JPWO2014087666A1 - マイクロ波処理装置 - Google Patents

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Abstract

マイクロ波処理装置は、マイクロ波による表面波を伝送する表面波伝送線路を形成した周期構造体と、マイクロ波電力を発生させる発振部と、発振部によって発生されたマイクロ波電力を周期構造体に伝達する伝達部とを備え、周期構造体と伝達部との接続部分に整合部が設けられ、整合部のインピーダンスは、周期構造体のインピーダンスと伝達部のインピーダンスの間に設定されることにより、伝達部から周期構造体に効率的にマイクロ波電力を伝達することができる。

Description

本発明は、周期構造体によりマイクロ波による表面波を伝送する表面波伝送線路を形成したマイクロ波処理装置に関する。
従来、この種のマイクロ波処理装置は、マイクロ波エネルギを供給する同軸ケーブルと、同軸ケーブルからマイクロ波エネルギが供給されるとともに交叉指型テープ線路を形成した周期構造体とを備えたものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1のマイクロ波処理装置は、交叉指型テープ線路の終端に共振孔を設置している。このような構成において、交叉指型テープ線路に生じるマイクロ波を用いて被加熱物に焦げ目付けを行いながら、共振孔からのマイクロ波加熱により被加熱物を均一に加熱するようにしている。
また、別のマイクロ波処理装置として、周期構造体により形成された交叉指型テープ線路上においてマイクロ波を放射させながら伝送させるものがある(例えば、特許文献2参照)。交叉指型テープ線路上でマイクロ波を放射させながら伝送させることにより、厚みのある被加熱物を効率的にマイクロ波加熱するようにしている。
特開昭61−237393号公報 特公平4−61476号公報
しかしながら、前記従来のような構成において、交叉指型テープ線路などの表面波伝送線路を形成する周期構造体に同軸ケーブルなどの伝達部からマイクロ波電力を伝達する際に、より効率的に周期構造体にマイクロ波電力を伝達することが求められている。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、表面波伝送線路を形成する周期構造体へ効率的にマイクロ波電力を伝達することができるマイクロ波発処理装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のマイクロ波処理装置は、マイクロ波による表面波を伝送する表面波伝送線路を形成した周期構造体と、マイクロ波電力を発生させる発振部と、発振部によって発生されたマイクロ波電力を周期構造体に伝達する伝達部とを備え、周期構造体と伝達部との接続部分に整合部が設けられ、整合部のインピーダンスは、周期構造体のインピーダンスと伝達部のインピーダンスの間に設定される。
本発明のマイクロ波処理装置は、表面波伝送線路を形成する周期構造体に効率的にマイクロ波電力を伝達することができる。
本発明のこれらの態様と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。
本発明の実施の形態1におけるマイクロ波処理装置の概略断面図 実施の形態1におけるマイクロ波処理装置の周期構造体の下面図 実施の形態1におけるマイクロ波処理装置の断面図 実施の形態1の変形例1におけるマイクロ波処理装置の整合回路の下面図 実施の形態1の変形例1におけるマイクロ波処理装置の整合回路の断面図 実施の形態1の変形例2におけるマイクロ波処理装置の整合回路の断面図 本発明の実施の形態2におけるマイクロ波処理装置の断面図 実施の形態2におけるマイクロ波処理装置の周期構造体の斜視図
第1の発明は、マイクロ波による表面波を伝送する表面波伝送線路を形成した周期構造体と、マイクロ波電力を発生させる発振部と、発振部によって発生されたマイクロ波電力を周期構造体に伝達する伝達部とを備え、周期構造体と伝達部との接続部分に整合部が設けられ、整合部のインピーダンスは、周期構造体のインピーダンスと伝達部のインピーダンスの間に設定される、マイクロ波処理装置である。これにより、整合部によって伝達部と周期構造体におけるインピーダンスの整合をとることで、伝達部と周期構造体との接続部分に生じるマイクロ波の反射を減少させることができるため、伝達部から周期構造体にマイクロ波電力を効率的に伝達することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の整合部は、周期構造体の少なくとも一部をグランド面とするマイクロストリップ線路を形成する。これにより、整合部をより簡単かつ小型に構成できる。
第3の発明は、特に、第1の発明の整合部はインピーダンスの変化部分を有し、その変化部分にて生じるマイクロ波の反射波が、周期構造体と整合部との接続部分で生じるマイクロ波の反射波を少なくとも部分的に相殺するように変化部分が配置される。これにより、伝達部と周期構造体との接続部分に生じるマイクロ波の反射を相殺することで、伝達部から周期構造体にマイクロ波を効率的に伝達することができる。
第4の発明は、特に、第3の発明の整合部におけるインピーダンスの変化部分は、整合部の形状を変化させて形成される。これにより、伝達部から周期構造体にマイクロ波を効率的に伝達することができる。
第5の発明は、特に、第3の発明の整合部は、周期構造体の少なくとも一部をグランド面として誘電体を有したマイクロストリップ線路を形成し、整合部におけるインピーダンスの変化部分は、マイクロストリップ線路の誘電体に誘電率の変化部分が存在することで形成される。これにより、伝達部から周期構造体にマイクロ波を効率的に伝達することができる。
第6の発明は、特に、第1の発明の周期構造体は、第1の櫛型部を含む第1の金属板部と、第1の櫛形部と対向して配置された第2の櫛型部を含む第2の金属板部とを備え、表面波伝送線路は、第1および第2の櫛型部の間に形成されたインターディジタル線路であり、伝達部は、中心導体と中心導体を覆う外皮とを有する同軸ケーブルであり、同軸ケーブルの中心導体は、整合部を介して周期構造体の第1の櫛型部に接続され、同軸ケーブルの外皮は、周期構造体の第2の金属板部に接続される。これにより、周期構造体を薄型に構成することができ、マイクロ波処理装置の小型化を図ることができる。
第7の発明は、特に、第1の発明の周期構造体は、一定の間隔で互いに平行に並べられた複数の金属板を備え、金属板のうちの1つを他の金属板を支持する支持体から離して配置し、伝達部は、中心導体と中心導体を覆う外皮とを有する同軸ケーブルであり、中心導体は、支持体から離して配置された金属板に整合部を介して接続され、外皮は支持体に接続されている。これにより、伝達部から周期構造体に効率的にマイクロ波電力を伝達することができる。
第8の発明は、特に、第1から第7のいずれか1つの発明の表面波伝送線路の近傍に設けられるとともに被加熱物を設置する設置台をさらに備え、周期構造体は、設置台に対して被加熱物が設置される側と反対側に配置され、整合部および伝達部のうちの少なくとも一方を、周期構造体に対して、被加熱物および設置台が存在する側と反対側に配置した。これにより、調理に使用しない場所を有効利用できるので、マイクロ波処理装置を小型化することができる。
以下、本発明の実施の形態1、2について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態1、2によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるマイクロ波処理装置の概略断面図である。
図1に示すように、マイクロ波処理装置は、被加熱物11が設置される設置台1と、設置台1の近傍に設けられた周期構造体2と、マイクロ波電力を発生させる発振部3と、周期構造体2と発振部3を接続する伝達部4とを備える。マイクロ波電力を発生させる発振部3はマグネトロンや半導体などで構成され、発振部3にて発生されるマイクロ波電力は、伝達部4を通じて周期構造体2に伝達される。周期構造体2は、実質的に同一のスリットや構造物などが一定の間隔で並べて配置されたものであり、伝達部4を介して伝達されたマイクロ波を近傍空間に集中させる。
被加熱物11は、表面波伝送線路2の近傍に設けられた設置台1の上に設置され、周期構造体2によって集中されるマイクロ波により強く加熱される。これにより、被加熱物11の表面に焦げ目を付けることができる。
上述した設置台1や周期構造体2などのマイクロ波処理装置の構成は、マイクロ波処理装置の加熱室10の中に配置されている。ただし、電波漏洩や感電などの危険性がない構成であれば、必ずしも加熱室10の中に配置しなくても良い。
図2は、本実施の形態1におけるマイクロ波処理装置の周期構造体2の上面図である。
図2に示すように、周期構造体2は、周期的に折り返したスリットを内部に形成する薄板状の一対の金属板部2a、2bで形成されている。本実施の形態1では、金属板部2a、2bは一体的に形成されており、図2における周期構造体2の上側半分を金属板部2aが占め、下側半分を金属板部2bが占める。周期構造体2内で周期的に折り返したスリットは表面波伝送線路9を形成する。図2に示すように、金属板部2a、2bは、互いに対向する一対の櫛型部13a、13bをそれぞれ備える。本実施の形態1では、金属板部2aが有する櫛型部13aは、図2において下側に延びる3本の金属板であり、金属板部2bが有する櫛型部13bは、図2において上側に延びる2本の金属板である。櫛型部13aと櫛型部13bの間の空間として形成される表面波伝送線路9は、インターディジタル線路(交叉指型線路)である。本実施の形態1では、表面波伝送線路9の終端9aは短絡されているが、このような場合に限らず開放されていても良い。
図3は、本実施の形態1におけるマイクロ波処理装置の拡大断面図である。
図3に示すように、本実施の形態1における伝達部4は、中心導体6と中心導体6を覆う外皮12とを有する同軸ケーブルである。図2、3に示すように、伝達部4の中心導体6と、一方の金属板部2aの櫛型部13aとの間には整合回路(整合部)5が設けられている。すなわち、伝達部4の中心導体6は、整合回路5を経由して金属板部2aの櫛型部13aに接続されている。伝達部4の外皮12は、もう一方の金属板2bのうち、整合回路5が接続される櫛形部13aに対向する部分に接続されている(図2参照)。このような周期構造体2と伝達部4との接続関係によれば、伝達部4から周期構造体2にマイクロ波電力が供給されることで、表面波伝送線路9において電界が生じる。表面波伝送線路9は、スリットの幅や長さ、繰り返しの間隔などを適宜設定することで遅波回路として働く。これにより、表面波伝送線路9に供給されたマイクロ波は、表面波伝送線路9を含む平面に対する垂直方向において、マイクロ波電力が指数関数的に減少する表面波となって伝播する。
ここで、伝達部4のインピーダンス(例えば50Ω)は、周期構造体2のインピーダンス(例えば150Ω)よりも低いことがほとんどであり、それぞれが一致することはほとんどない。よって、整合回路5を設けずに伝達部4と周期構造体2を直接結合した場合には、伝達部4と周期構造体2のインピーダンス不整合によって、接続部分にてマイクロ波の大きな反射が生じる。ここでのマイクロ波の反射は、マイクロ波電力の伝達効率の低下だけでなく、発振部3や伝達部4の故障の原因ともなる。またマイクロ波の反射により、加熱室10内へのマイクロ波の放射も発生してしまう。
そこで、本実施の形態1におけるマイクロ波処理装置は、インピーダンス不整合部分である周期構造体2と伝達部4との接続部分に整合回路5を設けている。さらに、整合回路5のインピーダンスは、周期構造体2のインピーダンスと伝達部4のインピーダンスの間に設定される(例えば100Ω)。このような整合回路5を設けてインピーダンス整合を取ることで、マイクロ波の反射波14(図3参照)や放射の発生を抑制することができるため、マイクロ波電力の伝達効率を高めることができる。すなわち、伝達部4から周期構造体2に効率的にマイクロ波電力を伝達することができる。
また、マイクロ波の反射波14および放射の発生を抑制することで、発振部3や伝達部4の温度上昇や故障を抑制することになる。よって、発振部3や伝達部4に対する冷却構造の小型化や、マイクロ波処理装置の信頼性の向上につながる。
なお、本実施の形態1における整合回路5は金属板で形成されている。このような整合回路5は、伝達部4の外皮12が接続されている周期構造体2(周期構造体2の少なくとも一部)をグランド面としたマイクロストリップ線路を構成している。このマイクロストリップ線路における誘電体は、周期構造体2と整合回路5の間に存在する空気である。整合回路5のインピーダンスは、整合回路5を構成する金属板の幅、グランド面である周期構造体2と整合回路5との距離、誘電体の材質などにより決まる。前述したように、本実施の形態1では、整合回路5のインピーダンスを伝達部4のインピーダンスと周期構造体2のインピーダンスの間に設定することで、周期構造体2と伝達部4との間のインピーダンス変化を段階的とすることができる。これにより、マイクロ波の反射波14および放射の発生を抑制することができる。
なお、整合回路5のインピーダンスを伝達部4のインピーダンスと周期構造体2のインピーダンスの平均に設定すると、マイクロ波の反射波14および放射の発生をより抑制することができる。ただし、このような場合に限らず、伝達部4のインピーダンスと周期構造体2のインピーダンスの間の値に設定すれば良い。あるいは、整合回路5において、金属板の幅やグランド面との距離などを連続的に変えることで、伝達部4から周期構造体2までのインピーダンスを滑らかにしても良い。これによりマイクロ波の反射波14および放射の発生を最も抑制することができる。
また、本実施の形態1では、整合回路5と伝達部4は、被加熱物11の調理に使用しない表面波伝送線路2の下側のスペースに設置されている。すなわち、周期構造体2は、設置台1に対して被加熱物11が設置される側と反対側(図3の下側)に配置され、整合部5および伝達部4は、周期構造体2に対して、被加熱物11および設置台1が存在する側と反対側(図3の下側)に配置されている。これにより、設置台1の下面側に形成される空スペースを有効利用することができ、マイクロ波処理装置の小型化を図ることができる。
以上のように、本実施の形態1のマイクロ波処理装置は、マイクロ波による表面波を伝送する表面波伝送線路9を形成した周期構造体2と、マイクロ波電力を発生させる発振部3と、発振部3によって発生されたマイクロ波電力を周期構造体2に伝達する伝達部4とを備える。また、周期構造体2と伝達部4との接続部分に整合部5が設けられ、整合部5のインピーダンスは、周期構造体2のインピーダンスと伝達部4のインピーダンスの間に設定される。このように周期構造体2と伝達部4が接続する部分に整合回路5を設けたことで、インピーダンス不整合が発生する接続部分にてインピーダンス整合を取ることができる。よって、接続部分に生じるマイクロ波の反射波14を抑制することができ、伝達部4から周期構造体2により効率的にマイクロ波電力を伝達することができる。これにより、被加熱物11に対して、マイクロ波の表面波による焦げ目付けを効率良く行うことができるとともに、マイクロ波処理装置の小型化を図ることができる。
(変形例1)
図4は、実施の形態1の変形例1におけるマイクロ波処理装置の整合回路15の下面図である。図5は、本変形例1におけるマイクロ波処理装置の整合回路15の断面図である。図4、5に示す変形例1では、図1−3に示す実施の形態1と比較して、整合回路15の形状のみが異なり、その他のマイクロ波処理装置の構成は共通する。
本変形例1では、図4、5に示すように、金属板で構成される整合回路15の長手方向(図4、5の左右方向)の途中に幅の異なるタブ17が設けられている。整合回路15の途中でタブ17が幅方向に突出することにより、整合回路15の長手方向においてインピーダンスの変化部分(すなわち、タブ17)が形成されている。
整合回路15の途中に設けられたタブ17で形成されたインピーダンスの変化部分では、図5に示すようにマイクロ波の反射波18が生じる。本実施の形態1では、タブ17で生じるマイクロ波の反射波18と、周期構造体2と伝達部4との接続部分で生じるマイクロ波の反射波14が逆位相になるように、タブ17の位置や形状を調整している。これにより、周期構造体2と伝達部4との接続部分で生じるマイクロ波の反射波14が、反射波18によって少なくとも部分的に相殺される。よって、マイクロ波の反射波14および放射の発生を抑制することができ、伝達部4から周期構造体2により効率的にマイクロ波電力を伝達することができる。
(変形例2)
図6は、実施の形態1の変形例2におけるマイクロ波処理装置の整合回路25の断面図である。図6に示す変形例2では、周期構造体2(の少なくとも一部)をグランド面とするマイクロストリップ線路において、整合回路25と周期構造体2の間に、空気とは異なる誘電体28が配置されている。さらに本変形例2では、誘電体28の長手方向の途中に誘電率が異なる誘電体28aが設けられている。この誘電体28aは誘電体28の他の部分とは異なるインピーダンスを有する。すなわち、誘電体28aにより整合回路25におけるインピーダンスの変化部分が形成される。
誘電体28aで形成されたインピーダンスの変化部分において、伝達部4から伝達されるマイクロ波の反射波が生じる。本変形例2でも、変形例1と同様に、インピーダンスの変化部分で生じるマイクロ波の反射波と、周期構造体2と伝達部4との接続部分で生じるマイクロ波の反射波が逆位相になるように、誘電体28、28aの材質、位置、形状等を調整している。これにより、周期構造体2と伝達部4との接続部分で生じるマイクロ波の反射波を少なくとも部分的に相殺することができ、マイクロ波の反射波および放射の発生を抑制することができる。よって、伝達部4から周期構造体2にマイクロ波電力をより効率的に伝達することができる。
(実施の形態2)
次に、図7、8を用いて、本発明の実施の形態2にかかるマイクロ波処理装置について説明する。本実施の形態2では、実施の形態1と比較して、表面波伝送線路を形成する周期構造体の構造が主に異なっている。
実施の形態2にかかるマイクロ波処理装置が備える周期構造体32は、加熱室40内において一定の間隔で互いに平行に並べられた複数の金属板32a、32bで構成される。複数の金属板32aは支持体37により下方から支持され、1つの金属板32bのみが支持体37とは離して配置されている。支持体37と離して配置された金属板32bには整合回路35が取り付けられている。整合回路35は、伝達部34の中心導体36に接続されている。伝達部34の外皮38は支持体37に接続されている。
このような構成においても、整合回路35を介して伝達部34から周期構造体32にマイクロ波電力を伝達することにより、周期構造体32の金属板32a、32bの間に形成される表面波伝送線路39に電界が生じる。これにより、表面波伝送線路39においてマイクロ波による表面波を発生させることができる。この表面波により、設置台31上に設置された被加熱物41に焦げ目を付けるように加熱することができる。
また本実施の形態2でも実施の形態1と同様に、整合回路35のインピーダンスを、周期構造体32(特に金属板32b)のインピーダンスと伝達部34のインピーダンスの間に設定している。このように周期構造体32と伝達部34が接続する部分に整合回路35を設けたことで、インピーダンス不整合が発生する接続部分にてインピーダンス整合を取ることができる。よって、接続部分に生じるマイクロ波の反射波を抑制することができ、伝達部34から周期構造体32により効率的にマイクロ波電力を伝達することができる。これにより、被加熱物41に対して、マイクロ波の表面波による焦げ目付けを効率良く行うことができるとともに、マイクロ波処理装置の小型化を図ることができる。
なお、本発明は上述の構成に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本実施の形態1では、周期構造体2において金属板部2aおよび金属板部2bが一体的に形成される場合について説明したが、このような場合に限らず例えば、金属板部2aおよび金属板部2bが別々に形成されても良い。
また本実施の形態1、2では、伝達部4が同軸ケーブルである場合について説明したが、このような場合に限らず例えば、マイクロストリップ線路やストリップ線路であっても良い。
また本実施の形態1の変形例1では、整合回路5の途中に幅を広げたスタブ17を設けることでインピーダンスの変化部分を設ける場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、整合回路5の幅を狭める、あるいは整合回路5の厚みを変更するなど、他の方法により整合回路5の形状を変化させて、インピーダンスの変化部分を設けても良い。
また本実施の形態1、2では、マイクロ波処理装置の構成は加熱室10の中に設置される場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、電波漏洩や感電などの危険性がない構成であれば、マイクロ波処理装置の構成を加熱室10の中ではなく、開放空間に配置しても良い。
なお、上記実施の形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
以上のように、本発明にかかるマイクロ波処理装置は、周期構造体によりマイクロ波による表面波を伝送する表面波伝送線路を有して、周期構造体に効率的にマイクロ波電力を伝達することができるので、電子レンジで代表されるような誘電加熱を利用した加熱装置や生ゴミ処理機、あるいはコンロ、ホットプレートなどの用途にも適用できる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
2012年12月7日に出願された日本国特許出願No.2012−267919号の明細書、図面、及び特許請求の範囲の開示内容は、全体として参照されて本明細書の中に取り入れられるものである。

Claims (8)

  1. マイクロ波による表面波を伝送する表面波伝送線路を形成した周期構造体と、
    マイクロ波電力を発生させる発振部と、
    発振部によって発生されたマイクロ波電力を周期構造体に伝達する伝達部とを備え、
    周期構造体と伝達部との接続部分に整合部が設けられ、整合部のインピーダンスは、周期構造体のインピーダンスと伝達部のインピーダンスの間に設定される、マイクロ波処理装置。
  2. 整合部は、周期構造体の少なくとも一部をグランド面とするマイクロストリップ線路を形成する、請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  3. 整合部はインピーダンスの変化部分を有し、その変化部分にて生じるマイクロ波の反射波が、周期構造体と整合部との接続部分で生じるマイクロ波の反射波を少なくとも部分的に相殺するように変化部分が配置される、請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  4. 整合部におけるインピーダンスの変化部分は、整合部の形状を変化させて形成される、請求項3に記載のマイクロ波処理装置。
  5. 整合部は、周期構造体の少なくとも一部をグランド面として誘電体を有したマイクロストリップ線路を形成し、
    整合部におけるインピーダンスの変化部分は、マイクロストリップ線路の誘電体に誘電率の変化部分が存在することで形成される、請求項3に記載のマイクロ波処理装置。
  6. 周期構造体は、第1の櫛型部を含む第1の金属板部と、第1の櫛形部と対向して配置された第2の櫛型部を含む第2の金属板部とを備え、
    表面波伝送線路は、第1および第2の櫛型部の間に形成されたインターディジタル線路であり、
    伝達部は、中心導体と中心導体を覆う外皮とを有する同軸ケーブルであり、
    同軸ケーブルの中心導体は、整合部を介して周期構造体の第1の櫛型部に接続され、同軸ケーブルの外皮は、周期構造体の第2の金属板部に接続される、請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  7. 周期構造体は、一定の間隔で互いに平行に並べられた複数の金属板を備え、金属板のうちの1つを他の金属板を支持する支持体から離して配置し、
    伝達部は、中心導体と中心導体を覆う外皮とを有する同軸ケーブルであり、
    中心導体は、支持体から離して配置された金属板に整合部を介して接続され、外皮は支持体に接続されている、請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  8. 表面波伝送線路の近傍に設けられるとともに被加熱物を設置する設置台をさらに備え、
    周期構造体は、設置台に対して被加熱物が設置される側と反対側に配置され、
    整合部および伝達部のうちの少なくとも一方を、周期構造体に対して、被加熱物および設置台が存在する側と反対側に配置した、請求項1から7のいずれか1つに記載のマイクロ波処理装置。
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