JP6480848B2 - 振動制御装置および振動制御方法ならびに振動制御プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、工業製品に使用環境下と同様のランダム振動を実験室内で与えることにより、工業製品の耐振性及び耐久性を評価するランダム振動試験を行うための振動制御装置および振動制御方法ならびに振動制御プログラムに関する。
従来のランダム振動制御装置では、制御目標として専ら、加速度平均パワースペクトル密度(PSD:Power Spectrum Density)、二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)が用いられている。
具体的には、試験に供する被試験PSDプロファイルの目標平均PSDと、振動試験装置の応答信号より得られる応答平均PSDとの比較により、目標平均PSDと応答平均PSDが一致するように制御を行う。
図12に基づいて、瞬時PSDと平均PSDについて説明する。
まず、長時間にわたる時系列信号から、フーリエ変換の処理単位に相当する一定時間区切りのフレーム単位に切り出した時系列信号をフーリエ変換することにより、フレーム単位のフーリエスペクトルを計算する。時系列信号から周波数系列信号への変換にはフーリエ変換が用いられるのが一般的であるが、ここでは、フーリエ変換を高速で行う高速フーリエ変換(FFT変換)を用いることとして説明をする。
次いで、前記フーリエ変換で計算されたフーリエ係数から下記式(4)を用いて瞬時PSDを求め、下記式(5)から二乗平均平方根(RMS)を求める。
Figure 0006480848
なお、上記式(4)において、Nは所要周波数範囲の分割個数である。
Figure 0006480848
このとき、各瞬時PSDを瞬時PSD_0(f),瞬時PSD_1(f),・・・,瞬時PSD_i(f)と表し、これら瞬時PSD_0(f)〜瞬時PSD_i(f)を時間平均したものが平均PSD(f)である。
図13に基づいて、従来の振動制御装置100の構成と動作について説明する。
まず、振動試験装置150からの応答時系列信号Rtが、AD変換部107によりデジタル信号に変換される。なお、振動試験装置150は、被試験体に振動を与え、この被試験体からの応答信号を計測する応答検出器(図示せず)を有している。
デジタル信号に変換された応答時系列信号RtをFFT変換部108においてフーリエ変換することにより瞬時PSDを計算し、瞬時PSDを所定時間における時間平均化処理することにより平均PSDを生成する。
そして、PSD比較部101において、被試験PSDプロファイルから得た目標PSDと、平均PSDとを比較することによって、PSD補正操作量を生成する。
次いで、目標PSDとPSD補正操作量とから修正PSDを生成し、振動試験装置の伝達特性の振幅特性に基づき逆振幅特性乗算処理部102において逆振幅特性乗算処理を施し、駆動PSDを生成する。
また、フーリエ逆変換部103において、乱数生成手段104で生成された白色ランダム信号を駆動PSDで正規化するとともに、フーリエ逆変換処理により時系列波形に変換、展開し、駆動波形合成手段105により時系列波形の重ね合わせ合成処理を行い、DA変換部106によって、振動試験装置150へ入力するアナログ信号である駆動時系列信号Dtが生成される。
一般的に、振動制御装置では、振動試験装置の破損防止や安全性確保のため、駆動時系列信号により振動試験装置に与えられる変位が加振限界領域を超えると、自動的に停止し、試験が終了してしまうため、出来る限り安全許容内でのプロファイルで試験条件を設定することが必要とされる。
通常の加速度振動試験においては、加振周波数範囲の被試験プロファイルとしてのPSDプロファイルと上記式(5)で示されるRMSとが与えられ、加速度時系列信号の確率密度分布は、RMSの2乗が分散σ2の正規分布となることが必要となる。
ランダム信号は確率統計的に生成される信号である。そのため、このような確率密度分布を有する加速度時系列信号は、振動試験装置の許容範囲を超えた信号を含んでいることが予測される。
例え、確率統計的には稀な現象であったとしても、振動試験装置の許容範囲を超えた信号が発生すると、振動試験装置に損傷を与える恐れがあるため、通常は変位センサーが振動試験装置の許容範囲の変位を超えた場合に異常を検出して、振動試験を自動停止させる機能が働くため、試験目的は完遂されない。このため、許容範囲外の加速度信号を除去するためにクリッピングと呼ばれる手法が用いられている。
クリッピングは、加速度ランダム時系列を分散の平方根であるσに適正倍率(クリッピング倍率)を乗じた値で規制して、過剰な加速度信号が発生しないように操作する処理である。クリッピング倍率が適正に設定されるならば、確率統計的には稀に発生する過剰加速度だけが抑制されるので、全体の加速度平均スペクトルには大きな影響を与えない。多くは3.0から5.0の倍率値が用いられている。
クリッピング処理は、ランダム加速度振動試験において過剰な加速度信号の発生を直接抑止することが目的として使われるとともに、振動信号の振動物理範囲(変位)を抑止する効果を期待して用いられている。
図14は、σクリッピングの有無による加速度振幅の確率分布の違いを表すグラフ、図15は、σクリッピングの有無による変位振幅の確率分布の違いを表すグラフである。図14に示すσクリッピングによって加速度を抑制したとしても、図15に示すように変位の抑制はほとんど出来ていない。即ち、クリッピングによる顕著な変位抑制効果は観測されない。
このように、加速度信号に対するσクリッピングは、加振力を抑制する手法としては有効であるが、変位(振動物理範囲)を抑制する手法としては、極めて限定的な効果しか発揮しない。
さらに、従来の振動制御装置においては、応答時系列信号はFFT処理によりフーリエスペクトルに変換されるが、その後すぐに瞬間PSDへと変換され、さらに瞬間PSDの時間平均としての応答平均PSDが計算されることになる。このとき、目標平均PSDとの比較において振動制御が行われるが、振動制御における重要な情報である位相成分は無視されていた。さらに、加速度信号からもたらされる振動信号の振動物理範囲(変位)は振動試験装置に係る重要な限界物理量であるにも関わらず制御の対象外となっていた。
また、ランダム振動試験において直接生成されるのは加速度ランダム信号であり、それに基づく変位信号は、ランダム加速度の無限二階積分となることから、誤差蓄積を免れず、理論的に特定することが困難であった。
また、振動試験装置に変位ドリフトを抑制・防止するための機構が設けられている場合、振動試験装置において発生する変位は、その機構の影響も受けてしまうことになる。
もし、PSDプロファイルに基づいて生成されるランダム加速度信号が所定のPSDプロファイルとRMS値とを維持しつつ、変位を抑制できれば、振動試験装置の適用範囲を拡大することが可能となる。
このように変位抑制を行う方法としては、従来、被試験PSDプロファイルから予め最大変位を推定し、許容性能範囲を超えている場合には、被試験PSDプロファイルの修正をするような予防的対策や、上述するようなクリッピングなどにより過大加速度信号のカットなどが用いられている。
しかしながら、加速度に対するクリッピング方式は加速度ランダムに対して確率的な規制を発揮するものであり、変位自体を規制するものではなく、図15に示すように、変位信号の抑制効果としては限定的なものであった。
本発明では、このような現状に鑑み、出力される加振信号の収束性が高く、測定基準の規定エネルギーに厳密に従い、かつ、振動試験中の加振装置や被試験体の特性変化にも追従し、変位範囲を設定された範囲内に収めることができる振動制御装置および振動制御方法ならびに振動制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明は、前述するような加速度ランダム振動試験に関する従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、本発明の振動制御装置は、
被試験体に振動を与える振動試験装置の振動を制御するための振動制御装置であって、
前記振動試験装置において発生させるランダム振動のスペクトル分布である被試験PSD(Power Spectrum Density)プロファイルが入力され、該被試験PSDプロファイルから加速度ランダムな目標時系列信号Ttを生成するとともに、該目標時系列信号Ttから目標周波数系列信号Tfを生成する目標信号生成手段と、
目標周波数系列信号Tfと、応答周波数系列信号Rfと、駆動周波数系列信号Dfと、から駆動時系列信号Dtを生成する駆動信号生成手段と、を備え、
前記駆動信号生成手段が、
前記目標周波数系列信号Tfと、前記振動試験装置の応答時系列信号Rtの周波数スペクトルである応答周波数系列信号Rfとから、補正目標周波数系列信号Tcを生成し、前記応答周波数系列信号Rfと前記駆動時系列信号Dtの周波数スペクトルである駆動周波数系列信号Dfとの比である伝達関数Gfの逆特性である逆伝達関数IGfと、前記補正目標周波数系列信号Tcとから、前記駆動時系列信号Dtを生成する駆動信号補正手段をさらに備え、
前記目標信号生成手段が、
前記目標時系列信号Ttに対する変位信号を常に生成するとともに、前記変位信号が変位領域の設定限界値を超えたか否かを常に判定することで、該設定限界値を超えずに、かつ、時系列の確率密度の正規分布性、目標PSDプロファイル、RMS値を一定に維持し続ける加速度ランダム信号を生成する加速度ランダム信号生成部をさらに含み、
前記加速度ランダム信号生成部は、前記変位信号が前記設定限界値を超えた場合には、生成された加速度ランダム信号を破棄し、前記変位信号が前記設定限界値に収まった場合には、生成された加速度ランダム信号を目標時系列信号Ttとして、前記目標周波数系列信号Tfを生成することを特徴とする。
この場合、前記駆動信号生成手段が、
前記目標周波数系列信号Tfと、前記応答周波数系列信号Rfと、前記駆動周波数系列信号Dfと、から、駆動信号Drを生成する周波数系列信号処理部と、
前記駆動信号Drから、前記駆動時系列信号Dtを生成する時系列信号への再変換処理部と、を含むことが好ましい。
また、本発明の振動制御方法は、
被試験体に振動を与える振動試験装置の振動を制御するための振動制御方法であって、
前記振動試験装置において発生させるランダム振動のスペクトル分布である被試験PSD(Power Spectrum Density)プロファイルから、加速度ランダムな目標時系列信号Ttを生成するとともに、該目標時系列信号Ttから目標周波数系列信号Tfを生成し
記目標周波数系列信号Tfと、前記振動試験装置の応答時系列信号Rtの周波数スペクトルである応答周波数系列信号Rfとから、補正目標周波数系列信号Tcを生成し、前記応答周波数系列信号Rfと駆動時系列信号Dtの周波数スペクトルである駆動周波数系列信号Dfとの比である伝達関数Gfの逆特性である逆伝達関数IGfと、前記補正目標周波数系列信号Tcとから、前記駆動時系列信号Dtを生成するとともに、
前記目標時系列信号Ttに対する変位信号を常に生成するとともに前記変位信号が変位領域の設定限界値を超えたか否かを常に判定して、該設定限界値を超えずに、かつ、時系列の確率密度の正規分布性、目標PSDプロファイル、RMS値を一定に維持し続ける加速度ランダム信号を生成し、
前記加速度ランダム信号の生成に際して、前記変位信号が前記設定限界値を超えた場合には、生成された加速度ランダム信号を破棄し、前記変位信号が前記設定限界値に収まった場合には、生成された加速度ランダム信号を目標時系列信号Ttとして、前記目標周波数系列信号Tfを生成することを特徴とする。
この場合、前記目標周波数系列信号Tfと、前記応答周波数系列信号Rfと、前記駆動周波数系列信号Dfと、から、駆動信号Drを生成するとともに、
前記駆動信号Drから、前記駆動時系列信号Dtを生成することが好ましい。
また、本発明の振動制御プログラムは、
被試験体に振動を与える振動試験装置の振動を制御するための振動制御プログラムであって、
前記振動試験装置において発生させるランダム振動のスペクトル分布である被試験PSD(Power Spectrum Density)プロファイルから、加速度ランダムな目標時系列信号Ttを生成するとともに、前記目標時系列信号Ttに対する変位信号を常に生成するとともに、前記変位信号が変位領域の設定限界値を超えたか否かを常に判定して、該設定限界値を超えずに、かつ、時系列の確率密度の正規分布性、目標PSDプロファイル、RMS値を一定に維持し続ける加速度ランダム信号を生成し、前記加速度ランダム信号を前記目標時系列信号Ttとして、目標周波数系列信号Tfを生成する目標信号生成手順と、
目標周波数系列信号Tfと、応答周波数系列信号Rfと、駆動周波数系列信号Dfと、から駆動時系列信号Dtを生成する駆動信号生成手順と、をコンピュータに実行させるための振動制御プログラムであって、
前記駆動信号生成手順は、
前記目標周波数系列信号Tfと、前記振動試験装置の応答時系列信号Rtの周波数スペクトルである応答周波数系列信号Rfから、補正目標周波数系列信号Tcを生成し、前記応答周波数系列信号Rfと前記駆動時系列信号Dtの周波数スペクトルである駆動周波数系列信号Dfとの比である伝達関数Gfの逆特性である逆伝達関数IGfと、前記補正目標周波数系列信号Tcとから、前記駆動時系列信号Dtを生成する駆動信号補正手順を含み、
前記目標信号生成手順において、前記変位信号が前記設定限界値を超えた場合には、生成された加速度ランダム信号を破棄し、前記変位信号が前記設定限界値に収まった場合には、生成された加速度ランダム信号を目標時系列信号Ttとして、前記目標周波数系列信号Tfを生成することを特徴とする。
この場合、前記駆動信号生成手順が、
前記目標周波数系列信号Tfと、前記応答周波数系列信号Rfと、前記駆動周波数系列信号Dfと、から、駆動信号Drを生成する周波数系列信号処理手順と、
前記駆動信号Drから、前記駆動時系列信号Dtを生成する再変換処理手順と、を含むことが好ましい。
本発明によれば、目標周波数系列信号と応答周波数系列信号とが一致するように、駆動周波数系列信号を補正することで、振動試験装置の加速度頻度分布を抑制することなく、変位頻度分布のみを抑制でき、振動試験装置の振動物理範囲(変位)を超えずに安定かつ連続的な振動試験を行うことができる。
図1は、本発明の一実施例における振動制御装置の制御系を説明するための制御プロセス図である。 図2は、被試験PSDプロファイルの一例を示すグラフである。 図3は、ランダム信号生成部及び目標時系列信号生成部において、被試験PSDプロファイルからピュアランダム信号を生成する流れを説明するためのフロー図である。 図4は、フーリエスペクトル成分と複素平面の偏角θの関係を示すグラフである。 図5は、ピュアランダム時系列信号の一例を示すグラフである。 図6は、変位抑止された加速度ランダム信号を生成する流れを説明するためのフロー図である。 図7は、RMS=12.5m/sec2で加速度ランダム試験を実行した際のPSDプロファイルと、応答信号の平均PSDとを示すグラフである。 図8は、周波数系列信号処理部の構成を説明するための処理ブロック図である。 図9は、時系列信号への再変換処理部の構成を説明するための処理ブロック図である。 図10は、本実施例の振動制御装置を用いて振動試験を行った際の加速度振幅の確率分布を示すグラフである。 図11は、本実施例の振動制御装置を用いて振動試験を行った際の変位振幅の確率分布を示すグラフであり、本実施例により35%もの変位抑止効果が確認された。 図12は、瞬時PSDと平均PSDについて説明するための概念図である。 図13は、従来の振動制御装置の構成と動作を説明するための制御プロセス図である。 図14は、クリッピングの有無による加速度振幅の確率分布の違いを表すグラフ。 図15は、クリッピングの有無による変位振幅の確率分布の違いを表すグラフである。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本実施例における振動制御装置10の制御系を説明するための制御プロセス図である。
図1に示すように、振動制御装置10は、ランダム信号生成部12と、目標時系列信号生成部14と、目標スペクトル生成部16と、応答スペクトル生成部18と、駆動スペクトル生成部20と、周波数系列信号処理部22と、時系列信号への再変換処理部24と、DA変換部26と、AD変換部28と、を備えている。
また、振動制御装置10は、DA変換部26及びAD変換部28を介して、被試験体に振動を与える振動試験装置50と接続されている。なお、振動試験装置50は、パワー増幅器及び応答検出器(図示せず)を含んでおり、DA変換部26から出力される加振信号がパワー増幅器を介して振動試験装置に入力されて、振動試験装置は加振信号に基づいて振動を発生させる。そして、その振動に応じて得られる被試験体からの応答振動を、応答検出器によって検出し、応答アナログ信号としてAD変換部28へ入力する。
以下、各プロセスについて各々説明する。
(1)ランダム信号生成部12〜目標時系列信号生成部14
ランダム信号生成部12には、例えば、図2に示すような、振動試験装置50において発生させる振動のスペクトル分布である被試験PSDプロファイルが入力される。本実施例の振動制御装置10は、この被試験入力プロファイルに基づいて、加振信号を生成する。
ランダム信号生成部12では、フレーム毎に、被試験PSDプロファイルを持つランダム信号を生成し、これを順次繰り返すことにより、被試験PSDプロファイルが持続するランダム時系列信号が生成される。
なお、ランダム時系列信号が、完全な白色雑音であるための必要条件は、時間領域での出現頻度が一様ランダムで、かつ、周波数領域での振幅分布がランダムで、かつ、周波数領域での位相分布が一様ランダムであることである。
本実施例のように、図2で示す被試験PSDプロファイルで定義されたランダム振動試験では、周波数領域での振幅分布が被試験PSDプロファイルに置き換えられ、時間領域での出現頻度がランダムで尚且つ周波数領域での位相分布がランダムであるランダム信号が生成されることになる。
図3は、ランダム信号生成部12及び目標時系列信号生成部14において、被試験PSDプロファイルからピュアランダム信号を生成する流れを説明するためのフロー図である。
まず、被試験PSDプロファイルから位相がランダムなフーリエスペクトルを生成する。
時系列信号f(t)と、そのフーリエ変換関数F(ω)は、下記式(1)で示す関係を有する。
Figure 0006480848
上記式(1)において、n=・・・,−3,−2,−1,0,1,2,3,・・・である。
また、離散的フーリエ変換であるFFT処理後の関数における実数成分aと虚数成分bは、下記式(2)、(3)で示す関係を有する。
Figure 0006480848
Figure 0006480848
とすれば、
Figure 0006480848
また、フーリエスペクトルの絶対値は式(3)、(4)を用いて、下記式(6)のように表すことができる。
Figure 0006480848
なお、上記式(4)において、Nは所要周波数範囲の分割個数である。
Figure 0006480848
この絶対値を基準として、フーリエスペクトルの偏角をθとした時、PSD[n]を示すフーリエスペクトル成分は、下記式(7)と表すことができる。
Figure 0006480848
すなわち、フーリエスペクトル成分と複素平面の偏角θの関係は、図4に示すようになる。
PSDは、図4に示す絶対値(PSD値)により決定されるが、位相値であるθには自由度が存在するため、位相値θをランダムに変動させることで、PSD分布が閉架しないランダム位相フーリエスペクトルを生成することができる。
ランダム位相フーリエスペクトルを逆FFT変換することで、位相がバラバラな正弦波が重なり合った、被試験PSDプロファイルのスペクトル分布を有する正規分布ランダム時系列信号が生成される。
しかしながら、デジタル信号処理で使われる逆FFT変換は離散的な処理であるため、全ての周波数成分を漏れなく含むわけではなく、フレーム位相が不規則に変化することによって欠落した周波数成分が埋め合わされる効果がある。
それでも、ある程度の周波数成分は欠落してしまうため、正規分布ランダム時系列信号は擬似ランダム信号と呼ばれる。そこで、擬似ランダム信号からピュアランダム信号を生成するために、次の処理を施す。
まず、擬似ランダム信号のフレーム毎の時系列信号に、ハン窓(Hann WindowまたはHanning Window)を適用する。
そして、ハン窓が適用されたランダム時系列信号を1/2フレーム分ずつオーバーラップ合成処理する。
ハン窓を適用する処理と、1/2フレーム分ずつオーバーラップ合成処理とにより、時系列が混ぜ合わさり、図5に示すような、被試験PSDプロファイルを維持したピュアランダム時系列信号が生成される。
目標時系列信号生成部14は、ピュアランダム信号を目標時系列信号として、目標スペクトル生成部16に送り出す。
(2)目標スペクトル生成部16
目標スペクトル生成部では、目標時系列信号をFFT処理することにより、目標瞬時フーリエスペクトル、目標瞬時PSD、目標平均PSDが求められ、これら全ての情報を有する目標周波数系列信号を生成する。
n+ibnは位相成分を含み、また、フレーム毎に求められるものであるため、これを瞬時フーリエスペクトルと呼ぶ。また、瞬時フーリエスペクトルから上記式(4)に基づいて瞬時PSDが算出され、瞬時PSDに対する時間平均を取ることで平均PSDが算出される。
すなわち、目標スペクトル生成部16では、目標時系列信号Ttが入力されることにより、式(1)〜(7)に基づき、目標瞬時フーリエスペクトル、目標瞬時PSD、目標平均PSDが算出され、これら全ての情報を有する目標周波数系列信号Tfが生成される。
以上の方法で生成された目標加速度ランダムの変位越えは、確率統計的にも稀にしか発生しない。しかし、実際の装置を用いた加振試験においては、一回でも変位越えが発生すると機械に損傷を与える恐れが生じるため、その時点で試験を停止せざるを得なくなる。このため、変位越えが発生しない加速度ランダムな目標時系列信号Ttを生成し続けるための目標信号生成手段は、下記の処理を行う加速度ランダム信号生成部をさらに設けることもできる。
図6は、変位抑止された加速度ランダム目標信号を生成する流れを説明するためのフロー図である。
加速度ランダム信号は、まず、フレーム毎に生成され、順次接続され周期的繰り返しの無い連続信号となる。
ここでは、フレームiが生成された次の段階として、変位越えが発生しないフレームi+1の加速度ランダム信号の生成について説明する。
フレームi+1の加速度ランダム信号は、上述するランダム信号生成部12〜目標時系列信号生成部14において生成される。
同時に、フレームiの最終変位データを初期値として数値2階積分を行い正確な変位予測を行う。もし、この仮定での変位予測が予め設定された変位許容範囲を超えたならば、フレームi+1の加速度ランダム信号を破棄して、再度同じ手順で加速度ランダム信号を生成し、同様の変位予測を行う。
変位予測値が予め設定された許容範囲に収まったならば、ここで生成された加速度ランダムのフレームデータをフレームi+1として採用する。この処理により所望の変位抑制がなされた加速度ランダム信号の生成がおこなわれる。
もし、求められる変位抑止量が40%を超えると、上述する方法を数回連続で試みても変位を抑止できない場合が発生する。この場合には、5Hz以下の低周波数領域のPSD値を適宜下げることにより変位の抑止を行うことができる。現実的にこのようなケースは大きな抑止量を設定した場合で稀にしか発生せず、平均PSDに大きな影響を与えるものではない。
このようにして得られた加速度ランダム信号を、次の元データとして順次処理を進める事により、変位抑止された加速度ランダム信号を連続的に生成することができる。
以上の変位抑止アルゴリズムにより、PSDプロファイルで規定された加速度ランダム加振における、以下の成立条件を満たしつつ、実際の変位範囲を抑止することが可能となる。
このようにして生成された変位抑止の加速度ランダム目標信号は、図7に示すように、
(A)計測された応答信号の平均PSDが指定されたPSDプロファイルと一致する。
(B)RMS値が指定された値と一致する。
(C)加速度時系列の確率密度分布が正規分布となる。
(D)同じ信号の繰り返しが存在しない。
という加速度ランダム加振信号に求められる基本要件を完全に満たしている。
図11に示される通り、本実施例の振動制御装置を用いて加速度振動試験を行った結果では35%もの変位抑止効果が確認された。
(3)周波数系列信号処理部22
図8は、周波数系列信号処理部22の構成を説明するための処理ブロック図である。
図8に示すように、周波数系列信号処理部22は、目標平均PSDと応答平均PSDとを比較する平均PSD比較部221と、目標瞬時PSDを補正して補正目標周波数系列信号Tcを生成するスペクトル補正制御部222と、補正目標周波数系列信号Tcに逆伝達関数IGfを乗算することで駆動信号Drを生成する逆伝達関数乗算部223と、応答周波数系列信号Rfと駆動周波数系列信号Dfの比である伝達関数Gfを算出する伝達関数計算部224と、伝達関数Gfの逆特性である逆伝達関数IGfを算出する逆伝達関数計算部225と、を備えている。
(4)駆動周波数信号生成部
平均PSD比較部221には、目標周波数系列信号Tfと応答周波数系列信号Rfが入力されることで、目標平均PSDと応答平均PSDとが比較され、それらの誤差である平均PSD補正ベクターTCvがフレーム毎に計算される。そして、目標周波数系列信号Tfの目標瞬時PSDに対する補正量として、スペクトル補正制御部222へと送られる。
スペクトル補正制御部222では、目標周波数系列信号Tfの目標瞬時PSDに平均PSD補正ベクターTCvを加算することで、フレーム毎に目標瞬時PSDが補正された補正目標周波数系列信号Tcが生成される。
このように構成することにより、スペクトル補正制御部222は、位相成分の補正を行ってはいないが、目標瞬時PSDの振幅補正として振動試験装置の特性変動に対して機敏な制御動作を行うことになる。
また、伝達関数計算部224では、応答周波数系列信号Rfと駆動周波数系列信号Dfの比である伝達関数Gfとその平均値を常時算出している。そして、伝達関数Gfの変化が所定量を超えた場合、最新の伝達関数Gfが逆伝達関数計算部225へと送られる。
逆伝達関数計算部225では、入力された伝達関数Gfに基づき、逆伝達関数IGfが計算され、逆伝達関数乗算部223へと送られ、上述するように、補正目標周波数系列信号Tcに対して逆伝達関数IGfが乗算され、駆動のためのフーリエスペクトル信号である駆動信号Drが生成される。
(5)駆動時系列信号への再変換処理部24
図9は、時系列信号への再変換処理部24の構成を説明するための処理ブロック図である。
時系列信号への再変換処理部24では、IFFT変換部241において、駆動信号DrをIFFT変換処理により周波数系列信号から時系列信号に復号化する。そして、復号化された時系列信号は、フレーム間が不連続であるため、オーバーラップ処理部242において、オーバーラップ合成処理を施すことにより、連続的な一次駆動時系列信号Dtcを生成する。
時系列信号への再変換処理部24の制御サイクルは、IFFT変換処理とオーバーラップ合成処理を除いて、制御サンプリングクロック(例えば、制御帯域2kHzの場合5.12×103sample/s)に同期して動作する。
IFFT変換処理とオーバーラップ合成処理の演算は、時系列信号への再変換処理部24の動作のバックグラウンドにおいて処理され、この演算は1フレームの処理時間内に完了する。
そして、生成された駆動時系列信号Dtは、バッファーに蓄積され、次の制御サイクルにおいて使用される。
周波数系列での信号演算では常に、論理的に求められる適正長(1フレーム)の時系列信号に対して一括してFFT演算処理が行われる。このため、周波数系列で演算された結果をIFFT変換処理した時系列信号では、フレーム間が不連続となってしまう。
時系列信号は、通常、連続的であることを前提として制御演算が行われるため、フレーム間の不連続を解消し、周波数系列での信号演算で得られた時系列信号が連続性を保つようにオーバーラップ合成処理を行う。なお、本実施例では、1/2フレーム毎のオーバーラップ合成処理を行っている。
また、目標・応答時系列信号比較部244では、目標時系列信号Ttと応答時系列信号Rtとを比較し、例えば、PID制御などに基づき、時系列信号補正量Dcを生成する。
時系列信号補正部243では、一次駆動時系列信号Dtcと時系列信号補正量Dcとに基づき補正処理が行われ、補正された一次駆動時系列信号Dtcは、駆動時系列信号Dtとして、図1に示すように、DA変換部26を介して振動試験装置50へ出力される。
以上、このように構成された本実施例の振動制御装置10は、被試験PSDプロファイルが入力されることにより、ランダム信号生成部12、目標時系列信号生成部14、目標スペクトル生成部16を含む目標信号生成手段により、変位抑止の目的にかなった目標周波数系列信号Tfが生成される。
次いで、周波数系列信号処理部22、時系列信号への再変換処理部24を含む駆動信号生成手段によりランダム時系列信号である駆動時系列信号Dtが生成される。
また、周波数系列信号処理部22を含む駆動信号補正手段により、目標周波数系列信号Tfと、振動試験装置50の応答検出器により検出された応答時系列信号Rtから生成される応答スペクトルである応答周波数系列信号Rfとが一致するように、駆動時系列信号Dtから生成される駆動スペクトルである駆動周波数系列信号Dfを補正することによって、新たな駆動信号Drが生成され、この駆動信号Drから駆動時系列信号生成手段において、新たな駆動時系列信号Dtが生成される。
このようなフィードバック制御を行うことによって、振動試験装置50における変位を抑制することができる。
(6)応答スペクトル生成部18
振動試験装置から入力される応答アナログ信号は、AD変換部により応答時系列信号Rtに変換され、応答スペクトル生成部へ送られる。
応答スペクトル生成部では、応答時系列信号Rtが入力されることにより、上記式(1)〜(6)に基づき、応答瞬時フーリエスペクトル、応答瞬時PSD、応答平均PSDが算出され、これら全ての情報を有する応答周波数系列信号Rfが生成される。
(7)駆動スペクトル生成部20
振動試験装置50の駆動信号として生成された駆動時系列信号Dtを、DA変換部により駆動アナログ信号に変換する前段で分岐し、駆動スペクトル生成部20に入力する。
すなわち、駆動スペクトル生成部20では、駆動時系列信号Dtが入力されることにより、上記式(1)〜(7)に基づき、駆動瞬時フーリエスペクトル、駆動瞬時PSD、駆動平均PSDが算出され、これら全ての情報を有する駆動周波数系列信号Dfが生成される。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上述した各処理部については、装置構成に応じて、ハードウェアでも、ソフトウェアでも構わず、コンピュータにおいて上述する処理内容を実行するプログラムとしてもよいなど、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施例の振動制御装置10及び従来の振動制御装置を用いた振動試験を行った際の加速度振幅の確率分布と、変位振幅の確率分布を図10、11に示す。
従来の振動制御装置を用いた場合、振動試験装置50に設けた変位計による計測では、振動試験装置50の最大変位は±115mmであった。
一方、本実施例の振動制御装置10を用いた場合、振動試験装置50に設けた変位計による計測では、振動試験装置50の最大変位は±75mmに抑制することができ、100時間以上の連続動作でも35%の安定した変位抑止が確認された。
10 振動制御装置
12 ランダム信号生成部
14 目標時系列信号生成部
16 目標スペクトル生成部
18 応答スペクトル生成部
20 駆動スペクトル生成部
22 周波数系列信号処理部
221 平均PSD比較部
222 スペクトル補正制御部
223 逆伝達関数乗算部
224 伝達関数計算部
225 逆伝達関数計算部
24 時系列信号への再変換処理部
241 IFFT変換部
242 オーバーラップ処理部
243 時系列信号補正部
244 目標・応答時系列信号比較部
26 DA変換部
28 AD変換部
50 振動試験装置
100 振動制御装置
101 PSD比較部
102 逆振幅特性乗算処理部
103 フーリエ逆変換部
104 乱数生成手段
105 駆動波形合成手段
106 DA変換部
107 AD変換部
108 FFT変換部
150 振動試験装置

Claims (6)

  1. 被試験体に振動を与える振動試験装置の振動を制御するための振動制御装置であって、
    前記振動試験装置において発生させるランダム振動のスペクトル分布である被試験PSD(Power Spectrum Density)プロファイルが入力され、該被試験PSDプロファイルから加速度ランダムな目標時系列信号Ttを生成するとともに、該目標時系列信号Ttから目標周波数系列信号Tfを生成する目標信号生成手段と、
    目標周波数系列信号Tfと、応答周波数系列信号Rfと、駆動周波数系列信号Dfと、から駆動時系列信号Dtを生成する駆動信号生成手段と、を備え、
    前記駆動信号生成手段が、
    前記目標周波数系列信号Tfと、前記振動試験装置の応答時系列信号Rtの周波数スペクトルである応答周波数系列信号Rfとから、補正目標周波数系列信号Tcを生成し、前記応答周波数系列信号Rfと前記駆動時系列信号Dtの周波数スペクトルである駆動周波数系列信号Dfとの比である伝達関数Gfの逆特性である逆伝達関数IGfと、前記補正目標周波数系列信号Tcとから、前記駆動時系列信号Dtを生成する駆動信号補正手段をさらに備え、
    前記目標信号生成手段が、
    前記目標時系列信号Ttに対する変位信号を常に生成するとともに前記変位信号が変位領域の設定限界値を超えたか否かを常に判定することで、該設定限界値を超えずに、かつ、時系列の確率密度の正規分布性、目標PSDプロファイル、RMS値を一定に維持し続ける加速度ランダム信号を生成する加速度ランダム信号生成部をさらに含み、
    前記加速度ランダム信号生成部は、前記変位信号が前記設定限界値を超えた場合には、生成された加速度ランダム信号を破棄し、前記変位信号が前記設定限界値に収まった場合には、生成された加速度ランダム信号を目標時系列信号Ttとして、前記目標周波数系列信号Tfを生成することを特徴とする振動制御装置。
  2. 前記駆動信号生成手段が、
    前記目標周波数系列信号Tfと、前記応答周波数系列信号Rfと、前記駆動周波数系列信号Dfと、から、駆動信号Drを生成する周波数系列信号処理部と、
    前記駆動信号Drから、前記駆動時系列信号Dtを生成する時系列信号への再変換処理部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の振動制御装置。
  3. 被試験体に振動を与える振動試験装置の振動を制御するための振動制御方法であって、
    前記振動試験装置において発生させるランダム振動のスペクトル分布である被試験PSD(Power Spectrum Density)プロファイルから、加速度ランダムな目標時系列信号Ttを生成するとともに、該目標時系列信号Ttから目標周波数系列信号Tfを生成し
    記目標周波数系列信号Tfと、前記振動試験装置の応答時系列信号Rtの周波数スペクトルである応答周波数系列信号Rfとから、補正目標周波数系列信号Tcを生成し、前記応答周波数系列信号Rfと駆動時系列信号Dtの周波数スペクトルである駆動周波数系列信号Dfとの比である伝達関数Gfの逆特性である逆伝達関数IGfと、前記補正目標周波数系列信号Tcとから、前記駆動時系列信号Dtを生成するとともに、
    前記目標時系列信号Ttに対する変位信号を常に生成するとともに前記変位信号が変位領域の設定限界値を超えたか否かを常に判定して、該設定限界値を超えずに、かつ、時系列の確率密度の正規分布性、目標PSDプロファイル、RMS値を一定に維持し続ける加速度ランダム信号を生成し、
    前記加速度ランダム信号の生成に際して、前記変位信号が前記設定限界値を超えた場合には、生成された加速度ランダム信号を破棄し、前記変位信号が前記設定限界値に収まった場合には、生成された加速度ランダム信号を目標時系列信号Ttとして、前記目標周波数系列信号Tfを生成することを特徴とする振動制御方法。
  4. 前記目標周波数系列信号Tfと、前記応答周波数系列信号Rfと、前記駆動周波数系列信号Dfと、から、駆動信号Drを生成するとともに、
    前記駆動信号Drから、前記駆動時系列信号Dtを生成することを特徴とする請求項3に記載の振動制御方法。
  5. 被試験体に振動を与える振動試験装置の振動を制御するための振動制御プログラムであって、
    前記振動試験装置において発生させるランダム振動のスペクトル分布である被試験PSD(Power Spectrum Density)プロファイルから、加速度ランダムな目標時系列信号Ttを生成するとともに、前記目標時系列信号Ttに対する変位信号を常に生成するとともに、前記変位信号が変位領域の設定限界値を超えたか否かを常に判定することで、該設定限界値を超えずに、かつ、時系列の確率密度の正規分布性、目標PSDプロファイル、RMS値を一定に維持し続ける加速度ランダム信号を生成し、前記加速度ランダム信号を前記目標時系列信号Ttとして、目標周波数系列信号Tfを生成する目標信号生成手順と、
    目標周波数系列信号Tfと、応答周波数系列信号Rfと、駆動周波数系列信号Dfと、から駆動時系列信号Dtを生成する駆動信号生成手順と、をコンピュータに実行させるための振動制御プログラムであって、
    前記駆動信号生成手順は、
    前記目標周波数系列信号Tfと、前記振動試験装置の応答時系列信号Rtの周波数スペクトルである応答周波数系列信号Rfとから、補正目標周波数系列信号Tcを生成し、前記応答周波数系列信号Rfと前記駆動時系列信号Dtの周波数スペクトルである駆動周波数系列信号Dfとの比である伝達関数Gfの逆特性である逆伝達関数IGfと、前記補正目標周波数系列信号Tcとから、前記駆動時系列信号Dtを生成する駆動信号補正手順を含み、
    前記目標信号生成手順において、前記変位信号が前記設定限界値を超えた場合には、生成された加速度ランダム信号を破棄し、前記変位信号が前記設定限界値に収まった場合には、生成された加速度ランダム信号を目標時系列信号Ttとして、前記目標周波数系列信号Tfを生成する、ことを特徴とする振動制御プログラム。
  6. 前記駆動信号生成手順が、
    前記目標周波数系列信号Tfと、前記応答周波数系列信号Rfと、前記駆動周波数系列信号Dfと、から、駆動信号Drを生成する周波数系列信号処理手順と、
    前記駆動信号Drから、前記駆動時系列信号Dtを生成する再変換処理手順と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の振動制御プログラム。
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