JP3811639B2 - 制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアクチュエータによって加振される多自由度加振装置ならびにその制御装置に係わり、特に、加振対象の応答の少なくとも1つの成分が制御入力の複数成分から影響を受ける場合や、加振対象の特性が時間的に変動する場合に好適な制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のアクチュエータによって加振される多自由度加振装置の例としての多次元振動台の例を図2及び図3に示す。図2は、静圧継手を利用した二次元振動台で、静圧継手21は、テーブル20に固定された「コの字」部22、ならびに、油圧加振機26a〜26cに固定された「ロの字」部23から構成されている。「コの字」部22と「ロの字」部23の間には油膜25(ハッチを施した部分)と球面軸受24が存在する。油膜の法線方向には力が伝達されるが、接線方向には力は絶縁されている。また、球面軸受により油圧加振機のピストンにはその軸方向成分のみが伝達される。その結果、テーブルが二次元平面内で3自由度の運動をしても、それぞれの油圧加振機にはその軸方向のみの力しか伝達されない。この二次元振動台を水平方向HORに加振しようとする場合、水平方向加振機26aのみを変位させ、垂直方向加振機26b、26cは特定の位置に保持すれば良い。また、垂直方向VERに加振しようとする場合、水平方向加振機26aは特定の位置に保持し、垂直方向加振機26b、26cを全く同一に変位させれば良い。つまり、機構的には水平方向HORと垂直方向VERの間は非干渉化されている。
【0003】
しかしながら、各加振機が同じ仕様で製作されたものであっても、加工精度などに起因して特性が異なる。さらに、通常、水平方向加振機26aと垂直方向加振機26b、26cとではストロークや最大加振力などが異なるので、両者の特性は異なる。したがって、これらを同期させて目標通り変位させることは難しい。その上、水平方向HORのみに加振しようとしても、水平方向加振機26aの軸上に供試体27とテーブル20の重心が無いため、回転方向θのモーメントが発生し、さらに、供試体とテーブルの重心が水平方向に移動するため、垂直方向加振機26b、26cの負荷は互いに時間的に異なって変化する。したがって、垂直方向加振機を同期させて目標通り変位させることも難しい。その結果、水平方向HOR、垂直方向VER、回転方向θの間で干渉が生じ、テーブルが目標通りに運動しなくなる場合があった。
【0004】
図3は、リンク式の二次元振動台で、テーブル30は両端にユニバーサルジョイント34を配置したリンク31で油圧加振機32a〜32cに連結されている。そのため、水平、垂直のうちいずれか1方向にテーブルを加振する場合でも、水平方向加振機32a、垂直方向加振機32b、32cともに同期させて変位させる必要がある。つまり、機構的に各方向間で干渉している。このような現象は、基礎とアクチュエータの間ならびにアクチュエータとテーブルの間をユニバーサルジョイントで連結した、スイングアクチュエータ式と呼ばれる駆動方式についても同様である。
【0005】
以上の二次元振動台の例で示したようなテーブル運動の誤差は、多次元振動台を用いた試験の信頼性を低下させる要因である。このような問題を解決する方法として、「耐震設計と構造動力学」(日本機械学会編、1985年、267〜275ページ)に開示されているように、実現したい状態量のフーリエスペクトルに供試体を含む多次元振動台の逆伝達関数行列を乗じ、振動台への指令値群を生成するというものがある。また、この方法を制御中に繰り返し行って、多次元の駆動信号により駆動される被制御系を制御する技術が特開平10−105252号公報及び特開平10−124105号公報に開示されている。また、特開2000−227381号公報には、並進方向加振時に生じた回転方向加速度などをフィードバックする制御方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上に引用した従来技術はいずれも多次元加振装置の改良に関するものであるが、前述の「耐震設計と構造動力学」に示された技術は、加振対象が時間的に変化しない場合の補償方法を示しており、供試体の特性が、例えば供試体の部材が破断するなどして加振中に変化した場合、あるいは、供試体や振動台の特性に非線形性がある場合、必ずしも供試体の影響が補償されず、また、必ずしもテーブル運動方向間の非干渉化が実現されなかった。また、特開平2000−227381公報の技術では、加振対象の特性を同定するのではなく、フィードバック制御を行っているので、供試体がテーブルに及ぼす力(供試体反力)がテーブル単体を運動させるのに必要な力に対して相対的に大きくなるにつれて補償効果が小さくなり、必ずしも供試体の影響が補償されず、また、必ずしもテーブル運動方向間の非干渉化が実現されなかった。さらに特開平10−105252号公報及び特開平10−124105号公報の技術によると、加振対象の特性の時間変動や非線形特性にも対応できるが、加振対象の特性の同定をフーリエ変換により行うため、多くのデータに対する演算が必要で、特性変化が早いとき、あるいは複数加振方向の干渉を高速で補償する必要があるときには追随性が不十分になる問題があった。
【0007】
本発明の目的は、制御対象に非線形性がある場合、あるいは供試体の特性が、例えば供試体の部材が破断するなどして、加振中に変化する場合でも、干渉系である制御対象を目標通り制御できるようにした制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、制御対象の複数の状態量の各々の目標波形をその成分とする目標ベクトルを入力とし、前記複数の状態量の各々の応答波形をその成分とする応答ベクトルが前記目標ベクトルと一致するように制御するための制御装置において、
制御対象へ入力されるところの前記複数の状態量の各々を制御する制御信号波形をその成分とする修正ベクトルと前記応答ベクトルの実測値とを入力として、制御対象の伝達関数行列を逐次同定法によって実時間で同定する同定手段と、
前記同定手段により同定した伝達関数行列の逆行列を前記目標ベクトルに作用させる修正演算を実行することにより前記制御対象への修正ベクトルを生成する適応フィルタ手段とを備え、
この適応フィルタ手段は、前記同定手段により同定された伝達関数行列の成分である成分伝達関数とそれらの逆数である逆伝達関数を個々のブロックにもち、それらブロックの直列結合、並列結合、及びフィードバック結合を組み合わせた制御回路により前記修正演算を行うことを特徴とする制御装置を開示する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による多自由度加振装置の構成例を示すブロック図で、オフライン補償器2、適応フィルタ3、及び同定手段4を用いて制御対象1を制御するもので、制御対象1内のテーブル14が与えられた目標ベクトルX(k)(kはサンプリング回数を表す整数)に従って運動するように制御する。
【0015】
以下、図1の加振機13、テーブル14及び供試体15を除いた各機能ブロックはディジタル演算処理により実現されるものとし、また加振機13とテーブル14としては図2に示した二次元振動台を例とし、これが油圧加振機により加振されるものとして説明する。この場合、図2の水平方向HOR、垂直方向VER、回転方向θに関するテーブル加速度を制御対象の状態量群とする。そして、この状態量群の目標値が前記の目標ベクトルX(k)である。オフライン補償器2は、テーブル14に供試体15を載せた状態で、加振による供試体部材の破断などが生じない線形とみなせる動作範囲での制御対象1の伝達関数L−1を試加振などにより求めておき、この伝達関数の逆伝達関数Lを目標ベクトルX(k)に作用させて指令ベクトルU(k)を生成する手段であり、この指令ベクトルによって制御対象を制御すると、制御対象が線形動作とみなせるときは制御対象の伝達特性が相殺されてテーブルの応答が目標ベクトルに一致するように作用する。このようなオフライン補償の技術は、前記した「耐震設計と構造動力学」に示されている公知のものである。
【0016】
同定手段4は、後に詳述するように、制御対象1の各時点kに於る伝達関数行列を実時間で逐次同定し、適応フィルタ3は、この同定された伝達関数行列を用いて指令ベクトルU(k)を実時間で補正して修正ベクトルU’(k)を出力する。ただし、必ずしも指令ベクトルU(k)のすべての要素を補正する必要はなく、予め指定された任意の要素のみを補正するようにしても良い。
【0017】
座標変換・積分器11は、加速度の次元の信号である前記修正ベクトルU’(k)を変位の次元になるよう2重積分し、さらに、この変位の次元の信号を、加振機13のピストン変位量の指令値を要素とする駆動ベクトルR(k)に変換(座標変換)する。なお、この座標変換の前あるいは後に特性が固定されている補償器を設け、二次元振動台の周波数特性を改善しても良い。
【0018】
状態量演算器16は、二次元振動台に設置された各種計測器(図示省略)の計測値を読み込み、テーブル14の加速度、速度、変位、ならびに加振機13を駆動する作動油圧力(差圧)などで構成される状態量ベクトルV(k)と、目標ベクトルX(k)を構成する状態量群と同じ量の値からなる応答ベクトルY(k)を出力する。なお、状態量ベクトルV(k)の各成分を、例えば、テーブル14の加速度の代わりに加振機の加速度を用いるなど等価と見なせる物理量に変更しても良い。
【0019】
フィードバック制御器12は、駆動ベクトルR(k)とフィードバックされた状態量ベクトルV(k)から、加振機13を駆動するサーボ弁開度目標値を要素とする開度ベクトルを出力し、加振機13はこの開度ベクトルに応じてテーブル14を駆動する。ここで、駆動ベクトルR(k)へフィードバックするものは、状態量ベクトルV(k)そのものに限らず、その積分値と微分値からなるベクトルにフィードバックゲイン行列を乗じて算出したベクトルとしても良い。さらに、フィードバックした後のベクトルの一部の要素に対して比例・積分補償を行っても良い。
【0020】
以下、本発明の特徴とする制御対象特性の補償方法を説明する。いま、目標ベクトルX(k)、指令ベクトルU(k)、修正ベクトルU’(k)、及び応答ベクトルY(k)を水平方向HOR、回転方向θ、垂直方向VERの各成分で次のように表す。
【数1】
Figure 0003811639
そうするとこれらのベクトルの間には次式が成立する。
【数2】
Figure 0003811639
ただし、制御対象1及び適応フィルタ3の伝達関数行列G(k)、E(k)は、非線形等のための特性変化に対応するために、サンプリング時点kを変数として含んでいる。またz変換の演算子zも含んでいるが、こちらの方は表記を省略している。そして、これらの伝達関数行列を(数3)により表す。
【数3】
Figure 0003811639
【0021】
上記の(数2)から、目標ベクトルX(k)と応答ベクトルY(k)の関係は
【数4】
Figure 0003811639
となる。従って、目標ベクトルX(k)と一致する応答ベクトルY(k)を得るためには、適応フィルタ3の伝達関数行列E(k)を次のように定めればよい。
【数5】
Figure 0003811639
ただし、L−1は制御対象の試加振で得た伝達関数行列であり、これは時変ではないのでサンプリング時点kをその変数として含まない。L−1を(数6)で表すと、この行列は本発明の制御手法では既知の値として利用できる。
【数6】
Figure 0003811639
【0022】
一方、G−1(k)は、サンプリング時点kにおける供試体を含む制御対象1の伝達関数行列の逆行列であり、供試体の非線形性などの影響を受けて時変となり得る。そこで、制御対象1の伝達関数行列G(k)の各要素を、実時間で同定する必要がある。同定手段4はこの行列G(k)を同定するもので、同定演算器44は、例えば一自由度加振装置の制御方法を示した『非線形供試体反力の実時間補償による振動台制御』(第2回構造物の破壊過程解明に基づく地震防災性向上に関するシンポジウム論文集、2001年3月、p.53〜58)に開示されている実時間逐次同定方法を用い、修正ベクトルU’(k)と応答ベクトルY(k)それぞれの対応する成分を、前記実時間逐次同定方法における目標出力信号と出力信号として、逐次同定する。ここで同定手段4に設けられたフィルタ41、42とマスク信号発生器43は、補償対象とする周波数領域の信号成分のみを同定演算の対象とすることによって、その演算時間を短縮するために設けられたもので、その詳細は特願2001−018590に示されている。なお、逐次同定しようとする伝達関数の入出力信号、即ち同定手段4への2つの入力信号の少なくとも一方が、例えばノイズが支配的であるなど、有意な信号成分を含まない場合、この伝達関数の逐次同定を行わず、伝達関数を零としても良い。
【0023】
ここで、G(k)の少なくとも対角要素は高次の遅れ系で近似し得る。そのため、G−1(k)の対角要素が高周波数域で微分器と同等の特性となり、従って(数5)から適応フィルタ3が指令ベクトルU(k)に含まれるノイズを増幅することになる。これを避ける必要があるときは、適応フィルタ3のゲインを抑制するために、その伝達関数行列に伝達関数行列FをもつバンドパスフィルタあるいはローパスフィルタFを付加し、適応フィルタ3の伝達関数行列E(k)を(数5)に代わって
【数7】
Figure 0003811639
としてもよい。また、図2の二次元振動台では、垂直方向VERに加振したとき、水平方向HORに与える影響が無視できる場合がある。このような場合、(数3)のGVH(k)は0と見なし、逐次同定を行わなくても良い。これは演算時間の短縮に寄与する。
【0024】
以上のようにして制御対象1の伝達関数行列G(k)が実時間で求められると、まず同定手段4により求めた行列G(k)の逆行列G−1(k)を求め、それを用いて(数5)又は(数7)により適応フィルタ3の伝達関数行列E(k)をリアルタイムで算出し、このE(k)でベクトルU(k)を修正したベクトルU’(k)を算出することになる。このためには伝達関数行列G(k)の逆行列をまず求める必要があるが、この逆行列G−1(k)は周知の公式で表され、(数8)〜(数11)で与えられる。
【数8】
Figure 0003811639
【数9】
Figure 0003811639
【数10】
Figure 0003811639
【数11】
Figure 0003811639
【0025】
ここで伝達関数行列G(k)の各要素は演算子zの有理関数であり、かつG−1(k)の各要素Gαβ −1(k)は(数11)のようにかける。従って逆行列の各要素Gαβ −1(k)も演算子zの有理関数として求めることができる。しかし、制御対象によるが、G(k)の各要素が30次をこえるzの多項式を分母、分子にもつことがある。(数9)(数10)からわかるように、Gαβ −1の計算には、G(k)の要素の3個の積を求める必要があるが、上記のようにGの各要素が高次の多項式を含んだときは100次をこえる多項式の係数を算出することとなり、逆行列G−1(k)をリアルタイムで算出することが難しくなる。そこで本発明では、例えば逆行列G−1(k)の第1行第1列成分GHH −1(k)を(数8)〜(数10)を用いて、次のように変形する。
【数12】
Figure 0003811639
但しこの(数12)では行列Gの要素GHH等やadjontGの要素μHH等の時間変数kは表記を省略している。そうすると(数12)の伝達関数GHH −1(k)は、伝達関数行列G(k)の各要素とその逆伝達関数を直列結合と並列結合とフィードバック結合の組み合わせた図4のブロック線図で構成できる。このように各ブロックが同定された伝達関数行列G(k)の各要素あるいはその逆伝達関数で構成されるようにする。なお、図4は一例であり、例えば1/Gθθと1/GVVのブロックを入れ換える等の等価変換をしても良いことはいうまでもない。逆伝達関数の他の要素についても同様である。
【0026】
同様にして適応フィルタ3の伝達関数行列である(数7)のE(k)は、図5のようなブロック線図で構成できる。ただし図5中のGHH −1等のブロックは図4のようなブロック線図で構成される。従って、適応フィルタ3では、既知の値をもつ(数6)のL−1の各要素と同定手段4により同定された制御対象1の伝達関数行列G(k)の各要素を用いて、図5のブロック線図に従って指令ベクトルU(k)から修正ベクトルU’(k)を算出することができる。このブロック線図を用いての演算の初期値としては、例えばG−1(k)の初期値を単位行列としてもよいし、E(k)の初期値を単位行列としてもよい。
【0027】
以上説明したように、図1の装置によれば、制御対象の伝達特性行列G(k)が時変であってもそれを実時間で同定し、かつその同定結果を用いて指令ベクトルを実時間で修正して所望の応答を実現することができる。なお、特殊な場合として、1つまたは2つの加振方向の指令ベクトル成分が常に0の場合、例えば、Uθ(k)、U(k)が常に0である場合、適応フィルタ3は見かけ上1入力3出力系となる。また、この場合、一般的に、目標ベクトルX(k)の補正はHOR方向のみ実施され、さらに、Xθ(k)、X(k)は0である。この場合は(数4)は次のように表記される。
【数13】
Figure 0003811639
従って適応フィルタ3の伝達関数行列E(k)はこのとき
【数14】
Figure 0003811639
とすればよい。
【0028】
図6は、本発明による多自由度加振装置の別の構成例を示すブロック図である。図1の構成と異なるのは、修正ベクトルU’(k)を直接同定手段4へ入力せずに、振動台モデル5を介して同定手段4への一方の入力としている点と、同定手段4の出力に演算を施して制御対象1の伝達関数行列G(k)を求めるための制御対象伝達関数算出手段6を設けた点であり、他の構成は図1と同じである。
【0029】
振動台モデル5としては、例えば供試体がないときの制御対象の伝達関数行列M(実測値又は目標値)を用い、これを修正ベクトルU’(k)に作用させてM・U’(k)を求め、これを同定手段4へ入力する。従って、同定手段4によって同定される伝達関数行列△Gの各要素△Gαβは、制御対象1の伝達関数行列G(k)の対応要素Gαβの伝達関数行列Mの対象要素Mαβに対する比を表しており
【数15】
Figure 0003811639
を満たしている。従って制御対象伝達関数算出手段6はこの(数15)の演算を行って行列G(k)の各要素を求め、これを図1と同じ適応フィルタ3へ渡せば、図1と同じ結果が得られる。そしてこの(数15)の演算及びM・U’(k)の演算は簡単なもので実時間演算は容易である。但し(数15)にて、振動台モデルMのある要素Mαβ=0のときはGαβ(k)=△Gαβ(k)とする。
【0030】
なお、以上に説明した図1及び図6の構成例において、オフライン補償は必ずしも必要ではなく、指令ベクトルの一部またはすべての成分が目標ベクトルの該当する成分と同じであってもよい。また同定のための演算や適応フィルタによる目標ベクトル修正の演算等の各演算は、実時間処理が可能であれば1つの計算機で実行してもよいし、複数台の計算手段による並列処理を行ってもよく、これらは公知の技術で容易に実現できる。
【0031】
以上は、二次元振動台を例として本発明を説明したが、例えば三次元振動台や多軸加振装置のように、より自由度が大きな装置や振動台以外の装置に対しても同様に適用できることは明らかである。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、干渉系になっている多自由度加振装置を非干渉化をすることができ、これにより高精度に多自由度の加振を行える効果があり、さらに、複数のアクチュエータを備えた振動台において、加振対象である供試体や多次元振動台の特性が非線形となる場合でも、高精度な加振が可能になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多自由度加振装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】静圧継手方式の二次元振動台の一例である。
【図3】リンク方式の二次元振動台の一例である。
【図4】制御対象の逆伝達関数を実現するブロック線図の一例である。
【図5】適応フィルタの演算を実現するブロック線図の一例である。
【図6】本発明の多自由度加振装置の他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 制御対象
2 オフライン補償器
3 適応フィルタ
4 同定手段
5 振動台モデル
6 制御対象伝達関数算出手段
13 加振機
14 テーブル
15 供試体

Claims (1)

  1. 制御対象の複数の状態量の各々の目標波形をその成分とする目標ベクトルを入力とし、前記複数の状態量の各々の応答波形をその成分とする応答ベクトルが前記目標ベクトルと一致するように制御するための制御装置において、
    制御対象へ入力されるところの前記複数の状態量の各々を制御する制御信号波形をその成分とする修正ベクトルと前記応答ベクトルの実測値とを入力として、制御対象の伝達関数行列を逐次同定法によって実時間で同定する同定手段と、
    前記同定手段により同定した伝達関数行列の逆行列を前記目標ベクトルに作用させる修正演算を実行することにより前記制御対象への修正ベクトルを生成する適応フィルタ手段とを備え、
    この適応フィルタ手段は、前記同定手段により同定された伝達関数行列の成分である成分伝達関数とそれらの逆数である逆伝達関数を個々のブロックにもち、それらブロックの直列結合、並列結合、及びフィードバック結合を組み合わせた制御回路により前記修正演算を行うことを特徴とする制御装置。
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