JP4092878B2 - 振動台及びその制御装置並びに制御方法 - Google Patents
振動台及びその制御装置並びに制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4092878B2 JP4092878B2 JP2001025640A JP2001025640A JP4092878B2 JP 4092878 B2 JP4092878 B2 JP 4092878B2 JP 2001025640 A JP2001025640 A JP 2001025640A JP 2001025640 A JP2001025640 A JP 2001025640A JP 4092878 B2 JP4092878 B2 JP 4092878B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- shaking table
- target
- adaptive filter
- control
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Feedback Control In General (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動台及びその制御装置並びに制御方法に係わり、特に、加振対象である供試体や振動台の非線形性を含む振動台伝達特性の変動をオンラインで補償するための振動台及びその制御装置並びに制御方法に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動台制御方法では、例えば、『3次元6自由度振動台のサーボ機構』(機械設計、第35巻第4号、1991年4月、25頁〜28頁)に開示されるように、振動台の変位や加速度をフィードバックしていた(以下、従来技術1という)。
【0003】
また、特開平10−318879号公報、特開平11−94689号公報などに開示されるように、外乱オブザーバを用いて外乱を推定し、この外乱を相殺する補償信号を生成して制御する方法もある(以下、従来技術2という)。
【0004】
さらに、WO97/11344号公報に開示されるように、供試体反力を計測し、この反力を相殺する補償信号を生成して制御する方法もある(以下、従来技術3という)。
【0005】
さらに、『電気油圧式地震振動台の波形制御』(日本機械学会、Dynamics and Design Conference '99講演論文集、Vol.B、1999年3月、15頁〜18頁)に開示されるように、供試体を含む振動台の逆伝達関数の適応フィルタを作成し、この適応フィルタと等価なフィルタで振動台への入力信号を補償し、見かけ上の振動台伝達特性を無負荷のときと等価にする方法もある(以下、従来技術4という)。
【0006】
さらに、特開平6−195105号公報に開示されるように、制御対象と調整操作部を合わせた系の動特性モデルを同定し、参照モデルと同一の伝達特性を実現するために調整操作部の制御パラメータを決定する方法もある(以下、従来技術5という)。
【0007】
さらに、『耐震設計と構造動力学』(日本機械学会編、1985年、267頁〜275頁)に開示されるように、目標波形に供試体を含む振動台の逆伝達関数を乗じ、振動台への指令信号を補正するという方法もある(以下、従来技術6という)。また、『電気油圧式振動試験機に関する研究(第3報)』(日本機械学会論文集、第42巻第361号、1976年9月、2744頁〜2751頁)に開示されるように、供試体のモデルを持った加振機制御回路で供試体反力を補償するという方法もある(以下、従来技術7という)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来技術1では、供試体の重量がテーブル重量に比べて大きくなるにつれて補償効果が小さくなる。特に供試体が共振する振動数付近で加振する場合の補償効果が小さくなる。
【0009】
また、従来技術2では、外乱を推定する際に正確に同定された振動台モデルを必要とし、必ずしも容易でなかった。
【0010】
さらに、従来技術3では、一般の振動台には具備されていない供試体反力を計測する手段が必要となっていた。
【0011】
さらに、従来技術4では、適応フィルタが次数の大きなFinite Impulse Response型のフィルタであるため、適応に比較的長い時間を要していた。しかも、振動台制御で一般的に利用される前述の逆伝達関数補償法で入力信号をオフライン補正した場合には、目標波形ではなく、補償された信号を実現するように制御されてしまうものであった。
【0012】
さらに、従来技術5では、制御対象の遅れをも考慮した一定時間にわたって調整操作部の制御パラメータを保持し続けねばならず、この時間中に制御対象の特性が変化する場合には補償できない、ということに対して配慮されていなかった。
【0013】
さらに、従来技術6及び7では、供試体の特性が、例えば供試体の部材が破断するなどして、加振中に変化する場合、あるいは供試体の特性に非線形性がある場合は必ずしも補償されるものではなかった。
【0014】
本発明の目的は、テーブルの運動状態を計測する計測手段以外の計測手段や供試体モデルや正確な振動台モデルを必要とすることなく、目標の振動台伝達特性に対する振動台側の影響をオフラインで補償することができると共に、振動台伝達特性の変動をオンラインで補償することができ、これにより高精度かつ高速に振動台特性を補償することができる振動台及びその制御装置並びに制御方法を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、第二の制御装置を有する既存の振動台に第一の制御装置を追加するのみで、テーブルの運動状態を計測する計測手段以外の計測手段や供試体モデルや正確な振動台モデルを必要とすることなく、目標の振動台伝達特性に対する振動台側の影響をオフラインで補償することができると共に、振動台伝達特性の変動をオンラインで補償することができ、これにより高精度かつ高速に振動台特性を補償することができる振動台を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の振動台の第1の特徴は、供試体を搭載するためのテーブルと、このテーブルを加振する加振手段と、前記テーブルの運動状態を計測する計測手段と、前記テーブルを加振するための信号を発生する信号発生器と、前記計測手段の検出信号及び前記信号発生器の信号に基づいて前記加振手段を制御する制御装置と、を備えた振動台であって、前記信号発生器は、振動台で実現する目標信号を発生する目標信号発生手段と、この目標信号発生手段の目標信号をオフラインで補償して入力補償信号を生成するオフライン補償手段とを有しており、前記制御装置は、前記オフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記加振手段側に出力する第一の適応フィルタと、前記目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を出力する第二の適応フィルタと、この第二の適応フィルタから出力された修正信号と前記計測手段で検出した検出信号に基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する前記同定手段とを有している、構成にしたことにある。
【0017】
本発明の振動台の第2の特徴は、供試体を搭載するためのテーブルと、このテーブルを加振する加振手段と、前記テーブルの運動状態を計測する計測手段と、前記テーブルを加振するための信号を発生する信号発生器と、前記計測手段の検出信号及び前記信号発生器の信号に基づいて前記加振手段を制御する制御装置と、
を備えた振動台であって、前記信号発生器は、振動台で実現する目標信号を発生する目標信号発生手段と、この目標信号発生手段の目標信号をオフラインで補償して入力補償信号を生成するオフライン補償手段とを有しており、前記制御装置は、前記オフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記加振手段側に出力する第一の適応フィルタと、前記目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を出力する第二の適応フィルタと、目標の振動台伝達特性もしくは予め同定された無負荷状態の振動台伝達特性を有して前記第二の適応フィルタから出力される修正信号に対する目標の振動台出力信号を生成する参照信号生成手段と、この参照信号生成手段で生成された目標の振動台出力信号と前記計測手段で検出した検出信号とに基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する前記同定手段とを有している、構成にしたことにある。
【0018】
そして、特に好ましくは、前記第一の適応フィルタの特性と前記第二の適応フィルタの特性を同一にすると共に、この両適応フィルタの特性を振動台伝達特性の変動の逆特性とするための制御信号を出力する前記同定手段としている、構成にしたことにある。
【0019】
さらに好ましくは、前記同定手段への2つへの入力信号それぞれに作用する同じ特性のローパスフィルタもしくはバンドパスフィルタを有している、構成にしたことにある。
【0020】
本発明の振動台の第3の特徴は、供試体を搭載するためのテーブルと、このテーブルを加振する加振手段と、前記テーブルの運動状態を計測する計測手段と、前記テーブルを加振するための信号を発生する信号発生器と、前記計測手段の検出信号及び前記信号発生器の信号に基づいて前記加振手段を制御する制御装置と、を備えた振動台であって、前記信号発生器は、振動台で実現する目標信号を発生する目標信号発生手段と、この目標信号発生手段の目標信号をオフラインで補償して入力補償信号を生成するオフライン補償手段とを有しており、前記制御装置は、前記目標信号発生手段から出力される目標信号及び前記計測手段の検出信号に基づいて前記入力補償手段から出力される入力補償信号の補償を行う第一の制御装置と、この第一の制御装置から出力される指令信号を前記計測手段の検出信号に基づいて補償する第二の制御装置とを有し、前記第一の制御装置は、前記オフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記第二の制御装置に出力する第一の適応フィルタと、前記目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を出力する第二の適応フィルタと、この第二の適応フィルタから出力された修正信号と前記計測手段で検出した検出信号に基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する前記同定手段とを有している、構成にしたことにある。
【0021】
前記目的を達成するための本発明の振動台の制御装置の特徴は、信号発生器から出力されるテーブル加振用の信号と供試体を搭載するためのテーブルの運動状態を計測する計測手段の検出信号とに基づいて、前記テーブルを加振する加振手段を制御する振動台の制御装置であって、前記信号発生器のオフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記加振手段側に出力する第一の適応フィルタと、前記信号発生器の目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を出力する第二の適応フィルタと、この第二の適応フィルタから出力された修正信号と前記計測手段で検出した検出信号に基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する前記同定手段とを有している、構成にしたことにある。
【0022】
前記目的を達成するための本発明の振動台の制御方法の特徴は、供試体を搭載するためのテーブルと、このテーブルを加振する加振手段と、前記テーブルの運動状態を計測する計測手段と、前記テーブルを加振するための信号を発生する信号発生器と、前記計測手段の検出信号及び前記信号発生器の信号に基づいて前記加振手段を制御する制御装置とを備えた振動台の制御方法であって、前記信号発生器の目標信号発生手段で振動台で実現する目標信号を発生し、前記信号発生器のオフライン補償手段で前記目標信号発生手段の目標信号をオフラインで補償して入力補償信号を発生し、前記制御装置の第一の適応フィルタで、前記オフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記加振手段側に出力し、前記制御装置の第二の適応フィルタで、前記目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を同定手段側に出力し、前記制御装置の同定手段で、前記第二の適応フィルタから出力された修正信号と前記計測手段で検出した検出信号に基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する構成にしたことにある。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の振動台の一実施例を図を参照しながら説明する。
【0024】
まず、振動台の全体構成を図2を参照しながら説明する。図2は本発明の振動台の構成図である。
【0025】
振動台100は、供試体106を搭載するためのテーブル101と、このテーブル101を加振する加振手段を構成する加振機102と、テーブル101の運動状態を計測する計測手段を構成する加速度計測手段104と、テーブル101を加振するための信号を発生する信号発生器1と、加速度計測手段104の検出信号及び信号発生器1の信号に基づいて加振機102を制御する制御装置110とを備えている。
【0026】
即ち、テーブル101は軸受105を介して基礎107上に加振可能に支持されている。ただし、軸受105は振動台の構成によっては必ずしも必要とは限らない。また、テーブル101は同じく基礎107上に設置されている加振機102のピストン102aに連結されている。また、テーブル101の上面には加速度計測手段104が設置されている。加振機102は、目標加速度波形Xを再現するように、少なくとも加速度計測手段104で計測した実現加速度波形Yがフィードバックされる制御装置110によって制御される。テーブル101上には試験対象である供試体106が設置される。
【0027】
さらには、信号発生器1は、振動台で実現する目標信号である目標加速度波形Xを発生する目標信号発生手段109と、この目標信号発生手段109の目標加速度波形Xをオフラインで補償して入力補償信号である入力補償加速度波形Uを発生するオフライン補償手段108とを有している。
【0028】
次に、本発明の振動台100の制御装置110、特に第二の制御装置103を主体に図3を参照しながら説明する。図3は本発明の振動台における制御装置の特に第二の制御装置を詳細に示す制御ブロック図である。
【0029】
図3において、信号発生器1の目標信号発生手段109で発生される地震加速度などの目標加速度波形Xは、例えば、試加振の結果に応じて供試体106を含む振動台の伝達特性の逆伝達関数Hの特性を持つオフライン補償手段108で入力補償加速度波形Uにオフライン補正され、制御装置110の第一の制御装置111に入力される。この第一の制御装置111で入力補償加速度波形Uが指令加速度波形U'に補正され、この補正された指令加速度波形U'が加振機102の制御装置103に入力される。
【0030】
そして、加速度計測手段104で計測したテーブル101の実現加速度波形Yを含むフィードバック信号Zがフィードバックされ、ブロックBで示される処理を施された後、入力補償加速度波形U'に適当な処理Pを施された信号と比較され、偏差信号Eを算出する。この偏差信号Eに適当な処理Qを施して加振機102の駆動信号Cが出力される。加振機102はこの駆動信号Cに基づいてテーブル駆動力Fを発生させる。ここでは駆動信号Cからテーブル駆動力Fまでの伝達関数をAで表している。その結果、実現加速度波形Yが得られる。
【0031】
テーブル101や加振機ピストン102aなどの可動部分の質量をMとすると、テーブル駆動力Fから実現加速度波形Yの伝達関数は1/Mとなる。このとき、供試体106がテーブル101に搭載されていると、実現加速度波形Yにより供試体106が振動し、テーブル101に供試体106から荷重F'が加わることになる。ここでは、実現加速度波形Yから荷重F’までの伝達関数をTで表す。
【0032】
なお、ブロックBを介してフィードバックされるフィードバック信号Zにはテーブル101や加振機102の速度や変位などが含まれていてもよい。以下に示す実施例の説明では、フィードバック信号Zは実現加速度波形Yだけとして簡略化して説明する。
【0033】
オフライン補償手段108の伝達関数H=1、即ち、オフライン補償を行わない場合であって、供試体106が搭載されていない無負荷状態のとき、目標加速度波形Xから実現加速度波形Yまでの伝達関数は次の式(1)で表される。
【0034】
Y/X=M-1AQP(1+BM-1AQ)-1≡G (1)
そして、ブロックB、P、Qは使用周波数範囲でGが1となるように調整して使用される。ところが、供試体106が搭載されている場合には、伝達関数は次の式(2)のように変化する。
【0035】
Y/X=M-1AQP(1+BM-1AQ-TM-1)-1≡GJ (2)
即ち、伝達関数Tが加わることにより振動台伝達特性がJだけ変化し、式(1)の下で調整されたブロックB、P、Qを用いると波形再現性が低下する。
【0036】
そこで、信号発生器1のオフライン補償手段108における逆伝達関数補償法では、供試体特性が変動しない条件での加振、例えば目標の加速度よりも小さい加速度での加振(試加振)を繰り返し行い、供試体106による振動台伝達特性の変化Jを同定し、オフライン補償手段108の伝達関数HをJ- 1としてから、目標の加速度で加振(本加振)する。
【0037】
この方法を用いれば、目標加速度波形Xから実現加速度波形Yまでの伝達関数を次の式(3)とすることができる。
【0038】
Y/X=M-1AQP(1+BM-1AQ-TM-1)-1H=GJH=G (3)
即ち、供試体106による振動台伝達特性の変化を補償でき、波形再現性を維持できる。
【0039】
しかしながら、供試体特性の振幅依存性に起因して伝達関数Tが加振加速度とともに変動したり、供試体106の破壊に起因して伝達関数Tが時間的に変化したりするなどにより、伝達関数Tが非線形な場合には、この振動台伝達特性の変動を補償できない場合が生ずる。そこで、本発明では、第一の制御装置111を設けることにより、このような振動台伝達特性の変動を補償することができる。その詳細は後述する。
【0040】
次に、本発明の振動台100の制御装置110、特に第一の制御装置111を主体に図1を参照しながら説明する。図1は本発明の振動台における制御装置の特に第一の制御装置の詳細を示す制御ブロック図である。
【0041】
第一の制御装置111は、入力補償加速度波形Uを補正する第一の適応フィルタ2と、第一の適応フィルタ2と同一の特性を有して目標加速度波形Xを補正する第二の適応フィルタ3と、第二の適応フィルタ3によって補正された信号(修正加速度波形)X'に基づいて目標の出力加速度波形Y'を算出する参照信号生成手段4と、参照信号生成手段4が算出した目標出力加速度波形Y'に含まれるノイズや直流成分を除去するための参照信号フィルタ5と、加速度計測手段104で得られる実現加速度波形Yに含まれるノイズや直流成分を除去するための出力信号フィルタ6と、参照信号フィルタ5から出力される参照信号R並びに出力信号フィルタ6から出力される出力信号Vから供試体106による振動台伝達特性の変動を同定して第一の適応フィルタ2並びに第二の適応フィルタ3の制御係数ai、bjを算出する同定手段7と、を有している。
【0042】
この同定手段7で算出された制御係数ai、bj(i=1、…、n、j=0、…、n)は、第一の適応フィルタ2及び第二の適応フィルタ3に逐次伝達され、両適応フィルタ2、3の特性が逐次変更される。
【0043】
第一の適応フィルタ2は、供試体106による振動台伝達特性の変動を補償するものであり、その機能は例えば次のようにして実現される。信号発生器1から入力補償加速度波形U[k](kはサンプリング回数)を受けた第一の適応フィルタ2は、同定手段7より指示された制御係数ai、bjに応じて、次の式(4)に基づいて指令加速度波形U'[k]を生成する。
U'[k]=b0U[k]+b1U[k-1]+…+bnU[k-n]-a1U'[k-1]-…-anU'[k-n] (4)
ただし、制御係数の初期値はb0=1、ai=0(i=1、…、n)、bj=0(j=1、…、n)である。そして、生成された指令加速度波形U'[k]は第二の制御装置103に入力される。
【0044】
一方、第二の適応フィルタ3は、指令加速度波形U'[k]からオフライン補償手段108の影響を受けていない目標加速度波形Xに、第一の適応フィルタ2と同一の特性のフィルタを作用させて、修正加速度波形X'[k]を生成する。その機能は例えば次のようにして実現される。
【0045】
信号発生器1から目標加速度波形X[k]を受けた第二の適応フィルタ3は、第一の適応フィルタ2と同一の制御係数ai、bjに応じて、次の式(5)に基づいて修正加速度波形X'[k]を生成する。
X'[k]=b0X[k]+b1X[k-1]+…+bnX[k-n]-a1X'[k-1]-…-anX'[k-n] (5)
そして、この生成された修正加速度波形X'[k]は参照信号生成手段4に入力される。
【0046】
参照信号生成手段4は、目標の振動台伝達特性あるいは予め同定された無負荷状態の振動台伝達特性を有する振動台モデルが修正加速度波形X'[k]に基づいて生成すべき目標の出力加速度波形Y'[k]を算出するものであり、例えばその機能は次のようにして実現される。
【0047】
目標の振動台モデルあるいは予め同定された無負荷状態の振動台モデルのシステム行列、制御行列、出力行列、伝達行列をそれぞれAST、BST、CST、DSTとおき、状態変数ベクトルをXST[k]とおくと、目標の出力加速度波形Y'[k]は次の式(6)で得られる。
【0048】
【数1】
このようにして算出された目標の出力加速度波形Y'[k]は参照信号フィルタ5に入力される。一方、加速度計測手段104で得られた実現加速度波形Y[k]は出力信号フィルタ6に入力される。
【0049】
参照信号フィルタ5は参照信号生成手段4で生成された目標出力加速度波形Y'[k]に含まれるノイズや直流成分を除去した参照信号R[k]を生成するためのものである。一方、出力信号フィルタ6は加速度計測手段104で得られた実現加速度波形Y[k]に含まれるノイズや直流成分を除去した出力信号V[k]を生成するためのものである。例えば、両フィルタ5、6はバンドパスフィルタであって、その機能は次のようにして実現される。
【0050】
バンドパスフィルタのシステム行列、制御行列、出力行列、伝達行列をそれぞれABP、BBP、CBP、DBPとおき、状態変数ベクトルをXBP 1[k]、XBP 2[k]とおくと、参照信号R[k]は次の式(7)で得られる。
【0051】
【数2】
一方、出力信号V[k]は次の式(8)で得られる。
【0052】
【数3】
そして、これらの参照信号R[k]と出力信号V[k]は同定手段7に入力される。
【0053】
同定手段7は、参照信号R[k]と出力信号V[k]を比較し、目標の振動台伝達特性あるいは予め同定した無負荷状態の振動台伝達特性に対する振動台伝達特性の変動を逐次同定する。そして、同定手段7は、この同定した変動の逆特性を実現する制御係数ai、bjを生成する。同定手段7の機能は、例えば、次のようにして実現される。
【0054】
参照信号R[k]は、目標加速度波形X[k]に対し、第二の適応フィルタ3と参照信号生成手段4と参照信号フィルタ5の影響を受ける。一方、出力信号V[k]は、オフライン補償手段108と第一の適応フィルタ2と第二の制御装置103と供試体106を含む振動台の伝達特性と出力信号フィルタ6の影響を受ける。ここで、第一の適応フィルタ2と第二の適応フィルタ3の伝達特性は同一であり、また、参照信号フィルタ5と出力信号フィルタ6の伝達特性は同一である。したがって、参照信号R[k]と出力信号V[k]を比較すれば、目標の振動台伝達特性あるいは予め同定された無負荷状態の振動台伝達特性とオフライン補償された振動台の伝達特性との差を得ることができる。つまり、供試体特性の非線形性などによる振動台伝達特性の変動DJを抽出することができる。
【0055】
この変動DJを参照信号R[k]と出力信号V[k]とから同定する方法の1つに逐次最小2乗法がある。この逐次最小2乗法では、最新の参照信号R[k]と過去m点の参照信号R[k-i]と出力信号V[k-i]から求まる最新の出力信号の推定値V'[k]を次の式(9)で求める。
V'[k]=a'0R[k]+a'1R[k-1]+…+a'nR[k-n]-b'1V[k-1]-…-b'nV[k-n] (9)
そして、実際の出力信号V[k]に対する出力信号の推定値V'[k]の誤差が最小となるような係数a'j、b'iを算出する。この係数a'j、b'iが同定された変動DJを表すパラメータである。
【0056】
したがって、この変動DJを補償するための制御係数ai、bjは次の式(10)で求められる。
【0057】
ai=a'i/a'0
bi=b'i/a'0 (10)
b0=1/a'0
これらの制御係数ai、bjは第一の適応フィルタ2と第二の適応フィルタ3に送られ、これら適応フィルタ2、3の動特性は変動DJを補償するように変更される。
【0058】
以上のように、本実施例によれば、目標の振動台伝達特性に対する無負荷時の振動台伝達特性の誤差あるいは供試体搭載時に試加振したときの振動台伝達特性の誤差を観測雑音の影響を受け難い逆伝達関数補償手段でオフライン補正し、一方、加振中に生じる供試体106や振動台の非線形性を含む原因による振動台伝達特性の変動を第一の制御装置111でオンライン補償することができ、これにより高精度かつ高速に前記誤差の同定並びにこの振動台伝達特性の補償を行うことができる。
【0059】
また、第一の制御装置111は、既存の第二の制御装置103を有する振動台に容易に付加することができる。なお、本発明の第一の制御装置111は第二の制御装置103と同一の演算装置で実現されても良い。また、第一の制御装置111は、各構成要素毎に異なる演算装置で実現されても良く、あるいは、いくつかの構成要素をまとめて複数の演算装置で実現されても良い。
【0060】
次に、本発明の振動台の制御動作を図4を参照しながら説明する。図4は本発明の振動台の制御動作を示すフローチャート図である。
【0061】
まず、同定手段7の制御係数をb0=1、ai=0、bi=0に初期化する(200)。次いで、入力補償加速度波形Uを第一の適応フィルタ2に読み込み(201)、目標加速度波形Xを第二の適用フィルタ3に読込み(202)、実現加速度波形Yを出力信号フィルタ6に読み込む(203)。
【0062】
この入力補償加速度波形Uに基づき、第一の適応フィルタ2で、指令加速度波形U'を算出する(204)。
【0063】
また、目標加速度波形Xに基づき、第二の適応フィルタ3で、修正加速度波形X'を算出し、この修正加速度波形X'を参照信号生成手段4に出力する(205)する。そして、この修正加速度波形X'に基づき、参照信号生成手段4で、目標出力加速度波形Y'を算出し、この目標出力加速度波形Y'を参照信号フィルタ5に出力する(206)。さらに、この目標出力加速度波形Y'に基づき、参照信号フィルタ5で、参照信号Rを算出し、この参照信号Rを同定手段7に出力する(207)。一方、先に読み込まれた実現加速度波形Yに基づき、出力信号フィルタ6で、出力信号Vを算出し、この出力信号Vをを同定手段7に出力する(208)。
【0064】
この出力信号Vと先に算出された参照信号Rとに基づき、同定手段7は供試体106や振動台の非線形性を含む原因による振動台伝達特性の変動を同定する(209)。さらに、同定手段7は、第一の適応フィルタ2及び第二の適応フィルタ3の制御係数ai、bjを算出し(210)、この算出した制御係数ai、bjを第一の適応フィルタ2及び第二の適応フィルタ3へ伝達し(211)、第一の適用フィルタ2及び第二の適応フィルタ3における次回の演算に利用する。最後に、先に第一の適応フィルタ2で算出した指令加速度波形U'を第二の制御装置103に出力する(212)。
【0065】
以上の動作を繰り返し行い、供試体106や振動台の非線形性を含む原因による振動台伝達特性の変動をオンラインで補償する。
【0066】
なお、処理の順序はこれに限定されず、等価な処理が行なえれば順序が入れ替わっても、あるいは、並列処理されてもよい。また、制御装置111の演算速度が不十分な場合は、同定手段7における同定演算を間引いて実施しても良い。
【0067】
一般に振動台伝達特性は高次の遅れ系で近似される。そのため、特に振動台の加振周波数範囲を超えるような高周波数域における振動台の応答倍率は低下する。それにもかかわらず、第一の適用フィルタ2のみを用いて目標加速度波形の実現を試みると、第一の適応フィルタ2の特性が不安定となる可能性がある。これに対して、本実施例では、目標の振動台伝達特性あるいは予め同定された無負荷状態の振動台伝達特性を有する参照信号生成手段4で生成した目標出力加速度波形Y'を用いるので、上述のような現象を回避することができる。
【0068】
また、繰り返し試加振をして入力補償加速度波形Uを生成する逆伝達関数補償法に比べて、本加振の最中に逐次同定して指令加速度波形U'を生成する第一の制御装置111による制御は、観測雑音による悪影響を受ける可能性がある。これに対して、本実施例では、加振機102や第二の制御装置103の特性の補償や供試体106の慣性負荷としての振動台伝達特性への影響の補償をオフライン補償手段108における逆伝達関数補償で行い、供試体106や振動台の非線形性を含む原因による振動台伝達特性の変動をオンライン補償を行うことにより、高速で高い補償効果を得ることができる。
【0069】
次に、本発明の振動台の補償原理を図5から図8を参照しながら説明する。
【0070】
図5に示すような目標の擬似速度応答スペクトルとなる最大振幅1000cm/s2の目標加速度波形で、固有値が20Hzであり、加振加速度が200cm/s2で弾性限界となるような1自由度系供試体を加振する例により説明する。
【0071】
まず、第一の制御装置111を利用しない状態で、実現加速度が200cm/s2になるように振幅を縮小した目標加速度波形で試加振して逆伝達関数補償を行うと、図6に示すような擬似速度応答スペクトルが得られる。このとき、供試体106の固有値がある20Hz付近では供試体106がエネルギーを吸収するので、逆伝達関数補償は20Hz付近の周波数成分が強調されている。
【0072】
次に、第一の制御装置111を利用しないまま本加振を行う。つまり、試加振の結果得られた逆伝達関数補償によって20Hz付近の周波数成分が強調されたままの波形を最大振幅が1000cm/s2になるように振幅を5倍にして加振し、目標の擬似速度応答スペクトルを得ることを目的として本加振を行う。この本加振で得られる擬似速度応答スペクトルは、図7で明らかなように、20Hz付近の応答が過大となってしまう。この現象は、供試体106の塑性変形に起因して供試体106の見かけ上の固有値が試加振時の20Hz付近から移動した結果、供試体106がエネルギー吸収する周波数成分が移動するために生じる。即ち、20Hz付近の周波数成分は逆伝達関数補償で強調されているのに対し、供試体106の塑性変形によるエネルギー吸収が減るため過大な応答となる。したがって、第一の制御装置111の制御を利用しない場合、本加振における波形再現性が低下する。
【0073】
これに対して、第一の制御装置111の制御を利用して本加振を行うと、図8のような擬似速度応答スペクトルが得られる。この疑似速度応答スペクトルは、図7と比較して明らかなように、第一の制御装置111の制御によって供試体106の見かけ上の固有値の変動に起因する振動台伝達特性の変動が補償されている。
【0074】
第一の制御装置111に用いる参照信号フィルタ5と出力信号フィルタ6は、バンドパスフィルタに限定されず、両フィルタ5、6が共にノイズ除去を目的としたローパスフィルタであってもよい。また、両フィルタ5、6は、その特性が一致していることが好ましいが、無負荷状態において参照信号と出力信号との差が十分に小さくなる場合は両フィルタの特性が一致していなくてもよい。さらに、両信号の直流成分並びにノイズが十分に小さい場合には、両フィルタ5、6が共になくてもよい。
【0075】
また、第一の適応フィルタ2、第二の適応フィルタ3、参照信号生成手段4、参照信号フィルタ5、出力信号フィルタ6、及び同定手段7で扱われる信号は、加速度信号に限定されず、変位信号でもよい。
【0076】
さらには、同定手段7では、参照信号に対する出力信号の伝達特性を算出し、これをカーブフィットさせて伝達関数を算出し、その逆伝達関数のパラメータからなる制御係数を第一の適応フィルタ2及び第二の適応フィルタ3に送り、第一の適応フィルタ2及び第二の適応フィルタ3では、この制御係数に応じて信号を補正するようにしてもよい。
【0077】
また、オフライン補償手段の伝達特性をH=1、即ち、逆伝達関数補償を行わなくてもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、テーブルの運動状態を計測する計測手段以外の計測手段や供試体モデルや正確な振動台モデルを必要とすることなく、目標の振動台伝達特性に対する振動台側の影響をオフラインで補償することができると共に、振動台伝達特性の変動をオンラインで補償することができ、これにより高精度かつ高速に振動台特性を補償することができる振動台及びその制御装置並びに制御方法を得ることができる。
【0079】
また、本発明によれば、第二の制御装置を有する既存の振動台に第一の制御装置を追加するのみで、テーブルの運動状態を計測する計測手段以外の計測手段や供試体モデルや正確な振動台モデルを必要とすることなく、目標の振動台伝達特性に対する振動台側の影響をオフラインで補償することができると共に、振動台伝達特性の変動をオンラインで補償することができ、これにより高精度かつ高速に振動台特性を補償することができる振動台を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動台における制御装置の特に第一の制御装置の詳細を示す制御ブロック図である。
【図2】本発明の振動台の構成図である。
【図3】本発明の振動台における制御装置の特に第二の制御装置を詳細に示す制御ブロック図である。
【図4】本発明の振動台の制御動作を示すフローチャート図である。
【図5】振動台における目標の擬似速度応答スペクトルの一例を示す図である。
【図6】振動台の第一の制御装置を利用しない状態で試加振した結果の擬似速度応答スペクトルの一例を示す図である。
【図7】振動台の第一の制御装置を利用しない状態で本加振した結果の擬似速度応答スペクトルの一例を示す図である。
【図8】振動台の第一の制御装置を利用して本加振した結果の擬似速度応答スペクトルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…信号発生器、2…第一の適応フィルタ、3…第二の適応フィルタ、4…参照信号生成手段、5…参照信号フィルタ、6…出力信号フィルタ、7…同定手段、101…テーブル、102…加振機、102a…加振機ピストン、103…第二の振動台制御装置、104…加速度計測手段、105…軸受、106…供試体、107…基礎、108…オフライン補償手段、109…目標信号発生手段、110…制御装置、111…第一の制御装置。
Claims (7)
- 供試体を搭載するためのテーブルと、このテーブルを加振する加振手段と、前記テーブルの運動状態を計測する計測手段と、前記テーブルを加振するための信号を発生する信号発生器と、前記計測手段の検出信号及び前記信号発生器の信号に基づいて前記加振手段を制御する制御装置と、を備えた振動台であって、
前記信号発生器は、振動台で実現する目標信号を発生する目標信号発生手段と、この目標信号発生手段の目標信号をオフラインで補償して入力補償信号を生成するオフライン補償手段とを有しており、
前記制御装置は、前記オフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記加振手段側に出力する第一の適応フィルタと、前記目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を出力する第二の適応フィルタと、この第二の適応フィルタから出力される修正信号と前記計測手段で検出した検出信号に基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する前記同定手段とを有している
ことを特徴とする振動台。 - 供試体を搭載するためのテーブルと、このテーブルを加振する加振手段と、前記テーブルの運動状態を計測する計測手段と、前記テーブルを加振するための信号を発生する信号発生器と、前記計測手段の検出信号及び前記信号発生器の信号に基づいて前記加振手段を制御する制御装置と、を備えた振動台であって、
前記信号発生器は、振動台で実現する目標信号を発生する目標信号発生手段と、この目標信号発生手段の目標信号をオフラインで補償して入力補償信号を生成するオフライン補償手段とを有しており、
前記制御装置は、前記オフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記加振手段側に出力する第一の適応フィルタと、前記目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を出力する第二の適応フィルタと、目標の振動台伝達特性もしくは予め同定された無負荷状態の振動台伝達特性を有して前記第二の適応フィルタから出力される修正信号に対する目標の振動台出力信号を生成する参照信号生成手段と、この参照信号生成手段で生成された目標の振動台出力信号と前記計測手段で検出した検出信号とに基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する前記同定手段とを有している
ことを特徴とする振動台。 - 請求項1または2に記載の振動台において、前記第一の適応フィルタの特性と前記第二の適応フィルタの特性を同一にすると共に、この両適応フィルタの特性を振動台伝達特性の変動の逆特性とするための制御信号を出力する前記同定手段としていることを特徴とする振動台。
- 請求項1から3の何れかの振動台において、前記同定手段への2つへの入力信号それぞれに作用する同じ特性のローパスフィルタもしくはバンドパスフィルタを有していることを特徴とする振動台。
- 供試体を搭載するためのテーブルと、このテーブルを加振する加振手段と、前記テーブルの運動状態を計測する計測手段と、前記テーブルを加振するための信号を発生する信号発生器と、前記計測手段の検出信号及び前記信号発生器の信号に基づいて前記加振手段を制御する制御装置と、を備えた振動台であって、
前記信号発生器は、振動台で実現する目標信号を発生する目標信号発生手段と、この目標信号発生手段の目標信号をオフラインで補償して入力補償信号を生成するオフライン補償手段とを有しており、
前記制御装置は、前記目標信号発生手段から出力される目標信号及び前記計測手段の検出信号に基づいて前記入力補償手段から出力される入力補償信号の補償を行う第一の制御装置と、この第一の制御装置から出力される指令信号を前記計測手段の検出信号に基づいて補償する第二の制御装置とを有し、
前記第一の制御装置は、前記オフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記第二の制御装置に出力する第一の適応フィルタと、前記目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を出力する第二の適応フィルタと、この第二の適応フィルタから出力された修正信号と前記計測手段で検出した検出信号に基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する前記同定手段とを有している
ことを特徴とする振動台。 - 信号発生器から出力されるテーブル加振用の信号と供試体を搭載するためのテーブルの運動状態を計測する計測手段の検出信号とに基づいて、前記テーブルを加振する加振手段を制御する振動台の制御装置であって、
前記信号発生器のオフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記加振手段側に出力する第一の適応フィルタと、
前記信号発生器の目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を出力する第二の適応フィルタと、
この第二の適応フィルタから出力された修正信号と前記計測手段で検出した検出信号に基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する前記同定手段と、
を有していることを特徴とする振動台の制御装置。 - 供試体を搭載するためのテーブルと、このテーブルを加振する加振手段と、前記テーブルの運動状態を計測する計測手段と、前記テーブルを加振するための信号を発生する信号発生器と、前記計測手段の検出信号及び前記信号発生器の信号に基づいて前記加振手段を制御する制御装置とを備えた振動台の制御方法であって、
前記信号発生器の目標信号発生手段で振動台で実現する目標信号を発生し、
前記信号発生器のオフライン補償手段で前記目標信号発生手段の目標信号をオフラインで補償して入力補償信号を発生し、
前記制御装置の第一の適応フィルタで、前記オフライン補償手段から出力される入力補償信号を同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、指令信号を前記加振手段側に出力し、
前記制御装置の第二の適応フィルタで、前記目標信号発生手段から出力される目標信号を前記同定手段から出力される制御信号に基づいてオンラインで補償して、修正信号を同定手段側に出力し、
前記制御装置の同定手段で、前記第二の適応フィルタから出力された修正信号と前記計測手段で検出した検出信号に基づいて振動台伝達特性の変動をオンラインで同定し、かつ振動台伝達特性の変動を補償するための制御信号を前記第一の適応フィルタ及び前記第二の適応フィルタに出力する
ことを特徴とする振動台の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001025640A JP4092878B2 (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 振動台及びその制御装置並びに制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001025640A JP4092878B2 (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 振動台及びその制御装置並びに制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002228541A JP2002228541A (ja) | 2002-08-14 |
JP4092878B2 true JP4092878B2 (ja) | 2008-05-28 |
Family
ID=18890594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001025640A Expired - Lifetime JP4092878B2 (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 振動台及びその制御装置並びに制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4092878B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008233075A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-10-02 | Nagoya Institute Of Technology | 振動試験装置 |
JP4691069B2 (ja) * | 2007-07-02 | 2011-06-01 | Imv株式会社 | 外力補償を行う動電式振動試験装置 |
WO2013069500A1 (ja) | 2011-11-12 | 2013-05-16 | 国際計測器株式会社 | 制御プログラム、制御方法及び制御装置 |
-
2001
- 2001-02-01 JP JP2001025640A patent/JP4092878B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002228541A (ja) | 2002-08-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3361529B2 (ja) | 振動台およびその制御方法 | |
JP3901910B2 (ja) | 振動試験装置の駆動方法及び振動試験装置 | |
JP2008102127A (ja) | 振動試験装置 | |
CN107257914B (zh) | 用于检查惯性传感器的设备和方法 | |
JP4092878B2 (ja) | 振動台及びその制御装置並びに制御方法 | |
JP6468144B2 (ja) | 疲労試験機 | |
JP2002156308A (ja) | 振動台及びその制御装置、並びに制御方法 | |
JP2008233075A (ja) | 振動試験装置 | |
JP3396425B2 (ja) | 振動台制御装置 | |
JP2000146747A (ja) | 振動試験装置 | |
JP2000121488A (ja) | 振動試験装置及び振動試験方法 | |
JP6297362B2 (ja) | 振動試験装置 | |
JP3495595B2 (ja) | 振動台制御装置 | |
JP4092877B2 (ja) | 適応制御装置および振動台 | |
JPH10281925A (ja) | 振動試験装置 | |
JP3626858B2 (ja) | 振動台波形歪制御装置 | |
JP2022082224A (ja) | 試験機の試験方法 | |
JP3811639B2 (ja) | 制御装置 | |
JP3495594B2 (ja) | ツイン振動台制御装置 | |
JP2001133357A (ja) | 振動試験システム | |
JPH0534245A (ja) | ロードシミユレーシヨン装置の制御方法 | |
JP2003161670A (ja) | 振動台の応答評価方法および特性評価方法 | |
JP3749402B2 (ja) | スード試験方法および装置 | |
Niţă et al. | Mechatronics educational systems in vibration field | |
JP3802200B2 (ja) | 果実の熟度測定方法と熟度測定装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060224 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060224 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20060920 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060921 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061024 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071129 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080212 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080225 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4092878 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130314 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140314 Year of fee payment: 6 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |