JP3223852B2 - 空気力測定装置並びにその測定装置を用いた揚力・モーメント測定システム装置 - Google Patents

空気力測定装置並びにその測定装置を用いた揚力・モーメント測定システム装置

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JP3223852B2
JP3223852B2 JP19692697A JP19692697A JP3223852B2 JP 3223852 B2 JP3223852 B2 JP 3223852B2 JP 19692697 A JP19692697 A JP 19692697A JP 19692697 A JP19692697 A JP 19692697A JP 3223852 B2 JP3223852 B2 JP 3223852B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気力測定装置並び
にその測定装置を用いた揚力・モーメント測定システム
装置、特に風洞試験において、送風時における空気の振
動が模型に作用する力を測定する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の送風時における空気の振動が模型
に作用する力(以下、「非定常空気力」という)を測定
する方法は、自由振動法と強制振動法に大別される。こ
の自由振動法と強強制振動法は、書籍(題名が「耐風構
造」、著者が「岡内功、伊藤 学、宮田 利雄」、発行
者が「丸善株式会社」)の第359頁に記載されてい
る。このうちの強制振動法は、送風時に模型を強制加振
させて模型に作用する力を測定して非定常空気力を検出
する方法である。
【0003】図6は強制振動法を実施する従来の空気力
測定装置を示す構成図、図7は図6のA−A線断面図、
図8は同空気力測定装置の模型支持部分を拡大して示す
構成図、図9は同空気力測定装置を用いた揚力・モーメ
ント測定システム装置のブロック図、図10は模型側ロ
ードセル出力と重錘側ロードセル出力から非定常空気力
を算出している様子を示す説明図である。図6〜図8に
おいて、1は風を発生させて送る送風源である送風部、
2は送風部1に接続され、送風部1からの風を逃さない
ようにして案内する送風フード、3は送風フード2の下
流側に接続され、送風フード2に案内されてきた風を通
過させる測定洞である。4は測定洞3の下方の床5に設
置され、測定洞3の上流側に2個、下流側に2個配置さ
れた加振装置で、各加振装置4は加振ロッド4aと加振
ロッド4aを上下方向に加振させる加振シリンダ4bと
で構成されている。4個の加振装置4の加振ロッド4a
の先端部で測定洞3内に配設された模型6の両端部を支
持している。
【0004】加振ロッド4aの先端部が模型6を支持す
る状態を更に詳しく説明すると、上流側と下流側の各加
振ロッド4aの先端部には振動伝達部材である模型支持
棒7がそれぞれ直交して取り付けられている。その各模
型支持棒7の一端に模型6の端部が接続され、模型支持
棒7の他端にダミー重錘8が接続されている。また、図
8に示すように上流側の各々の模型支持棒7の一端と模
型6の上流側端部との間には模型6の上流側端部に加わ
る力を検出する荷重検出器である上流模型側ロードセル
9a、9a’がそれぞれ介装されており、上流側の各々
の模型支持棒7の他端とダミー重錘8との間には上流側
のダミー重錘8にかかる力を検出する荷重検出器である
上流重錘側ロードセル10a、10a’がそれぞれ介装
されている。さらに、下流側の各々の模型支持棒7の一
端と模型6の下流側端部との間には模型6の下流側端部
に加わる力を検出する荷重検出器である下流模型側ロー
ドセル9b、9b’がそれぞれ介装されており、下流側
の各々の模型支持棒7の他端とダミー重錘8との間には
下流側のダミー重錘8にかかる力を検出する荷重検出器
である下流重錘側ロードセル10b、10b’がそれぞ
れ介装されている。
【0005】図9において、11aは上流模型側ロード
セル9aと9a’の出力を加算する上流模型側の加算
器、11a’は上流重錘側ロードセル10aと10a’
の出力を加算する上流重錘側の加算器、11bは下流模
型側ロードセル9bと9b’の出力を加算する下流模型
側の加算器、11b’は下流重錘側ロードセル10bと
10b’の出力を加算する下流重錘側の加算器、12a
は上流模型側の加算器11aの加算出力と上流重錘側の
加算器11a’の加算出力を減算する上流側減算器、1
2bは下流模型側の加算器11bの加算出力と下流重錘
側の加算器11b’の加算出力を減算する下流側減算
器、13aは上流側減算器12aと下流側減算器12b
の出力を加算して揚力を出力する加算器、13bは上流
側減算器11aと下流側減算器11bの出力を減算する
減算器、14は減算器13bの出力と予め設定された模
型6の中心から端部までの距離(以下、「アーム長」と
いう)を乗算してモーメントを出力する乗算器である。
15は上流及び下流重錘用の各ロードセルの出力をそれ
ぞれ増大させる倍率器で、ロードセル出力に乗ずる倍率
は、無風時に加振した時に揚力とモーメント力が0とな
るように設定する。図9に示す揚力・モーメント測定シ
ステム装置は上流及び下流模型側ロードセル9a、9
a’9b、9b’〜倍率器15で構成されている。
【0006】従来の空気力測定装置は上記のように構成
され、例えば模型6に対する非定常空気力を測定する場
合、送風部1から風を測定洞3に向けて送風している状
態で、4個の加振装置4の加振ロッド4aをそれぞれ上
下方向に動作させて加振ロッド4aの先端部に支持され
ている模型6を加振させる。このとき、上流側と下流側
との加振装置4を同相で加振すると鉛直たわみ加振とな
り、上流側と下流側との加振装置4を逆相で加振すると
ねじれ加振となり、上流側と下流側の加振装置4の加振
に対して位相差と振幅差を与えることによって鉛直たわ
み加振とねじれ加振の連成加振が得られる。
【0007】送風時に上流側と下流側との加振装置4を
同相又は逆相で加振し、加振されている模型6に作用す
る力を上流及び下流模型側ロードセル9a、9a’、9
b、9b’により測定すれば、送風時における鉛直たわ
み加振又はねじれ加振における模型6に作用する力であ
る非定常空気力が得られる。さらに、揚力・モーメント
測定システムは上流及び下流模型側ロードセル9a、9
a’、9b、9b’により測定した模型6の上流側と下
流側の非定常空気力から計算により送風時における鉛直
たわみ加振又はねじれ加振についての模型6の揚力とモ
ーメントを求めるものである。
【0008】ところで、上流及び下流模型側ロードセル
9a、9a’、9b、9b’は振動中の模型6の支持点
の反力を測定するものであるが、測定される反力には、
測定対象である非定常空気力の他に模型6の慣性力が加
わってしまうため、模型6の慣性力を除去する作業が必
要となる。そこで、従来の空気力測定装置では、模型6
の上流側と下流側にその慣性力に対向する慣性力を生じ
させるダミー重錘8をそれぞれ設け、そのダミー重錘8
により生じた慣性力を上流側及び下流側ダミー用ロード
セル10a、10a’、10b、10b’によって別途
検出し、上流及び下流模型側ロードセル9a、9a’、
9b、9b’により測定した模型6の慣性力を含む非定
常空気力から上流及び下流重錘側ロードセル10a、1
0a’、10b、10b’により測定したダミー重錘8
の慣性力を引き、ダミー重錘8の慣性力により模型6の
慣性力をキャンセルさせて模型6の非定常空気力を求め
るようにしている(図10)。
【0009】また、空気力測定装置を用いた揚力・モー
メント測定システム装置では、送風時にダミー重錘8の
慣性力により模型6の慣性力をキャンセルさせることが
できるようにするために、予め空気力が生じない無風時
に模型6を加振させて得られた上流の模型側ロードセル
9aと重錘側ロードセル10aの測定値の差及び上流の
模型側ロードセル9a’と重錘側ロードセル10a’の
測定値の差がそれぞれ0になるようにすると共に、模型
6を加振させて得られた下流の模型側ロードセル9bと
重錘側ロードセル10bの測定値の差及び下流の模型側
ロードセル9b’と重錘側ロードセル10b’の測定値
の差がそれぞれ0になるように上流側と下流側における
両者のロードセルの出力を調整しておくことにより、ダ
ミー重錘8の慣性力により模型6の慣性力をキャンセル
するようにしている。従って、送風時において上流及び
下流模型側ロードセル9a、9a’、9b、9b’によ
り測定した模型6の慣性力を含む非定常空気力から上流
及び下流重錘側ロードセル10a、10a’、10b、
10b’により測定したダミー重錘8の慣性力を引くこ
とで、ダミー重錘8の慣性力により模型6の慣性力をキ
ャンセルさせた模型6の非定常空気力を求めることがで
きることとなる。
【0010】次に、図9に示す従来の空気力測定装置を
用いた揚力・モーメント測定システム装置により、送風
時における模型6の揚力とモーメントを求める動作につ
いて具体的に説明する。まず、送風時において4個の加
振装置4を動作させ、模型6を加振させて得られた上流
の模型側ロードセル9aと9a’の測定値の加算値を上
流模型側の加算器11aで求め、上流の重錘側ロードセ
ル10aと10a’の測定値の加算値を上流重錘側の加
算器11a’で求める。そして、上流模型側の加算器1
1aの加算値の出力と上流重錘側の加算器11a’の加
算値の出力の差を上流側減算器12aで求める。
【0011】また、模型6を加振させて得られた下流の
模型側ロードセル9bと9b’の測定値の加算値を上流
模型側の加算器11bで求め、下流の重錘側ロードセル
10bと10b’の測定値の加算値を下流重錘側の加算
器11b’で求める。そして、下流模型側の加算器11
bの加算値の出力と下流重錘側の加算器11b’の加算
値の出力の差を下流側減算器12bで求める。次に、加
算器13aでは上流側減算器12aが求めた差と下流側
減算器12bが求めた差を加算して送風時における模型
6の揚力を求め、減算器13bでは上流側減算器12a
が求めた差と下流側減算器12bが求めた差を減算し、
乗算器14では減算器13bが減算して得られた値にア
ーム長を乗算して送風時における模型6のモーメントを
求める。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の空気力測定装置
を用いた揚力・モーメント測定システム装置において
は、空気力測定装置に送風時に模型6の慣性力をキャン
セルさせることができるようにするためダミー重錘8を
設けているため、ダミー重錘8の分だけ加振装置4や模
型支持棒7に過剰な負荷がかかり、非定常空気力を求め
るために上流及び下流の重錘側ロードセル10a、10
a’、10b、10b’の出力に倍率器15で倍率をか
けるとはいえ、ある程度模型6の重量に見合ったダミー
重錘8を用いなければ非定常空気力を精度良く測定する
ことはできず、模型6が重くなるほど実験が困難となる
という問題があった。さらに、非定常空気力は模型6の
慣性力に比べて微少なため、空気の振動中の模型6に作
用する微小な空気力を精度良く測定することは難しく、
また非定常空気力の検出に計測器の能力を十分発揮させ
ることができず、測定誤差が大きくなってしまうという
問題点もあった。
【0013】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、模型の慣性力を打ち消すように制御力を
作用させる加力装置を設けてダミー重錘を使用しないよ
うにすることにより、重量のある模型の実験を容易と
し、空気の振動中の模型に作用する微小な空気力を精度
良く測定することができ、測定誤差が小さい空気力測定
装置並びにその測定装置を用いた揚力・モーメント測定
システム装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る空気力測定
装置は、送風源からの風を逃さないように案内する送風
フードと、送風フードの下流側に接続され、送風フード
に案内されてきた風を通過させる測定洞と、測定洞内に
配設された模型の端部に接続された上流側で2本と下流
側で2本の模型支持棒をそれぞれ支持する加振用ロッド
を有し、且つ各加振用ロッドを上下動させて模型を加振
させる4個の加振装置と、各加振装置の各加振用ロッド
に固定され、送風時に生じる模型の慣性力を打ち消すよ
うに制御力を発生し、その制御力を模型に加力する加力
装置と、各模型支持棒にそれぞれ設けられ、送風時にお
ける空気の振動が模型の端部に作用する力を検出する4
個の上流及び下流模型側荷重検出器とを備えてなるもの
である。
【0015】本発明の空気力の測定装置においては、4
個の加振装置がその加振ロッドを上下動させて測定洞内
に配設された模型を加振し、また各加振用ロッドに固定
された加力装置が送風時に生じる模型の慣性力を打ち消
すように制御力を発生し、その制御力を模型に加力し、
模型の各模型支持棒にそれぞれ設けられた4個の上流及
び下流模型側荷重検出器が送風時における空気の振動が
模型の端部に作用する力を検出するようにしているの
で、模型に生じる慣性力が加力装置の制御力によってキ
ャンセルされ、模型側荷重検出器が検出する力が送風に
より模型に作用する反力としてそのまま非定常空気力と
なることにより、計測器の測定可能範囲一杯までロード
セル出力に倍率をかけることができ、非定常空気力の測
定精度が格段に向上する。また、非定常空気力を測定す
る際に、重錘を使用する必要がなくなり、重量のある模
型の実験が容易になる。
【0016】また、本発明に係る空気力測定装置を用い
た揚力・モーメント測定システム装置は、送風源からの
風を逃さないように案内する送風フードと、送風フード
の下流側に接続され、送風フードに案内されてきた風を
通過させる測定洞と、測定洞内に配設された模型の端部
に接続された上流側で2本と下流側で2本の模型支持棒
をそれぞれ支持する加振用ロッドを有し、且つ各加振用
ロッドを上下動させて模型を加振させる4個の加振装置
と、各加振装置の各加振用ロッドに固定され、送風時に
生じる模型の慣性力を打ち消すように制御力を発生し、
その制御力を模型に加力する加力装置と、上流側の2個
の模型側荷重検出器の出力を加算して上流側加算出力を
出力する上流模型側の加算器と、下流側の2個の模型側
荷重検出器の出力を加算して下流側加算出力を出力する
下流模型側の加算器と、上流側の加算器の加算出力と下
流側の加算器の加算出力とを加算して揚力を出力する加
算器と、上流側の加算器の加算出力と下流側の加算器の
加算出力とを減算する減算器と、減算器が減算した出力
と予め設定された模型のアーム長を乗算してモーメント
を出力する乗算器とで構成されている。
【0017】また、本発明の空気力測定装置を用いた揚
力・モーメント測定システム装置は、送風時において4
個の加振装置がその加振ロッドを上下動させて測定洞内
に配設された模型を加振し、また各加振用ロッドに固定
された加力装置が送風時に生じる模型の慣性力を打ち消
すように制御力を発生し、その制御力を模型に加力し、
このようにして得られた模型の上流側の2個の模型側荷
重検出器の出力の加算値を上流模型側の加算器で求め、
下流側の2個の模型側荷重検出器の測定値の加算値を下
流模型側の加算器で求め、加算器では上流模型側の加算
器の加算出力と下流模型側加算器の加算出力を加算して
送風時における模型の揚力を求め、減算器では上流模型
側の加算器の加算出力と下流模型側加算器の加算出力を
減算し、乗算器では減算器が減算して得られた値にアー
ム長を乗算して送風時における模型のモーメントを求め
るようにしているので、従来例の空気力測定装置を用い
たものでは必要であった上流側及び下流側減算器が不要
となって簡単な構成で済み、しかもダミー重錘を使用す
る必要がなくなって慣性力の除去計算作業もないために
模型の揚力とモーメントの測定精度も格段に向上するこ
ととなる。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1の空気力測
定装置を示す構成図、図2は図1のA−A線断面図、図
3は同空気力測定装置の模型支持部分を拡大して示す構
成図、図4は同空気力測定装置を用いた揚力・モーメン
ト測定システム装置のブロック図、図5はロードセルで
検出される力、模型に作用する慣性力、模型に作用する
非定常空気力、加力装置で発生する制御力の関係を示す
説明図である。図1〜図3において、1は風を発生させ
て送る送風源である送風部、2は送風部1に接続され、
送風部1からの風を逃さないように案内する送風フー
ド、3は送風フード2の下流側に接続され、送風フード
2に案内されてきた風を通過させる測定洞である。4は
測定洞3の下方の床5に設置され、測定洞3の上流側に
2個、下流側に2個配置された加振装置で、各加振装置
4は加振ロッド4aと加振ロッド4aを上下方向に加振
させる加振シリンダ4bとで構成されている。4個の加
振装置4の加振ロッド4aの先端部で測定洞3内に位置
して模型6の両端部を支持している。
【0019】加振ロッド4aの先端部が模型6を支持す
る状態を更に詳しく説明すると、上流側と下流側の各加
振ロッド4aの先端部には振動伝達部材である模型支持
棒7の一端がそれぞれ直交して取り付けられている。そ
の各模型支持棒7の他端に模型6の端部が接続されてい
る。また、上流側の各々の模型支持棒7の他端と模型6
の上流側端部との間には模型6の上流側端部に加わる力
を検出する荷重検出器である上流模型側ロードセル9
a、9a’がそれぞれ介装されている。さらに、下流側
の各々の模型支持棒7の他端と模型6の下流側端部との
間には模型6の下流側端部に加わる力を検出する荷重検
出器である下流模型側ロードセル9b、9b’がそれぞ
れ介装されている。
【0020】また、21は各加振装置4によって模型6
と一緒に加振され、且つ後述する制御装置の指示値に基
づいて模型6に制御力を加える加力装置で、加力ロッド
21aと加力ロッド21aを上下方向に加力させる加力
シリンダ21bとで構成され、その加力ロッド21aの
先端部は各模型支持棒7に連結され、その加力シリンダ
21bは連結部材22を介して各加振ロッド4に固定さ
れている。23は模型6に取り付けられ、模型6の振動
を測定する振動測定装置、24は振動測定装置23の測
定値に基づいて制御力を決定し、加力装置21に制御力
の指示値を出力する制御装置である。
【0021】図4に示す揚力・モーメント測定システム
装置は、上流側及び下流側の模型側ロードセル9a、9
a’9b、9b’と、これらロードセル9a、9a’9
b、9b’の出力をそれぞれ増大させる倍率器15と、
上流側の2個の模型側ロードセル9a、9a’の倍率器
15によって増大させられた出力を加算して上流側加算
出力を出力する上流側模型側の加算器11aと、下流側
の2個の模型側ロードセル9b、9b’の倍率器15に
よって増大させられた出力を加算して下流側加算出力を
出力する下流側模型側の加算器11bと、上流側の加算
器11aの加算出力と下流側の加算器11bの加算出力
とを加算して揚力を出力する加算器13aと、上流側の
加算器11aの加算出力と下流側の加算器11bの加算
出力とを減算する減算器13bと、減算器13bが減算
した出力と予め設定された模型6のアーム長を乗算して
モーメントを出力する乗算器14とで構成されている。
【0022】本発明に実施の形態1の空気力測定装置は
上記のように構成され、例えば模型6に対する非定常空
気力を測定する場合、送風部1から風を測定洞3に向け
て送風している状態で、4個の加振装置4の加振ロッド
4aをそれぞれ上下方向に動作させて加振ロッド4aの
先端部に支持されている模型6を加振させる。このと
き、上流側と下流側との加振装置4を同相で加振すると
鉛直たわみ加振となり、上流側と下流側との加振装置4
を逆相で加振するとねじれ加振となり、上流側と下流側
の加振装置4の加振に対して位相差と振幅差を与えるこ
とによって鉛直たわみ加振とねじれ加振の連成加振が得
られる。
【0023】送風時に上流側と下流側との加振装置4を
同相又は逆相で加振し、加振されている模型6に作用す
る力を上流及び下流模型側ロードセル9a、9a’、9
b、9b’により測定すれば、送風時における鉛直たわ
み加振又はねじれ加振における模型6に作用する力であ
る非定常空気力が得られる。ところで、上流及び下流模
型側ロードセル9a、9a’、9b、9b’は振動中の
模型6の支持点の反力を測定するものであるが、測定さ
れる反力には、測定対象である非定常空気力の他に模型
6の慣性力が加わってしまうため、模型6の慣性力を除
去する作業が必要となる。
【0024】そこで、この実施の形態では、模型6を加
振装置4によって加振する際に、模型6の慣性力に対向
する制御力を加力装置21によって与え、模型6の慣性
力をキャンセルさせる。そうすると、上流及び下流模型
側ロードセル9a、9a’、9b、9b’で検出する力
は模型6の非定常空気力のみとなり、計測器の測定可能
範囲一杯までロードセル出力に倍率をかけることがで
き、非定常空気力の測定精度が格段に向上する。また、
非定常空気力を測定する際に、重錘を使用する必要がな
くなり、重量のある模型の実験が容易になる。
【0025】次に、上述した上流及び下流模型側ロード
セル9a、9a’、9b、9b’で検出する力は模型6
の非定常空気力のみとなる理由について詳細に説明す
る。上流及び下流模型側ロードセル9a、9a’、9
b、9b’で検出される力を次式に示す。 Fv=Fi+Fa+Fc (1) ここで、Fvはロードセルで検出される力、Fiは模型
に作用する慣性力、Faは模型に作用する非定常空気
力、Fcは加力装置で発生する制御力である。
【0026】加力装置で発生する制御力Fcが模型に作
用する慣性力に対向するものであれば、制御力Fcと慣
性力の関係は次式で表され、 Fc=−Fi (2) を満たせば、式(1)は Fv=Fa (3) となり、ロードセルで直接非定常空気力だけを測定する
ことができるようになる(図5)。
【0027】そこで、式(2)を満たすような制御力を
決定するため、まず無風時に模型6を加振して、その時
の振動測定装置23の出力yとロードセルで検出される
力Fvの関係は次式で表され、両者の関係 Fv=f(y) (4) を予め調べておく。無風時には非定常空気力が作用しな
いので、式(1)のFaは0であり、制御力もかけてい
ないので、Fcも0である。よって、式(4)は模型6
の慣性力そのものである。 Fi=f(y) (5)
【0028】その後、送風時の試験をする際には、振動
測定装置23の出力yを制御装置24に入力し、制御装
置24内で式(2)、(5)を用いて制御力を決定し、
加力装置21に制御信号を送る。そうすると、加力装置
21は制御装置24の制御信号に基づいて模型6の慣性
力に対向する制御力を模型6に加える。従って、送風時
の上流及び下流模型側ロードセル9a、9a’、9b、
9b’で検出する力は模型6の非定常空気力のみとな
る。さらに、揚力・モーメント測定システム装置では、
模型側ロードセル9a、9a’、9b、9b’により測
定した模型6の上流側と下流側の非定常空気力から計算
により送風時における鉛直たわみ加振又はねじれ加振に
ついての模型6の揚力とモーメントを求めることができ
る。
【0029】次に、図3に示す本発明の実施の形態1の
空気力測定装置を用いた揚力・モーメント測定システム
装置により、送風時における模型6の揚力とモーメント
を求める動作について具体的に説明する。まず、送風時
において4個の加振装置4を動作させて模型6を加振さ
せると共に加力装置22によって制御力を加力し、こう
して得られた模型6の上流模型側ロードセル9aと9
a’の測定値をそれぞれ倍率器15の所定の倍率で乗じ
た値の加算値を上流模型側の加算器11aで求め、下流
模型側ロードセル9bと9b’の測定値をそれぞれ倍率
器15の所定の倍率で乗じた値の加算値を下流模型側の
加算器11bで求める。
【0030】次に、加算器13aでは上流模型側の加算
器11aの加算出力と下流模型側の加算器11bの加算
出力を加算して送風時における模型6の揚力を求め、減
算器13bでは上流模型側の加算器11aの加算出力と
下流模型側の加算器11bの加算出力を減算し、乗算器
14では減算器13bが減算して得られた値にアーム長
を乗算して送風時における模型6のモーメントを求め
る。
【0031】このように、本発明の実施の形態1の空気
力測定装置を用いれば、揚力・モーメント測定システム
装置も、従来例の空気力測定装置を用いたものでは必要
であった上流側及び下流側減算器12a、12bが不要
となって簡単な構成で済み、しかも、ダミー重錘8を使
用する必要がなくなって慣性力の除去計算作業もないた
めに模型6の揚力とモーメントの測定精度も格段に向上
することとなる。
【0032】特殊な場合として、模型支持棒7の慣性力
や全体の構造減衰などを無視できる理想的な状況を仮定
できるならば、模型6の慣性力は、模型質量をm、模型
の変位をx、時間微分を’とすると、次式のようにな
る。 Fi=−mx” (6) よって、Fcは Fc=mx” (7) を満たせば良いことになり、無風時の試験を行う必要が
無くなる。また、制御装置24では、振動測定装置23
の出力信号を加速度に変換し、上式を計算して制御力を
決定し、加力装置21に制御信号を送る。なお、振動測
定装置23が加速度を直接出力できる場合は、制御装置
24ではその加速度に模型質量mを乗じて慣性力に対向
する制御力を決定し、加力装置21に制御信号を送る。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明の空気力測定装置
によれば、4個の加振装置がその加振ロッドを上下動さ
せて測定洞内に配設された模型を加振し、また各加振用
ロッドに固定された加力装置が送風時に生じる模型の慣
性力を打ち消すように制御力を発生し、その制御力を模
型に加力し、模型の各模型支持棒にそれぞれ設けられた
4個の上流及び下流模型側荷重検出器が送風時における
空気の振動が模型の端部に作用する力を検出するように
しているので、模型に生じる慣性力が加力装置の制御力
によってキャンセルされ、模型側荷重検出器が検出する
力が送風により模型に作用する反力としてそのまま非定
常空気力となることにより、計測器の測定可能範囲一杯
までロードセル出力に倍率をかけることができ、非定常
空気力の測定精度が格段に向上するという効果を有す
る。また、非定常空気力を測定する際に、重錘を使用す
る必要がなくなり、重量のある模型の実験が容易になる
という効果も有する。
【0034】また、本発明の空気力測定装置を用いた揚
力・モーメント測定システム装置によれば、送風時にお
いて4個の加振装置がその加振ロッドを上下動させて測
定洞内に配設された模型を加振し、また各加振用ロッド
に固定された加力装置が送風時に生じる模型の慣性力を
打ち消すように制御力を発生し、その制御力を模型に加
力し、このようにして得られた模型の上流側の2個の模
型側荷重検出器の出力の加算値を上流側模型側の加算器
で求め、下流側の2個の模型側荷重検出器の測定値の加
算値を下流模型側の加算器で求め、加算器では上流模型
側の加算器の加算出力と下流模型側加算器の加算出力を
加算して送風時における模型の揚力を求め、減算器では
上流模型側の加算器の加算出力と下流模型側加算器の加
算出力を減算し、乗算器では減算器が減算して得られた
値にアーム長を乗算して送風時における模型のモーメン
トを求めるようにしているので、従来例の空気力測定装
置を用いたものでは必要であった上流側及び下流側減算
器が不要となって簡単な構成で済み、しかもダミー重錘
を使用する必要がなくなって慣性力の除去計算作業もな
いために模型の揚力とモーメントの測定精度も格段に向
上するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の空気力測定装置を示す
構成図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】同空気力測定装置の模型支持部分を拡大して示
す構成図である。
【図4】同空気力測定装置を用いた揚力・モーメント測
定システム装置のブロック図である。
【図5】ロードセルで検出される力、模型に作用する慣
性力、模型に作用する非定常空気力、加力装置で発生す
る制御力の関係を示す説明図である。
【図6】従来の空気力測定装置を示す構成図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】同空気力測定装置の模型支持部分を拡大して示
す構成図である。
【図9】同空気力測定装置を用いた揚力・モーメント測
定システム装置のブロック図である。
【図10】模型側ロードセル出力と重錘側ロードセル出
力から非定常空気力を算出している様子を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 送風部 2 送風フード 3 測定洞 4 加振装置 6 模型 7 模型支持棒 9a 上流模型側ロードセル 9a’上流模型側ロードセル 9b 下流模型側ロードセル 9b’下流模型側ロードセル 21 加力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−185759(JP,A) 特開 平9−203685(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 9/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風源からの風を逃さないように案内す
    る送風フードと、 送風フードの下流側に接続され、送風フードに案内され
    てきた風を通過させる測定洞と、 測定洞内に配設された模型の端部に接続された上流側で
    2本と下流側で2本の模型支持棒をそれぞれ支持する加
    振用ロッドを有し、且つ各加振用ロッドを上下動させて
    模型を加振させる4個の加振装置と、 各加振装置の各加振用ロッドに固定され、送風時に生じ
    る模型の慣性力を打ち消すように制御力を発生し、その
    制御力を模型に加力する加力装置と、 各模型支持棒にそれぞれ設けられ、送風時における空気
    の振動が模型の端部に作用する力を検出する4個の上流
    及び下流模型側荷重検出器とを備えたことを特徴とする
    空気力測定装置。
  2. 【請求項2】 送風源からの風を逃さないように案内す
    る送風フードと、 送風フードの下流側に接続され、送風フードに案内され
    てきた風を通過させる測定洞と、 測定洞内に配設された模型の端部に接続された上流側で
    2本と下流側で2本の模型支持棒をそれぞれ支持する加
    振用ロッドを有し、且つ各加振用ロッドを上下動させて
    模型を加振させる4個の加振装置と、 各加振装置の各加振用ロッドに固定され、送風時に生じ
    る模型の慣性力を打ち消すように制御力を発生し、その
    制御力を模型に加力する加力装置と、 上流側の2個の模型側荷重検出器の出力を加算して上流
    側加算出力を出力する上流模型側の加算器と、 下流側の2個の模型側荷重検出器の出力を加算して下流
    側加算出力を出力する下流模型側の加算器と、 上流側の加算器の加算出力と下流側の加算器の加算出力
    とを加算して揚力を出力する加算器と、 上流側の加算器の加算出力と下流側の加算器の加算出力
    とを減算する減算器と、 減算器が減算した出力と予め設定された模型のアーム長
    を乗算してモーメントを出力する乗算器とからなること
    を特徴とする空気力測定装置を用いた揚力・モーメント
    測定システム装置。
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