JP5733618B2 - 塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物 - Google Patents

塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、塩基の作用によって分解し、新たな塩基を発生可能な塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物に関する。
光の照射によって酸を発生する酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物が、フォトレジスト材料や光硬化材料等として適用されている。酸発生剤から発生した酸は、触媒や重合開始剤として作用し、また、酸発生剤等を含有した感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料として用いてパターンを形成する場合には、例えば酸発生剤に光を照射して触媒等となる強酸を発生させ、樹脂成分を化学変性させる。そして、化学変性された樹脂成分の溶解性の変化により、パターンを形成するようにする。
かかるフォトレジスト材料は、解像度及び感度が高いこと、さらには耐エッチング性が高いパターンを形成し得ることが求められており、特に、深紫外線レジスト材料として、酸素プラズマエッチングに耐性を持つパターンを形成し得る材料が求められている。酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物からなるフォトレジスト材料は、高感度・高解像性等を目指して、種々のものが提供されているが、光酸発生剤と樹脂材料の組み合わせの種類はある程度限定されてしまうため、酸発生剤を使用しない新たな感光システムが求められていた。
加えて、モノマー、オリゴマー、あるいはポリマーの光硬化速度を向上させるために様々な検討がなされており、光の作用で発生するラジカル種を開始剤として、多数のビニルモノマーを重合させるラジカル光重合系の材料が広く開発の対象とされてきた。また、光の作用で酸を発生させ、この酸を触媒とするカチオン重合系の材料も盛んに研究されていた。しかしながら、ラジカル光重合系の材料の場合には、空気中の酸素によって重合反応が阻害され硬化反応が抑制されるので、酸素遮断のための特別な工夫が必要とされていた。また、カチオン重合系の材料の場合には、ラジカル光重合系の材料のような酸素阻害がない一方、光酸発生剤から発生した強酸が硬化後も残存するために、当該強酸の存在を原因とする腐食性や樹脂の変性の可能性が問題とされていた。
このような背景から、解像度及び感度が高く、耐エッチング性が高いパターンを形成できるレジスト材料を得るために、また、活性エネルギー線を利用して液状物を迅速に固化させる硬化技術をいっそう高性能化するために、空気中の酸素による阻害効果を受けず、生成する強酸のような腐食性物質を含まず高効率で反応が進行する、新たな感光システムを用いた感光性樹脂組成物が強く望まれていた。
前記の問題を克服する手段の1つとして、塩基触媒による重合反応や化学反応を用いる方法、例えば、光の作用によって塩基を発生させ、これを触媒として樹脂を化学変性させる方法を用いて、光によって発生する塩基を触媒とする感光性樹脂組成物をフォトレジスト材料や光硬化材料等へ応用する手段が検討されている。そして、エポキシ基を有する化合物は塩基の作用によって架橋反応を起こして硬化することを利用して、光や熱の作用で開始剤あるいは触媒としてのアミン類をエポキシ樹脂層内で発生させ、次いで加熱処理によって硬化させる方法が提供されている。しかしながら、アミン類を開始剤あるいは触媒として用いた場合でも、エポキシ系化合物の硬化速度は遅かった。エポキシ系化合物を十分に硬化させるためには、長時間を要し、さらに硬化速度を高めるために高温下で加熱処理等を行う必要があるため、実用化されるには至っていない。
これらの問題を解決すべく、光の作用によって発生する塩基を2次的に増幅する塩基増殖剤が提案されており、塩基増殖剤を光塩基発生剤及び塩基反応性化合物と組み合わせると感光性樹脂組成物が得られる。また、このように増殖的に塩基が増加する塩基増殖剤を添加することによって高性能化が図られる樹脂組成物も知られており、塩基増殖反応を起こすウレタン系化合物である塩基増殖剤を含有する感光性組成物が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照。)。
特開2000−330270号公報 特開2002−128750号公報
しかしながら、従来提供されている方法にあっては、塩基増殖剤により発生する塩基は1級あるいは2級の脂肪族アミンであり、塩基増殖反応を効率よく進行させることが難しかった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、例えば、エポキシ系化合物等の架
橋反応に用いることができ、塩基の存在によって新たな塩基を発生可能であり、かつ塩基増殖反応が効率的に進行する塩基増殖剤及び当該塩基増殖剤を含有する塩基反応性樹脂組成物を提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明に係る塩基増殖剤は、下記式(X)、下記式(X’)または下記式(X−1)で表されることを特徴とする。
(式(X)及び式(X’)中、R及びRはそれぞれ、独立して水素、置換基または電子吸引性基であり、その少なくとも一方は電子吸引性基である。R、R、R、Rはそれぞれ、独立して水素または置換基である。前記置換基は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基であり、前記電子吸引性基は、フルオレニル基、有機スルホキシド基、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルボニル基、アミド基、ピリジル基であり、前記有機スルホキシド基はAr−SO−で表され、Arは有機基、を示す。B は塩基類であり、第3級アミン、あるいは下記式(I)、式(II)、式(IV)、式(IV−c)、式(IV−d)、式(IV−e)、式(IV−f)、式(IV−g)、式(IV−h)、式(V)、式(V−c)及び式(V−d)で示される塩基のいずれか、を示す。)
(式(X−1)中、R 、R はそれぞれ、独立して水素または置換基を示す。前記置換基は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基、を示す。B は塩基類であり、第3級アミン、あるいは下記式(I)、式(II)、式(IV)、式(IV−c)、式(IV−d)、式(IV−e)、式(IV−f)、式(IV−g)、式(IV−h)、式(V)、式(V−c)及び式(V−d)で示される塩基のいずれか、を示す。)
(式(I)中、nは1〜3の整数を示す。)
(式(II)中、Rはそれぞれ、独立して水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基(S等の
ヘテロ原子を含んでもよい。)、またはフェニル基、を示す。)
(式(IV)中、R〜Rはそれぞれ、独立して水素原子、アルキル基またはアリール基
(アルキル基は環状構造でもよい。)を示す。)
(式(V)中、R 〜R はそれぞれ、独立して水素原子、アルキル基またはアリール基(アルキル基は環状構造でもよい。)を示す。)
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明に係る塩基増殖剤及び塩基反応性化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明に係る塩基増殖剤と、塩基発生剤及び塩基反応性化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明において、前記塩基発生剤が光塩基発生剤であることを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明において、前記塩基増殖剤を構成する塩基と前記塩基発生剤を構成する塩基が共通することを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明において、前記塩基反応性化合物がエポキシ系化合物、ケイ素系化合物及びオキセタン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物は、前記した本発明において、さらに、チオール化合物を含むことを特徴とする。
本発明に係る塩基増殖剤は、塩基の作用により分解して連鎖的に塩基を発生することができるとともに、構成する塩基類として強塩基を用いているので、強塩基を連鎖的に発生させることが可能な塩基増殖剤となる。よって、かかる強塩基を発生可能な本発明の塩基増殖剤を、塩基と反応するエポキシ系化合物等の塩基反応性化合物に共存させると、増殖して発生する塩基により塩基反応性化合物を効率よく硬化させることが可能となる。
また、本発明に係る塩基反応性化合物は、本発明の塩基増殖剤、あるいは本発明の塩基増殖剤と塩基発生剤と塩基反応性化合物を含有することにより、塩基増殖剤から発生する塩基とエポキシ系化合物等との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れたものとなり、硬化が速やかに実施され、硬化が十分になされる塩基反応性樹脂組成物となる。かかる効果を奏する本発明の塩基反応性樹脂組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。
試験例1において、加熱時間と生成率との関係(溶媒 重THF)を示した図である。 試験例1において、加熱時間と生成率との関係(溶媒 重トルエン)を示した図である。 試験例2において、加熱時間と生成率との関係(溶媒 重ベンゼン)を示した図である。 試験例3において、加熱時間と転化率との関係を示した図である。 試験例4において、露光量と残膜率との関係(感度曲線)を示した図である。 試験例5において、鉛筆硬度測定の結果を示した図である。 試験例6において、鉛筆硬度測定の結果を示した図である。 試験例7において、加熱時間と生成率との関係(溶媒 重THF)を示した図である。 試験例7において、加熱時間と転化率の関係(溶媒 重THF)を示した図である。
以下、本発明の一態様を説明する。本発明に係る塩基増殖剤は、下記式(X)あるいは式(X’)で表され、式(III)あるいは式(III’)で表されるカルボン酸と、塩基類Bからなるカルボン酸塩である。
式(X)及び式(X’)で表される塩基増殖剤(及び式(III)及び式(III’)のカルボン酸)は、RおよびRはそれぞれ、独立して水素、置換基または電子吸引性基であり、その少なくとも一方は電子吸引性基である。R、R、R、Rはそれぞれ、独立して水素または置換基である。
このうち、置換基としては、炭素数1〜12、好ましくは1〜6のアルキル基、炭素数5〜10、好ましくは6〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜14、好ましくは6〜10のアリール基、炭素数7〜15、好ましくは7〜11のアリールアルキル基が包含される。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。
また、電子吸引性基としては、有機電子論等における慣用の電子吸引性基、たとえばフルオレニル基、有機スルホキシド基、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルボニル基、アミド基、ピリジル基等が包含される。有機スルホキシド基はAr−SO−で表され、Arは有機基、好ましくはアリール基。具体的にはフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。これらのアリール基は置換基を有していてもよいものである。
式(X)で表される塩基増殖剤の具体例として式(X−1)、また、式(III)で表されるカルボン酸の具体例として、式(III−1)を示す。また、式(III−1)の具体例として、式(III−a)及び式(III−b)を示す。なお、式(X−1)及び式(III−1)中、R、Rは、それぞれ、独立して水素または置換基を示す。また、前記置換基は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、または炭素数7〜15のアリールアルキル基である。
また、式(X’)で表される塩基増殖剤を構成するカルボン酸の具体例として、式(III−c)を示す。
式(III)あるいは式(III’)に示したカルボン酸を合成するには、例えば、下記の合成スキームのようにすればよい。
(合成スキーム)
式(X)に表される塩基増殖剤を構成する塩基類Bとしては、一般的に強塩基と呼ばれる塩基を使用することができ、例えば、第3級アミン、式(I)に表されるアミジン、式(II)に表されるイミダゾール、式(III)に表されるグアニジン、式(V)に表されるホスファゼン類等が挙げられる。
第3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N−メチルジブチルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−メチルジオクチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソオクチルアミン、トリイソデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、トリドデシルアミン、N−メチルジオクタデシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,5−ペンタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラブチル−1,6−ヘキサンジアミン、トリス(ジメチルアミノ)メタン、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−エチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキサンメチルアミン、トリアリルアミン、トリス(2−メチルアリル)アミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2−ブテン−1,4−ジアミン、テトラキスジメチルアミノエチレン、パーフルオロイソブチルアミン、トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン、tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン、2−(ジエチルアミノ)エタノールビニルエーテル、N,N’−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジ−tert−ブチルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジネオペンチルアセタール、N,N’−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタール、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、ジメチルアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、ジエチルアミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、N,N’−ビス(2,2−ジメトキシエチル)メチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、2−(ジブチルアミノ)エタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、5−ジエチルアミノ−2−ペンタノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジエチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジプロピルアミノ)−1,2−プロパンジオール、3−(ジイソプロピルアミノ)−1,2−プロパンジオール、2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ}エタノール、1,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、PENTROL、1−アジリジンエタノール、1−メチルピロリジン、1−ブチルピロリジン、1−ピロリジノ−1−シクロペンテン、1−ピロリジノ−1−シクロヘキセン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、1−メチル−3−ピロジノール、1−エチル−3−ピロジノール、1−メチル−2−ピロリジンメタノール、2−メチル−1−ピロリン、1−メチルピペリジン、1−エチルピペリジン、ジピペリジノメタン、1−エチルピペリジン、1,1’−メチレンビス(3−メチルピペリジン)、4,4’−トリメチレンビス(1−メチルピペリジン)、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1−ピペリジンアセトアルデヒドジエチルアセタール、1−ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、1−エチル−3−ヒドロキシピペリジン、1−メチル−3−ピペリジンメタノール、4,4’−トリメチレンビス(1−ピペリジンエタノール)、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサジアミン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1,4−ジメチルピペラジン、4−(ジメチルアミノ)−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペラジン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1,3,5−テトラメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−テトラエチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザシクロドデカン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、1,4,7,10,13,16−ヘキサメチル−1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン、TROPANE、QUINULIDINE、3−QUINULIDINOL、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ヘキサメチレンテトラミン、4−メチルモルホリン、4−エチルモルホリン、4−(1−シクロペンテン−1−イル)モルホリン、1−モルホリノ−1−シクロヘキセン、1−モルホリノ−1−シクロヘプテン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、3−モルホリノ−1,2−プロパンジオール、4−[2−(ジメチルアミノ)エチル]モルホリン、5−エチル−1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−3,7−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン−5−メタノール、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、4,7,13,16,21−ペンタオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.5]トリコサン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、1−フェニルピペリジン、トリフェニルアミン、N−ベンジル−N−エチルアニリン、2−(N−エチルアニリノ)エタノール、N−フェニルジエタノールアミン、N−(エトキシエチル)−N−メチルアニリン、N,N−ジメチルオルトトルイジン、N,N−ジメチルメタトルイジン、N,N−ジメチルパラトルイジン、N,N−ジエチルオルトトルイジン、N,N−ジエチルメタトルイジン、N,N−ジエチルパラトルイジン、3−ジメチルアミノフェノール、3−ジエチルアミノフェノール、2−(N−エチルメタトルイジノ)エタノール、4−tert−ブチル−N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、2,2’−(パラトルイルイミノ)ジメタノール、4−(ジメチルアミノ)フェネチルアルコール、N,N,N’,N’−テトラメチルベンジジン、N,N’−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン、4−ブロモ−N,N−ジメチル−3−(トリフルオロメチル)アニリン、N,N,3,5−テトラメチルアニリン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピル−N,N−ジメチルアニリン)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(N,N−ジメチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)、4,4’−ビニリデンビス(N,N−ジメチルアニリン)、ロイコマラカイトグリーン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンジドロール、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、2−(ジメチルアミノ)フルレン、N,N−ジメチル−1−フェネチルアミン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラベンジルメタンジアミン、N−メチルジフェニルエチレンアミン、トリベンジルアミン、N−(2−クロロエチル)ジベンジルアミン、N−ベンジル−N−メチルエタノールアミン、3−ジベンジルアミノ−1−プロパノール、2−ジベンジルアミノ−3−フェニル−1−プロパノール、N−エチル−3,3’−ジフェニルジプロピルアミン、3−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−ブロモ−N,N−ジイソプロピルベンジルアミン、1−(ジフェニルメチル)アゼチジン、1−ベンジル−3−ピロリン、1−ベンジル−3−ピロリジノール、1−ベンジル−2−ピロリジンメタノール、1−(3,4−ジヒドロ−2−ナフチル)ピロリジン、1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、4−ジフェニルメトキシ−1−メチルピペラジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシピペラジン、1,3,5−トリベンジルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、4−フェニルモルホリン、2,5−ジメチル−4−(モルホリノメチル)フェノール、N,N’−ジベンジル−1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、2−メチレン−1,3,3−トリメチルインドリン、JULODINE、8−ヒドロキシJULODINE、5,10−ジヒドロ−5,10−ジメチルフェナジン、10メチルフェノチアジン、TROGER’S BASE又は5,6−ベンゾ−4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン等が挙げられる。
また、塩基類Bとしては、下記式(I)で表されるアミジン類、式(II)で表されるイミダゾール類、式(IV)で表されるグアニジン類、式(V)で表されるやホスファゼン誘導体といった塩基を使用することが好ましい。塩基類としてアミジン類あるいはイミダゾール類、グアニジン類やホスファゼン誘導体といった塩基を用いることにより、酸解離定数(pKa)が、塩基類としてアルカリを用いた場合には概ね13以上(水溶媒中)、アミジン類あるいはイミダゾール類を用いた場合には12〜13程度、グアニジン類やホスファゼン誘導体を用いた場合には13.5を超えて(いずれも水溶媒中)、非常に塩基性が高く、重合時の反応効率が高い、優れた塩基類として作用する。
例えば、エポキシ系化合物等に適用した場合には、塩基が水からプロトンを奪って、水酸化物イオンを発生し、これがエポキシ化合物の連鎖的な重合反応を開始することになるが、水酸化物イオンの発生量は塩基の強度に依存するため、塩基強度が高いほど重合反応効率も高くなる。さらに、例えば、後記するNo.2−1〜No.2−8の塩基反応性化合物は電子吸引性基のα位のプロトンが引き抜かれβ脱離を引き起こし、極性変換が起こる高分子化合物であるが、この時のプロトン引き抜き効率も塩基強度に依存するため、塩基強度が大きいほど脱離反応は起こりやすく、本発明の塩基増殖剤を含有した塩基反応性樹脂組成物が、感度の高い硬化材料として機能することが期待できる。
また、一般に、アミン、アミジン類の塩基性はpKa(共役酸のpKa、アセトニトリ
ル(CHCN溶媒中)は10(アミン)〜24(アミジン類)であり、この程度の塩基
性ではラクトン類や環状シロキサンのアニオン開環重合は起こりにくい一方、塩基増殖剤を構成する塩基類としてグアニジン類やホスファゼン誘導体を採用した場合には、pKaが26〜27程度(アセトニトリル(CHCN)溶媒中)となりアニオン開環重合が起こるため、これを用いるとモノマーが連鎖反応でポリマーに変化する。塩基類としてグアニジン類やホスファゼン誘導体を採用した場合の塩基増殖剤は、ラクトン類等に最適な塩基増殖剤となり、光塩基発生剤と併用してラクトン類等に適用して塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)とした場合には、光硬化材料(UV接着、UVインク、UV粘着、UVコーティングなど)に適用することができる。
使用できる塩基類Bとしては、下記式(I)で表されるアミジン類、下記式(II)で表されるイミダゾール類といった塩基が挙げられる。
(式(I)中、nは1〜3の整数を示す。)
(式(II)中、Rはそれぞれ、独立して水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基(S等のヘテロ原子を含んでもよい。)、またはフェニル基、を示す。)
塩基類Bとして使用することができる式(I)で表されるアミジン類としては、例えば、アミジン構造を有する下記式(I−a)に示すジアザビシクロノネン(DBN)や、下記式(I−b)に示すジアザビシクロウンデセン(DBU)等が挙げられる。
また、塩基類Bとして使用することができる式(II)で表されるイミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、下記(II−a)に示す1−メチルイミダゾール、下記(II−b)に示す2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、3A,4,5,6,7,7A−ヘキサヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル メチルスルフィド、2−(4−ブロモフェニル)4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、DL−イソアマリン等が挙げられる(なお、前記したイミダゾール類に存在する炭素数が1〜4のアルキル基には、S等のヘテロ原子を含んでもよい。)。
塩基類Bとしては、下記式(IV)で表されるグアニジン類、下記式(V)で表されるホスファゼン誘導体といった塩基を使用することもできる。なお、式(IV)におけるR〜R、式(V)におけるR〜Rはそれぞれ、独立して水素原子、アルキル基またはアリール基(アルキル基は環状構造でもよい。)を示すが、アルキル基の炭素数は1〜4とすることが好ましい。
(式(IV)中、R〜Rはそれぞれ、独立して水素原子、アルキル基またはアリール基
(アルキル基は環状構造でもよい。)を示す。)
(式(V)中、R〜Rはそれぞれ、独立して水素原子、アルキル基またはアリール基
(アルキル基は環状構造でもよい。)を示す。)
塩基類Bとして使用することができる式(IV)で表されるグアニジン類としては、例えば、グアニジン構造を有する下記式(IV−a)に示すグアニジンや、下記式(IV−b)に示す1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(TMG)、下記式(IV−c)に示す1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン(1,5,7−triaza−bicyclo[4.4.0]dec−5−ene:TBD)、(式IV−d)に示すMTBD、式(IV−e)に示すETBD、式(IV−f)に示すITBD、式(IV−g)に示す式(IV−h)等に示す化合物が挙げられる(式(IV−a)〜式(IV−h)については、プロトン付加体を示す。)。
また、塩基類Bとして使用することができる式(V)で表されるホスファゼン誘導体としては、下記式(V−a)、式(V−b)、式(V−c)、(V−d)及び(V−e)等に示す化合物が挙げられる(式(V−a)〜式(V−e)については、プロトン付加体を示す。)。
式(X)で表される塩基増殖剤を製造するには、式(III)や(III’)で表されるカルボン酸と、所望の塩基類Bを混合することにより、簡便に製造することができる。
かかる塩基増殖剤は、塩基(発生する塩基と共通する塩基を作用させることが好ましい。)の作用により分解して塩基を発生する特性を有する。従って、本発明の塩基増殖剤は、その一定量に対してそれより少ない当量の塩基を作用させるだけで、自己増殖的に分解し、最終的にその全量が分解し、その塩基増殖剤の量に対応する多量の塩基を発生させる。反応挙動について、式(X)についてスキーム1、式(X’)についてスキーム1’にそれぞれ示す。
(スキーム1)
(スキーム1’)
また、式(X)または式(X’)で表されるカルボン酸塩は、対応するβ−ケト酸のケトンをエノール誘導体またはケタールで保護していることをその分子構造上の特徴としている。これらのカルボン酸塩は塩基触媒の作用で容易にβ−ケト酸の塩に変換され、これが熱化学的に脱炭酸を起こすと塩基及び二酸化炭素と、ケトン及び対応するオレフィンを生成する。そして、この際に生成した塩基が他の塩基増殖剤に作用して、その分子を分解させて、塩基を発生させることになり、これが繰り返されることにより、塩基増殖剤は連鎖反応的に分解され、結局、少量の塩基により多量の塩基を発生させることができる。また、式(X)や式(X’)で表される本発明の塩基増殖剤は、塩基類として強塩基を用いているので、前記の反応により強塩基を発生させることができる。よって、強塩基を発生可能な本発明の塩基増殖剤を、塩基と反応するエポキシ系化合物等の塩基反応性化合物に共存させることにより、塩基反応性化合物を効率よく硬化させることが可能となる。
また、本発明に係る塩基増殖剤は、塩基発生剤と組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用することが好ましい。ここで、塩基発生剤とは、一般に、光等の活性エネルギー線を照射したり、加熱することによって塩基を発生する物質である。塩基発生剤としては、特に限定されないが、光等の活性エネルギー線の照射によって塩基を発生する光塩基発生剤や、加熱により塩基を発生する熱塩基発生剤(熱潜在性塩基発生剤)を使用することが好ましい。このうち、塩基を発生させるために高温下で加熱処理を行う必要がないため、光塩基発生剤を使用することが特に好ましい。
光塩基発生剤としては、特に限定されないが、従来知られているo−ニトロベンジル型光塩基発生剤、(3,5−ジメトキシベンジルオキシ)カルボニル型光塩基発生剤、アミロキシイミノ基型光塩基発生剤、ジヒドロピリジン型光塩基発生剤等が挙げられる。このうち、塩基発生効率と合成の簡便性に優れているため、o−ニトロべンジル型光塩基発生剤が好ましく用いられる。
光塩基発生剤としては、例えば、特開2000−330270号公報に開示されるオキシムエステル系化合物、アンモニウム系化合物、ベンゾイン系化合物、ジメトキシベンジルウレタン系化合物、オルトニトロベンジルウレタン系化合物等を使用するようにしてもよい。
また、光塩基発生剤としては、下記式(Q)で表されるカルボン酸化合物を使用することができる。式(Q)で表される光塩基発生剤は、光照射により脱炭酸するカルボン酸と、塩基類からなる、カルボン酸塩である。
式(Q)で表される光塩基発生剤において、光照射により脱炭酸するカルボン酸を構成するArは芳香環であり、アリール基、ナフチル基であることが好ましい。また、これらの芳香環は置換基としてベンゾイル基、ニトロ基、アルコキシ基、アルキル基を含むことができる。アルコキシ基及びアルキル基の炭素数は、1〜4とすることが好ましい。なお、かかる芳香環の置換基は環構造をとることができる。
また、カルボン酸を構成するR’、R’’は、それぞれ水素原子、アルコキシ基、アルキル基、水酸基、アリール基等の置換基である。アルコキシ基及びアルキル基の炭素数は、1〜4とすることが好ましい。
式(Q)で表される塩基発生剤において、対象となるカルボン酸の例としては、例えば、下記式(VI)で表されるケトプロフェン(2−(1−カルボキシエチル)ベンゾフェノンともよばれる。)を使用することができる。光脱炭酸を引き起こすカルボン酸の中でケトプロフェンの量子収率(光脱炭酸効率)が最も高く(φ=0.75程度)、カルボン酸としてケトプロフェンを使用することにより、極めて高効率な塩基発生剤として機能する。
また、カルボン酸としては、下記式(VII)で表されるキサントン酢酸類、式(VIII)で表されるチオキサントン酢酸類、式(IX)で表されるニトロフェニル酢酸を使用するようにしてもよい。これらのカルボン酸も、量子収率(光脱炭酸効率)φ=0.64程度(キサントン酢酸類。チオキサントン酢酸類もほぼ同程度)、φ=0.6程度(ニトロフェニル酢酸)と高く、極めて高効率で光化学的に遊離の塩基を発生させることができる。
なお、式(VII)及び式(VIII)中、R、R、RはCHCOOH、CH(CH)COOHまたはHを示し、かかるCHCOOHまたはCH(CH)COOHはR、R、Rのいずれか1つの基に付され、残りの2つの基にはHが付される。また、式(IX)において、R、R、RはCHCOOHまたはHを示し、かかるCHCOOHはR、R、Rのいずれか1つの基に付され、残りの2つの基にはHが付される。
式(Q)で表される光塩基発生剤において、使用できる塩基類Bとしては、例えば、前記した塩基増殖剤に使用される第3級アミン、式(I)で表されるアミジン類、式(II)で表されるイミダゾール類、式(IV)で表されるグアニジン類、式(V)で表されるやホスファゼン誘導体といった塩基を使用することができる。また、WO2009/19979に開示されるピリジル基を含有する化合物、ヒドラジン化合物、アミド化合物、水酸化四級アンモニウム塩、メルカプト化合物、スルフィド化合物、ホスフィン化合物、第1級アミン、第2級アミン等を使用するようにしてもよい。なお、式(Q)で表される光塩基発生剤を製造するには、式(Q)を構成するカルボン酸と、所望の塩基類Bを混合することにより、簡便に製造することができる。
また、熱塩基発生剤としては、特に限定されないが、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位反応またはベックマン転位反応等により分解してアミン類を放出する化合物や、加熱により何らかの反応を起こして塩基を放出するものが好ましく用いられる。なかでも、塩基発生効率に優れているため、加熱により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩が好ましく用いられる。
熱塩基発生剤としては、例えば英国特許第998949号記載のトリクロロ酢酸の塩、米国特許第4060420号に記載のアルファースルホニル酢酸の塩、特開昭59−157637号に記載のプロピール酸類の塩、2−カルボキシルカルボキサミド誘導体、特開昭59−168440号に記載の塩基成分に有機塩基の他にアルカリ金属、アルカリ土類金属を用いた熱分解性酸との塩、特開昭59−180537号に記載のロッセン転位を利用したヒドロキサムカルバメート類、加熱によりニトリルを生成する特開昭59−195237号に記載のアルドキシムカルバメート類、英国特許第998945号、米国特許第3220846号、英国特許第279480号、特開昭50−22625号、特開昭61−32844号、特開昭61−51139号、特開昭61−52638号、特開昭61−51140号、特開昭61−53634号、特開昭61−53640号、特開昭61−55644号、特開昭61−55645号等に記載の熱塩基発生剤が挙げられる。また、特開2000−330270号公報に開示される加熱により塩基を発生する化合物を使用するようにしてもよい。
また、その他の熱塩基発生剤の具体例としては、トリクロロ酢酸グアニジン、トリクロロ酢酸メチルグアニジン、トリクロ酢酸カリウム、フェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−クロロフェニルスルホニル酢酸グアニジン、p−メタンスルホニルフェニルスルホニル酢酸グアニジン、フェニルプロピオール酸カリウム、フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルプロピオール酸セシウム、p−クロロフェニルプロピオール酸グアニジン、p−フェニレン−ビス−フェニルプロピオール酸グアニジン、フェニルスルホニル酢酸テトラメチルアンモニウム、フェニルプロピオール酸テトラメチルアンモニウムが挙げられる。
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用する場合には、塩基増殖剤を構成する塩基類と、塩基発生剤を構成する塩基類が共通することが好ましい。塩基類が共通することにより、塩基増殖剤の分解が効率よく行われることになる。
塩基増殖剤と塩基発生剤を組み合わせて塩基増殖剤組成物として使用する場合の塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で、塩基増殖剤/塩基発生剤=40/1〜5/20の範囲内とすることが好ましい。塩基増殖剤の配合量が少なすぎると塩基が効率的に発生せず、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある。一方、塩基増殖剤の配合量が多すぎると、塩基発生剤の使用量が増加し、塩基発生剤自体が塩基反応性化合物の溶解性等に悪影響を与える場合があり、また、コスト的にも好ましくない。塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比は、質量比で、塩基増殖剤/塩基発生剤=20/1〜5/5の範囲内とすることが特に好ましい。
次に、本発明の塩基反応性樹脂組成物を説明する。本発明の塩基反応性樹脂組成物は、
前記した塩基増殖剤、あるいは塩基増殖剤及び塩基発生剤(塩基増殖剤組成物)と、塩基の存在によって硬化反応をする塩基反応性化合物を必須成分として含有する。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物は、塩基増殖剤、あるいは塩基増殖剤及び塩基発生剤(塩基増殖剤組成物)により発生した塩基の作用により反応して、架橋等により硬化する化合物であり、例えば、下記No.2−1〜No.6−4の化合物等を使用することができる。特に、例えば、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物、少なくとも1つのアルコキシシリル基やシラノール基等を有しているケイ素系化合物、オキセタン環を含むオキセタン系化合物等を使用することが好ましい。かかる塩基反応性化合物は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
また、塩基増殖剤は、1種を単独で用いるようにしてもよく、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、塩基増殖剤と塩基発生剤を併用して塩基増殖剤組成物として使用する場合には、塩基発生剤は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
使用可能なエポキシ系化合物(エポキシ系樹脂)としては、例えば、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フエニルグリシジルエーテル、アルキルフェノールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、脂肪族ジグリシジルエーテル、多官能グリシジルエーテル、3級脂肪酸モノグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、グリシジルプロポキシトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物はハロゲン化されていてもよく、水素添加されていてもよく、また、これらのエポキシ系化合物は誘導体も含む。そして、これらのエポキシ系化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ケイ素系化合物(ケイ素系樹脂)としては、例えば、アルコキシシラン化合物やシランカップリング剤等を使用することができる。アルコキシシラン化合物としては、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシラン化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルシラン、アクリルシラン、エポキシシラン、アミノシラン等が挙げられる。ビニルシランとして、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。アクリルシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。エポキシシランとしては、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。アミノシランとしては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。その他のシランカップリング剤としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オキセタン系化合物(オキセタン系樹脂)としては、単量体のオキセタン系化合物、2量体のオキセタン系化合物等を使用することができる。使用可能なオキセタン系化合物としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン等のキシリレンジオキセタン、3−エチル−3−(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)オキセタン(あるいは3−(((3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ)メチル)−3−エチルオキセタンとも呼ばれる。)、3−エチルヘキシルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、またはオキセタン化フェノールノボラック等が挙げられる。これらのオキセタン系化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
以下、塩基とエポキシ系化合物との反応挙動を説明する。なお、下記のスキームにあっては、塩基として便宜的にアミンやアミジン(DBU)を用いて説明するものとし、また、R及びR’は、例えば炭素数が1〜12のアルキル基を示すが、特にそれらには限定されない。
まず、第1級や第2級のアミン系では、下記に示したスキーム2のように、例えば、第1級アミンがエポキシ基に付加すると、中間体1となるが、Hとして脱離可能な水素が窒素原子上に2つあるため、このうち1つのHを失って2へと変化する。一方、変化した2は第2級アミンの構造をしているので、もう一度、別のエポキシ系化合物と反応することが可能となり3を生成することになるが、生成した3は第3級アミンの構造をしているが、立体的にエポキシ系化合物と反応することはできない。また、反応は逐次的な付加反応として進行するため、エポキシ系化合物が十分に硬化しない場合が多い。
(スキーム2)
また、第3級アミン系やアミジン系、イミダゾール系、グアニジン類、ホスファゼン誘導体にあっては、第3級アミンやアミジン、イミダゾール、グアニジン類、ホスファゼン誘導体等の塩基が直接付加する場合と、塩基と水からOHが生成し、これがエポキシと反応する場合の2種類が考えられる。塩基が直接付加する場合は、下記に示したスキーム3のように、まず化合物4が生成するが、この場合、窒素原子上には水素が存在しないので、酸素原子上の電荷は消失せず、次のエポキシ系化合物と反応し5を生成することになる。このようにしてエポキシ系化合物との反応は連鎖的に進行するので、1級,2級アミン系のような付加反応機能に比べてエポキシ系化合物との反応効率が格段に高い。
(スキーム3)
一方、塩基と水からOHが生成し、これがエポキシと反応する場合は、下記に示した
スキーム4のように、生成したOHから6が生成するが、この場合も、酸素原子上の電
荷は消失せず、次のエポキシ系化合物と反応し7を生成することになる。従って、前記し
たスキームと同様にエポキシ系化合物との反応は連鎖的に進行し、エポキシ系化合物との
反応効率が格段に高くなる。
(スキーム4)
以下、塩基反応性化合物の具体例を挙げる。なお、下記No.2−1〜No.2−8の高分子化号物(塩基反応性化合物)のうち、No.2−1〜No.2−5の高分子化合物は、塩基の作用により脱離及び脱炭酸の反応を生じる。一方、No.2−6、No.2−7及びNo.2−8の塩基反応性化合物は、塩基の作用により脱離反応を引き起こし、カルボン酸を生じることになる。
なお、前記した塩基反応性化合物No.2−1〜No.2−8は、いずれも塩基の作用で脱離反応を起こし、極性が変換されるポリマー群であり、分解前後で溶解性が変化することを利用してパターニングを行う材料(レジスト材料)等として適用することができる。分解機構例のスキームを下記スキームA及びスキームBに示す。
(スキームA)
(スキームB)
また、塩基反応性化合物の他の例を挙げる。なお、下記No.3−1〜No.3−4の塩基反応性化合物のうち、No.3−1の物質(混合物)は塩基の作用により脱水縮合及び架橋の反応を生じる。No.3−2の物質(混合物)は塩基の作用により脱水縮合及び架橋の反応を生じる。No.3−3の物質(ポリマー)は塩基の作用により脱炭酸の反応を生じる。No.3−4の物質は塩基の作用によりイミド形成の反応を生じる。なお、No.3−1及びNo.3−2において、xは0を超えて1以下の数を示す。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物は、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物を使用することができる。また、少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ系化合物に塩基を作用させることによって、エポキシ系化合物をエポキシ基の開環重合によりポリマーとすることができる。また、エポキシ系化合物に塩基を付加することにより、かかるエポキシ系化合物を化学変性することができる。重合反応性を示すエポキシ系化合物の一例を以下に示す。
また、重合反応性を示すエポキシ系化合物(ポリマー)のその他の例を以下に示す。
また、塩基反応性化合物としては、少なくとも1つのシラノール基またはアルコキシシリル基を有するケイ素系化合物を使用することができる。また、少なくとも2つのシラノール基またはアルコキシシリル基を有するケイ素系化合物に塩基を作用させることによって、かかるケイ素系化合物をシラノール基またはアルコキシシリル基の縮重合によりポリマーとすることができる。重合反応性を示すケイ素系化合物(No.5−2〜No.5−4はポリマー)の具体例を以下に示す。
なお、前記したように、塩基増殖剤や塩基発生剤を構成する塩基類Bとしてグアニジン類やホスファゼン誘導体を採用した場合には、pKaが26〜27程度(アセトニトリル(CHCN)溶媒中)となりアニオン開環重合が起こるため、これを用いるとモノマーが連鎖反応でポリマーに変化するので、かかる塩基増殖剤と、塩基反応性化合物としてラクトン類や環状シロキサンを用いた塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)は、光硬化材料(UV接着、UVインク、UV粘着、UVコーティングなど)に好適となる。塩基反応性化合物として、式(IV)で表されるグアニジン類、式(V)で表されるホスファゼン誘導体によりアニオン重合可能なラクトン及び環状シロキサンの構造の具体例を以下に示す(No.6−1〜No.6−4)。
前記した光塩基発生剤や、本発明の塩基増殖剤と光塩基発生剤を併用して(塩基増殖剤組成物として)、塩基増殖剤及び光塩基発生剤を含有した塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)における照射光の波長及び露光量の範囲としては、光塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)を構成する塩基反応性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、波長として190〜400nm、露光量として100〜10000mJ/cmの範囲内から選択して適用すればよく、後記する増感剤を用いることによりさらに高波長域を使用することも可能である。照射光の照射時間は、数秒でも可能な場合もあるが、概ね10秒以上とすればよく、1.5〜20分とすることが好ましい。
一方、熱塩基発生剤を使用する場合の加熱条件は、使用する熱塩基発生剤の種類や量、及び塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)を構成する塩基反応性化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいが、加熱温度を概ね50〜150℃として、加熱時間を1〜1800分とすればよい。
また、塩基発生剤を併用せず、主成分を塩基増殖剤と塩基反応性化合物として塩基反応性樹脂組成物とする場合には、塩基増殖剤が分解可能な所望の塩基を添加するようにすればよく、塩基増殖剤と共通する塩基を添加することが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物における塩基増殖剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して0.1〜60質量部とすることが好ましい。塩基増殖剤の含有量が0.1質量部より少ないと、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある一方、塩基増殖剤の含有量が60質量部を超えると、塩基増殖剤の存在が塩基反応性化合物の溶媒に対する溶解性に悪影響を与える場合があり、また、過剰量の塩基増殖剤の存在はコスト高に繋がることになる。塩基増殖剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して1〜60質量部とすることがなお好ましく、2〜30質量部とすることがさらに好ましく、2〜20質量部とすることがより好ましく、2〜15質量部とすることが特に好ましい。なお、塩基類として式(IV)や式(V)で表される塩基類第を用いてラクトン類を重合する場合には、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコールを少量共存させることが好ましく、モノマー(塩基反応性化合物)100質量部に対して塩基増殖剤を0.1〜0.5質量部として、アルコールを0.5〜2.0質量部とすることが好ましい。
また、塩基増殖剤と塩基発生剤を併用して塩基反応性化合物に塩基増殖剤組成物として含有させる場合にあっては、塩基発生剤の含有量は、前記した塩基増殖剤と塩基発生剤の配合比に対応させるように塩基発生剤を含有させるようにすることが好ましい。また、塩基反応性化合物100質量部に対して0.5〜30質量部とすることが好ましい。塩基発生剤の含有量が0.5質量部より少ないと、塩基増殖剤に作用せず、塩基反応性化合物を迅速に反応させることができなくなる場合がある一方、塩基発生剤の含有量が30質量部を超えると、塩基増殖剤と同様、塩基発生剤の存在が塩基反応性化合物の溶媒に対する溶解性に悪影響を与える場合があり、また、過剰量の塩基発生剤の存在はコスト高に繋がることになる。塩基発生剤の含有量は、塩基反応性化合物100質量部に対して0.5〜40質量部とすることがなお好ましく、2〜30質量部とすることがさらに好ましく、5〜20質量部とすることが特に好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、塩基反応性化合物として、前記したNo.4−1〜No.4−12等の重合反応性を示すエポキシ系化合物(重合性エポキシ系化合物)、あるいは前記したNo.5−1〜No.5−5等の重合反応性を示すケイ素系化合物(重合性ケイ素系化合物)とすることが好ましい。このような塩基反応性樹脂組成物は、光または熱の作用により、重合し、重合体を与えることとなる。中でも、光により重合反応を開始する塩基反応性化合物を含む塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)とすることが好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物には、さらに、チオール化合物を含有することが好ましい。チオール化合物は、エポキシ系化合物等と併用することにより、エポキシ等の硬化官能基として作用する。チオール化合物としては、チオール基を2個以上有するポリチオール化合物を使用することが好ましく、例えば、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール基を2〜5個有するポリチオール化合物を挙げることができる。これらのうち反応性等や扱いやすさを考慮して、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を使用することが好ましい。これらのチオール化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
チオール化合物の使用量は、例えば、エポキシ系化合物やオキセタン系化合物に対して、チオール当量(SH当量)/エポキシ当量(あるいはオキセタン当量)=0.3/1.7〜1.7/0.3となるようにすることが好ましく、0.8/1.2〜1.2/0.8の比率となるようにすることがより好ましい。この比率が、0.3/1.7〜1.7/0.3の範囲内であれば、未反応のチオール基やエポキシ基(あるいはオキセタン基)が硬化物中に多量に残存することを防止でき、硬化物の機械特性の低下傾向を抑制できる。
本発明に係る塩基反応性樹脂組成物を用いてパターンを形成するには、例えば、当該樹脂組成物を有機溶媒に溶解して塗布液を調製し、調製された塗布液を基板等の適当な固体表面に塗布し、乾燥して塗膜を形成するようにする。そして、形成された塗膜に対して、パターン露光を行って塩基を発生させた後、所定の条件で加熱処理を行って、塩基反応性樹脂組成物に含有される塩基反応性化合物の重合反応を促すようにする。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、本発明の塩基増殖剤を含有するため、室温でも重合反応は進行するが、重合反応を効率よく進行させるべく、加熱処理を施すことが好ましい。加熱処理の条件は、露光エネルギー、使用する塩基増殖剤から発生する塩基の種類、エポキシ系化合物またはケイ素系化合物等の塩基反応性化合物の種類によって適宜決定すればよいが、加熱温度は50℃〜150℃範囲内とすることが好ましく、60℃〜130℃の範囲内とすることが特に好ましい。また、加熱時間は10秒〜60分とすることが好ましく、60秒〜30分とすることが特に好ましい。これを露光部と未露光部とで溶解度に差を生じる溶媒中に浸漬して現像を行ってパターンを得ることができる。
本発明の塩基反応性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物として使用する場合、感光波長領域を拡大し、感度を高めるべく、増感剤を添加することができる。使用できる増感剤としては、特に限定はないが、例えば、ベンゾフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)またはコロネン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を感光性樹脂組成物として使用する場合、増感剤の添加量は、使用する光塩基発生剤や塩基反応性化合物、及び必要とされる感度等により適宜決定すればよいが、塩基反応性樹脂組成物全体に対して1〜30質量%の範囲であることが好ましい。増感剤が1質量%より少ないと、感度が十分に高められないことがある一方、増感剤が30質量%を超えると、感度を高めるのに過剰となることがある。増感剤の添加量は、塩基反応性樹脂組成物全体に対して5〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物を所定の基材に塗布等する場合にあっては、必要により、溶媒を適宜含有するようにしてもよい。塩基反応性樹脂組成物に溶媒を含有させることにより、塗布能力を高めることができ、作業性が良好となる。溶媒としては、特に限定はないが、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワラン等の飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種類を単独で用いるようにしてもよく、また、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
本発明の塩基反応性樹脂組成物において、溶媒の含有量は、例えば、所定の基材上に塩基反応性樹脂組成物を塗布し、塩基反応性樹脂組成物による層を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。
なお、本発明の塩基反応性樹脂組成物には、本発明の目的及び効果を妨げない範囲において、添加剤を適宜添加するようにしてもよい。使用することができる添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤、硬化促進剤、充填剤等が挙げられ、これらの1種類を単独で用いるようにしてもよく、2種類以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
以上説明した本発明の塩基反応性樹脂組成物は、本発明の塩基増殖剤、あるいは本発明の塩基増殖剤と塩基発生剤と塩基反応性化合物を含有することにより、塩基増殖剤から発生する塩基とエポキシ系化合物等との反応が連鎖的に進行し、硬化速度及び反応効率に優れたものとなり、硬化が速やかに実施され、硬化が十分になされる塩基反応性樹脂組成物となる。かかる効果を奏する本発明の塩基反応性樹脂組成物は、例えば、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等に好適に用いることができる。
光硬化材料として適用された成形体は、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等の特性が有効とされる分野の部材等として、例えば、塗料または印刷インキ、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築材料の構成部材として広く用いられ、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材または建築部材等が提供される。また、形成されたパターン等は、耐熱性や絶縁性を備え、例えば、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、電子部品、半導体装置、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材または電子部材として有利に使用することができる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
前記した実施形態では、本発明の塩基反応性樹脂組成物を構成する塩基反応性化合物の例として、No.2−1〜No.6−4の化合物を挙げたが、使用することができる塩基反応性化合物はこれらには限定されず、塩基の作用により反応して、架橋等により硬化する任意の化合物を使用することができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例に何ら限定されるものではない。
[製造例1]
カルボン酸の製造(1):
下記(1)(2)の操作を用いて、式(III−a)に示すカルボン酸を製造した。
(1)中間体の製造:
二口フラスコにアセト酢酸tert−ブチル(tBAA)0.30g(1.9×10−3mol)、トリエチルアミン0.20g(1.9×10−3mol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解させ、0℃で10分攪拌した。また、バイアルに下記式(III−a1)に示したクロロぎ酸9−フルオレニルメチル0.50g(1.9×10−3mol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解させた後、二口フラスコに入れた。二口フラスコの混合物を室温で2時間以上攪拌した後、クロロホルム(CHCl)を50ml入れ、塩酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液の順で抽出し、硫酸マグネシウム適量を加えた後、酢酸エチルとヘキサンを酢酸エチル/ヘキサン=1/20の展開溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより分離し、下記式(III−a2)に示した中間体の黄色粘性液体を収量0.26g(0.68×10−3mol)、収率36%で得た。
(2)カルボン酸の製造:
二口フラスコに(1)で得られた中間体を0.85g(2.2×10−3mol)、p−トルエンスルホン酸0.08g(0.49×10−3mol)、ベンゼン20mlを入れ、80℃で3時間以上還流した。還流後、酢酸エチルとヘキサンを酢酸エチル/ヘキサン=1/5の展開溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより分離し、式(III−a)に示したカルボン酸の白色固体を収量0.44g(1.4×10−3mol)、収率64%で得た。
[製造例2]
カルボン酸の製造(2):
下記(1)(2)の操作を用いて、式(III−b)に示すカルボン酸を製造した。
(1)中間体の製造:
二口フラスコにアセト酢酸tert−ブチル0.34g(2.2×10−3mol)、トリエチルアミン0.23g(2.3×10−3mol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解させ、0℃で10分攪拌した。また、バイアルに下記式(III−b1)に示した2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニルメチルクロロホーメート0.80g(2.2×10−3mol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解させた後、二口フラスコに入れた。二口フラスコの混合物を室温で2時間以上攪拌した後、クロロホルム(CHCl)を50ml入れ、塩酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液の順で抽出し、硫酸マグネシウムを適量加えた後、酢酸エチルとヘキサンを酢酸エチル/ヘキサン=1/20の展開溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより分離し、下記式(III−b2)に示した中間体の白色固体を収量0.31g(0.63×10−3mol)、収率29%で得た。
(2)カルボン酸の製造:
二口フラスコに(1)で得られた中間体を1.43g(2.9×10−3mol)、p−トルエンスルホン酸0.10g(0.58×10−3mol)、ベンゼン60mlを入れ、80℃で3時間以上還流した。還流後、酢酸エチルとヘキサンを酢酸エチル/ヘキサン=1/5の展開溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーにより分離し、式(III−b)に示したカルボン酸の白色固体を収量0.70g(1.6×10−3mol)、収率55%で得た。
[実施例1]
塩基増殖剤の製造(1):
二口フラスコに前記の方法で得られた式(III−a)に示したカルボン酸0.20g(0.62×10−3mol)をジメチルエーテル100mlに入れて0℃で攪拌混合した。また、バイアルに塩基であり式(IV−c)で示した1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン(TBD)0.08g(0.58×10−3mol)をジメチルエーテル100mlに入れて超音波混合した後、二口フラスコに入れた。二口フラスコ中の混合物を0℃で1時間攪拌して反応させた。反応終了後、吸引ろ過して溶媒を除去し、下記式(X−a)で表される本発明の塩基増殖剤の白色固体を収量0.12g(0.26×10−3mol)、収率47%で得た(酸/塩基=1/1)。
[実施例2]
塩基増殖剤の製造(2):
二口フラスコに前記の方法で得られた式(III−b)に示したカルボン酸0.136g(0.31×10−3mol)をジメチルエーテル200mlに入れて0℃で攪拌混合した。また、バイアルに塩基であり式(IV−c)で示した1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン(TBD)0.042g(0.30×10−3mol)をジクロロメタン200mlに入れて超音波混合した後、二口フラスコに入れた。二口フラスコ中の混合物を0℃で1時間攪拌して反応させた。反応終了後、濃縮して溶媒を除去し、下記式(X−b)で表される本発明の塩基増殖剤の白色固体を粗収量0.179g(0.31×10−3mol)、粗収率100%で得た(酸/塩基=1/0.95)。
[実施例3]
塩基増殖剤の製造(3):
二口フラスコに前記の方法で得られた式(III−b)に示したカルボン酸0.30g(0.69×10−3mol)をジメチルエーテル60mlに入れて0℃で攪拌混合した。また、バイアルに塩基であり式(V−e)で示したホスファゼン誘導体であるイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン0.11g(0.62×10−3mol)をジメチルエーテル60mlに入れて超音波混合した後、二口フラスコに入れた。二口フラスコ中の混合物を0℃で1時間攪拌して反応させた。反応終了後、濃縮して溶媒を除去し、下記式(X−b2)で表される本発明の塩基増殖剤の白色固体を粗収量0.41g(0.67×10−3mol)、粗収率108%で得た(酸/塩基=1/0.98)。
[製造例3]
カルボン酸の製造(3)
二口フラスコにインドール−3−酢酸(IBA)酸5.6g(23×10−3mol)、3−(4−ヒドロ−キシフェニル)プロピオン酸(HPPA)5.2g(31×10−3mol)、炭酸セシウム(CsCO)28g(86×10−3mol)、1,4−ジオキサン100mlを入れて混合した後、20分間窒素置換した。窒素置換後、トリス(2− (2−メトキシエトキシ)エチル)アミン(TDA−1)0.9g(2.8×10−3mol)、塩化銅(I)(CuCl)0.27g(2.7×10−3mol)を入れ、110℃で20時間還流した。還流後、濃縮し、得られた生成物に0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液を加えた後ろ過した。ろ過後、1Mの塩酸水溶液と酢酸エチルで3回抽出し、硫酸マグネシウムを適量加えた後、濃縮、減圧乾燥し、硫酸12mlを加え、85℃で1時間加熱攪拌した。加熱攪拌後、放冷し、氷を投入した。酢酸エチルで3回抽出した。硫酸マグネシウムを加え、濃縮し、トルエンで3回再結晶することにより、式(VII−a)で表されるメチルキサントン酢酸の白色固体を収量1.59g(5.9×10−3mol)、収率26%で得た。
塩基発生剤の製造(1):
式(VII−a)に示したメチルキサントン酢酸0.30g(1.1×10−3mol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液に、式(IV−c)に示したTBD0.16g(1.1×10−3mol)を滴下後、室温で1時間混合した後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をテトラヒドロフラン(THF)で洗浄、減圧乾燥することで、下記(H−a)で表される塩基発生剤の白色固体を0.26g(収率58%)得た。
塩基発生剤の製造(2):
前記した式(VII−a)に示したメチルキサントン酢酸0.10g(0.37×10−3mol)のエタノール溶液に、式(V−e)に示したイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン0.16g(0.37×10−3mol)を滴下後、室温で1時間混合することで得られた黄色粘性液体をエーテルで洗浄することで、下記式(H−b)で表される塩基発生剤の黄色粘性液体を0.10g(収率60%)得た。
[試験例1]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(1):
塩基増殖剤は、スキーム1に示すように、塩基の添加により分解反応が起こり、塩基及びケトン(本実施例ではアセトン)とともに、実施例1の塩基増殖剤ではDBF(ジベンゾフルベン)、実施例2及び実施例3の塩基増殖剤ではtBDBF(ジ−tert−ブチルジベンゾフルベン)が発生する。下記の方法を用いて、塩基増殖剤の分解挙動を確認した。
NMR試料管に、実施例2で得られた塩基増殖剤0.030g(69×10−3mol/L)、塩基であり式(IV−c)で示した1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン(TBD)0.001g(13×10−3mol/L)、重テトラヒドロフラン(あるいは重トルエン)0.75ml、メシチレン1.3μl(13×10−3mol/L)を入れ、封管した後50℃で所定の時間加熱した。そして、H−NMRにより、発生するtBDBF中のオレフィンピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(オレフィンの生成)を確認し、塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間と生成率との関係を図1(溶媒 重THF)及び図2(溶媒 重トルエン)に示す。なお、オレフィンの生成率は、H−NMRスペクトルより算出した。
図1及び図2に示すように、塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(TBD)が添加された系は、増殖反応特有の非線形反応の曲線が得られ、塩基を添加しない系より効率よく分解し、オレフィンを生成することが確認できた。
また、発生したTBDの収量を表1に示す。表1に示すように、塩基を添加した系、塩基を添加しない系ともに定量的にTBDが発生していることがわかった。
(TBDの収量)
[試験例2]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(2)
NMR試料管に、実施例3で得られた塩基増殖剤0.030g(69×10−3mol/L)、塩基であり式(V−e)で示したホスファゼン誘導体1.7μl(13×10−3mol/L)、重ベンゼン0.75ml、メシチレン1.3μl(13×10−3mol/L)を入れ、封管した後50℃で所定の時間加熱した。そして、H−NMRにより、発生するtBDBF中のオレフィンピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(オレフィンの生成)を確認し、塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間と生成率との関係を図3(溶媒 重ベンゼン)に示す。なお、オレフィンの生成率は、試験例1と同様にして算出した。
図3に示すように、塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(ホスファゼン誘導体)が添加された系は、増殖反応特有の非線形反応の曲線が得られ、塩基を添加しない系より効率よく分解し、オレフィンを生成することが確認できた。
[試験例3]
高分子固体(ポリスチレン)中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(1):
ポリスチレン(Aldroch社製、Mw=250000)0.12gに対して、実施例2で得られた塩基増殖剤0.20g(30mol%)(ポリスチレン100質量部に対して167質量部)、塩基であり式(IV−c)で示した1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン(TBD)0.006g(4mol%)、(ポリスチレン100質量部に対して約5質量部)を含有させることにより樹脂組成物とした。かかる樹脂組成物を、キャスト溶媒としてジクロロエタン(CHCl)3mlに溶解させて試料溶液とし、この試料溶液を3000rpmで30秒間シリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて60℃で1分間プリベイクすることにより製膜した。この膜を50℃で所定の時間加熱して、IRスペクトルにより、転化するカルボニル基(C=O)のピーク(1757cm−1)を追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動を確認し、塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間と添加率との関係を図4に示す。なお、カルボニル基の転化率は、加熱開始前のピーク強度を基準として算出した。
図4に示すように、塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(TBD)が添加された系は、緩やかな分解を示す30分間の誘導期間の後、急激に分解が進行する非線形な分解挙動を示した。これは系中で塩基の濃度が増大し、ある閾値を超えたときに分解が爆発的に進行したことを意味し、すなわち塩基増殖反応が進行したことを意味する。一方、塩基を添加していない系では、塩基増殖剤の分解はほとんど見られなかった。以上のことから、塩基増殖剤が少量の塩基を引き金として高分子固体中で自己触媒的に分解することが確認できた。
[実施例4]
塩基反応性樹脂組成物の製造(1):
式(No.4−12)に表されるエポキシ系化合物であるポリグリシジルメタクリレート(PGMA,M=10000)0.1gに対して、式(H−a)で表される塩基発生剤を0.004g(PGMAのモノマーユニットに対して1.5mol%)(PGMA100質量部に対して4.0質量部)、実施例2で得られた塩基増殖剤を0.002g(PGMAのモノマーユニットに対して0.5mol%)(PGMA100質量部に対して2.0質量部)含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
[実施例5]
塩基反応性樹脂組成物の製造(2):
実施例4において、塩基増殖剤の含有量を0.004g(PGMAのモノマーユニットに対して1.0mol%)(PGMA100質量部に対して4.0質量部)とした以外は実施例4と同様な方法を用いて、本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
[実施例6]
塩基反応性樹脂組成物の製造(3):
実施例4において、塩基増殖剤の含有量を0.008g(PGMAのモノマーユニットに対して2.0mol%)(PGMA100質量部に対して8.0質量部)とした以外は実施例4と同様な方法を用いて、本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
[参考例1]
樹脂組成物の製造(1)
実施例4において、塩基増殖剤を含有させなかった以外は実施例4と同様な方法を用いて、樹脂組成物を得た。
[試験例4]
光不溶化挙動の確認(1):
実施例4で得られた塩基反応性樹脂組成物を1.5gのクロロホルムに溶解させた。この試料溶液を3000rpmで30秒間シリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で15秒間プリベイクすることにより、厚さ0.6μmの膜を作製した。この膜に365nmの単色光を照射し、ポストベイクの温度を80℃として30分間実施し、クロロホルムで30秒間現像し、残っている膜の厚さを測定した。そして、同様な操作を、実施例5で得られた塩基反応性樹脂組成物、並びに参考例1で得られた樹脂組成物に対して実施し、それぞれについて露光量と残膜率との関係(感度曲線)を作成した。得られた感度曲線を図5に示す。
図5に示すように、塩基増殖剤の添加量が増えるにつれて残膜率が高くなり、増殖反応が進行して光不溶化挙動が起こっていることが確認できた。
[実施例7〜実施例9]
塩基反応性樹脂組成物の製造(4):
エポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(EX−614B/ナガセケムテックス(株)製)(M=406)0.25g(0.62×10−3mol)、チオール化合物であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT(登録商標)PE−1/昭和電工(株)製)0.042g(エポキシ系化合物に対して1/8倍mol)(0.077×10−3mol)、式(H−a)で表される塩基発生剤をエポキシ系化合物に対して3.0mol%(エポキシ系化合物100質量部に対して3.0質量部)に、実施例2で得られた塩基増殖剤を下記のように含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
(塩基増殖剤の含有量)
含有量(g) mmol エポキシ系化合物に対して
実施例7 0.005 0.0087 1.5mol%
実施例8 0.010 0.017 3.0mol%
実施例9 0.020 0.035 6.0mol%
[参考例2]
樹脂組成物の製造(2):
実施例7において、塩基増殖剤を含有させなかった以外は実施例7と同様な方法を用いて、樹脂組成物を得た。
[試験例5]
硬化確認(1):
実施例7、実施例8及び実施例9及び参考例2で得られた塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)等をジクロロエタン(CHCl)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、50℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ1.7μmの塗膜を調製した。この塗膜に365nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、1000及び10000mJ/cmとして、50℃で5分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行い、比較・評価した。結果を図6に示す。
図6は、試験例5における露光量と鉛筆硬度との関係を示した図である。図6に示すように、塩基増殖剤を添加する程に硬化が進行することが確認できた。また、最高硬度として5Hのものが得られた(実施例9、露光量 10000mJ/cm)。
[実施例10〜実施例12]
塩基反応性樹脂組成物の製造(5):
エポキシ系化合物であるソルビトールポリグリシジルエーテル(EX−614B/ナガセケムテックス(株)製)(M=406)0.25g(0.62×10−3mol)、チオール化合物であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT(登録商標)PE−1/昭和電工(株)製)0.042g(エポキシ系化合物に対して1/8倍mol)(0.077×10−3mol)、式(H−b)で表される塩基発生剤をエポキシ系化合物に対して3.0mol%(エポキシ系化合物100質量部に対して3.0質量部)に、実施例3で得られた塩基増殖剤を下記のように含有させることにより本発明の塩基反応性樹脂組成物を得た。
(塩基増殖剤の含有量)
含有量(g) mmol エポキシ系化合物に対して
実施例10 0.006 0.0098 1.5mol%
実施例11 0.011 0.018 3.0mol%
実施例12 0.023 0.037 6.0mol%
[参考例3]
樹脂組成物の製造(3):
実施例10において、塩基増殖剤を含有させなかった以外は実施例10と同様な方法を用いて、樹脂組成物を得た。
[試験例6]
硬化確認(2):
実施例10、実施例11及び実施例12及び参考例3で得られた塩基反応性樹脂組成物(感光性樹脂組成物)等を試験例5と同様な方法を用いてJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行い、比較・評価した。結果を図7に示す。
図7は、試験例6における露光量と鉛筆硬度との関係を示した図である。図7に示すように、塩基増殖剤を添加する程に硬化が進行することが確認できた。また、最高硬度として3Hのものが得られた(実施例12、露光量 1000、10000mJ/cm)。
[実施例13]
塩基増殖剤の製造(4)
チオフェノール2.0g(18mmol)とブロモエタンジオール2.8g(18mmol)を200ml四つ口フラスコに入れ、KOHを溶かした水を溶媒として室温で3時間攪拌した。反応後クロロホルムで抽出を行いヘキサン:酢酸エチル=2:1の混合溶媒を展開溶媒としてカラムクロマトグラフィーにより分離精製することにより白色固体の3−(フェニルチオ)プロパン−1,2−ジオールを収量2.0g(収率55%)で得た。
1.0g(5.4mmol)の3−(フェニルチオ)プロパン−1,2−ジオールとアセト酢酸エチル0.7g(5.4mmol)をDean−Starkを装着した300ml三口フラスコに入れ触媒量のp−トルエンスルホン酸とベンゼンを加え、8時間環流攪拌した。ベンゼンを減圧留去した後、ヘキサン:酢酸エチル=8:1の混合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーを行い、無色粘性液体のエチル2−(2−メチル−4−((フェニルチオ)メチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)アセテートを収量0.8g(収率50%)で得た。
0.8g(2.7mmol)のエチル2−(2−メチル−4−((フェニルチオ)メチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)アセテートを300ml三口フラスコに入れ、KOHとエタノールを加え、80℃で4時間環流攪拌した。反応終了後、エタノールを減圧留去し、クロロホルムで抽出することにより、無色透明液体の2−(2−メチル((フェニルチオ)メチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)酢酸を収量0.6g(収率82%)で得た。
0.8g(3.0mmol)の2−(2−メチル((フェニルチオ)メチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)酢酸とm−クロロ過安息香酸2.1g(12mmol)を300ml三口フラスコに入れ、ジクロロメタンを加えて室温で8時間還流した。その後、反応液をクロロホルムで抽出し、酢酸エチル:ヘキサン=1:1の混合溶液でカラムクロマトグラフィーを行い、白色固体の2−(2−メチル−4−((フェニルスルホニル)メチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)酢酸を収量0.4g(収率43%)で得た。
2−(2−メチル−4−((フェニルスルホニル)メチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)酢酸0.100g(0.30mmol)と式(IV−c)で示した1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン(TBD)0.05g(0.30mmol)をメタノール中で1時間攪拌した後、メタノールを減圧留去することで、無色透明の下記式(X’−a)で表される塩基増殖剤を収量0.15g(収率99%)で得た。
[試験例7]
溶液中での塩基増殖剤の分解挙動の確認(3)
NMR試料管に、実施例13で得られた塩基増殖剤0.020g、塩基であり式(IV−c)で示した1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン(TBD)0.002g、重テトラヒドロフラン(THF)0.75ml、メシチレン1.3μl(13×10−3mol/L)を入れ、封管した後70℃で所定の時間加熱した。そして、H−NMRにより、発生するアセトンのピーク及び転化するメチル基のピークを追跡することにより、塩基増殖剤の分解挙動(アセトンの生成及びメチル基の転化)を確認し、塩基を添加しない場合と比較した。加熱時間と生成率との関係を図8、加熱時間と転化率との関係を図9に示す。なお、アセトンの生成率は、H−NMRスペクトルから算出した。
図8及び図9に示すように、塩基増殖剤を構成する塩基と共通する塩基(TBD)が添加された系は、増殖反応特有の非線形反応の曲線が得られ、塩基を添加しない系より効率よく分解し、アセトンを生成、メチル基を転化することが確認できた。
本発明は、高感度の光硬化材料やレジスト材料(パターン形成材料)等を提供する材料として有利に使用することができる。

Claims (7)

  1. 下記式(X)、下記式(X’)または下記式(X−1)で表されることを特徴とする塩基増殖剤。
    (式(X)及び式(X’)中、R及びRはそれぞれ、独立して水素、置換基または電子吸引性基であり、その少なくとも一方は電子吸引性基である。R、R、R、Rはそれぞれ、独立して水素または置換基である。前記置換基は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアリールアルキル基であり、前記電子吸引性基は、フルオレニル基、有機スルホキシド基、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルボニル基、アミド基、ピリジル基であり、前記有機スルホキシド基はAr−SO−で表され、Arは有機基、を示す。B は塩基類であり、第3級アミン、あるいは下記式(I)、式(II)、式(IV)、式(IV−c)、式(IV−d)、式(IV−e)、式(IV−f)、式(IV−g)、式(IV−h)、式(V)、式(V−c)及び式(V−d)で示される塩基のいずれか、を示す。)
    (式(X−1)中、R 、R はそれぞれ、独立して水素または置換基を示す。前記置換基は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基または炭素数7〜15のアリールアルキル基、を示す。B は塩基類であり、第3級アミン、あるいは下記式(I)、式(II)、式(IV)、式(IV−c)、式(IV−d)、式(IV−e)、式(IV−f)、式(IV−g)、式(IV−h)、式(V)、式(V−c)及び式(V−d)で示される塩基のいずれか、を示す。)
    (式(I)中、nは1〜3の整数を示す。)
    (式(II)中、Rはそれぞれ、独立して水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基(S等のヘテロ原子を含んでもよい。)、またはフェニル基、を示す。)
    (式(IV)中、R〜Rはそれぞれ、独立して水素原子、アルキル基またはアリール基(アルキル基は環状構造でもよい。)を示す。)
    (式(V)中、R〜Rはそれぞれ、独立して水素原子、アルキル基またはアリール基(アルキル基は環状構造でもよい。)を示す。)
  2. 請求項に記載の塩基増殖剤及び塩基反応性化合物を含有することを特徴とする塩基反応性樹脂組成物。
  3. 請求項に記載の塩基増殖剤と、塩基発生剤及び塩基反応性化合物を含有することを特徴とする塩基反応性樹脂組成物。
  4. 前記塩基発生剤が光塩基発生剤であることを特徴とする請求項に記載の塩基反応性樹脂化合物。
  5. 前記塩基増殖剤を構成する塩基と前記塩基発生剤を構成する塩基が共通することを特徴とする請求項または請求項に記載の塩基反応性樹脂組成物。
  6. 前記塩基反応性化合物がエポキシ系化合物、ケイ素系化合物及びオキセタン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載の塩基反応性樹脂組成物。
  7. さらに、チオール化合物を含むことを特徴とする請求項ないしは請求項のいずれかに記載の塩基反応性樹脂組成物。
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