い。したがって、非導電性層状粘土化合物が吸湿したとしても、波長変換層5への電流のリークが抑制される。その結果、金属部の腐食が長期間に亘って抑制され、LED装置100からの高い光取り出し効率が維持される。非導電性層状粘土化合物の水溶液の電気伝導率は、好ましくは250μS/cm以下であり、さらに好ましくは100μS/cm以下である。特に、上記電気伝導率が、10〜80μS/cmであると、金属部の腐食が抑制されやすく、LED装置100からの高い光取り出し効率が維持されやすい。一方、上記電気伝導率が150〜500μS/cmであると、金属部の腐食が抑制されつつ、さらに波長変換層作製用の蛍光体分散液中での蛍光体の分散安定性が高まりやすい。
非導電性層状粘土化合物の水溶液の電気伝導率は、以下のように測定する。非導電性層状粘土化合物及び水を、非導電性層状粘土化合物の濃度が2質量%となるように混合する。そして、当該混合液を5分間超音波で混合し、非導電性層状粘土化合物を十分に分散させる。当該水溶液の電気伝導率を電気伝導率計で測定する。電気伝導率計の例には、株式会社堀場製作所製のLAQUAtwin B771等がある。
1−1.基板
基板1は、図1に示されるようにキャビティ(凹部)を有していてもよく、平板状であってもよい。基板1が有するキャビティの形状は特に制限されない。例えば円錐台状であってもよく、角錐台状や、円柱状、角柱状等であってもよい。
基板1は、絶縁性及び耐熱性を有することが好ましく、セラミック樹脂や耐熱性樹脂からなることが好ましい。耐熱性樹脂の例には、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ナイロン、エポキシ樹脂、硬質シリコーンレジン、ポリフタル酸アミド等が含まれる。
基板1には、無機フィラーが含まれていてもよい。無機フィラーは、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、チタン酸バリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、グラスファイバー等でありうる。
基板1表面には通常、金属配線が形成される。金属配線は、基板1の外部に配置される電源(図示せず)から、LED素子3に電気を供給する部材であり、後述する金属反射層2が、金属配線を兼ねてもよい。図1に示されるLED装置100においても、金属反射層2が金属配線を兼ねている。
1−2.LED素子
LED素子3は、基板1表面に形成された金属配線と電気的に接続されて、特定の波長の光を発する。LED素子3が出射する光の波長は特に制限されない。LED素子3は、例えば青色光(420nm〜485nm程度の光)を発する素子であってもよく、紫外光を発する素子であってもよい。
LED素子3の構成は、特に制限されない。LED素子3が、青色光を発する素子である場合、LED素子3は、n−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、InGaN系化合物半導体層(発光層)と、p−GaN系化合物半導体層(クラッド層)と、透明電極層との積層体でありうる。LED素子3は、例えば200〜300μm×200〜300μmの発光面を有するものでありうる。またLED素子3の高さは、通常50〜200μm程度である。図1に示されるLED装置100には、基板1に1つのLED素子3のみが配置されているが、基板1に複数のLED素子3が配置されていてもよい。
LED素子3と基板1表面に形成された金属配線との接続方法は特に制限されない。例えば図1に示されるように、LED素子3と金属配線(金属反射層)2とが、突起電極4を介して接続されてもよい。また、LED素子3と金属配線2とが、ワイヤを介して接続されてもよい。LED素子3と金属配線2とが、突起電極4を介して接続される態様をフリップチップ型という。一方、LED素子3と金属配線2とが、ワイヤを介して接続される態様をワイヤボンディング型という。
1−3.金属部
本発明において、金属部とは、基板1上に形成された金属製の部材をいい、例えば、基材1上、かつLED素子3の周囲に配置された金属反射層2や金属からなる突起電極4をいう。当該金属部は、後述の波長変換層5により被覆される。
LED装置100に金属反射層2が含まれると、LED素子3が発する光や、波長変換層5中の蛍光体が発する蛍光が、光取り出し面側に反射される。その結果、LED装置100からの光取り出し効率が高まる。
前述のように、金属反射層2は、LED素子3に電気を供給するための金属配線を兼ねてもよく;金属反射層2のパターンは、LED素子3と金属配線との接続方式等に応じて適宜選択される。金属反射層2は、LED素子3の周囲に少なくとも形成されていればよく、例えば図1に示されるように、LED素子3と基板1との間に形成されていてもよい。また、基板1がキャビティを有する場合、キャビティ内壁面7に、金属反射層2が形成されてもよい。金属反射層2がキャビティ内壁面7に形成されると、波長変換層5表面に水平方向に進む光を、金属反射層2で反射させて、取り出すことができる。
金属反射層2は、光を反射可能な金属からなる層であれば、金属の種類は特に制限されない。例えば、銅、アルミ、銀、パラジウムやこれらの合金からなる層でありうる。金属反射層2の厚みは特に制限されず、好ましくは100〜1000μm、さらに好ましくは200〜600μmである。金属反射層2は表面に銀メッキが施されたものが特に光反射性が高まりやすい。
1−4.波長変換層
波長変換層5は、LED素子3及び金属部(金属反射層2や突起電極4等)を被覆する層であり、後述の蛍光体分散液を塗布して成膜される層である。
波長変換層5には、LED素子3が出射する光(励起光)を受けて、蛍光を発する蛍光体が含まれる。励起光と蛍光とが混ざることで、LED装置100からの光の色が所望の色となる。例えば、LED素子3からの光が青色であり、波長変換層5に含まれる蛍光体が発する蛍光が黄色であると、LED装置100からの光が白色となる。
波長変換層5には、蛍光体の他に、非導電性層状粘土化合物、及び無機酸化物微粒子が含まれる。波長変換層5に非導電性層状粘土化合物や無機酸化物微粒子が含まれると、波長変換層5作製時の蛍光体分散液において、蛍光体の分散安定性が高まるだけでなく、波長変換層5の膜強度も高まる。
波長変換層5には、バインダが含まれなくてもよく、バインダが含まれてもよい。波長変換層5にバインダが含まれると、波長変換層5とLED素子3との密着性や、波長変換層5と金属部(例えば金属反射層2)との密着性が高まる。波長変換層5に含まれるバインダの種類は特に制限されないが、ポリシロキサンであることが好ましい。波長変換層5にポリシロキサンからなるバインダが含まれると、波長変換層5とLED素子3や金属部との密着性が高まりやすい。また、バインダが蛍光体や無機酸化物微粒子、非導電性層状粘土化合物等を結着するため、波長変換層5の強度が高まりやすい。さらに、波長変換層5にポリシロキサンからなるバインダが含まれると、LED装置100の使用環境に含まれる硫化水素ガス等を波長変換層5が透過させ難くなる。その結果、波長変換層5に被覆されている金属部がさらに腐食し難くなる。
一方、波長変換層5にバインダが含まれない場合には、後述する封止層6の材料が波長変換層5を構成する蛍光体等の隙間に入り込む。その結果、波長変換層5と封止層6との明確な界面がなくなり、LED装置100が温度変化しても、波長変換層5及び封止層6の膨張率や収縮率の差が少なくなる。したがって、LED素子3と基板1上に形成された金属配線とを繋ぐワイヤの断線等が発生し難くなる。
波長変換層5に含まれるポリシロキサンの量は、波長変換層5の総質量に対して5〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜30質量%である。ポリシロキサンの量が5質量%未満であると、ポリシロキサンが蛍光体等の粒子を十分に結着できない場合がある。一方、ポリシロキサンの量が50質量%を超えると、蛍光体の量が相対的に低下し、波長変換層5内の蛍光体の密度が低下するため、色ムラが生じることがある。
波長変換層5の厚みは5〜200μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、さらに好ましくは10〜100μmである。波長変換層5の厚みが5μm未満であると、蛍光体量が少なくなり、十分な蛍光が得られないおそれがある。一方、波長変換層5の厚みが200μmを超えると、波長変換層5中の蛍光体の濃度が過剰に低くなるので、蛍光体の濃度が均一にならないおそれがある。波長変換層5の厚みとは、LED素子3の発光面上に形成された波長変換層5の最大厚みを意味する。波長変換層5の厚みは、レーザホロゲージで測定される。
1−5.封止層
図1に示されるように、LED装置100には、封止層6が含まれてもよい。LED装置100に封止層6が含まれると、外部の衝撃やガス、水分等からLED素子3や金属部が保護される。その結果、金属部がより腐食し難くなり、長期間に亘って、LED装置100からの高い光取り出し性が保持される。
封止層6には、透明樹脂または透光性セラミックが含まれる。透明樹脂の例には、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等が挙げられる。透光性セラミックの例には、ポリシロキサンが挙げられる。
封止層6に樹脂が含まれる場合、封止層6の厚みは25μm〜5mmであることが好ましく、さらに好ましくは1〜3mmである。一般的に、樹脂が含まれる封止層6の厚みを25μm以下とすることは難しい。一方、LED装置100の小型化との観点から、封止層6の厚みは5mm以下であることが好ましい。封止層6の厚みは、LED素子3の発光面上に成膜された封止層6の最大厚みを意味する。封止層6の厚みは、レーザホロゲージで測定される。
一方、封止層6に透光性セラミックが含まれる場合、封止層6の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.8〜5μmであり、さらに好ましくは1〜2μmである。封止層6の厚みが0.5μm未満であると、封止層6のガスバリア効果が十分にならない場合がある。一方、封止層6の厚みが10μmを超えると、封止層6にクラックが生じやすく、この場合もガスバリア効果が十分に得られないおそれがある。この場合も、封止層6の厚みは、LED素子3の発光面上に成膜された封止層6の最大厚みを意味する。封止層6の厚みは、レーザホロゲージで測定される。
2.蛍光体分散液
前述の波長変換層5は、蛍光体、層状粘土化合物、無機酸化物微粒子、及び溶媒が少なくとも含まれる蛍光体分散液を塗布して成膜される。
2−1.蛍光体
蛍光体分散液に含まれる蛍光体は、LED素子3から出射する光により励起されて、LED素子3からの出射光と異なる波長の蛍光を発するものであればよい。例えば、黄色の蛍光を発する蛍光体の例には、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体等がある。YAG蛍光体は、青色LED素子から出射される青色光(波長420nm〜485nm)を受けて、黄色の蛍光(波長550nm〜650nm)を発する。
蛍光体は、例えば1)所定の組成を有する混合原料に、フラックス(フッ化アンモニウム等のフッ化物)を適量混合して加圧し、これを成形体とする。そして、2)得られた成形体を坩堝に詰め、空気中で1350〜1450℃の温度範囲で、2〜5時間焼成し、焼結体とすることで得られる。
所定の組成を有する混合原料は、Y、Gd、Ce、Sm、Al、La、Ga等の酸化物、または高温で容易に酸化物となる化合物を、化学両論比で十分に混合して得られる。また、所定の組成を有する混合原料は、1)Y、Gd、Ce、Smの希土類元素を化学両論比で酸に溶解した溶液と、シュウ酸とを混合し、共沈酸化物を得る。2)この共沈酸化物と、酸化アルミニウム、または酸化ガリウムとを混合しても得られる。
蛍光体の種類は、YAG蛍光体に限定されるものではなく、例えばCeを含まない非ガーネット系蛍光体等、他の蛍光体であってもよい。
蛍光体の平均粒径は1μm〜50μmであることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。蛍光体の粒径が大きいほど発光効率(波長変換効率)が高くなる。一方、蛍光体の粒径が大きすぎると、得られる波長変換層5に隙間が生じやすく、波長変換層5の強度が低下しやすい。蛍光体の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計で測定されるD50の値をいう。レーザー回折式粒度分布測定装置の例には、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置等がある。
蛍光体分散液中に含まれる蛍光体の量は、蛍光体分散液の固形分全質量に対して10〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜97質量%である。蛍光体の濃度が10質量%未満であると、得られる波長変換層5から、十分に蛍光が得られないおそれがある。一方、蛍光体の量が99質量%を超えると、相対的に層状粘土化合物の量や、無機酸化物微粒子の量が少なくなり、蛍光体分散液内における、蛍光体の分散安定性が低下する場合がある。
2−2.層状粘土化合物
層状粘土化合物が蛍光体分散液に含まれると、蛍光体分散液の粘度が高まり、蛍光体の沈降が抑制される。さらに、得られる波長変換層5の強度が高まる。
前述のように、層状粘土化合物は、主に導電性の低い非導電性層状粘土化合物で構成される。層状粘土化合物が非導電性層状粘土化合物であると波長変換層5に電流がリークし難くなる。
非導電性層状粘土化合物は、上記電気伝導率を満たす層状の粘土化合物であれば特に制限されないが、白雲母、金雲母、絹雲母、フッ素金雲母、カリウム四ケイ素雲母、合成雲母等の非膨潤性の粘土化合物であることが好ましい。一般的に、非膨潤性の粘土化合物のほうが、分子構造内部に水分を取り込み難いため、上記電気伝導率が低くなりやすい。
非導電性層状粘土化合物は、表面をアンモニウム塩等で修飾(表面処理)されていてもよい。非導電性層状粘土化合物の表面が修飾されていると、蛍光体分散液中に非導電性層状粘土化合物が分散しやすくなる。
一方、非導電性層状粘土化合物の吸水率は、0.2質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%であり、さらに好ましくは1〜2質量%である。非導電性層状粘土化合物の吸水率は、電気伝導率を抑制するとの観点からは、ある程度低いことが好ましいが、吸水率が0.2質量%未満であると、蛍光体分散液中で分散し難くなる。その結果、蛍光体分散液の粘度が高まり難く、蛍光体の沈降が十分に抑制されない場合がある。非導電性層状粘土化合物の吸水率は、水分計で測定する。水分計の例には、株式会社島津製作所製のMOC−120H等が含まれる。
層状粘土化合物には、上記非導電性層状粘土化合物以外の粘土化合物(その他の粘土化合物)が含まれてもよい。その他の粘土化合物の例には、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナイト、ノントロナイト、またはベントナイト等のスメクタイト族粘土鉱物や、ナトリウム四ケイ素フッ素雲母、リチウム四ケイ素フッ素雲母等の膨潤性の粘土化合物等が含まれる。
層状粘土化合物(非導電性層状粘土化合物及びその他の粘土化合物)の平均粒径は、0.1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。層状粘土化合物の大きさが、1μm以上であると、前述の粘度向上効果が得られやすい。一方、層状粘土化合物の大きさが50μmより大きいと、得られる波長変換層5の光透過性が低下する場合がある。層状粘土化合物の大きさは、コールターカウンター法等で測定される。
蛍光体分散液に含まれる非導電性層状粘土化合物の量は、蛍光体分散液の固形分全質量に対して0.3〜20質量%であることが好ましく、より好ましく0.5〜15質量%である。非導電性層状粘土化合物の濃度が0.3質量%未満であると、蛍光体分散液の粘度が十分に高まらない。また、得られる波長変換層5の強度が十分に高まらない。一方、非導電性層状粘土化合物の濃度が20質量%を超えると、相対的に蛍光体の量が少なくなり、十分な蛍光が得られない。一方、その他の粘土化合物の量は、蛍光体分散液に含まれる非導電性層状粘土化合物の量に対して2質量%以下であることが好ましく、その他の粘土化合物が含まれないことが特に好ましい。
なお、蛍光体分散液中の層状粘土化合物の割合が増えれば増えるほど、粘度が増加するわけではない。粘度は蛍光体分散液中の溶媒量、蛍光体量等、その他の成分との含有比率で定まる。
2−3.無機酸化物微粒子
蛍光体分散液に、無機酸化物微粒子が含まれると、蛍光体分散液の粘度がさらに高まる。無機酸化物微粒子の例には、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が含まれる。無機酸化物微粒子の表面は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理されていてもよい。
無機酸化物微粒子は、多孔質状の粒子であってもよく、その比表面積は200m/g以上であることが好ましい。無機酸化物微粒子が多孔質であると、多孔質の空隙部に溶媒が入り込むため、蛍光体分散液の粘度が高まりやすい。ただし、蛍光体分散液の粘度は、単に無機酸化物微粒子の量によって定まるものではなく、無機酸化物微粒子と溶媒との比率や、層状粘土化合物の量等によっても変化する。
無機酸化物微粒子の平均一次粒径は、5〜100nmであることが好ましく、より好ましくは5〜80nm、さらに好ましくは5〜50nmである。無機酸化物微粒子の平均一次粒径が、このような範囲であると、蛍光体分散液の粘度が高まりやすい。無機酸化物微粒子の平均一次粒径は、コールターカウンター法で測定される。
蛍光体分散液に含まれる無機酸化物微粒子の量は、蛍光体分散液の固形分全量に対して1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。無機酸化物微粒子の量が少なすぎると、蛍光体分散液の粘度が十分に高まらない。一方で、無機酸化物微粒子の量が多すぎると、相対的に層状粘土化合物の量が減少し、蛍光体分散液において、蛍光体が沈降したり、蛍光体の分散性が低下するおそれがある。
2−4.溶媒
蛍光体分散液には、溶媒が含まれる。溶媒は、蛍光体、層状粘土化合物、無機酸化物微粒子を均一に分散可能であれば、特に制限されないが、沸点が250℃以下の溶媒であることが好ましい。溶媒の沸点が250℃以下であると、蛍光体分散液の乾燥速度が高まりやすい。
溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のモノアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオールなどが挙げられる。蛍光体分散液には、溶媒が一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。
溶媒には、水が含まれてもよい。蛍光体分散液に水が含まれていると、層状粘土化合物の層間に水が入り込んで、蛍光体分散液の粘度が高まりやすくなる。
蛍光体分散液に含まれる水の量は、蛍光体分散液全体に対して、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。蛍光体分散液における水の含有量が多すぎると、蛍光体分散液の濡れ性が低下する。そのため、蛍光体分散液を被塗布面(LED素子3の発光面や金属反射層2の表面、突起電極4の側面)に塗布したときに、均一な塗布膜が形成され難い。
蛍光体分散液に含まれる溶媒の総量は、蛍光体分散液全体の粘度に応じて適宜設定される。通常、蛍光体分散液に含まれる溶媒の総量は、蛍光体分散液全体に対して30〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。
2−5.蛍光体分散液の調製方法
蛍光体分散液は、蛍光体、層状粘土化合物、無機酸化物微粒子、溶媒を混合・攪拌して調製する。撹拌装置は、例えば、マグネチックスターラー、超音波分散装置、ホモジナイザー、撹拌ミル、ブレード混練撹拌装置、薄膜旋回型分散機、高圧衝撃式分散装置、自転公転ミキサーなどでありうる。
攪拌装置の具体例には、公知のウルトラタラックス(IKAジャパン社製)、TKホモミクサー(プライミクス社製)、TKパイプラインホモミクサー(プライミクス社製)、TKフィルミックス(プライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、クレアSS5(エム・テクニック社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)のようなメディアレス撹拌機、ビスコミル(アイメックス製)、アペックスミル(寿工業社製)、スターミル(アシザワ、ファインテック社製)、DMPA・Sスーパーフロー(日本アイリッヒ社製)、エムピーミル(井上製作所社製)、スパイクミル(井上製作所社製)、マイティーミル(井上製作所社製)、SCミル(三井鉱山社製)などのメディア攪拌機等やアルティマイザー(スギノマシン社製)、ナノマイザー(吉田機械社製)、NANO3000(美粒社製)などの高圧衝撃式分散装置等が含まれる。また、あわとり練太郎(シンキー社製)などの自転公転式ミキサーや超音波分散装置も蛍光体分散液の調製に好適である。
蛍光体は、非常に硬い粒子であるため、攪拌装置と蛍光体分散液とが接する部分の摩耗、及びこれに伴う摩耗粉の混入を避けることが好ましい。具体的には、攪拌装置と蛍光体分散液とが接する部分の材質を、チタニア、ジルコニア、アルミナ等のセラミックや、シリコーンカーバイドとすることが挙げられる。また、接液部分を、チタン系酸化物、クロム系窒化物、ダイアモンド・ライク・カーボンでコートすることも好ましい。
得られる蛍光体分散液の25℃での粘度は10〜1000cPであることが好ましく、12〜800cPであることがより好ましく、20〜600cPであることがさらに好ましい。蛍光体分散液の粘度は、溶媒の量や、層状粘土化合物の量、無機酸化物微粒子の量等で調整する。蛍光体分散液の粘度は、振動式粘度計で測定される。
3.LED装置の製造方法
本発明のLED装置100の製造方法には、以下の2つの工程が含まれる。
(1)基板1上にLED素子3及び金属部が配置されたLEDパッケージを準備する工程
(2)前記LEDパッケージに配置されたLED素子3及び金属部を被覆するように、波長変換層5を形成する工程
本発明の製造方法には、必要に応じて、(3)波長変換層5上に封止層6を形成する工程が含まれてもよい。
3−1.LEDパッケージ準備工程
LEDパッケージ準備工程では、基板1上に、金属部(金属反射層2や金属配線、突起電極4等)が形成された基板1を準備し、当該基板1上にLED素子3を配置する。金属反射層2や金属配線等が形成された基板1は、公知の方法で作製する。当該基板1の作製方法は、樹脂と所望の形状にパターニングされた金属板(銅板等)とを一体成型する方法等でありうる。金属反射層2の光反射性を高めるため、上記金属板の表面を、さらにメッキ処理してもよい。
上記金属反射層2が形成された基板1上に、LED素子3を固定し、このLED素子3と金属配線とを電気的に接続する。LED素子3の基板1への固定方法は特に制限されず、例えばダイボンド等でLED素子3を固定する方法でありうる。また、LED素子3と金属配線との電気的な接続は、ワイヤを介してもよく、突起電極4を介してもよい。
3−2.波長変換層形成工程
前述のLEDパッケージのLED素子3及び金属部を被覆するように、波長変換層5を成膜する。前述のように、本発明の方法で得られる波長変換層5は、吸湿しても電流がリークし難いため、波長変換層5にバインダが含まれなくともよいが、セラミックバインダ(ポリシロキサン)がさらに含まれてもよい。そこで、波長変換層5の成膜方法は、以下の3種類の方法でありうる。
(i)蛍光体分散液を、塗布・硬化させて、波長変換層5を形成する方法(第一の方法)
(ii)蛍光体分散液と、ポリシロキサン前駆体との混合液を、塗布・硬化させて波長変換層5を形成する方法(第二の方法)
(iii)蛍光体分散液を塗布・硬化させて蛍光体分散液の硬化膜を成膜するステップと、当該蛍光体分散液の硬化膜上に、別途ポリシロキサン前駆体を塗布するステップとを行い、波長変換層5を形成する方法(第三の方法)
3−2−1.第一の方法
第一の方法では、前述の蛍光体分散液を、LED素子3及び金属部(例えば金属反射層2)を被覆するように、蛍光体分散液を塗布する。蛍光体分散液の塗布方法は、特に制限されず、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディスペンス法、ジェットディスペンス法、インクジェット法等、従来公知の方法でありうる。特に、スプレーコート法が、薄い膜を形成可能であるため好ましい。
蛍光体分散液の塗布後、塗膜中に含まれる溶媒を乾燥させて、塗膜を硬化させる。溶媒を乾燥させる際の温度は、通常20〜200℃であり、好ましくは25〜150℃である。溶媒乾燥時の温度が20℃未満であると、塗膜が十分に乾燥しないおそれがある。一方、乾燥温度が200℃を超えると、LED素子3に影響を及ぼす可能性がある。
3−2−2.第二の方法
第二の方法では、前述の蛍光体分散液と、ポリシロキサン前駆体との混合液を調製し、当該混合液を、LED素子3及び金属部(例えば金属反射層2)を被覆するように、蛍光体分散液を塗布する。混合液には、必要に応じて溶媒を混合してもよい。蛍光体分散液とポリシロキサン前駆体等の混合方法は特に制限されず、一般的な混合・攪拌方法でありうる。
蛍光体分散液と混合するポリシロキサン前駆体は、2官能、3官能、または4官能のシラン化合物(モノマー);もしくはこれらが重合したオリゴマーでありうる。
4官能のシラン化合物の例には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラペンチルオキシシラン、テトラフェニルオキシシラン、トリメトキシモノエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、トリエトキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシトリブトキシシラン、モノメトキシトリペンチルオキシシラン、モノメトキシトリフェニルオキシシラン、ジメトキシジプロポキシシラン、トリプロポキシモノメトキシシラン、トリメトキシモノブトキシシラン、ジメトキシジブトキシシラン、トリエトキシモノプロポキシシラン、ジエトキシジプロポキシシラン、トリブトキシモノプロポキシシラン、ジメトキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジエトキシモノプロポキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシモノブトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシモノブトキシシラン、ジブトキシモノメトキシモノエトキシシラン、ジブトキシモノエトキシモノプロポキシシラン、モノメトキシモノエトキシモノプロポキシモノブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン、テトラアリールオキシシラン等が含まれる。これらの中でもテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
3官能のシラン化合物の例には、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリペンチルオキシシラン、トリフェニルオキシシラン、ジメトキシモノエトキシシラン、ジエトキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノメトキシシラン、ジプロポキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシルモノメトキシシラン、ジペンチルオキシモノエトキシシラン、ジペンチルオキシモノプロポキシシラン、ジフェニルオキシルモノメトキシシラン、ジフェニルオキシモノエトキシシラン、ジフェニルオキシモノプロポキシシラン、メトキシエトキシプロポキシシラン、モノプロポキシジメトキシシラン、モノプロポキシジエトキシシラン、モノブトキシジメトキシシラン、モノペンチルオキシジエトキシシラン、モノフェニルオキシジエトキシシラン等のモノヒドロシラン化合物;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジエトキシシラン、メチルモノメトキシジプロポキシシラン、メチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、メチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、メチルメトキシエトキシプロポキシシラン、メチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノメチルシラン化合物;エチルトリメトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリペンチルオキシシラン、エチルトリフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシジエトキシシラン、エチルモノメトキシジプロポキシシラン、エチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、エチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、エチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノエチルシラン化合物;プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリペンチルオキシシラン、プロピルトリフェニルオキシシラン、プロピルモノメトキシジエトキシシラン、プロピルモノメトキシジプロポキシシラン、プロピルモノメトキシジペンチルオキシシラン、プロピルモノメトキシジフェニルオキシシラン、プロピルメトキシエトキシプロポキシシラン、プロピルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノプロピルシラン化合物;ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリペンチルオキシシラン、ブチルトリフェニルオキシシラン、ブチルモノメトキシジエトキシシラン、ブチルモノメトキシジプロポキシシラン、ブチルモノメトキシジペンチルオキシシラン、ブチルモノメトキシジフェニルオキシシラン、ブチルメトキシエトキシプロポキシシラン、ブチルモノメトキシモノエトキシモノブトキシシラン等のモノブチルシラン化合物が含まれる。これらの中でも、メチルトリメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランがより好ましく、メチルトリメトキシシランがさらに好ましい。
2官能のシラン化合物の例には、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジプロポキシシラン、ジペンチルオキシシラン、ジフェニルオキシシラン、メトキシエトキシシラン、メトキシプロポキシシラン、メトキシペンチルオキシシラン、メトキシフェニルオキシシラン、エトキシプロポキシシラン、エトキシペンチルオキシシラン、エトキシフェニルオキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルメトキシエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルメトキシプロポキシシラン、メチルメトキシペンチルオキシシラン、メチルメトキシフェニルオキシシラン、エチルジプロポキシシラン、エチルメトキシプロポキシシラン、エチルジペンチルオキシシラン、エチルジフェニルオキシシラン、プロピルジメトキシシラン、プロピルメトキシエトキシシラン、プロピルエトキシプロポキシシラン、プロピルジエトキシシラン、プロピルジペンチルオキシシラン、プロピルジフェニルオキシシラン、ブチルジメトキシシラン、ブチルメトキシエトキシシラン、ブチルジエトキシシラン、ブチルエトキシプロポキシシシラン、ブチルジプロポキシシラン、ブチルメチルジペンチルオキシシラン、ブチルメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジペンチルオキシシラン、ジメチルジフェニルオキシシラン、ジメチルエトキシプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルメトキシプロポキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルエトキシプロポキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジペンチルオキシシラン、ジプロピルジフェニルオキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルメトキシペンチルオキシシラン、ジブチルメトキシフェニルオキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジプロポキシシラン、メチルエチルジペンチルオキシシラン、メチルエチルジフェニルオキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルブチルジメトキシシラン、メチルブチルジエトキシシラン、メチルブチルジプロポキシシラン、メチルエチルエトキシプロポキシシラン、エチルプロピルジメトキシシラン、エチルプロピルメトキシエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルメトキシエトキシシラン、プロピルブチルジメトキシシラン、プロピルブチルジエトキシシラン、ジブチルメトキシエトキシシラン、ジブチルメトキシプロポキシシラン、ジブチルエトキシプロポキシシラン等が含まれる。中でもジメトキシシラン、ジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましい。
一方、上記シラン化合物のオリゴマーは、上記シラン化合物の一種、または二種以上を、酸触媒、水、有機溶媒の存在下で加水分解した後、これを縮合反応させて得られる。
ポリシロキサン前駆体がオリゴマーである場合、当該オリゴマーの質量平均分子量は、好ましくは1000〜3000であり、より好ましくは1200〜2700であり、さらに好ましくは1500〜2000である。オリゴマーの質量平均分子量が3000を超えると、蛍光体分散液とポリシロキサン前駆体との混合液の粘度が過剰に高くなり、均一な膜形成が困難となる場合がある。質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値(ポリスチレン換算)である。オリゴマーの質量平均分子量は、オリゴマー調製時の反応条件(特に反応時間)等で調整される。
蛍光体分散液とポリシロキサン前駆体との混合液に混合可能な溶媒は、ポリシロキサン前駆体を溶解、もしくは均一に分散可能であり、かつ蛍光体分散液との相溶性が良好なものであれば特に制限されず;例えば、上記オリゴマー調製用の溶媒を混合してもよく、異なる溶媒を混合してもよい。
溶媒の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール等の一価アルコール;メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のアルキルカルボン酸エステル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類、あるいはこれらのモノアセテート類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等の多価アルコールの水酸基をすべてアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等のケトン類;等が含まれる。蛍光体分散液とポリシロキサン前駆体との混合液には、これらの溶媒のうち1種のみを混合してもよく、2種以上混合してもよい。
また、蛍光体分散液とポリシロキサン前駆体との混合液の塗布方法は、特に制限されず、前述の第一の方法の蛍光体分散液の塗布方法と同様でありうる。
上記混合液の塗布後、塗膜を100℃以上、好ましくは150〜300℃に加熱し、塗膜を乾燥・硬化させる。加熱温度が100℃未満であると、ポリシロキサン前駆体の脱水縮合時に生じる水や、混合液に含まれる溶媒を十分に除去できず、塗膜の耐光性等が低下する可能性がある。
3−2−3.第三の方法
第三の方法では、前述の蛍光体分散液を、LED素子3及び金属部(例えば金属反射層2)上に塗布・硬化させて蛍光体分散液の硬化膜を成膜するステップと、当該蛍光体分散液の硬化膜上に、別途ポリシロキサン前駆体を塗布するステップとを行う。
蛍光体分散液は、LED素子3及び金属部を被覆するように塗布する。当該蛍光体分散液の塗布方法及び硬化方法は、前述の第一の方法の蛍光体分散液の塗布方法と同様でありうる。
蛍光体分散液の硬化膜の形成後、当該硬化膜を被覆するように、ポリシロキサン前駆体を塗布する。上記蛍光体分散液の硬化膜上に、ポリシロキサン前駆体を塗布すると、ポリシロキサン前駆体が、蛍光体や無機酸化物微粒子、層状粘土化合物等の間に入り込む。その結果、得られる波長変換層5において、蛍光体や無機酸化物微粒子、層状粘土化合物がポリシロキサンによって結着される。
蛍光体分散液の硬化膜上に塗布するポリシロキサン前駆体は、第二の方法で、蛍光体分散液に混合するポリシロキサン前駆体と同様でありうる。ポリシロキサン前駆体の塗布時、必要に応じてポリシロキサン前駆体と溶媒とを混合してもよい。
ポリシロキサン前駆体の塗布方法は特に制限されず、蛍光体分散液の塗布方法と同様でありうる。また、ポリシロキサン前駆体の塗布後、塗膜を100℃以上、好ましくは150〜300℃に加熱し、塗膜を乾燥・硬化させる。加熱温度が100℃未満であると、ポリシロキサン前駆体の脱水縮合時に生じる水を十分に除去できず、塗膜の耐光性等が低下する可能性がある。
3−3.封止層形成工程
前述のように、本発明の製造方法には、波長変換層5を被覆する封止層6の形成工程が含まれてもよい。封止層6の形成方法は、封止層6に含まれる成分に応じて適宜選択される。
例えば、樹脂が含まれる封止層6を形成する場合、当該樹脂(シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等)またはその前駆体が含まれる樹脂組成物を調製し、当該組成物を波長変換層5上に塗布・硬化させる。樹脂組成物には、溶媒が含まれてもよい。当該溶媒は、上記樹脂またはその前駆体を溶解させることが可能なものであれば、特に制限されず、例えばトルエン、キシレンなどの炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテートなどのエステル類等でありうる。
上記樹脂組成物の塗布方法は、特に制限されず、ディスペンサ等の一般的な塗布装置による塗布方法でありうる。樹脂組成物の硬化方法や硬化条件は、樹脂の種類により適宜選択する。硬化方法の一例として、加熱硬化が挙げられる。
一方、ポリシロキサンが含まれる封止層6を形成する場合、ポリシロキサン前駆体が含まれるポリシロキサン前駆体含有液を調製し、当該含有液を波長変換層5上に塗布・硬化させる。ポリシロキサン前駆体含有液には、溶媒が含まれてもよい。ポリシロキサン前駆体含有液に含まれるポリシロキサン前駆体及び溶媒は、前述の波長変換層5の成膜工程(第三の方法)で塗布するポリシロキサン前駆体及び溶媒等と同様でありうる。また、ポリシロキサン前駆体含有組成物の塗布方法及び硬化方法も、前述の波長変換層5の成膜工程(第三の方法)と同様の方法でありうる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はこれによって何ら制限を受けない。
(1)層状粘土化合物の物性
(層状粘土化合物の2質量%水溶液の電気伝導率の測定)
表1に示す層状粘土化合物及び純水を、それぞれ、層状粘土化合物の濃度が2質量%となるように混合した。当該混合液を5分間超音波で分散し、層状粘土化合物を十分に分散させた。得られた水溶液の電気伝導率を、株式会社堀場製作所製の電気伝導率計LAQUAtwinB−771で測定した。測定結果を表1に示す。
(層状粘土化合物の吸水率の測定)
層状粘土化合物の吸水率は、株式会社 島津製作所製の水分計MOC−120Hを用いて測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2015011925
(2)蛍光体分散液の材料
蛍光体分散液には、上記層状粘土化合物の他に、以下の材料を用いた。
・蛍光体
YAG蛍光体 (根本特殊化学社製 Y−468)
酸窒化ケイ素系蛍光体(根本特殊化学社製 ASK−23)
・無機酸化物微粒子
シリカ(日本アエロジル社製 RX300)
アルミナ(日本アエロジル社製 Alu−C)
・溶媒
溶媒(1)1,3−ブタンジオール及びエチルアルコールの混合液(重量比3:2)
溶媒(2)プロピレングリコール及びイソプロピルアルコールの混合液(重量比3:2)
・ポリシロキサン前駆体含有液
以下の方法で調製されるポリシロキサン前駆体含有液(1)
以下の方法で調製されるポリシロキサン前駆体含有液(2)
<ポリシロキサン前駆体含有液(1)の調製方法>
テトラメトキシシラン80g、メチルトリメトキシシラン72g、n−ブタノール140g、メチル−3−メトキシプロピオネート140g、水70g、及び硝酸0.1gを、25℃で3時間攪拌して加水分解反応させた。その後、26℃で2日間反応させて、ポリシロキサン前駆体(1)を含む反応溶液を得た。当該反応溶液400gに、n−ブタノール100g及びメチル−3−メトキシプロピオネート100gを混合し、ポリシロキサン前駆体含有液(1)を得た。
ポリシロキサン前駆体(1)の分子量をGPCで測定したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1600であった。
<ポリシロキサン前駆体含有液(2)の調製方法>
メチルトリエトキシシラン75gを、エチレングリコールジメチルエーテル400gに溶解させて攪拌した。当該混合物に、純水25g及び濃硝酸0.1gの混合物をゆっくり滴下した。得られた溶液を25℃で3時間攪拌し、室温で6日間静置して、ポリシロキサン前駆体(2)を得た。得られた溶液を120〜140mmHg、40℃にて1時間減圧蒸留してポリシロキサン前駆体含有液(2)を得た。
ポリシロキサン前駆体(2)の分子量をGPCで測定したところ、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1500であった。
(3)蛍光体分散液の調製
(3.1)蛍光体分散液(1)の調製
YAG蛍光体50質量部と、層状粘土化合物(1)2質量部と、無機酸化物微粒子(シリカ 商品名:RX300、日本アエロジル社製)2質量部と、1,3−ブタンジオールとエチルアルコールとの混合液(重量比3:2)56質量部とを混合した。得られた混合液を、自転公転ミキサー(あわとり練太郎ARE−310:シンキー社製)にて、1000rpmで5分間分散させて、蛍光体分散液(1)を調製した。
(3.2)蛍光体分散液(2)〜(21)の調製
下記表2に示される組成とした以外は、蛍光体分散液(1)と同様に、蛍光体分散液(2)〜(21)を調製した。
Figure 2015011925
(4)LED装置の製造
<実施例1>
図1に示される、金属反射層2(銀メッキ)を有する芳香族ポリアミド製円形基板(開口径3mm、底面直径2mm、開口部の壁面傾斜角度60°)を準備した。基板1の開口部中央に、1つの青色LED素子3(直方体状;200μm×300μm×100μm)をダイボンド用接着剤で固定した。併せて、LED素子のアノード電極及びカソード電極を、それぞれワイヤで接続し、LEDパッケージを得た。
LEDパッケージのLED素子3、及び金属反射層2を被覆するように、前述の蛍光体分散液(1)をスプレー塗布した。スプレー塗布時のスプレー圧は、0.2MPaとした。また、スプレーノズルとLEDパッケージとの相対移動速度は、得られる波長変換層の厚みが所望の厚みとなるように、適宜調整した。具体的には、得られるLED素子から出射する白色光の色度(x値)が0.33となるよう、波長変換層の厚み(スプレーノズルとLEDパッケージとの相対移動速度)を調整した。蛍光体分散液の塗布後、150℃で1時間加熱し、波長変換層を成膜した。
<実施例2〜13、16〜17、及び比較例1〜8>
実施例1における蛍光体分散液(1)に替えて、上記表2に示される蛍光体分散液(もしくは蛍光体分散液とポリシロキサン前駆体含有液との混合液)を塗布した以外は、実施例1と同様に、波長変換層を成膜した。
<実施例14>
実施例1における蛍光体分散液(1)に替えて、上記表2に示されるように、蛍光体分散液(6)を塗布し、実施例1と同様に硬化させた。さらに、前述のポリシロキサン前駆体含有液(2)を、蛍光体分散液の硬化物上に塗布した。その後、150℃で1時間加熱し、蛍光体分散液の硬化物、及びポリシロキサンを含む波長変換層を成膜した。ポリシロキサン前駆体含有液(2)の塗布量は、得られる波長変換層全体の質量に対して、ポリシロキサンの質量が10質量%となるように調整した。
<実施例15>
実施例1における蛍光体分散液(1)に替えて、上記表2に示されるように、蛍光体分散液(20)を塗布した。その後、150℃で1時間加熱し、波長変換層を成膜した。
さらに、前述のポリシロキサン前駆体(2)を、波長変換層上に塗布し、150℃で1時間加熱して封止層を成膜した。封止層の厚みは、5μmであった。
<評価>
各実施例及び比較例で作製したサンプルについて、以下の試験を行った。結果を上記表2に示す。
(波長変換層の密着性評価)
各実施例及び比較例で作製したサンプルを、高さ60cmの位置から、鉄製の板の上に20回自由落下させた。1回落下させる毎に、波長変換層を観察し、波長変換層とLED素子や金属反射層との密着性を、以下のように評価した。
◎:20回落下後も、波長変換層が欠落しなかった
○:6回〜20回の落下によって、波長変換層が欠落した
(初期全光束値の測定)
各実施例及び比較例で作製したサンプルの波長変換層上に、フェニルシリコーン(信越化学工業社製:KER−6000)をディスペンサで塗布し、150℃で1時間加熱し、封止層を成膜した。得られた封止層の厚みは2mmであった。
封止層を成膜したLED装置に、20mAの電流を流し;各LED装置の発光色の色度及び全光束を測定した。色度及び全光束は、コニカミノルタセンシング社製、分光放射輝度計CS−1000Aで測定した。前述のように、各LED装置の色度のx値は、0.33に調整されている。
そして、実施例1のLED装置の全光束値を基準(100とする)にし、各LED装置の全光束値を以下の基準で評価した。
◎:実施例1のLED装置の全光束値100に対して、全光束値が102以上である
○:実施例1のLED装置の全光束値100に対して、全光束値が98以上102未満である
(ヒートショック試験後の点灯評価)
初期全光束値測定後の各LED装置をそれぞれ30個ずつ準備した。これらのサンプルを、ヒートショック試験機(エスペック社製TSE−11)にて、−40℃(30分間)及び120℃(30分間)を1サイクルとして、ヒートショック処理した。ワイヤと基板(配線)との接合部等における断線を確認するため、各サイクル後にLED装置を点灯させた。評価は下記の基準とした。
◎:ヒートショック処理を2000サイクル行っても、不点灯のサンプルが発生しなかった
○:ヒートショック処理を1500サイクル行っても不点灯のサンプルが発生しなかったが、2000サイクル行うと、1個以上のサンプルが不点灯であった
(湿熱環境試験後での全光束維持率)
初期全光束値の測定後、LED装置に20mAの電流を流した状態で、85℃、85%Rhの高温高湿槽(エスペック社製 商品名:SH251)に投入し、1000時間後に取り出した。そして、以下の式に基づいて全光束維持率を算出し、以下の基準で評価した。
全光束維持率=湿熱環境試験1000時間後の全光束値/初期全光束値×100
◎:全光束維持率が97%以上であった
○:全光束維持率が95%以上、97%未満であった
△:全光束維持率が90%以上、95%未満であった
×:全光束維持率が90%未満であった
(蛍光体分散液の沈降安定性)
分散液1〜20について、24時間静置したときの上澄みの発生を観察した。
◎:上澄みの発生が全くみられなかった
○:わずかに上澄みの発生がみられた
(結果)
上記表2に示されるように、波長変換層に上記電気伝導率が500μS/cm以下である非導電性層状粘土化合物が含まれると、湿熱環境試験後の全光束維持率が高かった(実施例1〜17)。非導電性層状粘土化合物は、吸湿しても電気を通し難い。そのため、当該非導電性層状粘土化合物が含まれる波長変換層には、電気がリークせず、金属反射層の劣化が少なかったと推察される。特に電気伝導率が80μS/cm以下である粘土鉱物を使用すると、全光束維持率が非常に高く、発光特性の劣化が少ない良好なLED装置が得られる。
また、蛍光体分散液と、ポリシロキサン前駆体含有液との混合液を塗布して、波長変換層を成膜した場合(実施例12、13、及び15、並びに比較例8)には、波長変換層とLED素子や、金属反射層との密着性が高かった。また、蛍光体分散液の硬化膜上に、ポリシロキサン前駆体含有液を塗布し、硬化させた場合(実施例14)にも、LED素子や、金属反射層との密着性が高かった。
波長変換層にポリシロキサンが含まれると(実施例12〜15、及び比較例8)、蛍光体や無機酸化物微粒子、層状粘土化合物が結着され、膜強度が高まったと推察される。またさらに、波長変換層とLED素子や金属反射層との密着面積が大きくなったため、これらの層との界面での剥離が生じ難かったと推察される。
また、波長変換層上に、ポリシロキサンからなる封止層を成膜した場合(実施例14及び15)、初期全光束値が高まった。波長変換層上に封止層を成膜すると、波長変換層表面の凹凸が封止層によって平滑化されたため、光取り出し効率が高まったと推察される。
また、波長変換層にバインダ(ポリシロキサン)が含まれず、当該波長変換層上にシリコーン樹脂からなる封止層を有する実施例1〜11及び比較例1〜7のLED装置では、ヒートショック試験を行っても、断線し難かった。封止層のシリコーン樹脂が波長変換層の蛍光体の間隙に入り込み、波長変換層と封止層の明確な界面がなくなったため、LED装置が温度変化しても、波長変換層及び封止層の膨張率や収縮率に差が少なく、ワイヤに負荷がかかり難かったと推察される。
さらに、粘土鉱物の電気伝導度が150μS/cm以上の粘土鉱物を含有する蛍光体分散液は、非常に良好な沈降安定性を示した。これらの粘土鉱物は蛍光体表面との電気的な親和力が大きくなり、蛍光体の沈降を抑制していると考えられる。
本発明のLED装置は、長期間に亘って、ガスバリア性や光取り出し性が高い。したがって、屋内、屋外の照明装置等にいずれも適用可能である。
1 基板
2 金属反射層
3 LED素子
4 突起電極
5 波長変換層
6 封止層
100 LED装置

Claims (13)

  1. 基板と、前記基板上に配置されたLED素子と、前記基板上に配置された金属部と、前記LED素子及び前記金属部を被覆する波長変換層と、を含むLED装置の製造方法であって、
    基板上にLED素子及び金属部が配置されたLEDパッケージを準備し、
    前記LEDパッケージの前記LED素子及び前記金属部を被覆するように、蛍光体、非導電性層状粘土化合物、無機酸化物微粒子、及び溶媒を含む蛍光体分散液を塗布・硬化させて、波長変換層を形成し、
    前記非導電性層状粘土化合物は、前記非導電性層状粘土化合物の濃度が2質量%である水溶液の電気伝導率が、500μS/cm以下となる化合物である、LED装置の製造方法。
  2. 前記非導電性層状粘土化合物は、前記非導電性層状粘土化合物の濃度が2質量%である水溶液の電気伝導率が、10〜80μS/cmとなる化合物である、請求項1に記載のLED装置の製造方法。
  3. 前記非導電性層状粘土化合物は、前記非導電性層状粘土化合物の濃度が2質量%である水溶液の電気伝導率が、150〜500μS/cmとなる化合物である、請求項1に記載のLED装置の製造方法。
  4. 前記波長変換層上にさらに封止層を形成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
  5. シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂を含む樹脂組成物を塗布し、硬化させ、前記波長変換層上に封止層を形成する、請求項4に記載のLED装置の製造方法。
  6. 前記非導電性層状粘土化合物が、非膨潤性層状粘土化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
  7. 前記非導電性層状粘土化合物が、白雲母、金雲母、絹雲母、フッ素金雲母、カリウム四珪素雲母、合成雲母からなる群から選ばれる一種以上の化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
  8. 前記非導電性層状粘土化合物の吸水率が0.2質量%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
  9. 前記溶媒がアルコールを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
  10. 前記蛍光体分散液がポリシロキサン前駆体を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
  11. 前記蛍光体分散液の硬化膜上にポリシロキサン前駆体を塗布し、前記波長変換層を形成する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
  12. 前記金属部は、前記基板上に配置された金属反射層または突起電極である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
  13. 前記金属部は銀を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のLED装置の製造方法。
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