JPWO2014196003A1 - 周波数応答測定装置 - Google Patents

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Abstract

実施の形態の周波数応答測定装置は、機械系をフィードバック制御するサーボ系の周波数応答を測定する周波数応答測定装置において、複数の異なる加振条件を設定する加振条件設定部と、前記異なる加振条件の加振信号で前記サーボ系に対して複数回の加振を実行する加振実行部と、前記複数回の加振がなされた前記サーボ系の制御系から、前記複数回の加振ごとに同定入力信号と同定出力信号の組を取得し、前記複数回の加振ごとの前記加振条件および前記同定入力信号と前記同定出力信号の組にもとづいて前記周波数応答を演算する周波数応答演算部と、を備える。

Description

本発明は、工作機械などの装置において周波数応答を測定する周波数応答測定装置に関するものである。
工作機械に代表される産業用途の機械では、機械系の状態を診断したり振動特性の把握を行ったりするために、制御対象である機械系の周波数応答を測定することが行われる。また、サーボ系の調整を行なう際に、速度ループや位置ループなどの制御ループの周波数応答を測定することも行われる。周波数応答は、特定の周波数の入力信号を与えた場合の出力信号に対して、入力信号と出力信号の振幅の比と位相差であり、周波数と振幅比(ゲイン)および周波数と位相の関係で表現される。
周波数応答の測定に際しては、従来は正弦波状の入力信号を与え、入力する正弦波の周波数を順次変更して周波数ごとのゲインおよび位相の測定を行っていたが、入力信号の周波数を少しずつ変えて出力信号を測定していく方法であり、周波数応答の測定に多大な時間を要するという問題があった。
そこで、例えば特許文献1のように、ホワイトノイズを入力信号とし、ホワイトノイズを速度指令として与えたときの速度を出力データとしてサンプリングして、得られた速度指令と速度データをフーリエ変換することによって速度指令から速度までの周波数応答特性を求めることが開示されている。理想的なホワイトノイズはすべての周波数成分を含む信号であるため、短い測定時間ですべての周波数領域における周波数応答を測定することが可能となる。実用的なホワイトノイズとしては、M系列信号と呼ばれる擬似ランダム信号などが用いられる。
特開2000−278990号公報
しかしながら、特許文献1においては、ホワイトノイズを印加して機械系を加振したときの機械系の応答波形(例えば速度フィードバックデータ)を測定するが、機械系に摩擦などの外乱要因が存在する場合、ホワイトノイズを与えても機械系が十分に加振されず、周波数応答を正しく求めることができないという問題がある。特に、機械系の摩擦によって低周波数領域の応答性が悪くなってしまい、低い周波数領域における周波数応答が正しく求めることができない。
具体的には、トルクから速度フィードバックまでの周波数応答を測定する場合、機械系が剛体系で近似できる場合であれば、低い周波数領域の周波数応答は、ゲイン線図が−20dB/decの直線状となり、位相線図がほぼ−90°で一定となるはずである。これに対して、摩擦の影響で低い周波数領域が十分加振されない場合には、入力に対して出力が十分に応答していないとみなされるため、その領域ではゲインが、本来の値よりも小さくなってしまい、位相が0°に近い値となってしまう。
このように周波数応答測定結果を正しく求めることができなければ、例えば、低周波数領域のゲインの値を読み取って機械系のイナーシャを推定する場合に大きな推定誤差が生じたり、ゲイン線図のピークや位相線図の変化を読み取って機械系の共振周波数や減衰比を推定するといった場合に、誤った値を推定してしまう。さらに、制御系の調整のために周波数応答を測定する場合に、低い周波数領域のゲインが本来の値よりも小さい値が測定されてしまうと、制御系の帯域を正しく求めることができず、制御系のゲインチューニングの適切な調整ができないという問題が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、摩擦などの外乱を受ける機械系をフィードバック制御するサーボ系において、制御対象や制御系の周波数応答を正確かつ短時間で測定することが可能な周波数応答測定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、機械系をフィードバック制御するサーボ系の周波数応答を測定する周波数応答測定装置において、複数の異なる加振条件を設定する加振条件設定部と、前記異なる加振条件の加振信号で前記サーボ系に対して複数回の加振を実行する加振実行部と、前記複数回の加振がなされた前記サーボ系の制御系から、前記複数回の加振ごとに同定入力信号と同定出力信号の組を取得し、前記複数回の加振ごとの前記加振条件および前記同定入力信号と前記同定出力信号の組にもとづいて前記周波数応答を演算する周波数応答演算部と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる周波数応答測定装置によれば、複数の加振振幅で加振したときの加振データを用いて周波数応答を演算することにより、摩擦などの外乱があっても正確な周波数応答を測定することが可能になるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる周波数応答測定装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるサーボ系の構成を示したブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態における機械系の構成を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態における周波数応答測定の動作について説明するフローチャートである。 図5−1は、本発明の実施の形態1におけるゲイン線図を示す図である。 図5−2は、本発明の実施の形態1における位相線図を示す図である。 図6−1は、本発明の実施の形態2におけるゲイン線図を示す図である。 図6−2は、本発明の実施の形態2における位相線図を示す図である。
以下に、本発明にかかる周波数応答測定装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる周波数応答測定装置100の構成を示すブロック図である。周波数応答測定装置100は、加振条件設定部1、加振実行部2、および周波数応答演算部10を備える。周波数応答演算部10は、各回の周波数応答演算部4および周波数応答合成部5を備える。周波数応答測定装置100は、サーボ系3の周波数応答を測定する。
加振条件設定部1は、加振実行部2における加振信号の振幅を設定し、加振実行部2は設定された加振振幅の加振信号を出力する。加振実行部2から出力された加振信号はサーボ系3に入力され、後述する構成のサーボ系3において加振が実行される。加振時におけるサーボ系3の内部の同定入力信号と同定出力信号が周波数応答演算部10に送られ、同定入力信号と同定出力信号の間の周波数応答が演算され、それらに基づいて最終的な周波数応答が求められて出力される。
周波数応答演算部10の内部では、複数回行われる加振ごとにサーボ系3から入力された同定入力信号と同定出力信号から各回の周波数応答演算部4において各回の周波数応答が演算される。それらの各回の周波数応答は、周波数応答合成部5に入力される。周波数応答合成部5は、加振条件設定部1から入力される各回の加振振幅にもとづいて、各回の周波数応答から周波数応答を合成する演算を実行して、得られた周波数応答を出力する。
次に、図2は、本発明の実施の形態におけるサーボ系3の構成を示したブロック図である。サーボ系3は、位置制御部31、速度制御部32、モータ33、および負荷34を備える。モータ33には負荷34が接続されており、モータ33と負荷34とで機械系30を構成している。サーボ系3は、サーボ系位置制御ループと速度制御ループで構成されている。
位置指令とモータ位置θの偏差が位置制御部31に入力され、位置制御部31の出力と加振信号Vinの和である速度指令からモータ速度vが減算されて速度偏差eが演算される。速度偏差eは速度制御部32に入力され、速度制御部32においてトルク指令τが演算される。このトルク指令τにしたがってモータ33が駆動制御される。なお、実際には速度制御ループの内部にトルク制御部および電力変換部が存在するが、その応答は非常に早く、その応答遅れは無視できるものであるため、図2においても記載を省略している。また、位置制御部31の位置制御には比例制御を用い、速度制御部32の速度制御には比例・積分制御を用いる。
図3は、本実施の形態における機械系30の構成を示す図である。トルク指令τを受けて回転トルクを発生されるサーボモータ51にシャフト53を介して負荷イナーシャ54が結合されている。さらに、サーボモータ51には位置検出器であるロータリーエンコーダ52が取り付けられており、サーボモータ51の位置(回転角度)が検出されて出力される。また、この位置を微分演算することにより、モータの速度vが得られる。
次に、本実施の形態における周波数応答測定の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。まず、加振条件設定部1は2種類の加振振幅A1およびA2を設定する(図4、ステップS1)。加振実行部2は、振幅がA1である1回目の加振信号Vin1と、振幅がA2である2回目の加振信号Vin2を生成する。本実施の形態においては、加振振幅は片振幅、すなわち0から正または負の最大値までの幅として定義する。加振信号は、それぞれM系列信号(擬似ランダム信号)であり、まず、M系列信号の生成アルゴリズムにしたがって所定の点数の−1と1の2値信号を生成する。そして、その2値信号に加振振幅A1を乗算したものを1回目の加振信号Vin1とし、加振振幅A2を乗算したものを2回目の加振信号Vin2とする。M系列信号の生成方法は信号処理の分野では公知であるので、ここでは説明を省略する。
サーボ系3には、まず1回目の加振信号Vin1が速度指令に印加されて、加振実行部2による1回目の加振が行われる(ステップS2)。加振の際には、位置指令は常に一定の値をとるものとする。つまり、速度指令に印加される加振信号Vin1によって機械系30の加振が行われる。そのときのトルク指令信号τ1が1回目の同定入力信号として取得され、そのときのモータ速度信号v1が1回目の同定出力信号として取得される。
次に、各回の周波数応答演算部4において、トルク指令τからモータ速度vまでの周波数応答が、1回目の同定入力信号と1回目の同定出力信号にもとづいて演算される(ステップS3)。同定入力信号と同定出力信号とから入出力間の周波数応答を求める方法については、ペリオドグラム法やARXモデル同定、部分空間法など公知の手法を用いることができる。それらの手法の詳細については、例えば「MATLABによる制御のためのシステム同定」(東京電機出版)等に記載されているので、ここでは説明を省略する。1回目の加振における周波数応答をG1(jω)とする。ωは周波数であり、G1(jω)の絶対値がゲインとなり、G1(jω)の複素領域での偏角が位相となる。
2回目の加振信号Vin2による加振も、1回目の加振と同様に行われる(ステップS4)。2回目の加振において得られた周波数応答をG2(jω)とする(ステップS5)。
次に、周波数応答合成部5における周波数応答の演算手順について説明する。トルク指令τのうち、摩擦などの外乱に起因するトルクをτfとおき、このトルクは1回目の加振と2回目の加振でほぼ同一であると仮定する。次に、1回目の加振時に速度制御部32によって出力されるトルク指令をτ1とし、2回目の加振時に速度制御部32によって出力されるトルク指令をτ2とする。各回のトルク指令は、外乱に起因するトルクτfと速度制御部32によって出力されるトルク指令の和となる。各回の周波数応答は各回のトルク指令とモータ速度の比であるため、以下の式(1)および式(2)が成り立つ。すなわち、上記ステップS3およびS5でそれぞれ実測定に基づいて得られたG1およびG2について以下の式(1)および式(2)が成り立つと考えられる。
Figure 2014196003
Figure 2014196003
速度制御の帯域が十分高いと仮定すると、1回目のモータ速度v1と2回目のモータ速度v2の比は1回目の加振信号Vin1と2回目の加振信号Vin2の比にほぼ一致する。また、1回目の速度制御によって出力されるトルク指令τ1と2回目の速度制御によって出力されるトルク指令τ2も、1回目の加振信号Vin1と2回目の加振信号Vin2の比にほぼ一致する。これを式で表すと、以下の式(3)および式(4)のようになる。
Figure 2014196003
Figure 2014196003
ここで、vは基準のモータ速度、τは基準のトルク指令である。式(3)と式(4)を式(1)と式(2)に代入し、τfを消去すると、基準となるトルク指令τと基準となるモータ速度vとの間の関係として以下の式(5)を得る。式(5)を用いることにより、2回の実測定により得られた周波数応答を用いて、摩擦などの外乱に起因する成分を除去した正確な周波数応答を算出することが可能となる。
Figure 2014196003
周波数応答合成部5は、式(5)の演算によって得られた周波数応答関数を、トルク指令からモータ速度までの開ループの周波数応答として出力する。すなわち、1回目の加振振幅A1と1回目の周波数応答G1の比から、2回目の加振振幅A2と2回目の周波数応答G2の比を減じたものを分母とし、1回目の加振振幅A1と2回目の加振振幅A2の差を分子とする値を周波数ごとに求め、得られた結果を周波数応答合成部5は周波数応答として出力する(ステップS6)。
次に、本実施の形態1の効果を図5−1および図5−2を用いて説明する。サーボモータを上述した方法で加振振幅を変えて加振したときのトルク指令信号τとモータ速度信号vをサンプリングし、式(5)の演算によって周波数応答を求めた。加振振幅は、加振したときのトルク振幅が定格トルクと一致するときの加振振幅を100%として、その振幅に対する比で表すものとする。1回目の加振振幅A1は5%、2回目の加振振幅A2は8%とした。すなわち、加振振幅A2の絶対値は加振振幅A1の絶対値より大きい。ただし、これらの振幅の加振信号で加振する順番は逆でもかまわない。トルク指令τからモータ速度vまでの伝達関数は、機械系30が剛体で近似できる場合には1回積分にイナーシャの逆数を乗じたものとなる。すなわち、トルク指令τからモータ速度vまでの伝達関数Gp(s)は、以下の式(6)で表される。
Figure 2014196003
ここで、sはラプラス演算子であり、Jは機械系30のイナーシャである。本実施の形態で用いた機械系30は、モータ単体であり、その特性は剛体とみなせる。そこで、この機械系30における理想応答をGp(jω)とし、周波数応答合成部5が演算した周波数応答が理想応答に近ければ、周波数応答が正しく求められているといえる。理想応答のゲイン線図は、−20dB/decの直線状となり、位相線図は、−90°で一定の値となる。
図5−1および図5−2は、実測定に基づいて得られた1回目の周波数応答G1(加振振幅A1:5%)、同じく実測定に基づいて得られた2回目の周波数応答G2(加振振幅A2:8%)、周波数応答合成部5が式(5)の演算によって求めた周波数応答(演算結果)、および理想応答Gpを比較したボード線図である。図5−1がゲイン線図であり、図5−2が位相線図である。それぞれの曲線について、細い破線が1回目の周波数応答G1、細い実線が2回目の周波数応答G2、太い実線が周波数応答合成部5による演算結果、太い破線が理想応答Gpを表している。
1回目の周波数応答G1および2回目の周波数応答G2は、図5−1に示すように100rad/s以下の周波数領域におけるゲイン線図が理想応答よりも小さい値となり、図5−2に示すように300rad/s以下の周波数領域における位相線図が理想曲線の値である−90°から離れた値となっている。1回目の周波数応答G1と2回目の周波数応答G2とを比較すると、1回目の周波数応答G1の方がずれが大きい。これは、加振振幅が小さくなるとトルク指令τに対する外乱に起因するトルクτfの占める割合が大きくなり、加振振幅が小さい1回目の方が大きく理想曲線からずれるためである。一方、周波数応答合成部5による演算結果は、ゲイン線図・位相線図ともに理想応答Gpとほぼ同じ応答となっている。これは、1回目の周波数応答G1と2回目の周波数応答G2を用いて外乱の影響を取り除く演算を行ったことの効果によるものである。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、複数の加振振幅で加振したときの加振データを用いて周波数応答を演算することにより、摩擦などの外乱があっても正確な周波数応答を測定することが可能となる。また、加振信号の振幅を変えて加振したときの加振データを用いて周波数応答を演算することにより、摩擦などの外乱が周波数応答測定結果に与える影響を取り除いて正確な周波数応答を測定することが可能となる。さらに、摩擦などの外乱による周波数応答の変動分を抽出し、その影響を補正する演算を行うことにより、周波数応答を正確に求めることができる。加えて、摩擦などの外乱があっても機械系の周波数応答を正確に求めることができるようになり、機械系のイナーシャや振動特性などの診断を正しく行うことができるようになる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる周波数応答測定装置100の構成も図1である。また、実施の形態2にかかるサーボ系3の構成を示したブロック図も図2である。実施の形態2にかかる周波数応答測定装置100が実施の形態1にかかる周波数応答測定装置100と相違する点は、同定入力信号としてトルク指令信号τのかわりに速度偏差信号eを用いる点である。これは、速度制御部32を含んだ速度開ループの周波数応答を測定する場合に対応している。
速度開ループの周波数応答を測定する場合も、実施の形態1と同様な手法で正確な周波数応答を測定することが可能となる。すなわち、本実施の形態においても、加振条件設定部1により設定された2種類の加振振幅A1’およびA2’を用いて加振実行部2が加振信号Vin1’およびVin2’を生成してサーボ系3の速度指令に印加する。
これにより、1回目の同定入力信号としての速度偏差および1回目の同定出力信号としてのモータ速度に基づいて、各回の周波数応答演算部4が1回目の加振における周波数応答G1’(jω)を求める。さらに、2回目の同定入力信号としての速度偏差および2回目の同定出力信号としてのモータ速度に基づいて、各回の周波数応答演算部4が2回目の加振における周波数応答G2’(jω)を求める。そして、式(5)と同様にして求められる以下の式(7)により、周波数応答合成部5は、各回で得られた周波数応答G1’およびG2’を用いて、摩擦などの外乱がある状態でも速度開ループの周波数応答を正しく求めることができるようになる。
Figure 2014196003
次に、本実施の形態2の効果を図6−1および図6−2を用いて説明する。サーボモータを上述の方法で加振振幅を変えて加振したときの速度偏差eとモータ速度信号vをサンプリングし、式(7)の演算によって周波数応答を求めた。加振振幅は、加振したときのトルク振幅が定格トルクと一致するときの加振振幅を100%として、その振幅に対する比で表すものとする。1回目の加振振幅A1’は8%、2回目の加振振幅A2’は10%とした。すなわち、加振振幅A2’の絶対値は加振振幅A1’の絶対値より大きい。ただし、これらの振幅の加振信号で加振する順番は逆でもかまわない。速度偏差eからモータ速度vまでの伝達関数は、機械系30の伝達関数に速度制御部32の伝達関数を乗じたものとなる。機械系30が剛体で近似できる場合には、機械系30の伝達関数は1回積分にイナーシャの逆数を乗じたものとなる。また、速度制御部32は、比例ゲインKvp、積分ゲインKviの比例・積分制御である。よって、速度偏差eからモータ速度vまでの伝達関数Gv(s)は、以下の式(8)で表される。
Figure 2014196003
ここで、sはラプラス演算子であり、Jは機械系30のイナーシャである。本実施の形態で用いた機械系30は、モータ単体であり、その特性は剛体とみなせる。そこで、この速度偏差eからモータ速度vまでにおける理想応答をGv(jω)とし、周波数応答合成部5が演算した周波数応答が理想応答に近ければ、周波数応答が正しく求められているといえる。理想応答のゲイン線図は、低い周波数領域では−40dB/decの直線状となり、位相線図は、周波数が低くなるにしたがって−90°から−180°に変化するような曲線状となる。
図6−1および図6−2は、実測定に基づいて得られた1回目の周波数応答G1’(加振振幅A1’:8%)、同じく実測定に基づいて得られた2回目の周波数応答G2’(加振振幅A2’:10%)、周波数応答合成部5が式(7)の演算によって求めた周波数応答(演算結果)、および理想応答Gvを比較したボード線図である。図6−1がゲイン線図であり、図6−2が位相線図である。それぞれの曲線について、細い破線が1回目の周波数応答G1’、細い実線が2回目の周波数応答G2’、太い実線が周波数応答合成部5による演算結果、太い破線が理想応答Gvを表している。
1回目の周波数応答G1’および2回目の周波数応答G2’は、図6−1に示すように50rad/s以下の周波数領域におけるゲイン線図が理想応答よりも小さい値となり、図6−2に示すように200rad/s以下の周波数領域における位相線図が理想曲線の値から離れた値となっている。1回目の周波数応答G1’と2回目の周波数応答G2’とを比較すると、1回目の周波数応答G1’の方がずれが大きい。これは、加振振幅が小さくなるとトルク指令τに対する外乱に起因するトルクτfの占める割合が大きくなり、加振振幅が小さい1回目の方が大きく理想曲線からずれるためである。一方、周波数応答合成部5による演算結果は、ゲイン線図・位相線図ともに理想応答Gvとほぼ同じ応答となっている。これは、1回目の周波数応答G1’と2回目の周波数応答G2’を用いて外乱の影響を取り除く演算を行ったことの効果によるものである。
以上説明したように、本実施の形態2によれば、複数の加振振幅で加振したときの加振データを用いて周波数応答を演算することにより、摩擦などの外乱があっても正確な周波数応答を測定することが可能となる。また、加振信号の振幅を変えて加振したときの加振データを用いて周波数応答を演算することにより、摩擦などの外乱が周波数応答測定結果に与える影響を取り除いて正確な周波数応答を測定することが可能となる。さらに、摩擦などの外乱による周波数応答の変動分を抽出し、その影響を補正する演算を行うことにより、周波数応答を正確に求めることができる。加えて、摩擦などの外乱があっても速度制御部を含んだ速度開ループの周波数応答を正確に求めることができるようになり、サーボ系のゲイン調整や振動抑制フィルタ調整などを適確に行うことができるようになる。
なお、上記実施の形態においては、式(1)および式(2)に示すように、1回目の加振と2回目の加振でほぼ同一であると仮定した摩擦などの外乱に起因するトルクτfを1つの未知変数としていたので、その成分を取り除くために2回の測定によって2つの関係式が得られれば十分であった。従って、もし、外乱に起因する未知の変数をさらに増やしてn個と仮定するならば、条件を変えたn+1回の測定を実行すれば、外乱の要素を除去した周波数応答を得ることが原理的には可能であると考えられる。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる周波数応答測定装置は、サーボ系の調整を行なう際に、速度ループや位置ループなどの制御ループの周波数応答を測定することに有用であり、特に、摩擦などの外乱があっても正確な周波数応答を測定することに適している。
1 加振条件設定部、2 加振実行部、3 サーボ系、4 各回の周波数応答演算部、5 周波数応答合成部、10 周波数応答演算部、30 機械系、31 位置制御部、32 速度制御部、33 モータ、34 負荷、51 サーボモータ、52 ロータリーエンコーダ、53 シャフト、54 負荷イナーシャ、100 周波数応答測定装置、S1〜S6 ステップ。

Claims (8)

  1. 機械系をフィードバック制御するサーボ系の周波数応答を測定する周波数応答測定装置において、
    複数の異なる加振条件を設定する加振条件設定部と、
    前記異なる加振条件の加振信号で前記サーボ系に対して複数回の加振を実行する加振実行部と、
    前記複数回の加振がなされた前記サーボ系の制御系から、前記複数回の加振ごとに同定入力信号と同定出力信号の組を取得し、前記複数回の加振ごとの前記加振条件および前記同定入力信号と前記同定出力信号の組にもとづいて前記周波数応答を演算する周波数応答演算部と、
    を備える
    ことを特徴とする周波数応答測定装置。
  2. 前記加振条件は、前記加振信号の振幅である加振振幅である
    ことを特徴とする請求項1に記載の周波数応答測定装置。
  3. 前記周波数応答演算部は、
    前記複数回の加振ごとの前記同定入力信号と前記同定出力信号の組にもとづいて、前記複数回の加振ごとの周波数応答を演算する各回の周波数応答演算部と、
    前記複数回の加振ごとの周波数応答および前記加振条件に基づいて、前記周波数応答を演算する周波数応答合成部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の周波数応答測定装置。
  4. 前記加振条件設定部は、前記加振振幅として第1加振振幅と、それとは異なる第2加振振幅とを設定し、
    前記周波数応答合成部は、前記第1加振振幅とその振幅での前記加振ごとの周波数応答の比と前記第2加振振幅とその振幅での前記加振ごとの周波数応答の比との差を分母とし、前記第1加振振幅と前記第2加振振幅との差を分子とする値を前記周波数応答として演算する
    ことを特徴とする請求項3に記載の周波数応答測定装置。
  5. 前記加振信号は前記制御系の速度指令に印加され、前記異なる加振条件において前記制御系に与えられる位置指令は一定値である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の周波数応答測定装置。
  6. 前記同定入力信号と前記同定出力信号の組は、前記制御系において開ループを構成している
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の周波数応答測定装置。
  7. 前記同定入力信号は前記サーボ系のトルク指令信号であり、前記同定出力信号は前記サーボ系の速度信号である
    ことを特徴とする請求項6に記載の周波数応答測定装置。
  8. 前記同定入力信号は前記サーボ系の速度偏差信号であり、前記同定出力信号は前記サーボ系の速度信号である
    ことを特徴とする請求項6に記載の周波数応答測定装置。
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