JP2011027669A - 振動試験装置および振動試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】1自由度系の被試験体の振動試験において、試験相互間に被試験体の重量が変化しても各振動試験前の予備加振を不要にする。
【解決手段】振動試験装置100は、一自由度系の被試験体13をテーブル1に搭載し、加振機2で加振して加振試験する。加振機を制御するサーボ制御装置4と、このサーボ制御装置を制御する加振制御装置3と、テーブルに加振機から加えられる荷重を検出する荷重センサ11と、テーブルの変位を検出する変位センサ5および加速度センサ6とを備える。加振制御装置に、サーボ制御装置を起点としてテーブルを終点とする系の伝達関数を演算する手段と、演算で求めた系の伝達関数を、被試験体の重量と被試験体に加わる荷重とで伝達関数を補正する手段とを設ける。
【選択図】図1
【解決手段】振動試験装置100は、一自由度系の被試験体13をテーブル1に搭載し、加振機2で加振して加振試験する。加振機を制御するサーボ制御装置4と、このサーボ制御装置を制御する加振制御装置3と、テーブルに加振機から加えられる荷重を検出する荷重センサ11と、テーブルの変位を検出する変位センサ5および加速度センサ6とを備える。加振制御装置に、サーボ制御装置を起点としてテーブルを終点とする系の伝達関数を演算する手段と、演算で求めた系の伝達関数を、被試験体の重量と被試験体に加わる荷重とで伝達関数を補正する手段とを設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は振動試験装置および振動試験方法に係り、特に構造物を試験するのに好適な振動試験装置及び振動試験方法に関する。
従来の振動試験装置では、被試験体を設置するテーブルを加振機に接続し、加振機がテーブル上の被試験体を加振する。その際、実際に加振試験を実施する前に被試験体を加振して動的な特性を求め、この動的特性を用いて加振装置や油圧加振機への指令振動波形を補正し、補正した振動波形で被試験体を加振している。
このような従来の振動試験装置の例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の装置では、加振装置が被試験体を加振するときの目標波形信号を生成するため、被試験体を加振した際に生じた振動による変位量や加速度量をフィードバックして目標波形としている。
従来の振動試験装置の他の例が、特許文献2に記載されている。この公報に記載の振動試験装置では、所望の目標波形となるように加振機を駆動するために、目標波形を構成する全周波数帯域を包含するランダム波等の加振指令振動波形を作成し、この振動波形で被試験体が搭載されたテーブルを加振している。そして、実振動信号をディジタル処理して被試験体を含む振動系全体の伝達関数を求め、この伝達関数を用いて指令振動波形を補正している。
上記従来の振動試験装置では、振動試験を行う前に被試験体が搭載されるテーブルが所望の目標波形となるように、加振指令振動波形を補正している。そして、指令振動波形を補正するときは、テーブルに被試験体を搭載した後、初めにランダム波などの基本的な加振指令振動波形を用いてテーブルを加振し、被試験体を含む振動系全体の伝達関数を求めている。その後、得られた伝達関数を用いて加振指令振動波形を補正し、補正した指令振動波形でテーブルを加振している。
しかしながら、たとえば、住宅や橋梁、高層ビル等の建築物、道路や鉄道、モノレール、空港等の地盤上の移動体などを模擬した1自由度系の被試験体の振動試験では、被試験体の重量により振動系全体の伝達関数が異なり、被試験体が異なるたびに、基本的な加振指令振動波形を用いてテーブルを加振して指令振動波形を補正しなければならなかった。このため、被試験体の重量が変更されると振動試験前の準備に多くの時間を費やしていた。
また、振動試験前に被試験体を搭載したテーブルを複数回加振するので、この予備試験において被試験体が変形したり破損したりするおそれがあった。さらに、実際に予備振動試験をしなければ被試験体の応答が分からず、試験前に応答を予測できないので、振動試験を実行したら過大な振動が被試験体に加えられていた、という事態が発生するるおそれがあった。
本発明は、上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は1自由度系の被試験体の振動試験において、試験相互間に被試験体の重量が変化しても各振動試験前の予備加振を不要にすることにある。また、振動試験の準備時間を低減することも本発明の目的である。
上記目的を達成するための本発明の特徴は、一自由度系の被試験体をテーブルに搭載し、加振機で加振して加振試験する振動試験装置において、加振機を制御するサーボ制御装置と、このサーボ制御装置を制御する加振制御装置と、テーブルに加振機から加えられる荷重を検出する荷重センサと、このテーブルの変位を検出する変位センサおよび加速度センサとを備え、加振制御装置に、サーボ制御装置を起点としてテーブルを終点とする系の伝達関数を演算する手段と、演算で求めた系の伝達関数を被試験体の重量とこの被試験体に加わる荷重とで補正する手段とを設けたことにある。そして、補正された伝達関数の逆伝達関数を加振制御装置の加振指令信号に乗ずる手段を設けることが望ましい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、一自由度系の被試験体をテーブルに搭載し、加振機で加振して加振試験する振動試験方法において、初めに被試験体を搭載しない状態でテーブルを加振して、加振機を制御するサーボ制御装置を起点としてテーブルを終点とする系の伝達関数Gを求め、次いで被試験体の重量から被試験体の振動特性Tを求め、この振動特性と先に求めた伝達関数Gとから補正された伝達関数Hを求め、この補正された伝達関数Hに基づいて被試験体の加振指令信号を作成し加振試験するものである。
そしてこの特徴において、振動特性Tは、被試験体の重量をMs、テーブルの重量をMt、目標指令波形をX、被試験体がテーブルに与える荷重をdとしたときに、下式で表されるものである。
F=Mt・G・X
Ys=(F+d)/(Mt+Ms)
T=(Mt・G・X+d)/{G・X(Mt+Ms)}
上記目的を達成する本発明のさらに他の特徴は、被試験体を搭載するテーブルと、このテーブルを加振する加振機と、この加振機を制御するサーボ制御装置と、このサーボ制御装置に目標波形を出力する加振制御装置と、加振機の変位及び圧力、荷重を検出する複数の制御用センサと、テーブルの変位量および加速度量の少なくともいずれかを検出する検出器とを備えた振動試験装置において、加振制御装置は、サーボ制御装置から前記テーブルまでの系の伝達関数Gと、被試験体の振動特性Tとを演算し、求めた伝達関数Gと振動特性とTから被試験対を搭載したときの系の伝達関数Hを求め、求めた前記系の伝達関数Hを用いて加振指令波形を補正するものである。
Ys=(F+d)/(Mt+Ms)
T=(Mt・G・X+d)/{G・X(Mt+Ms)}
上記目的を達成する本発明のさらに他の特徴は、被試験体を搭載するテーブルと、このテーブルを加振する加振機と、この加振機を制御するサーボ制御装置と、このサーボ制御装置に目標波形を出力する加振制御装置と、加振機の変位及び圧力、荷重を検出する複数の制御用センサと、テーブルの変位量および加速度量の少なくともいずれかを検出する検出器とを備えた振動試験装置において、加振制御装置は、サーボ制御装置から前記テーブルまでの系の伝達関数Gと、被試験体の振動特性Tとを演算し、求めた伝達関数Gと振動特性とTから被試験対を搭載したときの系の伝達関数Hを求め、求めた前記系の伝達関数Hを用いて加振指令波形を補正するものである。
本発明によれば、振動試験装置が備えるテーブルに被試験体が搭載されない初期状態でテーブルを加振して伝達関数を求め、被試験体搭載時にはその伝達関数を補正して使用するようにしたので、試験相互間に重量変化があっても振動試験前の予備加振が不要になる。また、振動試験の準備時間を低減できる。
以下、本発明に係る振動試験装置の一実施例を、図面を用いて説明する。なお、各図において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付している。本発明の振動試験装置は、例えば、住宅や橋梁、高層ビル等の建築物、道路や鉄道、モノレール、空港等の地盤上を移動する移動体などを、被試験体の対象とする。また例えば、移動体に搭載される装置や器物なども被試験体の対象となる。
図1に、本発明にかかる振動試験装置100の一実施例の構成を、ブロック図で示す。被試験体13を固定するテーブル1は、軸受7を介して基礎8上に支持されている。ただし、軸受7は必須ではなく、振動試験装置100の構成によっては不要である。油圧加振機2の一端部が、基礎8の側壁に固定されている。油圧加振機2の他端側に設けたピストンの先端部は、テーブル1に接続されている。油圧加振機2のピストンが図中左右方向にピストン運動すると、テーブル1が左右方向に加振される。テーブル1と油圧加振機2間には、テーブル1側からの反力を計測する荷重検出センサ11が取り付けられている。
油圧加振機2には油圧を監視する圧力センサ12が取付けられており、ピストンが左右に運動するときに、油の加圧状態を検出する。油圧加振機2のピストン部には、変位検出器5が設置されており、油圧加振機2のピストンの移動量を検出する。その他油温を検出する温度センサや加振周波数等を検出するセンサ等の各種センサが、必要に応じて取付けられている。また、被試験体を搭載するテーブル1には加速度検出器6が設置されており、テーブル1に加わる加速度を検出する。
油圧加振機2は、サーボ制御装置4を介して上位制御手段である加振制御装置4に接続されている。加振制御装置3は、油圧加振機2が発生すべき目標波形Wを作成し、信号として出力する。そして加振制御装置3は、作成した目標波形Wを指令波形信号Wsとしてサーボ制御装置4に出力する。
サーボ制御装置4は、テーブル1と油圧加振機2に取付けた圧力センサ12や変位検出器5、荷重検出センサ11、加速度検出器6等の各種センサの状態量をフィードバックして目標値と比較し、その偏差に基づいて油圧加振機2を制御する。その際、サーボ制御装置4は、加振制御装置3から入力された指令波形信号Wsを目標値とし、変位検出器5から入力された応答変位信号または加速度検出器6入力された応答加速度信号の少なくともいずれかの信号に基づいてサーボ指令を作成する。作成されたサーボ指令信号は、加振機2を制御する制御信号として用いられる。
サーボ制御装置4および加振制御装置3は、高速にデジタル演算するCPU(Central Processing Unit)および各種情報を記録するメモリやハードディスク等の記憶装置、アナログ信号を出力するアナログ出力装置、外部からアナログ信号を取り込むアナログ入力装置を含んでいる。油圧加振機2の駆動状態を計測する変位検出器5や圧力センサ12、荷重検出センサ11、テーブル1上のセンサである加速度検出器6等の各種センサの出力は、加振制御装置3およびサーボ制御装置4の双方のアナログ入力装置に入力され、これら各信号に基づいて油圧加振機2とテーブル1の状態量が計測される。これらの各種センサが検出した信号を、有線または無線で伝送する。この伝送においては、LAN(Local Area Network)等のネットワーク回線を用いることもできる。
なお、加振制御装置3には、表示部9と入力器10が備えられている。表示部9は、加振制御装置3に接続されており、振動試験装置100を操作するための操作画面、振動試験装置100への指令波形や各種センサの計測結果等を表示する。入力部10は、ユーザが振動試験装置を操作するボタンやマウス、キーボード等であり、表示部9の画面操作や図示しない記録装置およびプリンタ等の操作に使用する。また、テーブル1上面に被試験体13を配置し、地震応答に影響を及ぼす特性の把握あるいは強度や信頼性の実証試験等を行える。
このように構成した本実施例に示す振動試験装置100を用いた振動試験について、以下に詳述する。振動試験を始めるに当たり、加振制御装置3に目標波形Wの条件である振幅量や周波数、出力時間、サンプリング周波数を設定する。加振制御装置3は、設定された条件に応じてサンプリング間隔ごとに得られたデータから目標波形ファイルを作成し、加振制御装置3内の図示しないハードディスクのデータベースに保存する。
ハードディスクに保存された目標波形ファイルの中から、テーブル1に搭載された被試験体13の振動試験に用いる目標波形ファイルが選択され、メモリに目標波形データが設定される。試験開始のスタート信号をトリガとして、メモリからサンプリング間隔ごとに順次データが読み出される。読み出された変位や荷重等の物理量は電気量に変換され、最終的に目標波形信号がサーボ制御装置4に出力される。
サーボ制御装置4は入力された指令波形信号Wsを、テーブル1および油圧加振機2に取り付けた各種センサからフィードバックされたデータと比較し、その偏差に基づいて油圧加振機2を制御する。その際、油圧加振機に取り付けた圧力センサ12が予め定めた時間間隔で、油圧加振機2の油圧を検出し、検出した油圧データを加振制御装置3とサーボ制御装置4とに出力する。
同様に、油圧加振機2には変位検出器5も取り付けられており、予め定めた時間間隔で油圧加振機2のピストンの移動量を検出する。検出された変位量は変位データとして加振制御装置3とサーボ制御装置4に入力される。振動テーブル1に加速度検出器6が取り付けられており、加速度検出器6は予め定めた時間間隔で、テーブル1の加速度を検出する。検出された加速度データは、加振制御装置3とサーボ制御装置4とに入力される。
このようなフィードバック制御がなされているが、被試験体13の重量を変えてさらに試験を進める場合には、指令波形を補正処理する必要が生じる。この振動試験装置100の指令波形を補正処理する動作を、図2を用いて説明する。図2に、サーボ制御装置4からテーブル1までの伝達関数を求めて指令波形を補正する一連の処理フローを、ブロック図で示す。
加振制御装置3は、指令波形補正処理手段31および信号出力処理手段32、伝達関数計算処理手段33、振動特性計算処理手段34を備えている。信号出力処理手段32が、指令波形補正処理手段31が補正した指令波形信号を、伝達関数計算処理手段33とサーボ制御装置4に出力する。加振制御装置3がサーボ制御装置4に指令して油圧加振機2を駆動すると、テーブル1および油圧加振機2に取付けた各種センサが検出した変位信号と加速度信号が、加振制御装置3の伝達関数計算処理手段33に入力される。
入力された変位信号と加速度信号を用いて伝達関数計算処理手段33は、サーボ制御装置4からテーブル1までの伝達関数を求める。求められた伝達関数は、周波数成分別に加振制御装置3内の図示しない記録装置に保存される。それとともに、指令波形補正手段31に入力される。
加振制御装置3が備える振動特性計算処理手段34は、加振試験でテーブル1に搭載する被試験体13の重量を用いて、被試験体13の振動特性を求める。求めた振動特性を、加振制御装置3の指令波形補正手段31に入力する。加振制御装置3が備える指令波形補正手段31は、サーボ制御装置4から被試験体13を含むテーブル1までの伝達関数を求め、被試験体13を加振試験するための指令波形信号として補正する。指令波形補正手段31は、被試験体13の応答変位予測を計算する。この予測値を用いて、予め定めた許容範囲にあるかどうか確認する。
振動試験装置100が備える加振制御装置3における指令波形信号の補正手順を、図3を用いて説明する。図3は、指令波形信号の補正手順を示すフローチャートである。指令波形を補正する手順が選択されると、加振制御装置3が目標波形Wを作成する(ステップ51)。目標波形としては、正弦波やランダム波等、様々な振動波形を用いることが可能である。ここでは、目標波形が正弦波またはランダム波の加速度波形の場合について説明する。
目標波形Wが正弦波の場合には、ユーザは加振制御装置3に振幅量および周波数、波数、等を設定して正弦波形を作成する。一方、目標波形がランダム波の場合には、最大振幅量および周波数帯域、波形時間等を設定してランダム波形を作成する。作成した目標波形Wのデータ値を、Xとする。なお、過去の地震波形や振動波形等のデータ、例えば加速度データ等を外部から取り込み、目標波形を設定しても良い。
目標波形Wのデータ値Xをフーリエ変換する。フーリエ変換された目標波形の値をXfとすれば、Xfは式(1)で表される。ここで、FFT(x)はフーリエ変換を意味する。フーリエ変換された目標波形値Xfは、周波数成分別に加振制御装置3内の図示しない記憶装置に保存される(ステップ52)。
Xf=FFT(X) ‥‥‥式(1)
次に、振動試験を開始する前に、サーボ制御装置4から油圧加振機2を含むテーブル1までの伝達関数Gを演算する。油圧加振機2を駆動して、予め定めた加振可能な振幅量の範囲である加振限界に比べて十分小さい振幅量のランダム波等を目標波形として、テーブル1を予備的に加振する。このとき、テーブル1上には、被試験体13を搭載しない。
Xf=FFT(X) ‥‥‥式(1)
次に、振動試験を開始する前に、サーボ制御装置4から油圧加振機2を含むテーブル1までの伝達関数Gを演算する。油圧加振機2を駆動して、予め定めた加振可能な振幅量の範囲である加振限界に比べて十分小さい振幅量のランダム波等を目標波形として、テーブル1を予備的に加振する。このとき、テーブル1上には、被試験体13を搭載しない。
目標波形が振幅量の場合に、目標波形をX、応答波形をYt、伝達関数をGとすると、伝達関数Gは、式(2)から求められる。求めた伝達関数Gは、周波数成分別に加振制御装置3内の記録装置に記憶される(ステップ53) 。
G=Yt/X ‥‥‥式(2)
また、テーブル1の重量をMt、油圧加振機2がテーブル1に与える荷重をFとすると、油圧加振機2がテーブル1に与える荷重Fは、式(3)で求められる。
F=Mt・G・X ‥‥‥式(3)
次いでステップ54では、初めに被試験体13の重量を、入力器10を用いて加振制御装置3に入力する。入力された被試験体13の重量に基づいて、加振制御装置3は被試験体13の振動特性Tを演算する。振動特性Tの演算においては、被試験体13の重量をMs、被試験体13がテーブル1に与える荷重をdとする。被試験体13を搭載したときの応答波形をYsとすると、被試験体13を搭載したときの応答波形Ysは、式(4)から求められる。
Ys=(F+d)/(Mt+Ms) ‥‥‥式(4)
式(2)および式(3)、式(4)から、被試験体13の振動特性Tは式(5)の形で求められる。
T=Ys/Yt=(Mt・G・X+d)/{G・X(Mt+Ms)}‥‥‥式(5)
被試験体13からテーブル1に加わる荷重dの計算については、詳細を後述する。
また、テーブル1の重量をMt、油圧加振機2がテーブル1に与える荷重をFとすると、油圧加振機2がテーブル1に与える荷重Fは、式(3)で求められる。
F=Mt・G・X ‥‥‥式(3)
次いでステップ54では、初めに被試験体13の重量を、入力器10を用いて加振制御装置3に入力する。入力された被試験体13の重量に基づいて、加振制御装置3は被試験体13の振動特性Tを演算する。振動特性Tの演算においては、被試験体13の重量をMs、被試験体13がテーブル1に与える荷重をdとする。被試験体13を搭載したときの応答波形をYsとすると、被試験体13を搭載したときの応答波形Ysは、式(4)から求められる。
Ys=(F+d)/(Mt+Ms) ‥‥‥式(4)
式(2)および式(3)、式(4)から、被試験体13の振動特性Tは式(5)の形で求められる。
T=Ys/Yt=(Mt・G・X+d)/{G・X(Mt+Ms)}‥‥‥式(5)
被試験体13からテーブル1に加わる荷重dの計算については、詳細を後述する。
サーボ制御装置4から被試験体13を搭載したテーブル1までの伝達関数をHとすると、被試験体13を搭載したときの伝達関数Hは、式(6)で求められる(ステップ55)。
H=G・T ‥‥‥式(6)
伝達関数Hが求められたので、ステップ56では逆伝達関数H−1を用いて指令波形を補正する。すなわち、フーリエ変換後の目標波形Xfに、逆伝達関数H−1を乗算する。この値をIとする。
I=Xf・H−1 ‥‥‥式(7)
逆伝達関数H−1を用いて補正したフーリエ変換後の目標波形Iを逆フーリエ変換して、補正した目標波形Jを、式(8)の形で得る(ステップ57)。ここで、IFFT(I)は、逆フーリエ変換を意味する。
J=IFFT(I) ‥‥‥式(8)
これで、指令波形の補正が終了する。
H=G・T ‥‥‥式(6)
伝達関数Hが求められたので、ステップ56では逆伝達関数H−1を用いて指令波形を補正する。すなわち、フーリエ変換後の目標波形Xfに、逆伝達関数H−1を乗算する。この値をIとする。
I=Xf・H−1 ‥‥‥式(7)
逆伝達関数H−1を用いて補正したフーリエ変換後の目標波形Iを逆フーリエ変換して、補正した目標波形Jを、式(8)の形で得る(ステップ57)。ここで、IFFT(I)は、逆フーリエ変換を意味する。
J=IFFT(I) ‥‥‥式(8)
これで、指令波形の補正が終了する。
ここで、被試験体13の一例の正面図を、図4に示す。被試験体13は、ベース部133に柱部132が立設されており、柱部132の上端には天板部134が設けられている。ベース部133および柱部132、天板部134は一体となって支持部材135を構成する。天板部134の上面には、ウエイト131が取付けられている。すなわち、被試験体13の重心は、上下方向に中央よりも上部に位置している。テーブル1の上面に被試験体13を搭載し、ベース部133をテーブル1に固定する。被試験体13は1自由度系の構造物であり、ウエイト131の重量をm、支持部材135の剛性をk、支持部材135の減衰係数をc、ラプラス演算子をsとすると、被試験体13がテーブル1に加える荷重dは、式(9)となる。
d=k・m・Yt/(m・s2+c・s+k) ‥‥‥式(9)
また、想定される被供試体13の応答変位予測Rは、式(10)で求められる。
また、想定される被供試体13の応答変位予測Rは、式(10)で求められる。
R=F/(m・s2+c・s+k) ‥‥‥式(10)
ウエイト131の重量mを種々変えて振動試験をするが、支持部材135の形状は変わらない。そのため、一体物の剛性kおよび減衰係数cは、どの振動試験でも不変である。そこで、被試験体13がテーブル1に加える荷重dおよび被試験体13の振動特性T、想定される被供試体13の応答変位予測Rを、ウエイト131の重量mをパラメータとして求めることができる。なお、想定される被試験体13の応答変位予測Rが予め定めた許容値より過大になるときは、目標波形Wを再設定する。
ウエイト131の重量mを種々変えて振動試験をするが、支持部材135の形状は変わらない。そのため、一体物の剛性kおよび減衰係数cは、どの振動試験でも不変である。そこで、被試験体13がテーブル1に加える荷重dおよび被試験体13の振動特性T、想定される被供試体13の応答変位予測Rを、ウエイト131の重量mをパラメータとして求めることができる。なお、想定される被試験体13の応答変位予測Rが予め定めた許容値より過大になるときは、目標波形Wを再設定する。
図3に示したフローチャートに従って被試験体13を振動試験を実施する際に、1回目の試験を実施した後、被試験体13の重量Msを変化させて再度振動試験する場合について以下に説明する。被試験体13の重量Msが変化しているので、指令波形信号も更新する必要がある。ただし、すでに被試験体13の重量Msを更新する前に加振試験しているので、目標波形Wは設定されている。また、目標波形Wのデータ値Xをフーリエ変換した目標波形Xfおよびサーボ制御装置4から油圧加振機2を含むテーブル1までの伝達関数Gは、加振制御装置3内の図示しない記録装置に記憶されている。このため、図3のステップ51〜ステップ53までを省略できる。
更新された被試験体13の重量Msを、入力器10から加振制御装置3に入力する(ステップ54)。加振制御装置3は、被試験体13の振動特性Tを演算する。被試験体13を搭載したときの応答波形をYsを式(4)から、被試験体13の振動特性Tを式(5)から求める。
Ys=(F+d)/(Mt+Ms) ‥‥‥式(4)
T=(Mt・G・X+d)/{G・X(Mt+Ms)}‥‥‥式(5)
次いで、サーボ制御装置4から被試験体13を搭載したテーブル1までの伝達関数Hを求める。サーボ制御装置4から被試験体13を搭載したテーブル1までの伝達関数Hは、式(6)から求められる(ステップ55)。
H=G・T ‥‥‥式(6)
式(7)に示すように、フーリエ変換後の目標波形Xfに逆伝達関数H−1を乗算して、フーリエ変換後の補正した目標波形Iを得る。
I=Xf・H−1 ‥‥‥式(7)
値Iを逆フーリエ変換し、補正した指令波形Jを式(8)から求める(ステップ56)。
J=FFT(I) ‥‥‥式(8)
以上で、更新された被試験体13を加振試験するときに用いる指令波形の補正が終了する。
Ys=(F+d)/(Mt+Ms) ‥‥‥式(4)
T=(Mt・G・X+d)/{G・X(Mt+Ms)}‥‥‥式(5)
次いで、サーボ制御装置4から被試験体13を搭載したテーブル1までの伝達関数Hを求める。サーボ制御装置4から被試験体13を搭載したテーブル1までの伝達関数Hは、式(6)から求められる(ステップ55)。
H=G・T ‥‥‥式(6)
式(7)に示すように、フーリエ変換後の目標波形Xfに逆伝達関数H−1を乗算して、フーリエ変換後の補正した目標波形Iを得る。
I=Xf・H−1 ‥‥‥式(7)
値Iを逆フーリエ変換し、補正した指令波形Jを式(8)から求める(ステップ56)。
J=FFT(I) ‥‥‥式(8)
以上で、更新された被試験体13を加振試験するときに用いる指令波形の補正が終了する。
従来は被試験体の各状態で加振して伝達関数を求め、その伝達関数を用いて指令波形を補正していた。これに対し本実施例によれば、被試験体を搭載しない状態で加振して得られる伝達関数と被試験体の重量から得られる振動特性とを用いて、サーボ制御装置から被試験体を含むテーブルまでの伝達関数を求めることができるので、被試験体の重量変更にかかわらず、容易に加振指令波形が得られる。
すなわち、実際の加振試験の前の予備の加振試験やその加振結果に基づく目標波形の補正の手間が省ける。この結果、振動試験の準備に多くの時間を費やすことが無くなった。また、振動試験前に被試験体を搭載した振動試験装置を複数回加振する必要がなく、振動試験前に被試験体を変形または破損させる恐れを回避できる。さらに、過大な振動を被試験体に加える恐れがなく、振動試験を許容加振量内で実施できる。本実施例により、振動試験装置の運用効率が高まった。
なお、本実施例で示した振動試験装置は左右方向に加振するものであるが、上下方向に加振できるものであっても良く、また複数方向に加振できるものでも良い。さらに、加振機の据え付け方も図1以外の方法、例えば基礎に埋め込む代わりにフレームをもうけて固定する方法でも良い。加振機も油圧加振機を例としたが、電磁加振機等の他の種類の加振機でもよい。被試験体の振動特性計算処理手段を加振制御装置に設けているが、外部の演算処理部として別に設けても良い。加振制御部とサーボ制御部とを別個に設けたが、一体化しても良い。
1:テーブル、2:油圧加振機、3:加振制御装置、4:サーボ制御装置、5:変位検出器、6:加速度検出器、7:軸受、8:基礎、9:表示器、10:入力部、11:荷重検出センサ、12:圧力センサ、13:被試験体、31:指令波形補正処理手段、32:信号出力処理手段、33:伝達関数計算処理手段、34:振動特性計算処理手段、100:振動試験装置、131:ウエイト、132:柱部、135:指示部材、T:振動特性。
Claims (5)
- 一自由度系の被試験体をテーブルに搭載し、加振機で加振して加振試験する振動試験装置において、前記加振機を制御するサーボ制御装置と、このサーボ制御装置を制御する加振制御装置と、前記テーブルに加振機から加えられる荷重を検出する荷重センサと、このテーブルの変位を検出する変位センサおよび加速度センサとを備え、前記加振制御装置に、前記サーボ制御装置を起点として前記テーブルを終点とする系の伝達関数を演算する手段と、演算で求めた前記系の伝達関数を前記被試験体の重量とこの被試験体に加わる荷重とで補正する手段とを設けたことを特徴とする振動試験装置。
- 前記補正された伝達関数の逆伝達関数を前記加振制御装置の加振指令信号に乗ずる手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の振動試験装置。
- 一自由度系の被試験体をテーブルに搭載し、加振機で加振して加振試験する振動試験方法において、初めに被試験体を搭載しない状態で前記テーブルを加振して、前記加振機を制御するサーボ制御装置を起点として前記テーブルを終点とする系の伝達関数を求め、次いで被試験体の重量から被試験体の振動特性Tを求め、この振動特性と先に求めた伝達関数Gとから補正された伝達関数Hを求め、この補正された伝達関数Hに基づいて被試験体の加振指令信号を作成し加振試験することを特徴とする振動試験方法。
- 前記振動特性Tは、被試験体の重量をMs、テーブルの重量をMt、目標指令波形をX、被試験体がテーブルに与える荷重をdとしたときに、下式で表されるものであることを特徴とする請求項3に記載の振動試験方法。
F=Mt・G・X
Ys=(F+d)/(Mt+Ms)
T=(Mt・G・X+d)/{G・X(Mt+Ms)} - 被試験体を搭載するテーブルと、このテーブルを加振する加振機と、この加振機を制御するサーボ制御装置と、このサーボ制御装置に目標波形を出力する加振制御装置と、前記加振機の変位及び圧力、荷重を検出する複数の制御用センサと、前記テーブルの変位量および加速度量の少なくともいずれかを検出する検出器とを備えた振動試験装置において、
前記加振制御装置は、前記サーボ制御装置から前記テーブルまでの系の伝達関数Gと、前記被試験体の振動特性Tとを演算し、求めた伝達関数Gと振動特性とTから前記被試験対を搭載したときの前記系の伝達関数Hを求め、求めた前記系の伝達関数Hを用いて加振指令波形を補正するものであることを特徴とする振動試験装置。
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-
2009
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