JPH11326111A - 多自由度振動制御における被制御系の伝達関数の測定方法及び測定装置 - Google Patents
多自由度振動制御における被制御系の伝達関数の測定方法及び測定装置Info
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Abstract
振動制御における被制御系の伝達関数の測定方法等を提
供する。 【解決手段】 測定方法は、供試体に対し複数の加振機
によりそれぞれ正弦波の振動を同時に加えて被制御系の
伝達関数を測定するもので、先ず、複数の加振機を駆動
するための正弦波信号を生成するに際しそれらの正弦波
信号間の位相をランダムに変化させ、生成した正弦波信
号で複数の加振機を同時に加振し、この加振時に採取し
た応答信号及び加振信号を分析して得られる当該加振周
波数におけるスペクトルデータより1回分の自己スペク
トルと相互スペクトルとを算出する。このような工程を
複数回繰り返して複数回分の自己スペクトルと相互スペ
クトルとを算出し、それらを各々算術平均して自己スペ
クトル及び相互スペクトルの平均値を求め、その両平均
値から特定の周波数での伝達関数を算出する。以上のこ
とを周波数毎に繰り返して行い、全周波数成分の伝達関
数を算出する。
Description
いて供試体に対し複数の加振機によりそれぞれ加振する
多自由度加振の振動試験ないし振動制御を行う場合にお
ける被制御系の伝達関数を測定する測定方法及び測定装
置に関する。
制御においては、試験に先立って被制御系の伝達関数を
知る必要があり、この伝達関数の測定方法は、大きく分
けて次のように分類することができる。
定する方式 同時加振方式……加振機を同時に加振し、伝達関数を測
定する方式 加振信号 ランダム信号 正弦波信号
同時加振方式と、ランダム信号又は正弦波信号による個
別加振方式とによって伝達関数を測定していたが、正弦
波信号による同時加振方式は用いられていない。
を、測定時間と振動試験装置の保護の問題とについて比
較すると以下のようになる。
の影響及び試験の作業時間を考えた場合、その測定時間
が短ければ短いほど好ましい。加振機一台毎に加振し伝
達関数を測定する個別加振方式は加振機が多くなればな
るほど時間がかかり実用性に乏しい。また、ランダム信
号と正弦波信号とによる伝達関数の測定時間を比較した
場合、一般的にランダム信号による方が短くて済む。
振機への影響を考慮できないため、振動試験装置が破損
する虞れがある。一方、同時加振方式では、各加振機の
加振信号を調整でき、互いの加振機の影響を考慮できる
ため、振動試験装置の破損を回避することができる。例
えば、図8に示すように2台の加振機a,bで供試体c
を同時加振する場合、供試体cの傾きθが一定角度を超
えない加振を行うといった調整ができる。
題とを考慮すると、従来の測定方式の内、ランダム信号
による同時加振方式が最も良い方法であると一般的にい
え、実際上も広く用いられている。
よる伝達関数の測定方法について簡単に説明する。図9
に示すように、被制御系(伝達系)への入力信号波形ベ
クトル(加振機を駆動するための加振信号に相当)を
{x}とし、被制御系の出力信号波形ベクトル(制御点
での応答信号に相当)を{y}とする。
フーリエ変換)等を利用し周波数軸上のデータに変換し
た入力信号スペクトルベクトルを{X}とし、同様に出
力信号スペクトルベクトルを{Y}とし、被制御系の伝
達関数マトリックスをHとすると、これらの関係は下記
の数式1で表現される。
行列を掛け合わせると、
トルマトリックスであり、右辺は入力信号と出力信号の
相互スペクトルマトリックスであるので、これらを各々
Sxx、Sxyとすると、数式2は下記の数式3のように書
き直すことができる。
現できる。
スHを求めるには、逆行列S-1 xxが存在しなければなら
ないが、そのためにはSxxが正則である必要がある。
ダム信号である場合を考えると、S xxを平均化していけ
ば、平均化されたSxxにおいては、対角成分以外の成分
は無相関であるため、ゼロに近づいていく。従って、平
均化されたSxxは対角行列になり、対角行列は正則であ
るので、逆行列が存在することが保証される。
より、入力信号と出力信号との間に相関のない成分はゼ
ロに近づくため、特定の入力信号と各応答信号との関係
から他の入力信号の影響を排除することができる。
る伝達関数の測定は、各加振機に無相関なランダム信号
を与えて複数回加振し、その結果を平均化することによ
って得ることができるのである。
振の振動試験として、各加振機から正弦波の振動を同時
に加える正弦波振動試験を行う場合があるが、この場合
にも、従来は、本当の試験の加振状態と性質の異なるラ
ンダム信号を用いて被制御系の伝達関数を測定し、その
伝達関数を用いて正弦波振動試験を行っているので、十
分な精度が得られないことがある。特に、油圧加振機等
の非線形性が強い被制御系においては、このことが顕著
に現れることが多い。
いては、測定した被制御系の伝達関数が制御性能ひいて
は試験性能を左右するので、試験性能を向上させるため
には、一般的に、伝達関数を本当の試験による加振と同
様の加振条件で測定することが好ましい。このことか
ら、非線形性が強い被制御系に対して多自由度加振の正
弦波振動試験を行う場合には、試験と同じ信号つまり正
弦波信号を用いて、試験と同じ加振条件つまり同時加振
で伝達関数を測定することが好ましい。
達関数を測定する場合、特定の加振機から応答点への影
響を判断するには他の加振機からの影響を排除しなけれ
ばならないが、加振信号が正弦波信号の場合は正弦波信
号自体が相関のある信号であるため、そのことが難し
い。このため、今日でも正弦波信号による同時加振方式
で被制御系の伝達関数を測定することは行われていない
のが実情である。
機を同時に加振する場合、各加振機を駆動するための正
弦波信号の位相をランダムに変化させることによって、
加振信号がランダム信号の場合と同様に特定の加振機か
ら応答点への影響を判断することが可能であることを知
見し、この知見に基づいて十分な精度の伝達関数を測定
し得る多自由度振動制御における被制御系の伝達関数の
測定方法及び測定装置等を提供するものである。
め、請求項1に係る発明は、供試体に対し複数の加振機
により振動試験を行うに先立って、被制御系の伝達関数
を正弦波信号による同時加振によって測定する測定方法
として、下記のような構成とする。
めの正弦波信号を生成するに際しそれらの正弦波信号間
の位相をランダムに変化させ、生成した正弦波信号で複
数の加振機を同時に加振し、この加振時に採取した応答
信号及び加振信号を分析して得られる当該加振周波数に
おけるスペクトルデータより1回分の自己スペクトルと
相互スペクトルとを算出する。このような工程を複数回
繰り返して複数回分の自己スペクトルと相互スペクトル
とを算出し、それらを各々算術平均して自己スペクトル
及び相互スペクトルの平均値を求め、その両平均値から
特定の周波数での伝達関数を算出する。以上のことを周
波数毎に繰り返して行い、全周波数成分の伝達関数を算
出する。
化させる意義について考察する。従来技術の項で説明し
たランダム信号を用いた同時加振による伝達関数の測定
方法において、ランダム信号をフーリエ変換を用いて時
間軸データを周波数軸のデータに変化することは、時間
軸データを複数の周波数の正弦波に分解することであ
り、互いに無相関なランダム信号は、周波数軸上ではあ
るスペクトル成分(周波数)において、位相がランダム
に異なるということを意味する。従って、複数の正弦波
信号の位相をランダムに変化させることは、無相関なラ
ンダム信号の特定のスペクトル成分を抜き出したものと
考えることができる。
同時加振による方法もランダム信号同時加振による方式
と同じ原理で伝達関数を測定することが分かる。但し、
ランダム信号同時加振では一回の加振で全周波数帯域の
周波数成分を扱うことができるのに対し、本発明の正弦
波信号同時加振による方法では、一回の加振で一つの周
波数成分の伝達関数を測定できるだけであり、周波数毎
に加振を繰り返して全周波数成分の伝達関数を測定する
必要がある。このことから、本発明の正弦波信号同時加
振による方法は、多自由度加振の正弦波振動試験を行う
前にその被制御系の伝達関数を十分な精度で測定する必
要がある場合に有効である。
自由度振動制御における被制御系の伝達関数の測定方法
において、上記各加振機の加振を止めずに連続的に各加
振機を駆動するための正弦波信号の位相を変化させると
き、その位相の変化速度を所定値以下に制限する構成と
する。これにより、測定時間の短縮化を図りながら、正
弦波信号の位相の急激な変化による振動試験装置の破損
事故等が防止されることになる。
自由度振動制御における被制御系の伝達関数の測定方法
を実施するための測定装置を提供する。すなわち、供試
体に対し複数の加振機により振動試験を行う前に被制御
系の伝達関数を正弦波信号による同時加振によって測定
する測定装置として、上記複数の加振機を駆動するため
の正弦波信号を生成するに際しそれらの正弦波信号間の
位相をランダムに変化させる正弦波信号生成部と、この
生成部で生成した正弦波信号で複数の加振機を同時に加
振した時に応答点での応答信号を採取するセンサと、こ
のセンサで採取した応答信号及び加振信号を分析して得
られる当該加振周波数におけるスペクトルデータより1
回分の自己スペクトルと相互スペクトルとを算出するス
ペクトル算出部と、この算出部で算出した自己スペクト
ルと相互スペクトルとを順次記憶するスペクトル記憶部
と、この記憶部に順次記憶された複数回分の自己スペク
トルと相互スペクトルとを各々算術平均して自己スペク
トル及び相互スペクトルの平均値を求める算術平均処理
部と、この算術平均処理部で求めた自己スペクトル及び
相互スペクトルの平均値から特定の周波数での伝達関数
を算出する伝達関数算出部と、この算出部で算出した特
定の周波数の伝達関数を順次蓄積して全周波数成分の伝
達関数を算出する伝達関数記憶部とを備える構成とす
る。
載の多自由度振動制御における被制御系の伝達関数の測
定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを
記録したコンピュータ読み取り可能な媒体を提供するも
のである。
に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態に
係る振動試験装置Aの概略構成を示し、この振動試験装
置Aは、供試体1に対し互いに直交する3軸方向に各々
振動を加える3つの加振機2,3,4と、供試体1上の
所定箇所に設けられた振動センサ5と、この振動センサ
5からの応答信号を受け上記各加振機2〜4を制御する
コントロールボックス6と、このコントロールボックス
6と信号授受可能に接続されたパーソナルコンピュータ
7とからなる。尚、本実施形態では、振動センサ5は、
供試体1上の一個所のみに設けられているが、必要に応
じて複数箇所に設けてもよく、またそれらの箇所(応答
点)で1軸方向の振動だけでなく3軸方向の振動(応答
信号)を測定採取するようにしもよい。
に対し3つの加振機2〜4によりそれぞれ正弦波の振動
を同時に加える正弦波振動試験を行う前に被制御系(伝
達系)の伝達関数を測定する測定装置としての機能を有
しており、この機能を有する部分の構成は、図2に示し
ている。
2〜4の加振信号である正弦波信号を生成する正弦波信
号生成部であって、この正弦波信号生成部11は、各加
振機2〜4の正弦波信号を生成するに際しそれらの正弦
波信号の位相をランダムに変化させるようになってい
る。12はこの正弦波信号生成部11の加振信号と上記
振動センサ5で採取した応答信号とをそれぞれフーリエ
積分等により周波数軸のデータに変換して1回分の自己
スペクトルと相互スペクトルとを算出するスペクトル算
出部、13はこのスペクトル算出部12で算出した自己
スペクトルと相互スペクトルとを順次記憶するスペクト
ル記憶部、14はこのスペクトル記憶部13に順次記憶
された複数回分の自己スペクトルと相互スペクトルとを
各々算術平均してそれらの平均値を求める算術平均処理
部、15はこの算術平均処理部14で求めた自己スペク
トル及び相互スペクトルの平均値から特定の周波数(つ
まり各加振機2〜4の加振時における正弦波信号の周波
数に相当)での伝達関数を算出する伝達関数算出部、1
6はこの伝達関数算出部15で算出した特定の周波数の
伝達関数を順次蓄積して全周波数成分の伝達関数を算出
する伝達関数記憶部である。
て、供試体1に対し3つの加振機2〜4によりそれぞれ
正弦波の振動を同時に加える正弦波振動試験を行うに先
立って、被制御系の伝達関数を測定する測定手順につい
て、図3に示すフローチャートを参照しながら説明す
る。
測定周波数系列fiの設定(i=1〜I)と、伝達関数
測定の平均化回数Jの設定とを行う(ステップS1)。
この設定は、パーソナルコンピュータ7のキーボード入
力により行う。測定周波数系列fiの設定では、伝達関
数を必要とする周波数帯域において所定周波数間隔毎に
行い、その周波数間隔が小さい程測定精度が高くなる。
また、伝達関数測定の平均化回数Jの設定では、その平
均化回数Jが大きい程測定精度が高くなるが、反面測定
時間が長くなる。
成する(ステップS4)。その際、それらの正弦波信号
の位相をランダムに変化させる。ここで、周波数f
i[Hz]での伝達関数測定時におけるn回目の加振時
の各入力信号xij n(j=1,2,3)は、下記の数
式5のように表現できる。
はj番目の入力信号のn回目の加振時の位相である。
ということは、3つのθij(j=1,2,3)を指定
された範囲(最大2π)で異なったものにすることであ
るが、本発明においては、各入力信号の相対的な正弦波
の位相が異なっていればよく、位相の基準となる正弦波
は架空のものでもよいし、ある特定の入力信号であって
もよい。このとき、位相の変化の範囲を振動試験装置A
が破損しないように制限することもできる。
振時の各入力信号xij 1(j=1,2,3)の一例を
表す。この図では、簡単のために、1番目(図で最上
段)の正弦波xi1 1を基準正弦波とし、その位相θ
i1 1をゼロとした。また、2番目(図で中段)の正弦
波信号の位相θi2 1をπ、3番目(図で最下段)の正
弦波信号の位相θi3 1をπ/2に設定した。
機2〜4を同時に加振し(ステップS5)、この加振時
の応答点での応答信号を加振センサ5により採取すると
ともに、入力信号及び応答信号を基に1回目の入力信号
の自己スペクトルSixx 1と入力信号と出力信号との
相互スペクトルSixy 1とを算出する(ステップS
6,S7)。この自己スペクトルSixx 1及び相互ス
ペクトルSixy 1の算出においては、先ず、時間軸デ
ータである入力信号波形ベクトル及び出力信号波形ベク
トルをそれぞれフーリエ積分等により周波数軸上のデー
タに変換して入力信号スペクトルベクトル及び出力信号
スペクトルベクトルを求め、続いて、入力信号スペクト
ルベクトルとそれの複素共役ベクトルの転置行列とを掛
け合わせることで自己スペクトルマトリックスSixx
1を、出力信号スペクトルベクトルと入力信号スペクト
ルベクトルの複素共役ベクトルの転置行列と掛け合わせ
ることで相互スペクトルマトリックスSixy 1をそれ
ぞれ求める。
入力正弦波信号xij 2(j=1,2,3)を生成す
る。2回目の加振時における2番目の正弦波信号の位相
θi2 2と3番目の正弦波信号の位相θi3 2とは、指
定された範囲(最大2π)で互いに異なるゼロ以外の
(つまり基準正弦波信号である1番目の正弦波信号の位
相θi1 2と異なる)値で、かつ各々が1回目の値(θ
i2 1又はθi3 1)と異なる値であればよい。
入力信号xij 2の一例を表す。この図では、2番目の
正弦波信号の位相θi2 2を2π/3、3番目の正弦波
信号の位相θi3 2を4π/3に設定した。
を同時に加振し、入力信号及び応答信号から2回目の入
力信号の自己スペクトルSixx 2と入力信号と出力信
号との相互スペクトルSixy 2とを算出する。
平均化回数J繰り返して行い、平均化回数J分の入力信
号の自己スペクトルと入力信号と出力信号との相互スペ
クトルとを算出する。このとき、各回の加振時における
2番目の加振機への正弦波信号の位相θi2 nと3番目
の加振機への正弦波信号の位相θi3 nとは、指定され
た範囲(最大2π)で互いに異なるゼロ以外の値で、各
回の加振時において乱数的に異なった値でなければなら
ない。
た後、得られた平均化回数分の自己スペクトルSixx
nと相互スペクトルSixy n(n=1,2,…,J)
とからそれらの平均値であるSixx M,Sixy Mを
下記の数式6により算術平均して求める(ステップS1
0)。
ixy Mを下記の数式7に代入して周波数fiでの伝達
関数H(fi)を算出する(ステップS11)。
…,I)毎に繰り返して行い、全周波数成分の伝達関数
を算出する。このようにして算出された被制御系の伝達
関数は、供試体1に対し3つの加振機2〜4によりそれ
ぞれ正弦波の振動を同時に加える正弦波振動試験の制御
に利用した場合、正弦波振動試験と同じ正弦波信号でか
つ同じ同時加振条件で測定されているので、十分な精度
に確保することができ、振動試験の精度の向上に寄与す
ることができる。
行う場合、各回の加振毎に各加振機2〜4の加振を停止
させながら測定を行ってもよいが、それらの加振を止め
ずに連続的に位相を変化させながら次の条件での測定に
移った方が測定時間を短縮することができる。但し、こ
の場合には、振動試験装置Aの破損防止等の安全性を考
慮して、その位相の変化速度を所定値以下に制限するこ
とが好ましい。図6は位相の変化速度を17rad/sec以
下に制限して、1回目の加振終了時と2回目の加振開始
時との間で位相を連続的に変化させた時の各入力信号の
一例を示す。
測定方法は、上記第1の実施形態に係る振動試験装置A
に限らず、その他種々の多自由度加振の振動試験装置に
おいて利用することができ、特に、非線形性が強い被制
御系に対して多自由度加振の正弦波振動試験を行う場合
に有効である。
振動試験装置Bに利用した場合の一例を示す。この振動
試験装置Bは、供試体21に対し各々上下方向に振動を
加える4つの加振機22,22,…と、供試体21上の
所定箇所に設けられた振動センサ25と、この振動セン
サ25からの応答信号を受け上記各加振機22を制御す
るコントロールボックス26と、このコントロールボッ
クス26と信号授受可能に接続されたパーソナルコンピ
ュータ27とからなる。
機を駆動するための正弦波信号間の位相をランダムに変
化させることによって、特定の加振機から応答点への影
響を判断することができるので、特に多自由度加振の正
弦波振動試験を行う場合試験と同じ正弦波信号でかつ同
じ同時加振条件で被制御系の伝達関数を十分な精度で測
定することができ、振動試験の精度の向上を図ることが
できる。
の加振を止めずに連続的に各加振機の正弦波信号の位相
を変化させるとき、その位相の変化速度を所定値以下に
制限することにより、測定時間の短縮化を図りながら、
振動試験装置の破損事故等を防止できるという効果をも
有する。
概略構成図である。
ける伝達関数の測定装置としての機能を有する部分のブ
ロック構成図である。
ある。
る。
る。
間で位相を連続的に変化させた時の各入力信号を表す波
形図である。
る。
るための模式図である。
信号波形ベクトルとの関係を示す模式図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 供試体に対し複数の加振機によりそれぞ
れ正弦波の振動を同時に加えて被制御系の伝達関数を測
定する測定方法であって、 上記複数の加振機を駆動するための正弦波信号を生成す
るに際しそれらの正弦波信号間の位相をランダムに変化
させ、生成した正弦波信号で複数の加振機を同時に加振
し、この加振時に採取した応答信号及び加振信号を分析
して得られる当該加振周波数におけるスペクトルデータ
より1回分の自己スペクトルと相互スペクトルとを算出
し、 このような工程を複数回繰り返して複数回分の自己スペ
クトルと相互スペクトルとを算出し、それらを各々算術
平均して自己スペクトル及び相互スペクトルの平均値を
求め、その両平均値から特定の周波数での伝達関数を算
出し、 以上のことを周波数毎に繰り返して行い、全周波数成分
の伝達関数を算出することを特徴とする多自由度振動制
御における被制御系の伝達関数の測定方法。 - 【請求項2】 上記各加振機の加振を止めずに連続的に
各加振機を駆動するための正弦波信号の位相を変化させ
るとき、その位相の変化速度を所定値以下に制限する請
求項1記載の多自由度振動制御における被制御系の伝達
関数の測定方法。 - 【請求項3】 供試体に対し複数の加振機によりそれぞ
れ正弦波の振動を同時に加えて被制御系の伝達関数を測
定する測定装置であって、 上記複数の加振機を駆動するための正弦波信号を生成す
るに際しそれらの正弦波信号間の位相をランダムに変化
させる正弦波信号生成部と、 この生成部で生成した正弦波信号で複数の加振機を同時
に加振した時に応答点での応答信号を採取するセンサ
と、 このセンサで採取した応答信号及び加振信号を分析して
得られる当該加振周波数におけるスペクトルデータより
1回分の自己スペクトルと相互スペクトルとを算出する
スペクトル算出部と、 この算出部で算出した自己スペクトルと相互スペクトル
とを順次記憶するスペクトル記憶部と、 この記憶部に順次記憶された複数回分の自己スペクトル
と相互スペクトルとを各々算術平均して自己スペクトル
及び相互スペクトルの平均値を求める算術平均処理部
と、 この算術平均処理部で求めた自己スペクトル及び相互ス
ペクトルの平均値から特定の周波数での伝達関数を算出
する伝達関数算出部と、 この算出部で算出した特定の周波数の伝達関数を順次蓄
積して全周波数成分の伝達関数を算出する伝達関数記憶
部とを備えたことを特徴とする多自由度振動制御におけ
る被制御系の伝達関数の測定装置。 - 【請求項4】 請求項1記載の多自由度振動制御におけ
る被制御系の伝達関数の測定方法をコンピュータに実行
させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取
り可能な媒体。
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