JPWO2014103281A1 - 非水電解質二次電池用負極およびそれを用いる非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
本発明は、サイクル寿命に優れかつ充放電サイクルを繰り返した後の電池膨れを低減した高容量な非水電解質二次電池を提供することを目的とする。本発明は、負極芯材と、負極芯材に付着した負極合剤層とを含む非水電解質二次電池用負極において、負極合剤層は、黒鉛構造を有する負極活物質粒子と結着剤とを含み、負極合剤層の合剤密度は1.5g/cm3以上1.8g/cm3以下であり、かつ負極合剤層のX線回折法によって測定された(110)面の回折強度I(110)に対する(002)面の回折強度I(002)の比I(002)/I(110)は、60≦I(002)/I(110)≦120を満たし、負極合剤層の解砕物の粒度分布において、粒径が1μm以上10μm以下の粒子の量が、12%体積以上25体積%以下であることを特徴とする。
Description
本発明は、非水電解質二次電池のサイクル寿命の向上に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高エネルギー密度で高容量であるため、携帯電話、ノートパソコン等の移動情報端末、電気自動車などの駆動電源として用いられている。
移動情報端末のなかでも、近年需要が大きく伸びているスマートフォンやタブレット型コンピュータ等は、電池が機器本体から容易に取り外しできない構造になっているものが多い。よって、これらに用いられる非水電解質二次電池には、従来の容易に取り外し交換できる電池パックに使用される非水電解質二次電池よりも高エネルギー密度で長寿命であることが求められている。
ここで、非水電解質二次電池の高エネルギー密度化のために、例えば電極を作製するときの圧延圧力を高めて活物質の充填密度を高めることが行われている。
しかしながら、負極活物質として黒鉛粒子を用いる場合、圧延圧力を高めると、その黒鉛結晶の面方向に平行なベーサル面が負極の面方向と平行となるように配向するようになり、黒鉛結晶の積層方向に平行なエッジ面が負極合剤層表面に配向しにくくなる(配向度が高くなる)。また、黒鉛粒子の変形や劈開等が生じ、これによりさらに配向度が高まる。
例えばリチウムイオン二次電池では、リチウムイオンは、黒鉛結晶のエッジ面から層間に挿入される。このため、配向度が高くなると、リチウムイオンが黒鉛粒子に吸蔵されにくくなり、よって入力特性が低下する。また、黒鉛粒子が変形すると、負極合剤層表面の細孔が減少し、入力特性がさらに低下する。
さらに、黒鉛粒子は充放電により膨縮し、これに伴い負極合剤層が膨縮する。このため、充放電サイクルを繰り返すと、負極活物質粒子間の接触抵抗が増加し、サイクル寿命が低下するという問題も生じる。
そこで、従来、炭素材料を負極活物質として用いる非水電解質二次電池の電池特性を向上させるために、特許文献1〜9に開示されるような技術が提案されている。
特許文献1〜4には、黒鉛粒子及び有機系結着剤の混合物と集電体とが加圧、一体化されてなるリチウム二次電池用負極において、負極のX線回折で測定される回折強度比(002)/(110)を500以下とする技術が提案されている。この技術によれば、負極合剤層の密度を高くしたときに急速充放電特性及びサイクル特性の低下が少ない負極、及び前記負極を用いる高容量リチウム二次電池を提供することができる。
特許文献5には、負極活物質である炭素材料のX線回折強度比I(002)/I(110)を250以下とする技術が提案されている。この技術によれば、高負荷特性が優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
特許文献6には、炭素質材料を含む層を備えた負極であって、前記層の充填密度dを0.9〜1.9g/cm3とし、前記負極の回折強度比I(002)/I(110)を2000以下とする技術が提案されている。この技術によれば、電池容量、サイクル特性、充放電効率に優れた二次電池を提供できる。
特許文献7には、X線回折強度比I(110)/I(002)が0.015以下であり、(002)面のピーク半値幅が0.2°以上であり、層間距離d002が0.337nm以上である、粉末状の炭素物質からなるリチウム二次電池用負極活物質材料が提案されている。この技術によれば、保存特性、特に高温下での保存特性の良好なリチウム二次電池を提供することができる。
特許文献8には、負極合剤層が、破壊強度が100MPa以上の炭素材料粒子を含み、前記負極合剤層の回折像において、比I(101)/I(100)が、1.0<I(101)/I(100)<3.0を満たし、比I(110)/I(004)が、0.25≦I(110)/I(004)≦0.45を満たす技術が提案されている。この技術によれば、高容量であり、かつ、低温環境下および高電流密度での充放電において、高出入力特性を有する非水電解質二次電池を提供できる。
特許文献9には、負極活物質として、密度1.6g/cm3にペレット成形してX線回折測定を行った場合の回折パターンにおけるピーク強度比I(002)/I(110)が1000以下である人造黒鉛粒子と、円形度の大きい球状黒鉛粒子との混合物を用いることが提案されている。この技術によれば、高エネルギー密度のリチウム二次電池の充放電サイクル特性を大幅に改善すると同時に放電レート特性、低温放電特性および安全性を向上もしくは維持させることができる。
ところで、電極板が膨れたり、電池内でガスが発生したりすると、電池が膨れて変形することがある。電池が変形すると、これを用いる機器が故障したり、破損したりするおそれがある。特に、外装材としてラミネートフィルムなどの変形しやすい材料を用いる場合には、電池が変形しやすいため、この影響が顕著となる。よって、非水電解質二次電池には、サイクル寿命の向上と同時に、充放電サイクルを繰り返した後でも、その寸法変化が小さいことが望まれる。
しかしながら、上記特許文献1〜9の技術は、サイクル寿命を向上させると同時に、充放電サイクル後の電池膨れを低減させることについては何ら考慮していない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、サイクル寿命に優れかつ充放電サイクルを繰り返した後の電池膨れを低減した高容量な非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、負極芯材と、負極芯材に付着した負極合剤層とを含む非水電解質二次電池用負極において、負極合剤層は、黒鉛構造を有する負極活物質粒子と結着剤とを含み、負極合剤層の合剤密度は1.5g/cm3以上1.8g/cm3以下であり、かつ負極合剤層のX線回折法によって測定された(110)面の回折強度I(110)に対する(002)面の回折強度I(002)の比I(002)/I(110)は、60≦I(002)/I(110)≦120を満たし、負極合剤層の解砕物の粒度分布において、粒径が1μm以上10μm以下の粒子の量が、12%体積以上25体積%以下であることを特徴とする。
負極合剤層は、黒鉛構造を有する負極活物質粒子と、活物質粒子同士及び活物質粒子と芯材を結着する結着剤と、を含んで構成される。この負極合剤層は、必要に応じて、増粘剤等の添加剤をさらに少量含んでいてもよい。
負極合剤層のX線回折法によって測定された(110)面の回折強度I(110)に対する(002)面の回折強度I(002)の比I(002)/I(110)は、負極活物質粒子の負極合剤層における配向に関係する指標であり、前記比が小さいほど、負極活物質粒子の結晶粒の配向がランダムであることを示しており、この比が大きいほど、結晶粒が負極面に対して平行に配向していることを示している。つまり、前記比が小さいほど、エッジ面がランダムな方向に配向した状態となり、前記比が大きいほど、ベーサル面が負極面に平行に配向された状態となる。
本発明では、比I(002)/I(110)(粒子配向度ともいう)を60以上120以下に調節することにより、負極活物質粒子の結晶粒が、負極合剤層中において適切に配向され、負極合剤層の入力特性を向上させることができる。
なお、比I(002)/I(110)が120よりも大きいと、負極活物質粒子の結晶粒の配向度が高くなり、入力特性が低下し、サイクル特性が低下する。さらには、負極の厚み増加も大きくなる。ただし、比I(002)/I(110)が60よりも小さい負極合剤層を形成するのは困難である。好ましくは、比I(002)/I(110)は、60以上100以下とする。
前記比I(002)/I(110)は、例えば、負極合剤層の圧延圧力、負極活物質粒子の粒度分布や種類などを変更することにより、調節することができる。
また、負極合剤層の合剤密度が1.5g/cm3よりも小さいと、電池容量が不十分となる。合剤密度が1.8g/cm3よりも大きいと、負極活物質粒子の粒子配向度が高くなり、入力特性が不十分となって、サイクル特性が低下する。よって、電池容量と配向度とのバランスから前記範囲に規制する。好ましくは、1.5g/cm3以上1.7g/cm3以下とする。上記合剤密度は、負極合剤層の単位体積あたりの質量を計算することにより得られる。また、合剤密度は、例えば負極合剤層の圧延圧力を調節することにより制御することができる。
また、本発明では、負極合剤層の解砕物の粒度分布において、粒径が1μm以上10μm以下の粒子の量が、12%体積以上25体積%以下である。ここで、解砕物の粒度分布は、負極作製時の負極活物質粒子の粒度分布とおおむね一致し、負極活物質粒子の体積基準の粒度分布において、粒径1〜10μmの粒子の量が12〜15体積%であることに対応する。ここで、負極合剤層の解砕物の粒度分布は、前記解砕物を所定の分散媒に分散させた分散液を用いて測定される。前記分散媒としては、例えば水が用いられる。
ところで、充放電サイクルによって負極が繰り返し膨縮し、負極合剤層の厚みが増加する。この増加により、入力特性の低下や粒子間接触抵抗の増加による電池反応の不均一化が次第に大きくなり、サイクル特性が低下する。本発明の構成では、負極活物質粒子に、粒径1〜10μmの粒子を12〜25体積%含ませているため、平均的な粒径を有する粒子間に粒径1〜10μmの粒子が入り込み、これにより、充放電に伴う負極合剤層の厚み増加を抑制することができる。さらには、負極活物質粒子間の接触点が増加し、これにより粒子間の接触抵抗が低減される。これらの結果、充放電サイクルを繰り返した場合でも、入力特性の向上及び粒子間接触抵抗の低減が可能となる。
粒径が1μm以上10μm以下の粒子の量が12体積%よりも少ないと、活物質粒子間の接触抵抗が増加し、サイクル特性が低下する。一方、前記量が25体積%よりも多いと、初期電池容量の低下及び高温環境下でのサイクル特性の低下が生じると共に、ガスが発生しやすくなる。これは、粒径が1μm以上10μm以下の粒子は、活性反応面積が大きく、充放電サイクルを繰り返したときに、これらの粒子と非水電解質とが反応しやすいからである。好ましくは、15体積%以上20体積%以下とする。
負極合剤層の解砕物(負極活物質粒子)の体積基準の累積粒度分布における、小粒子側からの累積体積が10%であるときの粒子径D10、50%であるときの粒子径D50、及び90%であるときの粒子径D90は、それぞれ、5μm<D10<10μm、18μm<D50<24μm、及び44μm<D90<54μmを満たすことが好ましい。このような粒度分布の負極活物質粒子を用いることにより、サイクル容量維持率、電池膨れ、初期電池容量の全てをさらに高めることができる。
負極合剤層の解砕物(負極活物質粒子)の粒度分布は、例えば、粒度分布の異なる2種類以上の活物質粒子を混合することにより調節することができる。
ここで、黒鉛構造を有する負極活物質粒子は、少なくとも部分的に黒鉛結晶構造を有していればよく、全てが黒鉛構造である必要はない。例えば、天然黒鉛粒子、人造黒鉛粒子、天然黒鉛粒子や人造黒鉛粒子の表面が非晶質炭素で覆われた粒子などを用いることができる。なかでも、結晶粒が等方的に成長した黒鉛粒子を用いることが好ましい。前記黒鉛粒子は、結晶粒が等方的に成長しているため、負極を作製したときに、結晶粒の配向度が高くなることを抑制できる。さらに、負極合剤層の圧延時に、前記黒鉛粒子は変形及び劈開しにくくなる。よって入力特性をさらに向上できる。
以上の効果が相乗的に作用することにより、上記構成の負極は、容量及びサイクル寿命に優れ、充放電を繰り返したときの負極合剤層の厚み増加やガス発生が小さくなる。
上記非水電解質二次電池用負極において、負極活物質粒子間の結着強度は、3kgf/cm2以上であることが好ましい。結着強度が3kgf/cm2より小さくなると、充放電に伴う負極合剤層の厚み増加を抑制する効果が不十分となるおそれがある。
ここで、結着剤としては、当該分野で公知の材料を用いることができるが、なかでも、高い結着力が得られるため、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエン系重合体ゴムのようなゴム系結着剤を用いることが好ましい。例えば、スチレンブタジエンゴムの添加量は、負極合剤層の0.5〜3質量%であることが好ましく、0.8〜2質量%であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると、結着力が不十分となるおそれがある。添加量が多すぎると、結着剤が充放電時の抵抗成分として作用するおそれがある。
結着強度は、例えば、負極活物質粒子の粒度分布、結着剤の種類又はその量を調節することにより制御することができる。
上記非水電解質二次電池用負極において、負極合剤層の、四端針法により測定されるシート抵抗が、放電状態において、2.5Ω/sq以下であることが好ましく、1.7〜2.0Ω/sqとすることがさらに好ましい。負極合剤層のシート抵抗が2.5Ω/sqよりも大きくなると、サイクル寿命が不十分となるおそれがある。
ここで、放電状態とは、前記負極の金属リチウム基準の電位が、1.0V(vs. Li/Li+)以上である場合をいう。
上記負極は、非水電解質二次電池の負極として好適に用いられる。具体的には、本発明にかかる非水電解質二次電池は、上記負極と、正極と、これらの間に介在するセパレータと、非水電解質とを備える。非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解したリチウム塩とを含む。
非水溶媒は、フルオロベンゼン化合物を、5体積%以上50体積%以下含むことが好ましく、10体積%以上20体積%以下含むことがさらに好ましい。非水溶媒がフルオロベンゼン化合物を、5体積%以上50体積%以下含むことで、非水電解質の粘度が低下し、よって電池の入力特性を向上させることができる。一方で、フルオロベンゼン化合物は正極で酸化分解されるため、フルオロベンゼン化合物の量が過剰となると、電池内でのガス発生量が多くなる。ここで、前記フルオロベンゼン化合物の量は、1気圧、25℃での値である。
フルオロベンゼン化合物は、ベンゼンの水素原子の1つがフッ素原子に置換されたモノフルオロベンゼンであってもよいし、水素原子の2つ以上がフッ素原子に置換された多置換フルオロベンゼン(ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、及びヘキサフルオロベンゼン)であってもよい。また、フルオロベンゼン化合物は、炭素数1〜4の飽和炭化水素基を置換基として含んでいてもよい。水素原子の2つ以上が置換される場合、置換位置は特に限定されない。
本発明によれば、充放電サイクル寿命に優れ、充放電サイクル後の電池膨れが低減された高容量な非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
[負極活物質の作製]
負極活物質としては、結晶粒が等方的に成長した黒鉛粒子を用いた。この黒鉛粒子は、モザイクコークスを原料として以下のようにして作製した。
石炭系モザイクコークスを粉砕し、平均粒子径が10.0μmの粉砕物を得た。この粉砕物100質量部と、バインダーピッチ15質量部とを、加熱ニーダーを使用して、150℃で30分間混合した。得られた混合物を、通電加熱炉を用い、不活性雰囲気下3000℃で焼成し、焼成物を解砕した。解砕物を、目開き50μmの篩を通過させて、黒鉛粉末を得た。得られた黒鉛粒子はその全体が黒鉛化していた。得られた黒鉛粉末の粒度分布を測定したところ、粒径が1〜10μmの粒子の量は、12体積%であった。
[負極活物質の作製]
負極活物質としては、結晶粒が等方的に成長した黒鉛粒子を用いた。この黒鉛粒子は、モザイクコークスを原料として以下のようにして作製した。
石炭系モザイクコークスを粉砕し、平均粒子径が10.0μmの粉砕物を得た。この粉砕物100質量部と、バインダーピッチ15質量部とを、加熱ニーダーを使用して、150℃で30分間混合した。得られた混合物を、通電加熱炉を用い、不活性雰囲気下3000℃で焼成し、焼成物を解砕した。解砕物を、目開き50μmの篩を通過させて、黒鉛粉末を得た。得られた黒鉛粒子はその全体が黒鉛化していた。得られた黒鉛粉末の粒度分布を測定したところ、粒径が1〜10μmの粒子の量は、12体積%であった。
負極活物質粒子の粒度分布は、例えば、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(例えば日機装株式会社製のマイクロトラック)により測定できる。具体的には、負極活物質粒子を水に分散させた分散液を用い、体積基準の累積粒度分布を求める。また、水の代わりに、他の分散媒を用いてもよい。
また、前記負極活物質粒子の粒度分布において、D10は10.0μmであり、D50は23.5μmであり、D90は54.0μmであった。
[負極の作製]
上記黒鉛粉末100質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)粉末(ダイセルファインケム株式会社製)1質量部と、スチレンブタジエンゴム(SBR)1質量部とを混合して、負極合剤スラリーを調製した。なお、SBRは、水を分散媒とする分散液(JSR株式会社製、SBR含有量48質量%)の状態で、他の成分と混合した。
上記黒鉛粉末100質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)粉末(ダイセルファインケム株式会社製)1質量部と、スチレンブタジエンゴム(SBR)1質量部とを混合して、負極合剤スラリーを調製した。なお、SBRは、水を分散媒とする分散液(JSR株式会社製、SBR含有量48質量%)の状態で、他の成分と混合した。
得られた負極合剤スラリーを、ダイコータを用いて、負極芯材(電解銅箔、厚さ8μm)の両面に塗布した。このとき、負極芯材片面あたりの塗膜の目付け質量が8.0mg/cm2となるように、ダイコータのギャップを調整した。その後、塗膜を110℃で乾燥し、圧延ローラで圧延して、厚さ115μm、合剤密度が1.5g/cm3の負極合剤層を形成した。負極合剤層及び負極芯材を所定の形状に裁断して、負極を得た。
比I(002)/I(110)は、例えば、(株)リガク製のRINT-TTR III等の粉末X線回折装置を用いて測定することができる。具体的には、Cu−Kα1線を用いたθ−2θ回折図面より、2θ=26.4°付近に観測される黒鉛構造の(002)面由来の回折ピーク強度I(002)と、2θ=78.0°付近に観測される(110)面由来の回折ピーク強度I(110)とを求める。I(002)をI(110)で除することにより、比I(002)/I(110)が得られる。
このようにして比I(002)/I(110)を求めたところ、その値は60であった。
このようにして比I(002)/I(110)を求めたところ、その値は60であった。
負極活物質粒子間の結着強度は、以下のようにして測定することができる。まず、負極芯材の両面に負極合剤層が形成された負極から、2cm×3cmの負極片を切り出す。この負極片の一方の面から負極合剤層を剥がし、他方の面の負極合剤層はそのまま残す。この負極片の負極合剤層側の面を、ガラス板上に貼り付けた両面テープ(日東電工株式会社製のNo.515)の接着剤層に貼り付ける。次いで、負極片から負極芯材を剥離して負極合剤層を露出させる。こうして、両面テープの片面に負極合剤層が付着した測定用試料を作製する。この測定用試料の両面テープの側を、タッキング試験機(商品名:TAC−II、株式会社レスカ製)の測定子(先端直径0.2cm)の先端に取り付ける。次に、下記条件で測定プローブを負極合剤層に押し付け、引き離して剥離試験を行った。この剥離試験において、活物質粒子間で剥離が起る最大荷重を測定する。得られた最大荷重を測定子の断面積(0.031cm2)で除した値を、活物質粒子間の結着強度(kgf/cm2)とする。
<試験条件>
測定プローブの押し込み速度30mm/分
測定プローブの押し込み時間10秒
測定プローブの押し込み荷重0.4kgf
測定プローブの引き離し速度600mm/分
測定プローブの押し込み速度30mm/分
測定プローブの押し込み時間10秒
測定プローブの押し込み荷重0.4kgf
測定プローブの引き離し速度600mm/分
このようにして結着強度を測定したところ、その値は3.5kgf/cm2であった。
負極合剤層のシート抵抗は、以下のようにして測定することができる。まず、上記結着強度の測定の場合と同様にして、両面テープの片面に2cm×2cmの負極合剤層が付着した測定用試料を作製する。この試料に、抵抗率計(例えば(株)三菱化学アナリック製のロレスタ GPMCP-T610型)の4探針プローブを接触させることより、負極合剤層のシート抵抗を求めることができる。
このようにしてシート抵抗を求めたところ、その値は2.4Ω/sqであった。なお、シート抵抗を測定したときの負極の電位は、1.0V(vs Li/Li+)以上であった。このことは、以下の実施例及び比較例でも同様である。
このようにしてシート抵抗を求めたところ、その値は2.4Ω/sqであった。なお、シート抵抗を測定したときの負極の電位は、1.0V(vs Li/Li+)以上であった。このことは、以下の実施例及び比較例でも同様である。
なお、以下の実施例及び比較例においても、負極活物質粒子の粒度分布、負極活物質粒子間の結着強度、負極合剤層のシート抵抗値、及び比I(002)/I(110)は、上記のようにして求めた。
[正極の作製]
正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を100質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデンを4質量部と、適量のN−メチルピロリドンとを混合して、正極合剤スラリーを調製した。得られた正極合剤スラリーを、正極芯材である厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、正極合剤層を形成した。得られた正極合剤層及び正極芯材を所定の形状に裁断して、正極を得た。
正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)を100質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデンを4質量部と、適量のN−メチルピロリドンとを混合して、正極合剤スラリーを調製した。得られた正極合剤スラリーを、正極芯材である厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、正極合剤層を形成した。得られた正極合剤層及び正極芯材を所定の形状に裁断して、正極を得た。
[非水電解質の調製]
エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、モノフルオロベンゼンとを、30:65:5の体積比(25℃、1気圧)で混合して混合溶媒を得、この混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなるように溶解した。得られた溶液に、ビニレンカーボネートを2質量%となるように添加して、非水電解質を得た。
エチレンカーボネートと、エチルメチルカーボネートと、モノフルオロベンゼンとを、30:65:5の体積比(25℃、1気圧)で混合して混合溶媒を得、この混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lとなるように溶解した。得られた溶液に、ビニレンカーボネートを2質量%となるように添加して、非水電解質を得た。
[電池の作製]
次に、正極にアルミニウム製のリード線を溶接し、負極にニッケル製のリード線を溶接した。この正極と負極とを、厚さ20μmのポリエチレン製微多孔質フィルムからなるセパレータ(セルガード株式会社製のA089(商品名))を介して捲回し、断面が略楕円形の扁平状電極体を作製した。この電極体を、アルミニウム製のパウチ外装に収容し、前記外装内に、非水電解質を2.5g注液し、外装を封口して、高さ50mm、幅30mm、内空間の厚さ5.2mmのパウチ型非水電解質二次電池を作製した。作製した電池の設計容量は850mAhとした。
次に、正極にアルミニウム製のリード線を溶接し、負極にニッケル製のリード線を溶接した。この正極と負極とを、厚さ20μmのポリエチレン製微多孔質フィルムからなるセパレータ(セルガード株式会社製のA089(商品名))を介して捲回し、断面が略楕円形の扁平状電極体を作製した。この電極体を、アルミニウム製のパウチ外装に収容し、前記外装内に、非水電解質を2.5g注液し、外装を封口して、高さ50mm、幅30mm、内空間の厚さ5.2mmのパウチ型非水電解質二次電池を作製した。作製した電池の設計容量は850mAhとした。
(実施例2)
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が10μmの天然黒鉛粒子を5質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例2の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が10μmの天然黒鉛粒子を5質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例2の非水電解質二次電池を作製した。
前記混合負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量は15体積%であった。また、D10は8.8μmであり、D50は21.2μmであり、D90は54.0μmであった。
負極活物質粒子間の結着強度は3.7kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は2.0Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は60であった。
(実施例3)
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が10μmの天然黒鉛粒子を8質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が10μmの天然黒鉛粒子を8質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解質二次電池を作製した。
前記混合負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量は20体積%であった。また、D10は8.6μmであり、D50は20.4μmであり、D90は54.0μmであった。
負極活物質粒子間の結着強度は4.0kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は1.7Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は60であった。
(実施例4)
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が10μmの天然黒鉛粒子を10質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例4の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が10μmの天然黒鉛粒子を10質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例4の非水電解質二次電池を作製した。
前記混合負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量は24体積%であった。また、D10は8.3μmであり、D50は19.1μmであり、D90は53.8μmであった。
負極活物質粒子間の結着強度は、4.6kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は1.2Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は60であった。
(実施例5)
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が20μmの天然黒鉛粒子を20質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例5の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が20μmの天然黒鉛粒子を20質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例5の非水電解質二次電池を作製した。
前記混合負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量は15体積%であった。また、D10は9.9μmであり、D50は23.2μmであり、D90は54.0μmであった。
負極活物質粒子間の結着強度は3.9kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は2.3Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は95であった。
(実施例6)
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が20μmの天然黒鉛粒子を30質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例6の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が20μmの天然黒鉛粒子を30質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例6の非水電解質二次電池を作製した。
前記混合負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量は17体積%であった。また、D10は9.8μmであり、D50は23.1μmであり、D90は53.8μmであった。
負極活物質粒子間の結着強度は4.5kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は2.1Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は113であった。
(実施例7)
負極の作製時に、負極の厚さを103μmとし、負極合剤層の合剤密度を1.7g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の非水電解質二次電池を作製した。
負極の作製時に、負極の厚さを103μmとし、負極合剤層の合剤密度を1.7g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の非水電解質二次電池を作製した。
負極活物質粒子間の結着強度は4.1kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は2.1Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は71であった。
(実施例8)
負極の作製時に、負極の厚さを98μmとし、負極合剤層の合剤密度を1.8g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の非水電解質二次電池を作製した。
負極の作製時に、負極の厚さを98μmとし、負極合剤層の合剤密度を1.8g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の非水電解質二次電池を作製した。
負極活物質粒子間の結着強度は4.9kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は1.9Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は83であった。
(実施例9)
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比30:70(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例9の非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比30:70(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例9の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例10)
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとモノフルオロベンゼンとを体積比20:70:10(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例10の非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとモノフルオロベンゼンとを体積比20:70:10(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例10の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例11)
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとモノフルオロベンゼンとを体積比20:60:20(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例11の非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとモノフルオロベンゼンとを体積比20:60:20(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例11の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例12)
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとモノフルオロベンゼンとを体積比20:40:40(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例12の非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとモノフルオロベンゼンとを体積比20:40:40(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例12の非水電解質二次電池を作製した。
(実施例13)
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとモノフルオロベンゼンとを体積比20:30:50(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例13の非水電解質二次電池を作製した。
非水電解質の作製時に、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとモノフルオロベンゼンとを体積比20:30:50(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例13の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が20μmの天然黒鉛粒子を60質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例1の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が20μmの天然黒鉛粒子を60質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例1の非水電解質二次電池を作製した。
前記混合負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量は14体積%であった。また、D10は9.8μmであり、D50は23.2μmであり、D90は53.8μmであった。
負極活物質粒子間の結着強度は5.2kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は2.3Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は152であった。
(比較例2)
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末を、目開き5μmの篩にかけ、その残渣のみを負極活物質として用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例2の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末を、目開き5μmの篩にかけ、その残渣のみを負極活物質として用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例2の非水電解質二次電池を作製した。
前記負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量は8体積%であった。また、D10は12.0μmであり、D50は23.8μmであり、D90は54.2μmであった。
負極活物質粒子間の結着強度は、2.7kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は3.6Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は61であった。
(比較例3)
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が10μmの天然黒鉛粒子を20質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例3の非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にして得た黒鉛粉末に、平均粒径D50が10μmの天然黒鉛粒子を20質量%となるように混合して、混合負極活物質粒子を得た。この混合負極活物質粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例3の非水電解質二次電池を作製した。
前記混合負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量は29体積%であった。また、D10は8.0μmであり、D50は18.0μmであり、D90は53.2μmであった。
負極活物質粒子間の結着強度は4.0kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は2.2Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は82であった。
(比較例4)
負極の作製時に、負極の厚さを92μmとし、負極合剤層の合剤密度を1.9g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の非水電解質二次電池を作製した。
負極の作製時に、負極の厚さを92μmとし、負極合剤層の合剤密度を1.9g/cm3としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の非水電解質二次電池を作製した。
負極活物質粒子間の結着強度は4.9kgf/cm2であり、負極合剤層のシート抵抗値は2.0Ω/sqであり、比I(002)/I(110)は194であった。
(評価)
[サイクル試験]
実施例1〜13及び比較例1〜4で作製した電池を、25℃及び45℃の環境下で、下記の充放電条件にて、充放電サイクルを500回繰り返すサイクル試験に供し、容量維持率及び電池膨れ率を求めた。得られた結果を表1に示す。
[サイクル試験]
実施例1〜13及び比較例1〜4で作製した電池を、25℃及び45℃の環境下で、下記の充放電条件にて、充放電サイクルを500回繰り返すサイクル試験に供し、容量維持率及び電池膨れ率を求めた。得られた結果を表1に示す。
1サイクルの充放電条件は以下の通りである。
充電:1.0It(850mA)の電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、次いで4.2Vの定電圧で電流値が1/20It(42.5mA)になるまで充電する。
休止10分
放電:1.0It(850mA)の電流で電池電圧が3.0Vとなるまで放電する。
休止10分
充電:1.0It(850mA)の電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、次いで4.2Vの定電圧で電流値が1/20It(42.5mA)になるまで充電する。
休止10分
放電:1.0It(850mA)の電流で電池電圧が3.0Vとなるまで放電する。
休止10分
容量維持率(%)は、以下の式を用いて算出した。
[(500サイクル目の放電容量)/(1500サイクル目の放電容量)]×100
[(500サイクル目の放電容量)/(1500サイクル目の放電容量)]×100
電池膨れ率(%)は、以下の式を用いて算出した。
[(サイクル試験後の充電状態でのセル厚み)−(サイクル試験前の充電状態でのセル厚み)]/(サイクル試験前の充電状態でのセル厚み)×100
[(サイクル試験後の充電状態でのセル厚み)−(サイクル試験前の充電状態でのセル厚み)]/(サイクル試験前の充電状態でのセル厚み)×100
なお、表1には、比I(002)/I(110)を粒子配向度として示している。さらに、粒径が1〜10μmの粒子の量、合剤密度、結着強度、シート抵抗、及びモノフルオロベンゼン(FB)含有量を示している。
表1からわかるように、粒子配向度(比I(002)/I(110))が120よりも大きい比較例1の電池は、25℃及び45℃の容量維持率がそれぞれ78%及び74%であり、25℃及び45℃の電池膨れ率はそれぞれ10%及び14%であった。比較例1の電池は、負極の粒子配向度が高いため、容量維持率が低下し、また電池の膨れも大きかった。
一方で、粒子配向度が60〜120の実施例1〜13の電池では、25℃及び45℃の容量維持率がそれぞれ80%以上と比較例1よりも高い値を示し、25℃及び45℃の電池膨れ率はそれぞれ6%及び9%以下と比較例1の電池よりも低い値を示した。以上の結果から、粒子配向度は、60以上120以下とする必要がある。
比較例2の電池では、負極活物質粒子の粒度分布において、粒径が1〜10μmの粒子の量が8体積%と低く、負極合剤層のシート抵抗が3.6Ω/sqと大きくなっている。この結果、25℃の容量維持率が69%と大きく低下したと考えられる。
粒径が1〜10μmの粒子の量がそれぞれ15体積%及び20体積%である実施例3及び4の電池では、含有量の増加に伴って、25℃及び45℃の容量維持率がそれぞれ90%以上及び80%以上と特に優れた値を示した。
しかし、粒径が1〜10μmの粒子の量が29体積%まで増加した比較例3の電池は、45℃の容量維持率が40%にまで低下し、電池膨れ率も13%と大きく増加していた。これは、粒径が1〜10μmの粒子の量が増加したことにより、負極の活性反応面積が増加し、特に45℃環境下において、負極活物質と非水電解質とが活発に反応したためであると考えられる。
以上の結果から、粒径が1〜10μmの粒子の量は、12〜25体積%とする必要がある。
・BR>@負極合剤層の合剤密度を1.7g/cm3にとした実施例7の電池、1.8g/cm3とした実施例8の電池は、25℃及び45℃の容量維持率がそれぞれ82%以上と良好な値を示した。また、実施例7〜8の電池の25℃の電池膨れ率は6%であり、45℃の電池膨れ率は8%以下であり、小さい値を示した。
一方で、負極合剤層の合剤密度を1.9g/cm3にまで高めた比較例4の電池では、特に25℃での容量維持率が68%となり顕著に低下していた。これは、負極合剤層が高密度に圧延されたために、粒子配向度が大きくなりすぎたこと、及び入力特性の悪化に起因すると考えられる。
以上の結果から、合剤密度は、1.8g/cm3以下とする必要がある。なお、高容量の電池を得るためには、合剤密度を1.5g/cm3以上とする必要がある。
モノフルオロベンゼンの量を増加させた実施例10及び11の電池では、実施例1の電池と同じ負極を用いているが、実施例1の電池を比較して、25℃の容量維持率は91%以上とさらに高い値を示し、電池膨れ率は4%とさらに小さな値を示した。これは、モノフルオロベンゼンの含有量を増加させたことにより、非水電解質の粘度が低下し、この結果入力特性が改善されたためであると考えられる。
モノフルオロベンゼンの含有量を40%まで増加させた実施例12の電池、50%まで増加させた実施例13の電池では、実施例1の電池と比較して、45℃での容量維持率が若干低下し、電池膨れ率が若干増加していたが、十分に許容範囲である。なお、このような結果となったのは、45℃において、モノフルオロベンゼンが正極において酸化分解されたためであると考えられる。
以上の結果から、フルオロベンゼン化合物の含有量は、5〜50体積%であることが好ましい。
(追記事項)
上記実施例では負極活物質粒子の粒度分布を求めたが、完成品の場合には、負極合剤層を負極芯材から剥がし、この剥がした負極合剤層を、例えば水中で攪拌するか、超音波分散させることにより、粒子同士を分離することができる。この分離した粒子を含む分散液を用いて、解砕物の粒度分布を測定してもよい。また、平均粒径D50に関し、大粒子側からの累積体積が50%となる粒径を平均粒径D50としてもよい。
上記実施例では負極活物質粒子の粒度分布を求めたが、完成品の場合には、負極合剤層を負極芯材から剥がし、この剥がした負極合剤層を、例えば水中で攪拌するか、超音波分散させることにより、粒子同士を分離することができる。この分離した粒子を含む分散液を用いて、解砕物の粒度分布を測定してもよい。また、平均粒径D50に関し、大粒子側からの累積体積が50%となる粒径を平均粒径D50としてもよい。
上記実施例では、負極芯材としては、電解銅箔を用いたが、これ以外にも銅合金箔などを用いることができる。また、銅や銅合金からなるパンチングメタルを用いることもできる。
上記実施例では、アルミニウム製のパウチ外装を用いたが、これ以外にも、アルミラミネートフィルムならなる外装材を用いることができる。アルミラミネートフィルムとしては、アルミニウム層の両面に、接着剤層を介して樹脂層が接着される構造のものだけでなく、アルミニウム層の片面(電池内部側)にのみ、接着剤層を介して樹脂層が接着される構造のものを用いることができる。また、樹脂層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系高分子、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン等のポリビニリデン系高分子、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン7等のポリアミド系高分子等を用いることができる。
上記のように本発明の負極を用いることにより、電池膨れが大きく低減されるため、本発明の負極は、変形しやすい外装材を用いる電池に特に適している。
上記のように本発明の負極を用いることにより、電池膨れが大きく低減されるため、本発明の負極は、変形しやすい外装材を用いる電池に特に適している。
正極活物質としては、例えばリチウム含有ニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNixCoyMnzO2、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)、リチウム含有コバルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウム含有ニッケル複合酸化物(LiNiO2)、リチウム含有ニッケルコバルト複合酸化物(LiCoxNi1−xO2)、リチウム含有マンガン複合酸化物(LiMnO2)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、またはこれらの酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素(例えば、Ti、Zr、Mg、Al等)で置換した化合物等のリチウム含有遷移金属複合酸化物を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
非水電解質は、非水溶媒と、これに溶解した電解質塩とを含む。非水溶媒は、フルオロベンゼン化合物を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。フルオロベンゼン化合物以外の溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのリチウム塩の溶解度が高い高誘電率溶媒、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチルなどの低粘性溶媒が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(C2F5SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li2B10Cl10、Li2B12l12、LiB(C2O4)F2、LiP(C2O4)2F2等のリチウム塩を一種以上用いることができる。非水電解質における電解質塩の合計濃度は、0.5〜2.0モル/リットルであることが好ましい。
また、非水電解質に、例えばビニレンカーボネート、シクロヘキシルベンゼン、tert−アミルベンゼン等の添加剤を添加してもよい。
セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンやこれらの混合物ないし積層物等のオレフィン樹脂からなる微多孔膜を用いることができる。
以上説明したように、本発明によれば、サイクル寿命に優れ、充放電サイクル後の電池膨れが低減された高容量な非水電解質二次電池を提供できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
本発明は、負極芯材と、負極芯材に付着した負極合剤層とを含む非水電解質二次電池用負極において、負極合剤層は、黒鉛構造を有する負極活物質粒子と結着剤とを含み、負極合剤層の合剤密度は1.5g/cm3以上1.8g/cm3以下であり、かつ負極合剤層のX線回折法によって測定された(110)面の回折強度I(110)に対する(002)面の回折強度I(002)の比I(002)/I(110)は、60≦I(002)/I(110)≦120を満たし、負極合剤層の解砕物の粒度分布において、粒径が1μm以上10μm以下の粒子の量が、12体積%以上25体積%以下であることを特徴とする。
また、本発明では、負極合剤層の解砕物の粒度分布において、粒径が1μm以上10μm以下の粒子の量が、12体積%以上25体積%以下である。ここで、解砕物の粒度分布は、負極作製時の負極活物質粒子の粒度分布とおおむね一致し、負極活物質粒子の体積基準の粒度分布において、粒径1〜10μmの粒子の量が12〜15体積%であることに対応する。ここで、負極合剤層の解砕物の粒度分布は、前記解砕物を所定の分散媒に分散させた分散液を用いて測定される。前記分散媒としては、例えば水が用いられる。
上記非水電解質二次電池用負極において、負極合剤層の、四探針法により測定されるシート抵抗が、放電状態において、2.5Ω/sq以下であることが好ましく、1.7〜2.0Ω/sqとすることがさらに好ましい。負極合剤層のシート抵抗が2.5Ω/sqよりも大きくなると、サイクル寿命が不十分となるおそれがある。
容量維持率(%)は、以下の式を用いて算出した:
[(500サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)]×100
[(500サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)]×100
粒径が1〜10μmの粒子の量がそれぞれ15体積%及び20体積%である実施例2及び3の電池では、含有量の増加に伴って、25℃及び45℃の容量維持率がそれぞれ90%以上及び80%以上と特に優れた値を示した。
負極合剤層の合剤密度を1.7g/cm3にとした実施例7の電池、1.8g/cm3とした実施例8の電池は、25℃及び45℃の容量維持率がそれぞれ82%以上と良好な値を示した。また、実施例7〜8の電池の25℃の電池膨れ率は6%であり、45℃の電池膨れ率は8%以下であり、小さい値を示した。
電解質塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、LiC(C2F5SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li2B10Cl10、Li2B12 Cl12、LiB(C2O4)F2、LiP(C2O4)2F2等のリチウム塩を一種以上用いることができる。非水電解質における電解質塩の合計濃度は、0.5〜2.0モル/リットルであることが好ましい。
Claims (5)
- 負極芯材と、前記負極芯材に付着された負極合剤層とを含む非水電解質二次電池用負極において、
前記負極合剤層は、黒鉛構造を有する負極活物質粒子と、結着剤と、を含み、
前記負極合剤層の合剤密度は1.5g/cm3以上1.8g/cm3以下であり、かつ前記負極合剤層のX線回折法によって測定された(110)面の回折強度I(110)に対する(002)面の回折強度I(002)の比I(002)/I(110)は、60≦I(002)/I(110)≦120を満たし、
前記負極合剤層の解砕物の粒度分布において、粒径が1μm以上10μm以下の粒子の量が、12%体積以上25体積%以下である、
ことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。 - 請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極において、
前記負極活物質粒子間の結着強度が、3kgf/cm2以上である、
ことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。 - 請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用負極において、
前記負極合剤層の、四端針法により測定されるシート抵抗が、放電状態において、2.5Ω/sq以下である、
ことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の負極と、非水電解質と、を具備する非水電解質二次電池。
- 請求項4に記載の非水電解質二次電池において、
前記非水電解質が、非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解したリチウム塩と、を含み、
前記非水溶媒は、フルオロベンゼン化合物を、5体積%以上50体積%以下含む、
ことを特徴とする非水電解質二次電池。
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