JP2019156801A - 塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂と混ぜた際の保存安定性に優れ、さらに光照射によっても塩基を発生させることのできる塩基増殖剤、及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物の提供。【解決手段】デオキシベンゾインのカルボニル基のα位が式:−CH2−O−C(=O)−Xで表される基[式中、Xは1−イミダゾリル基、1−ピペリジニル基等]で置換された化合物;前記化合物を含む塩基増殖剤;前記塩基増殖剤と光照射と加熱によって重合し得る高分子前駆体を含有する塩基反応性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、塩基の作用によって分解し、新たな塩基を発生可能な塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。
光の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物は、フォトレジスト材料や光硬化材料として適用されている。
感光性樹脂組成物においては、酸発生剤から発生した酸は、触媒や重合開始剤として作用する。例えば、酸発生剤等を含有した感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料として用いる場合には、酸発生剤から発生する強酸で樹脂成分が化学変性されて樹脂成分の溶解性が変化する性質を利用して、パターンが形成される。
感光性樹脂組成物においては、酸発生剤から発生した酸は、触媒や重合開始剤として作用する。例えば、酸発生剤等を含有した感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料として用いる場合には、酸発生剤から発生する強酸で樹脂成分が化学変性されて樹脂成分の溶解性が変化する性質を利用して、パターンが形成される。
この様なフォトレジスト材料には、解像度及び感度が高いことに加え耐エッチング性が高いパターンを形成し得ること、特に、深紫外線レジスト材料として、酸素プラズマエッチングに対する耐性が高いパターンを形成し得ることが求められているが、光酸発生剤と樹脂材料の組み合わせはある程度限定されており、酸発生剤を使用しない新たな感光システムが求められている。
一方では、モノマー、オリゴマー、あるいはポリマーの光硬化速度を向上させるために様々な検討がなされており、光の作用で発生するラジカル種を開始剤として、多数のビニルモノマーを重合させるラジカル光重合系の材料が広く開発の対象とされてきた。また、光の作用で酸を発生させ、この酸を触媒とするカチオン重合系の材料も盛んに研究されてきた。しかしながら、ラジカル光重合系の材料の場合には、空気中の酸素によって重合反応(硬化反応)が抑制されるので、酸素遮断のための特別な工夫が必要とされていた。カチオン重合系の材料の場合には、ラジカル光重合系の材料のような酸素阻害は起こらないが、光酸発生剤から発生した強酸が硬化反応後も硬化物中に残存し、該強酸を原因とする腐食や樹脂の変質が起こる可能性があった。
このような背景から、解像度及び感度が高く、耐エッチング性が高いパターンを形成可能であり、しかも空気中の酸素による硬化阻害を受けず、更には強酸のような腐食性物質を含まない高感度な感光性樹脂組成物が強く望まれていた。
前記の問題を解決する手段の1つとして、塩基触媒による重合反応や化学反応を用いる方法、例えば、光の作用によって塩基を発生させ、これを触媒として樹脂を化学変性させる性質を利用した感光性樹脂組成物が検討されている。その一方では、エポキシ基を有する化合物が塩基の作用によって架橋反応する性質を利用して、開始剤あるいは触媒としてのアミン類を光や熱の作用によってエポキシ樹脂層内で発生させ、次いで加熱処理によって硬化させる方法が提案されている。しかしながら、アミン類を開始剤あるいは触媒として用いた場合でもエポキシ系化合物の硬化速度は遅く、充分に硬化させるためには長い時間を掛ける必要があり、硬化速度を高めるためには、高温下で加熱処理等を行う必要があった。
これらの問題を解決すべく、光の作用によって発生する塩基を2次的に増幅する塩基増殖剤を光塩基発生剤及び高分子前駆体と組み合わせた感光性樹脂組成物が検討されており、特許文献1及び2には、塩基増殖反応を起こすウレタン系化合物である塩基増殖剤を含有する感光性組成物が開示されている。また、特許文献3乃至7にも様々な塩基増殖剤が開示されている。
これらの塩基増殖剤は塩基触媒が存在しないと熱的に安定であり、硬化触媒として機能しないことが要求される。即ち樹脂と配合した際には保存安定性が良好であることが求められる。しかしながら特許文献3乃至7で開示されている塩基増殖剤は、発生させる塩基の塩基性が高くなると樹脂と混ぜた際の保存安定性が悪くなるため実用性に乏しい。
さらに、これらの文献の塩基増殖剤は光分解性を有さないため、光照射により樹脂を硬化させる際には光塩基発生剤等と併用する必要がある。そのため未反応の光塩基発生剤あるいは塩基増殖剤が硬化物中に残存し、物性に悪影響を与えることがある。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、樹脂と混ぜた際の保存安定性に優れ、さらに光照射によっても塩基を発生させることのできる塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、特定構造を有する塩基増殖剤は、例えば、エポキシ系化合物等と配合した際には優れた保存安定性を有し、さらに光照射によっても塩基性の高い塩基を発生できることを見出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)
((式(1)中、R2乃至R6はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、アリール基、アシル基、チオエーテル結合を含む有機基、水素原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシルオキシ基又はヒドロキシイミノ基を表し、複数存在するそれぞれのR2乃至R6は互いに同じでも異なっていてもよい。また、同一のベンゼン環上に存在するR2乃至R6から選択される2つ以上が結合して環構造を形成してもよい。Xは下記式(1−1)、(1−2)又は(1−3)
(式(1−1)、(1−2)又は(1−3)中、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基若しくは複素環基を表すか、又はR7とR8が結合して複素環を形成する。R9及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至4のアルキル基を表す。R10はアルキレン基又はアリーレン基を表す。Aは酸素原子、硫黄原子又はNR12を表す。R12は水素原子又は炭素数1乃至4のアルキル基を表す。R13及びR14はそれぞれ独立にアミノ基又は置換アミノ基を表す。)で表される置換基を表す。)
で表わされる化合物、
(2)前項1に記載の化合物を含む塩基増殖剤、
(3)前項(2)に記載の塩基増殖剤と光照射と加熱によって重合し得る高分子前駆体を含有する塩基反応性樹脂組成物、
(4)高分子前駆体が、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基及びチイラン基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物;ポリシロキサン前駆体;ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体からなる群より選択される一種以上を含む前項(3)に記載の塩基反応性樹脂組成物、
(5)更に塩基発生剤を含有する前項(3)又は(4)に記載の塩基反応性樹脂組成物、
(6)塩基発生剤が熱塩基発生剤である前項(5)に記載の塩基反応性樹脂組成物、
(7)塩基発生剤が光塩基発生剤である前項(5)に記載の塩基反応性樹脂組成物、及び
(8)前項(3)乃至(7)のいずれか一項に記載の塩基反応性樹脂組成物の硬化物、
に関する。
で表わされる化合物、
(2)前項1に記載の化合物を含む塩基増殖剤、
(3)前項(2)に記載の塩基増殖剤と光照射と加熱によって重合し得る高分子前駆体を含有する塩基反応性樹脂組成物、
(4)高分子前駆体が、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基及びチイラン基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物;ポリシロキサン前駆体;ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体からなる群より選択される一種以上を含む前項(3)に記載の塩基反応性樹脂組成物、
(5)更に塩基発生剤を含有する前項(3)又は(4)に記載の塩基反応性樹脂組成物、
(6)塩基発生剤が熱塩基発生剤である前項(5)に記載の塩基反応性樹脂組成物、
(7)塩基発生剤が光塩基発生剤である前項(5)に記載の塩基反応性樹脂組成物、及び
(8)前項(3)乃至(7)のいずれか一項に記載の塩基反応性樹脂組成物の硬化物、
に関する。
樹脂との保存安定性が向上し、さらに光照射によっても塩基性の高い塩基を発生できる本発明の式(1)で表される塩基増殖剤は、例えばエポキシ系化合物等の架橋反応に用いることができると共に、塩基の存在下において新たな塩基を発生する塩基増殖反応が効率的に進行するため、光又は熱の作用により硬化する塩基反応性樹脂組成物用途に好適に用いることが出来る。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物は下記式(1)で表される構造を有する。
本発明の化合物は下記式(1)で表される構造を有する。
式(1)中、R2乃至R6はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、アリール基、アシル基、チオエーテル結合を含む有機基、水素原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシルオキシ基又はヒドロキシイミノ基を表し、複数存在するそれぞれのR2乃至R6は互いに同じでも異なっていてもよい。また、同一のベンゼン環上に存在するR2乃至R6から選択される2つ以上が結合して環構造を形成してもよく、該環構造はヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。
式(1)のR2乃至R6が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。尚、式(1)のR2乃至R6が表すハロゲン化アルキル基が有するハロゲン原子は、式(1)のR2乃至R6が表すハロゲン原子と同様である。
式(1)のR2乃至R6が表すアルコキシ基としては、炭素数1乃至18のアルコキシ基であることが好ましく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基及びn−ドデシルオキシ基等が挙げられる。尚、式(1)のR2乃至R6が表すアルコキシカルボニル基中のアルコキシ基は、式(1)のR2乃至R6が表すアルコキシ基と同様である。
式(1)のR2乃至R6が表すアルコキシ基としては、炭素数1乃至18のアルコキシ基であることが好ましく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基及びn−ドデシルオキシ基等が挙げられる。尚、式(1)のR2乃至R6が表すアルコキシカルボニル基中のアルコキシ基は、式(1)のR2乃至R6が表すアルコキシ基と同様である。
式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基及びn−ドデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1乃至18のアルキル基及びシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基並びにシクロヘキシル基等の炭素数3乃至6の環状のアルキル基が挙げられ、炭素数2乃至6のアルキル基であることが好ましく、炭素数2乃至6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。尚、式(1)のR2乃至R6が表すハロゲン化アルキル基中のアルキル基は、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基と同様である。
式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基は、その構造中に炭化水素以外のヘテロ原子等の結合を含んでいてもよい。また、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基は炭化水素基以外の置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基は直鎖状でも分岐状でも構わない。式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基は、通常一価の置換基であるが、後述する環構造を形成する場合等には、二価以上の有機基となり得る。
式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基がその構造中に含んでいてもよい炭化水素以外の結合は、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されないが、例えば、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。耐熱性の点から、有機基中の炭化水素以外の結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:ここでRは水素原子又は有機基を表す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基が有していてもよい炭化水素基以外の置換基は、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されないが、例えばハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基、アミノ基(−NH2、−NHR、−NRR’:ここで、R及びR’はそれぞれ独立に炭化水素基を表す) 、アンモニオ基等が挙げられる。前記の置換基に含まれる水素は、炭化水素基によって置換されていてもよく、また、前記の置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよい。中でも、R2乃至R6が表すアルキル基が有する炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、飽和又は不飽和アルキルエーテル基、飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールエーテル基、及びアリールチオエーテル基が好ましい。
式(1)のR2乃至R6が表すアリール基としては、フェニル基、ナフチル基及びトリル基等の炭素数6乃至12のアリール基が挙げられ、炭素数6乃至10のアリール基であることが好ましい。
式(1)のR2乃至R6が表すアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、neo−ペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基及びニトロベンジルカルボニル基等の炭素数1乃至18のアシル基が挙げられる
式(1)のR2乃至R6が表すアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、neo−ペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基及びニトロベンジルカルボニル基等の炭素数1乃至18のアシル基が挙げられる
式(1)のR2乃至R6が表すアリール基は、炭化水素以外のヘテロ原子等の結合を介したアリール基であってもよく、該炭化水素以外のヘテロ原子等の結合としては、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基がその構造中に含んでいてもよい炭化水素以外の結合と同じものが挙げられる。また、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基は炭化水素基以外の置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基が有していてもよい炭化水素基以外の置換基と同じものが挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表すアシル基としては、アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、neo−ペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基及びニトロベンジルカルボニル基等が挙げられる。尚、式(1)のR2乃至R6が表すアシルオキシ基中のアシル基は、式(1)のR2乃至R6が表すアシル基と同様である。
式(1)のR2乃至R6が表すアシル基は、炭化水素以外のヘテロ原子等の結合を介したアシル基であってもよく、該炭化水素以外のヘテロ原子等の結合としては、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基がその構造中に含んでいてもよい炭化水素以外の結合と同じものが挙げられる。また、式(1)のR2乃至R6が表すアシル基は炭化水素基以外の置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(1)のR2乃至R6が表すアシル基が有していてもよい炭化水素基以外の置換基と同じものが挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基とは、後述する有機基と硫黄原子が結合した置換基である。有機基中の硫黄原子の結合位置は、有機基中(例えばブチル基中に硫黄原子を有する−CH2SC3H7基や−C2H4SC2H5基等)でも、有機基の末端(例えばブチル基に硫黄原子が結合した−SC4H9基)でもよい。
式(1)のR2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としては、炭素数1乃至18のアルキル基、炭素数2乃至18のアルケニル基、炭素数2乃至18のアルキニル基、炭素数6乃至12のアリール基、炭素数1乃至18のアシル基、炭素数7乃至18のアロイル基、ニトロ基、シアノ基及びハロゲン原子等が挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としての炭素数1乃至18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基及びn−ドデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、並びにシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の環状のアルキル基が挙げられ、炭素数2乃至6のアルキル基であることが好ましく、炭素数2乃至6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
式(1)のR2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としての炭素数2乃至18のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、iso−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−シアノ−2−メチルカルボキシルビニル基及び2−シアノ−2−メチルスルホンビニル基等が挙げられる。
式(1)のR2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としての炭素数2乃至18のアルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基及び1−ブチニル基等が挙げられる。
式(1)R2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としての炭素数6乃至12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基及びトリル基等が挙げられ、炭素数6乃至10のアリール基であることが好ましい。
式(1)のR2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としての炭素数1乃至18のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、neo−ペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基及びニトロベンジルカルボニル基等が挙げられる
式(1)R2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としての炭素数6乃至12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基及びトリル基等が挙げられ、炭素数6乃至10のアリール基であることが好ましい。
式(1)のR2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としての炭素数1乃至18のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、iso−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、iso−ペンチルカルボニル基、neo−ペンチルカルボニル基、2−メチルブチルカルボニル基及びニトロベンジルカルボニル基等が挙げられる
式(1)のR2乃至R6が表すチオエーテル結合を含む有機基における有機基の具体例としての炭素数7乃至18のアロイル基としては、ベンゾイル基、トルオイル基、ナフトイル基及びフタロイル基等が挙げられる。
式(1)のR1が表す有機基における有機基の具体例としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(1)のR1が表す有機基における有機基の具体例としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
同一のベンゼン環上に存在するR2乃至R6から選択される2つ以上が結合して形成する環構造としては、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環、並びに当該脂環式炭化水素、複素環、及び縮合環よりなる群から選ばれる2種以上が組み合されてなる環構造が挙げられる。
式(1)におけるR2乃至R6としては、R4がチオエーテル結合を含む有機基、ニトロ基又はハロゲン化アルキル基であることが好ましく、R4がチオエーテル結合を含む有機基、ニトロ基又はハロゲン化アルキル基であって、R2、R3、R5及びR6が水素原子であることがより好ましく、R4がチオエーテル結合を含む有機基であって、R2、R3、R5及びR6が水素原子であることが更に好ましい。また、前記の好ましいR4におけるチオエーテル結合を含む有機基としては、チオエーテル結合を含むアルキル基又はアリール基が好ましく、アルキルチオ基又はアリールチオ基がより好ましく、アルキルチオ基が更に好ましく炭素数1乃至6のアルキルチオ基が特に好ましく、炭素数1乃至4のアルキルチオ基が最も好ましい。
式(1)中、Xは下記式(1−1)、(1−2)又は(1−3)で表される置換基を表し、式(1−1)、(1−2)又は(1−3)中、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基若しくは複素環基を表すか、又はR7とR8が結合して複素環を形成する。R9及びR11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃至4のアルキル基を表す。R10はアルキレン基又はアリーレン基を表す。Aは酸素原子、硫黄原子又はNR12を表す。R12は水素原子又は炭素数1乃至4のアルキル基を表す。R13及びR14はそれぞれ独立にアミノ基又は置換アミノ基を表す。
式(1−1)のR7及びR8が表すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基及びn−ドデシル基等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1乃至18のアルキル基が挙げられ、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2乃至6のアルキル基であることが好ましい。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基としては、複素環化合物の複素環から水素原子を一つ除いた残基であれば特に限定されず、例えばフラニル基、チエニル基、チエノチエニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、N−メチルイミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリル基、インドリル基、ベンゾピラジル基、ベンゾピリミジル基、ベンゾチエニル基、ナフトチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジノチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピリジノイミダゾリル基、N−メチルベンゾイミダゾリル基、ピリジノ−N−メチルイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ピリジノオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ピリジノチアジアゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ピリジノオキサジアゾリル基、カルバゾリル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基等が挙げられ、ピリジル基、イミダゾリル基、N−メチルイミダゾリル基が好ましく、ピリジル基がより好ましい。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基は置換基を有していてもよい。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基に制限はないが、例えばアルキル基、アルコキシ基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アルキル置換アミノ基、アリール置換アミノ基、非置換アミノ基(NH2基)、シアノ基、イソシアノ基等が挙げられ、アルキル基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子がより好ましく、芳香族基、複素環基がさらに好ましい。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基に制限はないが、例えばアルキル基、アルコキシ基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基、アルキル置換アミノ基、アリール置換アミノ基、非置換アミノ基(NH2基)、シアノ基、イソシアノ基等が挙げられ、アルキル基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子がより好ましく、芳香族基、複素環基がさらに好ましい。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、t−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、n−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、sec−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基及びn−エイコシル基等の炭素数1乃至20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1乃至12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1乃至6のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1乃至4のアルキル基であることが特に好ましい。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルコキシ基とは、酸素原子とアルキル基が結合した置換基であり、アルコキシ基が有するアルキル基の具体例としては、例えば式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルキル基の項に記載したアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じものが挙げられる。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としての芳香族基としては、芳香族化合物の芳香環から水素原子を一つ除いた残基であれば特に限定されず、例えばフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、トリル基、インデニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、フェナンスニル基及びメスチル基等が挙げられ、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、ナフチル基又はアントリル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基又はナフチル基がより好ましい。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としての複素環基の具体例としては、式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基の項に記載した複素環基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じものが挙げられる。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としての複素環基の具体例としては、式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基の項に記載した複素環基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じものが挙げられる。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルキル置換アミノ基は、モノアルキル置換アミノ基及びジアルキル置換アミノ基の何れにも制限されず、これらアルキル置換アミノ基におけるアルキル基としては、例えば式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルキル基の項に記載したアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じものが挙げられる。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルキル置換アミノ基は、モノアルキル置換アミノ基及びジアルキル置換アミノ基の何れにも制限されず、これらアルキル置換アミノ基におけるアルキル基としては、例えば式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルキル基の項に記載したアルキル基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じものが挙げられる。
式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアリール置換アミノ基は、モノアリール置換アミノ基及びジアリール置換アミノ基の何れにも制限されず、これらアリール置換アミノ基におけるアリール基としては、例えば式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としての芳香族基および複素環基の項に記載した芳香族基および複素環基と同じものが挙げられ、好ましいものも同じものが挙げられる。
式(1−1)のR7とR8が結合して形成する複素環は、2種類以上の元素により構成される環構造であれば特に限定されないが、例えばチオフェン環、フラン環、ピロール環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラジン環、チアジン環等が挙げられ、ピリジン環、イミダゾール環、が好ましく、ピリジン環がより好ましい。
式(1−1)のR7とR8が結合して形成する複素環は、置換基を有していてもよい。
式(1−1)のR7とR8が結合して形成する複素環が有する置換基に制限はないが、例えば式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基と同じものが挙げられる。
式(1−1)のR7とR8が結合して形成する複素環は、置換基を有していてもよい。
式(1−1)のR7とR8が結合して形成する複素環が有する置換基に制限はないが、例えば式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基と同じものが挙げられる。
式(1−1)におけるR7及びR8としては、それぞれ独立に炭素数1乃至18のアルキル基であるか、又はR7とR8が結合して複素環を形成することが好ましく、R7とR8が結合して複素環を形成することがより好ましい。
式(1−2)のR9及びR11が表す炭素数1乃至4のアルキル基としては、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基の項に具体例として記載したアルキル基のうち、炭素数が1乃至4のものが挙げられる。
式(1−2)におけるR9及びR11としては、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(1−2)におけるR9及びR11としては、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(1−2)のR10が表すアルキレン基とは、飽和炭化水素から水素原子を二つ除いた二価の連結基であり、該飽和炭化水素は直鎖状、分岐鎖状又は環状の何れにも限定されないが、炭素数1乃至6の飽和炭化水素から水素原子を二つ除いた二価の連結基であることが好ましく、炭素数1乃至4の直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基から水素原子を二つ除いた二価の連結基であることがより好ましく、メチレン基、エチレン基又はn−プロピレン基であることが更に好ましい。
式(1−2)のR10が表すアリーレン基とは、芳香族炭化水素化合物から水素原子を二つ除いた二価の連結基である。アリーレン基と成り得る芳香族炭化水素化合物の具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン及びフルオレン等が挙げられる。
式(1−2)中、Aは酸素原子、硫黄原子又はNR12を表し、R12は水素原子又は炭素数1乃至4のアルキル基を表す。
式(1)のR12が表す炭素数1乃至4のアルキル基としては、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基の項に具体例として記載したアルキル基のうち、炭素数が1乃至4のものが挙げられる。
式(1)におけるAとしては、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
式(1)のR12が表す炭素数1乃至4のアルキル基としては、式(1)のR2乃至R6が表すアルキル基の項に具体例として記載したアルキル基のうち、炭素数が1乃至4のものが挙げられる。
式(1)におけるAとしては、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
式(1−3)中、R13及びR14はそれぞれ独立にアミノ基又は置換アミノ基を表す。
式(1−3)のR13及びR14が表す置換アミノ基の具体例としては、式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルキル置換アミノ基及びアリール置換アミノ基と同じものが挙げられる。
式(1−3)のR13及びR14が表す置換アミノ基の具体例としては、式(1−1)のR7及びR8が表す複素環基が有する置換基としてのアルキル置換アミノ基及びアリール置換アミノ基と同じものが挙げられる。
式(1−3)のR13及びR14としては、それぞれ独立にアルキル置換アミノ基又はアリール置換アミノ基であることが好ましく、アルキル置換アミノ基であることがより好ましい。
次に本発明の式(1)で表される化合物の合成方法について説明する。
本発明の式(1)で表される化合物は、公知の方法の応用で合成できる。例えば、先ず下記式(31)で表されるベンゾイン誘導体に、金属水酸化物の存在下でパラホルムアルデヒド類を室温下で30分間反応させて式(32−1)で表される中間体化合物とした後、硫酸等の存在下で亜硝酸ナトリウムを反応させて下記式(33)で表される中間体化合物を得る。次いで、前記で得られた式(33)で表される中間体化合物に触媒の存在下で一酸化炭素及び塩素を反応させて下記式(34)で表される中間体化合物とし、最後にアミン化合物を反応させることにより式(1)で表される化合物を得ることが出来る。精製法は、合成により得られた化合物の結晶性が高い晶析法が適しているが、溶剤などで洗浄することによって精製することもできる。尚、(31)乃至(34)及びアミン化合物XH中のR2乃至R6及びXは式(1)におけるR2乃至R6及びXと同じ意味を表す。
本発明の式(1)で表される化合物は、公知の方法の応用で合成できる。例えば、先ず下記式(31)で表されるベンゾイン誘導体に、金属水酸化物の存在下でパラホルムアルデヒド類を室温下で30分間反応させて式(32−1)で表される中間体化合物とした後、硫酸等の存在下で亜硝酸ナトリウムを反応させて下記式(33)で表される中間体化合物を得る。次いで、前記で得られた式(33)で表される中間体化合物に触媒の存在下で一酸化炭素及び塩素を反応させて下記式(34)で表される中間体化合物とし、最後にアミン化合物を反応させることにより式(1)で表される化合物を得ることが出来る。精製法は、合成により得られた化合物の結晶性が高い晶析法が適しているが、溶剤などで洗浄することによって精製することもできる。尚、(31)乃至(34)及びアミン化合物XH中のR2乃至R6及びXは式(1)におけるR2乃至R6及びXと同じ意味を表す。
また、式(1)におけるXが式(1−1)で表される置換基の化合物の場合は、J.Photopolym.Sci.Technol 27,2,2014に記載の方法を応用して、例えば、下記式(31)で表されるベンゾイン誘導体に、金属水酸化物の存在下でパラホルムアルデヒド類を室温下で30分間反応させて式(32−2)で表される中間体化合物とした後、該中間体化合物に、スズや鉛等の有機化合物の触媒の存在下でイソシアネート類を反応させることにより式(1)で表される化合物を得ることが出来る。精製法は上記と同様である。尚、式(31)、(32−2)及びイソシアネート類中のR2乃至R8は、式(1)又は(1−1)におけるR2乃至R8と同じ意味を表す。
式(1)で表される化合物の具体例を下記式(A)乃至(I)に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の塩基増殖剤は、前記式(1)で表される化合物を含有する。
塩基増殖剤は、塩基の作用(発生する塩基と共通する塩基を作用させることが好ましい。)により分解して塩基(下記開裂のフロー中の「HX」に相当)を発生する特性を有する。従って、本発明の塩基増殖剤はその一定量に対してそれより少ない当量の塩基を作用させるだけで、自己増殖的に分解し、最終的にその全量が分解し、その塩基増殖剤の量に対応する多量の塩基を発生させる。尚、下記開裂のフローにおけるR2乃至R8及びXは、式(1)におけるR2乃至R8及びXと同じ意味を表す。
塩基増殖剤は、塩基の作用(発生する塩基と共通する塩基を作用させることが好ましい。)により分解して塩基(下記開裂のフロー中の「HX」に相当)を発生する特性を有する。従って、本発明の塩基増殖剤はその一定量に対してそれより少ない当量の塩基を作用させるだけで、自己増殖的に分解し、最終的にその全量が分解し、その塩基増殖剤の量に対応する多量の塩基を発生させる。尚、下記開裂のフローにおけるR2乃至R8及びXは、式(1)におけるR2乃至R8及びXと同じ意味を表す。
次に、本発明の塩基反応性樹脂組成物について説明する。本発明の塩基反応性樹脂組成物は、式(1)で表される化合物を含む塩基増殖剤(以下、単に「式(1)で表される塩基増殖剤」とも記載する)と、塩基の存在によって硬化反応をする高分子前駆体を必須成分として含有する。
本発明の塩基反応性樹脂組成物における塩基増殖剤の含有量は、後述する高分子前駆体に対して通常0.01乃至10質量%、好ましくは0.05乃至5質量%である。式(1)で表される塩基増殖剤は、本発明の塩基反応性樹脂組成物に一種を単独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物における塩基増殖剤の含有量は、後述する高分子前駆体に対して通常0.01乃至10質量%、好ましくは0.05乃至5質量%である。式(1)で表される塩基増殖剤は、本発明の塩基反応性樹脂組成物に一種を単独で用いてもよく、また、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわな範囲であれば、式(1)で表される塩基増殖剤以外の塩基増殖剤を併用してもよい。併用し得る塩基増殖剤は公知のものであれば特に限定されないが、後述する高分子前駆体との相溶性に優れるものが好ましい。本発明の塩基反応性樹脂組成物が含有する全塩基増殖剤に占める式(1)で表される塩基増殖剤の割合は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物が含有する高分子前駆体は、塩基増殖剤、あるいは後述する塩基発生剤(本発明の塩基反応性樹脂組成物の任意成分)により発生した塩基の作用により反応して、架橋等により硬化する化合物であり、例えば、下記No.2−1乃至6−4の化合物等が挙げられるが、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物、少なくとも1つのアルコキシシリル基若しくはシラノール基等を有するケイ素系化合物、又はオキセタン環を含むオキセタン系化合物等が好ましい。
かかる高分子前駆体は、一類を単独で用いてもよく、また、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
かかる高分子前駆体は、一類を単独で用いてもよく、また、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
<高分子前駆体>
本発明の塩基反応性樹脂組成物が含有する高分子前駆体とは、ラジカルまたは塩基性物質によって、あるいは塩基性物質の存在下での加熱によって起こる重合反応により高分子量化して硬化物となり得る化合物を意味する。前記の重合反応としては、ラジカルにより誘発される高分子前駆体同士の重縮合反応、及び活性エネルギー線の照射により式(1)で表される化合物から発生する塩基性化合物(アミン類)と高分子前駆体との重縮合反応の両者が挙げられるが、式(1)で表される化合物から発生した塩基性化合物が触媒として作用し、加熱硬化の際の反応開始温度を引き下げる役割を果たす場合も、本発明の感光性樹脂組成物の態様に含まれる。高分子前駆体の分子量は特に限定されないが、好ましくは重量(又は数)平均分子量で500乃至10,000程度である。
本発明の塩基反応性樹脂組成物が含有する高分子前駆体とは、ラジカルまたは塩基性物質によって、あるいは塩基性物質の存在下での加熱によって起こる重合反応により高分子量化して硬化物となり得る化合物を意味する。前記の重合反応としては、ラジカルにより誘発される高分子前駆体同士の重縮合反応、及び活性エネルギー線の照射により式(1)で表される化合物から発生する塩基性化合物(アミン類)と高分子前駆体との重縮合反応の両者が挙げられるが、式(1)で表される化合物から発生した塩基性化合物が触媒として作用し、加熱硬化の際の反応開始温度を引き下げる役割を果たす場合も、本発明の感光性樹脂組成物の態様に含まれる。高分子前駆体の分子量は特に限定されないが、好ましくは重量(又は数)平均分子量で500乃至10,000程度である。
本発明の塩基反応性樹脂組成物が含有する高分子前駆体としては、式(1)で表される化合物から発生するラジカルにより誘発される重合反応により高分子量化し得る化合物、式(1)で表される化合物から発生する塩基性物質によって又は該塩基性物質の存在下での加熱によって重(縮)合反応し得る化合物、及び該塩基性化合物の触媒としての作用により重(縮)合反応の反応開始温度が引き下げられる化合物であれば特に制限なく使用が可能である。以下に高分子前駆体の具体例を挙げるが、本発明の塩基反応性樹脂組成物が含有し得る高分子前駆体はこれらに限定されるものではない。
<ラジカル重合反応により高分子となる高分子前駆体>
式(1)で表される化合物から発生するラジカルにより誘発される重合反応により高分子量化し得る高分子前駆体としては、ラジカル重合性の置換基を有する化合物が挙げられる。ラジカル重合性の置換基を有する化合物としては、分子内に二重結合を有する化合物が好ましく、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基又はマレイミド基等を有する化合物が好ましい。
式(1)で表される化合物から発生するラジカルにより誘発される重合反応により高分子量化し得る高分子前駆体としては、ラジカル重合性の置換基を有する化合物が挙げられる。ラジカル重合性の置換基を有する化合物としては、分子内に二重結合を有する化合物が好ましく、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基又はマレイミド基等を有する化合物が好ましい。
アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物(但しエポキシ基を有する化合物は除く)の具体例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート及び1,10−デカンジオールジアクリレートなどのジオールのジアクリレート;エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールにエチレンオキサイド並びにプロピレンオキサイドの少なくとも何れか1種を付加して得たジオールのジアクリレート及びカプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートなどのグリコールのジアクリレート;ビスフェノールAのEO付加物のジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物のジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート及びシクロヘキシルジアクリレートなどの環状構造を有するジアクリレート;などが挙げられる。
アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合物の市販品の具体例としては、ライトアクリレート1,6HX−A、1,9ND−A、3EG−A及び4EG−A(全て商品名、共栄社化学株式会社製);HDDA、1,9−NDA、DPGDA及びTPGDA(全て商品名、ダイセル・オルネクス株式会社製)、ビスコート#195、#230、#230D、#260、#310HP、#335HP及び#700HV(全て商品名、大阪有機化学工業株式会社製)、アロニックスM−208、M−211B、M−220、M−225、M−240、M−270(全て商品名、東亞合成株式会社製)などが挙げられる。
これらの中でも、粘度及び式(1)で表される化合物との相溶性の観点から、炭素数4乃至12のアルキル鎖を有するジオールのジアクリレート、特に1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート及び1,10−デカンジオールジアクリレートが好ましい。
<分子間反応により高分子となる高分子前駆体>
式(1)で表される化合物から発生する塩基性物質による、又は該塩基性物質の存在下での加熱による分子間反応によって高分子量化し得る高分子前駆体としては、該塩基性物質と反応し得る置換基を有する化合物及、又は該塩基性物質の存在下での加熱により分子間に結合を形成する反応(架橋反応)によって高分子量化し得る化合物が挙げられる。塩基性物質と反応し得る置換基及び塩基性物質の存在下での加熱により分子間に結合を形成する反応をし得る置換基としては、エポキシ基、オキセタン基、チイラン基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、シラノール基等が挙げられる。また、高分子前駆体には、分子間で加水分解・重縮合する化合物も含まれ、分子間で加水分解・重縮合反応し得る置換基としては、ポリシロキサン前駆体の−SiX(ここで、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、及びハロゲンよりなる群から選択される加水分解性基)が挙げられる。
式(1)で表される化合物から発生する塩基性物質による、又は該塩基性物質の存在下での加熱による分子間反応によって高分子量化し得る高分子前駆体としては、該塩基性物質と反応し得る置換基を有する化合物及、又は該塩基性物質の存在下での加熱により分子間に結合を形成する反応(架橋反応)によって高分子量化し得る化合物が挙げられる。塩基性物質と反応し得る置換基及び塩基性物質の存在下での加熱により分子間に結合を形成する反応をし得る置換基としては、エポキシ基、オキセタン基、チイラン基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、シラノール基等が挙げられる。また、高分子前駆体には、分子間で加水分解・重縮合する化合物も含まれ、分子間で加水分解・重縮合反応し得る置換基としては、ポリシロキサン前駆体の−SiX(ここで、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、及びハロゲンよりなる群から選択される加水分解性基)が挙げられる。
塩基性物質と反応し得る置換基を有する化合物としては、上記の置換基を少なくとも一種有する化合物が挙げられ、例えば、分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物、分子内に1個以上のオキセタン基を有する化合物、及び分子内に1個以チイラン基を有する化合物が挙げられる。
以下にエポキシ基を有する化合物について具体的に説明するが、オキセタン基、チイラン基を有する化合物についても同様に用いることが可能である。
以下にエポキシ基を有する化合物について具体的に説明するが、オキセタン基、チイラン基を有する化合物についても同様に用いることが可能である。
<エポキシ基を有する化合物>
エポキシ基を有する化合物としては、分子内に1個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく、従来公知のものを使用できる。
本発明の式(1)で表される化合物を含む塩基増殖剤は、一般的には分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物の硬化触媒としての機能も有する。
分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物を用いる場合は、エポキシ基との反応性を有する官能基を分子内に二つ以上有する化合物を併用してもよい。ここでエポキシ基との反応性を有する官能基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、メルカプト基、1級又は2級の芳香族アミノ基等が挙げられる。エポキシ基との反応性を有する官能基を分子内に二つ以上有する化合物としては、重量平均分子量3,000乃至100,000のポリマー側鎖に上記官能基を導入した化合物が挙げられ、これを併用する態様は好ましい態様の1つである。前記ポリマーの重量平均分子量が3,000未満の場合は、膜の強度が低下すると共に硬化膜の表面にタック(ベタつき)が生じ、不純物等が付着しやすくなる恐れがあり、100,000よりも大きい場合は溶融粘度や溶剤に溶解した際の粘度が増大する恐れがある。
エポキシ基を有する化合物としては、分子内に1個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく、従来公知のものを使用できる。
本発明の式(1)で表される化合物を含む塩基増殖剤は、一般的には分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物の硬化触媒としての機能も有する。
分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物を用いる場合は、エポキシ基との反応性を有する官能基を分子内に二つ以上有する化合物を併用してもよい。ここでエポキシ基との反応性を有する官能基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、メルカプト基、1級又は2級の芳香族アミノ基等が挙げられる。エポキシ基との反応性を有する官能基を分子内に二つ以上有する化合物としては、重量平均分子量3,000乃至100,000のポリマー側鎖に上記官能基を導入した化合物が挙げられ、これを併用する態様は好ましい態様の1つである。前記ポリマーの重量平均分子量が3,000未満の場合は、膜の強度が低下すると共に硬化膜の表面にタック(ベタつき)が生じ、不純物等が付着しやすくなる恐れがあり、100,000よりも大きい場合は溶融粘度や溶剤に溶解した際の粘度が増大する恐れがある。
分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから誘導されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンから誘導されるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、3官能型エポキシ樹脂や4官能型エポキシ樹脂等の多官能型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのエポキシ樹脂はハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよい。エポキシ樹脂の市販品としては、例えばジャパンエポキシレジン株式会社製のJERコート828、1001、801N、806、807、152、604、630、871、YX8000、YX8034、YX4000、DIC株式会社製のエピクロン830、EXA835LV、HP4032D、HP820、株式会社ADEKA製のEP4100シリーズ、EP4000シリーズ、EPUシリーズ、ダイセル化学株式会社製のセロキサイドシリーズ(2021、2021P、2083、2085、3000等)、エポリードシリーズ、EHPEシリーズ、東都化成社製のYDシリーズ、YDFシリーズ、YDCNシリーズ、YDBシリーズ、ナガセケムテックス社製のデナコールシリーズ、共栄社化学社製のエポライトシリーズ等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらのエポキシ樹脂は、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分子量の異なるグレードが広く入手可能で、接着性や反応性等を任意に設定できる点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい
<オキセタン基を有する化合物>
オキセタン基を有する化合物としては4,4'−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)、1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン(XDO)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOE)、1,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ヘキサン(HDB)、9,9−ビス[2−メチル−4−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−[2−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシ]エトキシフェニル]フルオレンなどの2官能オキセタン化合物や、オキセタン化ノボラック樹脂などの多官能オキセタン化合物が挙げられる
オキセタン基を有する化合物としては4,4'−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)、1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン(XDO)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOE)、1,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ヘキサン(HDB)、9,9−ビス[2−メチル−4−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−[2−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシ]エトキシフェニル]フルオレンなどの2官能オキセタン化合物や、オキセタン化ノボラック樹脂などの多官能オキセタン化合物が挙げられる
<チイラン基を有する化合物>
チイラン基を有する化合物としては分子内に少なくとも1つ以上のチイラン環を有するものであり、具体例としては、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、ビス(5,6−エピチオ−3−チオヘキサン)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(3,4−エピチオブチル)ジスルフィド、ビス(4,5−エピチオペンチル)ジスルフィド、ビス(5, 6−エピチオヘキシル)ジスルフィドが挙げられるが、ビス(2,3−エピチオプロピル) スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドが特に好ましい。
チイラン基を有する化合物としては分子内に少なくとも1つ以上のチイラン環を有するものであり、具体例としては、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)プロパン、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ブタン、ビス(5,6−エピチオ−3−チオヘキサン)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(3,4−エピチオブチル)ジスルフィド、ビス(4,5−エピチオペンチル)ジスルフィド、ビス(5, 6−エピチオヘキシル)ジスルフィドが挙げられるが、ビス(2,3−エピチオプロピル) スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピル)ジスルフィドが特に好ましい。
一方、分子間で架橋反応をする化合物としては、例えば、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物及び分子内に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物の組み合わせが挙げられ、当該イソシアネート基とヒドロキシル基との反応により、分子間にウレタン結合が形成され高分子となり得る。
<イソシアネート基を有する化合物>
イソシアネート基を有する化合物としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に制限なく、公知のものを使用できる。このような化合物としては、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等に代表される低分子化合物の他に、オリゴマー、重量平均分子量3,000以上のポリマーの側鎖又は末端にイソシアネート基が存在する化合物を用いてもよい。
イソシアネート基を有する化合物としては、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に制限なく、公知のものを使用できる。このような化合物としては、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等に代表される低分子化合物の他に、オリゴマー、重量平均分子量3,000以上のポリマーの側鎖又は末端にイソシアネート基が存在する化合物を用いてもよい。
<ヒドロキシル基を有する化合物>
イソシアネート基を有する化合物は、通常、分子内にヒドロキシル基を有する化合物と組み合わせて用いられる。このようなヒドロキシル基を有する化合物としては、分子内に2個以上のヒドロキシル基を有するものであれば特に制限なく、公知のものを使用できる。このような化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子化合物の他に、重量平均分子量3,000以上のポリマーの側鎖又は末端にヒドロキシル基が存在する化合物を用いてもよい。
イソシアネート基を有する化合物は、通常、分子内にヒドロキシル基を有する化合物と組み合わせて用いられる。このようなヒドロキシル基を有する化合物としては、分子内に2個以上のヒドロキシル基を有するものであれば特に制限なく、公知のものを使用できる。このような化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子化合物の他に、重量平均分子量3,000以上のポリマーの側鎖又は末端にヒドロキシル基が存在する化合物を用いてもよい。
<ポリシロキサン前駆体>
また、分子間で加水分解・重縮合する化合物としては、たとえばポリシロキサン前駆体も挙げられる。ポリシロキサン前駆体としては、YnSiX(4−n)(ここで、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、フェニル基、または水素を示し、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、及びハロゲン原子よりなる群から選択される加水分解性基を示す。nは0乃至3の整数を示す。)で示される有機ケイ素化合物及び該有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物が挙げられる。中でも、上記式YnSiX(4−n)においてnが0乃至2であるものが好ましい。また、シリカ分散オリゴマー溶液の調製がし易く入手も容易な点から、上記加水分解性基としては、アルコキシ基であるものが好ましい。上記有機ケイ素化合物としては、特に制限なく、公知のものを使用できる。例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、フッ素系シランカップリング剤として知られたフルオロアルキルシラン、および、それらの加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物;並びに、それらの混合物を挙げることができる。
また、分子間で加水分解・重縮合する化合物としては、たとえばポリシロキサン前駆体も挙げられる。ポリシロキサン前駆体としては、YnSiX(4−n)(ここで、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、フェニル基、または水素を示し、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、及びハロゲン原子よりなる群から選択される加水分解性基を示す。nは0乃至3の整数を示す。)で示される有機ケイ素化合物及び該有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物が挙げられる。中でも、上記式YnSiX(4−n)においてnが0乃至2であるものが好ましい。また、シリカ分散オリゴマー溶液の調製がし易く入手も容易な点から、上記加水分解性基としては、アルコキシ基であるものが好ましい。上記有機ケイ素化合物としては、特に制限なく、公知のものを使用できる。例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルトリクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、フッ素系シランカップリング剤として知られたフルオロアルキルシラン、および、それらの加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物;並びに、それらの混合物を挙げることができる。
<分子内閉環反応により高分子となる高分子前駆体>
分子内閉環反応によって高分子量化し得る高分子前駆体としてはポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体等が挙げられる。これらの前駆体は2種類以上の高分子前駆体の混合物でもよい。
以下、本発明の好ましい高分子前駆体であるポリイミド前駆体とポリベンゾオキサゾール前駆体について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない
分子内閉環反応によって高分子量化し得る高分子前駆体としてはポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール前駆体等が挙げられる。これらの前駆体は2種類以上の高分子前駆体の混合物でもよい。
以下、本発明の好ましい高分子前駆体であるポリイミド前駆体とポリベンゾオキサゾール前駆体について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない
<ポリイミド前駆体>
ポリイミド前駆体としては、下記化学式(8)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸が好適に用いられる。式(8)中、R11は四価の有機基である。R12は二価の有機基である。R13及びR14は、水素原子、又は有機基である。nは1以上の自然数である。R13及びR14が有機基である場合としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及び、これらにエーテル結合を含有したCnH2nOCmH2m+1などで表される構造等を挙げることができる。
ポリイミド前駆体としては、下記化学式(8)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸が好適に用いられる。式(8)中、R11は四価の有機基である。R12は二価の有機基である。R13及びR14は、水素原子、又は有機基である。nは1以上の自然数である。R13及びR14が有機基である場合としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及び、これらにエーテル結合を含有したCnH2nOCmH2m+1などで表される構造等を挙げることができる。
ポリアミック酸は、酸二無水物とジアミンを溶液中で混合するのみで得られるので、1段階の反応で合成することができ、合成が容易で低コストで入手できるので好ましい。
高分子前駆体が前記式(8)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸である場合、塩基性物質の触媒効果によりイミド化に要する温度を通常300℃未満、好ましくは250℃以下まで下げることが可能である。一般的なポリアミック酸はイミド化に要する温度を300℃以上にする必要があった為、用途が制限されていたが、イミド化に要する温度を下げることが可能になったことによって、より広範囲の用途に適用が可能である。
ポリイミド前駆体を製造する方法としては、従来公知の手法を適用することができる。例えば、酸二無水物とジアミンから前駆体であるポリアミド酸を合成する手法や、酸二無水物に一価のアルコール、アミノ化合物又はエポキシ化合物等を反応させて得られたエステル酸やアミド酸モノマーのカルボン酸に、ジアミノ化合物やその誘導体を反応させる手法などが挙げられるがこれに限定されない
<ポリベンゾオキサゾール前駆体>
ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、下記化学式(9)で表される繰り返し単位を有するポリアミドアルコールが好適に用いられる。
ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、下記化学式(9)で表される繰り返し単位を有するポリアミドアルコールが好適に用いられる。
本発明の塩基増殖剤組成物に塩基発生剤を併用するのは好ましい態様である。
塩基発生剤とは、一般に、光等の活性エネルギー線を照射されたり、或いは加熱されることによって塩基を発生する物質である。本発明の塩基増殖組成物に併用し得る塩基発生剤は光塩基発生剤と熱塩基発生剤(熱潜在性塩基発生剤)の何れにも限定されないが、塩基を発生させるために高温下での加熱処理を行う必要がないため、光塩基発生剤を併用することが好ましい。
塩基発生剤とは、一般に、光等の活性エネルギー線を照射されたり、或いは加熱されることによって塩基を発生する物質である。本発明の塩基増殖組成物に併用し得る塩基発生剤は光塩基発生剤と熱塩基発生剤(熱潜在性塩基発生剤)の何れにも限定されないが、塩基を発生させるために高温下での加熱処理を行う必要がないため、光塩基発生剤を併用することが好ましい。
併用し得る光塩基発生剤は特に限定されないが、例えばo−ニトロベンジル型光塩基発生剤、(3,5−ジメトキシベンジルオキシ)カルボニル型光塩基発生剤、アミロキシイミノ基型光塩基発生剤及びジヒドロピリジン型光塩基発生剤等が挙げられる。これらのうち、塩基発生効率と合成の簡便性に優れていることから、o−ニトロべンジル型光塩基発生剤が好ましく用いられる。
o−ニトロべンジル型光塩基発生剤としては、例えば下記式(21)で表される化合物が挙げられる。
o−ニトロべンジル型光塩基発生剤としては、例えば下記式(21)で表される化合物が挙げられる。
式(21)中、nは0乃至4の整数を表す。R1は炭素数1乃至18のアルキル基、炭素数2乃至18のアルケニル基、炭素数2乃至18のアルキニル基、炭素数6乃至12のアリール基、炭素数1乃至18のアシル基、炭素数7乃至18のアロイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1乃至18のアルコキシ基、炭素数1乃至18のアルキルチオ基、水酸基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を表す。R2は水素原子、炭素数1乃至18のアルキル基、炭素数2乃至18のアルキニル基、炭素数6乃至12のアリール基、炭素数1乃至18のアシル基、炭素数7乃至18のアロイル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1乃至18のアルコキシ基、炭素数1乃至18のアルキルチオ基、水酸基またはハロゲン原子を表す。Xはアミノ基を表す。
また、光塩基発生剤としては、例えば下記式(22)で表される化合物が挙げられる。
式(22)中、R1は水素原子、水酸基、アルコキシ基又は前記の置換基以外の有機基を表す。R2乃至R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基又は前記の置換基以外の有機基を表し、複数存在するそれぞれのR2乃至R6は互いに同じでも異なっていてもよい。また、同一のベンゼン環上に存在するR2乃至R6から選択される2つ以上が結合して環構造を形成してもよい。Xは環構造を含む飽和炭化水素からn個の水素原子を除いた残基を表す。nは1乃至6の整数を表す。
また、光塩基発生剤としては、例えば下記式(a)又は(b)で表されるカルボン酸化合物が挙げられる。式(a)又は(b)中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Bは塩基を表す。尚、下記式(a)又は(b)で表される光塩基発生剤は、光照射により脱炭酸するカルボン酸と、塩基類からなる、カルボン酸塩である。
また、光塩基発生剤としては、例えば、特開2000−330270号公報に開示されるオキシムエステル系化合物、アンモニウム系化合物、ベンゾイン系化合物、ジメトキシベンジルウレタン系化合物、オルトニトロベンジルウレタン系化合物等が挙げられる。
併用し得る熱塩基発生剤は特に限定されないが、例えばトリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム及びフェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。
また、熱塩基発生剤としては、例えば加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位反応またはベックマン転位反応等により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが挙げられる。なかでも、塩基発生効率に優れているため、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩が好ましく併用される
また、熱塩基発生剤としては、例えば英国特許第998949号記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4060420号に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシルカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号に記載のアルドキシムカルバメート類、英国特許第998945号、米国特許第3220846号、英国特許第279480号、特開昭50−22625号、特開昭61−32844号、特開昭61−51139号、特開昭61−52638号、特開昭61−51140号、特開昭61−53634号、特開昭61−53640号、特開昭61−55644号、特開昭61−55645号等及び特開2000−330270号公報に記載の熱塩基発生剤が挙げられる。
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基反応性樹脂組成物として使用する場合には、塩基増殖剤を構成する塩基類と、塩基発生剤を構成する塩基類が共通することが好ましい。塩基類が共通することにより、塩基増殖剤の分解が効率よく行われることになる。
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基反応性樹脂組成物として使用する場合の塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で、塩基増殖剤/塩基発生剤=40/1乃至5/20の範囲内とすることが好ましい。塩基増殖剤の配合量が少なすぎると塩基が効率的に発生せず、高分子前駆体を迅速に反応させることができなくなる場合がある。一方、塩基増殖剤の配合量が多すぎると、塩基発生剤の使用量が増加し、塩基発生剤自体が高分子前駆体の溶解性等に悪影響を与える場合があり、また、コスト的にも好ましくない。塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で、塩基増殖剤/塩基発生剤=20/1乃至5/5の範囲内とすることが特に好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)における照射光の波長及び露光量の範囲は、光塩基発生剤の種類や量、及び高分子前駆体の種類等に応じて、例えば、波長として190乃至400nm、露光量として100乃至10000mJ/cm2の範囲内から選択して適用すればよく、後記する増感剤を用いることによりさらに高波長域を使用することも可能である。照射光の照射時間は、数秒でも可能な場合もあるが、概ね10秒間以上であればよく、1.5乃至20分間とすることが好ましい。
一方、熱塩基発生剤を使用する場合の加熱条件は、使用する熱塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)を構成する高分子前駆体の種類等に応じて、例えば、加熱温度は概ね50乃至150℃、加熱時間は1乃至1800分間の範囲内から選択して適用すればよい。
また、塩基発生剤を併用せず、主成分を塩基増殖剤と高分子前駆体として塩基反応性樹脂組成物とする場合には、塩基増殖剤が分解可能な所望の塩基を添加すればよく、該塩基増殖剤と共通する塩基であることが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物における塩基増殖剤の含有量は、高分子前駆体100質量部に対して0.1乃至60質量部とすることが好ましい。塩基増殖剤の含有量が0.1質量部より少ないと、高分子前駆体を迅速に反応させることができなくなる場合がある一方、塩基増殖剤の含有量が60質量部を超えると、塩基増殖剤の存在が高分子前駆体の溶媒に対する溶解性に悪影響を与える場合があり、また、過剰量の塩基増殖剤の存在はコスト高に繋がることになる。塩基増殖剤の含有量は、高分子前駆体100質量部に対して1乃至60質量部とすることがなお好ましく、2乃至30質量部とすることがさらに好ましく、2乃至20質量部とすることがより好ましく、2乃至15質量部とすることが特に好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成が含有する高分子前駆体としては、前記したNo.4−1乃至4−12等のエポキシ系化合物(重合性エポキシ系化合物)、あるいは前記したNo.5−1乃至5−5等の重合反応性を示すケイ素系化合物(重合性ケイ素系化合物)であることが好ましい。このような塩基反応性樹脂組成物は、光または熱の作用により重合し、重合体を与えることとなる。中でも、光により重合反応を開始する高分子前駆体を含む塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)とすることが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物には、さらに、チオール化合物を含有することが好ましい。チオール化合物は、エポキシ系化合物等と併用することにより、エポキシ等の硬化官能基として作用する。チオール化合物としては、チオール基を2個以上有するポリチオール化合物を使用することが好ましく、例えば、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール基を2乃至5個有するポリチオール化合物を挙げることができる。これらのうち反応性等や扱いやすさを考慮して、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を使用することが好ましい。これらのチオール化合物は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
チオール化合物の使用量は、例えば、エポキシ系化合物やオキセタン系化合物に対して、チオール当量(SH当量)/エポキシ当量(あるいはオキセタン当量)=0.3/1.7乃至1.7/0.3の比率となる量が好ましく、0.8/1.2乃至1.2/0.8の比率となる量がより好ましい。チオール当量/エポキシ当量の比率が前記の好ましい範囲内であれば、未反応のチオール基やエポキシ基(あるいはオキセタン基)が硬化物中に多量に残存することを防止でき、硬化物の機械特性の低下傾向を抑制できる。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物を用いてパターンを形成するには、例えば、先ず当該樹脂組成物を有機溶媒に溶解した塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布し、乾燥して塗膜を形成する。次いで、形成された塗膜に対してパターン露光を行って塩基を発生させた後、所定の条件で加熱処理を行って、塩基反応性樹脂組成物に含有される高分子前駆体の重合反応を促すことで露光部のみを硬化させる。最後に、所定の現像液(有機溶媒や塩基性水溶液等)で未露光部を溶解して熱硬化物からなるパターンを形成し、このパターンに更に必要に応じ加熱を施して熱硬化を完結させる。以上の工程によって、通常ネガ型の所望の2次元樹脂パターン(一般的な平面パターン)又は3次元樹脂パターン(立体的に成形された形状)が得られる。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を感光性樹脂組成物として使用する場合、感光波長領域を拡大し、感度を高めるべく、増感剤を添加することができる。使用できる増感剤は特に限定されないが、例えば、ベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等が挙げられる。これらの増感剤は、一種類を単独で用いてもよく、また、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を感光性樹脂組成物として使用する場合の増感剤の添加量は、使用する光塩基発生剤や高分子前駆体、及び必要とされる感度等により適宜決定すればよいが、塩基反応性樹脂組成物全体に対して1乃至30質量%の範囲であることが好ましい。増感剤の添加量が1質量%より少ないと感度が十分に高められないことがある一方、増感剤の添加量が30質量%を超えると感度を高めるのに過剰となることがある。増感剤の添加量は、塩基反応性樹脂組成物全体に対して5乃至20質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を所定の基材に塗布等する場合は、必要により、溶媒を添加してもよい。塩基反応性樹脂組成物に溶媒を添加することにより塗布能力を高めることができ、作業性が良好となる。用い得る溶媒は特に限定されないが、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワラン等の飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は、一種類を単独で用いてもよく、また、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物における溶媒の含有量は特に限定されず、例えば、所定の基材上に塩基反応性樹脂組成物を塗布して塩基反応性樹脂組成物による層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において添加剤を適宜添加してもよい。使用し得る添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤、硬化促進剤及び充填剤等が挙げられ、これらは一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
以上説明した本発明の塩基反応性樹脂組成物は、塩基増殖剤から発生する塩基とエポキシ系化合物等との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れる。従って本発明の塩基反応性樹脂組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。
本発明の塩基反応性樹脂組成物の硬化物は、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が有効とされる分野、例えば、塗料または印刷インキ、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築材料の構成部材として広く用いられる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何
ら限定されるものではない。
ら限定されるものではない。
実施例1(式(A−1)で表される本発明の化合物の合成)
(工程1)式(12)で表される中間体化合物の合成
下記式(11)で表されるデオキシベンゾイン25部、蒸留水32部、エタノール105部、水酸化カリウム25.5部及びパラホルムアルデヒド14部をフラスコに加えて80℃で10時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液にトルエン200部、水200部を加えて60℃で分液操作を2回繰り返して洗浄を行った。エバポレータにて反応液70部を濃縮後、反応液を冷却して晶析し、吸引濾過して下記式(12)で表される中間体化合物17.5部を得た。
(工程1)式(12)で表される中間体化合物の合成
下記式(11)で表されるデオキシベンゾイン25部、蒸留水32部、エタノール105部、水酸化カリウム25.5部及びパラホルムアルデヒド14部をフラスコに加えて80℃で10時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液にトルエン200部、水200部を加えて60℃で分液操作を2回繰り返して洗浄を行った。エバポレータにて反応液70部を濃縮後、反応液を冷却して晶析し、吸引濾過して下記式(12)で表される中間体化合物17.5部を得た。
(工程2)下記式(A−1)で表される本発明の化合物(塩基増殖剤1)の合成
工程1で得られた式(12)で表される中間体化合物2.7部、トルエン7.1部及びカルボジイミダゾール2.14部をフラスコに加えて室温にて6時間撹拌した。得られた反応液を吸引濾過にて固体を回収し、過剰のトルエンで洗浄して下記式(A−1)で表される本発明の化合物(塩基増殖剤1)を3.2部得た。
工程1で得られた式(12)で表される中間体化合物2.7部、トルエン7.1部及びカルボジイミダゾール2.14部をフラスコに加えて室温にて6時間撹拌した。得られた反応液を吸引濾過にて固体を回収し、過剰のトルエンで洗浄して下記式(A−1)で表される本発明の化合物(塩基増殖剤1)を3.2部得た。
実施例2(式(A−2)で表される本発明の化合物の合成
(工程3)下記式(A−2)で表される本発明の化合物(塩基増殖剤2)の合成
工程3で得られた式(A−1)で表される化合物6.7部及びトルエン7.1部をフラスコに加えた後、ピペリジン4.2部を氷浴下でゆっくりと滴下した。滴下終了後、氷浴を外して室温で3時間撹拌後、蒸留水30部を加えて洗浄する作業を3回繰り返した。この反応液を吸引濾過して下記式(A−2)で表される本発明の化合物(塩基増殖剤2)を3.1部得た。
(工程3)下記式(A−2)で表される本発明の化合物(塩基増殖剤2)の合成
工程3で得られた式(A−1)で表される化合物6.7部及びトルエン7.1部をフラスコに加えた後、ピペリジン4.2部を氷浴下でゆっくりと滴下した。滴下終了後、氷浴を外して室温で3時間撹拌後、蒸留水30部を加えて洗浄する作業を3回繰り返した。この反応液を吸引濾過して下記式(A−2)で表される本発明の化合物(塩基増殖剤2)を3.1部得た。
比較例1(比較用の化合物の合成)
(工程4)下記式(A−3)で表される比較用の化合物(塩基増殖剤3)の合成
下記式(13)で表される9−フルオレニルエタノール3.9部及びTHF7.8部をフラスコに加えた後、THF10部にカルボジイミダゾール3.8部を溶かした溶液を氷浴下でゆっくりと滴下した。滴下終了後、氷浴を外して室温で1時間撹拌後、フラスコに蒸留水30部を加えて洗浄する作業を3回繰り返した。この反応液を吸引濾過して下記式(A−3)で表される比較用の化合物(塩基増殖剤3)を2.5部得た。
(工程4)下記式(A−3)で表される比較用の化合物(塩基増殖剤3)の合成
下記式(13)で表される9−フルオレニルエタノール3.9部及びTHF7.8部をフラスコに加えた後、THF10部にカルボジイミダゾール3.8部を溶かした溶液を氷浴下でゆっくりと滴下した。滴下終了後、氷浴を外して室温で1時間撹拌後、フラスコに蒸留水30部を加えて洗浄する作業を3回繰り返した。この反応液を吸引濾過して下記式(A−3)で表される比較用の化合物(塩基増殖剤3)を2.5部得た。
比較例2(比較用の化合物の合成)
特開2017−105749号公報の実施例6、工程9乃至11に記載の方法に準じて、下記式(A−4)で表される比較用の化合物(塩基発生剤4)を得た。
特開2017−105749号公報の実施例6、工程9乃至11に記載の方法に準じて、下記式(A−4)で表される比較用の化合物(塩基発生剤4)を得た。
(塩基増殖剤1の光分解性評価)
実施例1で得られた塩基増殖剤1 1.073×10−5molをメスフラスコに分取し、アセトニトリルで10mlまでメスアップして評価用溶液を調整した。この溶液を石英セルに入れ、横から高圧水銀灯で所定量の光を露光後、0.5mlを分取して高速液体クロマトグラフィーで光分解挙動を追跡した。結果を図1に示した。また、露光量に対する塩基増殖剤1のピーク面積変化をプロットすることで光分解率を算出した。結果を図2に示した。
実施例1で得られた塩基増殖剤1 1.073×10−5molをメスフラスコに分取し、アセトニトリルで10mlまでメスアップして評価用溶液を調整した。この溶液を石英セルに入れ、横から高圧水銀灯で所定量の光を露光後、0.5mlを分取して高速液体クロマトグラフィーで光分解挙動を追跡した。結果を図1に示した。また、露光量に対する塩基増殖剤1のピーク面積変化をプロットすることで光分解率を算出した。結果を図2に示した。
実施例3及び4、比較例3及び4(熱硬化性樹脂組成物の調整)
JER828、ヒュームドシリカ及び上記で得られた塩基増殖剤又は塩基発生剤を表1に記載の質量部で混合してから乳鉢ですり潰して均一に分散させた後に、(株)シンキー製のAR−100を用いて混錬と脱気をそれぞれ3分間ずつ行い,本発明及び比較用の塩基反応性樹脂組成物を調製した。
JER828、ヒュームドシリカ及び上記で得られた塩基増殖剤又は塩基発生剤を表1に記載の質量部で混合してから乳鉢ですり潰して均一に分散させた後に、(株)シンキー製のAR−100を用いて混錬と脱気をそれぞれ3分間ずつ行い,本発明及び比較用の塩基反応性樹脂組成物を調製した。
(塩基反応性樹脂組成物の粘弾性評価)
TA Instruments社製のDiscovery HR−3を使用して、実施例3及び4、比較例3及び4で得られた塩基反応性樹脂組成物を120℃で1時間保持した時の粘弾性変化を測定した。結果を図3に示した。また、図3の測定結果に基づいて、粘度が1.0×102Pa・sに到達するまでの時間を評価の指標として表1に記載した。
TA Instruments社製のDiscovery HR−3を使用して、実施例3及び4、比較例3及び4で得られた塩基反応性樹脂組成物を120℃で1時間保持した時の粘弾性変化を測定した。結果を図3に示した。また、図3の測定結果に基づいて、粘度が1.0×102Pa・sに到達するまでの時間を評価の指標として表1に記載した。
表1に示されたように、従来の塩基増殖剤は塩基性の高い塩基を不活性化できないため、高温で保管すると短時間で粘度が上昇してしまう。また、類似骨格の光塩基発生剤は熱的に非常に安定であるため、塩基増殖剤としては機能しない。一方、本発明の式(1)で表される塩基増殖剤は従来の塩基増殖剤よりも保存安定性が向上し、さらに光照射によっても速やかに塩基を発生することができる(図2)。
本発明の式(1)で表される塩基増殖剤は、例えばエポキシ系化合物等の架橋反応に用いることができると共に、塩基の存在下において新たな塩基を発生する塩基増殖反応が効率的に進行するため、光又は熱の作用により硬化する塩基反応性樹脂組成物用途に好適に用いることが出来る。
Claims (8)
- 下記式(1)
で表わされる化合物。 - 請求項1に記載の化合物を含む塩基増殖剤。
- 請求項2に記載の塩基増殖剤と光照射と加熱によって重合し得る高分子前駆体を含有する塩基反応性樹脂組成物。
- 高分子前駆体が、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイミド基及びチイラン基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物;ポリシロキサン前駆体;ポリイミド前駆体及びポリベンゾオキサゾール前駆体からなる群より選択される一種以上を含む請求項3に記載の塩基反応性樹脂組成物。
- 更に塩基発生剤を含有する請求項3又は4に記載の塩基反応性樹脂組成物。
- 塩基発生剤が熱塩基発生剤である請求項5に記載の塩基反応性樹脂組成物。
- 塩基発生剤が光塩基発生剤である請求項5に記載の塩基反応性樹脂組成物。
- 請求項3乃至7のいずれか一項に記載の塩基反応性樹脂組成物の硬化物。
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