JP2002188955A - 不確定外力を利用した構造物の強度劣化検出法 - Google Patents

不確定外力を利用した構造物の強度劣化検出法

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JP2002188955A
JP2002188955A JP2000404407A JP2000404407A JP2002188955A JP 2002188955 A JP2002188955 A JP 2002188955A JP 2000404407 A JP2000404407 A JP 2000404407A JP 2000404407 A JP2000404407 A JP 2000404407A JP 2002188955 A JP2002188955 A JP 2002188955A
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能睦 平田
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】観測振動波形を用いて構造物の固有振動数を
高精度に推定し、推定される固有振動数の非可逆的変動
から構造物の強度劣化を検出すること。 【構 成】観測振動波形を短時間に区切って部分波形を
得る手段と、部分波形を周期波形で近似する手段と、周
期波形の周期を集めて頻度分布を得る手段を用いて、頻
度分布の極大となる周期を求め、時間経過による前記極
大となる周期の非可逆的変動から強度劣化を検出する、
コンピュータ信号処理による構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】土木、建築、船舶、航空機、パワ
ープラントなどの産業分野における非破壊検査に利用。
【0002】
【従来の技術】構造物の老朽化や地震による強度劣化お
よび損傷の状況、あるいはそうした劣化の進行状態を調
べる方法として目視は従来から知られ、広く行われてい
る方法である。研究レベルでは構造物を周期信号で加振
してその応答を過去の応答と比較する周波数応答法、あ
るいは金属の微小破壊に際して放出される超音波を観測
するAE法(アコースティック・エミッション法)があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の一つである
周波数応答法は構造物を加振するために通常巨大な設備
が必要とされ、任意の時点で構造物を検査することがで
きないという問題がある。また、AE法は主に金属を対
象としたもので、放出音波と劣化(金属疲労)の関係を
知るためには専門的な知識が必要とされるという問題が
ある。更に問題となるのは、稼働中あるいは利用状態で
の検査が難しいことである。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、構造物
を加振するための特別な設備を用いることなく、通常の
利用状態で振動する構造物の観測振動波形だけから強度
劣化に関する情報を検出する方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、不確定外力により振動する構造物の観測
振動波形を短時間ごとに区切り部分波形を得る手段と、
前記部分波形を単一の周期波形で近似する手段と、前記
観測振動波形から得られる一連の前記部分波形を近似す
る前記周期波形の周期の頻度分布を求める手段を用い
て、前記頻度分布が最大となる周期から前記構造物の固
有振動数を求め、前記固有振動数の非可逆的変動から前
記構造物の強度劣化を検出することを特徴とする不確定
外力を利用した構造物の強度劣化検出法をその手段とす
る。
【0006】
【作用】本発明の作用を、数式および図を用いて以下説
明する。周波数fからfまでの帯域において、周波
数成分(パワースペクトル)がおよそ一様とみなせるよ
うな不確定外力(例えば風、地震、常時微動、車走行振
動)により駆動され振動する構造物に関して、その観測
振動波形を時系列W(t)で表わすものとする。ただ
し、t=1,2,…であり、標本化周波数をFヘルツと
すれば、W(t)は1/F秒間隔で離散化されたデータ
で表わされる。
【0007】ここで、W(t)を第1から第K番目まで
の、データ数Mでなる部分波形W(m)(k=1,
2,…,K;m=1,2,…,M)に分割する。W
(m)を周期Tなる1つの周期波形S(m,T)で近
似したとして、
【数1】 と表わした場合に、
【数2】 であれば、S(m,T)はW(m)に対してよい近似
を与えるものとなる。
【0008】W(t)の周波数成分がfからfまで
の帯域に制限されているとし、
【数3】 であるなら、S(m,T)をW(m)のよい近似とす
るような周期T
【数4】 の範囲に見い出だすことができる。
【0009】上記のTは、以下に示す一般調和解析に
よって高い精度で求めることができる。係数A(T)お
よびB(T)を
【数5】 で与えるものとし、S(m,T)を
【数6】 とする。
【0010】残差波形R(m)は(数1)によって与え
られるものとして、そのパワーV(T)を
【数7】 とする。そこでTを変化させてV(T)が最小となるT
を求め、その値をTとする。
【0011】上記の方法により、総ての部分波形W
(m)からTを求めれば、Tは1/fから1/
の間に集中する。W(t)のスペクトルが図1
(a)に示されるようなものとすれば、Tの頻度分布
P(T)は、Kが十分大きいものとして、図1(b)の
ようになる。
【0012】W(t)の周波数成分がf(>f)か
らf(<f)の帯域に制限されていても、
【数8】 の場合は、(数5)〜(数7)の一般調和解析で求めら
れるTを周期とする1つの正弦派S(m,T)だけ
ではW(m)のよい近似を与えることはできない。
【0013】W(t)の周波数帯域が(数8)で示され
る場合のTは、一般調和解析でW(m)のスペクト
ルを逐次検出する段階で得られる第1番目の正弦波成分
の周期であり、W(t)のスペクトルが図2(a)で示
されるとすれば、Tの頻度分布P(t)は、Kが十分
大きいものとして、図2(b)のようになる。
【0014】W(t)のスペクトルが図1(a)と図2
(a)の和でなる図3(a)に示されるものであれば、
の頻度分布P(T)は、Kが十分大きいものとし
て、図3(b)のようになり、W(t)の帯域幅(f
−f)がF/Mよりも小さい場合、P(T)が最大に
なる周期Tはfとfの中央に位置する周波数の逆
数1/fになる。
【0015】構造物の固有振動数をf、共振鋭度を
Q、共振帯域幅をf/Qとすれば、上記本発明の作用
により、構造物の観測振動波形W(t)から頻度分布P
(T)を得、f/QがF/Mより小さければ、P
(T)の最大となる周期からT(=1/f)が求め
られることになる。
【0016】実際的な例として、建物の固有振動数f
を3ヘルツ、制動係数比h(1/2Q)を0.04、観
測振動波形の標本化周波数Fを100ヘルツ、部分波形
のデータ数Mを40とすると、f/Q=0.24、F
/M=2.5となり、2分間の観測振動波形から300
点の周期の頻度分布を得ることができ、0.01秒刻み
の精度でTを求めることができる。
【0017】構造物の固有周期が昼夜の温度変化あるい
は四季の温度変化により変動する場合、その変動は周期
的で可逆的なものであるが、老朽化等による強度劣化で
変動する場合は非可逆的変動になる。従って、上記の方
法により構造物の固有周期を継続的に計測し、固有周期
の非可逆的変動を検知することによって構造物の強度劣
化を検出することが可能になる。
【0018】観測振動波形W(t)に対する帯域制限が
なく、(数7)のV(T)の最小値を求める際にTの変
化範囲外の周波数成分が十分小さくなっていない場合
は、頻度分布P(T)の両端になるTの上限と下限のと
ころでP(T)は極大を示す。それで、頻度分布の両端
はTの検出において除くものとする。
【0019】部分波形W(m)に分割する前に、観測
振動波形W(t)を帯域制限して頻度分布P(T)の両
端に生じる極大値を抑圧することができる。このような
帯域制限は必要に応じて行なう。
【0020】本発明の作用として特筆できるのは、固有
振動数(あるいは固有周期)の検出に及ぼす不確定外力
のスペクトルの影響がフーリエ・スペクトルを用いて検
出する場合よりもはるかに小さいことである。観測振動
波形のフーリエ・スペクトルではほとんど検出できない
状態であっても、精度よく固有周期を検出できることを
実施例において示す。
【0021】
【実施例】図4は、観測振動波形W(t)から構造物の
固有振動数Tを求めるためのコンピュータ・ソフトウ
ェアのフローチャートであり、本発明の不確定外力を利
用した構造物の強度劣化検出法の実施例を示したもので
ある。同図において、1は観測振動波形W(t)を短時
間ごとに区切り部分波形W(m)を得る、部分波形読
込みブロックであり、2はW(m)を単一の周期波形
で近似する、波形解析ブロックであり、3は波形解析ブ
ロックで求めた周期Tを用いて周期の頻度分布P
(T)を求める、頻度分布作成ブロックであり、K個の
周期Tで出来上がった頻度分布P(T)が最大となる
周期を構造物の固有周期Tとして出力する。
【0022】図4の実施例では、K個の部分波形から1
つの頻度分布P(T)を得て、これよりTを求めて出
力する演算のフローチャートが示されているが、観測振
動波形W(t)に対して継続的にこの演算を行なうこと
により、Tの時間変動を知ることができる。例えばT
をおよそ0.3秒として、Mを40、Kを300、F
を100ヘルツとすれば、2分ごとにTが出力され、
1日が720点のデータで表わされるTの変動波形が
得られる。
【0023】コンピュータ・シミュレーションにより、
一自由度系(単一共振系)に不確定外力を加え、系の応
答振動波形から固有周期を推定した結果について以下説
明する。図5は不確定外力の加速度振動波形(a)およ
びそのフーリエ・スペクトル(b)である。系の固有周
期を0.30秒、h(=1/2Q)を0.02、0.0
4、0.08として、上記図5の不確定外力を入力した
ときの系の応答波形(観測振動波形)を求め、この応答
波形から周期の頻度分布を求めた。
【0024】図6はhを0.02とした場合の応答波形
(a)と周期の頻度分布(b)と比較のために示した応
答波形のフーリエ・スペクトル(c)である。図7はh
を0.04とした場合の応答波形(a)と周期の頻度分
布(b)とフーリエ・スペクトル(c)である。図8は
hを0.08とした場合の応答波形(a)と周期の頻度
分布(b)とフーリエ・スペクトル(c)である。
【0025】上記の頻度分布は(数5)において、n=
1、M=40、F=100、周期Tを0.20秒から
0.40秒まで0.01秒刻みで変化させて求めたもの
であり、各頻度分布のデータ数Kは300、頻度分布の
両端(T=0.20と0.40)は除かれている。これ
らの結果から、フーリエ・スペクトルでは検出困難な場
合(図7の(c)と図8の(c))でも、周期の頻度分
布によれば高い精度で固有周期を検出できることがわか
る。
【0026】
【発明の効果】風、地震、常時微動あるいは車輛走行振
動などで駆動された構造物の観測振動波形から、構造物
の固有振動数を高い精度で検出できる本発明による技術
は、構造物の強度劣化に伴う固有振動数の変化を捕らえ
るのに適しており、構造物の固有振動数を継続的に計測
することによって強度劣化の非破壊検査を可能にすると
いう効果がある。
【0027】また、本発明は稼働中のパワープラントや
運航中の船舶、航空機に生じる構造上の変化や異常を固
有振動数の継続的計測によって監視できるという効果も
ある。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための図である。
【図2】本発明の作用を説明するための図である。
【図3】本発明の作用を説明するための図である。
【図4】本発明をコンピュータで実施するためのソフト
ウェアのフローチャートを示す図である。
【図5】不確定外力の加速度振動波形(a)およびその
フーリエ・スペクトル(b)を示す図である。
【図6】h=0.02の場合の応答波形(a)と周期の
頻度分布(b)およびフーリエ・スペクトル(c)を示
す図である。
【図7】h=0.04の場合の応答波形(a)と周期の
頻度分布(b)およびフーリエ・スペクトル(c)を示
す図である。
【図8】h=0.08の場合の応答波形(a)と周期の
頻度分布(b)およびフーリエ・スペクトル(c)を示
す図である。
【符号の説明】
1 部分波形読込みブロック 2 波形解析ブロック 3 頻度分布作成ブロック

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不確定外力により振動する構造物の観測振
    動波形を短時間ごとに区切り部分波形を得る手段と、前
    記部分波形を単一の周期波形で近似する手段と、前記観
    測振動波形から得られる一連の前記部分波形を近似する
    前記周期波形の周期の頻度分布を求める手段を用いて、
    前記頻度分布が最大となる周期から前記構造物の固有振
    動数を求め、前記固有振動数の非可逆的変動から前記構
    造物の強度劣化を検出することを特徴とする不確定外力
    を利用した構造物の強度劣化検出法。
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