JP2002365206A - 粘弾性材料の試験方法および試験装置 - Google Patents
粘弾性材料の試験方法および試験装置Info
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Abstract
の誤差トルクおよび誤差位相角を求めることができ、粘
弾性材料のレオロジー性を迅速かつ正確に求めることの
できる試験方法および試験装置を提供する。 【解決手段】 基準材料に対して、上下のダイ2,3間
で複数の周波数成分を含む回転振動を与え、そのときの
応答トルクから、各周波数における計測系の誤差トルク
および誤差位相角を求めて記憶しておく(メモリ10)
とともに、試験材料に回転振動を与えたときの応答トル
クから周波数解析・演算装置9により貯蔵弾性率および
/または損失弾性率を求めるに当たり、メモリ10内に
記憶している各周波数における誤差トルクおよび誤差位
相角を用いて補正を加える。
Description
ロジー性(貯蔵弾性率および損失弾性率)を測定する試
験方法と、その方法を用いた粘弾性試験装置に関する。
法として、従来、特許第2735583号公報に開示さ
れている方法が知られている。この従来技術において
は、トルク値および位相のずれ角が既知の基準材料と、
試験対象である試験材料を、それぞれ同じ測定装置の保
持機構で保持した状態で個別に正弦波状の回転振動を与
え、そのときの応答トルクを1サイクル中に複数箇所の
等間隔ポイントでそれぞれ計測するとともに、基準材料
を試験したときの計測結果から、試験装置の誤差トルク
および誤差位相角を求めて記憶しておき、試験材料を試
験したときの計測結果から貯蔵弾性率および/または損
失弾性率を求めるに当たり、基準材料を用いて求めてお
いた誤差トルクおよび誤差位相角を用いて補正を行う。
料に回転振動を与える機構として、材料を挟む上下のダ
イのうち、上部ダイをトルク変換器を介して支持体に固
定する一方、下部ダイを、定速回転するモータを駆動源
とするクランク機構によって正弦波状に回転振動させる
機構が開示されている。
技術においては、装置の誤差トルクおよび誤差位相角を
求めるべく、基準材料に対して与える回転振動が正弦波
状のもの、つまり単一の周波数の振動であるため、必要
とする周波数それぞれにおける誤差トルクおよび誤差位
相角を求めるために、必要周波数分だけの測定が必要と
なり、計測に多大な手間がかかるという問題があった。
領域における計測系の誤差トルク並びに誤差位相角を求
めることができ、もって粘弾性材料のレオロジー性を迅
速かつ正確に求めることのできる試験方法および試験装
置を提供することにある。
め、本発明の粘弾性材料の試験方法は、基準材料に複数
の周波数成分を含む回転振動を与えたときの応答トルク
を計測し、その計測結果から、当該計測系における複数
の周波数での誤差トルクおよび誤差位相角を同時に求め
た後、同じ計測系を用いて試験材料に対して回転振動を
与えたときの応答トルクを計測し、その計測結果から試
験材料の貯蔵弾性率および/または損失弾性率を算出す
るとともに、その貯蔵弾性率および/または損失弾性率
を上記誤差トルクおよび誤差位相角を用いて補正する過
程を含むことによって特徴づけられる(請求項1)。
おいては、上記基準材料としてねじりバネを好適に用い
ることができる(請求項2)。
いては、基準材料に与える振動として、試験材料の試験
において弾性率を求めようとする周波数範囲を包括する
周波数成分を含んだ繰り返し振動を採用(請求項3)し
てもよいし、あるいは、同じく試験材料の試験において
弾性率を求めようとする周波数範囲を包括する周波数成
分を非繰り返し単発振動を採用(請求項4)してもよ
い。
いては、応答トルクを1サイクル中に少なくとも4箇所
の等間隔ポイントで計測し、誤差トルクおよび誤差位相
角を算出する演算を離散フーリエ変換とすること(請求
項5)が好ましい。
材料を挟み込む試料保持機構と、その試料保持機構を通
じて材料に回転振動を与えるモータと、その回転振動を
与えたときの材料の応答トルクを計測するトルク計測手
段と、そのトルク計測手段による測定結果を用いて材料
の貯蔵弾性率および/または損失弾性率を演算する演算
手段を備えた粘弾性試験装置において、上記モータが、
入力信号の大きさもしくは入力したパルス数に応じた角
度で正/逆両回転可能なダイレクトドライブモータであ
り、かつ、そのモータに対して複数の周波数成分を含む
信号を供給可能な波形発生器と、上記試料保持機構に基
準材料を保持した状態で回転振動を与えたときのトルク
計測結果を用いて当該装置における複数の周波数での誤
差トルクおよび誤差位相角を求めた結果を記憶する記憶
手段と、その記憶手段の内容を用いて、上記演算手段に
よる試験材料の貯蔵弾性率および/または損失弾性率の
演算に補正を加える補正演算手段を備えていることによ
って特徴づけられる(請求項6)。
ではなく、複数の周波数成分を含む回転振動を与える。
これにより、そのときの応答トルクから、その振動に含
まれる複数の周波数成分それぞれについての計測系の誤
差トルクおよび誤差位相角を求めることができる。
て、試験材料の試験において弾性率を求めようとする周
波数範囲を包括する周波数成分を含んだ繰り返し振動
(請求項3)、もしくは同じ周波数を包括する周波数成
分を含んだ非繰り返し振動(請求項4)を採用すること
により、基準材料を用いた一度の試験により、試験材料
に回転振動を与えてその応答トルクから貯蔵弾性率およ
び/または損失弾性率を求めるに当たって、必要とする
全ての周波数についての計測系の誤差トルクおよび誤差
位相角を求めることができ、試験に要する手間を大幅に
削減することができる。
材料としてねじりバネを用いることにより、材料自体の
ねじり特性、つまりトルク値並びに位相のずれ角(=
0)を簡単に知ることができるため、計測系の誤差トル
クおよび誤差位相角を簡単な計算によって正確に求める
ことができる。
び/または損失弾性率を算出するに当たっては、請求項
5に係る発明のように、その応答トルクを1サイクル中
に少なくとも4箇所の等間隔ポイントで計測して、離散
フーリエ変換を用いることが、誤差の少ない正確な貯蔵
弾性率および/または損失弾性率を得るうえで有用であ
る。
た本発明の粘弾性材料の試験方法を採用した試験装置で
あって、複数の周波数成分を含む回転振動を材料に与え
ることを可能とすべく、振動を与えるためのアクチュエ
ータとして、入力信号の大きさもしくは入力したパルス
数に応じた角度で正/逆両回転可能なダイレクトドライ
ブモータを採用するとともに、そのモータに対して複数
の周波数成分を含む信号を供給する波形発生器を備え
る。そして、このような複数の周波数成分を含む回転振
動を基準材料に与えたときの応答トルクから求めた複数
周波数での当該試験装置の誤差トルクおよび誤差位相角
を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段の内容を用い
て、演算手段により貯蔵弾性率および/または損失弾性
率の演算に補正を加える補正手段を設けることで、基準
材料を用いた装置の誤差トルクおよび誤差位相角の算出
のための試験を一度だけ行うことにより、試験材料の試
験時に直ちに正確な貯蔵弾性率および/または損失弾性
率を求めることができる。
実施の形態について説明する。図1は本発明を円錐ダイ
式レオメータに適用した実施の形態の構成図であり、機
械的概略構成を表す模式図と、電気的構成を表すブロッ
ク図とを併記して示す図である。
に対向して下部ダイ3が配置されており、材料W(試験
材料もくしは基準材料)はこれらの上部ダイ2と下部ダ
イ3の間に挟み込まれる。下部ダイ3は、ダイレクトド
ライブモータ4の出力軸に直結されており、このダイレ
クトドライブモータ4の駆動によって回転振動が与えら
れる。
ーボモータであって、モータ駆動回路5から供給される
駆動信号に応じた速度並びに向きに回転する。モータ駆
動回路5には、任意波形発生器6からの目標値信号が供
給されているとともに、エンコーダ7によるダイレクト
ドライブモータ4の刻々の回転検出信号がフィードバッ
クされており、従ってダイレクトドライブモータ4は、
任意波形発生器6からの目標値信号に常に追随するよう
に回転する。
するトルクは、上部ダイ2と支持部材1の間に設けられ
たトルクセル8によって検出される。このトルクセル8
の出力、つまり材料Wの応答トルク信号は、上記したエ
ンコーダ7による回転検出信号とともに周波数解析・演
算装置9に取り込まれる。また、周波数解析・演算装置
9には、後述する基準材料を用いた試験において求めた
各周波数における当該装置の誤差トルクe1(ωi )お
よび誤差位相角e2(ωi )を記憶するためのメモリ1
0が設けられている。
(試験材料)の試験を行うに当たっては、まず、上部ダ
イ2と下部ダイ3の間に基準材料としてのねじりばねを
装着する。そして、任意波形発生器6から、一般式とし
て下記の(1)式で表される、i種の周波数成分を含む
波形で回転振動させる。 f(t)=ΣAi sin(ωi t +φi ) ・・・・(1)
す通りであり、この図2の例では、ω1 =1Hz、ω2 =
2Hz、ω3 =3Hz、ω4 =4Hz、ω5 =5Hz、ω6 =7
Hz、ω7 =10Hzの7種の周波数成分を合成したもので
あり、また、Ai =1,φi=0とした例を示してい
る。
8の出力、つまり基準材料であるねじりばねの応答トル
ク波形g(t)を図3に例示する。振動波形f(t)お
よび応答トルク波形g(t)は、それぞれ周波数解析・
演算装置9に取り込まれ、離散フーリエ変換処理が施さ
れ、各周波数(角速度)ωi におけるF(ωi ),G
(ωi )、argF(ωi )およびargG(ωi )が
求められる。これらの計算結果を図4〜図7にグラフで
示す。ここで、応答トルク波形g(t)は、1サイクル
中に少なくとも4箇所の等間隔ポイントで取り込まれ、
より多くのポイント、例えば16箇所の等間隔ポイント
で取り込むことが、より正確な離散フーリエ変換処理を
行う上で好ましい。
および誤差位相角e2は、それぞれ e1(ωi )=|G(ωi )/F(ωi )| ・・・・(2) e2(ωi )=argG(ωi )−argF(ωi ) ・・・・(3) と求められる。図4〜図7の例からは、e1(1)=
0.9,e1(2)=0.87,e1(3)=0.8
1,e1(4)=0.75,e1(5)=0.7,e1
(6)=0.6,e1(7)=0.5、および、e2
(1)=−0.01,e2(2)=−0.02,e2
(3)=−0.03,e2(4)=−0.04,e2
(5)=−0.05,e2(6)=−0.06,e2
(7)=−0.07と求めることができる。この誤差ト
ルクe1および誤差位相角e2の計算結果はメモリ10
に格納される。
後、試験材料を上部ダイ2と下部ダイ3の間に挟み込ん
で試験を行う。この試験材料の試験においては、上記と
同様の目標値信号f(t)が与えられ、このf(t)
と、そのときの応答トルク波形g(t)が前記と同様
に、1サイクル中に少なくとも4箇所の等間隔ポイント
で周波数解析・演算装置9に取り込まれ、各周波数ωi
における貯蔵弾性率G′(ω i )および損失弾性率G″
(ωi )が下記の公知の式(4),(5)によって求め
られるが、基準材料を用いてあらかじめ求めてメモリ1
0に記憶している各周波数での誤差トルクe1(ωi )
および誤差位相角e2(ωi )を用いて、下記の
(6),(7)式のように補正される。
点は、複数の周波数それぞれにおいて装置が有している
誤差トルクおよび誤差位相角が、基準材料を加振する一
度の試験によって求められる点であり、これにより、誤
差を含まない正確な貯蔵弾性率および損失弾性率を迅速
に求めることができる。
ることなく、本発明思想を逸脱しない範囲で任意の変更
ないしは変形を加えることができることは勿論である。
装置上の構成に関する変形の一例を挙げると、ダイレク
トドライブモータとして上記の実施の形態のようにサー
ボモータを用いてフィードバック制御することに代え
て、ステッピングモータを用いてオープンループ制御に
より回転振動を与えるように構成してもよい。また、上
記の実施の形態においては、材料に対して複数の周波数
成分を含む繰り返し振動を与えたが、例えばランプ波な
どの、複数の周波数成分を含む非繰り返し単発振動を与
えても同等の作用効果を奏することができる。
料に対して回転振動を与えたときの応答トルクの計測結
果から、その材料の貯蔵弾性率および/または損失弾性
率を求めるとともに、計測系の誤差トルクおよび誤差位
相角を用いて補正するに当たって、基準材料に対して複
数の周波数成分を含む回転振動を与え、そのときの応答
トルクの計測結果から、当該計測系における複数の周波
数での誤差トルクおよび誤差位相角を同時に求めるの
で、必要周波数領域における誤差トルクと誤差位相角を
一度の測定で迅速に求めることができ、試験材料のレオ
ロジー性を迅速かつ正確に求めることが可能となる。
の形態の構成図であり、機械的概略構成を表す模式図
と、電気的構成を表すブロック図とを併記して示す図で
ある。
給されるダイレクトドライブモータ4に対する目標値信
号の例を示すグラフである。
ータ4を駆動して基準材料に振動を与えたときの応答ト
ルク波形の例を示すグラフである。
により、振動波形f(t)および応答トルク波形g
(t)を取り込んで離散フーリエ変換処理を施すことに
よって得られた各周波数(ωi )におけるF(ωi )を
示すグラフである。
た各周波数(ωi )におけるG(ωi )を示すグラフで
ある。
た各周波数(ωi )におけるargF(ωi )を示すグ
ラフである。
た各周波数(ωi )におけるargG(ωi )を示すグ
ラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 基準材料に複数の周波数成分を含む回転
振動を与えたときの応答トルクを計測し、その計測結果
から、当該計測系における複数の周波数での誤差トルク
および誤差位相角を同時に求めた後、同じ計測系を用い
て試験材料に対して回転振動を与えたときの応答トルク
を計測し、その計測結果から試験材料の貯蔵弾性率およ
び/または損失弾性率を算出するとともに、その算出結
果を上記誤差トルクおよび誤差位相角を用いて補正する
工程を含む粘弾性材料の試験方法。 - 【請求項2】 上記基準材料としてねじりばねを用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の粘弾性材料の試験方
法。 - 【請求項3】 上記基準材料に与える振動が、試験材料
の試験において弾性率を求めようとする周波数範囲を包
括する周波数成分を含んだ繰り返し振動であることを特
徴とする請求項1または2に記載の粘弾性材料の試験方
法。 - 【請求項4】 上記基準材料に与える振動が、試験材料
の試験において弾性率を求めようとする周波数範囲を包
括する周波数成分を含んだ非繰り返し単発振動であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の粘弾性材料の
試験方法。 - 【請求項5】 応答トルクが1サイクル中に少なくとも
4箇所の等間隔ポイントで計測され、誤差トルクおよび
誤差位相角を算出する演算が離散フーリエ変換であるこ
とを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の粘弾
性材料の試験方法。 - 【請求項6】 材料を挟み込む試料保持機構と、その試
料保持機構を通じて材料に回転振動を与えるモータと、
その回転振動を与えたときの材料の応答トルクを計測す
るトルク計測手段と、そのトルク計測手段による測定結
果を用いて材料の貯蔵弾性率および/または損失弾性率
を演算する演算手段を備えた粘弾性試験装置において、 上記モータが、入力信号の大きさもしくは入力したパル
ス数に応じた角度で正/逆両回転可能なダイレクトドラ
イブモータであり、かつ、そのモータに対して複数の周
波数成分を含む信号を供給する波形発生器と、上記試料
保持機構に基準材料を保持した状態で回転振動を与えた
ときのトルク計測結果を用いて当該装置における複数の
周波数での誤差トルクおよび誤差位相角を求めた結果を
記憶する記憶手段と、その記憶手段の内容を用いて、上
記演算手段による試験材料の貯蔵弾性率および/または
損失弾性率の演算に補正を加える補正演算手段を備えて
いることを特徴とする粘弾性材料の試験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001177306A JP4692705B2 (ja) | 2001-06-12 | 2001-06-12 | 粘弾性材料の試験方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002365206A true JP2002365206A (ja) | 2002-12-18 |
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ID=19018165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001177306A Expired - Lifetime JP4692705B2 (ja) | 2001-06-12 | 2001-06-12 | 粘弾性材料の試験方法 |
Country Status (1)
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- 2001-06-12 JP JP2001177306A patent/JP4692705B2/ja not_active Expired - Lifetime
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