JPWO2014088012A1 - ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
大スケールでの生産においても、微粉の発生量が少なく、耐衝撃性の優れた、高含水率のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法として、吸水性樹脂粉末に表面架橋剤溶液を添加して混合物を得る混合工程と、当該混合物を反応させる反応工程と、当該反応工程中の吸水性樹脂粉末及び当該反応工程以降の吸水性樹脂粉末からなる群から選択される少なくとも1つの吸水性樹脂粉末に水性液を添加する水性液添加工程と、を順次含み、上記水性液添加時の雰囲気露点が20℃以上であり、かつ、水性液添加時の吸水性樹脂粉末の温度が雰囲気露点よりも高温である製造方法を用いる。
Description
本発明は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法に関する。詳しくは、表面架橋剤を添加、混合した吸水性樹脂に、更に水性液を添加することによって、高含水率でかつ高性能な吸水性樹脂を安定的に連続生産することができる、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法に関する。
吸水性樹脂(SAP/Super Absorbent Polymer)は、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤であり、自重の数倍から数百倍という多量の水性液を吸収することができるという性質から、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁用パッド等の衛生用品、農園芸用保水剤又は工業用止水剤等の各種用途に幅広く利用されている。
このような吸水性樹脂は、その原料として多くの単量体や親水性高分子が提案されているが、吸水性能の観点から、アクリル酸及び/又はその塩を単量体として用いたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が工業的に最も多く用いられている。
当該吸水性樹脂は、主用途である紙オムツの高性能化に伴い、様々な機能(高物性化)が要求されている。具体的には、基本物性である無加圧下吸水倍率や加圧下吸水倍率の他、ゲル強度、水可溶分、含水率、吸水速度、通液性、粒度分布、耐尿性、抗菌性、耐ダメージ性、粉体流動性、消臭性、耐着色性、低粉塵、低残存モノマー等といった物性を向上させた吸水性樹脂が要求されている。そのため、これまで数多くの改良技術が提案されてきた。具体的には、下記特許文献1〜20、23〜25および非公開の特許文献21、22に示される、乾燥、表面架橋、添加剤又は製造工程の変更等の技術が挙げられる。
中でも、吸水性樹脂の表面架橋技術として、加湿混合時に表面処理剤溶液中の水の一部又は全部を水蒸気で添加する技術(特許文献1)、加熱処理時に雰囲気露点を制御する技術(特許文献2、19、および本願出願人による未公開の特許文献21、22)、加熱処理後の吸水性樹脂を冷却する装置の大きさを規定した技術(特許文献3)、残存架橋剤の低減のために含水率が10〜30質量%のポリマーを加熱処理中にさらに水性液(5〜20重量%)を添加する技術(特許文献4)、表面架橋反応を2度行う技術(特許文献5)がそれぞれ提案されている。
また、表面架橋後の改質方法として、表面架橋反応後の吸水性樹脂に水を添加して造粒する技術(特許文献6、17)、加熱処理後の吸水性樹脂を冷却する際に水性液を添加して造粒する技術(特許文献7)、加熱処理後に水性液を添加して含水率を10〜20%に調整して耐ダメージ性を向上させる技術(特許文献8)、製品の含水率を調整して耐ダメージ性を向上させる技術(特許文献9)、加熱処理後に再度加湿混合を行って吸水性樹脂の含水率を高める技術(特許文献10)、表面架橋後に多価金属塩水溶液を添加する技術(特許文献11、12)、表面架橋後にアルカノールアミン水溶液を添加する技術(特許文献13)、表面架橋後に金属石鹸の水分散液を添加する技術(特許文献18)、表面架橋後に水蒸気で造粒する技術(特許文献20)、水蒸気存在下に60℃以上に加熱して残存モノマーを低減する技術(特許文献24)がそれぞれ提案されている。
また、重合後の乾燥工程の改良方法として、残存モノマー低減のために露点50〜100℃の気体で80〜250℃にて加熱乾燥する技術(特許文献25)も提案されている。
しかしながら、上述した表面架橋技術等を用いて製造した吸水性樹脂は、輸送工程や充填工程、更にはユーザーでの紙オムツ等の吸収物品への加工等において、機械的ダメージを受けることがあり、このため、吸水性樹脂の表面架橋層や粒子そのものが破壊される等して、粉塵の発生や物性の低下を招いていた。さらに、輸送時にダメージを与えない吸水性樹脂の製造方法として、露点−5°〜―100℃の低露点気体を用いた吸水性樹脂の製造方法(特許文献23)も提案されている。
上記現象は、吸水性樹脂の耐ダメージ性に関わる課題であるが、当該課題を解決する手法として、表面架橋した吸水性樹脂に水や水溶液を添加する技術(特許文献9〜13)が提案されている。また、吸水性樹脂の粉塵防止技術として、制ダスト剤を添加する技術(特許文献14〜16)も提案されている。
そして、従来これら技術で得られた吸水性樹脂は、高い吸水倍率(CRC)、高い加圧下吸水倍率(AAP)、少ない微粉(150μm通過物または106μm通過物)およびそのダメージによる微粉の発生量抑制のすべてを両立するものではなかった。
上述したように、吸水性樹脂の物性向上を目的としてこれまで数多くの表面架橋技術等が提案されてきた。中でも、紙オムツの高性能化に伴って、微粉やその発生量が少なく、耐ダメージ性に優れた吸水性樹脂を得るため、吸水性樹脂の表面架橋方法(特許文献1〜5)や表面架橋後に含水率を向上させる方法(特許文献8〜13)が提案されてきた。
しかしながら、上記特許文献1〜7の手法では、混合機、反応機又は冷却機の内壁等に吸水性樹脂が付着し、安定的な連続生産ができず、生産性や物性低下を招くことがあった。更に上記手法は、実験室等の小スケールではある程度の効果を示すものの、実機プラントの大スケール(例えば、生産量が1(t/hr)以上)では、十分に効果を示さないこともあった。
また、上記特許文献8〜13の手法は、耐ダメージ性(別称;耐衝撃安定性)のために、水性液として無機化合物や多価金属塩やアルカノールアミンが溶解した水溶液を用いており、吸水性樹脂の微粉量の低減及び耐ダメージ性の向上を目的とするには、却ってコストアップを伴うものであった。
更に、特許文献14〜16に開示された、粉塵防止として制ダスト剤を使用する技術は、上記課題を解決するものではなく、コストアップのみならず、制ダスト剤の種類によって吸水性樹脂の表面張力を過度に低下させるため、紙オムツでの戻り量が増加することもあった。
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく、大スケールでの生産においても、微粉の発生量が少なく、耐ダメージ性の優れたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、吸水性樹脂の製造方法について鋭意検討した結果、反応時及び/又は反応後に水性液を添加する際、雰囲気露点及び吸水性樹脂の温度を制御することによって、吸水性樹脂の微粉量の低減、耐ダメージ性の向上が達成されることを見出し、本発明を完成させた。特に、高い吸水倍率(CRC)、高い加圧下吸水倍率(AAP)であって、所定量の含水率とすること、すなわち水5〜20%の含水率の吸水性樹脂が吸水性樹脂の微粉量の低減、耐ダメージ性の向上が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、上記課題を解決するため、本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法として、吸水性樹脂粉末に表面架橋剤溶液を添加して混合物を得る混合工程と、該混合物を反応させる反応工程と、当該反応工程中の吸水性樹脂粉末及び当該反応工程以降の吸水性樹脂粉末からなる群から選択される少なくとも1つの吸水性樹脂粉末に水性液を添加する水性液添加工程と、を順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法であって、上記水性液添加時の雰囲気露点が20℃以上であり、かつ、水性液添加時の吸水性樹脂粉末の温度が雰囲気露点よりも高温である、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法を提供する。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂として、含水率が5〜20重量%、無加圧下吸水倍率CRC(ERT441.2−02)が30〜45g/g、加圧下吸水倍率AAP(ERT442.2−02)が30〜40g/g、CRC+AAP≧65g/gを示す、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を提供する。
本発明の製造方法によれば、吸水性樹脂に対して、水性液を簡便で、かつ均一に添加することができるため、プロセスの簡略化やプロセスダメージによる物性低下を抑えることができる。更に、高含水率の吸水性樹脂を安定的に製造することもできる。
以下、本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更、実施し得る。具体的には、本発明は下記の各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
〔1〕用語の定義
(1−1)「吸水性樹脂」
本発明において、「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、以下の物性を有するものをいう。即ち、水膨潤性として、CRC(無加圧下吸水倍率)が5(g/g)以上、及び、水不溶性として、Ext(水可溶分)が50重量%以下である高分子ゲル化剤を意味する。
(1−1)「吸水性樹脂」
本発明において、「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、以下の物性を有するものをいう。即ち、水膨潤性として、CRC(無加圧下吸水倍率)が5(g/g)以上、及び、水不溶性として、Ext(水可溶分)が50重量%以下である高分子ゲル化剤を意味する。
上記吸水性樹脂は、その用途、目的に応じて適宜設計が可能であり、特に限定されないが、カルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させた親水性架橋重合体であることが好ましい。
また、上記吸水性樹脂は、全量(100重量%)が重合体である形態に限定されず、上記物性(CRC、Ext)を満足する範囲内で、添加剤等を含んだ吸水性樹脂組成物であってもよい。なお、本明細書では、特に注釈のない限り、添加剤等を含んだ吸水性樹脂組成物や、中間工程で得られる中間体(例えば、混合工程で得られる混合物や反応工程で得られる反応物等)、最終製品を包括して「吸水性樹脂」と総称する。
上記吸水性樹脂が上記吸水性樹脂組成物である場合、当該吸水性樹脂(ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂)の含有量は、吸水性樹脂組成物全体に対して、好ましくは70〜99.9重量%、より好ましくは75〜99重量%、更に好ましくは80〜97重量%、特に好ましくは80〜95重量%である。
吸水性樹脂以外の成分としては、吸水速度や耐衝撃性の観点から、水が好ましく、必要により後述の添加剤が含まれる。
(1−2)「ポリアクリル酸(塩)」
本発明において、「ポリアクリル酸(塩)」とは、グラフト成分を任意に含んだ、繰り返し単位としてアクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を主成分とする重合体を意味する。
本発明において、「ポリアクリル酸(塩)」とは、グラフト成分を任意に含んだ、繰り返し単位としてアクリル酸及び/又はその塩(以下、「アクリル酸(塩)」と称する)を主成分とする重合体を意味する。
なお、上記「主成分」とは、アクリル酸(塩)の含有量(使用量)が、重合に用いられる単量体(架橋剤を除く)全体に対して、通常50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは実質100モル%であることを意味する。また、上記ポリアクリル酸として、ポリアクリロニトリルやポリアクリルアミドを鹸化して得られたポリアクリル酸(塩)を用いてもよい。
また、重合体としてのポリアクリル酸塩は、水溶性塩を必須に含み、好ましくは一価の塩、より好ましくはアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、更に好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩を含む。
(1−3)「EDANA」及び「ERT」
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。
本発明では、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定/公知文献)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
(a)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率(「吸水倍率」と称することもある)を意味する。
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸水倍率(「吸水倍率」と称することもある)を意味する。
「CRC」は、具体的には、不織布中の吸水性樹脂0.2gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液で30分間自由膨潤させた後、遠心分離機(250G)で水切りした後の吸水倍率(単位;g/g)である。
(b)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸水倍率を意味する。
「AAP」は、具体的には、吸水性樹脂0.9gを大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に1時間、2.06kPa(0.3psi)の荷重下で膨潤させた後の吸水倍率(単位;g/g)である。
(c)「Ext」(ERT470.2−02)
「Ext」は、Extractablesの略称であり、水可溶分を意味する。
「Ext」は、Extractablesの略称であり、水可溶分を意味する。
「Ext」は、具体的には、吸水性樹脂1.0gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加して500rpmで16時間攪拌した後、溶解したポリマー量をpH滴定で測定した値(単位;重量%)である。
(d)「Moisture Content」(ERT430.2−02)
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。
「Moisture Content」は、具体的には、吸水性樹脂4.0gについて、105℃で3時間乾燥した際の乾燥減量から算出した値(単位;重量%)である。なお、本発明では、吸水性樹脂を1.0g、乾燥温度を180℃に変更して測定した。
(e)「Residual Monomers」(ERT410.2−02)
「Residual Monomers」は、吸水性樹脂中に残存するモノマー量を意味する。
「Residual Monomers」は、吸水性樹脂中に残存するモノマー量を意味する。
「Residual Monomers」は、具体的には、吸水性樹脂1.0gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加して500rpmで1時間攪拌した後、溶解した残存モノマー量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した値(単位;ppm)である。
(f)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」とは、Particle Size Distributionの略称であり、篩分級により測定される粒度分布を意味する。なお、重量平均粒子径(D50)及び粒子径分布幅は、欧州特許第0349240号や国際公開第2004/069915号に記載された「(1)Average Particle Diameter and Distribution of Particle Diameter」と同様の方法で測定される。
「PSD」とは、Particle Size Distributionの略称であり、篩分級により測定される粒度分布を意味する。なお、重量平均粒子径(D50)及び粒子径分布幅は、欧州特許第0349240号や国際公開第2004/069915号に記載された「(1)Average Particle Diameter and Distribution of Particle Diameter」と同様の方法で測定される。
(g)その他、EDANAで規定される物性
「pH」(ERT400.2−02):吸水性樹脂のpHを意味する。
「pH」(ERT400.2−02):吸水性樹脂のpHを意味する。
「Flow Rate」(ERT450.2−02):吸水性樹脂の流下速度を意味する。
「Density」(ERT460.2−02):吸水性樹脂の嵩比重を意味する。
(1−4)その他
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量部」と「質量部」、「重量%」と「質量%」は同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上、Y以下」を意味する。また、特に注釈のない限り、重量の単位である「t(トン)」は「Metric ton(メトリック トン)」を意味し、「ppm」は「重量ppm」又は「質量ppm」を意味する。更に、「重量」と「質量」、「重量部」と「質量部」、「重量%」と「質量%」は同義語として扱う。また、「〜酸(塩)」は「〜酸及び/又はその塩」、「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」をそれぞれ意味する。
〔2〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法
(2−1)重合工程
本工程は、アクリル酸(塩)系単量体水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」という。)を得る工程である。
(2−1)重合工程
本工程は、アクリル酸(塩)系単量体水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」という。)を得る工程である。
(単量体)(架橋剤を除く)
本発明の製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、吸水性能の観点から、アクリル酸の少なくとも一部が中和されたアクリル酸(塩)を主成分とする単量体を原料として製造されることが好ましい。
本発明の製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、吸水性能の観点から、アクリル酸の少なくとも一部が中和されたアクリル酸(塩)を主成分とする単量体を原料として製造されることが好ましい。
上記アクリル酸の部分中和塩としては特に限定されないが、吸水性能の観点から、好ましくはアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩から選ばれる1種以上の一価塩、より好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩、リチウム塩及びカリウム塩から選ばれる1種以上のアクリル酸塩、特に好ましくはナトリウム塩である。
上記中和は、重合前の単量体及び/又は重合後の含水ゲルに対して行うことができ、その中和率は、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜95モル%、更に好ましくは50〜90モル%、特に好ましくは60〜80モル%である。
上記単量体(下記の架橋剤を含む)は、通常、水溶液に含有された状態にて重合される。その際、水溶液における単量体の濃度(固形分とも称する)は、通常10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは35〜60重量%、最も好ましくは40〜55重量%である。
また、得られる吸水性樹脂の諸物性を改善するという観点から、炭酸塩、アゾ化合物、気泡等の各種の発泡剤、界面活性剤又はキレート剤等の添加剤や、澱粉、ポリビニルアルコール又はポリアクリル酸(塩)等の水溶性又は吸水性の樹脂を、任意成分として、アクリル酸(塩)を主成分とする単量体を含有している水溶液や、重合後の含水ゲル、乾燥重合体又は粉砕重合体等の吸水性樹脂に対して、添加することができる。
上記任意成分は、単量体に対して、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜1重量%が添加される。また、上記水溶性又は吸水性の樹脂は、単量体に対して、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜3重量%が添加される。
また、本発明では、アクリル酸(塩)を主成分として上記範囲で用いる場合、当該アクリル酸(塩)以外に、親水性又は疎水性の不飽和単量体を用いることもできる。
上記親水性又は疎水性の不飽和単量体は、特に限定されないが、例えば、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリルアクリレート及びこれらの塩等が挙げられる。
上記親水性又は疎水性の不飽和単量体は、得られる吸水性樹脂の物性の観点から、全単量体に対して、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%の範囲内で用いられる。
(架橋剤(内部架橋剤))
本発明においては、吸水特性の観点から架橋剤(内部架橋剤)を使用することが好ましい。当該架橋剤(内部架橋剤)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸との重合性架橋剤、カルボキシル基との反応性架橋剤又はこれらを併せ持った架橋剤が例示できる。
本発明においては、吸水特性の観点から架橋剤(内部架橋剤)を使用することが好ましい。当該架橋剤(内部架橋剤)としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸との重合性架橋剤、カルボキシル基との反応性架橋剤又はこれらを併せ持った架橋剤が例示できる。
具体的には、重合性架橋剤として、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリオキシエチレン)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アリロキシアルカン等の分子内に重合性二重結合を少なくとも2個有する化合物が挙げられる。
また、反応性架橋剤として、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル、プロパンジオール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール等の共有結合性架橋剤、又はアルミニウム等の多価金属化合物等のイオン結合性架橋剤が例示できる。
これらの中でも、吸水特性の観点から、アクリル酸との重合性架橋剤が好ましく、特に、アクリレート系、アリル系、アクリルアミド系の重合性架橋剤が好適に使用される。これらの内部架橋剤は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
内部架橋剤の使用量は、物性の観点から、架橋剤を除く上記単量体に対して、好ましくは0.001〜5モル%、より好ましくは0.005〜2モル%、更に好ましくは0.01〜1モル%、特に好ましくは0.03〜0.5モル%である。
(重合開始剤)
本発明で使用される重合開始剤としては、重合の形態によって適宜選択される。このような重合開始剤としては、例えば、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等を例示できる。重合開始剤の使用量は、前記単量体に対して、0.0001〜1モル%が好ましく、0.001〜0.5モル%がより好ましい。
本発明で使用される重合開始剤としては、重合の形態によって適宜選択される。このような重合開始剤としては、例えば、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等を例示できる。重合開始剤の使用量は、前記単量体に対して、0.0001〜1モル%が好ましく、0.001〜0.5モル%がより好ましい。
光分解型重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、アゾ化合物等を例示することができる。また、熱分解型重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等の過酸化物;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド等のアゾ化合物等を例示することができる。
レドックス系重合開始剤としては、例えば、上記過硫酸塩や過酸化物に、L−アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウム等の還元性化合物を併用し、両者を組み合わせた系を例示することができる。また、上記光分解型開始剤と熱分解型重合開始剤とを併用することも、好ましい態様として挙げることができる。
(重合方法)
本発明における重合方法は、性能や重合制御の観点から、噴霧重合、液滴重合、水溶液重合又は逆相懸濁重合で行われ、好ましくは水溶液重合、更に好ましくは連続水溶液重合で行われる。水溶液重合や連続水溶液重合によって得られる吸水性樹脂は、その形状が不定形破砕状となり、その後の粉砕工程等で微粉が発生しやすくなるものの、本発明においては、表面架橋工程で水性液を添加することによって、微粉量を減らすことができる。
本発明における重合方法は、性能や重合制御の観点から、噴霧重合、液滴重合、水溶液重合又は逆相懸濁重合で行われ、好ましくは水溶液重合、更に好ましくは連続水溶液重合で行われる。水溶液重合や連続水溶液重合によって得られる吸水性樹脂は、その形状が不定形破砕状となり、その後の粉砕工程等で微粉が発生しやすくなるものの、本発明においては、表面架橋工程で水性液を添加することによって、微粉量を減らすことができる。
上記連続水溶液重合の好ましい形態として、例えば、連続ニーダー重合(米国特許第6987151号や同第6710141号等に記載)や、連続ベルト重合(米国特許第4893999号、同第6241928号や米国特許出願公開第2005/215734号等に記載)が挙げられる。これらの連続水溶液重合では、高生産性で吸水性樹脂を生産することができる。
このような高濃度または高温での重合であっても、本発明では単量体の安定性に優れ、また、白色度の高い吸水性樹脂が得られるため、かかる条件でより顕著に効果を発揮する。このような高温開始重合は、米国特許第6906159号や同第7091253号等に例示されるが、本発明の方法では、重合前の単量体の安定性にも優れるので、工業的なスケールでの生産が容易である。
これらの重合は、空気雰囲気下でも実施できるが、着色改善の観点から、好ましくは、窒素やアルゴン等の不活性気体雰囲気(例えば、酸素濃度1容積%以下)で行うことが好ましい。また、単量体又は単量体を含む溶液中の溶存酸素が、不活性気体で十分に置換(例えば、酸素1[mg/L]未満)された後に、重合に用いられることが好ましい。
(2−2)ゲル粉砕工程
本工程は、上記重合工程で得られる含水ゲルを、ニーダー、ミートチョッパー又はカッターミル等のゲル粉砕機で粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」という。)を得る工程である。なお、上記重合工程がニーダー重合の場合、重合工程とゲル粉砕工程とが同時に実施され得る。また、上記含水ゲルを、ゲル粉砕工程を経ずに、そのまま乾燥工程に供給してもよい。更に必要に応じて、ゲル粉砕工程の前後において、含水ゲルの熟成工程(特に加熱や保温による重合等の促進工程)を設置することもできる。
本工程は、上記重合工程で得られる含水ゲルを、ニーダー、ミートチョッパー又はカッターミル等のゲル粉砕機で粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」という。)を得る工程である。なお、上記重合工程がニーダー重合の場合、重合工程とゲル粉砕工程とが同時に実施され得る。また、上記含水ゲルを、ゲル粉砕工程を経ずに、そのまま乾燥工程に供給してもよい。更に必要に応じて、ゲル粉砕工程の前後において、含水ゲルの熟成工程(特に加熱や保温による重合等の促進工程)を設置することもできる。
本工程においては、含水ゲルの粉砕性の改善や、含水ゲルの物性改良の観点から、上記含水ゲルに対して、水、多価アルコール、水と多価アルコールとの混合液、多価金属(塩)水溶液、又はこれらの蒸気等を添加することもできる。
本発明において、残存モノマーの低減やゲル劣化の防止(耐尿性の向上)、黄変の防止の観点から、ゲル粉砕時間(重合終了時から乾燥開始時までの時間をいう。)を短時間とすることが好ましい。具体的には、好ましくは1時間以内、より好ましくは0.5時間以内、更に好ましくは0.1時間以内である。また、ゲル粉砕期間中の含水ゲルの温度は、好ましくは40〜95℃、より好ましくは50〜80℃、更に好ましくは60〜70℃に制御(保温又は加温)される。
上述した粉砕後の粒子状含水ゲルの樹脂固形分は、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは30〜70重量%、特に好ましくは35〜60重量%である。また、粒子状含水ゲルの重量平均粒子径(D50)(篩分級で規定)は、好ましくは0.2〜10mm、より好ましくは0.3〜5mm、更に好ましくは0.5〜3mmである。更に、粒子径が5mm以上の粒子状含水ゲルの割合は、粒子状含水ゲル全体に対して、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%である。なお、粒子状含水ゲルの粒子径は、特開2000−63527号公報の段落〔0091〕に開示された湿式分級方法に準拠して測定を行う。
(2−3)乾燥工程
本工程は、上記重合工程及び/又はゲル粉砕工程で得られる、含水ゲル及び/又は粒子状含水ゲルを所望する程度にまで乾燥させて乾燥重合体を得る工程である。なお、当該乾燥重合体中の樹脂固形分は、乾燥減量(試料1gを180℃で3時間加熱した際の重量変化)から求められる値であり、乾燥重合体の、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85〜99重量%、更に好ましくは90〜98重量%、特に好ましくは92〜97重量%である。ここで、前記特許文献4のように、含水率が10〜30質量%の吸水性樹脂を加熱処理しながらさらに水性液(5〜20重量%)を添加する技術では高AAPと高CRCが両立しない虞がある。
本工程は、上記重合工程及び/又はゲル粉砕工程で得られる、含水ゲル及び/又は粒子状含水ゲルを所望する程度にまで乾燥させて乾燥重合体を得る工程である。なお、当該乾燥重合体中の樹脂固形分は、乾燥減量(試料1gを180℃で3時間加熱した際の重量変化)から求められる値であり、乾燥重合体の、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85〜99重量%、更に好ましくは90〜98重量%、特に好ましくは92〜97重量%である。ここで、前記特許文献4のように、含水率が10〜30質量%の吸水性樹脂を加熱処理しながらさらに水性液(5〜20重量%)を添加する技術では高AAPと高CRCが両立しない虞がある。
本発明における乾燥方法としては、含水ゲル及び/又は粒子状含水ゲルを上記割合の樹脂固形分を含む乾燥重合体となるまで乾燥できればよく、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸脱水乾燥又は高温水蒸気による高湿乾燥等の乾燥方法から適宜選択することができる。中でも、熱風乾燥が好ましく、露点温度が0〜100℃の気体を使用する熱風乾燥がより好ましく、露点温度が20〜90℃の気体を使用する熱風乾燥が更に好ましい。
また、乾燥温度としては、吸水特性又は色調の観点から、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜250℃に制御(加熱)されるが、特に、得られる吸水性樹脂の物性と白色度との両立の観点からは、乾燥温度が165〜230℃で乾燥時間が50分以内であることが好ましく、乾燥時間は20〜40分がより好ましい。なお、熱風乾燥を行う場合、熱風の温度を乾燥温度とする。上記乾燥温度や乾燥時間が上記範囲を外れると、吸水性樹脂の無加圧下吸水倍率(CRC)の低下や水可溶分の増加、白色度の低下を引き起こすおそれがあり好ましくない。
(2−4)粉砕工程
本工程は、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体を粉砕して、粉砕重合体(吸水性樹脂粉末)を得る工程である。なお、重合工程で得られる含水ゲルの形状が粒子状(例えば、重合工程が噴霧重合や液滴重合、逆相懸濁重合等)の場合には、乾燥工程後の粉砕を行わない場合もある。
本工程は、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体を粉砕して、粉砕重合体(吸水性樹脂粉末)を得る工程である。なお、重合工程で得られる含水ゲルの形状が粒子状(例えば、重合工程が噴霧重合や液滴重合、逆相懸濁重合等)の場合には、乾燥工程後の粉砕を行わない場合もある。
当該粉砕工程で使用される機器としては、特に限定されないが、例えば、ロールミル、ハンマーミル、ロールグラニュレーター、ジョーククラッシャー、ジャイレクトリークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、カッターミル等が挙げられる。中でも、粒度制御の観点から、ロールミル又はロールグラニュレーターを多段で使用することが好ましい。
(2−5)分級工程
本工程は、上述の各工程(重合工程、ゲル粉砕工程、乾燥工程、粉砕工程)を経て得られた粉砕重合体を分級して、吸水性樹脂粉末を得る工程である。
本工程は、上述の各工程(重合工程、ゲル粉砕工程、乾燥工程、粉砕工程)を経て得られた粉砕重合体を分級して、吸水性樹脂粉末を得る工程である。
本発明の分級方法としては、特に限定されないが、例えば、JIS標準篩(JIS Z8801−1(2000))を用いた篩分級等が挙げられる。なお、吸水性樹脂粉末の粒度は、分級工程以外にも、重合工程(特に逆相懸濁重合や噴霧液滴重合)やその他の工程(例えば、造粒工程、微粉回収工程等)で、適宜調整することができる。
また、当該分級工程は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造工程上で少なくとも1回(1箇所)行うことができればよいが、好ましくはポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造工程上で2回(2箇所)以上行うことがより好ましい。より好ましくは、表面架橋工程の前後で少なくとも1回(1箇所)以上行うことができればよい。更に必要に応じて、分級工程を3〜6回行ってもよい。
上記操作により得られる吸水性樹脂粉末の粒度として、重量平均粒子径(D50)は好ましくは200〜600μm、より好ましくは200〜550μm、更に好ましくは250〜500μm、特に好ましくは300〜450μmである。また、粒子径が150μm未満の粒子の割合は、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜5重量%、更に好ましくは0〜1重量%であり、粒子径が850μm以上の粒子の割合は、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜3重量%、更に好ましくは0〜1重量%である。また、粒度分布の対数標準偏差(σζ)は好ましくは0.20〜0.50、より好ましくは0.25〜0.40、更に好ましくは0.27〜0.35である。なお、これらの粒度は、国際公開第2004/69915号やEDANA ERT420.2−02に開示されている測定方法に準じて、標準篩を用いて測定される。
上述した粒度は、表面架橋前の吸水性樹脂粉末に加えて、表面架橋後の吸水性樹脂粒子や最終製品としてのポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子についても適用される。そのため、上記範囲の粒度を維持するように、表面架橋することが要求される。
(2−6)表面架橋工程
本工程は、上述した工程を経て得られる吸水性樹脂粉末の表面層(吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分)に、架橋密度の高い部分を設ける工程であり、以下の1)〜5)の工程から構成される。
本工程は、上述した工程を経て得られる吸水性樹脂粉末の表面層(吸水性樹脂粉末の表面から数10μmの部分)に、架橋密度の高い部分を設ける工程であり、以下の1)〜5)の工程から構成される。
本発明で適用できる表面架橋には、前記特許文献1〜5、8、21、22等に開示の方法や後述の多官能性表面架橋剤での架橋以外に、吸水性樹脂粉末の表面における過硫酸塩や光重合開始剤等によるラジカル架橋(例えば、国際公開WO2006/062258号パンフレット、米国特許第4910250号)、単量体を添加して重合する重合表面架橋(例えば、米国特許第7201941号、国際公開WO2009/048160A号パンフレット、国際公開WO2006/062253号パンフレット)、水溶性高分子及び表面架橋剤を添加する被覆架橋(例えば、米国特許第4727097号のクレーム2、4)等が含まれ、それぞれの技術に応じて、各種の表面架橋剤溶液が用いられる。ここで、過硫酸塩や光重合開始剤等を用いて表面架橋する場合には過硫酸塩や光重合開始剤が表面架橋剤に該当し、単量体等を用いて表面架橋する場合には単量体が表面架橋剤に該当する。
以下、これら表面架橋(表面架橋剤溶液)を代表して、多官能性表面架橋剤による表面架橋を主に説明するが、本発明では下記に特に限定されない。
1)混合工程
本工程は、上述した(2−1)重合工程から(2−5)分級工程を経て得られた吸水性樹脂粉末に、表面架橋剤(又はその溶液や分散液)を添加、混合して、吸水性樹脂混合物(以下、単に「混合物」と称する。実施例も同じ。)を得る工程である。
本工程は、上述した(2−1)重合工程から(2−5)分級工程を経て得られた吸水性樹脂粉末に、表面架橋剤(又はその溶液や分散液)を添加、混合して、吸水性樹脂混合物(以下、単に「混合物」と称する。実施例も同じ。)を得る工程である。
(表面架橋剤)
本発明で使用できる表面架橋剤としては、特に限定されず、種々の有機又は無機の表面架橋剤が挙げられるが、中でも吸水性樹脂の物性や表面架橋剤の取扱性の観点から、カルボキシル基と反応して共有結合を形成する有機表面架橋剤が好ましく採用される。
本発明で使用できる表面架橋剤としては、特に限定されず、種々の有機又は無機の表面架橋剤が挙げられるが、中でも吸水性樹脂の物性や表面架橋剤の取扱性の観点から、カルボキシル基と反応して共有結合を形成する有機表面架橋剤が好ましく採用される。
具体的には、米国特許第7183456号のカラム9〜10に記載された表面架橋剤の1種又は2種以上を使用することができ、表面架橋剤全体の使用量としては、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部である。
更に具体的に、本発明で使用できる好ましい表面架橋剤としては、エポキシ化合物、多価アルコール化合物、多価アミン化合物、ハロエポキシ化合物、オキサゾリジノン化合物、オキセタン化合物、アルキレンカーボネート化合物を挙げることができる。
また、上記表面架橋剤は、溶媒である水に溶解させた状態にて吸水性樹脂粉末へ添加することが好ましく、水の使用量としては、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。更に必要に応じて、上記溶媒として親水性有機溶媒を使用してもよく、親水性有機溶媒の使用量としては、吸水性樹脂粉末100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
(添加・混合方法)
本発明において、表面架橋剤の添加・混合方法は、特に限定されないが、表面架橋剤、及び溶媒としての水若しくは親水性有機溶媒、又はこれらの混合物を予め用意した後に、吸水性樹脂粉末に対して、噴霧又は滴下して混合することが好ましく、噴霧して混合することがより好ましい。
本発明において、表面架橋剤の添加・混合方法は、特に限定されないが、表面架橋剤、及び溶媒としての水若しくは親水性有機溶媒、又はこれらの混合物を予め用意した後に、吸水性樹脂粉末に対して、噴霧又は滴下して混合することが好ましく、噴霧して混合することがより好ましい。
また、表面架橋剤と吸水性樹脂粉末との混合に使用する混合装置としては、特に限定されないが、高速撹拌型混合装置が好ましく、高速撹拌型連続混合装置がより好ましく、横型又は縦型の高速撹拌型連続混合装置が更に好ましい。より具体的には、シュギミキサー((株)パウレック製)や、タービュライザー(細川ミクロン社製)、レディゲミキサー(レディゲ社製)等が挙げられる。
本発明における混合工程の運転条件として、回転数は好ましくは100〜10000rpm、より好ましくは300〜2000rpmであり、滞留時間は好ましくは180秒以内、より好ましくは0.1〜60秒、更に好ましくは1〜30秒である。
また、当該混合工程に供給される吸水性樹脂粉末の温度としては、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上であり、上限としては好ましくは100℃以下、より好ましくは95℃以下である。吸水性樹脂粉末の温度を上記範囲とすることで、吸水性樹脂の物性低下を抑制することができる。
2)反応工程
本工程は、上記混合工程で得られた混合物を加熱、及び/又は、上記混合工程で得られた混合物に活性エネルギー線を照射して、吸水性樹脂粉末の表面を架橋反応させ、吸水性樹脂反応物(以下、単に「反応物」と称する。実施例も同じ。)を得る工程である。上記反応は、架橋に由来する自由膨潤倍率(例えば、CRCやFSC)の低下、添加した表面架橋剤の減少、吸水性樹脂表面での架橋構造(例えばエステル構造の形成)などで適宜確認できる。
本工程は、上記混合工程で得られた混合物を加熱、及び/又は、上記混合工程で得られた混合物に活性エネルギー線を照射して、吸水性樹脂粉末の表面を架橋反応させ、吸水性樹脂反応物(以下、単に「反応物」と称する。実施例も同じ。)を得る工程である。上記反応は、架橋に由来する自由膨潤倍率(例えば、CRCやFSC)の低下、添加した表面架橋剤の減少、吸水性樹脂表面での架橋構造(例えばエステル構造の形成)などで適宜確認できる。
当該反応工程で使用される装置は、上記混合工程で使用される装置と同じ形態のものでもよいが、好ましくは別形態の装置が使用される。また、混合工程と反応工程との間に、必要に応じて、混合物の反応を伴わない貯蔵工程や攪拌工程を設けて、反応工程に供する前に表面架橋剤を吸水性樹脂粉末に浸透又は拡散させてもよい。
反応工程で使用される装置、特に水性液が添加される場合には、給気口及び/又は排気口を、特に排気口を備えているのが好ましい。該給気口及び排気口により、水蒸気などの気体供給や、該供給気体や更に該装置内部で発生する水蒸気などの排気が行われ、露点が制御できることが好ましい。更に装置での給気口や排気口は1つでもよく、複数の給気口ないし排気口を設置してもよい。
また、給気口及び排気口は、それぞれ、吸水性樹脂粉末の投入口及び排出口を兼ねてもよい。より好ましくは、給気口及び排気口の少なくとも一方は、さらに好ましくは複数ある給気口及び排気口のそれぞれの少なくとも一箇所は投入口又は排出口と兼用では無い形態である。
装置から排気された気体は廃棄してもよく、そのまま反応工程にリサイクルしてもよく、またリサイクルする場合、任意に他の気体と混合し、必要により加熱又は冷却、加圧又は減圧、加湿又は除湿して、温度や露点等を調整してから反応工程へ、あるいは別工程で使用してもよい。
当該反応工程にて生じる表面架橋反応には、吸水性樹脂粉末の表面における過硫酸塩や光重合開始剤等によるラジカル架橋、単量体を添加して重合する重合架橋、水溶性高分子及び表面架橋剤を添加する被覆架橋等が含まれる。
本発明では、ポリアクリル酸のカルボキシル基と反応する共有結合性表面架橋剤やイオン結合性表面架橋剤、又はこれらの併用が好ましく適用される。上記の反応によって、表面架橋された吸水性樹脂が得られる。
なお、吸水性樹脂粉末と表面架橋剤との反応は、目的物性を達成すれば反応率を100%とする必要はなく、安全性の高い多価アルコール等は、反応後の吸水性樹脂粉末の表面に残存してもよい。表面架橋剤として添加した多価アルコールが残存することにより、制ダスト剤や親水化剤として作用させることもできる。
また、本発明において、混合物の反応(吸水性樹脂粉末と表面架橋剤との反応)は室温でもよいが、好ましくは加熱及び/又は活性エルギー線(特に紫外線)の照射でなされる。なお、当該反応工程中に下記水性液を添加する場合には、表面架橋反応は途中であっても終了していてもよい。上記加熱処理と活性エネルギー線の照射処理とを併用することもできるが、物性向上及び安定化の観点から、加熱処理が好ましい。
本反応工程で使用される装置としては、特に限定されず、無攪拌(静置)の装置でもよいが、均一な反応を行うという観点から、攪拌装置又は流動装置が好ましく使用される。当該反応を加熱処理で行う場合に用いられる加熱反応装置として、攪拌機構又は流動機構を備えた乾燥機又は加熱炉が例示される。より具体的には、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、パドル型乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。また、加熱処理に代えて活性エネルギー線の照射処理で当該反応を行う場合に用いられる活性エネルギー線反応装置として、紫外線照射機構を備えた攪拌装置又は流動装置が例示される。反応装置として、特に好ましいのは、パドル型乾燥機(パドルドライヤー)、特に、給気口及び/又は排気口を備えたパドル型乾燥機である。
また、上記装置は、連続式でもバッチ式でもよいが、生産性の観点から連続式が好ましい。
上記加熱処理装置の熱源としては、特に限定されないが、好ましくはスチーム、温水、ナイター、オイル等が挙げられる。加熱温度(ジャケット等の伝熱面温度)としては、好ましくは60〜300℃、より好ましくは70〜200℃、更に好ましくは80〜150℃である。なお、本発明において、上記加熱温度が100℃を超える場合、更には150℃を超える場合、特に高温加熱反応といい、好ましくは後述の冷却工程が実施される。
(減圧度)
本発明においては、上記反応装置内を減圧状態とすることが好ましい。「減圧状態」とは、大気圧よりも気圧が低い状態を意味し、大気圧と反応装置内の気圧との圧力差を「減圧度」と言う。また、反応装置内の気圧が大気圧よりも低い場合に、反応装置内の気圧を、正(プラス)の値で表記する。例えば、大気圧が標準大気圧(101.3kPa)である場合、「減圧度が10kPa」とは、反応装置内の気圧が91.3kPaであることを意味する。
本発明においては、上記反応装置内を減圧状態とすることが好ましい。「減圧状態」とは、大気圧よりも気圧が低い状態を意味し、大気圧と反応装置内の気圧との圧力差を「減圧度」と言う。また、反応装置内の気圧が大気圧よりも低い場合に、反応装置内の気圧を、正(プラス)の値で表記する。例えば、大気圧が標準大気圧(101.3kPa)である場合、「減圧度が10kPa」とは、反応装置内の気圧が91.3kPaであることを意味する。
本発明の反応工程においては、上記減圧度として、好ましくは0kPaを超え、より好ましくは0.01kPa以上、更に好ましくは0.05kPa以上である。また、上限として好ましくは10kPa以下、より好ましくは8kPa以下、更に好ましくは5kPa以下、特に好ましくは2kPa以下である。上記減圧度が10kPaを超える(過度の減圧)場合、必要とされる設備コストに対して効果が乏しく、好ましくない。一方、減圧状態としなければ、反応装置内の高露点空気が前後の装置に流出し、結露、付着等の不具合を生じさせる虞があるため、好ましくない。減圧度の好ましい範囲は、上記の上限値、下限値の間で任意に選択できる。
(攪拌速度)
本発明において、上記反応装置の攪拌速度は好ましくは2〜40rpm、より好ましくは5〜30rpmである。上記攪拌速度が2rpm未満の場合、攪拌が不十分となり、一方、40rpmを超える場合、微粉が発生し易くなるため、好ましくない。
本発明において、上記反応装置の攪拌速度は好ましくは2〜40rpm、より好ましくは5〜30rpmである。上記攪拌速度が2rpm未満の場合、攪拌が不十分となり、一方、40rpmを超える場合、微粉が発生し易くなるため、好ましくない。
(傾斜角)
上記反応装置の攪拌軸の方向は、縦向き及び横向きのいずれでもよい。横向きの攪拌軸を有する連続反応装置の場合には、軸の傾斜角は、水平方向を0°として、好ましくは吸水性樹脂粉末の投入口から排出口に向かって下向きに0.1〜10°、より好ましくは0.5〜5°、更に好ましくは1〜4°の傾斜角を有する。当該傾斜角が、上記範囲を満たすことで、得られる吸水性樹脂の物性が向上するので、好ましい。
上記反応装置の攪拌軸の方向は、縦向き及び横向きのいずれでもよい。横向きの攪拌軸を有する連続反応装置の場合には、軸の傾斜角は、水平方向を0°として、好ましくは吸水性樹脂粉末の投入口から排出口に向かって下向きに0.1〜10°、より好ましくは0.5〜5°、更に好ましくは1〜4°の傾斜角を有する。当該傾斜角が、上記範囲を満たすことで、得られる吸水性樹脂の物性が向上するので、好ましい。
(平均滞留時間)
本発明において、上記反応装置内での平均滞留時間(反応時間)は、目的とする架橋密度等で適宜決定され特に制限されないが、好ましくは3〜180分、より好ましくは5〜120分、更に好ましくは10〜60分である。上記平均滞留時間が3分未満では反応(表面架橋反応)が不十分であり、一方、180分を超えると吸水性能が低下する虞があるため、好ましくない。
本発明において、上記反応装置内での平均滞留時間(反応時間)は、目的とする架橋密度等で適宜決定され特に制限されないが、好ましくは3〜180分、より好ましくは5〜120分、更に好ましくは10〜60分である。上記平均滞留時間が3分未満では反応(表面架橋反応)が不十分であり、一方、180分を超えると吸水性能が低下する虞があるため、好ましくない。
本発明における「平均滞留時間」は、連続反応装置の場合、反応装置の有効容積、混合物の供給量、傾斜角、攪拌速度の他、かき上げ羽根の形状、混合物の嵩比重、表面架橋剤の種類、反応装置排出口に設置される排出堰の高さ等、種々の因子によって決定される。
3)冷却工程(任意)
本工程は、上記反応工程(特に加熱処理での反応工程、更には高温加熱処理での反応工程)後に、表面架橋反応の停止や次工程への搬送等を目的として、必要に応じて実施される任意の工程である。
本工程は、上記反応工程(特に加熱処理での反応工程、更には高温加熱処理での反応工程)後に、表面架橋反応の停止や次工程への搬送等を目的として、必要に応じて実施される任意の工程である。
本発明において、冷却工程は、上記反応工程(特に加熱反応工程)後、短時間で実施されることが好ましく、上記反応装置から排出された反応物が、好ましくは0秒を越えて3分以内、より好ましくは2分以内、更に好ましくは1分以内、特に好ましくは0.5分以内に、冷却工程の冷却装置に投入される。当該時間(投入時間)は、装置のレイアウト(反応装置と冷却装置とを直結、又は短距離、例えば10m以内の輸送距離で配置)等で制御できる。
本冷却工程で使用される冷却装置は、特に限定されないが、好ましくは伝面や気流等による冷却機能を備えた攪拌装置又は流動装置が挙げられる。
例えば、上記反応工程で好ましく使用される反応装置である、パドル型乾燥機と同一形式(装置サイズの大小は適宜変更)の装置を使用することができる。この場合、当該反応装置の熱媒を冷媒に変更することで冷却装置として使用する。なお、パドル型乾燥機を用いる場合、反応装置との相違を明確にするため、本発明では、便宜上、冷却装置をパドルクーラーと称する。また、パドルクーラーの運転条件(例えば、減圧度、攪拌速度、傾斜角、平均滞留時間等)については、上記と同じ範囲である。
上記冷却装置の冷媒としては、特に限定されないが、好ましくは水、温水、不凍液等が挙げられる。冷却温度(ジャケット等の伝熱面温度)としては、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜90℃、更に好ましくは40〜80℃である。
(2−7)水性液添加工程
本工程は、上記反応工程中及び/又は反応工程以降の工程(特に冷却工程)において、吸水性樹脂粉末を含む混合物及び/又は反応物に水性液を添加する工程である。なお、当該混合物及び/又は反応物を包括して、以下、「吸水性樹脂粉末」と称する場合がある。
本工程は、上記反応工程中及び/又は反応工程以降の工程(特に冷却工程)において、吸水性樹脂粉末を含む混合物及び/又は反応物に水性液を添加する工程である。なお、当該混合物及び/又は反応物を包括して、以下、「吸水性樹脂粉末」と称する場合がある。
即ち、上記課題を解決するため、本発明に係る吸水性樹脂粒子の製造方法は、吸水性樹脂粉末に表面架橋剤溶液を添加して混合物を得る混合工程と、当該混合物を反応させる反応工程と、当該反応工程中及び/又は反応工程以降の吸水性樹脂粉末に水性液を添加する添加工程とを順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法であって、上記水性液添加時の雰囲気露点が20℃以上であり、かつ、水性液添加時の吸水性樹脂粉末の温度が雰囲気露点より高温であることを特徴とする、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法を提供する。
水性液添加工程は、雰囲気露点と吸水性樹脂粉末の温度とが所定の条件を満たした状態で行えればよく、反応工程や、反応工程以降の工程である冷却工程、それ以後の工程内で、あるいは独立した一工程として行ってもよい。
本工程で用いられる装置は混合機能を有していることが好ましく、上記表面架橋工程の混合工程で用いられる装置と同形態の装置が好ましく用いられる。具体的には、高速攪拌型混合装置が好ましく、高速攪拌型連続混合装置がより好ましく、横型又は縦型の高速攪拌型連続混合装置が更に好ましい。より具体的には、シュギミキサー((株)パウレック製)や、タービュライザー(細川ミクロン社製)、レディゲミキサー(レディゲ社製)等が挙げられる。
当該混合装置における混合条件として、回転数は好ましくは100〜10000rpm、より好ましくは300〜2000rpmであり、滞留時間は好ましくは180秒以内、より好ましくは0.1〜60秒、更に好ましくは1〜30秒である。なお、水分が吸水性樹脂粉末内部に浸透することで粉体流動性が付与されるため、水性液の添加量によっては、添加後に更に硬化工程を設けてもよい。
本発明における「反応工程中及び/又は反応工程以降の吸水性樹脂粉末に水性液を添加する添加工程」とは、表面架橋反応中及び/又は表面架橋反応終了後に、水性液を添加する工程をいい、好ましくは下記の何れかの手法である。
本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の好ましい製造方法(手法その1)として、水性液添加工程が反応工程中に行われ、更に好ましくは加熱反応装置又は活性エネルギー線反応装置内の吸水性樹脂粉末に対して水性液の添加が行われる。上記「反応工程中」とは、加熱の開始時点及び活性エネルギー線の照射開始時点のいずれか早いほうを反応の開始時として、吸水性樹脂粉末が反応装置から排出される直前までをいう。尚、一つの反応装置で冷却工程まで行う場合には、冷却工程開始直前が反応工程の終了時となる。通常は、反応工程に用いられる反応装置での滞留中とみなすことができる。
本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の好ましい製造方法(手法その2)として、水性液添加工程が反応工程以降に行われ、より好ましくは反応工程後から3分以内に開始され、更に好ましくは反応工程後の冷却工程中に行われる。
(水性液)
本発明において、「水性液」とは、水単独、或いは水(液体の水)を主成分とし、任意に他の有機溶媒や添加剤を含んだ水溶液又は分散液を意味する。気体の水で供給してもよいが、特許文献20のように水蒸気で水を添加する場合、水の添加量が十分でない場合があり、好ましくは液体として水性液が供給される。
本発明において、「水性液」とは、水単独、或いは水(液体の水)を主成分とし、任意に他の有機溶媒や添加剤を含んだ水溶液又は分散液を意味する。気体の水で供給してもよいが、特許文献20のように水蒸気で水を添加する場合、水の添加量が十分でない場合があり、好ましくは液体として水性液が供給される。
上記水性液が上記水溶液又は分散液の場合、有機溶媒や添加剤の濃度については適宜決定されるが、水性液における水の含有量としては、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%、特に好ましくは80〜100質量%、最も好ましくは90〜100質量%である。
本発明において、水性液の温度としては、下記添加剤の溶解度や、吸水性樹脂粉末と水性液との混合性に応じて適宜決定されるが、0〜100℃が好ましく、10〜50℃がより好ましい範囲である。
更に、親水性有機溶媒を使用する場合、当該親水性有機溶媒の使用量としては、吸水性樹脂粉末100質量部に対して、好ましくは0質量部を超え10質量部以下、より好ましくは0質量部を超え5質量部以下である。当該親水性有機溶媒としては、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数2〜3の一級アルコールであり、その他には、アセトン等の炭素数4以下の低級ケトン等が挙げられる。
親水性有機溶媒としては、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ(ポリ)エチレングリコール等のエーテル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体等の多価アルコール類等が挙げられる。
(水性液添加時の雰囲気露点、気相部温度)
本発明において、反応工程中及び/又は反応工程以降の吸水性樹脂粉末に水性液を添加する際、当該工程における雰囲気露点を20℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上、特に好ましくは60℃以上に制御する。当該雰囲気露点の上限については、特に限定されないが、一般的に100℃未満であればよく、90℃以下がより好ましい。上記雰囲気露点が20℃未満の場合、吸水性樹脂粉末(混合物及び/又は反応物)に含まれる水分が蒸発し易く、稼働中の微粉発生量が多く、耐ダメージ性に劣るため、好ましくない。
本発明において、反応工程中及び/又は反応工程以降の吸水性樹脂粉末に水性液を添加する際、当該工程における雰囲気露点を20℃以上、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上、特に好ましくは60℃以上に制御する。当該雰囲気露点の上限については、特に限定されないが、一般的に100℃未満であればよく、90℃以下がより好ましい。上記雰囲気露点が20℃未満の場合、吸水性樹脂粉末(混合物及び/又は反応物)に含まれる水分が蒸発し易く、稼働中の微粉発生量が多く、耐ダメージ性に劣るため、好ましくない。
上記雰囲気露点は、装置内の位置や処理時間の経過に伴い変化する場合もあるが、装置内において一定範囲(それぞれ上記範囲を超えず、上記露点の下限に対して変化の幅(露点の上下限の差)が好ましくは20℃以内、より好ましくは10℃以内、更に好ましくは5℃以内、特に好ましくは2℃以内)に制御されていることが好ましい。ここで、装置内の位置や処理時間の経過に伴い変化する場合、簡便には露点は排気口で得られた気体の露点を測定することで規定できる。また、排気口が複数ある場合、複数の排気口から得られた気体の露点と体積から平均露点を求めることができる。また、装置に気体の排気口がない場合、あるいは排気口が吸水性樹脂の排出と兼ねる場合、吸水性樹脂の排出口からの露点で規定してもよく、装置内部に露点計を入れて規定してもよく、内部の気体を吸引(サンプリング)して測定してもよい。
また、上記水性液を添加する際、反応工程中及び/又は反応工程以降の工程(特に冷却工程)における気相部温度(装置の上部空間でのガス温度で規定)を、好ましくは50〜150℃、より好ましくは80〜130℃に制御する。当該気相部温度が150℃を超える場合、吸水性樹脂粉末(混合物及び/又は反応物)に含まれる水分が蒸発し易く、稼働中の微粉発生量が多く、耐ダメージ性に劣るため、好ましくない。
なお、当該気相部温度が上記雰囲気露点よりも低い場合、装置内部で結露が発生し、吸水性樹脂粉末の付着等の不具合が生じるため、上記気相部温度としては、上記雰囲気露点を超える温度範囲を設定することが好ましい。具体的には、好ましくは露点+5℃以上、より好ましくは露点+10℃以上、更に好ましくは露点+20℃以上で、適宜設定することが好ましい。
上記雰囲気露点及び気相部温度は、給排気量、給気の湿度等によって制御される。当該雰囲気露点及び気相部温度は、吸水性樹脂粉末の鉛直上方において測定される値である。なお、加熱処理の開始前後(連続式の場合は加熱処理機に投入された直後及び/又は加熱処理機から排出される直前)には、上記範囲を外れる場合がある。従って、本発明の効果を十分に得るためには、上記反応時間の全体を基準として、好ましくは50%以上において、より好ましくは70%以上において、更に好ましくは80%以上において、特に好ましくは100%において、上記雰囲気露点及び気相部温度となっていればよい。
また、水性液添加工程(反応工程中及び/又は反応工程以降の工程)において、一定流量の気流を通気する場合、上記装置における気体排出機構内での適切な箇所で測定される露点及び温度を、本発明で規定する雰囲気露点及び気相部温度としてもよい。詳細には、当該装置において、他の気体の混入がなく、ガス洗浄装置等による処理が行われず、加熱処理機や冷却機等を用いた強制的な温度変化もなく、通気するガスの当該装置の通過時間が好ましくは5秒以内、より好ましくは1秒以内であればよい。すなわち、上記したように、好ましくは、露点は排気口で得られた気体の露点を測定することで規定できる。
本発明において、水性液が添加される装置(反応装置及び/又は冷却装置)の上部空間を満たす気体としては、特に限定されないが、得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の物性の観点から、空気や水蒸気、窒素、アルゴン等の不活性ガス、空気と不活性ガスとの混合ガス等が挙げられる。なお、上記雰囲気露点の調整のため、水蒸気を適宜添加することもできる。
(水性液添加時の混合物及び/又は反応物(吸水性樹脂粉末)の温度)
本発明は、水性液添加時の雰囲気露点を上記範囲に制御することに加えて、水性液添加時の混合物及び/又は反応物(吸水性樹脂粉末)の温度を、当該雰囲気露点よりも高温とすることを特徴とする。
本発明は、水性液添加時の雰囲気露点を上記範囲に制御することに加えて、水性液添加時の混合物及び/又は反応物(吸水性樹脂粉末)の温度を、当該雰囲気露点よりも高温とすることを特徴とする。
即ち、上記反応工程中及び/又は反応工程以降の工程において、水性液添加時の混合物及び/又は反応物(吸水性樹脂粉末)の温度を好ましくは50〜150℃、より好ましくは70〜120℃とする。上記温度が50℃未満の場合、反応物(吸水性樹脂粉末)への水性液の吸収速度が遅く、ダマが発生し易くなるため、運転が困難となる虞がある。一方、上記温度が150℃を超える場合、水性液の添加効果が低下するため、好ましくない。
(水性液添加時の混合物及び/又は反応物(吸水性樹脂粉末)の含水率)
上記反応工程中及び/又は反応工程以降の工程における、水性液添加時の混合物及び/又は反応物(吸水性樹脂粉末)の含水率は、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%、更に好ましくは4〜8重量%に制御される。当該含水率が15重量%を超える場合、装置内部で結露が発生し、吸水性樹脂粉末の付着等の不具合が生じるため、運転が困難となる虞がある。
上記反応工程中及び/又は反応工程以降の工程における、水性液添加時の混合物及び/又は反応物(吸水性樹脂粉末)の含水率は、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%、更に好ましくは4〜8重量%に制御される。当該含水率が15重量%を超える場合、装置内部で結露が発生し、吸水性樹脂粉末の付着等の不具合が生じるため、運転が困難となる虞がある。
(水性液の添加量)
上記反応工程中及び/又は反応工程以降の工程における水性液の添加量は、吸水性樹脂粉末に対して、好ましくは1〜14重量%、より好ましくは3〜12重量%である。上記添加量が1重量%未満の場合、微粉発生量の少ない、耐ダメージ性に優れたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が得られず、また、上記添加量が14重量%を超える場合、吸水性樹脂中にダマが発生し易く、運転が困難となる虞がある。
上記反応工程中及び/又は反応工程以降の工程における水性液の添加量は、吸水性樹脂粉末に対して、好ましくは1〜14重量%、より好ましくは3〜12重量%である。上記添加量が1重量%未満の場合、微粉発生量の少ない、耐ダメージ性に優れたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂が得られず、また、上記添加量が14重量%を超える場合、吸水性樹脂中にダマが発生し易く、運転が困難となる虞がある。
(水性液の添加方法)
本発明において、上記水性液は、反応工程中及び/又は反応工程以降の工程において、当該工程での雰囲気露点及び吸水性樹脂粉末(混合物及び/又は反応物)の温度が上記範囲を満たす状態で、吸水性樹脂粉末へ添加すればよく、連続装置又は回分(バッチ)装置の何れにも適用される。
本発明において、上記水性液は、反応工程中及び/又は反応工程以降の工程において、当該工程での雰囲気露点及び吸水性樹脂粉末(混合物及び/又は反応物)の温度が上記範囲を満たす状態で、吸水性樹脂粉末へ添加すればよく、連続装置又は回分(バッチ)装置の何れにも適用される。
反応工程中及び/又は反応工程以降の工程で使用される装置が連続装置の場合、当該装置の全長に対して、前方から好ましくは1/10〜9/10の位置、より好ましくは1/5〜4/5の位置において、水性液を吸水性樹脂粉末へ添加すればよい。また、バッチ装置の場合は、滞留時間(反応時間や冷却時間等)に対する比率によって適宜決定すればよく、具体的には、全反応時間又は全混合時間(特に全冷却時間)の1/10〜9/10の時機、より好ましくは1/5〜4/5の時機に、水性液を吸水性樹脂粉末へ添加すればよい。なお、上記「前方」とは、連続装置において、縦型又は横型を問わず、吸水性樹脂粉末が当該装置に供給された箇所を意味する。
上記水性液の添加箇所が上記1/10よりも早い段階である場合、水性液の添加効果が十分に発揮出来ず、一方、上記水性液の添加箇所が上記9/10よりも遅い段階である場合、吸水性樹脂粉末(混合物及び/又は反応物)の硬化が終了せず、別途硬化工程が必要となる。硬化工程の省略は、以後の工程において詰まり等の不具合を発生させ、目的とする物性のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子が得られなくなる虞があり、好ましくない。なお、上記「硬化」とは、水性液の拡散及び吸水性樹脂粉末への吸収を意味する。
また、本発明において、水性液の添加は、上記範囲内の1箇所で行ってもよく、装置の縦方向又は横方向での複数箇所で行ってもよい。更に、反応工程及び冷却工程の両工程で添加することもできる。
また、本発明において、上記混合装置内で水性液を添加する際、使用する添加装置としては特に限定されないが、好ましくは水性液を狭い範囲(面積)で均一に滴下又は噴霧できる装置、より好ましくは噴霧できる装置が挙げられ、例えば、フラットスプレー、ホローコーン、フルコーンのスプレーパターンを有する1流体型又は2流体型スプレーが挙げられる。更に好ましくは、狭い領域に噴霧できる狭角スプレーが挙げられる。
また、上記滴下ないし噴霧は一箇所で行ってもよく、同時または別途、複数箇所で行ってもよいし、滴下と噴霧は併用してもよい。滴下ないし噴霧は粉面の上から行ってもよく、下から行ってもよい。ここで、連続混合で同時とは、進行方向に対して横から並列で同時に複数箇所から噴霧ないし滴下することを意味し、連続混合で別途とは、進行方向に対して異なる時間軸で直列に複数箇所から噴霧ないし滴下することを意味する。
上記水性液を噴霧する場合、噴霧する液滴の大きさは特に限定されないが、体積平均粒径で10〜1000μmであることが好ましい。上記液滴の大きさが1000μmを超える場合、得られる吸水性樹脂の含水率が不均一となり、多量に吸水した吸水性樹脂粉末がダマとなって当該装置の閉塞を起こすことがあるため、好ましくない。また、液滴の大きさが10μm未満の場合、噴霧された水性液が吸水性樹脂に有効に付着せず、飛沫として装置外に排気されたり、結露水となったりして問題を起こすため、好ましくない。
以上の観点から、上記液滴の大きさとしては50〜500μmがより好ましい。なお、一般的傾向として、装置内の気流が緩やかであれば当該液滴の大きさは小さくてもよく、また、気流が早い場合には飛沫として系外に除去されることを防止するため、液滴を大きくすることが必要である。
(付着防止剤)
本発明においては、上記水性液を吸水性樹脂粉末以外には接しないように添加することが好ましいが、当該水性液が吸水性樹脂粉末以外の部分、例えば、反応装置の内壁面等に接する可能性がある場合には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等の付着防止剤を含有させることが好ましい。
本発明においては、上記水性液を吸水性樹脂粉末以外には接しないように添加することが好ましいが、当該水性液が吸水性樹脂粉末以外の部分、例えば、反応装置の内壁面等に接する可能性がある場合には、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)等の付着防止剤を含有させることが好ましい。
(添加剤)
本発明において、得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子に対して付加機能を発現させるため、上記水性液に以下の各種添加剤を溶解又は分散させることもできる。このような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、消臭剤、抗菌剤、着色防止剤、キレート剤、無機の一価塩又は多価塩、酸性化合物、還元剤、アルカリ性化合物及び界面活性剤、水不溶性無機微粒子から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、好ましくは水溶性添加剤が使用され、より好ましくはキレート剤、消臭剤、多価金属塩、無機還元剤から選ばれる水溶性添加剤が使用される。
本発明において、得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子に対して付加機能を発現させるため、上記水性液に以下の各種添加剤を溶解又は分散させることもできる。このような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、消臭剤、抗菌剤、着色防止剤、キレート剤、無機の一価塩又は多価塩、酸性化合物、還元剤、アルカリ性化合物及び界面活性剤、水不溶性無機微粒子から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの中でも、好ましくは水溶性添加剤が使用され、より好ましくはキレート剤、消臭剤、多価金属塩、無機還元剤から選ばれる水溶性添加剤が使用される。
より具体的には、得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の着色防止や劣化防止の観点から、キレート剤を添加することが好ましい。当該キレート剤としては、例えば、国際公開第2011/040530号の「〔2〕キレート剤」に開示されたキレート剤及びその使用量が本発明に適用される。好ましいキレート剤は、水溶性非高分子のアミノ多価カルボン酸又はアミノ多価リン酸及びその塩(特に一価塩)から選ばれる。
また、得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の着色防止や劣化防止、残存モノマー低減の観点から、無機還元剤を添加することが好ましい。当該無機還元剤としては、例えば、国際公開第2011/040530号の「〔3〕無機還元剤」に開示された無機還元剤及びその使用量が本発明に適用される。好ましい無機還元剤は、水溶性リン系還元剤又はイオウ系還元剤から選ばれる。
更に、得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の吸水速度(Vortex)の向上、通液性(SFC)の向上、吸湿時の流動性の観点から、無機塩、特に多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーを添加することが好ましい。当該多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマーとしては、例えば、国際公開第2011/040530号の「〔7〕多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー」に開示された多価金属塩及び/又はカチオン性ポリマー、及びその使用量が本発明に適用される。好ましい多価金属塩は、アルミニウムの有機酸又は無機酸から選ばれる。
また、水不溶性無機微粒子は国際公開第2011/040530号の「〔5〕水不溶性無機微粒子」に開示された水不溶性無機微粒子、界面活性剤は国際公開第2005/075070号に開示された界面活性剤が、それぞれ好ましく適用される。
更に消臭剤としては、合成又は天然物消臭剤が使用され、国際公開第2003/104349号に開示された植物成分が好ましく使用される。具体的には、タンニン等のポリフェノール類が使用される。
更に、得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の残存モノマー低減の観点から、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)等の亜硫酸塩、吸水速度を調節するための有機又は無機塩基、有機酸又は無機酸、1価の金属塩又は多価金属塩(例えば硫酸アルミニウム)、消臭機能を付与するための消臭剤、ビジュアルな価値を付与するための着色料、耐尿性を向上させるための各種キレート剤等を含有させることができる。
上記水性液における各種添加剤の濃度は、総量として、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜40重量%、更に好ましくは1〜30重量%である。また、吸水性樹脂粉末に対する添加量も目的や添加剤に応じて適宜決定すればよく、好ましくは1ppm〜10重量%、より好ましくは10ppm〜1重量%、更に好ましくは20ppm〜0.5重量%である。
(2−8)添加後の工程(整粒工程等)
水性液の添加後に別途、水分調整や粉体流動性の向上のため、吸水性樹脂粉末を部分的に加熱又は加熱乾燥してもよい。硬化工程や、加熱又は加熱乾燥することで混合した水分が吸水性樹脂内部に浸透し、粉体流動性を向上させることができるため、その後の製造工程や貯蔵や製品充填に好適である。
水性液の添加後に別途、水分調整や粉体流動性の向上のため、吸水性樹脂粉末を部分的に加熱又は加熱乾燥してもよい。硬化工程や、加熱又は加熱乾燥することで混合した水分が吸水性樹脂内部に浸透し、粉体流動性を向上させることができるため、その後の製造工程や貯蔵や製品充填に好適である。
なお、本発明では、水性液を、反応工程中及び/又は反応工程以降の工程において添加することによって、水分が吸水性樹脂内部に浸透して粉体流動性を有するため、別途の硬化工程が不要となり、結果、プロセスの簡略化やプロセスダメージによる物性低下を抑えることができる。なお、上記粉体流動性として、ERT450.2−02で規定されるFlow Rateが、好ましくは3(g/s)以上、より好ましくは5(g/s)以上、更に好ましくは7(g/s)以上である。
また、表面架橋後や水性液添加後に凝集物の発生や粒度変化が見られることもあるため、分級工程及び任意に凝集物の解砕工程(あわせて整粒工程と呼ぶ)を設けてもよい。分級工程で凝集物(粗大粒子)又は微粉が除去された凝集物又は微粉(特に150μm未満の粒子)は廃棄してもよく、粗大粒子は凝集物の解砕工程に、微粉は微粉リサイクル工程にそれぞれ供してもよい。
(2−9)その他の工程
上述した工程以外に、蒸発モノマーのリサイクル工程、造粒工程、微粉リサイクル工程等を、必要に応じて設けることができる。
上述した工程以外に、蒸発モノマーのリサイクル工程、造粒工程、微粉リサイクル工程等を、必要に応じて設けることができる。
また、上記(2−7)(添加剤)に記載の添加剤を、上記(2−7)水性液添加工程以外で添加してもよい。更に、パルプや熱可塑性繊維等を、吸水性樹脂100重量部に対して、好ましくは0〜3重量部、より好ましくは0〜1重量部、添加する工程を設けてもよい。
〔3〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の物性
本発明に係る製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子は、衛生物品、特に紙オムツへの使用を目的とする場合、下記(イ)〜(ホ)の少なくとも1つ、より好ましくはAAPを含めた2つ以上、更に好ましくは3つ以上の物性を所望の範囲に制御することが望まれる。
本発明に係る製造方法で得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子は、衛生物品、特に紙オムツへの使用を目的とする場合、下記(イ)〜(ホ)の少なくとも1つ、より好ましくはAAPを含めた2つ以上、更に好ましくは3つ以上の物性を所望の範囲に制御することが望まれる。
なお、制御される物性は、下記(イ)〜(ホ)以外に、FSC(自由膨潤倍率)、PSD(粒度分布)、pH、Flow Rate(流下速度)、Density(嵩比重)等が挙げられる。
本発明は、これらの物性を高度に制御する製造方法に好ましく適用されるが、下記に示した範囲を満たさない場合、本発明の効果が不十分であったり、紙オムツ1枚当たりの吸水性樹脂粒子の使用量が多い高濃度オムツにおいて、十分な性能を発揮しなかったりすることがある。
また、制御される物性やその測定方法は適宜決定されるが、上述したEDANAに開示される測定方法を本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造におけるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子に適用することができる。
(イ)含水率(及び添加剤)
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の含水率は、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは5〜18重量%、更に好ましくは5〜15重量%である(下限はさらに6重量%、特に7重量%程度である)。当該含水率を上記範囲内とすることで、微粉の発生量が少なく、耐衝撃性に優れたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子が得られる。更に、生産性を向上させることもできるため、好ましい。
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の含水率は、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは5〜18重量%、更に好ましくは5〜15重量%である(下限はさらに6重量%、特に7重量%程度である)。当該含水率を上記範囲内とすることで、微粉の発生量が少なく、耐衝撃性に優れたポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子が得られる。更に、生産性を向上させることもできるため、好ましい。
また、水に加えて本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子は、好ましくは上記(2−7)に記載の添加剤を含む。添加剤の種類や量は適宜設定されるが、代表的には上記(2−7)の範囲である。
(ロ)無加圧下吸水倍率(CRC)ERT441.2−02
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の0.9重量%生理食塩水に対する無加圧下吸水倍率(CRC)は、好ましくは10(g/g)以上、より好ましくは20(g/g)以上、更に好ましくは25(g/g)以上、特に好ましくは27(g/g)以上、30(g/g)以上、35(g/g)以上の順である。なお、無加圧下吸水倍率(CRC)は高いほど好ましく、上限値については特に限定されないが、他の物性とのバランスから、好ましくは50(g/g)以下、さらに好ましくは45(g/g)以下、より好ましくは40(g/g)以下である。CRCの上下限はこの範囲で適宜選択できるが、例えば、30〜45(g/g)、さらには、35〜40(g/g)の範囲である。
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の0.9重量%生理食塩水に対する無加圧下吸水倍率(CRC)は、好ましくは10(g/g)以上、より好ましくは20(g/g)以上、更に好ましくは25(g/g)以上、特に好ましくは27(g/g)以上、30(g/g)以上、35(g/g)以上の順である。なお、無加圧下吸水倍率(CRC)は高いほど好ましく、上限値については特に限定されないが、他の物性とのバランスから、好ましくは50(g/g)以下、さらに好ましくは45(g/g)以下、より好ましくは40(g/g)以下である。CRCの上下限はこの範囲で適宜選択できるが、例えば、30〜45(g/g)、さらには、35〜40(g/g)の範囲である。
(ハ)加圧下吸水倍率(AAP)ERT442.2−02
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の0.9重量%生理食塩水に対する加圧下吸水倍率(AAP)(荷重2.06kPa)は、紙オムツでの漏れ防止の観点から、好ましくは20(g/g)以上、より好ましくは22(g/g)以上、更に好ましくは23(g/g)以上、25(g/g)以上、28(g/g)以上、30(g/g)以上、31(g/g)以上の順である。なお、加圧下吸水倍率(AAP)は高いほど好ましく、上限値については特に限定されないが、他の物性とのバランスから、好ましくは40(g/g)以下、より好ましくは35(g/g)以下である。AAPの上下限はこの範囲で適宜選択できるが、例えば、30〜40(g/g)、さらには、31〜35(g/g)の範囲である。
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の0.9重量%生理食塩水に対する加圧下吸水倍率(AAP)(荷重2.06kPa)は、紙オムツでの漏れ防止の観点から、好ましくは20(g/g)以上、より好ましくは22(g/g)以上、更に好ましくは23(g/g)以上、25(g/g)以上、28(g/g)以上、30(g/g)以上、31(g/g)以上の順である。なお、加圧下吸水倍率(AAP)は高いほど好ましく、上限値については特に限定されないが、他の物性とのバランスから、好ましくは40(g/g)以下、より好ましくは35(g/g)以下である。AAPの上下限はこの範囲で適宜選択できるが、例えば、30〜40(g/g)、さらには、31〜35(g/g)の範囲である。
(ニ)水可溶分(Ext)ERT470.2−02
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の水可溶分(Ext)は、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。可溶分は前記した重合条件(架橋剤量等)や乾燥条件(温度)等で制御できる。
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の水可溶分(Ext)は、好ましくは35重量%以下、より好ましくは25重量%以下、更に好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。可溶分は前記した重合条件(架橋剤量等)や乾燥条件(温度)等で制御できる。
(ホ)残存モノマーERT410.2−02
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の残存モノマーは、好ましくは0〜700ppm、より好ましくは0〜600ppm、更に好ましくは0〜500ppmである。
本発明に係る製造方法により得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の残存モノマーは、好ましくは0〜700ppm、より好ましくは0〜600ppm、更に好ましくは0〜500ppmである。
(へ)CRC/AAPのバランス
CRC+AAPも高いほど好ましく、CRC+AAP≧65(g/g)、さらには68(g/g)以上、70(g/g)以上である。上限も高いほど好ましいが、他の物性とのバランスから、90(g/g)以下、さらには85(g/g)以下の範囲である。
CRC+AAPも高いほど好ましく、CRC+AAP≧65(g/g)、さらには68(g/g)以上、70(g/g)以上である。上限も高いほど好ましいが、他の物性とのバランスから、90(g/g)以下、さらには85(g/g)以下の範囲である。
AAP/CRCの比率も高いほど好ましく、0.7以上、0.8以上(上限は1.1程度)である。
CRC−AAPの差も少ないほど好ましく、10(g/g)以下、8(g/g)以下、5(g/g)以下、3(g/g)以下が好ましい(下限は通常−2(g/g)、さらには0(g/g)程度である)。
(ト)粒度および形状
好ましい粒度は、上記(2−5)分級工程に記載の範囲である。吸水性樹脂の形状は球状粒子やその造粒物でもよいが、好ましくは比表面積が大きく吸水速度が高い不定形破砕状である。不定形破砕状とは、ゲルないし乾燥物、特に乾燥物を粉砕して得られた不規則な粉砕物形状を指す。
好ましい粒度は、上記(2−5)分級工程に記載の範囲である。吸水性樹脂の形状は球状粒子やその造粒物でもよいが、好ましくは比表面積が大きく吸水速度が高い不定形破砕状である。不定形破砕状とは、ゲルないし乾燥物、特に乾燥物を粉砕して得られた不規則な粉砕物形状を指す。
(チ)衝撃による質量平均粒子径低下率(%)および造粒による質量平均粒子径上昇率(%)
本発明の吸水性樹脂は造粒物であっても又は造粒物を含んでいてもよい。造粒物であることは電子顕微鏡などで複数の粒子が粒子間の界面を有して接着されていることや粒度変化(水性液添加前後でのD50の上昇、微粉の低減など)で確認できる。
本発明の吸水性樹脂は造粒物であっても又は造粒物を含んでいてもよい。造粒物であることは電子顕微鏡などで複数の粒子が粒子間の界面を有して接着されていることや粒度変化(水性液添加前後でのD50の上昇、微粉の低減など)で確認できる。
造粒の程度は、水性液の量やその後の整粒で適宜決定できるが、特許文献17に準じて規程され、後述の実施例に記載する衝撃による質量平均粒子径(D50)低下率は、0〜30%、好ましくは5〜25%、より好ましくは5〜20%、さらに好ましくは5〜15%の範囲である。衝撃による質量平均粒子径(D50)低下率が30%より大きい場合は、例えばオムツなどを製造する場合、造粒粒子が壊れ、オムツ製造時に悪影響を及ぼす吸水性樹脂の微粉量が増加したり、吸収体作成時に、親水性繊維間に均一に分散させることができない、また、吸収体からの抜け落ちが生じ、粒子状吸水剤を所望の量を保持させることができない。
また、後述の実施例に記載する造粒による質量平均粒子径(D50)上昇率は、5〜50%、好ましくは5〜40%、より好ましくは5〜30%、さらに好ましくは10〜25%の範囲である。造粒による質量平均粒子径(D50)上昇率が50%より大きい場合は、連続運転性に問題が生じる虞があり、造粒による質量平均粒子径(D50)上昇率が5%より小さい場合は、後工程で微粉が大量に発生する虞がある。
(リ)好ましい添加剤
好ましくは、消臭剤、抗菌剤、着色防止剤、キレート剤、無機塩、酸性化合物、還元剤、アルカリ性化合物及び界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種、さらには、キレート剤を含む。
好ましくは、消臭剤、抗菌剤、着色防止剤、キレート剤、無機塩、酸性化合物、還元剤、アルカリ性化合物及び界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種、さらには、キレート剤を含む。
(ヌ)本発明で得られる好ましい吸水性樹脂
本発明は、高含水率で高CRC、高AAPの新規な吸水性樹脂を提供する。すなわち、含水率が5〜20重量%(さらには6〜15重量%)、CRCが30〜45(g/g)(さらには35〜40(g/g))、AAPが30〜40(g/g)(さらには31〜35(g/g))、CRC+AAP≧65(g/g)の高物性を示す、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を提供する。
本発明は、高含水率で高CRC、高AAPの新規な吸水性樹脂を提供する。すなわち、含水率が5〜20重量%(さらには6〜15重量%)、CRCが30〜45(g/g)(さらには35〜40(g/g))、AAPが30〜40(g/g)(さらには31〜35(g/g))、CRC+AAP≧65(g/g)の高物性を示す、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を提供する。
〔4〕反応装置
本発明は、雰囲気露点及び吸水性樹脂粒子の温度を制御することを特徴とし、高物性のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子を工業スケールでの生産を可能とする。更に、かかる反応装置も提供する。
本発明は、雰囲気露点及び吸水性樹脂粒子の温度を制御することを特徴とし、高物性のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子を工業スケールでの生産を可能とする。更に、かかる反応装置も提供する。
本発明の吸水性樹脂粉末の反応装置は、吸水性樹脂粉末の攪拌機能(好ましくは攪拌羽根)、表面からの加熱又は冷却機能(好ましくはジャケット)、上部空間の温度及び露点の調整機能を備えてなる吸水性樹脂粉末の攪拌型反応装置であり、更に好ましくは水性液の添加機能(好ましくは噴霧機能)を備えてなる。バッチ式では内容積1L〜1m3(更に好ましくは2〜100L)であり、バッチの結果をもって、実機の連続生産(好ましくは100(kg/hr)以上)を予想でき、実機の運転条件を小スケール実験でスケールアップも予想できる。
〔5〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の用途
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の用途は、特に限定されないが、好ましくは、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品に使用され得る。特に、従来、吸水性樹脂粒子の原料由来の臭気、着色等が問題になっていた高濃度オムツ(1枚のオムツに多量の吸水性樹脂を使用したもの)に使用された場合、特に前記吸収性物品中の吸収体上層部に使用された場合に、特に優れた性能が発揮される。
本発明のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の用途は、特に限定されないが、好ましくは、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の吸収性物品に使用され得る。特に、従来、吸水性樹脂粒子の原料由来の臭気、着色等が問題になっていた高濃度オムツ(1枚のオムツに多量の吸水性樹脂を使用したもの)に使用された場合、特に前記吸収性物品中の吸収体上層部に使用された場合に、特に優れた性能が発揮される。
この吸収性物品中の、任意に他の吸収性材料(パルプ繊維等)を含む吸収体における吸水性樹脂粒子の含有量(コア濃度)は、好ましくは30〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%、更に好ましくは50〜100重量%、更により好ましくは60〜100重量%、特に好ましくは70〜100重量%、最も好ましくは75〜95重量%である。
〔6〕従来の技術との差異
前記背景技術(特許文献1〜25)に記載したように、表面架橋方法として前記特許文献1〜5、19、21、22などが知られ、うち、表面架橋途中に水を添加する技術として、残存架橋剤の低減のために含水率を10〜30重量%での加熱処理時にさらに水性液(5〜20重量%)を添加する方法(特許文献4)も知られ、また、表面架橋時の露点も着目した技術特許文献2、19、および本願の出願人による未公開の特許文献21、22も提案されている。さらに、表面架橋後の改質方法として、表面架橋反応後の吸水性樹脂に水や添加剤を含む水溶液を添加する技術(特許文献6〜13、17、18、20)も知られ、うち、表面架橋後の冷却工程で吸水性樹脂に水を添加する技術(特許文献6)、水蒸気で吸水性樹脂を造粒する技術(特許文献20)も知られている。また、吸水性樹脂の粉塵防止技術として、制ダスト剤を添加する技術(特許文献14〜16)も提案されている。ダメージのない吸水性樹脂の空気輸送方法として、露点−5〜−100℃の低露点の気体を用いた吸水性樹脂の輸送方法(特許文献23)も提案されている。残存モノマー低減に水蒸気存在下で加熱する技術(特許文献24)も提案されている。残存モノマー低減のために露点50〜100℃の気体で80〜250℃にて含水ゲルを加熱乾燥する技術(特許文献25)も提案される。
〔6〕従来の技術との差異
前記背景技術(特許文献1〜25)に記載したように、表面架橋方法として前記特許文献1〜5、19、21、22などが知られ、うち、表面架橋途中に水を添加する技術として、残存架橋剤の低減のために含水率を10〜30重量%での加熱処理時にさらに水性液(5〜20重量%)を添加する方法(特許文献4)も知られ、また、表面架橋時の露点も着目した技術特許文献2、19、および本願の出願人による未公開の特許文献21、22も提案されている。さらに、表面架橋後の改質方法として、表面架橋反応後の吸水性樹脂に水や添加剤を含む水溶液を添加する技術(特許文献6〜13、17、18、20)も知られ、うち、表面架橋後の冷却工程で吸水性樹脂に水を添加する技術(特許文献6)、水蒸気で吸水性樹脂を造粒する技術(特許文献20)も知られている。また、吸水性樹脂の粉塵防止技術として、制ダスト剤を添加する技術(特許文献14〜16)も提案されている。ダメージのない吸水性樹脂の空気輸送方法として、露点−5〜−100℃の低露点の気体を用いた吸水性樹脂の輸送方法(特許文献23)も提案されている。残存モノマー低減に水蒸気存在下で加熱する技術(特許文献24)も提案されている。残存モノマー低減のために露点50〜100℃の気体で80〜250℃にて含水ゲルを加熱乾燥する技術(特許文献25)も提案される。
しかし、これら特許文献1〜25やその他先行文献は、吸水性樹脂への水性液添加時の露点をなんら開示せず、水性液添加時の露点を制御する本願製造方法およびその効果をなんら示唆しない。吸水性樹脂の乾燥工程や表面架橋工程や輸送工程で露点を規定する技術(特許文献2、19、21〜23、25)は提案されているが、従来、水性液添加時の露点の重要性やその効果をなんら示唆されていない。
また、これら特許文献1〜25やその他先行文献は水性液添加時の露点をなんら規定しないため、従来これら技術で得られた吸水性樹脂は、高い吸水倍率(CRC)、高い加圧下吸水倍率(AAP)、少ない微粉(150μm通過物または106μm通過物)およびそのダメージでの発生量のすべてを両立するものではなく、本願の新規な吸水性樹脂をなんら示唆しない。さらに、従来技術としての水蒸気での造粒(特許文献20)は一義的な露点の開示とはならない。
特許文献4のように高含水率で表面架橋すると、高CRC、高AAP(特に、CRC=30〜45(g/g)(さらには35〜40(g/g))、AAP=30〜40(g/g)(さらには31〜35(g/g))、CRC+AAP≧65(g/g))の吸水性樹脂を得ることが困難であり、また、低含水率で表面架橋して高CRC、(特に)高AAPの吸水性樹脂を得た後に水を後添加して高含水率(特に含水率5〜20重量%(さらには6〜15重量%))とする場合、多量の水の添加が困難であったり、水添加時の凝集でAAPなどの諸物性が低下するため、CRC/AAPのバランスと含水率を両立しない。従来技術である特許文献8や特許文献17のように露点を制御しない場合、両立が困難である。
以下の実施例で本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定解釈されるものではなく、各実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせたものも、本発明の範囲に含まれるものとする。
特に注釈のない限り、製造例、実施例及び比較例で使用する電気機器(物性測定に使用する機器も含む)は200V又は100Vの電源を使用し、物性測定は室温(20〜25℃)、相対湿度50%RHの条件下で行った。
また、便宜上、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
[物性の測定方法]
(a)無加圧下吸水倍率(CRC)
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の無加圧下吸水倍率(CRC)は、ERT441.2−02に従って測定した。
(a)無加圧下吸水倍率(CRC)
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の無加圧下吸水倍率(CRC)は、ERT441.2−02に従って測定した。
(b)加圧下吸水倍率(AAP)
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の加圧下吸水倍率(AAP)は、ERT442.2−02に従って測定した。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の加圧下吸水倍率(AAP)は、ERT442.2−02に従って測定した。
(c)含水率
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子(中間体である吸水性樹脂粉末や混合物等も含む)の含水率は、吸水性樹脂粒子を1.0g、乾燥温度を180℃に変更した以外はERT430.2−02に従って測定した。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子(中間体である吸水性樹脂粉末や混合物等も含む)の含水率は、吸水性樹脂粒子を1.0g、乾燥温度を180℃に変更した以外はERT430.2−02に従って測定した。
(d)粒度分布、重量平均粒子径(D50)
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子及び吸水性樹脂粉末の粒度分布及び重量平均粒子径(D50)は、米国特許出願公開第2006/204755号に開示された測定方法に準拠して測定した。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子及び吸水性樹脂粉末の粒度分布及び重量平均粒子径(D50)は、米国特許出願公開第2006/204755号に開示された測定方法に準拠して測定した。
(e)劣化可溶分
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の劣化可溶分は、以下の手法で評価した。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の劣化可溶分は、以下の手法で評価した。
即ち、予め調製した0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に、L−アスコルビン酸を添加して、L−アスコルビン酸の含有量が0.05重量%である劣化試験液を作成した。具体的には、上記塩化ナトリウム水溶液999.5gに、L−アスコルビン酸0.5gを溶解した。
次に、容量250mlの蓋付きポリプロピレン製容器(商品名;パックエース/大きさ;口径65mm×下径60mm×高さ90mm/株式会社テラオカ社製)に、上記劣化試験液200mlを投入し、そこに吸水性樹脂粒子1.0gを添加して、均一に膨潤させた。続いて、蓋をして密閉した容器全体を60℃に保った恒温槽に入れ、2時間静置した。その後、円筒型攪拌子(長さ;30mm、外径;8mm)を用いて約500rpmで1時間攪拌し、膨潤ゲルから可溶分を抽出した。
次に、上記抽出液を濾紙(品名:JIS P 3801、No.2、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm/ADVANTEC東洋株式会社製)1枚を用いて濾過し、得られた濾液50.0gを測定用液とした。次いで、上記測定用液をpH10となるまで0.1N−NaOH水溶液で滴定した後、pH2.7となるまで0.1N−HCl水溶液で滴定した。このときの滴定量([NaOH]mL、[HCl]mL)を求めた。
同様の操作を、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液のみに対して行い、空滴定量([bNaOH]mL、[bHCl]mL)を求めた。
本発明の吸水性樹脂粒子の場合、使用する単量体の平均分子量と上記操作により得られた滴定量とに基づき、次式にしたがって、劣化可溶分を算出した。
なお、単量体の平均分子量が未知である場合は、上記滴定操作により求めた中和率を用いて単量体の平均分子量を算出した。中和率は次式にしたがって求めた。
(f)消臭性能
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の消臭性能は、以下の手法で評価した。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂粒子の消臭性能は、以下の手法で評価した。
即ち、容量120mlの蓋付きポリプロピレン製容器(商品名;パックエース/大きさ;口径50mm×下径54mm×高さ74mm/株式会社テラオカ社製)に、成人から採取した尿50gと吸水性樹脂2gとを入れ、均一に膨潤させた。続いて、蓋をして密閉した容器全体を40℃に保った恒温槽に入れ、8時間静置した。
その後、蓋を開け、当該容器の開口部から上方に約3cmの位置から臭いを嗅ぎ、以下の基準に基づいて、消臭性能を評価した。
消臭性能の判定は、人尿のみで同様の操作を行った際の臭気を「5」として、「0;無臭」、「1;やっと感知できる程度」、「2;感知できるが許容できる程度」、「3;楽に感知できる程度」、「4;強い臭気」、「5;強烈な臭気」の6段階で評価した。当該評価にあたっては、任意に選出された成人20名によって行い、その平均値を採用した。
(g)衝撃による質量平均粒子径低下率および造粒による質量平均粒子径上昇率
特許文献17(米国特許第7473470号明細書)のカラム27の(f)「衝撃による質量平均粒子径低下率および造粒による質量平均粒子径上昇率」の方法に従って、衝撃試験前後での質量平均粒子径(D50)の低下率%によって、衝撃による質量平均粒子径低下率は測定され、さらに、衝撃による質量平均粒子径低下率および造粒による質量平均粒子径上昇率は、次式にしたがって求めた。
特許文献17(米国特許第7473470号明細書)のカラム27の(f)「衝撃による質量平均粒子径低下率および造粒による質量平均粒子径上昇率」の方法に従って、衝撃試験前後での質量平均粒子径(D50)の低下率%によって、衝撃による質量平均粒子径低下率は測定され、さらに、衝撃による質量平均粒子径低下率および造粒による質量平均粒子径上昇率は、次式にしたがって求めた。
衝撃による質量平均粒子径低下率(%)
=100×((衝撃を与える前のD50)−(衝撃を与えた後のD50))/(衝撃を与える前のD50)
造粒による質量平均粒子径上昇率(%)
=100×((造粒後のD50)−(造粒前のD50))/(造粒後のD50)
[製造例1]
容量2Lのポリプロピレン製容器に、重合禁止剤としてp−メトキシフェノールを70ppm含むアクリル酸351g、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)0.76g、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液296g及び脱イオン水(イオン交換水)337gを投入し、混合(撹拌)させて単量体水溶液(1)を作製した。このとき、単量体水溶液(1)の温度は、中和熱によって84℃まで上昇していた。
=100×((衝撃を与える前のD50)−(衝撃を与えた後のD50))/(衝撃を与える前のD50)
造粒による質量平均粒子径上昇率(%)
=100×((造粒後のD50)−(造粒前のD50))/(造粒後のD50)
[製造例1]
容量2Lのポリプロピレン製容器に、重合禁止剤としてp−メトキシフェノールを70ppm含むアクリル酸351g、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)0.76g、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液296g及び脱イオン水(イオン交換水)337gを投入し、混合(撹拌)させて単量体水溶液(1)を作製した。このとき、単量体水溶液(1)の温度は、中和熱によって84℃まで上昇していた。
次に、上記単量体水溶液(1)を撹拌させながら温度が83℃に低下した時点で、重合開始剤として3.8重量%の過硫酸ナトリウム水溶液15.4gを添加した。その後すぐにステンレス製バット型反応装置(底面;340×340mm、高さ;25mm、内表面;テフロン(登録商標)コーティング)に当該水溶液を大気開放系で注ぎ込んだところ、約15秒後に重合反応が開始した。上記ステンレス製バット型反応装置は、ホットプレート(株式会社井内盛栄堂製;NEO HOTPLATE HI−1000)を用いて、表面温度を予め40℃に設定しておいた。
上記重合反応は、蒸気を発生しながらバット型反応装置の上方に向かって四方八方に膨張発泡して進行し、その後、当該反応装置の底面より若干大きなサイズまで収縮した。この重合反応(膨張・収縮)は約1分間で終了した。重合終了後、4分間反応装置内に保持させ、含水ゲル状架橋重合体(1)として取り出した。
上記重合反応で得られた含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」と称する)(1)をミートチョッパー(飯塚工業株式会社製;MEAT−CHOPPER TYPE 12VR−400KSOX/ダイ孔径:6.4mm、孔数:38、ダイ厚み:8mm)を用いてゲル粉砕し、粒子状含水ゲル(1)を得た。このとき、含水ゲルは250(g/min)でミートチョッパーに投入され、並行して90℃に調温した脱イオン水を50(g/min)で添加した。
次いで、得られた粒子状含水ゲル(1)を目開き850μmのステンレス製金網上に広げて載せた後、熱風乾燥機を用いて180℃で30分間乾燥を行った。続いて、得られた乾燥重合体(1)をロールミル(有限会社井ノ口技研社製;WML型ロール粉砕機)を用いて粉砕した後、目開き850μm及び150μmのJIS標準篩を用いて分級した。
上記の操作により、重量平均粒子径(D50)が350μm、粒子径150μm以上850μm未満の粒子含有量が95重量%、150μm通過物が5重量%(うち106μm通過物が1重量%)である、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(1)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(1)の無加圧下吸水倍率(CRC)は51(g/g)、含水率は4.0重量%であった。
[実施例1]反応工程での水性液添加(雰囲気露点75℃/気相部温度100℃)
(混合工程)
上記製造例1で得られた吸水性樹脂粉末(1)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.04重量部、プロピレングリコール1.0重量部及び脱イオン水2.0重量部からなる表面架橋剤溶液(1)3.04重量部を高速攪拌型混合機中で噴霧添加して、均一に混合し、混合物(1)を得た。
(混合工程)
上記製造例1で得られた吸水性樹脂粉末(1)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.04重量部、プロピレングリコール1.0重量部及び脱イオン水2.0重量部からなる表面架橋剤溶液(1)3.04重量部を高速攪拌型混合機中で噴霧添加して、均一に混合し、混合物(1)を得た。
(反応工程)
次に、上記操作で得られた混合物(1)1000gを容量5Lのバッチ式ミキサーに投入した。当該バッチ式ミキサーは、予め100℃に調温されたオイルバス中に、浸漬しておいた。当該混合物(1)の投入後、ミキサー内の攪拌羽根を自転運動285rpm、惑星運動125rpm、周速3.4(m/s)で攪拌させながら、ミキサー内の気相部温度が100℃、雰囲気露点が75℃となるように、熱風を通気させた。
次に、上記操作で得られた混合物(1)1000gを容量5Lのバッチ式ミキサーに投入した。当該バッチ式ミキサーは、予め100℃に調温されたオイルバス中に、浸漬しておいた。当該混合物(1)の投入後、ミキサー内の攪拌羽根を自転運動285rpm、惑星運動125rpm、周速3.4(m/s)で攪拌させながら、ミキサー内の気相部温度が100℃、雰囲気露点が75℃となるように、熱風を通気させた。
なお、上記バッチ式ミキサーは、露点調整された熱風を通気させる熱風通気装置、内容物を加熱する外部加熱装置(オイルバス)、内容物を攪拌する攪拌装置、内容物の温度を測定する温度測定装置及び水性液等を添加する投入口を備えている。上記熱風通気装置によって、バッチ式ミキサー内の気相部温度と雰囲気露点を制御することができる。
更に上記バッチミキサーは、連続稼働装置と良好な相関関係を有するため、実機で連続生産する際、そのシミュレーションを行うことができる。
(反応工程における水性液の添加)
上記混合物(1)をバッチ式ミキサーに投入してから10分経過後に、脱イオン水30g(吸水性樹脂粉末(1)に対して3.0重量%)を投入口から注射器を用いて添加した。なお、脱イオン水を添加する直前での混合物(1)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+15℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
上記混合物(1)をバッチ式ミキサーに投入してから10分経過後に、脱イオン水30g(吸水性樹脂粉末(1)に対して3.0重量%)を投入口から注射器を用いて添加した。なお、脱イオン水を添加する直前での混合物(1)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+15℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
上記脱イオン水の添加後、更に10分間、オイルバス温度を100℃、気相部温度を100℃及び雰囲気露点を75℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。実施例1においては、バッチ式ミキサー内での混合物(1)の加熱処理時間(滞留時間)は20分間であり、脱イオン水の添加は、滞留時間の1/2の時点である。
(整粒工程)
上記反応工程の終了後、目開き850μmのJIS標準篩を用いて分級し、吸水性樹脂(1)を得た。なお、当該篩のON品(篩不通過物)は、その全量が目開き850μmの篩を通過するまで解砕した。
上記反応工程の終了後、目開き850μmのJIS標準篩を用いて分級し、吸水性樹脂(1)を得た。なお、当該篩のON品(篩不通過物)は、その全量が目開き850μmの篩を通過するまで解砕した。
得られた吸水性樹脂(1)は、吸湿時の流動性(Anti−Caking性)にも優れ、反応工程前では1重量%存在していた粒子径が106μm未満の微粉もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(1)の含水率は8.5重量%であった。他の諸物性は表1に示した。また、得られた吸水性樹脂(1)の重量平均粒子径(D50)は450μm、粒子径150μm以上850μm未満の粒子含有量が99重量%、150μm通過物が1重量%(うち106μm通過物が0重量%)であった。ここで、水性液添加前の不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(1)の粒度(D50=350μm)に比べて、吸水性樹脂(1)のD50=450μmであることより、吸水性樹脂(1)の造粒による質量平均粒子径上昇率は、22%であった。さらに、得られた吸水性樹脂(1)に、上記[物性の測定方法](g)に従って、衝撃を与えたところ、D50=400μmであったため、衝撃による質量平均粒子径低下率は、11%であった。
[実施例2]反応工程での水性液添加(雰囲気露点65℃/気相部温度100℃)
実施例1において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を65℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(2)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(2)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+25℃)であり、含水率は5.1重量%であった。
実施例1において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を65℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(2)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(2)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+25℃)であり、含水率は5.1重量%であった。
反応工程で上記実施例1と同様に脱イオン水の添加後、更に10分間、オイルバス温度を100℃、気相部温度を100℃及び雰囲気露点を65℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(2)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(2)の含水率は6.7重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[実施例3]反応工程での水性液添加(雰囲気露点45℃/気相部温度100℃)
実施例1において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を45℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(3)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(3)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+45℃)であり、含水率は4.3重量%であった。
実施例1において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を45℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(3)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(3)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+45℃)であり、含水率は4.3重量%であった。
反応工程で上記実施例1と同様に脱イオン水の添加後、更に10分間、オイルバス温度を100℃、気相部温度を100℃及び雰囲気露点を45℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(3)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(3)の含水率は5.1重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[実施例4]反応工程での水性液添加(雰囲気露点85℃/気相部温度100℃)
実施例1において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を85℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(4)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(4)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+5℃)であり、含水率は6.8重量%であった。
実施例1において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を85℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(4)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(4)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+5℃)であり、含水率は6.8重量%であった。
反応工程で上記実施例1と同様に脱イオン水の添加後、更に10分間、オイルバス温度を100℃、気相部温度を100℃及び雰囲気露点を85℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(4)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(4)の含水率は9.5重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[実施例5]反応工程での水性液添加(雰囲気露点75℃/気相部温度120℃)
実施例1において、オイルバス温度を120℃、かつ、バッチ式ミキサー内の気相部温度を120℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(5)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(5)の温度は110℃(即ち、雰囲気露点+35℃)であり、含水率は5.7重量%であった。
実施例1において、オイルバス温度を120℃、かつ、バッチ式ミキサー内の気相部温度を120℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(5)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(5)の温度は110℃(即ち、雰囲気露点+35℃)であり、含水率は5.7重量%であった。
反応工程で上記実施例1と同様に脱イオン水の添加後、更に10分間、オイルバス温度を120℃、気相部温度を120℃及び雰囲気露点を75℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(5)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(5)の含水率は7.9重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[実施例6]反応工程での水性液添加(水性液添加量を6.0重量%に増量)
実施例1において、脱イオン水の添加量を60g(吸水性樹脂粉末(1)に対して6.0重量%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(6)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(6)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+15℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
実施例1において、脱イオン水の添加量を60g(吸水性樹脂粉末(1)に対して6.0重量%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(6)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(6)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点+15℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
反応工程で上記脱イオン水60gの添加後、更に10分間、オイルバス温度を100℃、気相部温度を100℃及び雰囲気露点を75℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(6)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(6)の含水率は11.1重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[比較例1]反応工程での水性液添加なし
実施例1において、脱イオン水を添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(1)を得た。
実施例1において、脱イオン水を添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(1)を得た。
得られた比較吸水性樹脂(1)の含水率は、4.5重量%であった。含水率が低下した要因は、脱イオン水を添加しなかったためと推察される。また、反応工程前に1重量%存在していた微粉は、反応工程後も変化なく、そのまま1重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[比較例2]反応工程での水性液添加(雰囲気露点90℃/気相部温度100℃)
実施例1において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を90℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、脱イオン水30gを添加する直前での比較混合物(2)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点と同じ温度)であり、含水率は7.0重量%であった。
実施例1において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を90℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行った。なお、脱イオン水30gを添加する直前での比較混合物(2)の温度は90℃(即ち、雰囲気露点と同じ温度)であり、含水率は7.0重量%であった。
反応工程で上記実施例1と同様に脱イオン水を添加したところ、粒子が凝集した塊状物が大量に発生し、かつ、バッチ式ミキサー内壁への付着も大量に見られたため、運転を停止した。これらの要因は、雰囲気露点を90℃と高くし過ぎ、雰囲気露点と混合物温度(90℃)との差が0℃になったためと推察される。
[比較例3]反応工程での水性液添加(雰囲気露点65℃/雰囲気温度70℃)
実施例2において、オイルバス温度を70℃、かつ、バッチ式ミキサー内の気相部温度を70℃となるように制御した以外は、実施例2と同様の操作を行った。なお、脱イオン水30gを添加する直前での比較混合物(3)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点と同じ温度)であり、含水率は6.1重量%であった。
実施例2において、オイルバス温度を70℃、かつ、バッチ式ミキサー内の気相部温度を70℃となるように制御した以外は、実施例2と同様の操作を行った。なお、脱イオン水30gを添加する直前での比較混合物(3)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点と同じ温度)であり、含水率は6.1重量%であった。
反応工程で上記実施例2と同様に脱イオン水を添加したところ、粒子が凝集した塊状物が大量に発生し、かつ、バッチ式ミキサー内壁への付着も大量に見られたため、運転を停止した。これらの要因は、脱イオン水添加時の比較混合物(3)の温度を低くし過ぎ、雰囲気露点と混合物温度(65℃)との差が0℃になったためと推察される。
[実施例7]反応工程での水性液添加(雰囲気露点25℃/気相部温度70℃)
実施例1において、オイルバス温度を70℃、バッチ式ミキサー内の気相部温度を70℃、かつ、雰囲気露点を25℃となるように制御し、脱イオン水の添加量を10g(吸水性樹脂粉末(1)に対して1.0重量%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(7)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(7)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点+40℃)であり、含水率は5.9重量%であった。
実施例1において、オイルバス温度を70℃、バッチ式ミキサー内の気相部温度を70℃、かつ、雰囲気露点を25℃となるように制御し、脱イオン水の添加量を10g(吸水性樹脂粉末(1)に対して1.0重量%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(7)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(7)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点+40℃)であり、含水率は5.9重量%であった。
反応工程で上記脱イオン水10gの添加後、更に10分間、オイルバス温度を70℃、気相部温度を70℃及び雰囲気露点を25℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(7)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(7)の含水率は5.4重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[実施例8]反応工程での水性液添加(雰囲気露点45℃/気相部温度130℃)
実施例1において、オイルバス温度を140℃、バッチ式ミキサー内の気相部温度を130℃、かつ、雰囲気露点を45℃となるように制御し、脱イオン水の添加量を60g(吸水性樹脂粉末(1)に対して6.0重量%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(8)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(8)の温度は130℃(即ち、雰囲気露点+85℃)であり、含水率は3.8重量%であった。
実施例1において、オイルバス温度を140℃、バッチ式ミキサー内の気相部温度を130℃、かつ、雰囲気露点を45℃となるように制御し、脱イオン水の添加量を60g(吸水性樹脂粉末(1)に対して6.0重量%)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(8)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(8)の温度は130℃(即ち、雰囲気露点+85℃)であり、含水率は3.8重量%であった。
反応工程で上記脱イオン水60gの添加後、更に10分間、オイルバス温度を140℃、気相部温度を130℃及び雰囲気露点を45℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(8)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(8)の含水率は5.1重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[実施例9]反応工程での水性液の添加(雰囲気露点85℃/気相部温度130℃)
実施例8において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を85℃となるように制御した以外は、実施例8と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(9)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(9)の温度は130℃(即ち、雰囲気露点+45℃)であり、含水率は4.5重量%であった。
実施例8において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を85℃となるように制御した以外は、実施例8と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(9)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(9)の温度は130℃(即ち、雰囲気露点+45℃)であり、含水率は4.5重量%であった。
反応工程で上記脱イオン水60gの添加後、更に10分間、オイルバス温度を140℃、気相部温度を130℃及び雰囲気露点を85℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(9)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(9)の含水率は6.2重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
[比較例4]反応工程での水性液の添加(雰囲気露点15℃/気相部温度130℃)
実施例8において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を15℃となるように制御した以外は、実施例8と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(4)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の比較混合物(4)の温度は130℃(即ち、雰囲気露点+115℃)であり、含水率は3.3重量%であった。
実施例8において、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点を15℃となるように制御した以外は、実施例8と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(4)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の比較混合物(4)の温度は130℃(即ち、雰囲気露点+115℃)であり、含水率は3.3重量%であった。
反応工程で上記脱イオン水60gの添加後、更に10分間、オイルバス温度を140℃、気相部温度を130℃及び雰囲気露点を15℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた比較吸水性樹脂(4)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。しかし、比較吸水性樹脂(4)の含水率は4.5重量%と低い値となった。この要因として、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点が低く、蒸発量が多くなったためと推察される。他の諸物性は表1に示した。
[実施例10]反応工程での水性液の添加(雰囲気露点95℃/気相部温度170℃)
実施例1において、オイルバス温度を180℃、バッチ式ミキサー内の気相部温度を170℃、かつ、雰囲気露点を95℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(10)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(10)の温度は160℃(即ち、雰囲気露点+55℃)であり、含水率は2.7重量%であった。
実施例1において、オイルバス温度を180℃、バッチ式ミキサー内の気相部温度を170℃、かつ、雰囲気露点を95℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(10)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(10)の温度は160℃(即ち、雰囲気露点+55℃)であり、含水率は2.7重量%であった。
反応工程で上記脱イオン水30gの添加後、更に10分間、オイルバス温度を180℃、気相部温度を170℃及び雰囲気露点を95℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(10)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(106μm篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。しかし、吸水性樹脂(10)の含水率は1.5重量%と非常に低い値となった。この要因として、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点が95℃と高いものの、加熱温度も高温(水性液添加時の反応物の温度が160℃)であったことから添加した水性液の蒸発量が多くなったためと推察される。他の諸物性は表1に示した。
[実施例11]反応工程での水性液添加(雰囲気露点30℃/気相部温度170℃)
実施例1において、オイルバス温度を180℃、バッチ式ミキサー内の気相部温度を170℃、かつ、雰囲気露点を30℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(11)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(11)の温度は160℃(即ち、雰囲気露点+130℃)であり、含水率は2.4重量%であった。
実施例1において、オイルバス温度を180℃、バッチ式ミキサー内の気相部温度を170℃、かつ、雰囲気露点を30℃となるように制御した以外は、実施例1と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(11)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(11)の温度は160℃(即ち、雰囲気露点+130℃)であり、含水率は2.4重量%であった。
反応工程で上記脱イオン水30gの添加後、更に10分間、オイルバス温度を180℃、気相部温度を170℃及び雰囲気露点を30℃となるように制御しながら、運転(反応)を継続した。
得られた吸水性樹脂(11)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、解砕不能な凝集物も見られなかった。しかし、吸水性樹脂(11)の含水率は1.0重量%と非常に低い値となった。この要因として、バッチ式ミキサー内の雰囲気露点が30℃と低く、更に加熱温度も高温(水性液添加時の反応物の温度が160℃)であったことから、添加した水性液の蒸発量が更に多くなったためと推察される。他の諸物性は表1に示した。
[比較例5]反応工程での水性液添加なし
実施例10において、脱イオン水を添加しなかった以外は、実施例10と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(5)を得た。
実施例10において、脱イオン水を添加しなかった以外は、実施例10と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(5)を得た。
得られた比較吸水性樹脂(5)の含水率は、0.9重量%であった。含水率が低下した要因は、脱イオン水を添加しなかったためと推察される。また、反応工程前に1重量%存在していた微粉は、反応工程後も変化なく、そのまま1重量%であった。他の諸物性は表1に示した。
(まとめ)
実施例1〜4及び比較例2との対比から、水性液添加前の吸水性樹脂粒子の温度を雰囲気露点より高温とすることで、均一に混合することができ、その結果として得られる吸水性樹脂の含水率を高くすることが可能となる。この傾向は、吸水性樹脂粒子の温度と雰囲気露点との差が小さいほど顕著となるが、当該差がなくなると運転が困難となることが分かる。
実施例1〜4及び比較例2との対比から、水性液添加前の吸水性樹脂粒子の温度を雰囲気露点より高温とすることで、均一に混合することができ、その結果として得られる吸水性樹脂の含水率を高くすることが可能となる。この傾向は、吸水性樹脂粒子の温度と雰囲気露点との差が小さいほど顕著となるが、当該差がなくなると運転が困難となることが分かる。
また、当該傾向は、比較例3(吸水性樹脂粒子温度;65℃/雰囲気露点;65℃)でも確認される。高含水率の吸水性樹脂を得るには、水性液添加時の雰囲気露点と吸水性樹脂粒子温度との温度差が重要であることを示唆している。
実施例8、9及び比較例4との対比から、吸水性樹脂粒子の温度が雰囲気露点より高い場合であっても、水性液添加時の雰囲気露点としては20℃以上が必須であり、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であることが分かる。
実施例10、11及び比較例5との対比から、吸水性樹脂粒子の温度が高温であっても水性液を添加することができる。また、実施例1〜11から、得られる吸水性樹脂の含水率を高くするには、水性液添加時の吸水性樹脂粒子の温度を、70〜120℃とすることが好ましいことが分かる。
なお、得られた吸水性樹脂の粒度は表1には記載しないが、吸水性樹脂(2)〜(11)も実施例1の吸水性樹脂(1)とほぼ同程度であり、重量平均粒子径(D50)は450μm前後、粒子径150μm以上850μm未満の粒子含有量が99重量%、150μm通過物が1重量%(うち106μm通過物が0重量%)、衝撃後のD50=400μm前後であった。そのため、水性液添加前の不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(1)の粒度(D50=350μm)に比べて、吸水性樹脂(2)〜(11)は、造粒による質量平均粒子径上昇率は20%前後、衝撃による質量平均粒子径低下率は10%前後であった。
[製造例2]
生産能力1000(kg/hr)の吸水性樹脂の連続製造装置として、重合工程、ゲル粉砕工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程、整粒工程及び各工程間を連結する輸送工程から構成される装置を用いて、吸水性樹脂を製造した。以下に述べる各工程の運転条件で、当該連続製造装置を稼働させ、吸水性樹脂の連続生産を開始した。なお、当該製造例2は、表面架橋前の吸水性樹脂粉末の製造までについて述べる。
生産能力1000(kg/hr)の吸水性樹脂の連続製造装置として、重合工程、ゲル粉砕工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程、整粒工程及び各工程間を連結する輸送工程から構成される装置を用いて、吸水性樹脂を製造した。以下に述べる各工程の運転条件で、当該連続製造装置を稼働させ、吸水性樹脂の連続生産を開始した。なお、当該製造例2は、表面架橋前の吸水性樹脂粉末の製造までについて述べる。
(重合工程)
重合禁止剤としてp−メトキシフェノールを70ppm(対アクリル酸)含み、かつ中和率74モル%のアクリル酸部分中和ナトリウム塩水溶液(単量体濃度;43重量%)に、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)を0.03モル%添加した単量体水溶液(2)を作成し、定量ポンプを用いて重合機に連続的に供給した。
重合禁止剤としてp−メトキシフェノールを70ppm(対アクリル酸)含み、かつ中和率74モル%のアクリル酸部分中和ナトリウム塩水溶液(単量体濃度;43重量%)に、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)を0.03モル%添加した単量体水溶液(2)を作成し、定量ポンプを用いて重合機に連続的に供給した。
その際、単量体水溶液(2)中の溶存酸素量が0.5(mg/l)以下となるように、重合機に窒素ガスを連続的に吹き込んだ。その後、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.12(g/モル)をラインミキシングにて連続的に添加した。
次に、両端に堰を有する平面スチールベルト(重合機)上に、当該単量体水溶液(2)を厚みが約25mmとなるように供給し、30分間、静置水溶液重合を行った。本操作により、帯状の含水ゲル状架橋重合体(含水ゲル)(2)を得た。
(ゲル粉砕工程)
上記重合工程で得られた含水ゲル(2)を孔径7mmのミートチョッパーに供給し、粒子径が約2mmの粒子にゲル粉砕して、粒子状含水ゲル(2)を得た。
上記重合工程で得られた含水ゲル(2)を孔径7mmのミートチョッパーに供給し、粒子径が約2mmの粒子にゲル粉砕して、粒子状含水ゲル(2)を得た。
(乾燥工程)
次いで、上記粒子状含水ゲル(2)を厚みが50mmとなるように連続通気バンド型乾燥機の移動する多孔板上に広げて載せ、160〜180℃で30分間乾燥を行った。当該乾燥機の出口において、ブロック状の乾燥重合体(2)が得られた。
次いで、上記粒子状含水ゲル(2)を厚みが50mmとなるように連続通気バンド型乾燥機の移動する多孔板上に広げて載せ、160〜180℃で30分間乾燥を行った。当該乾燥機の出口において、ブロック状の乾燥重合体(2)が得られた。
(粉砕工程・分級工程)
続いて、上記乾燥重合体(2)全量を、3段ロールミル(ロールギャップ;上から1.0mm/0.65mm/0.42mm)を用いて連続的に粉砕した後、目開き850μm及び150μmの金属篩網を有する篩い分け装置で連続的に分級した。なお、分級工程に導入される乾燥重合体(2)の粉砕物は約60℃であった。
続いて、上記乾燥重合体(2)全量を、3段ロールミル(ロールギャップ;上から1.0mm/0.65mm/0.42mm)を用いて連続的に粉砕した後、目開き850μm及び150μmの金属篩網を有する篩い分け装置で連続的に分級した。なお、分級工程に導入される乾燥重合体(2)の粉砕物は約60℃であった。
上記一連の操作によって、重量平均粒子径(D50)が350μm、粒子径150μm以上850μm未満の粒子含有量が95重量%、150μm通過物が5重量%(うち106μm通過物が1重量%)である、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(2)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(2)の無加圧下吸水倍率(CRC)は51(g/g)、含水率は4.0重量%であった。
[実施例12]反応工程での水性液添加(雰囲気露点75℃/気相部温度120℃)
製造例2から引き続き、表面架橋工程以降について、吸水性樹脂の連続製造装置を稼働した。
製造例2から引き続き、表面架橋工程以降について、吸水性樹脂の連続製造装置を稼働した。
(混合工程)
上記製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(2)を1000(kg/hr)にて高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に連続供給した。当該高速混合機内において、吸水性樹脂粉末(2)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.04重量部、プロピレングリコール1.0重量部及び脱イオン水2.0重量部からなる表面架橋剤溶液(12)を、スプレーを用いて噴霧し均一に混合して、混合物(12)を得た。
上記製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(2)を1000(kg/hr)にて高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に連続供給した。当該高速混合機内において、吸水性樹脂粉末(2)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.04重量部、プロピレングリコール1.0重量部及び脱イオン水2.0重量部からなる表面架橋剤溶液(12)を、スプレーを用いて噴霧し均一に混合して、混合物(12)を得た。
(反応工程)
次に、上記混合工程で得られた混合物(12)をパドル型低速撹拌型間接加熱乾燥機(パドルドライヤー)に連続的に供給し、反応を行った。当該反応において、パドルドライヤー内部の気相部温度を120℃、雰囲気露点を75℃、熱媒温度を100℃となるように制御した。なお、当該混合物(12)がパドルドライヤーに供給された時点を反応の開始時点とした。
次に、上記混合工程で得られた混合物(12)をパドル型低速撹拌型間接加熱乾燥機(パドルドライヤー)に連続的に供給し、反応を行った。当該反応において、パドルドライヤー内部の気相部温度を120℃、雰囲気露点を75℃、熱媒温度を100℃となるように制御した。なお、当該混合物(12)がパドルドライヤーに供給された時点を反応の開始時点とした。
反応開始から10分経過した時点、即ち、パドルドライヤーの全長に対して、前方から1/2の位置において、脱イオン水を250(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して1.5重量%)で、反応工程中の混合物(12)に対して上方から噴霧、添加した。なお、脱イオン水を添加する直前での混合物(12)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
上記脱イオン水の添加後、パドルドライヤー内の混合物(12)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で出口から排出された。
(整粒工程)
上記反応工程の終了後、目開き850μmのJIS標準篩を用いて分級し、吸水性樹脂(12)を得た。なお、当該篩のON品(篩不通過物)は、その全量が目開き850μmの篩を通過するまで解砕した。
上記反応工程の終了後、目開き850μmのJIS標準篩を用いて分級し、吸水性樹脂(12)を得た。なお、当該篩のON品(篩不通過物)は、その全量が目開き850μmの篩を通過するまで解砕した。
得られた吸水性樹脂(12)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(12)の含水率は6.8重量%であった。他の諸物性は表2に示した。また、得られた吸水性樹脂(12)の重量平均粒子径(D50)は400μm、粒子径150μm以上850μm未満の粒子含有量が99重量%、150μm通過物が1重量%(うち106μm通過物が0重量%)であった。ここで、水性液添加前の不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(2)の粒度(D50=350μm)に比べて、吸水性樹脂(12)のD50=400μmであることより、吸水性樹脂(12)の造粒による質量平均粒子径上昇率は、13%であった。さらに、得られた吸水性樹脂(12)に、上記[物性の測定方法](g)に従って、衝撃を与えたところ、D50=370μmであったため、衝撃による質量平均粒子径低下率は、7.5%であった。
[実施例13]反応工程での水性液添加(水性液添加量を3.0重量%に増量)
実施例12において、脱イオン水の添加量を500(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して3.0重量%)に変更した以外は、実施例12と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(13)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(13)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
実施例12において、脱イオン水の添加量を500(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して3.0重量%)に変更した以外は、実施例12と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(13)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(13)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
得られた吸水性樹脂(13)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(13)の含水率は7.2重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
[実施例14]反応工程での水性液添加(水性液添加量を7.0重量%に増量)
実施例12において、脱イオン水の添加量を1167(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して7.0重量%)に変更した以外は、実施例12と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(14)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(14)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
実施例12において、脱イオン水の添加量を1167(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して7.0重量%)に変更した以外は、実施例12と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(14)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(14)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
得られた吸水性樹脂(14)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(14)の含水率は9.6重量%、劣化可溶分は22.2重量%、消臭性能は3.7であった。他の諸物性は表2に示した。
[実施例15]反応工程での水性液添加(水性液添加量を11.0重量%に増量)
実施例12において、脱イオン水の添加量を1833(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して11.0重量%)に変更した以外は、実施例12と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(15)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(15)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
実施例12において、脱イオン水の添加量を1833(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して11.0重量%)に変更した以外は、実施例12と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(15)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(15)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
得られた吸水性樹脂(15)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(15)の含水率は12.5重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
[実施例16]反応工程での水性液添加(水性液添加量を15.0重量%に増量)
実施例12において、脱イオン水の添加量を2500(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して15.0重量%)に変更した以外は、実施例12と同様の操作を行った。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(16)の温度は95℃であり、含水率は6.0重量%であった。
実施例12において、脱イオン水の添加量を2500(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して15.0重量%)に変更した以外は、実施例12と同様の操作を行った。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(16)の温度は95℃であり、含水率は6.0重量%であった。
上記脱イオン水を添加したところ、粒子が凝集した塊状物が発生し、かつ、パドルドライヤー内壁への付着も見られたため、長時間運転は多少困難であった。これらの要因は、脱イオン水の添加量が多過ぎたためと推察される。
[実施例17]反応工程での水性液添加(水性液の添加箇所の変更)
実施例13において、脱イオン水の添加箇所を反応開始から5分経過した時点、即ち、パドルドライヤーの全長に対して、前方から1/4の位置に変更した以外は、実施例13と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(17)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(17)の温度は昇温途上の90℃(即ち、雰囲気露点+15℃)であり、含水率は6.1重量%であった。
実施例13において、脱イオン水の添加箇所を反応開始から5分経過した時点、即ち、パドルドライヤーの全長に対して、前方から1/4の位置に変更した以外は、実施例13と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(17)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(17)の温度は昇温途上の90℃(即ち、雰囲気露点+15℃)であり、含水率は6.1重量%であった。
得られた吸水性樹脂(17)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(17)の含水率は6.6重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
[実施例18]反応工程での水性液添加(水性液の添加箇所の変更)
実施例13において、脱イオン水の添加箇所を反応開始から15分経過した時点、即ち、パドルドライヤーの全長に対して、前方から3/4の位置に変更した以外は、実施例13と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(18)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(18)の温度は98℃(即ち、雰囲気露点+23℃)であり、含水率は5.9重量%であった。
実施例13において、脱イオン水の添加箇所を反応開始から15分経過した時点、即ち、パドルドライヤーの全長に対して、前方から3/4の位置に変更した以外は、実施例13と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(18)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(18)の温度は98℃(即ち、雰囲気露点+23℃)であり、含水率は5.9重量%であった。
得られた吸水性樹脂(18)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(18)の含水率は7.5重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
[比較例6]反応工程での水性液添加なし
実施例12において、脱イオン水を添加しなかった以外は、実施例12と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(6)を得た。なお、パドルドライヤー内の比較混合物(6)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で出口から排出された。
実施例12において、脱イオン水を添加しなかった以外は、実施例12と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(6)を得た。なお、パドルドライヤー内の比較混合物(6)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で出口から排出された。
得られた比較吸水性樹脂(6)の含水率は、4.4重量%であった。含水率が低下した要因は、脱イオン水を添加しなかったためと推察される。他の諸物性は表2に示した。
[実施例19]反応工程での水性液添加(雰囲気露点45℃/気相部温度120℃)
実施例14において、パドルドライヤー内の雰囲気露点を45℃となるように制御した以外は、実施例14と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(19)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(19)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+50℃)であり、含水率は4.3重量%であった。
実施例14において、パドルドライヤー内の雰囲気露点を45℃となるように制御した以外は、実施例14と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(19)を得た。なお、脱イオン水を添加する直前での反応工程中の混合物(19)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+50℃)であり、含水率は4.3重量%であった。
得られた吸水性樹脂(19)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(19)の含水率は5.8重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
[実施例20]冷却工程での水性液添加(雰囲気露点26℃/気相部温度60℃)
製造例2から引き続き、表面架橋工程以降について、吸水性樹脂の連続製造装置を稼働した。
製造例2から引き続き、表面架橋工程以降について、吸水性樹脂の連続製造装置を稼働した。
(混合工程)
上記製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(2)を1000(kg/hr)にて高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に連続供給した。当該高速混合機内において、吸水性樹脂粉末(2)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.04重量部、プロピレングリコール1.0重量部及び脱イオン水2.0重量部からなる表面架橋剤溶液(20)を、スプレーを用いて噴霧し均一に混合して、混合物(20)を得た。
上記製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(2)を1000(kg/hr)にて高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に連続供給した。当該高速混合機内において、吸水性樹脂粉末(2)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.04重量部、プロピレングリコール1.0重量部及び脱イオン水2.0重量部からなる表面架橋剤溶液(20)を、スプレーを用いて噴霧し均一に混合して、混合物(20)を得た。
(反応工程)
次に、上記混合工程で得られた混合物(20)をパドル型低速撹拌型間接加熱乾燥機(パドルドライヤー)に連続的に供給して反応を行った。当該反応において、パドルドライヤー内部の気相部温度を120℃、雰囲気露点を75℃、熱媒温度を100℃となるように制御した。また、パドルドライヤー内の混合物(20)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で排出された。なお、パドルドライヤー出口での反応物(20)の温度は100℃、含水率は4.4重量%であった。
次に、上記混合工程で得られた混合物(20)をパドル型低速撹拌型間接加熱乾燥機(パドルドライヤー)に連続的に供給して反応を行った。当該反応において、パドルドライヤー内部の気相部温度を120℃、雰囲気露点を75℃、熱媒温度を100℃となるように制御した。また、パドルドライヤー内の混合物(20)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で排出された。なお、パドルドライヤー出口での反応物(20)の温度は100℃、含水率は4.4重量%であった。
(冷却工程)
続いて、上記反応工程で得られた反応物(20)を、上記パドルドライヤーと直列に連結されたパドル型低速撹拌型間接冷却機(パドルクーラー)に連続的に供給し、冷却を行った。当該冷却は60℃の温水を通水することで行い、パドルクーラー内部の気相部温度が60℃、雰囲気露点が26℃であった。なお、当該反応物がパドルクーラーに供給された時点を冷却の開始時点とした。
続いて、上記反応工程で得られた反応物(20)を、上記パドルドライヤーと直列に連結されたパドル型低速撹拌型間接冷却機(パドルクーラー)に連続的に供給し、冷却を行った。当該冷却は60℃の温水を通水することで行い、パドルクーラー内部の気相部温度が60℃、雰囲気露点が26℃であった。なお、当該反応物がパドルクーラーに供給された時点を冷却の開始時点とした。
冷却開始から6.7分経過した時点、即ち、パドルクーラーの全長に対して、前方から1/3の位置において、脱イオン水を250(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して1.5重量%)で、冷却工程中の反応物(20)に対して上方から噴霧、添加した。なお、脱イオン水を添加する直前での反応物(20)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点+39℃)であり、含水率は4.3重量%であった。
(整粒工程)
上記冷却工程の終了後、目開き850μmのJIS標準篩を用いて分級し、吸水性樹脂(20)を得た。なお、当該篩のON品(篩不通過物)は、その全量が目開き850μmの篩を通過するまで解砕した。
上記冷却工程の終了後、目開き850μmのJIS標準篩を用いて分級し、吸水性樹脂(20)を得た。なお、当該篩のON品(篩不通過物)は、その全量が目開き850μmの篩を通過するまで解砕した。
得られた吸水性樹脂(20)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(20)の含水率は5.3重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
[比較例7]冷却工程での水性液添加なし
実施例20において、脱イオン水を添加しなかった以外は、実施例20と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(7)を得た。なお、パドルドライヤー内の比較反応物(7)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で出口から排出された。
実施例20において、脱イオン水を添加しなかった以外は、実施例20と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(7)を得た。なお、パドルドライヤー内の比較反応物(7)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で出口から排出された。
得られた比較吸水性樹脂(7)の含水率は、4.1重量%であった。含水率が低下した要因は、脱イオン水を添加しなかったためと推察される。他の諸物性は表2に示した。
[実施例21]冷却工程での水性液添加(雰囲気露点36℃/気相部温度80℃/水性液添加量を3.0重量%に増量)
実施例20において、パドルクーラーに通水する温水の温度を80℃、脱イオン水の添加量を500(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して3.0重量%)に変更した以外は、実施例20と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(21)を得た。その際、パドルクーラー内部の気相部温度が80℃、雰囲気露点が36℃であった。なお、脱イオン水を添加する直前での冷却工程中の反応物(21)の温度は85℃(即ち、雰囲気露点+49℃)であり、含水率は4.1重量%であった。
実施例20において、パドルクーラーに通水する温水の温度を80℃、脱イオン水の添加量を500(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して3.0重量%)に変更した以外は、実施例20と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(21)を得た。その際、パドルクーラー内部の気相部温度が80℃、雰囲気露点が36℃であった。なお、脱イオン水を添加する直前での冷却工程中の反応物(21)の温度は85℃(即ち、雰囲気露点+49℃)であり、含水率は4.1重量%であった。
得られた吸水性樹脂(21)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(21)の含水率は5.7重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
[比較例8]冷却工程での水性液添加(雰囲気露点17℃/気相部温度60℃)
実施例20の反応工程において、パドルドライヤーの熱媒温度を200℃、かつ、パドルドライヤー内の気相部温度を180℃、雰囲気露点を95℃となるように制御したところ、パドルクーラー内の気相部温度が60℃、雰囲気露点が17℃となった以外は、実施例20と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(8)を得た。
実施例20の反応工程において、パドルドライヤーの熱媒温度を200℃、かつ、パドルドライヤー内の気相部温度を180℃、雰囲気露点を95℃となるように制御したところ、パドルクーラー内の気相部温度が60℃、雰囲気露点が17℃となった以外は、実施例20と同様の操作を行って、以下の比較吸水性樹脂(8)を得た。
上記パドルドライヤー内の比較混合物(8)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で排出された。なお、パドルドライヤー出口での比較反応物(8)の温度は180℃、含水率は1.0重量%であった。
また、脱イオン水を添加する直前での冷却工程中の比較反応物(8)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点+48℃)であり、含水率は1.0重量%であった。
得られた比較吸水性樹脂(8)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。しかし、比較吸水性樹脂(8)の含水率は2.1重量%と低い値となった。この要因として、水性液添加時の雰囲気露点が17℃と低かったためと推察される。他の諸物性は表2に示した。
[比較例9]冷却工程での水性液添加(水性液添加量を3.0重量%に増量)
比較例8において、吸水性樹脂の含水率を上げるため、脱イオン水の添加量を500(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して3.0重量%)に変更した以外は、比較例8と同様の操作を行った。なお、脱イオン水を添加する直前での冷却工程中の比較反応物(9)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点+48℃)であり、含水率は1.0重量%であった。
比較例8において、吸水性樹脂の含水率を上げるため、脱イオン水の添加量を500(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して3.0重量%)に変更した以外は、比較例8と同様の操作を行った。なお、脱イオン水を添加する直前での冷却工程中の比較反応物(9)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点+48℃)であり、含水率は1.0重量%であった。
冷却工程で上記脱イオン水を添加したところ、粒子が凝集した塊状物が発生し、かつ、パドルクーラー出口で硬化が終了しなかった。これらの要因として、水性液添加時の雰囲気露点が17℃と低かったためと推察される。
[実施例22]反応工程でキレート剤水溶液を添加
実施例14において、脱イオン水を、45重量%のジエチレントリアミン5酢酸ナトリウム水溶液を0.53重量%含有するキレート剤入り水性液に変更した以外は、実施例14と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(22)を得た。なお、上記水性液を添加する直前での反応工程中の混合物(22)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
実施例14において、脱イオン水を、45重量%のジエチレントリアミン5酢酸ナトリウム水溶液を0.53重量%含有するキレート剤入り水性液に変更した以外は、実施例14と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(22)を得た。なお、上記水性液を添加する直前での反応工程中の混合物(22)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
得られた吸水性樹脂(22)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(22)の含水率は9.6重量%、劣化可溶分は16.7重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
[実施例23]反応工程で消臭剤水溶液を添加
実施例14において、脱イオン水を、ツバキ科植物の葉抽出物15重量%水溶液(白井松新薬株式会社製;NI−フレスカ800MO)を0.5重量%含有する消臭剤入り水性液に変更した以外は、実施例14と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(23)を得た。なお、上記水性液を添加する直前での反応工程中の混合物(23)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
実施例14において、脱イオン水を、ツバキ科植物の葉抽出物15重量%水溶液(白井松新薬株式会社製;NI−フレスカ800MO)を0.5重量%含有する消臭剤入り水性液に変更した以外は、実施例14と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(23)を得た。なお、上記水性液を添加する直前での反応工程中の混合物(23)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
得られた吸水性樹脂(23)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(23)の含水率は9.6重量%、消臭性能は2.3であった。他の諸物性は表2に示した。
[実施例24]反応工程及び冷却工程での水性液添加
製造例2から引き続き、表面架橋工程以降について、吸水性樹脂の連続製造装置を稼働した。
製造例2から引き続き、表面架橋工程以降について、吸水性樹脂の連続製造装置を稼働した。
(混合工程)
上記製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(2)を1000(kg/hr)にて高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に連続供給した。当該高速混合機内において、吸水性樹脂粉末(2)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.04重量部、プロピレングリコール1.0重量部及び脱イオン水2.0重量部からなる表面架橋剤溶液(24)を、スプレーを用いて噴霧し均一に混合して、混合物(24)を得た。
上記製造例2で得られた吸水性樹脂粉末(2)を1000(kg/hr)にて高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に連続供給した。当該高速混合機内において、吸水性樹脂粉末(2)100重量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.04重量部、プロピレングリコール1.0重量部及び脱イオン水2.0重量部からなる表面架橋剤溶液(24)を、スプレーを用いて噴霧し均一に混合して、混合物(24)を得た。
(反応工程)
次に、上記混合工程で得られた混合物(24)をパドル型低速撹拌型間接加熱乾燥機(パドルドライヤー)に連続的に供給し、反応を行った。当該反応において、パドルドライヤー内部の気相部温度を120℃、雰囲気露点を75℃、熱媒温度を100℃となるように制御した。なお、当該混合物がパドルドライヤーに供給された時点を反応の開始時点とした。
次に、上記混合工程で得られた混合物(24)をパドル型低速撹拌型間接加熱乾燥機(パドルドライヤー)に連続的に供給し、反応を行った。当該反応において、パドルドライヤー内部の気相部温度を120℃、雰囲気露点を75℃、熱媒温度を100℃となるように制御した。なお、当該混合物がパドルドライヤーに供給された時点を反応の開始時点とした。
反応開始から10分経過した時点、即ち、パドルドライヤーの全長に対して、前方から1/2の位置において、脱イオン水を250(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して1.5重量%)で、反応工程中の混合物(24)に対して上方から噴霧、添加した。なお、脱イオン水を添加する直前での混合物(24)の温度は95℃(即ち、雰囲気露点+20℃)であり、含水率は6.0重量%であった。
上記脱イオン水の添加後、パドルドライヤー内の混合物(24)は塊状物(ダマ)の発生もなく、さらさらな状態で出口から排出された。なお、パドルドライヤー出口での反応物(24)の温度は100℃、含水率は6.8重量%であった。
(冷却工程)
続いて、上記反応工程で得られた反応物(24)を、上記パドルドライヤーと直列に連結されたパドル型低速撹拌型間接冷却機(パドルクーラー)に連続的に供給し、冷却を行った。当該冷却は60℃の温水を通水することで行い、パドルクーラー内部の気相部温度が60℃、雰囲気露点が32℃であった。なお、当該反応物がパドルクーラーに供給された時点を冷却の開始時点とした。
続いて、上記反応工程で得られた反応物(24)を、上記パドルドライヤーと直列に連結されたパドル型低速撹拌型間接冷却機(パドルクーラー)に連続的に供給し、冷却を行った。当該冷却は60℃の温水を通水することで行い、パドルクーラー内部の気相部温度が60℃、雰囲気露点が32℃であった。なお、当該反応物がパドルクーラーに供給された時点を冷却の開始時点とした。
冷却開始から6.7分経過した時点、即ち、パドルクーラーの全長に対して、前方から1/3の位置において、脱イオン水を250(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して1.5重量%)で、冷却工程中の反応物(24)に対して上方から噴霧、添加した。なお、脱イオン水を添加する直前での反応物(24)の温度は65℃(即ち、雰囲気露点+33℃)であり、含水率は6.6重量%であった。
(整粒工程)
上記冷却工程の終了後、目開き850μmのJIS標準篩を用いて分級し、吸水性樹脂(24)を得た。なお、当該篩のON品(篩不通過物)は、その全量が目開き850μmの篩を通過するまで解砕した。
上記冷却工程の終了後、目開き850μmのJIS標準篩を用いて分級し、吸水性樹脂(24)を得た。なお、当該篩のON品(篩不通過物)は、その全量が目開き850μmの篩を通過するまで解砕した。
得られた吸水性樹脂(24)は、吸湿時の流動性にも優れ、微粉(目開き106μmの篩通過物)もなく、整粒工程で解砕不能な凝集物も見られなかった。また、吸水性樹脂(24)の含水率は7.6重量%であった。他の諸物性は表2に示した。
〔実施例25〕(反応工程後の冷却工程以外での水性液を添加)
実施例20において、パドルクーラーを、高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に変更した以外は、実施例20と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(25)を得た。
実施例20において、パドルクーラーを、高速混合機(タービュライザー/1000rpm)に変更した以外は、実施例20と同様の操作を行って、以下の吸水性樹脂(25)を得た。
当該高速混合機において、脱イオン水を250(g/min)(吸水性樹脂粉末(2)に対して1.5重量%)で、反応物(25)に対して上方から噴霧、添加した。このとき、高速混合機内の気相部温度は75℃、雰囲気露点は62℃であった。なお、脱イオン水を添加する直前での高速混合機内の反応物(25)の温度は92℃(即ち、雰囲気露点+30℃)であり、含水率は4.4重量%であった。
上記高速混合機内で上記脱イオン水を添加したところ、粒子が多少凝集した塊状物が発生した。その際、当該高速混合機の連続運転には支障はなかったが、吸水性樹脂の流動性を付与することを目的とした硬化工程(60℃で30分間の加熱処理)が必要であった。
(まとめ)
実施例12〜16及び比較例6との対比から、水性液の添加量としては、吸水性樹脂粉末に対して1.5〜11.0重量%(実施例12〜15)では均一に添加でき、15.0重量%(実施例16)まで増量すると若干困難となることが分かる。また、実施例13、17、18の対比から、水性液の添加時機を遅くする(水性液添加後の時間を短くする)ことで、得られる吸水性樹脂の含水率を高くすることができることがわかる。
実施例12〜16及び比較例6との対比から、水性液の添加量としては、吸水性樹脂粉末に対して1.5〜11.0重量%(実施例12〜15)では均一に添加でき、15.0重量%(実施例16)まで増量すると若干困難となることが分かる。また、実施例13、17、18の対比から、水性液の添加時機を遅くする(水性液添加後の時間を短くする)ことで、得られる吸水性樹脂の含水率を高くすることができることがわかる。
比較例8、9からは、吸水性樹脂粒子の温度が雰囲気露点より高温であっても、水性液添加時の雰囲気露点としては、20℃以上が必須であることが分かる。
実施例14に対して、実施例22、23では水性液に添加剤(キレート剤、消臭剤)を加えることで、含水率や諸物性(CRC/AAP)を高く保ったまま、吸水性樹脂に付加機能を付与できることが判る。
実施例24では、反応工程で水性液を添加した実施例12に対して、更に反応工程後に水性液を添加することで、より含水率が向上することが判る。
実施例25では、反応工程後に冷却工程以外でも水性液の添加が可能なことが判る。また、実施例12〜24と実施例25との対比より、反応工程中や反応工程後の冷却工程中で水性液を添加する場合、水性液添加後の硬化工程(加熱処理による水性液の吸水性樹脂への吸収)を省略でき、よりプロセスを簡略化できることが判る。
なお、得られた吸水性樹脂の粒度は表2には記載しないが、吸水性樹脂(13)〜(18)も実施例12の吸水性樹脂(12)とほぼ同程度であり、重量平均粒子径(D50)は400μm前後、粒子径150μm以上850μm未満の粒子含有量が99重量%、150μm通過物が1重量%(うち106μm通過物が0重量%)、衝撃後のD50=370μm前後であった。そのため、水性液添加前の不定形破砕状の吸水性樹脂粉末(2)の粒度(D50=350μm)に比べて、吸水性樹脂(13)〜(18)は、造粒による質量平均粒子径上昇率は13%前後、衝撃による質量平均粒子径低下率は8%前後であった。
以上、上記〔6〕「従来技術との差異」の欄に述べたように、特許文献1〜25やその他先行文献は吸水性樹脂への水性液添加時の露点をなんら開示せず、水性液添加時の露点を制御する本願製造方法およびその効果をなんら示唆しない。吸水性樹脂の乾燥工程や表面架橋工程や輸送工程で露点を規定する技術(特許文献2、19、21〜23、25)は提案されているが、従来、水性液添加時の露点と被加熱物である吸水性樹脂粉末の温度の重要性やその効果をなんら示唆されていない。
本発明の製造方法では、高CRC、高AAP(特に、CRC=30〜45(g/g)(さらには35〜40(g/g))、AAP=30〜40(g/g)(さらには31〜35(g/g))、CRC+AAP≧65(g/g))の吸水性樹脂を得ることができる。
本発明に係るポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法は、吸水性樹脂の生産、特に大量生産に適用することができる。また、本発明によって得られるポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、紙オムツ等の衛生用品の吸収体用途に適している。
Claims (17)
- 吸水性樹脂粉末に表面架橋剤溶液を添加して混合物を得る混合工程と、当該混合物を反応させる反応工程と、当該反応工程中の吸水性樹脂粉末及び当該反応工程以降の吸水性樹脂粉末からなる群から選択される少なくとも1つの吸水性樹脂粉末に水性液を添加する水性液添加工程と、を順次含む、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法であって、
上記水性液添加時の雰囲気露点が20℃以上であり、かつ、水性液添加時の吸水性樹脂粉末の温度が雰囲気露点よりも高温であることを特徴とする、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子の製造方法。 - 上記水性液添加工程が、反応工程中に行われる、請求項1に記載の製造方法。
- 上記水性液添加工程が、加熱反応装置又は活性エネルギー線反応装置内の吸水性樹脂粉末に対して行われる、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 上記水性液添加工程が、反応工程以降に行われる、請求項1に記載の製造方法。
- 上記水性液添加工程が、反応工程後、3分以内に開始される、請求項1又は4に記載の製造方法。
- 上記水性液添加工程が、反応工程後の冷却工程中の吸水性樹脂粉末に対して行われる、請求項1、4、5の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記水性液添加時の吸水性樹脂粉末の温度を50〜150℃とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記水性液添加時の吸水性樹脂粉末の含水率を2〜15重量%とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記水性液の添加量を吸水性樹脂粉末に対して0.1〜14重量%とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記ポリアクリル酸(塩)系吸収性樹脂粒子の含水率を5〜20重量%とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の製造方法。
- 上記水性液が消臭剤、抗菌剤、着色防止剤、キレート剤、無機塩、酸性化合物、還元剤、アルカリ性化合物及び界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の製造方法。
- 造粒による質量平均粒子径(D50)上昇率(%)が5〜50%である、請求項1〜11の何れか1項に記載の製造方法。
- 含水率が5〜20重量%であり、無加圧下吸水倍率CRC(ERT441.2−02)が30〜45(g/g)であり、加圧下吸水倍率AAP(ERT442.2−02)が30〜40(g/g)であり、CRC+AAP≧65(g/g)を示す、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子。
- 消臭剤、抗菌剤、着色防止剤、キレート剤、無機塩、酸性化合物、還元剤、アルカリ性化合物及び界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項13に記載のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子。
- 造粒物である、請求項13または14に記載のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子。
- 衝撃による質量平均粒子径(D50)低下率(%)が0〜30%である、請求項13〜15の何れか1項に記載のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子。
- 請求項13〜16の何れか1項に記載のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子を含む吸収性物品。
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