JPWO2014109039A1 - 車両内監視システムおよび車両内監視方法 - Google Patents

Abstract

複数の監視カメラ１および緊急呼出装置２と、表示器４と、情報制御装置３とを備え、監視カメラ１で撮像された映像を用いて車両内を監視する車両内監視システムであって、情報制御装置３には、緊急呼出装置２のＩＰアドレスと監視カメラ１のＩＰアドレスとが１対１または１対多の関係で対応付けて格納されるテーブルが設定され、情報制御装置３は、操作された緊急呼出装置２からの呼出信号２ａを受信したとき、テーブルに基づいて、複数の監視カメラ１のＩＰアドレスの中から、操作された緊急呼出装置２に対応する監視カメラ１のＩＰアドレスを特定し、複数の監視カメラ１からの撮像データ１ａの中から、特定した監視カメラ１からの撮像データ１ａを選択し、表示器４に送信する。

Description

本発明は、鉄道車両に適用される車両内監視システムおよび車両内監視方法に関する。

近年、車両内で発生した犯罪、事件、および事故を記録するために、鉄道車両には監視カメラが設置されることが多くなってきている。この監視カメラの映像を確認する方法は、大別して３つの方法がある。

１つ目の確認方法は、車両内における安全確認のために、運転手もしくは車掌が、運転台に設置された表示器を介して、監視カメラで撮像された映像をリアルタイムに確認する方法である。この確認方法は、例えば、駅出発前に、車両扉に挟まれているものがないことや、車両扉に乗客が挟まれていないことを確認する場合に用いられる。２つ目の確認方法は、車両運用中に監視カメラで撮像された映像の撮像データを運転台の表示器に表示し、あるいは記録装置に記録し続け、事件や事故が発生したとき、記録された撮像データを用いてその事件等が発生した時間帯の映像を確認する方法である。これら２つの確認方法によれば、監視カメラで撮像された映像が運転台の表示器に表示されるため、事件等が発生した場合、運転手等は表示器に表示される映像を確認することになる。

そして、３つ目の確認方法は、車両内の緊急呼出装置が操作されたとき、その緊急呼出装置の周辺を撮像している監視カメラからの映像を運転台の表示器に表示させる方法である。例えば、事件等が発生した際に乗客により緊急呼出装置が操作された場合、車掌等がその場所へすぐに駆けつけることも必要であるが、状況を速やかに確認するため監視カメラの映像を確認したい場合がある。３つ目の確認方法はこのような場合に適した方法である。なお、緊急呼出装置が操作された際に状況を速やかに確認する方法としては、この他にも、車両と司令室をネットワークで結び、司令室の担当者が現在の状況を把握する方法も考えられる。

監視領域内における事件等を正確に捉えることができる監視操作システムとして、下記特許文献１に示される従来技術は、駅のプラットホーム等に複数の監視ポールを設置したシステムである。この従来技術では、監視ポールに付随する非常通報手段が操作されたとき、操作されたポールの近傍に配置された他のポールに内蔵される監視カメラを制御して、操作されたポール付近を集中的に撮像するように構成されている。そして、各監視ポールおよび緊急操作システムは、ＬＡＮを介して監視制御手段に接続されている。

また、下記特許文献２に示される従来技術は、カメラと表示器と非常用押しボタンとを備えた映像手段を鉄道車両内に複数台設置し、異常事態が発生したとき、そのボタンが押された映像手段のカメラで撮像された映像を乗務員室内の表示装置に表示するシステムである。

特願２００４−１３５０８２号公報（段落「００４２」、段落「００４３」など） 特願２００１−３１２２３８号公報（段落「００４１」〜段落「００４４」、図２７など）

近年の鉄道車両は、ぎ装配線の削減やデジタル機器の普及により、車両内ネットワークがイーサネット（登録商標）を用いて構築されることが多い。そして鉄道車両は様々な用途にあわせて製造されるため、設置される監視カメラが車両に合わせて様々な角度に設置される。すなわち、監視カメラと緊急呼出装置との位置関係は車両毎に異なる。そのため、列車内の所定の場所に設けられた緊急呼出装置が操作されたとき、どの監視カメラの映像を表示すべきかは、監視カメラと緊急呼出装置との位置関係によって異なる。

ところが、上記特許文献１に示される従来技術は車両内に設けられた監視カメラおよび緊急呼出装置を想定したシステムではなく、またこの従来技術には、非常通報操作された監視ポールとこの監視ポールの近傍に設けられた監視ポールとの具体的な関係性が開示されていない。

また、上記特許文献２に示される従来技術は車両内に設けられているものの、この従来技術では緊急呼出装置がカメラと一体的に設けられているため、非常用押しボタンが操作された緊急呼出装置のカメラでは、その映像手段の前方付近しか撮像することができない。また、この従来技術では、乗務員室に設置された表示装置と表示装置の制御装置と緊急呼出装置とが車両内ネットワークで接続されているものの、これらの装置はシステムとして連携していない。なお、撮像方向を変更可能なカメラを用いることで映像手段の周囲を撮像することができるようにも思われるが、鉄道車両に搭載される機器は車両の振動規格を満たす必要があり、このようなカメラでは可動機構が設けられているため振動規格を満たすことができない。従って、鉄道車両には撮像方向が固定されるカメラが用いられおり、このようなことから上記のような課題が生じる。

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両内の状況をより詳細に撮像し、撮像された映像を表示させる車両内監視システムおよび車両内監視方法を得ることを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、列車の車両に搭載された複数の監視カメラおよび緊急呼出装置と、前記車両内で伝送される情報を表示する表示器と、前記監視カメラからの撮像データを前記表示器に送信する情報制御装置とを備え、前記監視カメラで撮像された映像を用いて車両内を監視する車両内監視システムであって、前記情報制御装置には、前記緊急呼出装置のＩＰアドレスと前記監視カメラのＩＰアドレスとが１対１または１対多の関係で対応付けて格納されるテーブルが設定され、前記情報制御装置は、操作された緊急呼出装置からの呼出信号を受信したとき、前記テーブルに基づいて、複数の監視カメラのＩＰアドレスの中から、操作された緊急呼出装置に対応する監視カメラのＩＰアドレスを特定し、複数の監視カメラからの撮像データの中から、特定した監視カメラからの撮像データを選択し、前記表示器に送信すること、を特徴とする。

この発明によれば、列車内ネットワークを用いて監視カメラと緊急呼出装置とを連携させるようにしたので、車両内の状況をより詳細に撮像し、撮像された映像を表示させることができる、という効果を奏する。

図１は、本発明の実施の形態１にかかる車両内監視システムの構成機器を搭載した鉄道車両を示す図である。 図２は、車両内監視システムの構成図である。 図３は、情報制御装置の構成図である。 図４は、複数の監視カメラおよび緊急呼出装置の設置例を示す図である。 図５は、複数の監視カメラおよび緊急呼出装置に設定されたＩＰアドレスの例を示す図である。 図６は、情報制御装置に設定されるテーブルを示す図である。 図７は、本発明の実施の形態１にかかる車両内監視システムの動作を示すフローチャートである。 図８は、本発明の実施の形態２にかかる情報制御装置の構成図である。 図９は、第１のテーブルの構成を示す図である。 図１０は、第２のテーブルの構成を示す図である。 図１１は、本発明の実施の形態２にかかる車両内監視システムの動作を示すフローチャートである。

以下に、本発明に係る情報制御装置、車両内監視システム、および車両内監視方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１にかかる車両内監視システムの構成機器を搭載した鉄道車両を示す図である。図２は、車両内監視システムの構成図である。図３は、情報制御装置の構成図である。図４は、複数の監視カメラおよび緊急呼出装置の設置例を示す図である。図５は、複数の監視カメラおよび緊急呼出装置に設定されたＩＰアドレスの例を示す図である。図６は、情報制御装置３に設定されるテーブルを示す図である。図７は、本発明の実施の形態１にかかる車両内監視システムの動作を示すフローチャートである。

図１に示される車両５には、列車搭載機器の一例として、運転台に設置された表示器４と、監視カメラ１と、緊急呼出装置２と、監視カメラ１と表示器４との間における通信を制御する情報制御装置３とが設置されている。

表示器４は、中継装置６を介して各機器から送信された列車運行上の情報を表示し、この情報には、例えば列車搭載機器の状態情報や、監視カメラ１で撮像された映像の撮像データなどが含まれる。撮像データを受信した表示器４では、監視カメラ１で撮像された映像が復元され、その映像が表示される。また表示器４には、例えば接触位置に応じて操作を受け付けるタッチパネルが表示画面上に配置されている。

監視カメラ１は、車両内もしくは車両外を撮像して、監視カメラ１で撮像された映像を電子データに符号化し、このデータを撮像データとして車両内通信路に送出する。緊急呼出装置２は、例えば車両内で非常事態が発生した際、乗客が乗務員を呼び出すものであり、入力操作により呼出信号２ａを情報制御装置３に対して送信する。この呼出信号２ａには緊急呼出装置２のＩＰアドレスが含まれている。

図２において、車両５−１（１号車）には一例として表示器４と情報制御装置３と中継装置６−１と複数の監視カメラ１−１１，１−１２と複数の緊急呼出装置２−１１，２−１２とが設置されている。車両５−２（２号車）には一例として中継装置６−２と複数の監視カメラ１−２１，１−２２と複数の緊急呼出装置２−２１，２−２２とが設置されている。同様に、車両５−３（３号車）には一例として中継装置６−３と複数の監視カメラ１−３１，１−３２と複数の緊急呼出装置２−３１，２−３２とが設置されている。

中継装置６は、例えば各車両に１台以上設置され、車両間通信路を介して相互に接続され、車両間に伝送される情報の通信機能を有する。中継装置６−１には、車両内通信路を介して、情報制御装置３と複数の監視カメラ１−１１，１−１２と複数の緊急呼出装置２−１１，２−１２とが接続される。中継装置６−２には、車両内通信路を介して、複数の監視カメラ１−２１，１−２２と複数の緊急呼出装置２−２１，２−２２とが接続される。同様に、中継装置６−３には、車両内通信路を介して、複数の監視カメラ１−３１，１−３２と複数の緊急呼出装置２−３１，２−３２とが接続される。

情報制御装置３は車両内通信路を介して表示器４および中継装置６に接続されている。図３において、情報制御装置３は、テーブル１０、ＩＰアドレス特定部１１、および撮像データ選択部１２を有して構成されている。

ＩＰアドレス特定部１１は、緊急呼出装置２からの呼出信号２ａを受信したとき、テーブル１０を参照して、呼出信号２ａに含まれる緊急呼出装置２のＩＰアドレスに基づいて、車両内に設けられた複数の監視カメラ１の中から、操作された緊急呼出装置２を含む車両内の状況を撮像する１または複数の監視カメラ１のＩＰアドレスを特定する。

撮像データ選択部１２は、複数の監視カメラ１から送信される撮像データ１ａの中から、ＩＰアドレス特定部１１で特定されたＩＰアドレスの監視カメラ１からの撮像データ１ａのみを選択し、選択された撮像データ１ａを表示器４に送信する。

図４には複数の監視カメラおよび緊急呼出装置の設置例が示されている。図４（ａ）に示される車両５−１では、一例として４つの監視カメラ１−１１〜１−１４と４つの緊急呼出装置２−１１〜２−１４とが設置されている。緊急呼出装置２は、車両扉７の近傍に設置され、監視カメラ１−１１，１−１４は車両進行方向側に設けられ、監視カメラ１−１２，１−１３は車両中央部に設けられている。なお、監視カメラ１−１２、１−１３は、監視カメラ１−１１，１−１４の撮像方向（矢印で示される方向）と対向するように配置されている。

緊急呼出装置２−１１は監視カメラ１−１１，１−１２で撮像可能な位置に設置され、緊急呼出装置２−１２は監視カメラ１−１１，１−１４で撮像可能な位置に設置され、緊急呼出装置２−１３は監視カメラ１−１３，１−１４で撮像可能な位置に設置され、緊急呼出装置２−１４は監視カメラ１−１３，１−１１で撮像可能な位置に設置されている。従って、監視カメラ１−１２，１−１３の撮像範囲に存在しない緊急呼出装置２−１２は、監視カメラ１−１１，１−１４で撮像することができる。

図４（ｂ）に示される車両５−１では、図４（ａ）に示される監視カメラ１−１２，１−１３が省かれ、２つの監視カメラ１−１１，１−１４と４つの緊急呼出装置２−１１〜２−１４とが設置されている。この場合、監視カメラ１−１４の撮像範囲に存在しない緊急呼出装置２−１４は監視カメラ１−１１で撮像することができる。

図４（ｃ）に示される車両５−１では、車両中央部にて撮像方向が互いに対向するように設置された２つの監視カメラ１−１５，１−１６と、４つの緊急呼出装置２−１１〜２−１４とが設置されている。この場合、監視カメラ１−１５の撮像範囲に存在しない緊急呼出装置２−１２は監視カメラ１−１６で撮像することができる。

図４（ｄ）に示される車両５−１では、車両側面に設置され、撮像方向が車両側面側に向かうように設置された４つの監視カメラ１−１７〜１−２０と、４つの緊急呼出装置２−１１〜２−１４とが設置されている。この場合、監視カメラ１−１８の撮像範囲に存在しない緊急呼出装置２−１１は監視カメラ１−１７で撮像することができる。

図５には、図４（ａ）に示される各機器のＩＰアドレスが示され、図６には、これらのＩＰアドレスが対応付けられたテーブル１０の一例が示されている。テーブル１０には、複数の緊急呼出装置２のＩＰアドレスと監視カメラ１のＩＰアドレスとが、シリアル番号１，２，・・・ｎ（ｎは０を除く整数）に関連付けられて格納されている。

図７を用いて動作を説明する。情報制御装置３のＩＰアドレス特定部１１では、まず緊急呼出装置２からの呼出信号２ａを受信したか否かが判断される。例えば、ＩＰアドレス「１９２．１６８．７０．１０１」の緊急呼出装置２−１１が操作された場合、ＩＰアドレス特定部１１にはこの緊急呼出装置２−１１からの呼出信号２ａが送信される。

この呼出信号２ａがＩＰアドレス特定部１１で受信されたとき（ステップＳ１，Ｙｅｓ）、ＩＰアドレス特定部１１は、呼出信号２ａに含まれるＩＰアドレスとテーブル１０とに基づいて、複数の監視カメラ１の中から、このＩＰアドレスの緊急呼出装置２−１１を含む車両内の状況を撮像することができるＩＰアドレス「１９２．１６８．７０．１」，「１９２．１６８．７０．２」，「１９２．１６８．７０．４」の監視カメラ１−１１，１−１２，１−１４を特定する（ステップＳ２）。

撮像データ選択部１２は、複数の監視カメラ１から送信される撮像データ１ａの中から、ステップＳ３で特定された監視カメラ１−１１，１−１２，１−１４からの撮像データ１ａを選択し、選択した撮像データ１ａを表示器４に送信する（ステップＳ３）。撮像データ１ａを受信した表示器４では、上記ＩＰアドレスの監視カメラ１で撮像された複数の映像が表示される（ステップＳ４）。

なお、前述したように監視カメラ１と緊急呼出装置２との位置関係は車両毎に異なるため、情報制御装置３は、車両毎に作成された複数のテーブル１０を用いて監視カメラ１からの撮像データ１ａを選択するように構成することが望ましい。

以上に説明したように本実施の形態に係る車両内監視システムは、列車の車両に搭載された複数の監視カメラ１および緊急呼出装置２と、車両内で伝送される情報を表示する表示器４と、監視カメラ１からの撮像データ１ａを表示器４に送信する情報制御装置３とを備え、監視カメラ１で撮像された映像を用いて車両内を監視する車両内監視システムであって、情報制御装置３には、緊急呼出装置２のＩＰアドレスと監視カメラ１のＩＰアドレスとが１対１または１対多の関係で対応付けて格納されるテーブル１０が設定され、情報制御装置３は、操作された緊急呼出装置２からの呼出信号２ａを受信したとき、テーブル１０に基づいて、複数の監視カメラ１のＩＰアドレスの中から、操作された緊急呼出装置２に対応する監視カメラ１のＩＰアドレスを特定し、複数の監視カメラ１からの撮像データ１ａの中から、特定した監視カメラ１からの撮像データ１ａを選択し、表示器４に送信する。この構成により、列車内ネットワークを用いて監視カメラ１と緊急呼出装置２とを連携させることができ、操作された緊急呼出装置２を中心とした車両内の状況をより詳細に撮像することができる。

実施の形態２．
実施の形態２は、所定の端末から他の複数の端末へ通信を行うことが可能なマルチキャスト方式を用いた構成例である。なおマルチキャストアドレスに対して送出されるデジタルデータをマルチキャストパケットと呼ぶ。実施の形態１と異なる点としては、各監視カメラ１が、後述する第２のテーブル２１で指定されたマルチキャストアドレスに対して撮像データ１ａを送信している点と、情報制御装置３Ａが、後述する第１のテーブル２０に基づいて、操作が行われた緊急呼出装置２に関連するマルチキャストアドレスを指定して、このマルチキャストアドレスからのマルチキャストパケットを受信するように構成されている点である。以下、実施の形態１と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。

図８は、本発明の実施の形態２にかかる情報制御装置の構成図である。情報制御装置３Ａは、マルチキャストアドレス特定部１１Ａ、撮像データ抽出部１２Ａ、および第１のテーブル２０を有して構成されている。

図９は、第１のテーブルの構成を示す図である。第１のテーブル２０は、緊急呼出装置２に関連するマルチキャストドメインのアドレスを指定するためのテーブルである。第１のテーブル２０には、一例として１号車に設置された複数の緊急呼出装置２のＩＰアドレスと複数のマルチキャストアドレスとが、シリアル番号１，２，・・・ｎ（ｎは０を除く整数）に関連付けられて格納されている。

図１０は、第２のテーブルの構成を示す図である。第２のテーブル２１は、監視カメラ１がどのマルチキャストアドレスに対して撮像データ１ａを送信するかを設定するためのテーブルである。第２のテーブル２１には、一例として、１号車に設置された監視カメラ１のＩＰアドレスとマルチキャストアドレスとが、シリアル番号１，２，・・・ｎ（ｎは０を除く整数）に関連付けられて格納されている。

図１１は、本発明の実施の形態２にかかる車両内監視システムの動作を示すフローチャートである。以下、図１１を用いて動作を説明する。マルチキャストアドレス特定部１１Ａでは、緊急呼出装置２からの呼出信号２ａを受信したか否かが判断される（ステップＳ１０）。例えばＩＰアドレス「１９２．１６８．７０．１０１」の緊急呼出装置２が操作された場合、マルチキャストアドレス特定部１１Ａにはこの緊急呼出装置２からの呼出信号２ａが送信される。

この呼出信号２ａがマルチキャストアドレス特定部１１Ａで受信されたとき（ステップＳ１０，Ｙｅｓ）、マルチキャストアドレス特定部１１Ａは、第１のテーブル２０に基づいて、呼出信号２ａの発信元の緊急呼出装置２のＩＰアドレスに対応するマルチキャストアドレス「２３９．０．０．１０１」，「２３９．０．０．１０２」，「２３９．０．０．１０４」を特定する（ステップＳ１１）。

マルチキャストアドレス特定部１１Ａは、この特定したマルチキャストアドレスを指定して、このマルチキャストアドレスからのマルチキャストパケットのみ受信する。このマルチキャストパケットには、例えばＩＰアドレス「１９２．１６８．７０．１」，「１９２．１６８．７０．２」，「１９２．１６８．７０．４」の監視カメラ１からの撮像データ１ａが含まれている。

そして、撮像データ抽出部１２Ａは、マルチキャストパケットの中から撮像データ１ａを抽出し、抽出した撮像データ１ａを表示器４に出力する（ステップＳ１２）。このことにより、指定されたマルチキャストアドレスからの撮像データ１ａが表示器４に送信され、この撮像データ１ａを受信した表示器４には、監視カメラ１で撮像された複数の映像が表示される（ステップＳ１３）。

以上に説明したように本実施の形態に係る車両内監視システムは、列車の車両に搭載された複数の監視カメラ１および緊急呼出装置２と、車両内で伝送される情報を表示する表示器４と、監視カメラ１からの撮像データ１ａを表示器４に送信する情報制御装置３とを備え、監視カメラ１で撮像された映像を用いて車両内を監視する車両内監視システムであって、情報制御装置３には、緊急呼出装置２のＩＰアドレスと、マルチキャストアドレスとが１対１または１対多の関係で対応付けて格納される第１のテーブル２０が設定され、監視カメラ１には、監視カメラ１のＩＰアドレスと、マルチキャストアドレスとが対応付けて格納される第２のテーブル２１が設定され、監視カメラ１は、第２のテーブル２１のＩＰアドレスに対応するマルチキャストアドレスに対し撮像データ１ａを送信し、情報制御装置３は、操作された緊急呼出装置２からの呼出信号２ａを受信したとき、第１のテーブル２０に基づいて、複数の監視カメラ１のＩＰアドレスの中から、操作された緊急呼出装置２に対応するマルチキャストアドレスを特定し、特定したマルチキャストアドレスから送信されるマルチキャストパケット内の撮像データ１ａを表示器４に送信する。このようにマルチキャストアドレスを用いた場合でも、監視カメラ１と緊急呼出装置２とを連携させることができ、実施の形態１と同様の効果を得ることができる。

実施の形態３．
実施の形態２では、指定したマルチキャストアドレスから送信された複数の撮像データ１ａを表示器４に送信するように構成されている。ただし、運転台に設置される表示器４は例えば十数インチ程度の大きさであるため、多数のカメラ映像を同時に表示させた場合、運転手にとって非常に見づらくなる。

実施の形態３の情報制御装置３には、例えば図４（ａ）に示されるような図形、すなわち、緊急呼出装置２および監視カメラ１の設置状態を模式的に表す図形のデータが車両毎に設定されている。そして、例えば１号車の所定の緊急呼出装置２が操作されたとき、情報制御装置３は、この呼出信号の発信元の緊急呼出装置２が設置された車両（１号車）に対応する図形データを表示器４に出力する。そして表示器４は、この図形データに基づいて、車両内の監視カメラ１および緊急呼出装置２を表示し、画面上に表示された監視カメラ１が操作されたとき、その監視カメラ１からの映像のみを拡大して表示する。このことにより、特定の監視カメラ１で撮像された映像のみ表示器４に表示することができ、車両内で発生した事件等を早期に確認することができる。

実施の形態４．
列車に搭載されるデータ記録装置（図示せず）はその記録容量が制約されるため、データ記録装置では撮像データ１ａが一定期間記録された後に消去される。実施の形態３の情報制御装置３は、緊急呼出装置２が操作された時を起点としてその前後の一定期間に撮像された撮像データ１ａは消去しないことを示すフラグを、実施の形態１の情報制御装置３で特定した監視カメラからの撮像データに付与し（または実施の形態２の情報制御装置３Ａで特定したマルチキャストアドレスからの撮像データに付与し）、その撮像データ１ａをデータ記録装置に記録させるように構成されている。

このことにより、フラグが付与されていない撮像データ１ａを消去することができ、データ記録装置の記録容量を有効に活用しながら、事件等が発生した時点の前後の一定期間に撮像された映像を用いて事件等の調査を行うことができる。

なお、実施の形態１〜４で用いられるテーブル（１０，２０，２１）は地上側の装置（図示せず）で更新され、この更新されたテーブルが地上無線装置および車上無線装置（図示せず）を介して情報制御装置（３，３Ａ）に記録される。例えば、特定の車両で同様の事件等が複数回発生したことに起因して、その場所に設置された緊急呼出装置２の周辺を重点的に撮像できるように地上側でテーブルが更新された場合、情報制御装置は最新のテーブルを用いて表示器４に表示させる映像を選択することができる。

なお、本発明の実施の形態にかかる情報制御装置は、本発明の内容の一例を示すものであり、更なる別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略するなど、変更して構成することも可能であることは無論である。

以上のように、本発明は、主に情報制御装置に適用可能であり、特に、車両内の状況をより詳細に撮像し、撮像された映像を表示させることができる発明として有用である。

１，１−１１，１−１２，１−１３，１−１４，１−１５、１−１６，１−１７，１−１８，１−１９，１−２０，１−２１，１−２２，１−３１，１−３２ 監視カメラ、１ａ 撮像データ、２，２−１１，２−１２，２−１３，２−１４，２-２１，２−２２，２−３１，２−３２ 緊急呼出装置、２ａ 呼出信号、３，３Ａ 情報制御装置、４ 表示器、５，５−１，５−２，５−３ 車両、６，６−１，６−２，６−３ 中継装置、７ 車両扉、１０ テーブル、１１ ＩＰアドレス特定部、１１Ａ マルチキャストアドレス特定部、１２ 撮像データ選択部、１２Ａ 撮像データ抽出部、２０ 第１のテーブル、２１ 第２のテーブル。

特開２００４−１３５０８２号公報（段落「００４２」、段落「００４３」など） 特開２００１−３１２２３８号公報（段落「００４１」〜段落「００４４」、図２７など）

Claims (7)

1. 列車の車両に搭載された複数の監視カメラおよび緊急呼出装置と、前記車両内で伝送される情報を表示する表示器と、前記監視カメラからの撮像データを前記表示器に送信する情報制御装置とを備え、前記監視カメラで撮像された映像を用いて車両内を監視する車両内監視システムであって、
   前記情報制御装置には、前記緊急呼出装置のＩＰアドレスと前記監視カメラのＩＰアドレスとが１対１または１対多の関係で対応付けて格納されるテーブルが設定され、
   前記情報制御装置は、操作された緊急呼出装置からの呼出信号を受信したとき、前記テーブルに基づいて、複数の監視カメラのＩＰアドレスの中から、操作された緊急呼出装置に対応する監視カメラのＩＰアドレスを特定し、複数の監視カメラからの撮像データの中から、特定した監視カメラからの撮像データを選択し、前記表示器に送信すること、
   を特徴とする車両内監視システム。
2. 列車の車両に搭載された複数の監視カメラおよび緊急呼出装置と、前記車両内で伝送される情報を表示する表示器と、前記監視カメラからの撮像データを前記表示器に送信する情報制御装置とを備え、前記監視カメラで撮像された映像を用いて車両内を監視する車両内監視システムであって、
   前記情報制御装置には、前記緊急呼出装置のＩＰアドレスと、マルチキャストアドレスとが１対１または１対多の関係で対応付けて格納される第１のテーブルが設定され、
   前記監視カメラには、前記監視カメラのＩＰアドレスと、マルチキャストアドレスとが対応付けて格納される第２のテーブルが設定され、
   前記監視カメラは、前記第２のテーブルのＩＰアドレスに対応するマルチキャストアドレスに対し撮像データを送信し、
   前記情報制御装置は、操作された緊急呼出装置からの呼出信号を受信したとき、前記第１のテーブルに基づいて、複数のマルチキャストアドレスの中から、操作された緊急呼出装置に対応するマルチキャストアドレスを特定し、特定したマルチキャストアドレスから送信されるマルチキャストパケット内の撮像データを前記表示器に送信すること、
   を特徴とする車両内監視システム。
3. 前記情報制御装置には、車両内の緊急呼出装置および監視カメラの設置状態を模式的に表す図形データが車両毎に設定され、
   前記情報制御装置は、前記呼出信号を受信したとき、この呼出信号の発信元の緊急呼出装置が設置された車両に対応する前記図形データを前記表示器に出力し、
   前記表示器は、この図形データに基づいて、車両内の緊急呼出装置および監視カメラを表示し、画面上に表示された監視カメラが操作されたとき、この監視カメラで撮像される映像を表示することを特徴とする請求項１または２に記載の車両内監視システム。
4. 前記情報制御装置は、前記緊急呼出装置が操作された時を起点としてその前後の一定期間に撮像された撮像データは消去しないことを示すフラグを、前記特定した監視カメラからの撮像データに付与して、列車に搭載されたデータ記録装置に記録させることを特徴とする請求項１に記載の車両内監視システム。
5. 前記情報制御装置は、前記緊急呼出装置が操作された時を起点としてその前後の一定期間に撮像された撮像データは消去しないことを示すフラグを、前記特定したマルチキャストアドレスから送信されるマルチキャストパケット内の撮像データに付与して、列車に搭載されたデータ記録装置に記録させることを特徴とする請求項２に記載の車両内監視システム。
6. 列車の車両に搭載された複数の監視カメラおよび緊急呼出装置と、前記車両内で伝送される情報を表示する表示器とを備え、前記監視カメラで撮像された映像を用いて車両内を監視する車両内監視システムで実行される車両内監視方法であって、
   操作された緊急呼出装置からの呼出信号を受信したとき、前記各緊急呼出装置のＩＰアドレスと前記各監視カメラのＩＰアドレスとが１対１または１対多の関係で対応付けて格納されるテーブルに基づいて、複数の監視カメラのＩＰアドレスの中から、操作された緊急呼出装置に対応する監視カメラのＩＰアドレスを特定するＩＰアドレス特定ステップと、
   複数の監視カメラからの撮像データの中から、前記ＩＰアドレス特定ステップで特定されたＩＰアドレスの監視カメラから送信される撮像データを選択する撮像データ選択ステップと、
   前記撮像データ選択ステップで選択された撮像データを前記表示器に送信する送信ステップと、
   を含むことを特徴とする車両内監視方法。
7. 列車の車両に搭載された複数の監視カメラおよび緊急呼出装置と、前記車両内で伝送される情報を表示する表示器とを備え、前記監視カメラで撮像された映像を用いて車両内を監視する車両内監視システムで実行される車両内監視方法であって、
   前記各監視カメラのＩＰアドレスと、マルチキャストアドレスとが対応付けて格納されるテーブルに基づいて、このテーブルのＩＰアドレスに対応するマルチキャストアドレスに対し撮像データを送信するステップと、
   操作された緊急呼出装置からの呼出信号を受信したとき、緊急呼出装置のＩＰアドレスと、マルチキャストアドレスとが１対１または１対多の関係で対応付けて格納されるテーブルに基づいて、複数のマルチキャストアドレスの中から、操作された緊急呼出装置に対応するマルチキャストアドレスを特定するマルチキャストアドレス特定ステップと、
   前記マルチキャストアドレス特定ステップで特定されたマルチキャストアドレスから送信されるマルチキャストパケット内の撮像データを前記表示器に送信する送信ステップと、
   を含むことを特徴とする車両内監視方法。

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