JP2010133996A - 感光性樹脂組成物、およびこれを用いた物品、及びネガ型パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
半導体集積回路やプリント基板上の回路パターン形成は、素材表面へのレジスト剤の造膜、所定箇所への露光、エッチング等による不要箇所の除去、基板表面の洗浄作業等の煩雑で多岐に亘る工程を経て行われることから、回路パターンの製造工程を簡略化するために、露光、現像によるパターン形成後も必要な部分のレジストを絶縁材料としてそのまま残して用いることができる耐熱感光性材料が望まれている。これらの材料として、ポリイミドをベースポリマーとした耐熱感光性材料が提案されている。
R1及びR2は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有していても良い飽和又は不飽和アルキル基を表し、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R1及びR2はこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していても良い炭素数3〜8の含窒素脂肪族環を形成していても良く、
R3及びR4は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の飽和アルキル基を表す。)
本発明によれば、従来、露光部と未露光部の間で溶解性のコントラストを取りにくかったポリイミド前駆体についても、溶解阻害剤、溶解抑制剤の適用なしで良好なパターン形状を得ることができる。
特に、本発明に係る感光性組成物は、主にパターン形成材料(レジスト)として用いられ、それによって形成されたパターンは、永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能し、例えば、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材、又は建築材料を形成するのに適している。
上記ネガ型パターン形成方法においては、ポリイミド前駆体と、光塩基発生剤として上記式(1)で表されるような光塩基発生剤を組み合わせて用いることにより、感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体の表面を現像液から保護するためのレジスト膜を用いずに、現像を行うネガ型パターン形成が可能である。
本発明によれば、従来、露光部と未露光部の間で溶解性のコントラストを取りにくかったポリイミド前駆体について、溶解阻害剤、溶解抑制剤の適用なしで良好なパターン形状を得ることができる。
なお、本発明において、上記式(1)で表されるような光塩基発生剤の結合を開裂させる光、電磁波とは、光分解反応を引き起こすことが可能なものであればよく、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
R1及びR2は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有していても良い飽和又は不飽和アルキル基を表し、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R1及びR2はこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していても良い炭素数3〜8の含窒素脂肪族環を形成していても良く、
R3及びR4は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の飽和アルキル基を表す。)
上記一般式(1)において、R1及びR2は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有していても良い飽和又は不飽和アルキル基を表すか、或いは、R1及びR2は連結して、これらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していても良い炭素数3〜8の含窒素脂肪族環を形成するものを表す。R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではないが、これは、両方とも水素原子であると、化合物の安定性が悪く、発生するアミンもアンモニアとなってしまうため塩基発生剤として有用ではないからである。
より塩基性度の高いアミンの方が、例えば後述するポリイミド前駆体のイミド化における脱水縮合反応等に対する触媒作用が強く、より少量の添加で、より低い温度での脱水縮合反応等における触媒効果の発現が可能となる。つまりは、上記式(1)で表される化合物自身の電磁波に対する感度が低い場合でも、発生した塩基性物質の触媒効果が大きい為、感光性樹脂組成物としての見た目の感度は向上する。
上記のような触媒効果等の、発生した塩基性物質が与える効果が大きい点から、上記式(1)で表される化合物の電磁波の吸収に伴う解裂反応によって発生する塩基性物質は、脂肪族アミンが好ましい。そのような点から、上記式(1)で表される化合物のR1及びR2は、夫々独立して、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有していても良い飽和又は不飽和アルキル基、或いは、R1及びR2は連結して、これらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していても良い炭素数3〜8の含窒素脂肪族環を形成するものであって、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではないものが選択されている。
また置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、ニトロ基、アリール基、アセチル基、アセトキシ基、不飽和アルキルエーテル基、アリールエーテル基、不飽和アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられる。なお、本発明において、「置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基」の炭素数は、アルキル基部分の炭素数であり、置換基中の炭素数は含めないものとする。
この場合においては、R1とR2とで、2つの結合手が共に窒素原子と結合する炭素数3〜8のアルキレン基を形成し、含窒素脂肪族環を形成する。当該含窒素脂肪族環は、置換基を有していても良く、更にR1とR2が結合している窒素原子以外のヘテロ原子を上記炭素数3〜8のアルキレン基鎖中に有していてもよい。ヘテロ原子を鎖中に有する場合の結合としては、例えば、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合などが挙げられる。
また、光分解反応における感度の面からは、R3及びR4が、ともに炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の飽和アルキル基であることがさらに好ましい。
R5〜R29は全て水素原子であっても良いが、R5〜R29に置換基を導入させることにより、溶剤溶解性を向上したり、感度を向上したり、吸収波長をより長波長側にシフトさせることができる。この吸収波長をシフトする程度(シフト値)は、置換基の種類によって相違する。このシフト値については、「有機化学のスペクトルによる同定法 第5版(R.M.Silverstein著、281頁、1993年東京化学同人発行)」に記載の表が参考となる。
炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の飽和アルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、2−メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、ネオヘプチル基、シクロヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、ネオオクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、ネオノニル基、シクロノニル基、n−デシル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基、ネオデシル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられ、中でも炭素数1〜6の直鎖状飽和アルキル基が好ましく、更に炭素数1〜3の直鎖状の飽和アルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
上記一般式(III)におけるrとしては、1〜3がより好ましい。
上記第二工程で使用される一般式(9)で示されるアミンは、市販のものを用いるか、常法により合成したものを適宜用いればよく、特に限定されない。上述したように、光を照射して発生させたいアミンを設計に合わせて用いるようにする。
具体的には、例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、ジシクロブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジイソペンチルアミン、ジ−sec−ペンチルアミン、ジ−tert−ペンチルアミン、ジネオペンチルアミン、ジ−2−メチルブチルアミン、ジ−1,2−ジメチルプロピルアミン、ジ−1−エチルプロピルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジイソヘキシルアミン、ジ−sec−ヘキシルアミン、ジ−tert−ヘキシルアミン、ジネオヘキシルアミン、ジ−2−メチルペンチルアミン、ジ−1,2−ジメチルブチルアミン、ジ−2,3−ジメチルブチルアミン、ジ−1−エチルブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジイソヘプチルアミン、ジ−sec−ヘプチルアミン、ジ−tert−ヘプチルアミン、ジネオヘプチルアミン、ジシクロヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジイソオクチルアミン、ジ−sec−オクチルアミン、ジ−tert−オクチルアミン、ジネオオクチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジシクロオクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジイソノニルアミン、ジ−sec−ノニルアミン、ジ−tert−ノニルアミン、ジネオノニルアミン、ジシクロノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、ジイソデシルアミン、ジ−sec−デシルアミン、ジ−tert−デシルアミン、ジネオデシルアミン、ジシクロデシルアミン、ジノルボルニルアミン、ジアダマンチルアミン、エチルメチルアミン、メチル−n−プロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、エチル−n−プロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、n−プロピルイソプロピルアミン等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状のジアルキルアミン、アゼチジン、ピロリジン、2,5−ジメチルピロリジン、ピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、オクタメチレンイミン、オキサゾリジン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このようにして、光塩基発生剤から発生させたいアミンが合成又は市販で入手可能であれば、発生させたいアミンに合わせて、R1及びR2は特に制限されず、適宜設計し合成することが可能である。
上記反応で使用される一般式(10)で示される化合物は、市販のものを用いるか、常法により合成したものを適宜用いればよい。
中でも前記光塩基発生剤は、436nm、及び405nmの波長の電磁波のうち少なくとも1つの波長に吸収を有するだけでなく、405nmの波長の電磁波に対して光分解性を有することが好ましい。436nm、及び405nmの波長の電磁波のうち少なくとも1つの波長に吸収を有していてもこのような波長の電磁波に対して光分解性を有しない場合もある。
405nmの波長の電磁波に対して光分解性を有するかどうかは、例えば、i線(波長:365nm)を全く通さないフィルターを介して高圧水銀灯を用いて光塩基発生剤に照射して、光塩基発生剤が分解するか否か、或いは塩基性物質を発生させるか否かを観測することによって判断できる。
本発明に用いるポリイミド前駆体は、なんらかの溶媒(有機溶剤、又は水溶液)に可溶なものであることが好ましい。溶媒(有機溶剤、又は水溶液)に可溶なものであると、ポリイミド前駆体の当該溶媒に対する溶解性を変化させることにより、その可溶な溶媒を現像液として用いて、適宜、有機溶剤、塩基性水溶液、酸性水溶液、又は中性水溶液による現像をすることが可能になる。
ここで、ある溶媒に可溶とは、具体的には、基板上に形成された塗膜の25℃における当該溶媒に対する溶解速度が、100Å/sec以上を目安とする。当該溶解速度は1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。
例えば、塩基性水溶液に可溶なものは、具体的には、基板上に形成された塗膜の25℃における0.1wt%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する溶解速度が、100Å/sec以上である。当該溶解速度は1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。さらには、より一般的に用いられる現像液である2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、100Å/sec以上であることが好ましく、1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。上記定義による溶解速度が100Å/secより小さい場合、現像時間が遅くなり作業性、生産性が悪くなると共に、露光部、未露光部間の溶解性コントラストが得にくくなる。
したがって、本発明の感光性樹脂組成物のある溶媒に対しての溶解速度は、25℃における当該溶媒に対する溶解速度が、100Å/sec以上であることが好ましく、1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。
単位時間当たりの溶解速度は、上記の方法と同様にして求められ、感光性樹脂組成物の塗膜にパターン露光を行い、露光後の加熱を行った後に、露光部、未露光部の溶解速度を、それぞれ求める。
このような塩基性物質の存在の有無により反応温度差が出来る場合には、反応温度差を利用して、塩基性物質と共存するポリイミド前駆体のみが最終生成物へと反応する適切な温度で加熱することにより、塩基性物質と共存するポリイミド前駆体のみが最終生成物へと反応しある溶媒への溶解性が変化する。従って、塩基性物質の存在の有無によって、ポリイミド前駆体のある溶媒への溶解性を変化させることが可能となり、ひいては当該溶媒を現像液として用いて現像によるパターニングが可能になる。よって、本発明に用いられるポリイミド前駆体としては、塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進され、且つ、加熱により溶解性が、加熱前に比べて低く変化するポリイミド前駆体が好適に用いられる。
ポリアミック酸は、酸2無水物とジアミンを溶液中で混合するのみで得られるので、1段階の反応で合成することができ、合成が容易で低コストで入手できるので好ましい。
副次的な効果として、用いるポリイミド前駆体がポリアミック酸である場合、塩基性物質の触媒効果によりイミド化に要する温度が低くても充分な為、最終キュア温度を300℃未満、更に好ましくは250℃以下まで下げることが可能である。従来のポリアミック酸はイミド化するために最終キュア温度を300℃以上とする必要があった為、用途が制限されていたが、最終キュア温度を下げることが可能になったことによって、より広範囲の用途に適用が可能である。
ここで、全芳香族ポリイミド前駆体とは、芳香族酸成分と芳香族アミン成分の共重合、又は、芳香族酸/アミノ成分の重合により得られるポリイミド前駆体及びその誘導体である。また、芳香族酸成分とは、ポリイミド骨格を形成する4つの酸基が全て芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族アミン成分とは、ポリイミド骨格を形成する2つのアミノ基が両方とも芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族酸/アミノ成分とはポリイミド骨格を形成する酸基とアミノ基がいずれも芳香族環上に置換している化合物である。ただし、後述する原料の具体例から明らかなように、全ての酸基又はアミノ基が同じ芳香環上に存在する必要はない。
さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基のいずれか1種又は2種以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接又は置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(12)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
また、最終的に得られるポリイミドを光導波路、光回路部品として用いる場合には、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると1μm以上の波長の電磁波に対しての透過率を向上させることができる。
ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観点より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の物性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ましくは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジアミンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外のジアミンを用いても良い。
このようにして合成されるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミドに耐熱性及び寸法安定性を求める場合には、芳香族酸成分及び/又は芳香族アミン成分の共重合割合ができるだけ大きいことが好ましい。具体的には、イミド構造の繰り返し単位を構成する酸成分に占める芳香族酸成分の割合が50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましく、イミド構造の繰り返し単位を構成するアミン成分に占める芳香族アミン成分の割合が40モル%以上、特に60モル%以上であることが好ましく、全芳香族ポリイミドであることが特に好ましい。
露光波長に対してポリイミド前駆体の透過率が高いということは、それだけ、光のロスが少ないということであり、高感度の感光性樹脂組成物を得ることができる。
ここで用いている分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値のことをいい、ポリイミド前駆体そのものの分子量でも良いし、無水酢酸等で化学的イミド化処理を行った後のものでも良い。
感光性樹脂組成物を溶解、分散又は希釈する溶剤としては各種の汎用溶剤を用いることが出来る。また、ポリイミド前駆体としてポリアミック酸を用いる場合には、ポリアミック酸の合成反応により得られた溶液をそのまま用い、そこに必要に応じて他の成分を混合しても良い。
増感剤と呼ばれる化合物の具体例としては、チオキサントン及び、ジエチルチオキサントンなどのその誘導体、シアニン及び、その誘導体、メロシアニン及び、その誘導体、クマリン系及び、その誘導体、ケトクマリン及び、その誘導体、ケトビスクマリン、及びその誘導体、シクロペンタノン及び、その誘導体、シクロヘキサノン及び、その誘導体、チオピリリウム塩及び、その誘導体、キノリン系及び、その誘導体、スチリルキノリン系及び、その誘導体、チオキサンテン系、キサンテン系及び、その誘導体、オキソノール系及び、その誘導体、ローダミン系及び、その誘導体、ピリリウム塩及び、その誘導体等が挙げられる。
クマリン、ケトクマリン及び、その誘導体の具体例としては、3−(2’−ベンゾイミダゾール)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)等が挙げられる。
チオキサントン及び、その誘導体の具体例としては、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
本発明ではこれらの増感剤を1種または2種以上使用することができる。
中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスホアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等の極性溶媒が好適なものとして挙げられる。
また、上記増感剤の配合量はポリイミド前駆体の固形分100重量部に対して50重量部未満とすることが好ましく、30重量部未満とすることがより好ましい。また、最終的に得られる樹脂硬化物に求められる諸物性の低下を防ぐため、前記本発明に係る式(1)で表される光塩基発生剤と増感剤の合計がポリイミド前駆体100重量部に対して50重量部以下であることが望ましい。
また、その他の任意成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1重量%〜20重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満だと、添加物を添加した効果が発揮されにくく、20重量%を超えると、最終的に得られる樹脂硬化物の特性が最終生成物に反映されにくい。なお、感光性樹脂組成物の固形分とは溶剤以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
例えば、本発明の感光性樹脂組成物から得られるポリイミドの窒素中で測定した5%重量減少温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がさらに好ましい。特に、はんだリフローの工程を通るような電子部品等の用途に用いる場合は、5%重量減少温度が300℃以下であると、はんだリフローの工程で発生した分解ガスにより気泡等の不具合が発生する恐れがある。
ここで、5%重量減少温度とは、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量から5%減少した時点(換言すればサンプル重量が初期の95%となった時点)の温度である。同様に10%重量減少温度とはサンプル重量が初期重量から10%減少した時点の温度である。
また、本発明によれば、ポリイミド前駆体に前記本発明に係る式(1)で表される光塩基発生剤を混合するだけという簡便な手法で感光性ポリイミド樹脂組成物を得ることができることから、コストパフォーマンスにも優れる。
さらには、電磁波の照射により発生したアミンの触媒効果により、イミド化等の最終生成物への反応に要する処理温度を低減できる為、プロセスへの不可や製品への熱によるダメージを低減することが可能である。
本発明に係るネガ型パターン形成方法は、前記本発明に係る感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体の表面に、所定のパターン状に電磁波を照射し、必要に応じて熱処理等の後処理を行って、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させた後、現像することを特徴とする。
本発明に係る感光性樹脂組成物を何らかの支持体上に塗布し、所定のパターン状に電磁波を照射すると、露光部においてのみ、前記光塩基性物質が分解して塩基性物質を生成する。塩基性物質は、露光部のポリイミド前駆体の最終生成物への反応を促進する触媒として作用する。
熱処理等の後処理は、例えば、塩基性物質と共存する露光部のポリイミド前駆体に対してのみ、最終生成物へ反応させる処理とする。従って、熱処理をする場合には、例えば、塩基性物質が存在する露光部と、塩基性物質が存在しない未露光部とで、ポリイミド前駆体の環化率が異なるようになる温度で行うことが好ましい。
具体的には、例えば、120〜200℃で、1分〜20分加熱を行う。
この熱処理は、公知の方法であればどの方法でもよく、具体的に例示すると、空気、又は窒素雰囲気下の循環オーブン、ホットプレートによる加熱などが挙げられるが、特に限定されない。
塩基性水溶液としては、特に限定されないが、例えば、濃度が、0.01重量%〜10重量%、好ましくは、0.05重量%〜5重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液の他、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムなどの水溶液等が挙げられる。
溶質は、1種類でも2種類以上でも良く、全体の重量の50%以上、さらに好ましくは70%以上、水が含まれていれば有機溶媒等を含んでいても良い。
また、有機溶剤としては、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを、単独であるいは2種類以上を組み合わせて添加してもよい。現像後は水にて洗浄を行う。この場合においてもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えても良い。
(1)アントラセン−9−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナートの合成(第一工程)
9−アントラセンメタノール5.0g(24mmol;和光純薬工業(株)製)を脱水ジメチルアセトアミド(脱水DMAc)250mLに溶解させた溶液に、トリエチルアミン7.3g(72mmol)を加えた。その溶液に、クロロギ酸−4−ニトロフェニル4.9g(24mmol;和光純薬工業(株)製)を添加した後、室温で24時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液に氷水を投入し、この混合液をジクロロメタンで抽出し、さらに抽出後の有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮した。次いで、濃縮残渣に水を投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、黄色結晶のアントラセン−9−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナート4.8g(収率:53%)を得た。以下に1H−NMRの測定結果を示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):6.39(2H,s,OCH2),7.36(2H,d,J=9.3Hz,ArH),7.51−7.54(2H,m,ArH),7.60−7.65(2H,m,ArH),8.06(2H,d,J=8.7Hz,ArH),8.24(2H,d,J=9.3Hz,ArH),8.41(2H,d,J=8.7Hz,ArH),8.57(1H,s,ArH)
上記(1)で得られたアントラセン−9−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナート4.8g(13mmol)をジクロロメタン100mLに溶解させた溶液に、ピペリジン1.4g(16mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を水で洗浄し、洗浄後の有機層を濃縮した。得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル(ワコーゲルC−200:和光純薬工業(株)製)、展開溶媒:ジクロロメタン)で精製することにより、下記式(5)で表されるアントラセン−9−イル−メトキシカルボニルピペリジン1.3g(収率:32%、淡黄色結晶)を得た。以下に1H−NMR及び融点の測定結果を示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.39(2H,br,CH2),1.53(4H,br,2×CH2),3.28(2H,br,NCH2),3.46(4H,br,NCH2),6.15(2H,s,OCH2),7.49−7.59(4H,m,ArH),8.03(2H,d,J=8.8Hz,ArH),8.41(2H,d,J=8.8Hz,ArH),8.50(1H,s,ArH)
融点:130−132℃
(1)アントラキノン−2−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナートの合成(第一工程)
2−ヒドロキシメチルアントラキノン3.0g(12mmol;東京化成工業(株)製)を脱水ジメチルアセトアミド(脱水DMAc)100mLに溶解させた溶液に、トリエチルアミン3.8g(37mmol)を加えた。その溶液に、クロロギ酸−4−ニトロフェニル2.5g(12mmol;和光純薬工業(株)製)を添加した後、室温で24時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液に氷水を投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、淡黄色結晶のアントラキノン−2−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナート2.4g(収率:47%)を得た。以下に1H−NMRの測定結果を示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):5.47(2H,s,OCH2),7.42(2H,d,J=9.3Hz,ArH),7.82−7.85(3H,m,ArH),8.29−8.39(4H,m,ArH),8.30(2H,d,J=9.3Hz,ArH)
上記(1)で得られたアントラキノン−2−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナート2.4g(5.8mmol)を脱水ジメチルアセトアミド(脱水DMAc)450mLに溶解させた溶液に、ピペリジン0.60g(7.0mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液に氷水を投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、下記式(6)で表されるアントラキノン−2−イル−メトキシカルボニルピペリジン1.1g(収率:55%、淡黄色結晶)を得た。以下に1H−NMR及び融点の測定結果を示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.55−1.63(6H,m,3×CH2),3.49(4H,br,2×NCH2),5.29(2H,s,OCH2),7.76−7.83(3H,m,ArH),8.27−8.34(4H,m,ArH)
融点:146−147℃
(1)ピレン−1−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナートの合成(第一工程)
1−ピレンメタノール5.0g(22mmol;東京化成工業(株)製)を脱水ジメチルアセトアミド(脱水DMAc)200mLに溶解させた溶液に、トリエチルアミン6.5g(65mmol)を加えた。その溶液に、クロロギ酸−4−ニトロフェニル4.3g(22mmol;和光純薬工業(株)製)を添加した後、室温で24時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液に氷水を投入し、この混合液をジクロロメタンで抽出し、さらに抽出後の有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮した。次いで、濃縮残渣にトルエンを投入し、そこで生じた結晶を濾取後、得られた結晶を乾燥することにより、黄色結晶のピレン−1−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナート5.9g(収率:68%)を得た。以下に1H−NMRの測定結果を示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):6.02(2H,s,OCH2),7.25(2H,d,J=9.3Hz,ArH),7.98−8.20(9H,m,ArH),8.27(2H,d,J=9.3Hz,ArH)
上記(1)で得られたピレン−1−イル−メチル−4’−ニトロフェニルカルボナート5.9g(15mmol)を脱水ジメチルアセトアミド(脱水DMAc)50mLに溶解させた溶液に、ピペリジン1.4g(16mmol)を加えた後、室温で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液に氷水を投入し、この混合液をジクロロメタンで抽出し、さらに抽出後の有機層を水で洗浄後、当該有機層を濃縮した。得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル(ワコーゲルC−200:和光純薬工業(株)製)、展開溶媒:ジクロロメタン)で精製することにより、下記式(7)で表されるピレン−1−イル−メトキシカルボニルピペリジン1.6g(収率:32%、橙色結晶)を得た。以下に1H−NMR及び融点の測定結果を示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.54(6H,br,3×CH2),3.43(4H,br,2×NCH2),5.83(2H,s,OCH2),7.99−8.34(9H,m,ArH)
融点:118−120℃
50%水素化ナトリウム1.6g(33mmol)及び脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)4mLを仕込んだ溶液に、9−アントラセンメタノール6.3g(30mmol;和光純薬工業(株)製)を脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)26mLに溶解させた溶液を滴下した。次いで、その溶液に、N,N−ジエチルカルバモイルクロリド4.5g(33mmol;シグマアルドリッチジャパン(株)製)の脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)溶液4mLを添加した後、60℃で2時間攪拌して反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、冷却した溶液にn−ヘキサンを加え、さらにこの溶液を水で洗浄し、洗浄後の有機層を濃縮した。得られた濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル(ワコーゲルC−200:和光純薬工業(株)製)、展開溶媒:n−ヘプタン)で精製することにより、下記式(4)で表されるアントラセン−9−イル−メトキシカルボニル−N,N−ジエチルアミン5.7g(収率:61%、黄色結晶)を得た。以下に1H−NMR及び融点の測定結果を示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):0.91(3H,br,CH3),1.14(3H,br,CH3),3.14(2H,br,NCH2),3.35(2H,br,NCH2),6.14(2H,s,OCH2),7.48(2H,dd,J=8.0,6.8Hz,ArH),7.57(2H,dd,J=8.4,6.8Hz,ArH),8.04(2H,d,J=8.0Hz,ArH),8.46(2H,d,J=8.4Hz,ArH),8.52(1H,s,ArH)
融点:72−74℃
窒素置換した500mL4つ口セパラブルフラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.0g(100mmol)および脱水N−メチルピロリドン200mLを入れ、氷浴下で撹拌して溶解させた。この溶液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.4g(100mmol)を加え、氷浴下で2時間攪拌した。反応溶液をアセトンにより再沈殿し、濾取して得られた沈殿物を室温で8時間減圧乾燥することにより、ポリアミド酸(ポリイミド前駆体1)を白色固体として定量的に得た。
(1)モル吸光係数の測定
合成例1〜4で得られた光塩基発生剤1〜4をそれぞれ、電子天秤を用いて秤量し、メスフラスコを用いることにより、濃度5×10−5mol/Lのアセトニトリル溶液を調製した。この溶液を石英セル((株)東新理興製、TOS−UV−10(1cm×1cm×4cm))に入れ、分光光度計(島津製作所社製UV−2550)により190〜800nmの波長範囲での紫外−可視吸収スペクトルを測定した。スペクトルで得られた吸光度から、下式によりモル吸光係数ε(365、405、436nm)を測定した。結果を表1に示す。
モル吸光係数(ε)=(吸光度)/モル濃度(mol/L)/光路長(cm)
光塩基発生剤について、石英製NMRチューブ中に電子天秤を用いて1.0mg秤量し、重アセトニトリル0.5mLを加え溶解させた。このサンプルに、350nm以下の波長を透過しないフィルター1を介して高圧水銀灯(ウシオ電機社製SPOT CURE SP−III 250UA、ランプ型番:USH−255BY)の全波長をフィルター通過前100J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)、フィルター通過後18.2J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)により光を照射し、照射前後のNMRスペクトルの比較を行うことにより、i(365nm)線以上の波長領域における光分解性の評価を行った。図1にフィルター1の透過率曲線を示す。光分解性の評価結果を表2に示す。
光塩基発生剤について、DTG−60(島津製作所製)を用いて30℃から600℃まで昇温速度10℃/minでTG−DTA測定を行った。5%重量減少温度を算出し、耐熱性の評価を行った。耐熱性の評価結果を表3に示す。
上記光塩基発生剤1を0.2g、上記ポリイミド前駆体1を1g、N−メチルピロリドン9gに溶解させ、本発明の感光性樹脂組成物(感光性樹脂組成物1)を得た。
実施例1における光塩基発生剤1を、それぞれ光塩基発生剤2〜4に代えた以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物(感光性樹脂組成物2〜4)を得た。
感光性樹脂組成物1を、ガラス板上に乾燥後膜厚2μmになるようにスピンコートし、100℃のホットプレート上で15分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本科研製、MA−1100)でi線換算で、2000mJ/cm2の紫外−可視光線照射を行い、その後、155℃のホットプレート上で10分間加熱したのち、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%溶液にイソプロパノールを10wt%添加した溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。さらに、それらのサンプルを300℃で1時間加熱しイミド化を行った。
この結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、良好なパターンを形成することできることが明らかとなった。
Claims (13)
- 一般式(1)で表される光塩基発生剤、及びポリイミド前駆体を含有する、感光性樹脂組成物。
R1及びR2は夫々独立して、水素原子、炭素数1〜20の置換基を有していても良い飽和又は不飽和アルキル基を表し、R1及びR2の少なくとも1つは水素原子ではなく、R1及びR2はこれらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していても良い炭素数3〜8の含窒素脂肪族環を形成していても良く、
R3及びR4は夫々独立して、水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状若しくは環状の飽和アルキル基を表す。)
- 前記一般式(1)で表される光塩基発生剤におけるR1及びR2が、炭素数1〜20の置換基を有していても良い飽和又は不飽和アルキル基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記一般式(1)で表される光塩基発生剤におけるR1及びR2が、これらが結合している窒素原子と共に、置換基を有していても良い炭素数3〜8の含窒素脂肪族環を形成しているものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリイミド前駆体は、それ自体が塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進されるものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリイミド前駆体は、それ自体が塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進され、且つ、加熱により溶解性が変化するものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 更に、増感剤を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリイミド前駆体がポリアミック酸である、請求項1乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光塩基発生剤が365nm以上の波長の電磁波に対して光分解性を有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光塩基発生剤の5%重量減少温度が170℃以上である、請求項1乃至8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 塗料又は印刷インキ、或いは、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料の形成材料として用いられる、請求項1乃至9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記請求項1乃至10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又はその硬化物により少なくとも一部分が形成されている、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料いずれかの物品。
- 前記請求項1乃至10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体の表面に、所定のパターン状に電磁波を照射し、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させた後、現像する、ネガ型パターン形成方法。
- 電磁波を照射後、加熱処理を行って、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させる、請求項12に記載のネガ型パターン形成方法。
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