JP5644274B2 - 塩基発生剤、感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物からなるパターン形成用材料、当該感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法並びに物品 - Google Patents
塩基発生剤、感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物からなるパターン形成用材料、当該感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法並びに物品 Download PDFInfo
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Description
例えば、高分子材料であるポリイミドは、耐熱性、寸法安定性、絶縁特性といった性能が有機物の中でもトップクラスの性能を示すため、電子部品の絶縁材料等へ広く適用され、半導体素子の中のチップコーティング膜や、フレキシブルプリント配線板の基材などとして盛んに利用されてきている。
また、近年、ポリイミドの有する課題を解決する為に、ポリイミドと類似の加工工程が適用される低吸水性で低誘電率を示すポリベンゾオキサゾールや、基板との密着性に優れるポリベンゾイミダゾール等も精力的に研究されている。
(1)ポリイミド前駆体にはパターン形成能力がなく、ポリイミド前駆体上に感光性樹脂をレジスト層として設けることによりパターンを形成する方法
(2)ポリイミド前駆体自身に感光性部位を結合や配位させて導入し、その作用により、パターンを形成する方法。または、ポリイミド前駆体に感光性成分を混合し樹脂組成物とし、その感光性成分の作用でパターンを形成する方法。
露光部と未露光部の間で溶解性のコントラストが大きければ大きいほど現像後の残膜率が大きく、更に形状も良好なパターンを得ることができるが、従来の感光性組成物では、現像液の濃度や光塩基発生剤の量を調整したり、溶解促進剤の添加が必要であり、プロセスマージンが小さくなってしまっていた。
特に、前記化学式(1)で表わされる塩基発生剤は、その構造中にベンゼン環と結合する−O−X−O−部位を有する。該−O−X−O−部位は、ベンゼン環の3位〜6位のうち隣り合う位置に吸収波長を長波長にシフトさせる効果のあるアルコキシ基に類似の置換基が導入され、この2つの置換基が結合した構造である。そのため、該塩基発生剤は、該ベンゼン環の3位〜6位のうち隣り合う位置にアルコキシ基に類似の置換基をそれぞれ導入した場合と比べ、−O−X−O−と結合することで、酸素原子が固定され効率よく吸収波長を長波長化し、少ない電磁波照射量で塩基性物質を発生でき、感度を高めることができると推定される。
本発明に係るパターン形成方法は、上記感光性樹脂組成物を用いて塗膜又は成形体を形成し、当該塗膜又は成形体を、所定パターン状に電磁波を照射し、照射後又は照射と同時に加熱し、前記照射部位の溶解性を変化させた後、現像することを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物は、含まれる化学式(1)で表される塩基発生剤が、従来用いられていた光塩基発生剤と比べて優れた感度を有するため、感度の高い感光性樹脂組成物である。本発明の感光性樹脂組成物は、電磁波の照射と加熱により、塩基発生剤由来の塩基による高分子前駆体の溶解性の変化に加えて、塩基発生剤も塩基が発生する際にフェノール性水酸基が失われることにより塩基性水溶液に対する溶解性が変化するため、露光部、未露光部の溶解性の差をさらに大きくすることが可能である。露光部と未露光部とで大きな溶解性コントラストが得られる結果、十分なプロセスマージンを保ちつつ、形状が良好なパターンを得ることができる。
さらに本発明の感光性樹脂組成物においては、酸と異なり塩基が金属の腐食を起こさないため、より信頼性の高い硬化膜を得ることが出来る。
また、パターン形成工程に加熱工程を含む場合、本発明の感光性樹脂組成物は、塩基の発生を促進させる加熱において、前記加熱工程を利用することが可能であり、当該加熱工程を利用する分、電磁波の照射量を少なくできる利点を有する。そのためこの様な加熱工程を含む工程で用いる場合、本発明の感光性樹脂組成物は、電磁波照射のみで塩基を発生させる従来の樹脂組成物と比べ、工程の合理化も可能となる。
なお、本発明において(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
また、本発明において、電磁波とは、波長を特定した場合を除き、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。本明細書では、電磁波の照射を露光ともいう。なお、波長365nm、405nm、436nmの電磁波をそれぞれ、i線、h線、g線とも表記することがある。
<塩基発生剤>
本発明に係る塩基発生剤は、下記化学式(1)で表わされ、且つ電磁波の照射と加熱により、塩基を発生する。
有機基としては、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。これらの有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよく、これらは、直鎖状でも分岐状でも良い。
R1及びR2における有機基は、通常、1価の有機基であるが、後述する環状構造を形成する場合や、生成するNHR1R2がジアミン等のアミド結合を形成可能なNH基を2つ以上有する塩基性物質の場合等には、2価以上の有機基となり得る。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であっても良い。
前記R1及びR2の有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基が好ましい。
高分子前駆体から最終生成物への反応に対する反応開始温度を低下させる等の触媒作用は、塩基性の大きい塩基性物質の方が触媒としての効果が大きく、より少量の添加で、より低い温度での最終生成物への反応が可能となる。一般に1級アミンよりは2級アミンの方が塩基性は高く、その触媒効果が大きい。
また、芳香族アミンよりも脂肪族アミンの方が塩基性が強いため好ましい。
本発明においては、高感度化の観点から、上記Xはヘテロ原子を含んでいてもよく、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和脂肪族、或いは芳香族炭化水素基、ヘテロ原子を含んでいてもよく、置換基を有していてもよいケイ素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のケイ素−ケイ素二重結合を含んでいてもよいケイ化水素基、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、スルホニル結合、及び、スルフィニル結合よりなる群から選ばれる連結基であることが好ましい。
上記Xにおける直鎖、分岐、又は環状の不飽和脂肪族炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、置換基を有していてもよい。当該不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ビニレン基等が挙げられる。
また、上記飽和脂肪族炭化水素基、及び不飽和脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基等が挙げられる。
また、上記飽和脂肪族炭化水素基、及び不飽和脂肪族炭化水素基がヘテロ原子を含む場合としては、飽和脂肪族炭化水素基、又は不飽和脂肪族炭化水素基に、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−、ここでRは水素原子又は有機基)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等を含む場合が挙げられる。
上記Xにおける芳香族炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、置換基を有していてもよい。当該芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
また、上記芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、上記飽和脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、上記芳香族炭化水素基が、ヘテロ原子を含む場合(複素環)、その具体例としては、フラン、チオフェン等が挙げられる。
ここで、本発明において、ケイ化水素基とは、2価の場合が−(SiH2)n−、1価の場合が−(SiH2)n−Hのケイ素と水素のみからなる基であり、nは1以上の自然数である。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素などが挙げられる。
有機基としては、特に制限がなく、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、シアノ基等が挙げられる。これらの有機基は、当該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでよく、これらは、直鎖状でも分岐状でも良い。
中でも、当該有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基が好ましい。
環状構造は、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び芳香族炭化水素、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び芳香族炭化水素よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる構造であってもよい。
例えば、Zが炭素原子である場合に、n個のR7とR8のうちのいずれか2個が結合して脂環式炭化水素や複素環を形成してもよい。また、Zが炭素−炭素二重結合である場合に、R7とR8はZの炭素−炭素二重結合とともに環状構造を形成し、芳香族環を形成していてもよい。
また、Zがケイ素−ケイ素二重結合である場合に、R7とR8はZのケイ素−ケイ素二重結合とともに炭素原子及び/又はケイ素原子により環状構造を形成していてもよく、当該環状構造は、更に、ケイ素−ケイ素二重結合を含んでいても良い。
また、R7及びR8のうちのハロゲン原子及び有機基は、上記ケイ化水素基が有していてもよい置換基において例示したものと同様のものが挙げられ、1価のケイ化水素基が有していてもよい置換基としては、上記Xにおいて例示したものを挙げることができる。
上記ハロゲン原子及び有機基としては、上記ケイ化水素基が有していてもよい置換基において例示したものと同様のものが挙げられる。
R3〜R6のうち、上記化学式(2)の部分構造を有しないR3〜R6における有機基は、通常、1価の有機基であるが、上記化学式(2)の部分構造以外の環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。例えば、R3〜R6は、それらの2つ以上が結合して、R3〜R6が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
本発明において、x%重量減少温度とは、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量からx%減少した時点(すなわち、サンプル重量が初期の(100−x)%となった時点)の温度である。
また、発生する塩基の沸点が25℃以上であることが、室温での取り扱い性が良好になることから好ましい。発生する塩基の沸点が25℃以上でない場合には、塗膜とした際に、特に乾燥時に生成したアミンが蒸発しやすくなってしまうため作業が困難となる恐れがある。また、発生する塩基を、膜中に残存しない硬化促進剤として用いる場合には、発生する塩基の350℃における重量減少が80%以上であると、硬化後の高分子中に塩基が残存するのを抑制しやすい点から好ましい。但し、発生する塩基を、膜中に残存する架橋剤乃至硬化剤として用いる場合は、発生する塩基の上記重量減少は問題にならない。
また、前記化学式(1)で表される塩基発生剤の塩基発生以外の分解を防ぐために、300℃以下で加熱することが好ましい。
まず、各置換基を導入したヒドロキシベンズアルデヒドの合成を行う。次に、各置換基を導入した桂皮酸誘導体の合成を行う。そして、上記各置換基を導入した桂皮酸誘導体に、適宜選択されたアミンや塩基性物質を縮合し、目的物を得ることができる。
本発明の塩基発生剤の合成方法はこれに限定されるものではない。本発明の塩基発生剤は、複数の従来公知の合成ルートで合成することができる。
例えば、光塩基発生剤と酸−塩基指示薬とを少なくとも含む画像形成層を、基材上に被覆又は基材に含浸させてなる画像形成媒体において、画像形成層を露光すると、前記光塩基発生剤が、酸−塩基指示薬と反応する塩基を生成し、画像が形成されることを特徴とする画像形成媒体のような表示装置などにも応用することができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、塩基性物質によって又は塩基性物質の存在下での加熱によって最終生成物への反応が促進される高分子前駆体、及び、前記本発明に係る下記化学式(1)で表わされ且つ電磁波の照射と加熱により塩基を発生する塩基発生剤を含有することを特徴とする。
前記高分子前駆体は、前記塩基発生剤から発生した塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進される。
塩基発生剤及び高分子前駆体としては、1種単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良い。
本発明の感光性樹脂組成物に用いる高分子前駆体とは、反応により最終的に目的の物性を示す高分子となる物質を意味し、当該反応には分子間反応及び分子内反応がある。高分子前駆体自体は、比較的低分子の化合物であっても高分子化合物であってもよい。
また、本発明の高分子前駆体は、塩基性物質によって又は塩基性物質の存在下での加熱によって最終生成物への反応が促進される化合物である。ここで、高分子前駆体が、塩基性物質によって又は塩基性物質の存在下での加熱によって最終生成物への反応が促進される態様には、高分子前駆体が塩基性物質の作用のみによって最終生成物に変化する態様のみならず、塩基性物質の作用によって高分子前駆体の最終生成物への反応温度が、塩基性物質の作用がない場合に比べて低下するような態様が含まれる。
このような塩基性物質の存在の有無により反応温度差が出来る場合には、反応温度差を利用して、塩基性物質と共存する高分子前駆体のみが最終生成物へと反応する適切な温度で加熱することにより、塩基性物質と共存する高分子前駆体のみが最終生成物へと反応し、現像液等の溶媒への溶解性が変化する。従って、塩基性物質の存在の有無によって、高分子前駆体の前記溶媒への溶解性を変化させることが可能となり、ひいては当該溶媒を現像液として用いて現像によるパターニングが可能になる。
分子間反応により目的の高分子となる高分子前駆体としては、反応性置換基を有し重合反応をする化合物及び高分子、又は、分子間に結合を形成する反応(架橋反応)をする化合物及び高分子がある。当該反応性置換基としては、エポキシ基、オキセタン基、チイラン基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、シラノール基等が挙げられる。また、高分子前駆体には、分子間で加水分解・重縮合する化合物も含まれ、反応性置換基には、ポリシロキサン前駆体の−SiX(ここで、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、及びハロゲンよりなる群から選択される加水分解性基)も挙げられる。
反応性置換基を有し重合反応をする高分子としては、例えば、2個以上のエポキシ基を有する高分子(エポキシ樹脂)、2個以上のオキセタン基を有する高分子、及び2個以上のチイラン基を有する高分子が挙げられる。下記に特にエポキシ基を有する化合物及び高分子について具体的に説明するが、オキセタン基、チイラン基を有する化合物及び高分子についても同様に用いることが可能である。
上記1個以上のエポキシ基を有する化合物及び高分子としては、分子内に1個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく、従来公知のものを使用できる。
前記塩基発生剤は、一般的には分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物の硬化触媒としての機能も有する。
また、重量平均分子量3,000〜100,000のポリマー側鎖に上記官能基を導入したものを用いることが好ましい。3,000未満では膜強度の低下及び硬化膜表面にタック性が生じ、不純物等が付着しやすくなる恐れがある。また、100,000より大きいと粘度が増大する恐れがあり好ましくない。
分子間で架橋反応をする高分子としては、例えば、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する高分子(イソシアネート樹脂)と分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する高分子(ポリオール)の組み合わせが挙げられる。
また、分子間で架橋反応をする化合物と高分子の組み合わせを用いても良い。例えば、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する高分子(イソシアネート樹脂)と分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の組み合わせ、及び、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する高分子(ポリオール)の組み合わせ等が挙げられる。
イソシアネート基をもつ化合物及び高分子としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に制限なく、公知のものを使用できる。このような化合物としては、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等に代表される低分子化合物の他に、オリゴマー、重量平均分子量3,000以上のポリマーの側鎖又は末端にイソシアネート基が存在する高分子を用いてもよい。
前記イソシアネート基を持つ化合物及び高分子は、通常、分子内にヒドロキシル基を持つ化合物と組み合わせて用いられる。このようなヒドロキシル基を有する化合物としては、分子内に2個以上のヒドロキシル基を有するものであれば特に制限なく、公知のものを使用できる。このような化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子化合物の他に、重量平均分子量3,000以上のポリマーの側鎖又は末端にヒドロキシル基が存在する高分子を用いてもよい。
分子間で加水分解・重縮合する化合物としては、たとえばポリシロキサン前駆体が挙げられる。
ポリシロキサン前駆体としては、YnSiX(4−n)(ここで、Yは置換基を有していても良いアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、フェニル基、または水素を示し、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、及びハロゲンよりなる群から選択される加水分解性基を示す。nは0〜3までの整数である。) で示される有機ケイ素化合物及び当該有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物が挙げられる。中でも、上記式においてnが0〜2であるものが好ましい。また、シリカ分散オリゴマー溶液の調製がし易く入手も容易な点から、上記加水分解性基としては、アルコキシ基であるものが好ましい。
上記有機ケイ素化合物としては、特に制限なく、公知のものを使用できる。例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、フッ素系シランカップリング剤として知られたフルオロアルキルシラン、および、それらの加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物;並びに、それらの混合物を挙げることができる。
分子内閉環反応によって最終的に目的の物性を示す高分子となる高分子前駆体としてはポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体等がある。これらの前駆体は2種類以上の別々に合成した高分子前駆体の混合物でもよい。
以下、本発明の好ましい高分子前駆体であるポリイミド前駆体とポリベンゾオキサゾール前駆体について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ポリイミド前駆体としては、下記化学式(5)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸が好適に用いられる。
ポリイミド前駆体としては、R11及びR12が水素原子であるようなポリアミック酸が、アルカリ現像性の点から好適に用いられる。
m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観点より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の物性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ましくは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジアミンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外のジアミンを用いても良い。
このようにして合成されるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミドに耐熱性及び寸法安定性を求める場合には、芳香族酸成分及び/又は芳香族アミン成分の共重合割合ができるだけ大きいことが好ましい。具体的には、イミド構造の繰り返し単位を構成する酸成分に占める芳香族酸成分の割合が50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましく、イミド構造の繰り返し単位を構成するアミン成分に占める芳香族アミン成分の割合が40モル%以上、特に60モル%以上であることが好ましく、全芳香族ポリイミドであることが特に好ましい。
本発明に用いられるポリベンゾオキサゾール前駆体としては、下記化学式(7)で表される繰り返し単位を有するポリアミドアルコールが好適に用いられる。
露光波長に対してポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体等の高分子前駆体の透過率が高いということは、それだけ、電磁波のロスが少ないということであり、高感度の感光性樹脂組成物を得ることができる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、前記化学式(1)で表される塩基発生剤と、1種類以上の高分子前駆体と、溶媒の単純な混合物であってもよいが、さらに、光又は熱硬化性成分、高分子前駆体以外の非重合性バインダー樹脂、その他の成分を配合して、感光性樹脂組成物を調製してもよい。
光によって酸を発生させる化合物としては、1,2−ベンゾキノンジアジドあるいは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する感光性ジアゾキノン化合物があり、米国特許明細書第2,772,972号、第2,797,213号、第3,669,658号に提案されている。また、トリアジンやその誘導体、スルホン酸オキシムエステル化合物、スルホン酸ヨードニウム塩、スルホン酸スルフォニウム塩等、公知の光酸発生剤を用いることができる。光によって塩基を発生させる化合物としては、例えば2,6−ジメチル−3,5−ジシアノ−4−(2’−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2’−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン、2,6−ジメチル−3,5−ジアセチル−4−(2’,4’−ジニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジンなどが例示できる。
特に、ポリイミド前駆体の吸収が360nm以上の波長にもある場合には、増感剤の添加による効果が大きい。増感剤と呼ばれる化合物の具体例としては、チオキサントン及び、ジエチルチオキサントンなどのその誘導体、クマリン系及び、その誘導体、ケトクマリン及び、その誘導体、ケトビスクマリン、及びその誘導体、シクロペンタノン及び、その誘導体、シクロヘキサノン及び、その誘導体、チオピリリウム塩及び、その誘導体、チオキサンテン系、キサンテン系及び、その誘導体などが挙げられる。
これらは、塩基発生剤との組み合わせによって、特に優れた効果を発揮する為、塩基発生剤の構造によって最適な増感作用を示す増感剤が適宜選択される。
前記化学式(1)で表される塩基発生剤は、感光性樹脂組成物に含まれる高分子前駆体の固形分に対し、通常、0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜60重量%の範囲内で含有させる。0.1重量%未満であると露光部と未露光部の溶解性コントラストを十分に大きくできない恐れがあり、95重量%を超えると最終的に得られる樹脂硬化物の特性が最終生成物に反映されにくい。
エポキシ系化合物と組み合わせる場合など、硬化剤として用いられる場合には、硬化の程度にもよるが通常、0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜60重量%の範囲内で含有させる。
一方、硬化促進剤として用いられる場合には、少量の添加で硬化が可能となり、前記化学式(1)で表される塩基発生剤は、感光性樹脂組成物に含まれる高分子前駆体の固形分に対し、通常、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の範囲内で含有させることが好ましい。
化学式(1)で表される塩基発生剤を構成する芳香族成分含有カルボン酸、並びに、塩基性物質は安価に入手することが可能で感光性樹脂組成物としての価格も抑えられる。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、上記化学式(1)で表される塩基発生剤により、多種多様な高分子前駆体の最終生成物への反応促進に適用することができ、最終的に得られる高分子の構造を広範囲から選択することができる。
さらに、化学式(1)で表される塩基発生剤は、塩基の発生時に環化し、フェノール性水酸基を消失するため、塩基性溶液のような現像液への溶解性が変化し、高分子前駆体がポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体等の場合に、感光性樹脂組成物の溶解性の低下を補助し、露光部と未露光部での溶解性コントラストの向上に寄与する。
また、電磁波の照射により発生したアミンなどの塩基性物質の触媒効果により、例えばポリイミド前駆体やポリベンゾオキサゾール前駆体から最終生成物へのイミド化などの環化等の反応に要する処理温度を低減できる為、プロセスへの負荷や製品への熱によるダメージを低減することが可能である。
さらに、電磁波の照射と加熱により塩基を発生する本発明の塩基発生剤は、高分子前駆体から最終生成物を得る工程に加熱工程が含まれる場合、当該加熱工程を利用できるため、電磁波の照射量を低減することが可能であり、工程の有効利用も可能である。
本発明に係るパターン形成方法は、前記本発明に係る感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体を形成し、当該塗膜又は成形体を、所定パターン状に電磁波を照射し、照射後又は照射と同時に加熱し、前記照射部位の溶解性を変化させた後、現像することを特徴とする。
次に、所定の現像液(有機溶媒や塩基性水溶液等)で未露光部を溶解して熱硬化物からなるパターンを形成する。このパターンを、更に必要に応じ加熱して熱硬化を完結させる。以上の工程によって、通常ネガ型の所望の2次元樹脂パターン(一般的な平面パターン)又は3次元樹脂パターン(立体的に成形された形状)が得られる。
例えば、エポキシ樹脂の場合、好ましい熱処理の温度の範囲は、エポキシ樹脂の種類により適宜選択されるが、通常100℃〜150℃程度である。
この熱処理は、公知の方法であればどの方法でもよく、具体的に例示すると、空気、又は窒素雰囲気下の循環オーブン、又はホットプレートによる加熱等が挙げられるが、特に限定されない。
本発明において、電磁波の照射と加熱により塩基発生剤から塩基が生ずるが、この塩基を発生させるための加熱とPEB工程は同一の工程としてもよいし、別の工程としてもよい。
現像工程に用いられる現像液としては、前記照射部位の溶解性が変化する溶剤を現像液として用いれば、特に限定されず、塩基性水溶液、有機溶剤など、用いられる高分子前駆体に合わせて適宜選択することが可能である。
溶質は、1種類でも2種類以上でも良く、全体の重量の50%以上、さらに好ましくは70%以上、水が含まれていれば有機溶媒等を含んでいても良い。
また、以下に示す装置を用いて各測定、実験を行った。
1H NMR測定:日本電子(株)製、JEOL JNM−LA400WB
手動露光:大日本科研製、MA−1100
吸光度測定:(株)島津製作所製、紫外可視分光光度計UV−2550
5%重量減少温度測定:(株)島津製作所製、示差熱・熱重量同時測定装置DTG−60
赤外線吸収スペクトル測定:バリアン・テクノロジーズ・ジャパン・リミテッド社製、FTS 7000
塗膜の加熱:アズワン(株)製、HOT PLATE EC−1200(本実施例中、ホットプレートと記載することがある)
ジ(4−アミノフェニル)エーテル10.0g(50mmol)を300mLの3つ口フラスコに投入し、105.4mLの脱水されたN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に溶解させ窒素気流下、氷浴で冷却しながら撹拌した。そこへ、少しずつ3,3’,4,4’ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物14.7g(50mmol)を添加し、添加終了後、氷浴中で5時間撹拌し、その溶液を、脱水されたジエチルエーテルによって再沈殿し、その沈殿物を室温で減圧下、17時間乾燥し、重量平均分子量10,000のポリアミド酸(ポリイミド前駆体(1))を白色固体として定量的に得た。
冷却管をつけた100mlのフラスコにフェニルトリエトキシシラン5g、トリエトキシシラン10g、アンモニア水0.05g、水5ml及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を撹拌し、マントルヒーターを用いて70℃で6時間反応させた。次いでエバポレーターを用いて水との縮合反応で生成したエタノールと残留水とを除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、アルコキシシランの縮合物(アルコキシシラン縮合物(1))を調製した。
500mLナスフラスコ中、セサモール(東京化成工業(株)製)10.0g(72.4mmol)、ヘキサメチレンテトラミン(東京化成工業(株)製)15.2g(109mmol、1.5eq)をトリフルオロ酢酸(関東化学(株)製)100mlに溶解し、95℃で10時間反応を行った。反応終了後、氷浴下で1規定塩酸200mlを添加し15分間撹拌した。撹拌終了後、クロロホルムで抽出し、塩酸・飽和食塩水で洗浄を行うことにより6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを2.38g(14.3mmol)得た。
続いて、200mLフラスコ中、炭酸カリウム2.00gをメタノール20mLに加えた。100mLフラスコ中、エトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド(東京化成工業(株)製)6.15g(14.3mmol)、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを2.38g(14.3mmol)をメタノール25mLに溶解し、よく撹拌した炭酸カリウム溶液にゆっくり滴下した。3時間撹拌した後、薄層クロマトグラフィーにより反応の終了を確認したうえで、ろ過を行い炭酸カリウムを除き、減圧濃縮した。濃縮後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を30mL加え終夜で撹拌した。反応終了後、沈殿物をろ過により除き、濃塩酸を滴下し反応液を酸性にした。沈殿物をろ過により集め、少量のクロロホルムにより洗浄することで2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸を2.90g(13.9mmol)得た。
続いて、窒素雰囲気下、100mL三口フラスコ中、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸2.90g(13.9mmol)を脱水テトラヒドロキシフラン40mLに溶解し、氷浴下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(東京化成工業(株)製)3.20g(16.7mmol、1.2eq)を加えた。30分後、ピペリジン(東京化成(株)製)1.65ml(16.7mmol、1.2eq)を加えたのち終夜で攪拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、水に溶解した。クロロホルムで抽出した後、炭酸水素水溶液、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥を行った。シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(8)で表される塩基発生剤(1)を485mg(1.76mmol)得た。
1.0 L四つ口フラスコに、2,3-(メチレンジオキシ)ベンズアルデヒド (東京化成工業(製))(17.4 g, 116 mmol)、クロロホルム(180 mL)、メタノール(190 mL)を入れて室温にて撹拌し、35%過酸化水素水(28.1 g, 290 mmol)と濃硫酸(2.57 mL)を加えて40℃にて一晩加熱撹拌した。反応液を放冷し、水(2.0 L)、クロロホルム(2.0 L)を加えて分液した。有機層を5.0%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶剤を減圧留去したのち、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することでフェノール誘導体Aを11.2g得た。
製造例1において、セサモールを用いる代わりに、前記フェノール誘導体Aを等モル量用いて、製造例1と同様にして、アルデヒドの合成をおこなうことで、アルデヒド誘導体Bを得た。続いて、製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを用いる代わりに、前記アルデヒド誘導体Bを等モル量用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Cを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体Cを等モル量用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(9)で表される塩基発生剤(2)を得た。
製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを用いる代わりに、6−ヒドロキシ−2,3−メチレンジオキシベンズアルデヒド(アルドリッチ製)を等モル量用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Dを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体Dを等モル量用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(10)で表される塩基発生剤(3)を得た。
Ar気流下、200 ml四つ口フラスコに2,4,5-トリヒドロキシベンズアルデヒド(東京化成工業(株))(7.71 g, 50 mmol)、1,3-ジブロモプロパン(東京化成工業(株)) (5.10 ml, 50.0 mmol、1.0eq)、DMF(80 ml)を入れて撹拌し、炭酸水素カリウム(10.02 g, 100.0 mmol)を加えて90℃で2時間反応させた。反応終了後、放冷し、酢酸エチル、水を加えて抽出した。得られた有機相を全て併せ、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、濃縮、減圧乾燥し、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することでアルデヒド誘導体Eを2.1 g得た。
製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを等モル量用いる代わりに、前記アルデヒド誘導体Eを用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Fを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体Fを等モル量用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(11)で表される塩基発生剤(4)を得た。
Ar気流下、200 ml四つ口フラスコに2-エトキシ-2-メチル-1,3-ベンゾジオキソール (アルドリッチ製)(9.01 g, 50 mmol)、四酢酸鉛(東京化成工業(株)) (30.5 g, 55.0 mmol、1.1eq)、ジメチルホルムアミド(DMF)(100 ml)を入れて撹拌し、80℃で5時間反応させた。反応終了後、放冷し、酢酸エチル、水を加えて抽出した。得られた有機相を全て併せ、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、濃縮した。続いて、1N水酸化ナトリウム水溶液を50 ml加え終夜で撹拌した。反応終了後、酢酸エチル、抽出した。得られた有機相を全て併せ、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別後、濃縮し、得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することでフェノール誘導体Gを1.7 g得た。
製造例1において、セサモールを用いる代わりに、前記フェノール誘導体Gを等モル量用いて、製造例1と同様にして、アルデヒドの合成をおこなうことで、アルデヒド誘導体Hを得た。続いて、製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを用いる代わりに、前記アルデヒド誘導体Hを等モル量用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Iを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体Iを等モル量用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(12)で表される塩基発生剤(5)を得た。
Catalysis Communications (2008), 9(5), 645-649を参照して、2-ヘキシル-1,3-ベンゾジオキソールを合成した。
製造例1において、セサモールを用いる代わりに、前記2-ヘキシル-1,3-ベンゾジオキソールを等モル量用いて、製造例1と同様にして、アルデヒドの合成をおこなうことで、アルデヒド誘導体Kを得た。続いて、製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを用いる代わりに、前記アルデヒド誘導体Kを等モル量用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Lを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体Lを等モル量用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(13)で表される塩基発生剤(6)を得た。
製造例4において、1,3-ジブロモプロパン(東京化成工業(株))の代わりに、1,2-ジブロモベンゼン(東京化成工業(株))を用いて、製造例4と同様にしてアルデヒド誘導体Mを合成した。
製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを用いる代わりに、前記アルデヒド誘導体Mを等モル量用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Nを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体Nを等モル量用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(14)で表される塩基発生剤(7)を得た。
製造例1において、セサモールを用いる代わりに、4-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-5-オール(Atomax Chemicals社製)を等モル量用いて、製造例1と同様にして、アルデヒドの合成をおこなうことで、アルデヒド誘導体Oを得た。続いて、製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを用いる代わりに、前記アルデヒド誘導体Oを等モル量用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Pを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体P等モル量を用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(15)で表される塩基発生剤(8)を得た。
製造例5において、2-エトキシ-2-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(アルドリッチ製)を用いる代わりに、1,3-ベンゾジオキソール−2−チオン(アルドリッチ製)を用いて、製造例5と同様にして、フェノール誘導体Qを合成した。
製造例1において、セサモールを用いる代わりに、前記フェノール誘導体Qを等モル量用いて、製造例1と同様にして、アルデヒドの合成をおこなうことで、アルデヒド誘導体Rを得た。続いて、製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを用いる代わりに、前記アルデヒド誘導体Rを等モル量用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Sを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体Sを等モル量用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(16)で表される塩基発生剤(9)を得た。
製造例1において、塩基成分として、ピペリジンを用いる代わりに、ジエチルアミン(東京化成工業(株)製)を等モル量用いた以外は、製造例1と同様にして、下記化学式(17)で表される塩基発生剤(10)を得た。
製造例1において、塩基成分として、ピペリジンを用いる代わりに、シクロヘキシルアミン(東京化成工業(株)製)を等モル量用いた以外は、製造例1と同様にして、下記化学式(18)で表される塩基発生剤(11)を得た。
製造例1において、塩基成分として、ピペリジンを用いる代わりに、アミルアミン(東京化成工業(株)製)を等モル量用いた以外は、製造例1と同様にして、下記化学式(19)で表される塩基発生剤(12)を得た。
製造例1と同様にして、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸を得た。
続いて、窒素雰囲気下、100mL三口フラスコ中、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸 0.67g(3.19mmol)を脱水テトラヒドロキシフラン10mLに溶解し、氷浴下で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(東京化成工業(株)製)0.73g(3.83mmol、1.2eq)を加えた。30分後、1,6−ジアミノヘキサン(東京化成工業(株)製)176mg(1.52mmol、0.95eq)を加えたのち終夜で攪拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮し、水に溶解した。クロロホルムで抽出した後、炭酸水素水溶液、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムにて乾燥を行ったのち、濃縮することで、下記化学式(20)で表される塩基発生剤(13)を220mg得た。
製造例13において、1,6−ジアミノヘキサンの代わりに、p-キシリレンジアミン(東京化成工業(株)を等モル量用いた以外は、製造例13と同様にして、下記化学式(21)で表される塩基発生剤(14)を得た。
Zhurnal Obshchei Khimii (1986), 56(4), 877-883を参照して、2,2,3,3−テトラメチル−2,3−ジヒドロベンゾ[e][1,4,2,3]ジオキサジシリン(2,2,3,3-tetramethyl-2,3-dihydrobenzo[e][1,4,2,3]dioxadisiline)を合成した。
製造例5において、2-エトキシ-2-メチル-1,3-ベンゾジオキソールを用いる代わりに、2,2,3,3−テトラメチル−2,3−ジヒドロベンゾ[e][1,4,2,3]ジオキサジシリンを等モル量用いて、製造例5と同様にして、フェノール誘導体の合成をおこなうことで、フェノール誘導体Tを得た。
製造例1において、セサモールを用いる代わりに、前記フェノール誘導体Tを等モル量用いて、製造例1と同様にして、アルデヒドの合成をおこなうことで、アルデヒド誘導体Uを得た。続いて、製造例1において、6−ヒドロキシ−3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドを用いる代わりに、前記アルデヒド誘導体Uを等モル量用いて、製造例1と同様にしてケイ皮酸の合成を行うことで桂皮酸誘導体Vを得た。続いて、製造例1において、2−ヒドロキシ−4,5−メチレンジオキシケイ皮酸の代わりに前記桂皮酸誘導体Vを等モル量用いることでアミド化反応を行い、シリカゲルカラムクマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール100/1〜50/1)により精製することにより下記化学式(22)で表される塩基発生剤(15)を得た。
また、比較塩基発生剤(1)として、特開2009−80452号公報の記載に従い、下記化学式(23)で表される化合物を合成した。
合成した塩基発生剤(1)〜(15)、及び比較塩基発生剤(1)について、以下の測定を行い、評価した。モル吸光係数及び5%重量減少温度の結果を表1に示す。塩基発生能の結果を表2に示す。なお、表2において、塩基発生率とは、用いた塩基発生剤のモル数に対する発生した塩基のモル数の百分率であり、塩基発生剤(1)〜(15)、及び比較塩基発生剤(1)の塩基発生率は、光照射と加熱を合せた割合である。
塩基発生剤(1)〜(15)、及び比較塩基発生剤(1)をそれぞれ、アセトニトリルに1×10−4mol/Lの濃度で溶解し、石英セル(光路長10mm)に溶液を満たし、吸光度を測定した。なお、モル吸光係数εは、溶液の吸光度を吸収層の厚さと溶質のモル濃度で割った値である。
塩基発生剤(1)〜(15)、及び比較塩基発生剤(1)の耐熱性を評価するために、昇温速度10℃/minの条件で5%重量減少温度を測定した。
塩基発生剤(1)〜(15)及び比較塩基発生剤(1)について、1mgの試料を3つ用意し、それぞれを石英製NMR管中で重ジメチルスルホキシドに溶解させた。
塩基発生剤(1)〜(15)について、i線を20%透過するフィルタと高圧水銀灯を用いて、1本には2J/cm2で光照射を行い、他の1本には6J/cm2で光照射を行った。残り1本には光照射を行わなかった。また、1H NMRを測定し、異性化の割合を求めた。塩基発生剤(1)は2J/cm2照射すると64%異性化し、6J/cm2照射すると86%異性化した。異性化させたサンプルを160℃に加熱すると、異性化した化合物の98%が環化し、それにともない塩基が発生した。
一方、比較塩基発生剤(1)でも同様に光照射を行ったところ、2J/cm2の照射により約5%異性化し、20J/cm2照射すると33.3%の塩基を発生した。
これらのことから、本発明の塩基発生剤(1)〜(15)は、比較塩基発生剤(1)と比較し、効率良く塩基を発生できることがわかった。
下記に示す組成の感光性樹脂組成物(1)を調製した。
・ポリイミド前駆体(1):100重量部
・塩基発生剤(1):15重量部
・溶剤(NMP(N−メチルピロリドン)):843重量部
感光性樹脂組成物(1)において、塩基発生剤(1)を用いる代わりに、塩基発生剤(2)〜(15)を用いて、感光性樹脂組成物(2)〜(15)を調製した。
実施例1において塩基発生剤(1)の代わりに、比較塩基発生剤(1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較感光性樹脂組成物(1)を調製した。
感光性樹脂組成物(1)〜(15)及び比較感光性樹脂組成物(1)を、それぞれ、クロムめっきされたガラス上に最終膜厚4μmになるようにスピンコートし、80℃のホットプレート上で10分間乾燥させて、感光性樹脂組成物(1)〜(15)及び比較感光性樹脂組成物(1)の塗膜を1枚ずつ得た。それぞれパターン状に露光を行った。その後、それぞれの塗膜について、感光性樹脂組成物(1)〜(15)は140℃で、比較感光性樹脂組成物(1)は155℃で10分間加熱した。
(パターン形成能)
感光性樹脂組成物(1)を用いて作成した500mJ/cm2でパターン状に露光した塗膜について、140℃のホットプレート上で10分間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド2.38重量%水溶液とイソプロパノールを9:1で混合した溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。さらに、それを350℃で1時間加熱しイミド化を行った。感光性樹脂組成物(2)〜(15)を用いても同様にしてパターン形成を行ったところ、500mJ/cm2においてパターン形成をすることができた。この結果より、本発明の感光性樹脂組成物は、良好なパターンを形成できることが明らかとなった。
それに対し、比較感光性樹脂組成物(1)は、露光後の加熱温度を155℃とした以外、上記感光性樹脂組成物(1)と同様に実験を行ったところ、2000mJ/cm2でようやくパターンを形成した。
本発明に係る塩基発生剤(1)を用いて、下記に示す組成の感光性樹脂組成物(16)を調製した。
・エポキシ樹脂(YP50EK35(フェノキシ樹脂)、35重量%メチルエチルケトン溶液 新日鐵化学社製):100重量部
・塩基発生剤:10重量部
イソシアナート樹脂としてヘキサメチレンジイソシアナート(関東化学製)100重量部、水酸基を持つ樹脂としてポリテトラヒドロフラン(アルドリッチ製)150重量部、塩基発生剤(1)10重量部、テトラヒドロフラン500重量部からなる感光性樹脂組成物(17)を調製した。
上記合成例2で得られたアルコキシシラン縮合物(1) 100重量部と、塩基発生剤(1) 10重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性樹脂組成物(18)を調製した。
Claims (10)
- 下記化学式(1−1)〜(1−4)のいずれかで表わされ且つ電磁波の照射と加熱により、塩基を発生することを特徴とする、塩基発生剤。
- 5%重量減少温度が100℃以上350℃以下であることを特徴とする、請求項1に記載の塩基発生剤。
- 365nm、405nm、436nmの電磁波の波長のうち少なくとも一つの波長に吸収を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塩基発生剤。
- 塩基性物質によって又は塩基性物質の存在下での加熱によって最終生成物への反応が促進される高分子前駆体、及び、前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塩基発生剤を含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物。
- 前記高分子前駆体が、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基、又はチイラン基を有する化合物及び高分子、ポリシロキサン前駆体、ポリイミド前駆体、並びにポリベンゾオキサゾール前駆体よりなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする、請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記高分子前駆体が、塩基性溶液に可溶であることを特徴とする、請求項5又は6に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記高分子前駆体が、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体であることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記請求項5乃至8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなるパターン形成用材料。
- 前記請求項5乃至8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて塗膜又は成形体を形成し、当該塗膜又は成形体を、所定パターン状に電磁波を照射し、照射後又は照射と同時に加熱し、前記照射部位の溶解性を変化させた後、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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