JPWO2014185303A1 - チオキサンテン系化合物、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物 - Google Patents

チオキサンテン系化合物、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】エポキシ系化合物等の架橋反応に用いることができ、塩基の存在によって新たな塩基を発生可能であり、かつ、有機溶剤に対する溶解性が高く、さらには従来の塩基増殖剤よりも耐熱性が高いことから、塩基反応性化合物に含有させた場合に、塩基増殖反応が効率的に進行する塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物を提供すること。本発明は、式(A)で表されるチオキサンテン系化合物、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。

Description

本発明は、チオキサンテン系化合物、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、塩基の作用によって分解し、新たな塩基を発生可能なチオキサンテン系化合物、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。
光の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物が、フォトレジスト材料や光硬化材料等として適用されている。酸発生剤から発生した酸は、触媒や重合開始剤として作用し、また、酸発生剤等を含有する感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料として用いてパターンを形成する場合には、例えば酸発生剤に光を照射して触媒等となる強酸を発生させ、樹脂成分を化学変性させる。そして、化学変性された樹脂成分の溶解性の変化により、パターンを形成するようにする。
かかるフォトレジスト材料は、解像度及び感度が高いこと、さらにはエッチング耐性が高いパターンを形成し得ることが求められており、特に、深紫外線レジスト材料として、酸素プラズマエッチングに耐性を持つパターンを形成し得る材料が求められている。酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物からなるフォトレジスト材料は、高感度・高解像性等を目指して、種々のものが提供されているが、光酸発生剤と樹脂材料の組み合わせの種類はある程度限定されてしまうため、酸発生剤を使用しない新たな感光システムが求められていた。
加えて、モノマー、オリゴマー、あるいはポリマーの光硬化速度を向上させるために様々な検討がなされており、光の作用で発生するラジカル種を開始剤として、多数のビニルモノマーを重合させるラジカル光重合系の材料が広く開発の対象とされてきた。また、光の作用で酸を発生させ、この酸を触媒とするカチオン重合系の材料も盛んに研究されていた。しかしながら、ラジカル光重合系の材料の場合には、空気中の酸素によって重合反応が阻害され硬化反応が抑制されるので、酸素遮断のための特別な工夫が必要とされていた。また、カチオン重合系の材料の場合には、ラジカル光重合系の材料のような酸素阻害がない一方、光酸発生剤から発生した強酸が硬化後も残存するために、当該強酸の存在を原因とする腐食性や樹脂の変性の可能性が問題とされていた。
このような背景から、解像度及び感度が高く、エッチング耐性が高いパターンを形成できるレジスト材料を得るために、また、活性エネルギー線を利用して液状物を迅速に固化させる硬化技術をいっそう高性能化するために、空気中の酸素による阻害効果を受けず、生成する強酸のような腐食性物質を含まず高効率で反応が進行する、新たな感光システムを用いた感光性樹脂組成物が強く望まれていた。
前記の問題を克服する手段の1つとして、塩基触媒による重合反応や化学反応を用いる方法、例えば、光の作用によって塩基を発生させ、これを触媒として樹脂を化学変性させる方法を用いて、光によって発生する塩基を触媒とする感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料や光硬化材料等へ応用する手段が検討されている。そして、エポキシ基を有する化合物は塩基の作用によって架橋反応を起こして硬化することを利用して、光や熱の作用で開始剤あるいは触媒としてのアミン類をエポキシ樹脂層内で発生させ、次いで加熱処理によって硬化させる方法が提供されている。しかしながら、アミン類を開始剤あるいは触媒として用いた場合でも、エポキシ系化合物の硬化速度が遅いことが問題とされていた。すなわち、エポキシ系化合物を十分に硬化させるためには、長時間を要し、さらに硬化速度を高めるために高温下で加熱処理等を行う必要があるため、実用化されるには至っていない。
これらの問題を解決すべく、光の作用によって発生する塩基を二次的に増幅する塩基増殖剤が提案されており、塩基増殖剤を光塩基発生剤及び塩基反応性化合物と組み合わせると感光性樹脂組成物が得られる。また、このように増殖的に塩基が増加する塩基増殖剤を添加することによって高性能化が図られる樹脂組成物も知られており、塩基増殖反応を起こすウレタン系化合物である塩基増殖剤を含有する感光性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
特開2000−330270号公報 特開2002−128750号公報
しかしながら、従来提供されている方法にあっては、塩基増殖剤の感度が低く、また、有機溶剤に対する溶解性が悪く塩基反応性化合物等との相溶性が低かったため、樹脂組成物系での塩基増殖反応を効率よく進行させることが難しかった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、例えば、エポキシ系化合物等の架橋反応に用いることができ、塩基の存在によって新たな塩基を発生可能であり、かつ、有機溶剤に対する溶解性が高く、さらには従来の塩基増殖剤よりも耐熱性が高いことから、塩基反応性化合物に含有させた場合に、塩基増殖反応が効率的に進行する化合物、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物を提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明に係る化合物は、下記式(A)で表されることを特徴とする。
Figure 2014185303
(式(A)中、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、Qは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、下記式(B)で表される基または下記式(B)で表される基を示し、R及びQは互いに結合して環構造を形成してもよい。XはSOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。ただし、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZがすべて水素原子である場合を除く。)
Figure 2014185303
(式(B)中、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示す。R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。前記式(A)のR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、並びにRは、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。nは0〜20の整数を示し、XはSOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。)
Figure 2014185303
(式(B)中、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示す。R、R、R10、R13、R14及びR15はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。前記式(A)のR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、R、Dが下記式(V)である場合のm個のR11及びR12、並びにR13は、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。n、n及びnはそれぞれ独立して、0〜20の整数を示し、wは0または1を示し、X及びXはそれぞれ独立して、SOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。)
Figure 2014185303
Figure 2014185303
(式(V)中、m個のR及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは1〜7の整数を示す。)
Figure 2014185303
(式(V)中、m個のR及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは1〜7の整数を示す。)
Figure 2014185303
(式(V)中、m個のR11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは1〜7の整数を示す。)
本発明に係る化合物は、前記した本発明において、前記式(A)で表される化合物が、下記式(A)で表されることを特徴とする。
Figure 2014185303
(式(A)中、R、R及びR、X、Y、Y、Y及びY、並びにZ、Z、Z及びZは前記式(A)と同様であり、R’は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、R及びR’は互いに結合して環構造を形成してもよい。)
本発明に係る化合物は、前記した本発明において、前記式(A)で表される化合物が、下記式(A)で表されることを特徴とする。
Figure 2014185303
(式(A)中、D及びD、R、R、R、R、R及びR10、n、X及びX、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y及びY、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z及びZは、前記式(A)及び前記式(B)と同様である。)
本発明に係る化合物は、前記した本発明において、前記式(A)で表される化合物が、下記式(A)で表されることを特徴とする。
Figure 2014185303
(式(A)中、D、D及びD、R、R、R、R、R、R10、R13、R14及びR15、n、n及びn、w、X、X及びX、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12は、前記式(A)及び前記式(B)と同様である。)
本発明に係る塩基増殖剤は、前記した本発明の化合物からなることを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明に係る塩基増殖剤と、塩基反応性化合物とを含有することを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明に係る塩基増殖剤と、塩基発生剤及び塩基反応性化合物とを含有することを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明において、前記塩基発生剤が、光塩基発生剤であることを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明において、前記塩基反応性化合物が、エポキシ系化合物、ケイ素系化合物及びオキセタン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明に係る化合物、塩基増殖剤は、感度が高く、塩基の作用により分解して連鎖的に塩基を発生することができ、また、ヘテロ環(複素環)を有するためへテロ原子の酸化数を変化させることにより塩基増殖反応速度を自在に制御でき、塩基を連鎖的に発生させることが可能な化合物、塩基増殖剤となる。加えて、有機溶剤に対する溶解性が良好であり塩基反応性化合物との相溶性が高く、さらには従来の塩基増殖剤よりも耐熱性が高いことから、本発明の化合物、塩基増殖剤を、塩基と反応するエポキシ系化合物等の塩基反応性化合物に共存させると、増殖して発生する塩基により塩基反応性化合物を効率よく硬化させることが可能となる。
また、本発明に係る塩基反応性化合物に、本発明の塩基増殖剤、あるいは本発明の塩基増殖剤と塩基発生剤を含有させることにより、塩基増殖剤から発生する塩基とエポキシ系化合物等の塩基反応性化合物との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れたものとなり、硬化が速やかに実施され、硬化が十分になされる塩基反応性樹脂組成物となる。また、かかる効果を奏する本発明の塩基反応性樹脂組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。
式(A)についての反応スキームを示した図である。 式(A)についての反応スキームを示した図である。 式(A)についての反応スキームを示した図である。 式(A)についての反応スキームを示した図である。 式(A)についての反応スキームを示した図である。 式(A)についての合成スキームを示した図である。 式(A)についての合成スキームを示した図である。 式(A)について、塩基部を1,2−ビス(4−ピペリジル)エタンとした場合の合成スキームを示した図である。 式(A)について、塩基部をイソホロンジアミン(1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン)とした場合の合成スキームを示した図である。 式(A)についての合成スキームを示した図である。 加熱時間と塩基増殖剤の転化率及びオレフィンの生成率との関係を示した図である。 加熱時間とオレフィンの生成率との関係を示した図である。 加熱時間と塩基増殖剤の転化率及びオレフィンの生成率との関係を示した図である。 塩基増殖剤の有機溶剤に対する溶解性を示した図である。 露光量と鉛筆硬度との関係を示した図である 露光量と鉛筆硬度との関係を示した図である。 露光量と鉛筆硬度との関係を示した図である。 露光量と鉛筆硬度との関係を示した図である。
以下、本発明の一態様を説明する。本発明に係る塩基増殖剤は、下記式(A)で表される化合物である。
Figure 2014185303
(式(A)中、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、Qは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、下記式(B)で表される基または下記式(B)で表される基を示し、R及びQは互いに結合して環構造を形成してもよい。XはSOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。ただし、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZがすべて水素原子である場合を除く。)
Figure 2014185303
(式(B)中、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示す。R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。前記式(A)のR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、並びにRは、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。nは、0〜20の整数を示し、XはSOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。)
Figure 2014185303
(式(B)中、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示す。R、R、R10、R13、R14及びR15はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。前記式(A)のR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、R、Dが下記式(V)である場合のm個のR11及びR12、並びにR13は、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。n、n及びnはそれぞれ独立して、0〜20の整数を示し、wは0または1を示し、X及びXはそれぞれ独立して、SOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。)
Figure 2014185303
Figure 2014185303
(式(V)中、m個のR及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは、1〜7の整数を示す。)
Figure 2014185303
(式(V)中、m個のR及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは、1〜7の整数を示す。)
Figure 2014185303
(式(V)中、m個のR11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは、1〜7の整数を示す。)
式(A)は、前記したように、Q基を有し、Q基が水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基となる場合には、Q基がR’基となる下記(A)となり、Q基が式(B)で表される基となる場合には、下記式(A)となり、Q基が式(B)で表される基となる場合には、下記式(A)となる。
以下、式(A)の具体的な態様として、式(A)、式(A)及び式(A)を挙げる。なお、式(A)にあっては、R、Dが式(V)である場合のm個のR及びR、Dが式(V)である場合のm個のR及びR、並びにRは、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。同様に、式(A)にあっては、R、Dが式(V)である場合のm個のR及びR、Dが式(V)である場合のm個のR及びR、R、Dが式(V)である場合のm個のR11及びR12、並びにR13は、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。
Figure 2014185303
(式(A)中、R、R及びR、X、Y、Y、Y及びY、並びにZ、Z、Z及びZは前記式(A)と同様であり、R’は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、R及びR’は互いに結合して環構造を形成してもよい。)
Figure 2014185303
(式(A)中、D及びD、R、R、R、R、R及びR10、n、X及びX、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y及びY、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z及びZは、前記式(A)及び前記式(B)と同様である。)
Figure 2014185303
(式(A)中、D、D及びD、R、R、R、R、R、R10、R13、R14及びR15、n、n及びn、w、X、X及びX、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12は、前記式(A)及び前記式(B)と同様である。)
また、式(A)について、w=1としたものを式(A’)、w=0としたものを式(A”)として以下に載せる。なお、式(A’)及び式(A”)中、D、D及びD、R、R、R、R、R、R10、R13、R14及びR15、n、n及びn、X、X及びX、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12(式(A”)については、D、R13、nは存在しない。)は、前記式(A)及び前記式(B)と同様である。
Figure 2014185303
Figure 2014185303
なお、式(A’)と式(A”)の違いは、下記の構造の存在であり、w=1の場合は下記の基が存在し、w=0の場合は下記の構造が存在せず、−(CH)n−と−(CH)n−との間の窒素原子と、Xを含むチオキサンテン環近傍のカルボニル基上の炭素原子とが直接結合する。また、D、R13及びnも、w=1の場合にのみ考慮する。
Figure 2014185303
前記式におけるR、R、R、R10、R14及びR15において、アルキル基とした場合には、炭素数は1〜6が好ましく、シクロアルキル基とした場合には、炭素数は6〜8が好ましく、アリール基とした場合には、炭素数は6〜10が好ましく、アリールアルキル基とした場合には、炭素数は7〜11が好ましい。R、R、R、R10、R14及びR15の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記式におけるR、R’、R、R、R、R、R、R11、R12、R13及びQにおいて、アルキル基とした場合には、炭素数は2〜6が好ましく、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基とした場合には、炭素数は6〜8が好ましく、例えば、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。アリール基とした場合には、炭素数は6〜10が好ましく、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。アリールアルキル基とした場合には、炭素数は7〜11が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
前記式におけるY、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12において、アルキル基とした場合には、炭素数は1〜6が好ましく、シクロアルキル基とした場合には、炭素数は6〜8が好ましく、アリール基とした場合には、炭素数は6〜10が好ましく、アリールアルキル基とした場合には、炭素数は7〜11が好ましく、ハロアルキル基とした場合には、炭素数は1〜6が好ましく、ハロゲン原子とした場合には、フッ素原子、塩素原子が好ましい。Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12の具体例としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、フッ素原子、塩素原子、ニトロ基等が挙げられる。
なお、以上のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基及びハロアルキル基は置換基を有していてもよく、この場合の置換基としては、アミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
前記式における「R及びQは互いに結合して環構造を形成してもよい」及び「R及びR’は互いに結合して環構造を形成してもよい」で表される「環構造」とは、飽和脂肪族環、不飽和脂肪族環、芳香環等のいずれの環構造であってもよく、加えて、これらの環を構成する炭素原子に結合する水素原子が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されている環構造や、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する環構造も、前記式における「環構造」の概念に含まれる。これらの環構造の具体例としては、例えば、アジリジン環(3員環)、アゼチジン環(4員環)、ピロリジン環(5員環)、ピペリジン環(6員環)、ヘキサメチレンイミン環(アゼパン環;7員環)、ヘプタメチレンイミン環(アゾカン環;8員環)、オクタメチレンイミン環(アゾナン環;9員環)、ノナメチレンイミン環(アゼカン環;10員環)、デカメチレンイミン環(11員環)等の炭素数2〜10の含窒素飽和脂肪族環;例えば、2−メチルアジリジン環(3員環)、2−メチルアゼチジン環(4員環)、3−メチルアゼチジン環(4員環)、2,5−ジメチルピロリジン環(5員環)、2,5−ジエチルピロリジン環(5員環)、2,5−ジプロピルピロリジン環(5員環)、2,6−ジメチルピペリジン環(6員環)、2,6−ジエチルピペリジン環(6員環)、2,4,6−トリメチルピペリジン環(6員環)、4−ヒドロキシピペリジン(6員環)、4−メルカプトピペリジン(6員環)、4−シアノピペリジン(6員環)、4−ニトロピペリジン(6員環)、4−クロロピペリジン(6員環)、4−ブロモピペリジン(6員環)等の、飽和脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されている炭素数2〜10の含窒素飽和脂肪族環;例えば、オキサゾリジン環(5員環)、チアゾリジン環(5員環)、モルホリン環(6員環)、チオモルホリン環(6員環)等の、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有する炭素数3〜10の含窒素飽和脂肪族環;例えば2,6−ジメチルモルホリン環(6員環)、2,6−ジエチルモルホリン環(6員環)、2,6−ジプロピルモルホリン環(6員環)、2,6−ジメチルチオモルホリン環(6員環)、2,6−ジエチルチオモルホリン環(6員環)、2,6−ジプロピルチオモルホリン環(6員環)等の、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子等)を鎖中に有し、飽和脂肪族環を構成する炭素原子に結合する水素原子が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されている炭素数3〜10の含窒素飽和脂肪族環;例えば、ピロール環(5員環)、イミダゾール環(5員環)、ピラゾール環(5員環)等の炭素数3〜10の含窒素不飽和脂肪族環又は芳香環、例えば2,5−ジメチルピロール環(5員環)、2,5−ジエチルピロール環(5員環)、2,5−ジプロピルピロール環(5員環)、2,5−ジメチルイミダゾール環(5員環)、2,5−ジエチルイミダゾール環(5員環)、2,5−ジプロピルイミダゾール環(5員環)、3,5−ジメチルピラゾール環(5員環)、3,5−ジエチルピラゾール環(5員環)、3,5−ジプロピルピラゾール環(5員環)等の、不飽和脂肪族環又は芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されている炭素数3〜10の含窒素不飽和脂肪族環又は芳香環等が挙げられる。
さらに、式(A)及び式(B)におけるn、式(A)及び式(B)におけるn、n、nは、それぞれ独立して0〜20の整数であるが、0〜8の整数とすることが好ましい。
同様に、式(V)におけるm、式(V)におけるm、式(V)におけるmは、それぞれ独立して1〜7の整数であるが、1〜3の整数とすることが好ましい。
次に、式(A)、式(A)、式(A)及び式(A)で表される塩基増殖剤に含まれる化合物の具体例を示す。
式(A)、式(A)において、Rが水素原子、Q(式(A)におけるR’)が炭素数5〜10のシクロアルキル基である場合の具体例(式(G−1)及び式(G−2))。
Figure 2014185303
式(A)、式(A)において、R及びQ(式(A)におけるR’)は互いに結合して環構造を形成している場合の具体例(式(G−3)、式(G−4)及び式(G−5))。
Figure 2014185303
式(A)、式(A)において、R及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、nが4である場合の具体例(あるいは、R及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが5であり、かつ5つのR及びRがすべて水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、nが0である場合の具体例。)(式(G−6))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B)となる。
Figure 2014185303
なお、前記にあっては、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子である場合とは、以下を指す。
Figure 2014185303
式(A)、式(A)において、R及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であって、Dが(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、nが0である場合の具体例(式(G−7))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B)となる。
Figure 2014185303
式(A)、式(A)において、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが3であり、その場合の式が下記式(V2A)で示されるものであり、当該(V2A)中のR4a、R4b、R5a、R5b及びR5cがすべて水素原子であって、RとR4Cとで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成しているものであって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが3であり、その場合の式が下記式(V3A)で示されるものであり、当該式(V3A)中のR6b、R6c、R7a、R7b及びR7cがすべて水素原子であって、R6aとRとで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成しているものであって、nが2である場合の具体例(式(G−8))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B)となる。
Figure 2014185303
式(A)、式(A)において、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが3であり、その場合の式が下記式(V2A)で示されるものであり、当該式(V2A)中のR4a、R4b、R5a、R5b及びR5cがすべて水素原子であって、RとR4Cとで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成しているものであって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが3であり、その場合の式が下記式(V3A)で示されるものであり、当該式(V3A)中のR6b、R6c、R7a、R7b及びR7cがすべて水素原子であって、R6aとRとで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成しているものである場合の具体例(式(G−8b))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B)となる。
Figure 2014185303
Figure 2014185303
式(A)、式(A)において、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、nが0であって、RとRとで炭素数2のジメチレン鎖を介して互いに結合し環構造を形成している場合の具体例(式(G−9))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B)となる。下記式の構造は、R及びRが(CHn1を飛び越えて結合して環構造を作る具体例である。
Figure 2014185303
式(A)、式(A)、式(A’)において、R、R及びR13がすべて水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR11及びR12がともに水素原子であって、n、n及びnがすべて1、wが1である場合の具体例(式(G−10))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B)となる。
Figure 2014185303
式(A)、式(A)、式(A”)において、R及びRがすべて水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、Dが式(V)であり、当該式(V)中のmが1であり、かつR及びRがともに水素原子であって、n及びnがすべて1、wが0(D、R13、nは存在しない。)である場合の具体例(式(G−11))。なお、式(A)にあっては、Qが式(B)となる。
Figure 2014185303
かかる本発明に係る塩基増殖剤は、塩基の作用により分解して塩基(アミン)を発生する特性を有する。反応挙動について、式(A)についての反応スキームを図1、式(A)についての反応スキームを図2、式(A)についての反応スキームを図3、図4及び図5にそれぞれ示す。かかる反応スキームに示すように、本発明の塩基増殖剤は、その一定量に対してそれより少ない当量の塩基を作用させるだけで、自己増殖的に分解し、最終的にその全量が分解し、その塩基増殖剤の量に対応する多量の塩基を発生させる。そして、塩基反応性化合物(後記)と共存させると、発生した塩基(アミン)が塩基反応性化合物に作用し、発生する塩基により塩基反応性化合物を架橋反応させて効率よく硬化させることが可能となる。なお、スキーム中、HNR’R”は任意の塩基(アミン)である。
式(A)で表される塩基増殖剤は、感度が高く、ヘテロ環(複素環)を有するためへテロ原子の酸化数を変化させることにより塩基増殖反応速度を自在に制御でき、また、ヘテロ原子となるX、X及びX基がSOあるいはSOであるが、分解速度はヘテロ原子をSOとした場合の方が速い。よって、かかるヘテロ原子の選択により、増殖反応速度を容易に調整することができる。
また、例えば、式(A)の分解における分解中間体を下記式に示す。本発明に係る塩基増殖剤は、下記の構造の分解中間体となるため、X基の電子求引性が強いほどアニオンは安定化される。すなわち、ヘテロ原子の酸化数によりアニオンの生成しやすさを制御できる。
Figure 2014185303
本発明に係る塩基増殖剤は、有機溶剤に対する溶解性が高いため、塩基反応性化合物と混合して塩基反応性樹脂組成物とする場合には、塩基反応性化合物と容易に相溶することができる。本発明に係る塩基増殖剤は、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZ等、Y基とZ基の少なくとも1つは水素原子ではないものであるため、有機溶媒に対する溶解性が優れたものとなる。なかでも、本発明に係る塩基増殖剤のうち、式(A)及び式(A)で表される塩基増殖剤は、Y基とZ基のすべてが水素原子である場合の塩基増殖剤と比較して、有機溶媒に対する溶解性が非常に優れるため、好ましい塩基増殖剤である。すなわち、式(A)及び式(A)で表される塩基増殖剤は、不斉点を2つ以上有するため、ジアステレオ混合物となるので、有機溶媒に対する溶解性が、従来のものよりも飛躍的に高くなると考えられる。
また、本発明に係る塩基増殖剤は耐熱性が高いため、これを塩基反応性化合物と混合して塩基反応性樹脂組成物とした場合には、熱安定性が高い樹脂組成物となる。そのため、当該樹脂組成物を用いてパターンを形成する場合には、良好なパターンを形成することができる。すなわち、本発明に係る塩基増殖剤は、Y基とZ基のすべてが水素原子である場合の塩基増殖剤と比較して、耐熱性が高い。このため、本発明に係る塩基増殖剤を塩基反応性化合物と混合して塩基反応性樹脂組成物とした場合には、パターン形成におけるベイク時に、露光された部位は硬化するが、未露光の部位は硬化しないため、良好なパターンを形成することができるのである。
塩基増殖剤に作用させる塩基としては、特に制限はなく、従来公知の塩基等を使用することができ、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン等のアミン、ピリジル基を含有する化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ホスフィン化合物等を使用することができる。また、例えば、国際公開番号WO2009/19979に開示されるアミンやピリジル基を含有する化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ホスフィン化合物等を使用することができる。
式(A)(式(A)、式(A)及び式(A))で表される塩基増殖剤が分解して発生する塩基としては、下記式(Am−1)、(Am−2)あるいは式(Am−3)で表されるアミンが挙げられる。なお、式中、R、R’、R、R13、D、D、D、n、n及びn、並びにwは、前記した式(A)、式(A)、式(A)、式(A)に準じる。
Figure 2014185303
Figure 2014185303
Figure 2014185303
また、式(A)、式(A)及び式(A)で表される塩基増殖剤を合成するには、例えば、チオキサントンを出発物質として、図6ないし図10に示す合成スキームのようにすればよい。式(A)についての合成スキームを図6、式(A)についての合成スキームを図7、式(A)について、塩基部を1,2−ビス(4−ピペリジル)エタン(式(G−8)について、R、R、R、R10を水素原子とした場合に対応する。)とした場合の合成スキームを図8、式(A)について、塩基部をイソホロンジアミン(1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン)とした場合(式(G−7)について、R、R、R、R10を水素原子とした場合に対応する。)の合成スキームを図9、式(A)についての合成スキームを図10にそれぞれ示す。なお、合成スキームでは、便宜上、R、R、R、R10、R14、R15を水素原子として示しているところもある。
なお、合成における基本的な操作としては、例えば、次の(1)〜(4)あるいは(1)〜(3)、(5)及び(6)に従えばよいが、特にこれらには限定されない。
(1)水素化リチウムアルミニウムでチオキサントン誘導体のカルボニル基を還元して、9H−チオキサンテン誘導体を得る。なお、市販品の9H−チオキサンテン誘導体がある場合には、かかる市販品をそのまま用いてもよい。
(2)メタクロロ過安息香酸(mCPBA)でチオキサンテン環の硫黄原子を酸化して、スルフィニル基又はスルホニル基に変換する。
(3)ホルムアルデヒドを用いてヒドロキシメチル化する。
(4)ジイソシアン酸によりアミド結合を形成する(R、R、R13が水素原子のものに限る。)。
(5)クロロぎ酸−4−ニトロフェニルまたはトリホスゲンと反応させ、カルボニル基を活性化させる。
(6)活性カルボニル化合物とアミンを反応させ、目的物を得る。
また、本発明に係る塩基増殖剤は、塩基発生剤と組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用することが好ましい。ここで、塩基発生剤とは、一般に、光等の活性エネルギー線を照射したり、加熱することによって塩基を発生する物質である。塩基発生剤としては、特に限定されないが、光等の活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する光塩基発生剤や、加熱により塩基を発生する熱塩基発生剤(熱潜在性塩基発生剤)を使用することが好ましい。このうち、塩基を発生させるために高温下で加熱処理を行う必要がないため、光塩基発生剤を使用することが特に好ましい。
光塩基発生剤としては、特に限定されないが、従来知られているo−ニトロベンジル型光塩基発生剤、(3,5−ジメトキシベンジルオキシ)カルボニル型光塩基発生剤、アミロキシイミノ基型光塩基発生剤、ジヒドロピリジン型光塩基発生剤等が挙げられる。このうち、塩基発生効率と合成の簡便性に優れているため、o−ニトロべンジル型光塩基発生剤が好ましく用いられる。
光塩基発生剤としては、例えば、特開2000−330270号公報に開示されるオキシムエステル系化合物、アンモニウム系化合物、ベンゾイン系化合物、ジメトキシベンジルウレタン系化合物、o−ニトロベンジルウレタン系化合物等を使用するようにしてもよい。
また、光塩基発生剤としては、特開2009−280785号公報、特開2010−84144号公報、特開2011−236416号公報に開示される塩基発生剤等を使用することもできる。これらは、光照射により脱炭酸するカルボン酸と塩基類からなるカルボン酸塩である。
また、以下の式で表される光塩基発生剤も使用することができる。なお、式(E−3)において、−R−は、−(CH−、あるいは−CHCHCHCH(CH)CH−を示す。また、式(E−4)において、−OMe基は、−OCH(メトキシ基)を示す。
Figure 2014185303
Figure 2014185303
Figure 2014185303
Figure 2014185303
熱塩基発生剤としては、特に限定されないが、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位反応またはベックマン転位反応等により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。なかでも、塩基発生効率に優れているため、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩が好ましく用いられる。
熱塩基発生剤としては、例えば英国特許第998949号記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4060420号に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシルカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号に記載のアルドキシムカルバメート類、英国特許第998945号、米国特許第3220846号、英国特許第279480号、特開昭50−22625号、特開昭61−32844号、特開昭61−51139号、特開昭61−52638号、特開昭61−51140号、特開昭61−53634号、特開昭61−53640号、特開昭61−55644号、特開昭61−55645号等に記載の熱塩基発生剤が挙げられる。また、特開2000−330270号公報に開示される加熱により塩基を発生する化合物を使用するようにしてもよい。
また、その他の熱塩基発生剤の具体例としては、トリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム、フェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用する場合には、塩基増殖剤を構成する塩基類と、塩基発生剤を構成する塩基類が共通するようにしてもよい。塩基類が共通することにより、塩基増殖剤の分解が効率よく行われることになる。
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用する場合の塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で、塩基増殖剤/塩基発生剤=40/1〜1/4の範囲内とすることが好ましい。塩基増殖剤の配合量が少なすぎると塩基が効率的に発生せず、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある。一方、塩基増殖剤の配合量が多すぎると、塩基発生剤の使用量が増加し、塩基発生剤自体が塩基反応性化合物の溶解性等に悪影響を与える場合があり、また、コスト的にも好ましくない。塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で、塩基増殖剤/塩基発生剤=20/1〜1/1の範囲内とすることが特に好ましい。
また、塩基増殖剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、塩基増殖剤と塩基発生剤を併用して塩基増殖剤組成物として使用する場合には、塩基発生剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
次に、本発明の塩基反応性樹脂組成物を説明する。本発明の塩基反応性樹脂組成物は、前記した式(A)、式(A)、式(A)及び式(A)の少なくとも1つで表される塩基増殖剤、あるいはかかる塩基増殖剤及び塩基発生剤(塩基増殖剤組成物)と、塩基の存在によって硬化反応をする塩基反応性化合物を必須成分として含有する。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物は、塩基増殖剤、あるいは塩基増殖剤及び塩基発生剤(塩基増殖剤組成物)により発生した塩基の作用により反応して、架橋等により硬化する化合物であり、種々の化合物等を使用することができる。特に、例えば、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物、少なくとも1つのアルコキシシリル基やシラノール基等を有しているケイ素系化合物、オキセタン環を含むオキセタン系化合物等を使用することが好ましい。かかる塩基反応性化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
使用可能なエポキシ系化合物(エポキシ系樹脂)としては、例えば、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェノールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、脂肪族ジグリシジルエーテル、多官能グリシジルエーテル、3級脂肪酸モノグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、グリシジルプロポキシトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物はハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよく、また、これらのエポキシ系化合物は誘導体も含む。そして、これらのエポキシ系化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ケイ素系化合物(ケイ素系樹脂)としては、例えば、アルコキシシラン化合物やシランカップリング剤等を使用することができる。アルコキシシラン化合物としては、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシラン化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン、アクリルシラン、エポキシシラン、アミノシラン等が挙げられる。ビニルシランとして、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。アクリルシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。エポキシシランとしては、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。アミノシランとしては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。その他のシランカップリング剤としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オキセタン系化合物(オキセタン系樹脂)としては、単量体のオキセタン系化合物、2量体のオキセタン系化合物等を使用することができる。使用可能なオキセタン系化合物としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン等のキシリレンジオキセタン、3−エチル−3−(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)オキセタン(あるいは3−(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)−3−エチルオキセタンとも呼ばれる。)、3−エチルヘキシルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、またはオキセタン化フェノールノボラック等が挙げられる。これらのオキセタン系化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
以下、塩基とエポキシ系化合物との反応挙動を説明する。なお、下記のスキームにあっては、また、R及びR’は、例えば炭素数が1〜12のアルキル基を示すが、特にそれらには限定されない。
第1級や第2級のアミン系では、下記に示したスキームのように、例えば、第1級アミンがエポキシ基に付加すると、中間体1となるが、Hとして脱離可能な水素が窒素原子上に2つあるため、このうち1つのHを失って2へと変化する。一方、変化した2は第2級アミンの構造をしているので、もう一度、別のエポキシ系化合物と反応することが可能となり3を生成する。
(スキーム)
Figure 2014185303
以下、塩基反応性化合物の具体例を挙げる。なお、下記No.2−1〜No.2−8の高分子化合物(塩基反応性化合物)のうち、No.2−1〜No.2−5の高分子化合物は、塩基の作用により脱離及び脱炭酸の反応を生じる。一方、No.2−6、No.2−7及びNo.2−8の高分子化合物は、塩基の作用により脱離反応を引き起こし、カルボン酸を生じる。
Figure 2014185303
なお、前記した塩基反応性化合物No.2−1〜No.2−8は、いずれも塩基の作用で脱離反応を起こし、極性が変換するポリマー群であり、分解前後で溶解性が変化することを利用してパターニングを行う材料(レジスト材料)等として適用することができる。
また、塩基反応性化合物の他の例を挙げる。なお、下記No.3−1〜No.3−4の塩基反応性化合物のうち、No.3−1の物質(混合物)は塩基の作用により脱水縮合及び架橋反応が起きる。No.3−2の物質(混合物)は塩基の作用により脱水縮合及び架橋反応が起きる。No.3−3の物質(ポリマー)は塩基の作用により脱炭酸反応が起きる。No.3−4の物質は塩基の作用によりイミド形成反応が起きる。なお、No.3−1及びNo.3−2において、xは0を超えて1以下の数を示し、「x:1−x」とは、あくまで各ユニットの存在比率を表すものであり、分子数を意味するものではない。
Figure 2014185303
本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物を使用することができる。また、少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物に塩基を作用させることによって、エポキシ系化合物をエポキシ基の開環重合によりポリマーとすることができる。また、エポキシ系化合物に塩基を付加することにより、かかるエポキシ系化合物を化学変性することができる。重合反応性を示すエポキシ系化合物の一例を以下に示す。
Figure 2014185303
また、重合反応性を示すエポキシ系化合物(ポリマー)のその他の例を以下に示す。
Figure 2014185303
また、塩基反応性化合物としては、少なくとも1つのシラノール基またはアルコキシシリル基を有するケイ素系化合物を使用することができる。また、少なくとも2つのシラノール基またはアルコキシシリル基を有するケイ素系化合物に塩基を作用させることによって、かかるケイ素系化合物をシラノール基またはアルコキシシリル基の縮重合によりポリマーとすることができる。重合反応性を示すケイ素系化合物(No.5−2〜No.5−4はポリマー)の具体例を以下に示す。
Figure 2014185303
前記した光塩基発生剤や、本発明の塩基増殖剤と光塩基発生剤を併用した塩基増殖剤組成物、塩基増殖剤及び光塩基発生剤を含有した塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)における照射光の波長及び露光量の範囲としては、光塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)を構成する塩基反応性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、波長として190〜400nm、露光量として100〜10000mJ/cmの範囲内から選択して適用すればよく、後記する増感剤を用いることによりさらに高波長域を使用することも可能である。照射光の照射時間は、数秒でも可能な場合もあるが、概ね10秒以上とすればよく、1.5〜20分とすることが好ましい。
一方、熱塩基発生剤を使用する場合の加熱条件は、使用する熱塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいが、加熱温度を概ね50〜150℃として、加熱時間を1〜1800分とすればよい。
また、塩基発生剤を併用せず、主成分を塩基増殖剤と塩基反応性化合物として塩基反応性樹脂組成物とする場合には、塩基増殖剤が分解可能な所望の塩基を添加するようにすればよく、塩基増殖剤と共通する塩基を添加することが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物における塩基増殖剤の含有量は、エポキシ系化合物等の塩基反応性化合物の分子量等が比較的低い場合を考慮して、塩基反応性化合物100質量部に対して概ね0.1〜350質量部の範囲内から選択することが望ましく、0.1〜60質量部とすることが好ましい。また、塩基増殖剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して1〜60質量部とすることがなお好ましく、2〜30質量部とすることがさらに好ましく、2〜20質量部とすることがより好ましく、2〜15質量部とすることが特に好ましい。また、塩基反応性化合物(エポキシ系化合物やケイ素系化合物)のモノマーユニットあたり0.1〜50molの範囲内から選択して含有させるようにしてもよい。また、塩基増殖剤は、塩基反応性化合物中のエポキシ基100molに対する塩基増殖剤のアミン官能基比率で、10〜90mol%の範囲内から選択するようにしてもよく、40〜80mol%とすることが好ましい。なお、アミン官能基比率とは、対象となる塩基反応性化合物を例えばエポキシ系化合物とすると、エポキシ系化合物におけるエポキシ基の個数に対する塩基増殖剤中のアミノ基の個数をmol%として表したものであり、例えばアミン官能基比率10mol%(対エポキシ基)とは、塩基反応性化合物中のエポキシ基100個(100mol)に対して、塩基増殖剤からアミノ基が10個(10mol)発生するような塩基増殖剤のことを指す(後記する塩基発生剤についてのアミン官能基比率についても同様とする。)。前記の説明は、塩基反応性化合物としてエポキシ基を有するエポキシ系化合物を例に挙げて説明したが、ケイ素系化合物等の他の塩基反応性化合物についても同様とする。
また、塩基増殖剤と塩基発生剤を併用して塩基反応性化合物に塩基増殖剤組成物として含有させる場合にあっては、塩基発生剤の含有量は、前記した塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比(質量比)に対応させるように塩基発生剤を含有させるようにすることが好ましい。また、塩基反応性化合物100質量部に対して塩基発生剤の含有量を0.5〜40質量部とすることが好ましい。塩基発生剤の含有量が0.5質量部より少ないと、塩基増殖剤に作用せず、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある一方、塩基発生剤の含有量が40質量部を超えると、塩基増殖剤と同様、塩基発生剤の存在が塩基反応性化合物の溶媒に対する溶解性に悪影響を与える場合があり、また、過剰量の塩基発生剤の存在はコスト高に繋がることになる。塩基発生剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して0.5〜35質量部とすることがなお好ましく、2〜35質量部とすることがさらに好ましく、5〜20質量部とすることが特に好ましい。また、塩基反応性化合物(エポキシ系化合物やケイ素系化合物)のモノマーユニットあたり0.1〜50molの範囲内から選択して含有させるようにしてもよい。また、塩基発生剤は、塩基反応性化合物中のエポキシ基100molに対する塩基発生剤のアミン官能基比率で、5〜90mol%の範囲内から選択するようにしてもよく、10〜80mol%とすることが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、塩基反応性化合物として、前記したNo.4−1〜No.4−14等の重合反応性を示すエポキシ系化合物(重合性エポキシ系化合物)、あるいは前記したNo.5−1〜No.5−6等の重合反応性を示すケイ素系化合物(重合性ケイ素系化合物)とすることが好ましい。このような塩基反応性樹脂組成物は、光または熱の作用により、重合し、重合体を与えることとなる。中でも、光により重合反応を開始する塩基反応性化合物を含む塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)とすることが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物には、さらに、チオール化合物を含有することが好ましい。チオール化合物は、エポキシ系化合物等と併用することにより、エポキシ等の硬化官能基として作用する。チオール化合物としては、チオール基を2個以上有するポリチオール化合物を使用することが好ましく、例えば、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等のチオール基を2〜5個有するポリチオール化合物を挙げることができる。これらのうち反応性等や扱いやすさを考慮して、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を使用することが好ましい。これらのチオール化合物は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
チオール化合物の使用量は、例えば、エポキシ系化合物やオキセタン系化合物に対して、チオール当量(SH当量)/エポキシ当量(あるいはオキセタン当量)=0.3/1.7〜1.7/0.3となるようにすることが好ましく、0.8/1.2〜1.2/0.8の比率となるようにすることがより好ましい。この比率が、0.3/1.7〜1.7/0.3の範囲内であれば、未反応のチオール基やエポキシ基(あるいはオキセタン基)が硬化物中に多量に残存することを防止でき、硬化物の機械特性が低下する傾向を抑制できる。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物を用いてパターンを形成するには、例えば、当該樹脂組成物を有機溶媒に溶解して塗布液を調製し、調製された塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布し、乾燥して塗膜を形成するようにする。そして、形成された塗膜に対して、パターン露光を行って塩基を発生させた後、所定の条件で加熱処理を行って、塩基反応性樹脂組成物に含有される塩基反応性化合物の重合反応を促すようにする。これを露光部と未露光部とで溶解度に差を生じる溶媒中に浸漬して現像を行ってパターンを得ることができる。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、本発明の塩基増殖剤を含有するため、室温でも重合反応は進行するが、重合反応を効率よく進行させるべく、加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理の条件は、露光エネルギー、使用する塩基増殖剤から発生する塩基の種類、エポキシ系化合物またはケイ素系化合物等の塩基反応性化合物の種類によって適宜決定すればよいが、加熱温度は50℃〜150℃の範囲内とすることが好ましく、60℃〜130℃の範囲内とすることが特に好ましい。また、加熱時間は10秒〜60分とすることが好ましく、60秒〜30分とすることが特に好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物として使用する場合、感光波長領域を拡大し、感度を高めるべく、増感剤を添加することができる。使用できる増感剤としては、特に限定はないが、例えば、ベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)またはコロネン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を感光性樹脂組成物として使用する場合、増感剤の添加量は、使用する光塩基発生剤や塩基反応性化合物、及び必要とされる感度等により適宜決定すればよいが、塩基反応性樹脂組成物全体に対して1〜30質量%の範囲であることが好ましい。増感剤が1質量%より少ないと、感度が十分に高められないことがある一方、増感剤が30質量%を超えると、感度を高めるのに過剰となることがある。増感剤の添加量は、塩基反応性樹脂組成物全体に対して5〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を所定の基材に塗布等する場合にあっては、必要により、溶媒を適宜含有するようにしてもよい。塩基反応性樹脂組成物に溶媒を含有させることにより、塗布能力を高めることができ、作業性が良好となる。溶媒としては、特に限定はないが、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワラン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン等の飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物において、溶媒の含有量は、例えば、所定の基材上に塩基反応性樹脂組成物を塗布し、塩基反応性樹脂組成物による層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。
なお、本発明の塩基反応性樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、添加剤を適宜添加するようにしてもよい。使用することができる添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤、硬化促進剤等が挙げられ、これらの1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
以上説明した本発明の塩基反応性樹脂組成物は、本発明の塩基増殖剤、あるいは本発明の塩基増殖剤と塩基発生剤と塩基反応性化合物を含有することにより、塩基増殖剤から発生する塩基とエポキシ系化合物等の塩基反応性化合物との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れたものとなり、硬化が速やかに実施され、硬化が十分になされる塩基反応性樹脂組成物となる。かかる効果を奏する本発明の塩基反応性樹脂組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。
光硬化材料として適用された成形体は、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が有効とされる分野の部材等として、例えば、塗料または印刷インキ、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築材料の構成部材として広く用いられ、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築部材等が提供される。また、形成されたパターン等は、耐熱性や絶縁性を備え、例えば、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、電子部品、半導体装置、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材または電子部材として有利に使用することができる。
以下、実施例等に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何ら限定されるものではない。なお、式(H−1)ないし式(H−6)、式(H−7)及び式(A−a)ないし式(A−e)、式(A−f)中、−Et基は、−CHCH基を示す。
[製造例1]
中間体の製造(1):
500mL三つ口フラスコに脱水テトラヒドロフラン100mLを入れ、そこに攪拌しながら水素化リチウムアルミニウム3.2g(50×10−3mol)をゆっくり加えた。この溶液を氷浴下で攪拌させながら、この溶液に塩化アルミニウム11.2g(168×10−3mol)を脱水テトラヒドロフラン100mLに溶解させた溶液をゆっくり滴下した。その後、下記式(H−1)で表される2,4−ジエチルチオキサントン13.0g(48×10−3mol)を少量ずつ反応系に加え、30分間還流攪拌した。反応終了後、フラスコに酢酸エチルを加えた後、5質量%HClaqをゆっくり注入し残留物を溶解させ、ジクロロメタンで抽出した。有機層をNaHCOaq、NaClaqによって各3回ずつ洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、エバポレーターにより溶媒を留去し、得られた残渣を減圧乾燥することで、下記式(H−2)で表される化合物の黄色粘性液体を収量11.0g(収率92%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)1.21(t,3H,J=7.4Hz,CH),1.26(t,3H,J=7.5Hz,CH),2.60(q,2H,J=7.4Hz,CH),2.80(q,2H,J=7.5Hz,CH),3.81(s,2H,CH),6.9−7.4(m,6H,Ar−H),13C−NMR(75MHz,CDCl):d(ppm)14.7,15.7(CH),27.4,28.4,39.9(CH),125.2,126.0,126.3,126.5,127.0,127.6,129.7,134.3,136.4,137.0,141.1,142.7(Ar)
Figure 2014185303
Figure 2014185303
[製造例2]
中間体の製造(2):
500mLナスフラスコに式(H−2)で表される中間体11.0g(44×10−3mol)を入れ、ジクロロメタン150mLに溶解させた。この溶液に、m−クロロ過安息香酸8.6g(50.0×10−3mol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応液を飽和重曹水、飽和食塩水で各3回ずつ洗浄し、最後に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、エバポレーターにより溶媒を留去し、得られた残渣を減圧乾燥することで、下記式(H−3)で表される中間体の黄色固体を収量11.0g(収率95%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)1.23(t,3H,J=7.6Hz,CH),1.34(t,3H,J=7.6Hz,CH),2.65(q,2H,J=7.6Hz,CH),3.12(q,2H,J=7.6Hz,CH),3.93(d,1H,J=17.2Hz,CH),4.87(d,1H,J=17.2Hz,CH),7.0−7.8(m,6H,Ar−H),13C−NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)15.3,17.0(CH),26.3,28.7,35.8(CH),126.4,126.8,127.4,127.5,129.1,129.3,131.5,139.4,148.2(Ar)
Figure 2014185303
[製造例3]
中間体の製造(3):
100mL二つ口ナスフラスコに式(H−3)で表される中間体1.0g(3.7×10−3mol)、p−ホルムアルデヒド0.47g(15×10−3mol)を入れ窒素雰囲気下にし、脱水テトラヒドロフラン30mLを入れ、氷浴下にした。ここに1mol/L水酸化カリウムのメタノール溶液をゆっくり滴下し、滴下終了後20分間還流攪拌した。反応終了後、反応液にジクロロメタンで加えて抽出し、有機層を5質量%HClaq、NaHSOaq、NaClaqで各3回ずつ洗浄し、最後に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、エバポレーターにより溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、下記式(H−4)で表される化合物の黄色固体を収量0.75g(収率67%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)1.26(t,3H,J=7.6Hz,CH),1.37(t,3H,J=7.5Hz,CH),2.69(q,2H,J=7.6Hz,CH),3.16(m,2H,CH),3.90(t,1H,J=6.0Hz,CH),4.18(dd,1H,J=6.0,6.0Hz,CH),4.38(t,1H,J=6.0Hz,OH),7.1−7.9(m,6H,Ar−H),13C−NMR(75MHz,CDCl):δ(ppm)15.1,16.8(CH),26.3,28.7,51.7,69.1(CH),127.8,128.1,128.2,130.5,130.7,132.3,134.3,138.3,140.6,140.8,145.7,148.9(Ar)
Figure 2014185303
[製造例4]
中間体の製造(4):
100mLナスフラスコに式(H−4)で表される中間体2.4g(7.9×10−3mol)を入れ、ジクロロメタン15mLに溶解させた。ここにm−クロロ過安息香酸1.5g(8.7×10−3mol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応液に飽和重曹水、飽和食塩水を少量ずつ入れ、ジクロロメタンで抽出し、最後に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、エバポレーターにより溶媒を留去し、得られた残渣を減圧乾燥することで、下記式(H−5)で表される中間体の黄色固体を収量2.3g(収率95%)で得た。
H−NMR(400MHz,d−DMSO):δ(ppm)1.20(t,3H,J=7.6Hz,CH),1.30(t,3H,J=7.6Hz,CH),2.69(q,2H,J=7.6Hz,CH),3.08−3.20(m,2H,CH),3.72(t,1H,J=6.0Hz,CH),4.27(dd,1H,J=6.0,6.0Hz,CH),5.20(t,1H,J=6.0Hz,OH),7.25−7.8(m,6H,Ar−H)
Figure 2014185303
[製造例5]
中間体の製造(5):
200mLナスフラスコに式(H−5)で表される中間体2.0g(6.3×10−3mmol)とピリジン0.51g(6.4×10−3mmol)を入れ、脱水テトラヒドロフラン15mLを加えた。撹拌しながら脱水テトラヒドロフラン15mLに溶解させたクロロぎ酸−4−ニトロフェニル(NP−Cl)1.7g(6.4×10−3mmol)をゆっくり滴下し、室温で6時間撹拌した。反応終了後、反応液の溶媒を留去後、クロロホルムを加えて抽出し、有機層を5質量%HClaq、NaHCOaq、NaClaqで各3回ずつ洗浄し、最後に有機層に硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、溶媒留去後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、下記式(H−6)で表される中間体の黄色固体を収量2.4g(収率79%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)1.26(t,3H,J=7.4Hz,CH),1.39(t,3H,J=7.4Hz,CH),2.70(q,2H,J=7.4Hz,CH),3.2(m,2H,CH),4.4−4.7(m,3H,CH,−O−CH),7.1−7.5(m,7H,Ar−H),7.5−8.1(m,16H,Ar−H)
Figure 2014185303
[実施例1]
塩基増殖剤の製造(1):
50mLナスフラスコに式(H−4)で表される中間体0.22g(0.74×10−3mol)とピリジン0.05g(0.74×10−3mol)を入れ、脱水テトラヒドロフラン10mlを加えた。撹拌しながら脱水テトラヒドロフラン15mLに溶解させたクロロぎ酸−4−ニトロフェニル(NP−Cl)0.15g(0.74×10−3mol)をゆっくり滴下し、室温で4時間撹拌した。反応終了後、この溶液に、ピペリジン0.06g(0.70×10−3mol)を脱水テトラヒドロフラン1mLに溶解させた溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応液にジクロロメタンを加えて抽出し、有機層をHClaq、NaHSOaq、NaClaqで各3回ずつ洗浄し、最後に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、エバポレーターにより溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、下記式(A−a)で表される塩基増殖剤の白色固体を収量0.22g(収率72%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)1.24(t,3H,J=7.5Hz,CH),1.36(t,3H,J=7.4Hz,CH),1.4−1.6(m,6H,CH),2.66(q,2H,J=7.5Hz,CH),3.0−3.5(m,6H,N−CH,CH),4.5−4.7(m,3H,CH,−O−CH),7.1−7.9(m,6H,Ar−H)
Figure 2014185303
[実施例2]
塩基増殖剤の製造(2):
50mLナスフラスコに式(H−6)で表される中間体0.50g(1.0×10−3mol)を脱水テトラヒドロフラン20mLに溶解させた。この溶液に、ピペリジン0.09g(1.0×10−3mol)を脱水テトラヒドロフラン1mLに溶解させた溶液を滴下し室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応液に酢酸エチルを加えて抽出し、有機層をNaHSOaq、NaClaqで各3回ずつ洗浄し、最後に有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、エバポレーターにより溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することで、下記式(A−b)で表される塩基増殖剤の淡黄色固体を収量0.31g(収率70%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)1.25(t,3H,J=7.5Hz,CH),1.38(t,3H,J=7.4Hz,CH),1.4−1.6(m,6H,CH),2.66(q,2H,J=7.5,Hz,CH),3.2−3.5(m,6H,N−CH,CH),4.5−4.7(m,3H,CH,−O−CH),7.1−8.1(m,6H,Ar−H)
Figure 2014185303
[実施例3]
塩基増殖剤の製造(3):
200mLナスフラスコに式(H−4)で表される中間体0.50g(1.7×10−3mol)とジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.12g(0.2×10−3mol)を入れ、ベンゼン30mLとアセトニトリル20mLを加え溶解させた。撹拌しながらベンゼン1mLに溶解させたジイソシアン酸ヘキサメチレン0.14g(0.83×10−3mol)を滴下し、13時間撹拌した。反応終了後、反応液の溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することで、下記式(A−c)で表される塩基増殖剤の白色固体を収量0.35g(収率54%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)1.2−1.4(m,20H,CH,CH),2.67(q,4H,J=7.5Hz,−CH−CH),2.7−3.2(m,8H,N−CH,−CH−CH),4.5−4.7(m,6H,CH,−O−CH),5.04(br,2H,NH),7.1−7.9(m,12H,Ar−H),13C−NMR(125MHz,CDCl):δ(ppm)15.2,16.7,26.3,28.7,29.8,128.0,128.1,128.2,128.5,13.9,131.8,140.0,140.1,156.4
Figure 2014185303
[実施例4]
塩基増殖剤の製造(4):
300mLナスフラスコに式(H−5)で表される中間体1.0g(3.2×10−3mol)とジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.18g(0.3×10−3mol)を入れ、ベンゼン50mLを加え溶解させた。撹拌しながらベンゼン1mLに溶解させたジイソシアン酸ヘキサメチレン0.50g(3.0×10−3mol)を滴下し、13時間撹拌した。反応終了後、反応液の溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することで、下記式(A−d)で表される塩基増殖剤の白色固体を収量0.50g(収率20%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)1.2−1.6(m,20H,CH,CH),2.66(q,4H,J=7.8Hz,CH),3.15(dt,2H,J=6.0,6.5Hz,N−CH),3.26(q,4H,J=7.3Hz,CH),4.3−4.5(m,6H,CH,−O−CH),4.93(t,2H,J=6.0Hz,NH),7.1−8.1(m,12H,Ar−H),13C−NMR(125MHz,CDCl):δ(ppm)15.0,15.8(CH),26.2,26.6,28.5,29.7,40.7,46.0,68.8(CH),123.9,127.5,128.1,129.4,130.1,132.1,133.1,136.6,137.8,143.9,148.6(Ar),156.1(C=O)
Figure 2014185303
[実施例5]
塩基増殖剤の製造(5):
300mLナスフラスコに式(H−5)で表される中間体2.5g(7.9×10−3mol)とジラウリン酸ジブチルすず(IV)0.42g(0.7×10−3mol)を入れ、ベンゼン30mLを加え溶解させた。撹拌しながらベンゼン1mLに溶解させたジイソシアン酸イソホロン(イソホロンジイソシアナート)0.89g(4.0×10−3mol)を滴下し、70℃で13時間撹拌した。反応終了後、反応液の溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することで、下記式(A−e)で表される塩基増殖剤の白色固体を収量1.40g(収率40%)で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)0.8−1.8(m,27H,CH,CH),2.6(m,4H,CH),2.9(m,2H,N−CH),3.2(m,4H,CH),3.7−3.8(m,3H,N−CH,NH),4.4−4.7(m,6H,CH,−O−CH),5.0(br,1H,NH),7.1−8.1(m,12H,Ar−H)
Figure 2014185303
[試験例1]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(1):
塩基増殖剤は、前記したスキームに示すように、塩基の添加により分解反応が起こり、塩基及び二酸化炭素(CO)とともに、オレフィンが生成する。下記の方法を用いて、塩基増殖剤の分解挙動を確認した。
NMR試料管に、実施例2で得られた塩基増殖剤70×10−3mol/L、塩基であるピペリジン13×10−3mol/L、溶媒としてジオキサン−d、内部標準液としてメシチレン13×10−3mol/Lを入れ、封管した後100℃で所定の時間加熱した。そして、H−NMRにより、生成するオレフィンピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(オレフィンの生成)を確認し、塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間と塩基増殖剤の転化率及びオレフィンの生成率との関係を図11に示す。なお、オレフィンの生成率は、H−NMRスペクトルより算出した。また、図11において、実線は、塩基増殖剤の転化率を表し、破線はオレフィンの生成率を表す。
また、同様な操作を実施例1で得られた塩基増殖剤についても実施した(オレフィンの生成率のみ確認した。)。加熱時間とオレフィンの生成率との関係を図12に示す。
図11に示すように、実施例2の塩基増殖剤については、塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(ピペリジン)が添加された系も含め、増殖反応特有の非線形反応の曲線が得られ、塩基増殖反応が確認でき、オレフィンを生成することが確認できた。なお、塩基を添加した系の方が、塩基増殖剤が速く分解し、オレフィンも速く生成した。
一方、図12に示すように、実施例1の塩基増殖剤については、塩基を添加したものも含め、溶液中での塩基増殖剤の分解挙動が確認されなかった。そこで、溶媒をジオキサン−dから重メタノール(メタノール−d)として、再度試験を実施した。
[試験例2]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(2)
NMR試料管に、実施例1で得られた塩基増殖剤70×10−3mol/L、塩基であるピペリジン13×10−3mol/L、溶媒として重メタノール(メタノール−d)、内部標準液としてメシチレン13×10−3mol/Lを入れ、封管した後100℃で所定の時間加熱した。そして、H−NMRにより、生成するオレフィンピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(オレフィンの生成)を確認し、塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間と塩基増殖剤の転化率及びオレフィンの生成率との関係を図13に示す。なお、オレフィンの生成率は、H−NMRスペクトルより算出した。また、図13において、実線は塩基増殖剤の転化率を表し、破線はオレフィンの生成率を表す。
図13に示すように、溶媒を重メタノール(メタノール−d)とした場合には、塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(ピペリジン)が添加された系は、増殖反応特有の非線形反応の曲線が得られ、塩基を添加しない系より効率よく分解し、オレフィンを生成することが確認できた。
[試験例3]
有機溶剤に対する溶解性の確認:
実施例3及び実施例4で得られた塩基増殖剤の有機溶剤に対する溶解性を確認した。結果を図14に示す。なお、塩基増殖剤の溶解性は、塩基増殖剤0.01gに対して溶解する溶媒量を算出することで確認した。図14中、溶解量の結果を、溶媒量が1mL未満の場合(溶媒を1mL必要としないで溶解した場合)を「++」、2〜5mLの場合「+」、6〜9mLの場合「−」、10mLを超える場合「−−」として示した。また、比較として、下記式(S−1)及び式(S−2)で表される化合物(順に、比較例1及び比較例2とする。)もあわせて評価した。
さらに、実施例3、実施例4、比較例1及び比較例2については、熱分解温度(T )を測定し、比較した。なお、熱分解温度(T )については、TG−DTA(示差熱−熱重量測定法)により測定した。
Figure 2014185303
Figure 2014185303
図14は、塩基増殖剤等の有機溶剤に対する溶解性を示した図である。図14に示すように、実施例3及び実施例4の塩基増殖剤は、有機溶剤に対して良好な溶解性を示し、実施例3の塩基増殖剤は比較例1の塩基増殖剤より、また、実施例4の塩基増殖剤は比較例2の塩基増殖剤より、それぞれ優れた溶解性を示すことが確認できた。
また、図14に示すように、熱分解温度(T )は、実施例3の塩基増殖剤の熱分解温度は比較例1の塩基増殖剤の熱分解温度より高く、優れた耐熱性を示した。同様に、実施例4の塩基増殖剤の熱分解温度は比較例2の塩基増殖剤より高く、優れた耐熱性を示した。
[実施例6ないし実施例8]
塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)の製造(1):
式(No.4−13)に表されるエポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(デナコール(登録商標)EX−622/ナガセケムテックス(株)製)0.1gに対して、式(E−2)で表される光塩基発生剤を0.031g(エポキシ系化合物100質量部に対して31質量部)(アミン官能基比率:10mol%(対エポキシ基))、実施例5で得られた塩基増殖剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)を得た。
(塩基増殖剤の含有量)
含有量(g) 質量部 アミン官能基比率(注)
実施例6 0.15 150 40mol%
実施例7 0.23 230 60mol%
実施例8 0.31 310 80mol%
(注)対エポキシ基(mol%)
[参考例1]
樹脂組成物の製造(1)
実施例6において、実施例5で得られた塩基増殖剤を添加しなかった以外は、実施例6と同様の方法を用いて、樹脂組成物を得た。
[試験例4]
硬化確認(1)(添加量依存性の確認):
実施例6で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.1gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で1分間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして80℃で40分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例7、実施例8及び参考例1の塩基反応性樹脂組成物等に対して実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を図15に示す。
図15に示すように、塩基増殖剤の含有量が高くなるほどに硬化は進行し、露光量を10000mJ/cmとした場合、実施例7では3H、実施例8では4Hの硬度が得られた。
[試験例5]
硬化確認(2)(加熱時間依存性の確認):
実施例7で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.1gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で1分間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして80℃で10分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱時間を20分、40分及び60分として実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を図16に示す。
図16に示すように、加熱時間を長くするほどに硬化は進行し、露光量を10000mJ/cmとした場合、加熱時間を20分、40分とした場合では3H、60分とした場合では4Hの硬度が得られた。
[試験例6]
硬化確認(3)(加熱温度依存性の確認):
実施例7で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.1gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で1分間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして60℃で40分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱温度を80℃及び100℃として実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を図17に示す。
図17に示すように、加熱温度を高くするほどに硬化は進行し、露光量を10000mJ/cmとした場合、加熱温度を80℃とした場合では3H、100℃とした場合では4Hの硬度が得られた。
[製造例6]
中間体の製造(6):
200mL4つ口フラスコに式(H−5)10.0g(31.6×10−3mmol)と炭酸ナトリウム3.35g(31.6×10−3mmol)を入れ、脱水テトラヒドロフラン60mLを加えた。撹拌しながら脱水テトラヒドロフラン60mLに溶解させたトリホスゲン6.19g(20.8×10−3mmol)をゆっくり滴下し、室温で48時間撹拌した。反応終了後、生じた塩を濾過で除き、溶媒留去した。得られた粗体にジイソプロピルエーテルを加え洗浄し、減圧乾燥を行い下記式(H−7)で表される中間体の白色固体を収量5.9g(収率49%)で得た。
H-NMR(400MHz,CDCl):δ(ppm)1.27(t,3H,J=7.5Hz),1.38(t,3H,J=7.5Hz), 2.70(q,2H,J=7.5Hz),3.25(q,2H,J=7.5Hz),4.46(t,1H,J=8.3Hz),4.72(d,2H,J=8.3Hz),7.12(s,1H),7.17(s,1H),7.46(d,1H,J=9.0Hz),7.54−7.59(m,2H),8.15(d,1H,J=9.0Hz)
Figure 2014185303
[実施例9]
塩基増殖剤の製造(6):
200mL4つ口フラスコに式(H−7)で表される中間体5.90g(15.57×10−3mol)と炭酸水素ナトリウム4.32g(51.38×10−3mol)を入れ、水5ml、ジメトキシエタン10mLを加えた。撹拌しながらジエチレントリアミン0.54g(5.19×10−3mol)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチル10mLを加え、有機層をHClaqで洗浄後、水で3回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次いで、エバポレーターにより溶媒を留去し、得られた残渣にイソプロピルアルコール20mLとジイソプロピルエーテル20mLを加え、洗浄後、脱液、減圧乾燥することで、下記式(A−f)で表される塩基増殖剤の白色粉末を収量4.18g(収率71%)で得た。
H-NMR(400MHz,CDCl): δ(ppm)1.12−1.26(brm,9H),1.34−1.38(brm,9H), 2.62(brm,6H),3.08−3.31(brm,14H),4.41−4.47(brm,9H),5.09(brs,1H),5.40(brs,1H),7.06−7.14(brm,6H),7.37−7.56(brm,9H),8.05−8.15(brm,3H)
Figure 2014185303
[実施例10]
塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)の製造(2):
式(No.4−11)に表されるエポキシ系化合物であるビスフェノールジグリシジルエーテルオリゴマー(jER828(登録商標)/三菱化学(株)製、エポキシ当量185)0.1gに対して、式(E−4)で表される光塩基発生剤を0.017g(エポキシ系化合物100質量部に対して17質量部)、実施例9で得られた塩基増殖剤を0.16g(アミン官能基比率:80mоl%(対エポキシ基))含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
[参考例2]
樹脂組成物の製造(2)
実施例10において、実施例9で得られた塩基増殖剤を添加しなかった以外は、実施例10と同様の方法を用いて、樹脂組成物を得た。
[試験例7]
硬化確認(4):
実施例10で得られた塩基反応性樹脂組成物を0.1gのクロロホルム(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、60℃で1分間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、1000、5000及び10000mJ/cmとして、ポストベイクとして100℃で40分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、参考例2の樹脂組成物に対して実施し、比較・評価した。露光量と鉛筆硬度との関係を図18に示す。
図18に示すように、塩基増殖剤を全く含まない系(参考例2の樹脂組成物)では硬化が進行しないのに対し、実施例10の塩基反応性樹脂組成物は、露光量を高くするほどに硬化は進行し、露光量1000mJ/cmとした場合では1B、5000mJ/cmとした場合ではHB、10000mJ/cmとした場合では2Hの硬度が得られた。
本発明は、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等を提供する材料として有利に使用することができる。

Claims (9)

  1. 下記式(A)で表されることを特徴とする化合物。
    Figure 2014185303
    (式(A)中、R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、Qは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、下記式(B)で表される基または下記式(B)で表される基を示し、R及びQは互いに結合して環構造を形成してもよい。XはSOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。ただし、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZがすべて水素原子である場合を除く。)
    Figure 2014185303
    (式(B)中、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示す。R、R及びR10はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。前記式(A)のR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、並びにRは、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。nは0〜20の整数を示し、XはSOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Z、Z、Z及びZはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。)
    Figure 2014185303
    (式(B)中、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示し、Dは下記式(V)または下記式(V)を示す。R、R、R10、R13、R14及びR15はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示す。前記式(A)のR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、Dが下記式(V)である場合のm個のR及びR、R、Dが下記式(V)である場合のm個のR11及びR12、並びにR13は、これらのRのうち、少なくとも2つのRが互いに結合して環構造を形成してもよい。n、n及びnはそれぞれ独立して、0〜20の整数を示し、wは0または1を示し、X及びXはそれぞれ独立して、SOまたはSOを示し、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、Y12、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基、炭素数1〜12のハロアルキル基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。)
    Figure 2014185303
    Figure 2014185303
    (式(V)中、m個のR及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは1〜7の整数を示す。)
    Figure 2014185303
    (式(V)中、m個のR及びRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは1〜7の整数を示す。)
    Figure 2014185303
    (式(V)中、m個のR11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、mは1〜7の整数を示す。)
  2. 前記式(A)で表される化合物が、下記式(A)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2014185303
    (式(A)中、R、R及びR、X、Y、Y、Y及びY、並びにZ、Z、Z及びZは前記式(A)と同様であり、R’は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基を示し、R及びR’は互いに結合して環構造を形成してもよい。)
  3. 前記式(A)で表される化合物が、下記式(A)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2014185303
    (式(A)中、D及びD、R、R、R、R、R及びR10、n、X及びX、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y及びY、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z及びZは、前記式(A)及び前記式(B)と同様である。)
  4. 前記式(A)で表される化合物が、下記式(A)で表されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2014185303
    (式(A)中、D、D及びD、R、R、R、R、R、R10、R13、R14及びR15、n、n及びn、w、X、X及びX、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12、並びにZ、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11及びZ12は、前記式(A)及び前記式(B)と同様である。)
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の化合物からなることを特徴とする塩基増殖剤。
  6. 請求項5に記載の塩基増殖剤と、塩基反応性化合物とを含有することを特徴とする塩基反応性樹脂組成物。
  7. 請求項5に記載の塩基増殖剤と、塩基発生剤及び塩基反応性化合物とを含有することを特徴とする塩基反応性樹脂組成物。
  8. 前記塩基発生剤が、光塩基発生剤であることを特徴とする、請求項7に記載の塩基反応性樹脂組成物。
  9. 前記塩基反応性化合物が、エポキシ系化合物、ケイ素系化合物及びオキセタン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の塩基反応性樹脂組成物。
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