JPWO2014132814A1 - ピロリン酸塩の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ピロリン酸塩、特に、難燃剤として有用なピロリン酸メラミンを、高収率で効率的に製造する方法を提供するものであり、具体的には、オルトリン酸塩、好ましくはオルトリン酸メラミンを、シリコーンオイル、好ましくはメチルフェニルシリコーンオイル存在下で、好ましくは120〜350℃の温度範囲で焼成する方法を提供するものである。焼成装置としては、熱風乾燥機、ニーダー、ヘンシェルミキサー、流動層乾燥機、ロータリーキルン、パドルドライヤー、押出し機、振動乾燥機、遠赤外線コンベア炉、マイクロ波焼成炉等を用いることができる。

Description

本発明は、ピロリン酸塩の製造方法に関し、特に、難燃剤として有用なピロリン酸メラミンの製造方法に関する。
ピロリン酸塩、特にピロリン酸メラミンは、縮合リン酸であるピロリン酸とメラミンが結合した化合物であり、塗料や合成樹脂等に添加する難燃剤として有用な物質であるため、従来から、種々の製造方法が提案されている。
例えば、水溶液中でメラミンと塩酸を混合してメラミン塩酸塩とし、これにピロリン酸ナトリウムを加えてピロリン酸メラミンの沈殿を生成させる製造方法が開示されている(特許文献1)。しかしこの方法では、高価なピロリン酸塩を原料として使用することや、ハロゲンを除去するための水洗工程や濾過工程が必要となるので製造コストが高くなるという問題があった。
また、水溶液中で、ピロリン酸とメラミンを0〜60℃で反応させてピロリン酸メラミンを製造することも開示されている(特許文献2参照)。しかし、この場合も高価なピロリン酸を原料として使用することや、濾過工程が必要となるので製造コストが高くなるという問題があった。
また、オルトリン酸メラミンを焼成することで、固相状態で脱水縮合反応を行いピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミンを製造することが開示されている。(特許文献3、4、5参照)
しかし、オルトリン酸メラミンを固相状態で焼成し、脱水縮合反応によってピロリン酸メラミン等のピロリン酸塩を製造する場合には、焼成装置の内壁や撹拌羽根等の撹拌機構に未反応の原料や生成物が付着する場合がある。これは生成する水や、過剰反応により生成する粘着性のトリリン酸塩、ポリリン酸塩等の過反応体の影響であり、これらにより、焼成装置の内壁や撹拌羽根等に強固な付着物が形成され、均一な加熱・焼成ができなくなったり、付着ロスにより収率が低下したりする等の問題があった。
特公昭49−25675号公報 米国特許第4,950,757号明細書 特公昭40−28594号公報 特開2001−26597号公報 米国特許出願公開2013/0294994号明細書
従って本発明は、ピロリン酸塩を、高収率で効率的に製造する方法を提供することにある。
本発明者は上記の諸目的を達成すべく鋭意検討した結果、シリコーンオイル存在下で、オルトリン酸塩を焼成することによって容易に目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、オルトリン酸塩を、シリコーンオイル存在下で焼成することを特徴とするピロリン酸塩の製造方法を提供するものである。
また本発明は、オルトリン酸塩が、オルトリン酸メラミンである前記ピロリン酸塩の製造方法を提供するものである。
また本発明は、シリコーンオイルが、メチルフェニルシリコーンオイルである前記製造方法を提供するものである。
また本発明は、焼成する温度が120〜350℃の温度範囲であることを特徴とする前記製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、ピロリン酸塩、特にピロリン酸メラミンを、高収率で効率良く提供することができる。
以下、本発明の製造方法について詳述する。
本発明の製造方法で、製造されるピロリン酸塩としては、ピロリン酸アンモニウム、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸アセトグアナミン、ピロリン酸ベンゾグアナミン、ピロリン酸アクリルグアナミン、ピロリン酸2,4−ジアミノ−6−ノニル−1,3,5−トリアジン、ピロリン酸2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、ピロリン酸2−アミノ−4,6−ジハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、ピロリン酸2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、ピロリン酸2,4−ジアミノ−6−エトキシ−1,3,5−トリアジン、ピロリン酸2,4−ジアミノ−6−プロポキシ−1,3,5−トリアジン、ピロリン酸2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、ピロリン酸2,4−ジアミノ−6−メルカプト−1,3,5−トリアジン、ピロリン酸2−アミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
さらに例を挙げると、ピロリン酸N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、ピロリン酸エチレンジアミン、ピロリン酸N,N’−ジメチルエチレンジアミン、ピロリン酸N,N’−ジエチルエチレンジアミン、ピロリン酸N,N−ジメチルエチレンジアミン、ピロリン酸N,N−ジエチルエチレンジアミン、ピロリン酸N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピロリン酸1,2−プロパンジアミン、ピロリン酸1,3−プロパンジアミン、ピロリン酸テトラメチレンジアミン、ピロリン酸ペンタメチレンジアミン、ピロリン酸ヘキサメチレンジアミン、ピロリン酸1、7−ジアミノへプタン、ピロリン酸1,8−ジアミノオクタン、ピロリン酸1,9ージアミノノナン、ピロリン酸1,10−ジアミノデカン、ピロリン酸ピペラジン、ピロリン酸trans−2,5−ジメチルピペラジン、ピロリン酸1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、ピロリン酸1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン等が挙げられる。
特に好ましいピロリン酸塩としては、高収量で、ピロリン酸塩を効率良く得られることから、ピロリン酸メラミンが挙げられる。
ピロリン酸塩の原料となるオルトリン酸塩の例としては、上記で例示した、ピロリン酸塩に対応するオルトリン酸塩が挙げられる。
オルトリン酸塩は、正塩を使用しても良いし、酸性塩を使用しても良く、それらの混合物を使用しても良い。また対応する塩基を過剰に含んでいても良い。
特に好ましい例としては、高収量で、ピロリン酸塩を効率良く得られることから、オルトリン酸メラミンを原料とするピロリン酸メラミンの製造が挙げられる。原料のオルトリン酸メラミンは、オルトリン酸1モルに対して、メラミン1モルが結合したオルトリン酸メラミンが好ましい。
本発明のピロリン酸塩の製造方法は、オルトリン酸塩を焼成することにより、脱水縮合反応が進行し、ピロリン酸塩化する。
オルトリン酸塩の焼成は、固相状態での焼成が好ましい。また、焼成は、水分を含んでいても可能であり、水性のスラリー状態でも可能である。
オルトリン酸塩の焼成温度は、通常、120〜350℃であり、得られるピロリン酸塩の純度と生産効率の点から、150℃〜300℃が好ましく、160〜280℃がより好ましい。120℃より低いとピロリン酸化反応が十分に進まない場合があり、350℃を超えると、トリリン酸塩やそれ以上に脱水縮合反応の進んだポリリン酸塩が生成する場合がある。
オルトリン酸塩の焼成時間は、温度条件によって、オルトリン酸塩からピロリン酸塩への脱水縮合反応が完了するまで、適宜行えばよい。
また原料のオルトリン酸塩は、焼成する前に、粉砕や微細化を行ってもよい。粉砕装置や微細化装置としては、ボールミル、ロッドミル、ハンマーミル、アトリションミル、ミクロンミル、コロイドミル、ジェットミル、シングルトラックジェットミル、カウンタージェットミル、ピンディスクミル、ジェットオーマイザー、イノマイザー等が挙げられる。
本発明で使用されるシリコーンオイルの例としては、ポリシロキサンの側鎖、末端が全てメチル基であるジメチルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコーンオイル、ポリシロキサンの側鎖の一部が水素であるメチルハイドロジェンシリコーンオイル等や、これらのコポリマーが挙げられる。また、これらの側鎖及び/又は末端の一部に有機基を導入した、アミン変性、エポキシ変性、脂環式エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メルカプト変性、ポリエーテル変性、長鎖アルキル変性、フロロアルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、高級脂肪酸アミド変性、シラノール変性、ジオール変性、フェノール変性及び/又はアラルキル変性した変性シリコーンオイルを使用してもよい。
特に焼成装置の内壁や撹拌羽根等の撹拌機構に付着物が付着しにくい点から、メチルフェニルシリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルの具体例を挙げると、ジメチルシリコーンオイルとしては、KF−96(信越化学(株)製)、KF−965(信越化学(株)製)、KF−968(信越化学(株)製)等が挙げられ、メチルハイドロジェンシリコーンオイル又はメチルハイドロジェンポリシロキサン構造を有するシリコーンオイルとしては、KF−99(信越化学(株)製)、KF−9901(信越化学(株))、HMS−151(Gelest社製)、HMS−071(Gelest社製)、HMS−301(Gelest社製)、DMS−H21(Gelest社製)等が挙げられる。またメチルフェニルシリコーンオイルの例としては、KF−50(信越化学(株)製)、KF−53(信越化学(株)製)、KF−54(信越化学(株)製)、KF−56(信越化学(株)製)等が挙げられる。エポキシ変性品としては、例えば、X−22−343(信越化学(株)製)、X−22−2000(信越化学(株)製)、KF−101(信越化学(株)製)、KF−102(信越化学(株)製)、KF−1001(信越化学(株)製)、カルボキシル変性品としては、例えば、X−22−3701E(信越化学(株)製)、カルビノール変性品としては、例えば、X−22−4039(信越化学(株)製)、X−22−4015(信越化学(株)製)、アミン変性品としては、例えば、KF−393(信越化学(株)製)等が挙げられる。
シリコーンオイルの使用量は、焼成するオルトリン酸塩100質量部に対して、0.01質量部〜2質量部が好ましく、0.05質量部〜0.5質量部がより好ましく、0.1質量部〜0.3質量部が最も好ましい。0.01質量部未満だと付着物が多くなる場合があり、2質量部を超えると、生成物の物性に影響が出る可能性や、流動性が増し過ぎて、連続式の焼成反応において焼成反応が十分に進まない可能性がある。
本発明の製造方法に使用される焼成装置としては、加熱混錬装置や、温風乾燥装置、焼成炉等を用いることができ、例えば、押出し機、ヘンシェルミキサー、フラッシュミキサー、パドルミキサー、バンバリーミキサー、リボンミキサー、粉砕混合機、SCプロセッサ、プラストミル、KRCニーダー、真空ニーダー、加圧ニーダー、焼成炉、バッチ焼成炉、プッシャー炉、メッシュベルト炉、流動焼成炉、ダブルシャフト方式連続焼成炉、遠赤外線加熱炉、遠赤外線コンベア炉、マイクロ波焼成炉、るつぼ炉、熱風乾燥機、流動層乾燥機、振動乾燥機、振動流動層乾燥機、攪拌乾燥機、気流乾燥機、通気乾燥機、棚式乾燥機、ドライマイスター、ドラムドライヤー、エアドライヤー、マイクロウェーブドライヤー、スプレードライヤー、ディスクドライヤー、コニカルドライヤー、パドルドライヤー、ホッパードライヤー、ロータリードライヤー、ロータリーキルン、ローラーハースキルン、トンネルキルン、シャトルキルン、等が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、焼成装置の内壁や撹拌羽根等の撹拌機構等に、付着物が少ないため、目的物を効率的に、収量よく製造できる。
本発明の製造方法で得られたピロリン酸塩は、合成樹脂用難燃剤として好適に用いることができる。
以下本発明を実施例及び比較例によって、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1(ピロリン酸メラミンの製造:熱風乾燥機使用)
オルトリン酸メラミン100g、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)0.2gの混合物の入ったステンレス製バットを、熱風乾燥機(espec社製LC−234)中に入れ、時々、ステンレス製の撹拌羽根で撹拌しながら加熱し、温度200〜260℃で焼成を3時間行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末94g(理論収量96gに対する収率98%)を得た。焼成後の撹拌羽根及びバットには付着物がほとんど見られなかった。
実施例2(ピロリン酸メラミンの製造:ニーダー使用)
オルトリン酸メラミン 1,000g、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)2gを、オイルジャケット付きのニーダーを使用して加熱撹拌し、温度200〜250℃で焼成を3時間行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末 920g(理論収量 960gに対する収率 96%)を得た。焼成後のニーダーのブレード及び内壁には付着物がほとんど見られなかった。
実施例3(ピロリン酸メラミンの製造:ヘンシェルミキサー使用)
オルトリン酸メラミン 30Kg、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)60gを、熱媒を通したヘンシェルミキサー(三井鉱山製、FM150J/T)を使用して加熱撹拌し、温度200〜250℃で焼成を3時間行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末28kg(理論収量28.8Kgに対する収率97%)を得た。焼成後のヘンシェルミキサーの羽根及び内壁には付着物がほとんど見られなかった。
実施例4(ピロリン酸メラミンの製造:流動層乾燥機使用)
オルトリン酸メラミン100質量部に対して、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)0.2質量部混合した混合物を、流動層乾燥機((株)大川原製作所製)に、1時間当たり、5Kgの割合で、トータルで250Kg投入し、温度230〜260℃で焼成を連続で行った。合計50時間の連続運転でピロリン酸メラミンの白色粉末を216Kg(理論収量240Kgに対する収率90%)得た。連続運転後の流動層乾燥機の内壁には付着物がほとんど見られなかった。
実施例5(ピロリン酸メラミンの製造:ロータリーキルン使用)
オルトリン酸メラミン100質量部に対して、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)0.2質量部混合した混合物を、ロータリーキルン((株)栗本鐵工所製IRK−100)に、1時間当たり、5Kgの割合で、トータルで250Kg投入し、温度200〜260℃で焼成を連続で行った。合計50時間の連続運転でピロリン酸メラミンの白色粉末を216Kg(理論収量240Kgに対する収率90%)得た。連続運転後のロータリーキルンの内壁には付着物がほとんど見られなかった。
実施例6(ピロリン酸メラミンの製造:パドルドライヤー使用)
オルトリン酸メラミン100質量部に対して、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)0.2質量部混合した混合物を、パドルドライヤー((株)奈良機械製作所製NPD−3W−G)に、1時間当たり、3Kgの割合で、トータルで210Kg投入し、温度200〜260℃で焼成を連続で行った。合計70時間の連続運転でピロリン酸メラミンの白色粉末を180Kg(理論収量200Kgに対する収率90%)得た。連続運転後のパドルドライヤーの羽根及び内壁には付着物がほとんど見られなかった。
実施例7(ピロリン酸メラミンの製造:押出し機使用)
オルトリン酸メラミン100質量部に対して、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)0.2質量部混合した混合物を、押出し機(日本製鋼所製、TEX44αII−52.5BW)に、1時間当たり、5Kgの割合で、トータルで250Kg投入し、温度120〜280℃で焼成を連続で行った。合計50時間の連続運転でピロリン酸メラミンの白色粉末を218Kg(理論収量240Kgに対する収率91%)得た。連続運転後の押出し機のスクリュー及びシリンダー内壁には付着物がほとんど見られなかった。
実施例8(ピロリン酸メラミンの製造:振動乾燥機使用)
オルトリン酸メラミン22Kg、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)40gを、振動乾燥機(中央加工機(株)製)を使用して加熱撹拌し、温度200〜260℃で焼成を3時間行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末20.5Kg(理論収量21Kgに対する収率98%)を得た。焼成後の振動乾燥機の内壁には付着物がほとんど見られなかった。

実施例9(ピロリン酸メラミンの製造:遠赤外線コンベア炉使用)
オルトリン酸メラミン100質量部に対して、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)0.2質量部混合した混合物を、遠赤外線コンベア炉((株)ノリタケカンパニ−リミテド製LF−AN2−154)に、1時間当たり3Kgの割合で、トータルで150Kg投入し、温度220〜230℃で焼成反応を連続で行った。合計50時間の連続運転でピロリン酸メラミンの白色粉末130Kg(理論収量144Kgに対する収率90%)を得た。連続運転後の遠赤外線コンベア炉のコンベアには付着物がほとんど見られなかった。
実施例10(ピロリン酸メラミンの製造:マイクロ波焼成炉使用)
オルトリン酸メラミン100g、メチルフェニルシリコーンオイル(信越シリコーンKF−50、信越化学工業(株)製)0.2gの混合物の入ったセラミックス製容器をマイクロ波焼成炉((株)小松原社製)中に入れ、時々焼成炉から出して撹拌しながら加熱し、温度200〜280℃で焼成を行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末94g(理論収量96gに対する収率98%)を得た。焼成後の容器内壁には付着物がほとんど見られなかった。
比較例1(熱風乾燥機使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例1と同様にして焼成を行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末75g(理論収量96gに対する収率78%)を得た。焼成後の撹拌羽及びバットには付着物が多く見られた。
比較例2(ニーダー使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例2と同様にして焼成を行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末768g(理論収量960gに対する収率80%)を得た。焼成後のニーダーのブレード及び内壁には付着物が多く見られた。
比較例3(ヘンシェルミキサー使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例3と同様にして焼成を行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末23Kg(理論収量28.8Kgに対する収率80%)を得た。焼成後のヘンシェルミキサーの羽根及び内壁には付着物が多く見られた。
比較例4(流動層乾燥機使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例4と同様にして焼成を行ったが、内壁への付着が多く過反応が進行してしまい、30時間の運転で終了した。ピロリン酸メラミンの白色粉末は120Kg(理論収量144Kgに対する収率83%)得た。連続運転後の流動層乾燥機の内壁には付着物が多く見られた。
比較例5(ロータリーキルン使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例5と同様にして焼成を行ったが、内壁への付着が多く過反応が進行してしまい、25時間の運転で終了した。ピロリン酸メラミンの白色粉末を95Kg(理論収量112Kgに対する収率85%)得た。連続運転後のロータリーキルンの内壁には付着物が多く見られた。
比較例6(パドルドライヤー使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例6と同様にして焼成を行ったが、内壁への付着が多く過反応が進行してしまい、35時間の運転で終了した。ピロリン酸メラミンの白色粉末を80Kg(理論収量100Kgに対する収率80%)得た。連続運転後のパドルドライヤーの羽根及び内壁には付着物が多く見られた。

比較例7(押出し機使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例7と同様にして焼成を行ったが、トルク上昇及び過反応が進行してしまい20時間の運転で終了した。ピロリン酸メラミンの白色粉末を75Kg(理論収量96Kgに対する収率78%)得た。連続運転後の押出し機のスクリュー及びシリンダー内壁には付着物が多く見られた。
比較例8(振動乾燥機使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例8と同様にして焼成を行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末 18Kg(理論収量21Kgに対する収率86%)を得た。焼成後の振動乾燥機の内壁には付着物が多く見られた。
比較例9(遠赤外線コンベア炉使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例9と同様にして焼成を行ったが、内壁への付着が多く過反応が進行してしまい、30時間の運転で終了した。ピロリン酸メラミンの白色粉末73Kg(理論収量86Kgに対する収率85%)を得た。連続運転後の遠赤外線コンベア炉のコンベアには付着物が多く見られた。
比較例10(マイクロ波焼成炉使用)
メチルフェニルシリコーンオイルを使用しない以外は実施例10と同様にして焼成を行い、ピロリン酸メラミンの白色粉末75g(理論収量96gに対する収率78%)を得た。焼成後の容器内壁には付着物が多く見られた。

Claims (4)

  1. オルトリン酸塩を、シリコーンオイル存在下で焼成することを特徴とするピロリン酸塩の製造方法。
  2. オルトリン酸塩が、オルトリン酸メラミンである請求項1記載のピロリン酸塩の製造方法。
  3. シリコーンオイルが、メチルフェニルシリコーンオイルである請求項1又は2記載のピロリン酸塩の製造方法。
  4. 焼成する温度が120〜350℃の温度範囲であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のピロリン酸塩の製造方法。
JP2015502860A 2013-03-01 2014-02-14 ピロリン酸塩の製造方法 Active JP6360033B2 (ja)

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