JPH10185759A - 空気力測定装置並びにその測定装置を用いた揚力・モーメント測定システム装置 - Google Patents

空気力測定装置並びにその測定装置を用いた揚力・モーメント測定システム装置

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JPH10185759A
JPH10185759A JP35009296A JP35009296A JPH10185759A JP H10185759 A JPH10185759 A JP H10185759A JP 35009296 A JP35009296 A JP 35009296A JP 35009296 A JP35009296 A JP 35009296A JP H10185759 A JPH10185759 A JP H10185759A
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upstream
adder
measurement
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JP35009296A
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Inventor
Takuya Murakami
琢哉 村上
Shinji Kato
真志 加藤
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気の振動中の模型に作用する微小な空気力
を精度良く測定することができ、測定誤差あるいは測定
のばらつきが小さいこと。 【解決手段】 送風部1からの風を逃さないように案内
する送風フード2と、送風フードの下流側に接続され、
送風フードに案内されてきた風を通過させる測定洞3
と、測定洞又は測定洞と送風フードからなる風洞設備の
上流側と下流側を支持して測定洞又は風洞設備を加振さ
せる一対の加振器24と、測定洞の下方の床5に設置さ
れ、測定洞内で上流側と下流側にそれぞれ位置して模型
6を支持する4本の模型支持ロッド26を立設した模型
固定具25と、4本の模型支持ロッドの先端部と模型の
上流側及び下流側の端部との間にそれぞれ設けられ、送
風時における空気の振動が模型の端部に作用する力を検
出する4個の模型用ロードセル9a、9a’9b、9
b’とを備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気力測定装置並び
にその測定装置を用いた揚力・モーメント測定システム
装置、特に風洞試験において、送風時における空気の振
動が模型に作用する力を測定する技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の送風時における空気の振動が模型
に作用する力(以下、「非定常空気力」という)を測定
する方法は、自由振動法と強制振動法に大別される。こ
の自由振動法と強強制振動法は、書籍(題名が「耐風構
造」、著者が「岡内功、伊藤 学、宮田 利雄」、発行
者が「丸善株式会社」)の第359頁に記載されてい
る。このうちの強制振動法は、送風時に模型を強制加振
させて模型に作用する力を測定して非定常空気力を検出
する方法である。
【0003】図4は強制振動法を実施する従来の空気力
測定装置を示す構成図、図5は同空気力測定装置の模型
支持部分を拡大して示す構成図、図6は同空気力測定装
置を用いた揚力・モーメント測定システム装置のブロッ
ク図である。図4〜図5において、1は風を発生させて
送る送風源である送風部、2は送風部1に接続され、送
風部1からの風を逃さないようにして案内する送風フー
ド、3は送風フード2の下流側に接続され、送風フード
2に案内されてきた風を通過させる測定洞で、送風フー
ド2とで送風設備を構成する。4は測定洞3の下方の床
5に設置され、測定洞3の上流側に2個、下流側に2個
配置された加振器で、各加振器4は加振ロッド4aと加
振ロッド4aを上下方向に加振させる加振シリンダ4b
とで構成されている。4個の加振器4の加振ロッド4a
の先端部で測定洞3内に位置して模型6の両端部を支持
している。
【0004】加振ロッド4aの先端部が模型6を支持す
る状態を更に詳しく説明すると、上流側と下流側の各加
振ロッド4aの先端部には振動伝達部材7がそれぞれ直
交して取り付けられている。その各振動伝達部材7の一
端に模型6の端部が接続され、振動伝達部材7の他端に
ダミー重錘8が接続されている。また、図5に示すよう
に上流側の各々の振動伝達部材7の一端と模型6の上流
側端部との間には模型6の上流側端部に加わる力を検出
する荷重検出器である上流側模型用ロードセル9a、9
a’がそれぞれ介装されており、上流側の各々の振動伝
達部材7の他端とダミー重錘8との間には上流側のダミ
ー重錘8にかかる力を検出する荷重検出器である上流側
ダミー用ロードセル10a、10a’がそれぞれ介装さ
れている。さらに、図5に示すように下流側の各々の振
動伝達部材7の一端と模型6の下流側端部との間には模
型6の下流側端部に加わる力を検出する荷重検出器であ
る下流側模型用ロードセル9b、9b’がそれぞれ介装
されており、下流側の各々の振動伝達部材7の他端とダ
ミー重錘8との間には下流側のダミー重錘8にかかる力
を検出する荷重検出器である下流側ダミー用ロードセル
10b、10b’がそれぞれ介装されている。
【0005】図6において、11aは上流側模型用ロー
ドセル9aと9a’の出力を加算する上流側模型用の加
算器、11a’は上流側ダミー用ロードセル10aと1
0a’の出力を加算する上流側ダミー用の加算器、11
bは下流側模型用ロードセル9bと9b’の出力を加算
する下流側模型用の加算器、11b’は下流側ダミー用
ロードセル10bと10b’の出力を加算する下流側ダ
ミー用の加算器、12aは上流側模型用の加算器11a
の加算出力と上流側ダミー用の加算器11a’の加算出
力を減算する上流側減算器、12bは下流側模型用の加
算器11bの加算出力と下流側ダミー用の加算器11
b’の加算出力を減算する下流側減算器、13aは上流
側減算器12aと下流側減算器12bの出力を加算して
揚力を出力する加算器、13bは上流側減算器11aと
下流側減算器11bの出力を減算する減算器、14は減
算器13bの出力と予め設定された模型6の中心から端
部までの距離(以下、「アーム長」という)を乗算して
モーメントを出力する乗算器である。図6に示す揚力・
モーメント測定システム装置は上流側及び下流側模型用
ロードセル9a、9a’9b、9b’〜乗算器14で構
成されている。
【0006】従来の空気力測定装置は上記のように構成
され、例えば模型6に対する非定常空気力を測定する場
合、送風部1から風を測定洞3に向けて送風している状
態で、4個の加振器4の加振ロッド4aをそれぞれ上下
方向に動作させて加振ロッド4aの先端部に支持されて
いる模型6を加振させる。このとき、上流側と下流側と
の加振器4を同相で加振すると鉛直たわみ加振となり、
上流側と下流側との加振器4を逆相で加振するとねじれ
加振となり、上流側と下流側の加振器4の加振に対して
位相差と振幅差を与えることによって鉛直たわみ加振と
ねじれ加振の連成加振が得られる。
【0007】送風時に上流側と下流側との加振器4を同
相又は逆相で加振し、加振されている模型6に作用する
力を上流側及び下流側模型用ロードセル9a、9a’、
9b、9b’により測定すれば、送風時における鉛直た
わみ加振又はねじれ加振における模型6に作用する力で
ある非定常空気力が得られる。さらに、揚力・モーメン
ト測定システムは上流側及び下流側模型用ロードセル9
a、9a’、9b、9b’により測定した模型6の上流
側と下流側の非定常空気力から計算により送風時におけ
る鉛直たわみ加振又はねじれ加振についての模型6の揚
力とモーメントを求めるものである。
【0008】ところで、上流側及び下流側模型用ロード
セル9a、9a’、9b、9b’は振動中の模型6の支
持点の反力を測定するものであるが、測定される反力に
は、測定対象である非定常空気力の他に模型6の慣性力
が加わってしまうため、模型6の慣性力を除去する作業
が必要となる。そこで、従来の空気力測定装置では、模
型6の上流側と下流側にその慣性力に対向する慣性力を
生じさせるダミー重錘8をそれぞれ設け、そのダミー重
錘8により生じた慣性力を上流側及び下流側ダミー用ロ
ードセル10a、10a’、10b、10b’によって
別途検出し、上流側及び下流側模型用ロードセル9a、
9a’、9b、9b’により測定した模型6の慣性力を
含む非定常空気力から上流側及び下流側ダミー用ロード
セル10a、10a’、10b、10b’により測定し
たダミー重錘8の慣性力を引き、ダミー重錘8の慣性力
により模型6の慣性力をキャンセルさせて模型6の非定
常空気力を求めるようにしている。
【0009】また、空気力測定装置を用いた揚力・モー
メント測定システム装置では、送風時にダミー重錘8の
慣性力により模型6の慣性力をキャンセルさせることが
できるようにするために、予め空気力が生じない無風時
に模型6を加振させて得られた上流側の模型用ロードセ
ル9aとダミー用ロードセル10aの測定値の差及び上
流側の模型用ロードセル9a’とダミー用ロードセル1
0a’の測定値の差がそれぞれ0になるようにすると共
に、模型6を加振させて得られた下流側の模型用ロード
セル9bとダミー用ロードセル10bの測定値の差及び
下流側の模型用ロードセル9b’とダミー用ロードセル
10b’の測定値の差がそれぞれ0になるように上流側
と下流側における両者のロードセルの出力を調整してお
くことにより、ダミー重錘8の慣性力により模型6の慣
性力をキャンセルするようにしている。従って、送風時
において上流側及び下流側模型用ロードセル9a、9
a’、9b、9b’により測定した模型6の慣性力を含
む非定常空気力から上流側及び下流側ダミー用ロードセ
ル10a、10a’、10b、10b’により測定した
ダミー重錘8の慣性力を引くことで、ダミー重錘8の慣
性力により模型6の慣性力をキャンセルさせた模型6の
非定常空気力を求めることができることとなる。
【0010】次に、図6に示す従来の空気力測定装置を
用いた揚力・モーメント測定システム装置により、送風
時における模型6の揚力とモーメントを求める動作につ
いて具体的に説明する。まず、送風時において4個の加
振器4を動作させ、模型6を加振させて得られた上流側
の模型用ロードセル9aと9a’の測定値の加算値を上
流側模型用の加算器11aで求め、上流側のダミー用ロ
ードセル10aと10a’の測定値の加算値を上流側ダ
ミー用の加算器11a’で求める。そして、上流側模型
用の加算器11aの加算値の出力と上流側ダミー用の加
算器11a’の加算値の出力の差を上流側減算器12a
で求める。
【0011】また、模型6を加振させて得られた下流側
の模型用ロードセル9bと9b’の測定値の加算値を上
流側模型用の加算器11bで求め、下流側のダミー用ロ
ードセル10bと10b’の測定値の加算値を下流側ダ
ミー用の加算器11b’で求める。そして、下流側模型
用の加算器11bの加算値の出力と下流側ダミー用の加
算器11b’の加算値の出力の差を下流側減算器12b
で求める。次に、加算器13aでは上流側減算器12a
が求めた差と下流側減算器12bが求めた差を加算して
送風時における模型6の揚力を求め、減算器13bでは
上流側減算器12aが求めた差と下流側減算器12bが
求めた差を減算し、乗算器14では減算器13bが減算
して得られた値にアーム長を乗算して送風時における模
型6のモーメントを求める。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の空気力測定装置
を用いた揚力・モーメント測定システム装置において
は、無風時にダミー重錘8を用いて模型6の慣性力を予
めキャンセルしておく方法を取ったとしても完全に模型
6に生じる慣性力を除去することが困難であり、通常の
場合も除去しきれなかった慣性力が空気力の中に混入す
るおそれがある。そして、慣性力を完全に除去できない
場合には、模型6の慣性力が模型6に作用する空気力に
比べて非常に大きいことから、空気の振動中の模型6に
作用する微小な空気力を精度良く測定することは難し
く、測定誤差あるいは測定のばらつきが大きくなるとい
う問題点があった。
【0013】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、空気の振動中の模型に作用する微小な空
気力を精度良く測定することができ、測定誤差あるいは
測定のばらつきが小さい空気力測定装置並びにその測定
装置を用いた揚力・モーメント測定システム装置を得る
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る空気力測定
装置は、送風源からの風を逃さないように案内する送風
フードと、送風フードの下流側に接続され、送風フード
に案内されてきた風を通過させる測定洞と、測定洞又は
測定洞と送風フードからなる風洞設備の上流側と下流側
を支持して測定洞又は風洞設備を加振させる一対の加振
器と、測定洞の下方の床に設置され、測定洞内で上流側
と下流側にそれぞれ位置して模型を支持する4本の模型
支持ロッドを立設した模型固定具と、4本の模型支持ロ
ッドの先端部と模型の上流側及び下流側の端部との間に
それぞれ設けられ、送風時における空気の振動が模型の
端部に作用する力を検出する4個の模型用荷重検出器と
を備えてなるものである。
【0015】本発明の空気力の測定装置においては、測
定洞又は測定洞と送風フードからなる風洞設備の上流側
と下流側を支持している一対の加振器が測定洞又は風洞
設備を加振させ、模型固定具の4本の模型支持ロッドが
測定洞内で上流側と下流側にそれぞれ位置して模型を支
持し、4本の模型支持ロッドの先端部と模型の上流側及
び下流側の端部との間にそれぞれ設けられた4個の荷重
検出器が送風時に振動する空気により模型の端部に作用
する力を検出するようにしているから、静止している測
定洞又は風洞設備の中で模型が振動する状況と力学的に
等価な状況が作成され、しかも模型を振動させないため
に慣性力は生ぜず、そのために模型に作用する反力がそ
のまま非定常空気力となる。従って、慣性力を除去する
作業が不要となるため、測定が簡略化されるだけでな
く、慣性力除去の作業に伴う測定誤差が生じなくなるた
め、測定精度が高くなる。
【0016】また、本発明に係る空気力測定装置を用い
た揚力・モーメント測定システム装置は、送風源からの
風を逃さないように案内する送風フードと、送風フード
の下流側に接続され、送風フードに案内されてきた風を
通過させる測定洞と、測定洞又は測定洞と送風フードか
らなる風洞設備の上流側と下流側を支持して測定洞又は
風洞設備を加振させる一対の加振器と、測定洞の下方の
床に設置され、測定洞内で上流側と下流側にそれぞれ位
置して模型を支持する4本の模型支持ロッドを立設した
模型固定具と、4本の模型支持ロッドの先端部と模型の
上流側及び下流側の端部との間にそれぞれ設けられ、送
風時における空気の振動が模型の端部に作用する力を検
出する4個の模型用荷重検出器と、上流側の2個の模型
用荷重検出器の出力を加算して上流側加算出力を出力す
る上流側模型用の加算器と、下流側の2個の模型用荷重
検出器の出力を加算して下流側加算出力を出力する下流
側模型用の加算器と、上流側の加算器の加算出力と下流
側の加算器の加算出力とを加算して揚力を出力する加算
器と、上流側の加算器の加算出力と下流側の加算器の加
算出力とを減算する減算器と、減算器が減算した出力と
予め設定された模型のアーム長を乗算してモーメントを
出力する乗算器とで構成されている。
【0017】また、本発明の空気力測定装置を用いた揚
力・モーメント測定システム装置は、送風時において一
対の加振器によって測定洞を加振させて得られた模型の
上流側の2個の模型用荷重検出器の出力の加算値を上流
側模型用の加算器で求め、下流側の2個の模型用荷重検
出器の測定値の加算値を下流側模型用の加算器で求め、
加算器では上流側模型用の加算器の加算出力と下流側模
型用加算器の加算出力を加算して送風時における模型の
揚力を求め、減算器では上流側模型用の加算器の加算出
力と下流側模型用加算器の加算出力を減算し、乗算器で
は減算器が減算して得られた値にアーム長を乗算して送
風時における模型のモーメントを求めるようにしている
ので、従来例の空気力測定装置を用いたものでは必要で
あった上流側及び下流側減算器が不要となって簡単な構
成で済み、しかも慣性力の除去計算作業もないために模
型の揚力とモーメントの測定精度も格段に向上すること
となる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態1の空
気力測定装置を示す構成図、図2は同空気力測定装置の
模型支持部分を拡大して示す構成図、図3は同空気力測
定装置を用いた揚力・モーメント測定システム装置のブ
ロック図である。図1及び図2において、1は風を発生
させて送る送風源である送風部、2は送風部1に接続さ
れ、送風部1からの風を逃さないように案内する送風フ
ード、3は送風フード2の下流側に接続され、送風フー
ド2に案内されてきた風を通過させる測定洞で、送風フ
ード2とで送風設備を構成する。20は送風フード2と
測定洞3との間に設けられた振動緩衝部材であるジャバ
ラである。24は床5に設置され、測定洞3の上流側と
下流側を加振させる一対の加振器で、各加振器24は加
振ロッド24aと加振ロッド4aを上下方向に加振させ
る加振シリンダ4bとで構成されている。一対の加振器
4の加振ロッド4aの先端部は測定洞3の上流側端部と
下流側端部をそれぞれ支持している。
【0019】25は測定洞3の下方の床5に設置され、
先端側が測定洞3内で上流側と下流側にそれぞれ位置す
る4本の模型支持ロッド26を立設した模型固定具であ
る。4本の模型支持ロッド26の先端部が模型6を支持
する状態を更に詳しく説明すると、上流側と下流側の各
模型支持ロッド26の先端部には振動伝達部材7がそれ
ぞれ直交して取り付けられている。その各振動伝達部材
7の一端に模型6の端部が接続されている。そして、図
2に示すように上流側の各々の振動伝達部材7の一端と
模型6の上流側端部との間には模型6の上流側端部に加
わる力を検出する荷重検出器である上流側模型用ロード
セル9a、9a’がそれぞれ介装されており、下流側の
各々の振動伝達部材7の一端と模型6の下流側端部との
間には模型6の下流側端部に加わる力を検出する荷重検
出器である下流側模型用ロードセル9b、9b’がそれ
ぞれ介装されている。
【0020】図3に示す揚力・モーメント測定システム
装置は、上流側及び下流側の模型用ロードセル9a、9
a’9b、9b’と、上流側の2個の模型用ロードセル
9a、9a’の出力を加算して上流側加算出力を出力す
る上流側模型用の加算器11aと、下流側の2個の模型
用ロードセル9b、9b’の出力を加算して下流側加算
出力を出力する下流側模型用の加算器11bと、上流側
の加算器11aの加算出力と下流側の加算器11bの加
算出力とを加算して揚力を出力する加算器13aと、上
流側の加算器11aの加算出力と下流側の加算器11b
の加算出力とを減算する減算器13bと、減算器13b
が減算した出力と予め設定された模型6のアーム長を乗
算してモーメントを出力する乗算器14とで構成されて
いる。
【0021】本発明に実施の形態1の空気力測定装置は
上記のように構成され、例えば模型6に対する非定常空
気力を測定する場合、送風部1から風を測定洞3に向け
て送風している状態で、一対の加振器24の加振ロッド
24aをそれぞれ上下方向に動作させて加振ロッド4a
の先端部に支持されている測定洞3を加振させる。こう
して測定洞3を振動させると、送風フード2との接続部
にギャップが生じるが、そのギャップは送風フード2と
測定洞3との間に設けられた緩衝部材としてのジャバラ
20によって吸収される。このとき、上流側と下流側と
の加振器4を同相で加振すると鉛直たわみ加振となり、
上流側と下流側との加振器4を逆相で加振するとねじれ
加振となり、上流側と下流側との加振器4の加振に対し
て位相差と振幅差を与えることによって鉛直たわみ加振
とねじれ加振の連成加振が得られる。なお、ねじれ加振
時においては、測定洞3の回転中心を模型6の回転中心
と一致させるため、上流側と下流側の加振器4の加振振
幅を調整する必要がある。
【0022】このように一対の加振器24を駆動して測
定洞3を鉛直たわみ加振、ねじれ加振させると、それは
静止している測定洞3の中で模型6が鉛直たわみ加振、
ねじれ加振している状況と等価となる。従って、測定洞
3を加振して、送風時における空気の振動が模型6に作
用する力を測定すれば、それが模型6の非定常空気力と
なる。このとき、模型6は振動していないため、模型6
には慣性力はかからず、微小な空気力を直接計測するこ
とが可能となり、測定された反力から慣性力を除去する
作業が不要となるため、非定常空気力の測定精度が格段
に向上する。さらに、揚力・モーメント測定システム装
置では、模型用ロードセル9a、9a’、9b、9b’
により測定した模型6の上流側と下流側の非定常空気力
から計算により送風時における鉛直たわみ加振又はねじ
れ加振についての模型6の揚力とモーメントを求めるこ
とができる。
【0023】次に、図3に示す本発明の実施の形態1の
空気力測定装置を用いた揚力・モーメント測定システム
装置により、送風時における模型6の揚力とモーメント
を求める動作について具体的に説明する。まず、送風時
において一対の加振器4を動作させ、測定洞3を加振さ
せて得られた模型6の上流側の模型用ロードセル9aと
9a’の測定値の加算値を上流側模型用の加算器11a
で求め、測定洞3を加振させて得られた下流側の模型用
ロードセル9bと9b’の測定値の加算値を下流側模型
用の加算器11bで求める。次に、加算器13aでは上
流側模型用の加算器11aの加算出力と下流側模型用の
加算器11bの加算出力を加算して送風時における模型
6の揚力を求め、減算器13bでは上流側模型用の加算
器11aの加算出力と下流側模型用の加算器11bの加
算出力を減算し、乗算器14では減算器13bが減算し
て得られた値にアーム長を乗算して送風時における模型
6のモーメントを求める。
【0024】このように、本発明の実施の形態1の空気
力測定装置を用いれば、揚力・モーメント測定システム
装置も、従来例の空気力測定装置を用いたものでは必要
であった上流側及び下流側減算器12a、12bが不要
となって簡単な構成で済み、しかも、慣性力の除去計算
作業もないために模型6の揚力とモーメントの測定精度
も格段に向上することとなる。なお、この実施の形態で
は、測定洞3を一対の加振器4で加振させているため、
測定洞3と送風フード2との間にジャバラ20を設けて
いるが、測定洞3と送風フード2とからなる風洞設備を
加振するようにすれば、ジャバラ20はなくてもよいも
のである。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明の空気力測定装置
によれば、測定洞又は測定洞と送風フードからなる風洞
設備の上流側と下流側を支持している一対の加振器が測
定洞又は風洞設備を加振させ、模型固定具の4本の模型
支持ロッドが測定洞内で上流側と下流側にそれぞれ位置
して模型を支持し、4本の模型支持ロッドの先端部と模
型の上流側及び下流側の端部との間にそれぞれ設けられ
た4個の荷重検出器が送風時に振動する空気により模型
の端部に作用する力を検出するようにしているので、静
止している測定洞又は風洞設備の中で模型が振動する状
況と力学的に等価な状況が作成され、しかも模型を振動
させないために慣性力は生ぜず、そのために模型に作用
する反力がそのまま非定常空気力となることにより、慣
性力を除去する作業が不要となるため、測定が簡略化さ
れるだけでなく、慣性力除去の作業に伴う測定誤差が生
じなくなるため、測定精度が高くなるという効果を有す
る。
【0026】また、本発明の空気力測定装置を用いた揚
力・モーメント測定システム装置によれば、送風時にお
いて一対の加振器によって測定洞を加振させて得られた
模型の上流側の2個の模型用荷重検出器の出力の加算値
を上流側模型用の加算器で求め、下流側の2個の模型用
荷重検出器の測定値の加算値を上流側模型用の加算器で
求め、加算器では上流側模型用の加算器の加算出力と下
流側模型用加算器の加算出力を加算して送風時における
模型の揚力を求め、減算器では上流側模型用の加算器の
加算出力と下流側模型用加算器の加算出力を減算し、乗
算器では減算器が減算して得られた値にアーム長を乗算
して送風時における模型のモーメントを求めるようにし
ているので、従来例の空気力測定装置を用いたものでは
必要であった上流側及び下流側減算器が不要となって簡
単な構成で済み、しかも慣性力の除去計算作業もないた
めに模型の揚力とモーメントの測定精度も格段に向上す
るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の空気力測定装置を示す
構成図である。
【図2】同空気力測定装置の模型支持部分を拡大して示
す構成図である。
【図3】同空気力測定装置を用いた揚力・モーメント測
定システム装置のブロック図である。
【図4】従来の空気力測定装置を示す構成図である。
【図5】同空気力測定装置の模型支持部分を拡大して示
す構成図である。
【図6】同空気力測定装置を用いた揚力・モーメント測
定システム装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 送風部 2 送風フード 3 測定洞 6 模型 9a 上流側模型用ロードセル 9a’上流側模型用ロードセル 9b 下流側模型用ロードセル 9b’下流側模型用ロードセル 24 加振器 25 模型固定装置 26 模型支持ロッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送風源からの風を逃さないように案内す
    る送風フードと、 送風フードの下流側に接続され、送風フードに案内され
    てきた風を通過させる測定洞と、 測定洞又は測定洞と送風フードからなる風洞設備の上流
    側と下流側を支持して測定洞又は風洞設備を加振させる
    一対の加振器と、 測定洞の下方の床に設置され、測定洞内で上流側と下流
    側にそれぞれ位置して模型を支持する4本の模型支持ロ
    ッドを立設した模型固定具と、 4本の模型支持ロッドの先端部と模型の上流側及び下流
    側の端部との間にそれぞれ設けられ、送風時における空
    気の振動が模型の端部に作用する力を検出する4個の模
    型用荷重検出器とを備えたことを特徴とする空気力測定
    装置。
  2. 【請求項2】 送風源からの風を逃さないように案内す
    る送風フードと、 送風フードの下流側に接続され、送風フードに案内され
    てきた風を通過させる測定洞と、 測定洞又は測定洞と送風フードからなる風洞設備の上流
    側と下流側を支持して測定洞又は風洞設備を加振させる
    一対の加振器と、 測定洞の下方の床に設置され、測定洞内で上流側と下流
    側にそれぞれ位置して模型を支持する4本の模型支持ロ
    ッドを立設した模型固定具と、 4本の模型支持ロッドの先端部と模型の上流側及び下流
    側の端部との間にそれぞれ設けられ、送風時における空
    気の振動が模型の端部に作用する力を検出する4個の模
    型用荷重検出器と、 上流側の2個の模型用荷重検出器の出力を加算して上流
    側加算出力を出力する上流側模型用の加算器と、 下流側の2個の模型用荷重検出器の出力を加算して下流
    側加算出力を出力する下流側模型用の加算器と、 上流側の加算器の加算出力と下流側の加算器の加算出力
    とを加算して揚力を出力する加算器と、 上流側の加算器の加算出力と下流側の加算器の加算出力
    とを減算する減算器と、 減算器が減算した出力と予め設定された模型のアーム長
    を乗算してモーメントを出力する乗算器とからなること
    を特徴とする空気力測定装置を用いた揚力・モーメント
    測定システム装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106153288A (zh) * 2016-08-24 2016-11-23 湖北三江航天红阳机电有限公司 一种风洞试验用攻角机构及其波纹管分段式支撑机构
CN106289710A (zh) * 2016-07-26 2017-01-04 中国航天空气动力技术研究院 翼型模型测力系统

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CN106289710A (zh) * 2016-07-26 2017-01-04 中国航天空气动力技术研究院 翼型模型测力系统
CN106289710B (zh) * 2016-07-26 2018-08-07 中国航天空气动力技术研究院 翼型模型测力系统
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CN106153288B (zh) * 2016-08-24 2018-10-12 湖北三江航天红阳机电有限公司 一种风洞试验用攻角机构及其波纹管分段式支撑机构

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