JPWO2014034920A1 - 透明電極およびその製造方法ならびに有機電子デバイス - Google Patents

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Abstract

透明樹脂基板と金属細線パターンとの密着性を高め、金属細線パターンの剥離や多孔質層へのクラックの発生を抑制する透明電極が開示されている。透明電極(1)は、透明樹脂基板(10)、多孔質層(20)、金属細線パターン(30)および透明導電性保護層(40)を有し、透明樹脂基板(40)上に多孔質層(20)と金属細線パターン(30)とが形成され、多孔質層(20)および金属細線パターン(30)上に透明導電性保護層(40)が形成されている。透明電極(1)では、金属細線パターン(30)の厚さ(32)に対する多孔質層(20)の厚さ(22)の比率が5〜40%の範囲内で、かつ、金属細線パターン(30)の厚さ(32)が0.3〜3.0μmの範囲内である。

Description

本発明は透明電極およびその製造方法ならびに当該透明電極を使用した有機電子デバイスに関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンスデバイス(以下、有機ELデバイス)や有機太陽電池といった有機電子デバイスには、大型化、軽量化、フレキシブル化などが要求されている。そのため、有機電子デバイスに用いられる透明電極には、低抵抗化、基板の軽量化、フレキシブル化が求められている。さらに、コストの面からPET基板といった安価な樹脂基板の使用、ロール・トゥ・ロールプロセスによる大量生産方式への適応が求められている。
従来、透明電極としては、透明基板上にインジウム−スズの複合酸化物(以下、ITOと略記。)膜を、真空蒸着法やスパッタリング法により製膜したITO透明電極が、その導電性や透明性といった特性上の利点から、広く使用されてきた。しかしながら、ITO透明電極は、抵抗が高く、大型の有機電子デバイスに用いることができない。また、フレキシブルな基板に用いると、折り曲げの際、ITO層が基板の曲がりに追従できず、クラックが生じてしまう。
一方、PEDOT:PSSといった導電性ポリマーを基板上に形成した透明電極が知られている。導電性ポリマーは、フレキシブル性には優れ、ロール・トゥ・ロールプロセスに用いることができる。しかし、導電性ポリマー自体の体積抵抗が高く、且つ可視光域に吸収があるため、高い透明性を維持しながら、低抵抗な電極を作成することは難しい。
さらに、透明電極の低抵抗化、フレキシブル化を目指す中で、基板上に金属細線パターンを形成し、その上に透明導電層を積層することで、電流の面均一性と高い導電性を併せ持つ透明電極が開発されている(特許文献1)。
金属細線パターンの形成方法としては、銀や金、銅などのナノ粒子を含む金属ナノ粒子分散液を印刷描画し、その後、金属ナノ粒子同士を焼成する方法が知られている。しかしながら、金属ナノ粒子同士を焼成して金属ナノ粒子の電気的な導通を確保するには、200℃以上の熱処理が必要であるため、耐熱性の低い安価な樹脂基板に適用することは難しかった。
そこで、低温で焼成可能な金属ナノ粒子分散液の検討が行われている(特許文献2)。このような低温で焼成可能な金属ナノ粒子分散液は、金属ナノ粒子の保護分子として低分子量かつ低沸点の有機化合物が用いられ、バインダーを用いないか、または、最小限にとどめるといった方法で作製される。バインダーを最小限にとどめるのは、バインダーが金属ナノ粒子同士の焼成の妨げとなり、低温での焼成を困難にするとともに、焼成後の金属細線パターンの抵抗を高めてしまうためである。
このように作製された分散液は基板への密着成分となるバインダーが少ないため、粘度が低く、インクジェット印刷等に好適に用いることができるが、基板への密着性が低いといった課題があった。たとえば、ロール・トゥ・ロール・プロセスでは、パターニングと焼成を施した金属細線パターン付きの樹脂基板をロールで巻き取った場合、接触する基板裏面との摩擦で、金属細線パターンが剥離してしまうといった問題が生じる。
また、金属ナノ粒子分散液で形成した金属細線パターンを低温で焼成する方法として、フラッシュ光照射による焼成が知られている。金属細線パターンのフラッシュ光照射による焼成は、低温・短時間でのプロセスであるため、耐熱性の低い安価な樹脂フィルムを用いたロール・トゥ・ロール・プロセスに好適に用いることができる。しかしながら、バインダーの少ない金属ナノ粒子分散液による金属細線パターンに対し、フラッシュ光照射による焼成を行うと、基板への密着性の低さから金属細線パターンの一部が剥離してしまうという課題があった。
一方、インクジェット法で印刷する際にインクの吸収性を向上させるため、基板上に多孔質状のインクの受容層を設置することは一般に知られており、幾つかの方法が提案されている。
例えば、支持体上にケイソウ土や真珠岩粉末などの多孔質構造の粒子を含有する多孔質層を設ける方法(特許文献3)、相互に混和性の低いプラスチックを溶媒に溶解して塗布した後、凝固浴でプラスチックを凝固させ多孔層を設ける方法(特許文献4)、基板上にコロイダルシリカ粒子含有親水無機有機複合層からなる多孔質層を設ける方法(特許文献5)、金属酸化物粒子とアルコキシド化合物の加水分解−縮合物を含むインク受容膜を設ける方法(特許文献6)、基板上にシリカ、無水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムから選択される多孔質層を設ける方法(特許文献7)、金属酸化物粒子とポリイミド前駆体を含むインク受容膜を設ける方法(特許文献8)などがある。
特許文献3〜6では、塗布物の基板への密着性に関する課題の提示やその解決法の示唆は何らなされていない。
特許文献7,8では、多孔質層の形成による密着性の向上について言及しているが、多孔質層と金属膜の厚さについての詳細な記述がないため、かかる多孔質層を透明電極に用いると、透明電極の透明性の低下や有機電子デバイスに用いた際に電流リークが起きるという課題が生じうるし、なんといっても特許文献7,8の多孔質層を透明樹脂基板のようなフレキシブルな基板に形成すると、折り曲げの際に多孔質層にクラックが生じうるという課題がある。
米国特許出願公開第2010/255323号明細書 特開2010−265543号公報 特開昭61−8385号公報 特開昭62−197183号公報 特開平2−147233号公報 特開2007−169604号公報 特開2009−76455号公報 特開2010−161118号公報
前述の通り、金属ナノ粒子を用いて金属細線パターンを形成する上で、基板との密着性に課題があり、特にロール・トゥ・ロール・プロセスでの生産に際して、金属細線パターン付きの樹脂基板をロールで巻き取る工程やフラッシュ光照射による焼成工程において、金属細線パターンが剥離してしまう課題があった。
さらに透明樹脂基板のようなフレキシブルな基板に用いると、折り曲げの際に多孔質層にクラックが入るという課題があった。
以上の課題に鑑み、本発明の主な目的は、基板との密着性の良好な金属細線パターンを有する透明電極であって、巻き取りやフラッシュ光を照射した際などの金属細線パターンの剥離や、透明電極を折り曲げた際などの多孔質層へのクラックの発生を抑制することができる透明電極を提供することにある。
上記課題に対し、本発明者は下記のとおり検討を加え本発明に至った。
すなわち、インク受容層を始めとする多孔質層をアンカー層として使用し、そこに、銀や金、銅などのナノ粒子を含む金属ナノ粒子分散液や、金属錯体インク等のインクを、たとえば、インクジェット、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセットグラビア印刷、フレキソ印刷等の公知のパターニング方法で印刷して金属細線パターンを形成することにより、インクが多孔質層中の空隙に浸透して、結果的に金属細線パターンの一部が、多孔質層に埋め込まれた形状となる。そのため、金属細線パターンは多孔質層とともに基板に強い密着性を発現する。
特に、金属細線パターンの厚さを0.3〜3.0μmと薄膜とし、金属細線パターンの厚さに対して5%以上の厚さを有する多孔質層を形成すれば、基板と金属細線パターンの間に十分な密着性が得られ、金属細線パターンの剥離や多孔質層のクラックの発生を抑制しうることを見出した。
また、透明電極では、有機ELデバイス等の有機電子デバイスに必要な電流の面均一化のため、金属細線パターンと金属細線パターンのない多孔質層上に、導電性ポリマーと樹脂バインダーを含有する透明導電性保護層を形成する必要がある。また、透明導電性保護層は金属細線パターンと多孔質層の補強膜の役割を果たし、金属細線パターンの剥離や多孔質層のクラックの発生を確実に防止しうる。
有機電子デバイスに用いた際の電流リークをなくすため、かかる透明導電性保護層は、多孔質層の空隙を埋め、さらに、多孔質層表面の凸凹を埋め込む必要がある。このとき、多孔質層の層厚が厚いと、導電性ポリマーを含有する透明導電性保護層の厚層化が必要となり、当該導電性ポリマーが着色性を有するため、透明電極の透明性は低下する。そこで、多孔質層の厚さを金属細線パターンの厚さに対して40%以下とすることで、透明性を損なうことなく、有機電子デバイスに用いた際に電流リークのない透明電極を提供できることを見出した。
以上から、本発明によれば、
透明樹脂基板、多孔質層、金属細線パターンおよび透明導電性保護層を有し、前記透明樹脂基板上に前記多孔質層と前記金属細線パターンとが形成され、前記多孔質層および前記金属細線パターン上に前記透明導電性保護層が形成された透明電極において、
前記多孔質層の前記金属細線パターンに対する厚さが5〜40%の範囲内で、かつ、前記金属細線パターンの厚さが0.3〜3.0μmの範囲内であることを特徴とする透明電極が提供される。
本発明によれば、金属細線パターン自体の厚さと多孔質層の金属細線パターンに対する厚さとが一定範囲内にあるという特性を有するため、透明樹脂基板と金属細線パターンとの密着性が良好で、巻き取りやフラッシュ光を照射した際などの金属細線パターンの剥離や、透明電極を折り曲げた際などの多孔質層へのクラックの発生を抑制することができる。
透明電極の概略的な構成を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
[透明電極(1)]
図1に示すとおり、透明電極1は、主に、透明樹脂基板10、多孔質層20、金属細線パターン30および透明導電性保護層40から構成されている。
透明樹脂基板10上には多孔質層20が形成され、多孔質層20上には金属細線パターン30が形成されている。
多孔質層20の金属細線パターン30に対する厚さは5〜40%の範囲内にある。詳しくは、金属細線パターン30の厚さ32に対する多孔質層20の厚さ22の比率は5〜40%の範囲内にある。金属細線パターン30は、金属ナノ粒子分散液、金属錯体インクを公知の印刷法を用いて塗布されるため多孔質層20中に浸透している。ここでいう「金属細線パターン30の厚さ32」とは透明樹脂基板10の上面から金属細線パターン30自体の頂部までの高さをいう。
金属細線パターン30の厚さ32は0.3〜3.0μmの範囲内にある。
多孔質層20および金属細線パターン30上には透明導電性保護層40が形成されている。透明導電性保護層40は、一定の塗布液を、多孔質層20および金属細線パターン30上に塗布することより形成され、かかる構成により多孔質層20中に浸透している。
以下、各部材の構成や透明電極の製造方法、かかる透明電極を用いた有機電子デバイスなどについて詳細に説明する。
[透明樹脂基板(10)]
透明樹脂基板における「透明」とは、JIS K 7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率が70%以上であることをいう。
透明樹脂基板の材料としては、透明な樹脂材料であれば特に制限なく、公知のものを使用することができる。
特に、軽量性とフレキシブル性といった性能の観点やロール・トゥ・ロールプロセス適性の観点から透明な樹脂フィルム等を用いることが好ましい。
好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム、等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である。
中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム等の二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂フィルムであることがより好ましい。
また、透明樹脂基板は必要に応じてバリアコート層が予め形成されていてもよいし、ハードコート層が予め形成されていてもよい。
バリアコート層としては表面または裏面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性を持つ透明樹脂基板であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましい。
バリア層を形成する材料としては、水分や酸素等デバイスの劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。
さらに膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
[多孔質層(20)]
多孔質層は、金属細線パターンと透明導電性保護層を透明樹脂基板上に保持、密着させるために用いられる。
多孔質層は金属細線パターンの厚さに対して5%以上40%以下の厚さを有している。多孔質層の厚さが、金属細線パターンの厚さに対して5%以上であると、透明樹脂基板と金属細線パターンとで十分な密着性が得られる。一方、金属細線パターンの厚さに対して40%以下であると、有機電子デバイスに用いた際の電流リークをなくすため、多孔質層の空隙と表面の凸凹を埋め込むのに必要な透明導電性保護層の厚さの増大が抑制され、透明電極の透明性が低下するのを防止しうる。さらに透明樹脂基板のようなフレキシブルな基板においては、折り曲げの際に多孔質層にクラックが入ってしまうのを抑制しうる。
多孔質層は、空隙率が少なくとも90%以下であり、好ましくは30〜77%の範囲内であり、さらに好ましくは55〜75%の範囲内である。空隙率が前述の範囲内にある場合、フラッシュ光照射により金属ナノ粒子分散液中の保護剤やバインダーや溶媒等の有機物が瞬時に気化した際に発せられるガスを金属細線パターンの周囲に拡散させることができ、また、金属細線パターンとの接着面積も大きく確保できるため、金属細線パターンの剥離防止に有効に機能させることができる。
多孔質層の空隙率はブリストー法、電気(静電)容量法、膨潤圧測定法、光の反射率変化からの測定法、電気電導度法など公知の方法で求めることができる。ここでの「多孔質層の空隙率」は、レンズ反射率測定機(型番:USPM-RU、オリンパス株式会社製)を使用し、波長550nmの光に対して測定した値である。
多孔質層の透明性は、用途によって任意に選択することができるが、透明性が高いほど透明電極等への適用も可能になり、用途拡大の観点で好ましい。
多孔質層の全光線透過率は、70%以上、好ましくは80%以上であることが望ましい。
多孔質層の組成としては、主に無機化合物と有機化合物からなることが好ましい。
ここでいう無機化合物とは、一般に理解されているように有機化合物以外の化合物であり、具体的には単純な一部の炭素化合物と、炭素以外の元素で構成される化合物である。多孔質層を構成する無機化合物の代表的な例として、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタン、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、錫、バリウム、タンタルなどの金属を少なくとも1種含む各種金属酸化物や、炭化物、窒化物、ホウ化物などを挙げることができるが、本実施形態にかかる多孔質層は、少なくとも1種の透明な金属酸化物を含み構成されることが好ましい。
また、多孔質層の無機化合物は金属酸化物粒子とアルコキシド化合物の加水分解−縮合物やメソポーラスシリカであることが好ましい。
多孔質層が金属酸化物粒子とアルコキシド化合物の加水分解−縮合物の多孔質層の形成方法としては、特開2007−169604号公報に記載の組成(珪素系酸化物凝集体粒子)などを好ましく用いることができる。
当該珪素系酸化物凝集体粒子は、一次粒子径が2〜200nmであって、2個以上の粒子が結合した凝集体粒子25質量%以上を含む金属酸化物粒子である。
当該珪素系酸化物凝集体粒子としては、シリカ粒子単独でもよく、また、チタニア、ジルコニアおよびアルミナを含有したものでもよい。この様な粒子状物を用いることによって、多孔質層に孔を形成することができ、その結果、吸収性が付与される。
当該珪素系酸化物凝集体粒子は、一次粒子が2個以上結合してなる凝集体粒子を、全粒子中に25質量%以上を含むことが必要である。このような凝集体粒子を多孔質層中に含ませることにより、塗層加工性が向上し、層形成後のクラックを防止でき、さらに吸収性が向上する。該凝集体粒子の含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。
一次粒子の粒径は、孔形成性の点およびより高い透明性を保持する観点から、2〜200nm、好ましくは5〜50nm、より好ましくは10〜30nmである。また、連結した一次粒子数は少ないほど好ましいが、通常3〜100個、好ましくは5〜50個、より好ましくは7〜30個である。
前記凝集体粒子の形態としては、一次粒子が数珠状に連結した長鎖構造を有するもの、連結した凝集体粒子が分枝したものおよび/または屈曲したものなどを挙げることができる。
このような凝集体粒子は、従来公知の方法で作製することができる。例えば球状金属酸化物の一次粒子を、2価以上の金属イオン、例えばCa2+、Zn2+、Mg2+、Ba2+、Al3+、Ti4+などを介在させて連結することにより、得ることができる。数珠状のシリカゾルについては、例えばWO00/15552号公報に、その製造方法が記載されている。
当該粒子における、2個以上の粒子が結合してなる凝集体粒子の含有量の調整方法に特に制限はないが、例えば実質的に100%凝集している粒子と、実質的に凝集していない粒子を混合する方法が、簡便で好ましい。
一方、メソポーラスシリカは、特開2010−132485号公報にあるように、基板上に直接形成してもよいし、特開2010−13804、特開2010−173894号公報にあるような方法で粒子を作製後、有機化合物を含有して塗布、乾燥し、多孔質膜の形成を行ってもよい。
多孔質層の組成は、多孔質層を構成するすべての材料のうち、無機化合物の割合が70質量%以上、好ましく80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であるのがよい。無機化合物の割合が70質量%より以上であると、金属細線パターンと多孔質層とで十分な密着性を得ることができる。
多孔質層を構成する有機化合物の比率としては、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以上であるのがよい。有機化合物の比率が5質量%以上であると、多孔質層と透明樹脂基板とで十分な密着性を得られる。また、有機化合物の割合が30質量%以下であると、無機化合物の多孔質層の穴に有機化合物が充填され、金属細線パターンと多孔質層との十分な密着性を得ることができない、といった現象を回避することができる。
[金属細線パターン(30)]
金属細線パターンは、厚さが0.3μm以上3.0μm以下である。
金属細線パターンの厚さが0.3μm以上であると、所望の抵抗が得られ、3.0μm以下であると、透明導電性保護層で金属細線パターンを完全に被覆することができ、かかる透明電極を有機電子デバイスに用いた際に電流リークが生じるのを防止することができる。また、選択する金属ナノ粒子分散液によっては、透明樹脂基板を曲げた際に、金属細線パターンにクラックが生じ、金属細線パターンの抵抗の増加が起こり、有機電子デバイスに用いた際には電流リークが起こりうるが、金属細線パターンの厚さを上記範囲内に収めれば、かかる現象を抑制することができる。
金属細線パターンの厚さは、多孔質層の表面(上面)からの高さではなく、上記のとおり透明樹脂基板の表面(上面)からの高さを指す。
金属細線パターンは、金属ナノ粒子分散液または金属錯体インク(金属錯体溶液)を公知の印刷法を用いて、多孔質層が形成された透明樹脂基板上に開口部を有するようにパターン状に形成することで得られる。
開口部とは、透明樹脂基板のうち、金属細線パターンを有さない部分であり金属細線パターンの透光性部分である。
パターンの形状には特に制限はない。
パターンの形状は、例えば、ストライプ状(平行線状)、格子状、ハニカム状、ランダムな網目状であってもよく、透明性の観点から、特にストライプ状であることが好ましい。
透明電極において、面電極全体の面に対して、開口部が占める割合、即ち開口率は透明性の観点から80%以上であることが好ましい。
例えば、導電部がストライプ状であるとき、線幅100μm、線間隔1mmのストライプ状パターンの開口率は、およそ90%である。
金属細線パターンの線幅は、好ましくは10〜200μmであり、さらに好ましくは10〜100μmの範囲である。金属細線パターンの線幅が10μm以上であると所望の導電性が得られ、線幅が200μm以下であると透明性が向上する。
ストライプ状、格子状のパターンにおいて、細線の間隔は好ましくは0.5〜4mmである。
金属細線パターンの細線部の表面比抵抗は、10Ω/□以下であることが好ましく、5Ω/□以下であることがより好ましく、さらに大面積化の観点から、2Ω/□以下であることがより好ましい。
表面比抵抗は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、等に準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
ストライプ状、格子状、ハニカム状の金属細線パターンの形成方法としては、特に制限はなく、従来公知な印刷法であるグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。特にバインダーの少ない金属ナノ粒子分散液や金属錯体インクは、バインダー成分が少ないため低粘度なインクが多く、インクジェット印刷法を好適に用いることができる。
各印刷方式は、一般的に電極パターン形成に使われる手法が本実施形態に関しても適用可能である。
金属ナノ粒子は平均粒径5〜100nmであるものが好ましく用いられる。
金属細線パターンに用いられる金属としては、導電性に優れていれば特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等の金属の他に合金などを挙げることができる。導電性の観点から銀または銅が好ましく、銀または銅単独でもよいし、それぞれの組み合わせでもよく、銀と銅の合金、銀または銅が一方の金属でめっきされていてもよい。
上記の中でも特に、透明樹脂基板として、樹脂基板や樹脂フィルムを用いる場合は、平均粒径3nm〜100nmの低温で焼成可能な銀ナノ粒子(当該銀ナノ粒子の分散液)を用いることが好ましい。
金属ナノ粒子分散液は、水、アルコールなどの溶媒中に金属ナノ粒子を含有するが、必要に応じバインダー、金属を分散させるための分散剤などを含んでもよい。ただ、低温での焼成を可能にするために、バインダーや分散剤を最小限にすることが好ましい。例えば、銀ナノ粒子を用いた低温焼成が可能な市販のインクとしては、NPS-JL(ハリマ化成株式会社)やCCI300(キャボット)などが挙げられる。
金属錯体インクは、一般的な理解と同様に金属イオンに配位子が配位した化合物をいう。
金属細線パターンを形成するための金属錯体としては、公知の材料を用いることができ、例えば、特表2008−531810号公報や、特開2011−126861号公報に記載されている有機銀錯体などを好ましく用いることができる。
[透明導電性保護層(40)]
透明導電性保護層は、少なくとも導電性ポリマーと水溶性バインダーまたは水分散系バインダーとを含有する透明でかつ導電性を有する層である。
透明導電性保護層は、水溶性バインダーや水分散系バインダーを含むことで、導電性ポリマーの導電性が増強され高い導電性と、導電性ポリマー単独では得られない高い透明性が得られる。
透明導電性保護層は金属細線パターンと多孔質層の補強膜の役割を果たし、金属細線パターンの剥離や多孔質のクラックを防止する。
透明導電性保護層は、導電性ポリマーと水溶性バインダーまたは水分散系バインダーとを含有する塗布液を、金属細線パターンと多孔質層上に塗布して乾燥され形成される。このような積層構造を有する導電層を形成することで、金属細線パターン、あるいは導電性ポリマー層単独では得ることのできない高い導電性を、電極面内において均一に得ることができる。
透明導電性保護層の導電性ポリマーとバインダー成分との比率は、導電性ポリマーを100質量部としたとき、バインダー成分が30質量部から900質量部であることが好ましく、電流リーク防止、バインダー成分の導電性増強効果、透明性の観点から、バインダー成分が100質量部以上であることがより好ましい。
透明導電性保護層の乾燥層厚は好ましくは100〜700nmである。
当該乾燥層厚は、導電性の点からは100nm以上であることがより好ましく、本実施形態にかかる透明電極を有機電子デバイスに用いる場合には、金属細線パターンの凹凸差を平滑化し、機能層の層厚分布への影響を軽減する観点から150nm以上であることがさらに好ましい。また、当該乾燥層厚は、透明性の点から、500nm以下であることがより好ましく、400nm以下であることがさらに好ましい。
(1)導電性ポリマー
導電性ポリマーとしては、π共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを含んで成る導電性ポリマーを好ましく用いることができる。
こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリ陰イオンの存在下で化学酸化重合することによって容易に製造できる。
(1.1)π共役系導電性高分子
π共役系導電性高分子として、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。
中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェンであることが最も好ましい。
(1.2)π共役系導電性高分子の前駆体モノマー
前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。
前駆体モノマーとしては、例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオフェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
(1.3)ポリ陰イオン
ポリ陰イオンは、アニオン基を複数有するオリゴマーもしくはポリマーである。
ポリ陰イオンとしては、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体が好ましく、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものが好ましく用いられる。
ポリ陰イオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。
ポリ陰イオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリ陰イオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリ陰イオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にフッ素を有するポリ陰イオンを含有することが、有機電子デバイスに本実施形態にかかる透明電極を用いた際、整流比の向上につながるため好ましい。
具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)などをあげることができる。
これらのうち、スルホン酸を有する化合物であると、熱処理を行うことによって、透明導電性保護層の洗浄耐性や溶媒耐性が著しく向上することから、より好ましい。
さらに、これらの中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリ陰イオンは、後述の水溶性バインダーとの相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くできる。
ポリ陰イオンの重合度は、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10000個の範囲がより好ましい。
ポリ陰イオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有さないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有さないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。
具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤及び酸化触媒、溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリ陰イオン塩である場合には、ポリ陰イオン酸に変質させることが好ましい。アニオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
導電性ポリマーに含まれるπ共役系導電性高分子とポリ陰イオンの比率(固形分比率)、「π共役系導電性高分子」:「ポリ陰イオン」は導電性、分散性の観点から質量比で好ましくは1:1〜1:10の範囲であり、より好ましくは1:2〜1:8の範囲である。
π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーをポリ陰イオンの存在下で化学酸化重合して、導電性ポリマーを得る際に使用される酸化剤は、例えばJ.Am.Soc.,85、454(1963)に記載されるピロールの酸化重合に適する、いずれかの酸化剤である。実際的な理由のために、安価でかつ取扱い易い酸化剤、例えば鉄(III)塩、例えばFeCl、Fe(ClO、有機酸及び有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩、または過酸化水素、重クロム酸カリウム、過硫酸アルカリ(例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム)またはアンモニウム、過ホウ酸アルカリ、過マンガン酸カリウム及び銅塩例えば四フッ化ホウ酸銅を用いることが好ましい。加えて、酸化剤として随時触媒量の金属イオン例えば鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン及びバナジウムイオンの存在下における空気及び酸素も使用することができる。過硫酸塩並びに有機酸及び有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の使用が腐食性でないために大きな応用上の利点を有する。
有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の例としては炭素数1〜20のアルカノールの硫酸半エステルの鉄(III)塩、例えばラウリル硫酸;炭素数1〜20のアルキルスルホン酸、例えばメタンまたはドデカンスルホン酸;脂肪族炭素数1〜20のカルボン酸、例えば2−エチルヘキシルカルボン酸;脂肪族パーフルオロカルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸及びパーフルオロオクタノン酸;脂肪族ジカルボン酸、例えばシュウ酸並びに殊に芳香族の、随時炭素数1〜20のアルキル置換されたスルホン酸、例えばベンゼセンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸のFe(III)塩が挙げられる。
(1.4)市販の材料
こうした導電性ポリマーは市販の材料も好ましく利用できる。
例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、Heraeus社からCLEVIOSシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PASS483095、560598として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。
また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。
本実施形態において、こうした剤も好ましく用いることが出来る。
(2)第2のドーパント
第2のドーパントとして水溶性有機化合物を含有してもよい。
本発明で用いることができる水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。酸素含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)やエチレングリコール等が挙げられる。
酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、ヒドロキシ基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物等が挙げられる。
カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(3)樹脂成分
透明導電性保護層は、少なくともπ共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを含んでなる導電性ポリマー以外に、成膜性や膜強度を確保するために、透明な樹脂成分や添加剤を含んでいてもよい。
透明な樹脂成分としては、導電性高分子と相溶又は混合分散可能であれば特に制限されず、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
これらの中でも水分散系バインダーまたは水溶性バインダーを使用するのが、高い透明性と導電性を保持したまま、高い表面平滑性が得られる点から好ましい。
(3.1)水分散系バインダー
水分散系バインダーとは、水系溶剤に均一分散可能なものであり、水系溶剤中に凝集せずにバインダーからなるコロイド粒子が分散している状況であることを意味する。
コロイド粒子の大きさは一般的に0.001〜1μm(1〜1000nm)程度である。上記のコロイド粒子については、光散乱光度計により測定することができる。
また、上記水系溶剤とは、純水(蒸留水、脱イオン水を含む)のみならず酸、アルカリ、塩などを含む水溶液、含水の有機溶媒、さらには親水性の有機溶媒など溶媒であることを意味し、純水(蒸留水、脱イオン水を含む)、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水とアルコールの混合溶媒等が挙げられる。
水分散系バインダーとしては透明であることが好ましい。
水分散系バインダーとしては、フィルムを形成する媒体であれば、特に限定はない。水分散系バインダーとしては、例えば:アクリル系樹脂エマルジョン、水性ウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
アクリル系樹脂エマルジョンは、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸−スチレンの重合体、或いはその他のモノマーとの共重合体からなる。また、酸部分がリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム塩とつい塩を形成したアニオン性、窒素原子を有するモノマーとの共重合体からなり、窒素原子が塩酸塩等を形成したカチオン性があるが、好ましくはアニオン性である。
水性ウレタン樹脂としては、水分散型ウレタン樹脂、アイオノマー型水性ウレタン樹脂(アニオン性)等がある。水分散型ウレタン樹脂には、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂があり、好ましくはポリエステル系ウレタン樹脂である。アイオノマー型水性ウレタン樹脂には、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂等があり、好ましくはポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂である。
水性ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分とポリオール成分とから合成される。
多塩基酸成分とは、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、ドデカン二酸などであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよく、特に好適に用いることのできる多塩基酸成分としては、工業的に多量に生産されており、安価であること等から、テレフタル酸とイソフタル酸が特に好ましい。
ポリオール成分として代表的なものを挙げれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールなどであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよく、特に好適に用いることのできるポリオール成分としては、工業的に量産されているので安価であり、しかも樹脂被膜の耐溶剤性や耐候性が向上等、諸性能にバランスがとれていることから、エチレングリコール、プロピレングリコールあるいはネオペンチルグリコールが特に好ましい。
上記水分散系バインダーは1種でも複数種でも使用することができる。
水系溶媒に分散可能なポリマーの使用量は、透明性と導電性の観点から好ましくは導電性高分子に対して50〜1000質量%であり、より好ましくは導電性高分子に対して100〜900質量%であり、更に好ましくは導電性高分子に対して200〜800質量%である。
(3.2)水溶性バインダー
水溶性バインダーとしては、下記一般式(1)で表される構造単位を含む水溶性バインダーであることが好ましい。
一般式(1);
Figure 2014034920
一般式(1)中、Rは水素原子、メチル基を表し、Qは−C(=O)O−、−C(=O)NRa−を表す。Raは水素原子、アルキル基を表し、Aは置換または無置換アルキレン基、−(CHCHRbO)xCHCHRb−を表す。Rbは水素原子またはアルキル基を示し、xは平均繰り返しユニット数を表し、0〜100の範囲内であるが、好ましくは0〜10の範囲内である。
こうした樹脂は導電性ポリマーと容易に混合可能で、また、前述の第2ドーパント的な効果も有するため、該水溶性バインダーを併用することにより、導電性、透明性を低下させることなく、導電性ポリマー含有層の膜厚を上げることが可能となる。
水溶性バインダーとは、水溶性のバインダーであり、水溶性バインダーが、25℃の水100gに0.001g以上溶解するバインダーを意味する。前記溶解は、ヘイズメーター、濁度計で測定することができる。
水溶性バインダーとしては透明であることが好ましい。
水溶性バインダーは、前記一般式(1)で表される構造単位を含む構造を有することが好ましい。前記一般式(1)で表されるホモポリマーであってもよいし、他の成分を共重合されていてもよい。他の成分を共重合する場合は、前記一般式(1)で表される構造単位を10モル%以上含有することが好ましく、30モル%以上含有することがより好ましく、50モル%以上含有することがさらに好ましい。
また、水溶性バインダーは、導電性ポリマー含有層中に40質量%以上、95質量%以下含まれていることが好ましく、50質量%以上、90質量%以下であることがさらに好ましい。
水溶性バインダーの数平均分子量は3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは4,000〜500,000、さらに好ましくは5000〜100000の範囲内である。
水溶性バインダーの数平均分子量、分子量分布の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行うことができる。使用する溶媒は、バインダーが溶解すれば特に限りはなく、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、CHClが好ましく、より好ましくはTHF、DMFであり、更に好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
また、熱処理を行う事で、塗布液中の溶媒を蒸発させ、透明導電性保護層の水溶性バインダー間または導電性ポリマーと水溶性バインダーとの間の縮合反応を促進、完了させることができる。これにより電極の洗浄耐性、溶媒耐性が著しく向上し、さらにデバイス性能が向上する。
特に、有機ELデバイスにおいては、駆動電圧の低減、寿命の向上といった効果が得られる。
上記乾燥の工程と、熱処理の工程は、同一工程であってもよく、別途行う工程であっても構わない。別途行う工程である場合には、乾燥と熱処理が連続した処理であってもよく、両処理間に時間的な休止があっても構わない。
[透明電極の製造方法]
透明電極の製造方法は、基本的に、
(1)透明樹脂基板上に多孔質層を形成する工程と、
(2)多孔質層上に金属細線パターンを形成する工程と、
(3)多孔質層および金属細線パターン上に透明導電性保護層を形成する工程と、
から構成されている。
以下、各工程の処理内容について説明する。
(1)多孔質層の形成工程
多孔質層を形成する工程では、多孔質層を構成する組成物を、透明樹脂基板上に下記塗工法を用いて成膜した後、温風乾燥や赤外線乾燥などの公知の加熱乾燥法や自然乾燥などにより乾燥させ形成することができる。多孔質層を形成する工程では、上記乾燥処理の後にまたは上記乾燥処理に代えて、加熱焼成や紫外線照射、プラズマ放電などの硬化処理を実行してもよい。
かかる場合、当該組成物の種類を適宜選択したり、成膜や乾燥条件、硬化条件を調整したりして、多孔質層の金属細線パターンに対する厚さが5〜40%の範囲内となるように処理を実行(設定)する。
多孔質層の形成方法は、任意の適切な方法を選択することができ、例えば、塗工方法として、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷等の各種印刷方法に加えて、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の各種塗布法を用いることができる。
多孔質層をパターン状に形成することが好ましい場合には、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法を用いることが好ましい。
多孔質層の形成工程において加熱する場合の温度は、使用する透明樹脂基板の種類に応じて適宜選択することができるが、一般に150℃以下の温度で実施することが好ましい。
(2)金属細線パターンの形成工程
金属細線パターンを形成する工程では、下記の印刷や焼成の各処理を実行する。
かかる場合、金属ナノ粒子や金属錯体などの種類を適宜選択したり、印刷や焼成条件を調整したりして、焼成後の金属細線パターンの厚さが0.3〜3.0μmの範囲内となるように処理を実行(設定)する。
(2.1)金属細線パターンの印刷
はじめに、金属ナノ粒子分散液または金属錯体インクを、多孔質層が形成された透明樹脂基板上に所定のパターン状に印刷する。
金属細線パターンの印刷方法としては、特に制限はなく、従来公知な印刷法であるグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等を用いることができる。
特にバインダーの少ない金属ナノ粒子分散液や金属錯体インクでは、バインダー成分が少ないため低粘度である場合が多く、インクジェット印刷法を好適に用いることができる。
(2.2)金属細線パターンの焼成
金属ナノ粒子分散液や金属錯体インクを、前述の印刷法にて透明樹脂基板上にパターン形成した後、焼成する。
かかる焼成処理により、金属粒子同士の融着が進み、金属細線パターンを高導電化させることができる。
金属細線パターンの焼成は、一般的に用いられている、ホットプレート等による接触伝熱熱源を使用する方法、温風を用いる方法、赤外線ヒーター等の高温熱源からの放射熱を使用する方法の他に、高エネルギーの光照射による金属細線パターンの光熱変換を利用する方法がある。
接触伝熱熱源を使用する場合は、100℃以上300℃以下の温度範囲で、透明樹脂基板にダメージのない温度で加熱することが好ましい。透明樹脂基板に樹脂フィルムを用いる場合は、100℃以上150℃以下の温度範囲で加熱することがより好ましい。
加熱時間は温度や使用する金属粒子の大きさにもよるが、10秒以上30分以下であることが好ましく、生産性の観点から、10秒以上15分以下であることが好ましく、10秒以上5分以下であることがより好ましい。
本実施形態で用いる好ましい透明樹脂基板としては、前述の通り、透明樹脂フィルムが挙げられるが、比較的安価に入手可能な一般的透明樹脂フィルム、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いる場合は、これら透明樹脂基板を高温にすること無く焼成が可能な、高エネルギーの光照射による光熱変換を利用した焼成が好ましい。
(*)フラッシュ光照射
光熱変換を利用した焼成の例の1つとして、可視光域の波長を主体とするフラッシュ光照射が挙げられる。
フラッシュ光照射で用いられるフラッシュランプの放電管としては、キセノン、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の放電管を用いることが出来るが、キセノンランプを用いることが好ましい。
フラッシュランプの好ましいスペクトル帯域としては、240nm〜2000nmがフラッシュ光照射により透明樹脂基板に対して熱変形等のダメージを与えないため好ましい。
フラッシュランプの光照射条件は任意であるが、光照射エネルギーの総計が0.1〜50J/cmであるのが好ましく、0.5〜10J/cmであるのがより好ましい。光照射時間は10μ秒〜100m秒が好ましく、100μ秒〜10m秒で行うのがより好ましい。光照射回数は1回でも複数回でも良く、1〜50回の範囲で行うのが好ましい。これらの好ましい条件範囲でフラッシュ光照射を行うことにより、透明樹脂基板にダメージを与えることなく金属細線パターンを加熱焼成し、高い導電性を得ることができる。
透明樹脂基板に対するフラッシュランプの照射は、金属細線パターンの印刷してある表側から照射することが好ましいが、透明樹脂基板が透明体であるため、裏側から照射してもよいし、両側から照射してもよい。
フラッシュ光照射は大気中で行ってもよいが、必要に応じ、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。
フラッシュ光照射時の透明樹脂基板の温度は、透明樹脂基板の耐熱温度や、金属ナノ粒子や金属錯体を含有するインクの分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、インクの分散性や酸化性等の熱的挙動などを考慮して決定すればよく、室温以上200℃以下で行うことが好ましい。
なお、フラッシュ光照射を行う前に、金属細線パターンを形成した後の基板を、あらかじめ加熱処理しておいても良い。
フラッシュランプの光照射装置は上記の照射エネルギー、照射時間を満足するものであればよい。
(3)透明導電性保護層の形成工程
透明導電性保護層を形成する工程では、導電性ポリマーと水溶性バインダーまたは水分散系バインダーとを含有する塗布液を、金属細線パターンおよび多孔質層上に塗布して乾燥させる。
導電性ポリマー含有層の形成方法は、任意の適切な方法を選択することができ、例えば、塗工方法として、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷等の各種印刷方法に加えて、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の各種塗布法を用いることができる。
パターン状に形成する場合には、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法を用いることが好ましい。
透明導電性保護層の塗布液を塗布した後、適宜乾燥処理を施すことができる。
乾燥処理の条件として特に制限はないが、透明樹脂基板や金属細線パターンが損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。
具体的には、ヒータやIRヒータを用いた加熱、減圧乾燥、誘導加熱、マイクロ波加熱、レーザ加熱、プラズマ加熱等が挙げられるが、温度や湿度制御の簡便さの観点から、ヒータを用いた加熱が好ましい。
加熱乾燥する場合の温度は、使用する透明樹脂基板の種類に応じて適宜選択することができるが、150℃以下の温度で実施することが好ましい。
赤外線乾燥を用いる場合には、導電性ポリマー含有層を選択的に加熱するために、透明樹脂基板の吸収が少ない赤外線波長域を選択することが好ましい。例えば、透明樹脂基板がPETやPENフィルムの場合には、〜1500nmの近赤外線を用いることが好ましい。あるいは、迅速に加熱乾燥するために、水の吸収極大が存在する3μm近傍の赤外線波長域を選択することも好ましい。
[有機電子デバイス]
有機電子デバイスは上記透明電極と有機機能層とを有する。
例えば、上記透明電極を第1電極部として、この第1電極部の上に有機機能層を形成し、さらにこの有機機能層の上に対向配置された第2電極部を形成することによって、有機電子デバイスを得ることができる。
有機機能層としては、有機発光層、有機光電変換層、液晶ポリマー層など特に限定無く挙げることができるが、本実施形態では、有機機能層が薄膜でかつ電流駆動系のものである有機発光層、有機光電変換層である場合において、特に有効である。
以下、有機電子デバイスが、有機ELデバイスおよび有機光電変換デバイスである場合のその構成要素について説明する。
(1)有機ELデバイス
(1.1)有機機能層構成(有機発光層)
有機機能層としての有機発光層を有する有機ELデバイスは、有機発光層に加えて、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層、ホールブロック層、電子ブロック層などの発光を制御する層を有機発光層と併用しても良い。
透明電極上の導電性ポリマー層は、ホール注入層として働くことも可能であるので、ホール注入層を兼ねることも可能だが、独立にホール注入層を設けても良い。
構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)(第1電極部)/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(ii)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(iii)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/(第2電極部)
(iv)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第2電極部)
(v)(第1電極部)/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第2電極部)
ここで、発光層は、発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある単色発光層であってもよく、また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよく、さらに発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。
本実施形態にかかる有機ELデバイスでは、かかる発光層は白色発光層であることが好ましい。
有機発光層に使用できる発光材料またはドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、および各種蛍光色素および希土類金属錯体、燐光発光材料等があるが、これらに限定されるものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を90〜99.5質量部、ドーピング材料を0.5〜10質量部含むようにすることも好ましい。
有機発光層は上記の材料等を用いて公知の方法によって作製されるものであり、蒸着、塗布、転写などの方法が挙げられる。
(1.2)電極
透明電極は、上記の第1電極部または第2電極部で使用されるが、第1電極部が本実施形態にかかる透明電極でかつ陽極であることが好ましい態様である。
第2電極部は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。第2電極部の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性および酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
第2電極部の導電材として金属材料を用いれば第2電極側に来た光は反射されて第1電極部側にもどる。第2電極部の導電材として金属材料を用いることで、この光が再利用可能となりより取り出しの効率が向上する。
(2)有機光電変換デバイス
有機光電変換デバイスは、第1電極部、バルクヘテロジャンクション構造(p型半導体層およびn型半導体層)を有する光電変換層(以下、バルクヘテロジャンクション層とも呼ぶ)、第2電極部が積層された構造を有することが好ましい。
本実施形態にかかる透明電極は、少なくとも入射光側に用いられる。
光電変換層と第2電極部との間に電子輸送層などの中間層を有しても良い。
(2.1)光電変換層
光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を構成していることが好ましい。
p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。
ここで、電子供与体および電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体および電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
p型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、およびこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェンおよびそのオリゴマー、ポリピロールおよびそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレンおよびそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレンおよびそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレンおよびそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレンおよびこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェンおよびそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、さらには特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p4112、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、WO2008/000664、Adv.Mater.,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol.40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。
さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、さらにポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
これらのπ共役系材料のうちでも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。また、ペンタセン類がより好ましい。
ペンタセン類の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986等に記載の置換アセン類およびその誘導体等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
そのような化合物としては、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物、および米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、特開2007−224019号公報等に記載のポルフィリンプレカーサー等のような、プレカーサータイプの化合物(前駆体)が挙げられる。
これらの中でも、後者のプリカーサータイプの方が好ましく用いることができる。これは、プリカーサータイプの方が、変換後に不溶化するため、バルクヘテロジャンクション層の上に正孔輸送層・電子輸送層・正孔ブロック層・電子ブロック層等を溶液プロセスで形成する際に、バルクヘテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクヘテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上・寿命向上を達成することができるためである。
p型半導体材料としては、p型半導体材料前駆体に熱・光・放射線・化学反応を引き起こす化合物の蒸気に晒す、等の方法によって化学構造変化を起こし、p型半導体材料に変換された化合物であることが好ましい。中でも熱によって科学構造変化を起こす化合物が好ましい。
n型半導体材料の例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む、高分子化合物が挙げられる。
中でも、フラーレン含有高分子化合物が好ましい。フラーレン含有高分子化合物としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等を骨格に持つ高分子化合物が挙げられる。フラーレン含有高分子化合物では、フラーレンC60を骨格に持つ高分子化合物(誘導体)が好ましい。
フラーレン含有ポリマーとしては、大別してフラーレンが高分子主鎖からペンダントされたポリマーと、フラーレンが高分子主鎖に含有されるポリマーとに大別されるが、フラーレンがポリマーの主鎖に含有されている化合物が好ましい。
これは、フラーレンが主鎖に含有されているポリマーは、ポリマーが分岐構造を有さないため、固体化した際に高密度なパッキングができ、結果として高い移動度を得ることができるためではないかと推定される。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。
本実施形態にかかる光電変換デバイスを、太陽電池などの光電変換デバイスとして用いる形態としては、光電変換デバイスを単層で利用してもよいし、積層(タンデム型)して利用してもよい。また、光電変換デバイスは、環境中の酸素、水分等で劣化しないように、公知の手法によって封止することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
≪金属細線パターン1の作製≫
(1)金属細線パターンの印刷
両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm(縦)×180mm(横)のポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの一方の面に、銀ナノ粒子分散液(NPS−JL;ハリマ化成株式会社製)を、インクジェット印刷方式を用いて、ストライプ状に(50μm幅、1mmピッチ、焼成後の細線の厚さが1.0μmになるように)、複数回にわたって銀ナノ粒子分散液を積層しながら印刷した。
なお、ここでは、所望の線幅を得られるように、適宜、基板を加熱しながら金属細線のパターニングを行った。
インクジェット印刷方式としては、インク液滴の射出量が4plのインクジェットヘッドを使用し、塗布速度と射出周波数を調整して、パターンを印字した。
インクジェット印刷装置としては、インクジェットヘッド(コニカミノルタIJ社製)を取り付けた卓上型ロボット Shotmaster−300(武蔵エンジニアリング社製)を用い、インクジェット評価装置EB150(コニカミノルタIJ社製)にて制御した。
(2)金属細線パターンの焼成
上記金属細線パターン印刷後に、ホットプレート上で120℃、30分熱処理を施して、金属細線1を作製した。
≪金属細線パターン2〜5の作製≫
(1)多孔質層の形成
両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm(縦)×180mm(横)のPENフィルムの一方の面に、前記特開2007−169604号公報に記載の実施例2,10(段落0065、0078)等を参考にして、乾燥後の平均の厚さが表1に示した厚さになるように、90質量%の無機化合物からなる多孔質層を形成した。
詳しくは、珪素系酸化物凝集体粒子を含む「分散液」を調製した。分散液の調製方法は下記のとおりである。
これとは別に、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン306.84gとチタンテトライソプロポキシド266.87gをエチルセロソルブ257.26gに溶解させ、これに濃硝酸100.68g、水31.61gおよびエチルセロソルブ36.75gの混合液を滴下したのち、30℃にて4時間反応させることにより、固形分濃度30質量%の「バインダー液」を調製した。
その後、上記分散液360g中に、攪拌しながらシクロヘキサノン620g、次いで上記バインダー液20gを滴下し、室温にて1時間攪拌することにより、固形分濃度6質量%の「塗布液」を調製した。
その後、両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm×180mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、バーコート法により、乾燥後の平均膜厚が0.8μmになるように、上記塗布液を塗布し、120℃で1分間加熱後、60℃で3日間エージングを行い、90質量%の無機化合物からなる多孔質状の多孔質層を形成した。
(分散液の調製)
市販のJIS3号水ガラス(SiO/NaOモル比3.22、SiO濃度28.5重量%)に純水を加えて、SiO濃度3.6重量%の珪酸ナトリウム水溶液を得た。別途用意された商品名アンバーライト120Bの陽イオン交換樹脂充填のカラムに、上記珪酸ナトリウム水溶液を通すことにより、SiO濃度3.60重量%、pH2.90、電導度580μS/cmの活性珪酸のコロイド水溶液を得た。
上記活性珪酸のコロイド水溶液888g(SiO含量32.0g)をガラス製容器に投入し攪拌下に純水600gを加えて、SiO濃度2.15重量%、pH3.07の活性珪酸のコロイド水溶液とした。次いで、これに10重量%の硝酸カルシウム水溶液(pH4.32)59g(CaO含量2.02g)を攪拌下に室温で添加し、30分間攪拌を続行した。添加した硝酸カルシウムはCaOとしてSiOに対して6.30重量%であった。
一方、平均粒子径(窒素吸着法/D2)20.5nmの酸性球状シリカゾルスノーテックスO−40(日産化学工業(株)製)(比重1.289、粘度4.10mPa・s、pH2.67、電導度942μS/cm、SiO濃度40.1重量%)2000g(SiO含量802g)を別のガラス容器に投入し、これに5重量%の水酸化ナトリウム水溶液6.0gを攪拌下に添加し、30分攪拌を続行して、pH4.73、SiO濃度40.0重量%の酸性シリカゾルを得た。
このシリカゾルの動的光散乱法による測定粒子径(D1)は、35.0nmでありD1/D2値は、1.71であった。また、電子顕微鏡観察によると、このシリカゾル中のコロイダルシリカ粒子は球状であり、単分散に近い分散を示し、コロイド粒子間の結合、凝集は認められなかった。
前記硝酸カルシウムを添加した活性珪酸のコロイド水溶液[混合液(a)]に、上記20.5nmの酸性球状シリカゾルを攪拌下に添加し、30分間攪拌を続行した。得られた混合液(b)は、酸性球状シリカゾルに由来するシリカ含量(A)と活性珪酸のコロイド水溶液[混合液(a)]に由来するシリカ含量(B)の比A/B(重量比)が25.1であり、pH3.60、電導度2580μS/cmであり、混合液(b)中の全シリカ含量(A+B)はSiO濃度として23.5重量%であった。液中のカルシウムイオンはCaOとしてSiOに対して0.242重量%であった。
次いで得られた混合液(b)に1.97重量%の水酸化ナトリウム水溶液330gを攪拌下に10分間かけて添加し、更に1時間攪拌を続行した。この水酸化ナトリウム水溶液の添加により得られた混合液(c)はpH9.22、電導度3266μS/cmを示し、SiO濃度21.5重量%、SiO/NaOモル比163.5であった。この混合液(c)中には少量のシリカゲルが観察された。
次いで、上記アルカリ性の混合液(c)1800gをステンレス製のオートクレーブに仕込み、145℃で攪拌下3時間加熱した後、冷却して内容物1800gを取り出した。得られた液は透明性コロイド色のシリカゾル[数珠状シリカゾルA]であり、これを、珪素系酸化物凝集体粒子を含む分散液として使用した。
数珠状シリカゾルAは、SiO濃度21.5重量%含有し、SiO/NaOモル比200、pH9.62、比重1.141、粘度91.7mPa・s、電導度3290μS/cm、透過率59.0%であり、動的光散乱法による測定粒子径(D1)は177nmであった。
従って、D1/D2比は8.63である。電子顕微鏡観察によると得られたシリカゾル中のコロイダルシリカ粒子は球状コロイダルシリカ粒子とそれを接合するシリカからなり、球状コロイダルシリカ粒子が、一平面内に数珠状に5個〜30個つながった数珠状コロイダルシリカ粒子であり、3次元のゲル構造粒子は認められなかった。このゾルの乾燥物の水銀ポロシメーターにより測定した累積細孔容積は1.23cc/g、平均細孔直径は49nmであった。
(2)金属細線パターンの印刷
次いで、多孔質層付きPENフィルムの多孔質層形成面側に、焼成後の金属細線の厚さが表1に示した厚さになるように金属細線パターン1と同様にして金属細線パターンの印刷を行った。
(3)金属細線パターンの焼成
印刷後の金属細線パターンに対し、ホットプレート上で120℃、30分熱処理を施して、金属細線パターン2〜5を作製した。
≪金属細線パターン6〜18の作製≫
(1)多孔質層の形成
両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm(縦)×180mm(横)のポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの一方の面に、特開2010−132485号公報に記載の実施例1、6(段落0050、0055)等を参考にして、乾燥後の平均の厚さが表1に示した厚さになるように、メソポーラスシリカからなる多孔質層を形成した。
詳しくは、pH2の塩酸(0.01N)40gに、塩化n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(関東化学株式会社製)1.21g(0.088mol/L)、及びブロックコポリマーHO(C2H4O)106-(C3H6O)70-(C2H4O)106H(商品名「Pluronic F127」、Sigma-Aldrich社)2.41g(0.0043mol/L)を添加し、25℃で1時間撹拌し、テトラエトキシシラン(関東化学株式会社製)4.00g(0.45mol/L)を添加し、25℃で1時間撹拌した後、28質量%アンモニア水3.94g(1.51mol/L)を添加してpHを10.6とし、25℃で0.5時間撹拌した。
その後、得られた界面活性剤−メソポーラスシリカナノ粒子複合体の溶液を、両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm(縦)×180mm(横)のポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの一方の面に、乾燥後の平均の厚さが表1に示した厚さになるように、スピンコート法により塗布し、80℃で0.5時間乾燥した後、空気雰囲気下150℃で48時間焼成し、メソポーラスシリカからなる多孔質層を形成した。
(2)金属細線パターンの印刷
次いで、多孔質層付きPENフィルムの多孔質層形成面側に、焼成後の金属細線の厚さが表1に示した厚さになるように金属細線パターン1と同様にして金属細線パターンの印刷を行った。
(3)金属細線パターンの焼成
印刷後の金属細線パターンに対し、ホットプレート上で120℃、30分熱処理を施して、金属細線パターン6〜18を作製した。
≪金属細線パターン19≫
基板として、前記特開2009−76455号公報に記載の実施例1(段落0147)で用いている、アルミナ微粒子を主成分とする多孔質層(インク受容層)を備えた基材(キャノン(株)製写真用紙・光沢プロフェッショナルPR-201)を用い、金属細線パターン1と同様の方法で金属細線パターンの印刷と焼成を行い、金属細線パターン19とした。
≪透明電極1〜19(サンプル)の作製≫
(1)水溶性バインダー1:ポリヒドロキシエチルアクリレート(PHEAと略記)の合成(例示化合物I−1)
500mlの三ツ口フラスコに、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記)を200ml加え、10分間加熱還流させた後、窒素下で室温に冷却した。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート(10.0g、86mmol、分子量:116.05)と、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略記、1.41g、8.5mmol、分子量:164.11)を加え、5時間加熱還流した。室温に冷却した後、5000mlのメチルエチルケトン(以下、MEKと略記)中に、上記反応溶液を滴下し、1時間攪拌した。MEKをデカンテーションした後、200mlのMEKで3回洗浄後、THFでポリマーを溶解し、100mlフラスコへ移した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。
その結果、数平均分子量35700、分子量分布2.3の水溶性バインダー1(ポリヒドロキシエチルアクリレート、PHEA)を9.0g(収率90%)得た。
なお、分子量はGPC(Waters2695、Waters社製)を用い、下記の測定条件で測定した。
〈GPC測定条件〉
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
(2)透明導電性保護層形成用塗布液の調製
下記の各透明導電性保護層形成材料を、順次混合した後、加熱溶解して、透明導電性保護層形成用塗布液1を調製した。
1)導電性ポリマー1(PEDOT−PSS CLEVIOS PH510、Heraeus社製、固形分濃度:1.89%、PEDOT:PSS(固形分比率)=1:2.5) 15.9g
2)水溶性バインダー1(PHEA) 3.5g
3)極性溶媒(ジメチスルホキシド、略称:DMSO、logP値:−0.68) 4.2g
4)グリコールエーテル(エチレングリコールモノブチルエーテル、略称:EGBu) 4.2g
(3)透明導電性保護層の形成
上記金属細線パターン1〜19を形成した基板上に、透明導電性保護層形成用塗布液1を、インクジェット印刷方式により塗布し、透明導電性保護層を形成した。
なお、インクジェット印刷方式としては、インク液滴の射出量が42plのインクジェットヘッドを使用し、塗布速度と射出周波数を調整して、乾燥後の付着量が表1に示した値になるようにしてパターン印字した。印字後は、ヒータを用いて、150℃で60分間加熱処理を行い、透明電極1〜19を得た。
インクジェット印刷装置としては、インクジェットヘッド(コニカミノルタIJ社製)を取り付けた卓上型ロボット Shotmaster−300(武蔵エンジニアリング社製)を用い、インクジェット評価装置EB150(コニカミノルタIJ社製)にて制御した。
≪透明電極1〜19(サンプル)の評価≫
上記のように作製した各透明電極について、多孔質層の空隙率、多孔質層の層厚、金属細線パターンの平均線幅、金属細線パターンの厚さを測定し、シート抵抗、屈曲処理後のシート抵抗、金属細線パターンの剥離の有無を以下のように評価した。得られた結果を表1および表2に示す。
(1)多孔質層の空隙率
基板上に多孔質層を形成後、金属細線パターンを形成する前に、レンズ反射率測定機(型番:USPM-RU、オリンパス株式会社製)を使用し、波長550nmの光を用いて多孔質層の空隙率を測定した。
その結果、透明電極2〜19はすべて空隙率が90%以下であり、所望の多孔質層が形成できたことを確認できた。
(2)多孔質層の層厚
基板上に多孔質層を形成した後、多孔質の一部を削り、その段差を高輝度非接触3次元表面形状粗さ計WYKO NT9100を用いて測定した。
測定は任意の10カ所を測定し、その平均値を求めた。
(3)金属細線パターンの平均線幅
CNC画像評価システムNEXIV VMR−1515(NIKON社製)を用いて、各透明電極の金属細線パターンの任意の100箇所の線幅を測定し平均値を求めた。
(4)金属細線パターンの厚さ
基板上に多孔質層を形成した後、金属細線パターンを形成し、焼成を行ったのち、高輝度非接触3次元表面形状粗さ計WYKO NT9100を用いて金属細線パターンの形状を測定した。
このデータをもとに線幅の中心の位置での多孔質層上面からの高さを測定した。
測定は任意の10カ所で行い、その平均値を求めた。この値に、(2)で用いた多孔質層の高さを足した値を金属細線パターンの厚さとした。
(5)シート抵抗
各透明電極について、金属細線部が正方形になるように金属細線の両端に銀電極を蒸着して、銀電極の両端の抵抗を測定し、透明電極の表面抵抗を測定した。
このとき、銀電極部は金属細線部の抵抗の1/10以下になるように厚さを調整した。シート抵抗は有機電子デバイスを大面積にするには5Ω/□以下であることが好ましく、1Ω/□以下であることがより好ましい。
「◎」:1Ω/□以下
「○」:1Ω/□より大きく、5Ω/□以下
「△」:5Ω/□より大きく、10Ω/□以下
「×」:10Ω/□より大きい
(6)巻きつけ処理後のシート抵抗
各透明電極について、直径3cmの円柱棒に10回巻き付けた後で、上記(5)と同様にシート抵抗を測定し、上記(5)の結果に対して、どれだけ抵抗が大きくなっているかを評価した。
「◎」:シート抵抗値の変動幅が20%以下
「○」:シート抵抗値の変動幅が10%より大きく50%以下
「△」:シート抵抗値の変動幅が50%より大きく100%以下
「×」:シート抵抗値の変動幅が100%より大きい
(7)巻きつけ処理後の金属細線パターンの剥離の有無
(6)と同様の方法で巻きつけ処理し、適当な大きさの試験片を切り出し、大きさ20mm(縦)×20mm(横)の面積における金属細線パターンの剥離箇所の数を、電子顕微鏡Miniscope TM−1000(日立社製)を用いてカウントし以下のように分類した。
「◎」:剥離箇所が無い場合
「○」:剥離箇所が1〜3箇所の場合
「△」:剥離箇所が3〜10箇所以上の場合
「×」:殆ど剥離している場合
(8)巻きつけ処理後の多孔質層のクラックの有無
(6)と同様の方法で巻きつけ処理し、適当な大きさの試験片を切り出し、大きさ20mm(縦)×20mm(横)の面積における多孔質層にクラックが生じているかを、光学顕微鏡を用いて以下のように評価した。
「○」:クラックが生じていない
「△」:クラックが1〜3箇所の場合
「×」:クラックが3箇所以上の場合
(9)透過率の測定
各透明電極について、東京電色社製 HAZE METER NDH5000を用いて、全光線透過率を測定し、以下の基準で評価した。
透明電極を有機電子デバイスに用いるためには、透過率は75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
「◎」:80%以上
「○」:75%〜80%未満
「△」:70%〜75%未満
「×」:0%〜70%未満
≪有機ELデバイス1〜19(サンプル)の作製≫
(1)バリア層付き透明フィルム基板の作製
パーヒドロポリシラザン(PHPS、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ NN320)の20質量%ジブチルエーテル溶液を、乾燥後の平均膜厚が0.3μmとなるように、両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ80mm(縦)×80mm(横)のポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムの一方の面に塗布した後、温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下に1分間保持して乾燥処理を行い、さらに温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持して除湿処理を行った。
除湿処理を行った試料に対し下記の条件で改質処理を行い、バリア層付き透明フィルム基板を作製した。改質処理時の露点温度は−8℃で実施した。
<改質処理装置>
株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置(MODEL:MECL−M−1−200、波長172nm、ランプ封入ガスXe)を用いた。稼動ステージ上に試料を固定してその試料に対し以下の条件で改質処理を行った。
<改質処理条件>
エキシマ光強度 60mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 1mm
ステージ加熱温度 70℃
照射装置内の酸素濃度 1%
エキシマ照射時間 3秒
作製したバリア層付き透明フィルム基板の水蒸気透過率をCa法で評価したところ、2×10−5(g・m・day)であった。
実施例1の金属細線パターンの形成において、使用するインクを銀錯体インク(TEC−IJ−010;InkTec社製)に変更した。
それ以外は実施例1と同様に試料を作製し評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
(2)有機EL層などの形成
上記で作製した5cm角のバリア層付き透明フィルム基板を、2−プロパノールに浸漬させ、さらにその後超純水に浸漬させ、120℃で30分乾燥させた。
これら洗浄済みのフィルム基板に対し、ITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法により150nm成膜し、ITO基板を作製し、フォトリソ法により、取り出し電極にITOをもつフィルム基板(アノード電極部分(中央部30mm×30mm)にITOがない)を作製し、さらに120℃で1日乾燥させた。
その後、取り出し電極にITOをもつ当該フィルム基板上に透明電極1〜19をアノード電極として形成し、当該アノード電極上に、有機EL層(正孔輸送層、有機発光層、正孔阻止層および電子輸送層)とカソード電極とを以下の手順で形成し、「有機ELデバイス1〜19」を作製した。
なお、取り出し電極ITOと金属細線パターンの一部は接点を持つように形成した。また、多孔質層を形成する際には、多孔質層を塗布形成した後、硬化する前に不要部分をふきとり、パターニングした。
有機EL層の正孔輸送層以降の層は蒸着により形成した。
市販の真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々デバイス作製に必要量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
(2.1)有機EL層の形成
まず、透明電極1〜19対し、正孔輸送層、有機発光層、正孔阻止層、電子輸送層からなる有機EL層を、透明電極1〜19の中央部の30mm×33mmの範囲に順次形成した。
(2.1.1)正孔輸送層の形成
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物1の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を設けた。
(2.1.2)有機発光層の形成
次に、以下の手順で各発光層を設けた。
形成した正孔輸送層上に、化合物2が13.0質量%、化合物3が3.7質量%、化合物5が83.3質量%になるように、化合物2、化合物3及び化合物5を蒸着速度0.1nm/秒で正孔輸送層と同じ領域に共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光の有機発光層を形成した。
次いで、化合物4が10.0質量%、化合物5が90.0質量%になるように、化合物4及び化合物5を蒸着速度0.1nm/秒で緑赤色燐光発光の有機発光層と同じ領域に共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光の有機発光層を形成した。
(2.1.3)正孔阻止層の形成
さらに、形成した有機発光層と同じ領域に、化合物6を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成した。
(2.1.4)電子輸送層の形成
引き続き、形成した正孔阻止層と同じ領域に、CsFを膜厚比で10%になるように化合物6と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
Figure 2014034920
(2.2)カソード電極の形成
形成した有機EL層の電子輸送層の上に、陰極形成用材料としてAlを5×10−4Paの真空下にてマスク蒸着し、厚さ100nmで大きさ30mm×42mmの陰極を形成した。
最終的に、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように、端部を除いた陽極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基板としAlを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させ封止膜を形成し、発光エリア30mm×30mmの「有機ELデバイス1〜19」を作製した。
なお、熱処理は周囲の接着剤だけが加熱されるように、接着剤の塗ってある部分に型取ったステージを用いてヒータで行った。
≪有機ELデバイス1〜19(サンプル)の評価≫
得られた有機ELデバイス1〜19のそれぞれについて、下記式にしたがい整流比を算出し、その評価結果を表2にまとめた。
「整流比」=(+4V印加時の電流値)/(−4V印加時の電流値)
発光効率の観点から、整流比は1000以上であることが好ましい。
同一作製手順にて作製した10個のデバイスの整流比を測定し、平均値を求めた。
以下の指標で、整流比として評価した。
下記のランクにおいて、電流リークの観点からは1以上のレベルであることが必須であり、大面積化の観点からは2以上であることが好ましい。
「4」:整流比が1.0×10以上
「3」:整流比が1.0×10〜1.0×10未満
「2」:整流比が1.0×10〜1.0×10未満
「1」:整流比が5.0×10〜1.0×10未満
「0」:整流比が5.0×10未満
Figure 2014034920
Figure 2014034920
≪まとめ≫
表1および表2に示すとおり、透明電極1の結果から、透明樹脂基板上に多孔質層が形成されていないと、巻きつけにより金属細線パターンが剥離してしまうことがわかる。
透明電極6の結果から、金属細線パターンの厚さが0.2μmと小さいと、銀の付着量自体が少なく、シート抵抗が大きくなり、例えば、大型の有機ELデバイスに用いると均一に光らせることができない。
透明電極5,17,18の結果から、金属細線パターンの厚さが3.0μmより大きいと、巻きつけにより、金属細線パターンの一部が剥離したり、多孔質層にクラックが生じたりして、シート抵抗が上昇することがわかる。
特に有機ELデバイス17,18の結果から、金属細線パターンの厚さが3.0μmより大きいと、多孔質層の凹凸を透明導電性保護層で完全に被覆することが難しくなるため、かかる透明電極を有機ELデバイスに用いたとき、整流比が悪い結果となった。
また、有機ELデバイス5,15,16,18の結果から、多孔質層が厚すぎると、巻きつけにより多孔質層にクラックが入ることがわかり、他方、有機ELデバイス9の結果から、多孔質層が薄すぎると、巻きつけにより金属細線パターンが剥離することがわかる。
透明電極19では基板に紙を用いているため、多孔質層にクラックは発生しなかったが、透明電極19を用いて作製した有機ELデバイス19では発光せず、整流比も低い結果であった。このことから、有機ELデバイスにIJ用紙を用いることはできないことがわかる。
このような結果に対し、透明電極2〜4、7〜8、10〜14の結果から、多孔質層の厚さが金属細線パターンの厚さに対して5〜40%の範囲内にあり、金属細線パターンの厚さが0.3〜3.0μmの範囲内にあるとき、シート抵抗に優れ、巻きつけを行っても、シート抵抗の増加や金属細線パターンの剥離がなく、多孔質層のクラックが生じない、透明樹脂基板と金属細線パターンとが密着した透明電極が得られた。さらに、有機EL電子デバイス2〜4、7〜8、10〜14の結果から、それを用いた有機ELデバイスでは、整流比に優れた電流リークのないデバイスを作製できた。
以上から、少なくとも金属細線パターンの剥離や多孔質層のクラックの発生を抑制するうえでは、多孔質層の金属細線パターンに対する厚さが5〜40%の範囲内でかつ金属細線パターンの厚さが0.3〜3.0μmの範囲内であることが有用であることがわかる。
≪透明電極21〜25・有機ELデバイス21〜25(サンプル)の作製≫
両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm(縦)×180mm(横)のPENフィルムの一方の面に、特開2010−132485号公報に記載の実施例1、6〜11(段落0050、0055〜0060)、比較例4〜6(段落0064〜0066)を参考にして、表3に示した値の空隙率を有し、厚さが0.2μmの多孔質層を形成した。
詳しくは、透明電極21・有機ELデバイス21に用いる多孔質層21の形成では、pH2の塩酸(0.01N)40gに、塩化n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(関東化学株式会社製)1.21g(0.088 mol/L)、及びブロックコポリマーHO(C2H4O)106-(C3H6O)70-(C2H4O)106H(商品名「Pluronic F127」、Sigma-Aldrich社)2.41g(0.0043 mol/L)を添加し、25℃で1時間撹拌し、テトラエトキシシラン(関東化学株式会社製)4.00g(0.45mol/L)を添加し、25℃で1時間撹拌した後、28質量%アンモニア水3.94g(1.51 mol/L)を添加してpHを10.6とし、25℃で0.5時間撹拌した。その後、得られた界面活性剤−メソポーラスシリカナノ粒子複合体の溶液を、両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm(縦)×180mm(横)のPENフィルムの一方の面に、スピンコート法により塗布し、80℃で0.5時間乾燥した後、1.6W/cm2の紫外線を1分間照射し、メソポーラスシリカ多孔質膜を形成した。紫外線照射処理には、UVランプ装置(型番:F300S、光源:Dタイプの無電極ランプバルブ、フュージョン・ユーブイ・システムズ・ジャパン株式会社製)を使用した。
透明電極22・有機ELデバイス22に用いる多孔質層22の形成では、多孔質層21の形成時の紫外線照射に代えて、空気雰囲気下150℃で48時間焼成した。
透明電極23・有機ELデバイス23に用いる多孔質層23の形成では、多孔質層21の形成時の紫外線照射に代えて、プラズマクリーナー(型番:PDC210、ヤマト科学株式会社製)を用いて、15Paの減圧下、酸素を80mL/minで供給しながら、0.7W/cm2の電力密度及び13.56MHzの電力周波数で、10分間プラズマ放電した。
透明電極24・有機ELデバイス24に用いる多孔質層24の形成では、多孔質層21の形成時の紫外線照射時間を2分間とした。
透明電極25・有機ELデバイス25に用いる多孔質層25の形成では、多孔質層21の形成時の紫外線照射時間を3分間とした。
それぞれの多孔質が形成されたフィルム上に金属細線パターン6〜18と同様の方法で、乾燥膜圧2.0μmになるように透明電極1と同様にして金属細線パターンの印刷を行った。
その後、それぞれの基板について、250nm以下の短波長カットフィルターを装着したキセノンフラッシュランプ2400WS(COMET社製)を用いて、印刷後の金属細線パターンに対し、照射エネルギー2.5J/cmのフラッシュ光を、金属細線パターン印刷面側から照射時間2m秒で1回照射して加熱焼成を行い、金属細線パターン21〜25を作製した。
そして、透明電極1〜19および有機ELデバイス1〜19の作製と同様の方法で、透明電極21〜25および有機ELデバイス21〜25を作製した。
≪透明電極21〜25・有機ELデバイス21〜25(サンプル)の評価≫
透明電極21〜25について、実施例1と同様の方法で、多孔質層の空隙率を測定するとともに、巻きつけ処理を行わず、実施例1と同様の方法で、金属細線パターンの剥離の有無を評価した。
有機ELデバイス21〜25について、実施例1と同様の方法で、整流比を測定した。
以上の評価結果を表3にまとめた。
Figure 2014034920
≪まとめ≫
表3に示すとおり、透明電極21〜25の結果から、多孔質層の空隙率が30%以上で77%以下にあるとき、十分な密着性により、フラッシュ光照射による加熱を行っても透明樹脂基板から金属細線パターンが剥離することなく、低抵抗な透明電極を形成できることがわかる。
特に、透明電極22〜24の結果から、空隙率が55〜75%にあるとき、その効果は大きいことがわかる。
以上から、金属細線パターンの剥離を抑制するうえでは、多孔質層の空隙率が30〜77%の範囲内であることが有用であることがわかる。
≪水溶性バインダーの変更≫
実施例1で用いた透明導電性保護層形成用塗布液1の水溶性バインダー1を、ポリヒドロキシエチルアクリレート(PHEA)から、ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(PHEAA)と、ポリヒドロキシエチルアクリレートとポリヒドロキシエチルアクリルアミドの共重合体(PHEA/PHEAA)と、水分散系ポリマー(後述)とに、それぞれ変更した。
それ以外は実施例1と同様に試料(透明電極および有機ELデバイス)を作製し評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
<ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(PHEAA)の合成(I−19)>
ポリヒドロキシエチルアクリレートの合成において、モノマーとしてヒドロキシエチルアクリルアミドを用いた。
それ以外はポリヒドロキシエチルアクリレートの合成と同様の方法によりポリヒドロキシエチルアクリルアミドを得た。
<ポリヒドロキシエチルアクリレートとポリヒドロキシエチルアクリルアミドの共重合体(PHEA/PHEAA)の合成>
200ml三ツ口フラスコにTHF100mlを加え10分間加熱還流させた後、窒素下で室温に冷却した。2−ヒドロキシエチルアクリレート(4.1g、35mmol、分子量:116.05)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(I−19)(1.7g、15mmol、分子量:115.15)、AIBN(0.8g、5mmol、分子量:164.11)を加え、5時間加熱還流した。室温に冷却した後、3000mlのMEK中に反応溶液を滴下し、1時間攪拌した。MEKをデカンテーション後、100mlのMEKで3回洗浄後、THFでポリマーを溶解し、100mlフラスコへ移した。THFをロータリーエバポレーターにより減圧留去後、50℃で3時間減圧乾燥した。
その結果、数平均分子量33700、分子量分布2.4の「ポリヒドロキシエチルアクリレートとポリヒドロキシエチルアクリルアミドの共重合体」を10.3g(収率90%)得た。
<水分散系ポリマー>
水分散系ポリマーとして下記2種類をそれぞれ用いた。
ポリエステル系樹脂 プラスコートZ-561 (互応化学工業(株))
アクリル系樹脂 モビニール5450 (日本合成化学工業(株))
≪導電性ポリマーの変更≫
実施例1で用いた透明導電性保護層形成用塗布液1の導電性ポリマー1としてのPEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、Heraeus社製)15.9gの代わりに、導電性ポリアニリン分散液ORMECON(登録商標)INK(導電性高分子分散分散液インク)(固形分濃度2.5%、日産化学社製)12.0gに変更した。
それ以外は実施例1と同様に試料(透明電極および有機ELデバイス)を作製し評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
本発明は、基板との密着性の良好な金属細線パターンを有する透明電極であって、巻き取りやフラッシュ光を照射した際などの金属細線パターンの剥離や、透明電極を折り曲げた際などの多孔質層へのクラックの発生を抑制するのに特に好適に利用することができる。
1 透明電極
10 透明樹脂基板
20 多孔質層
22 厚さ
30 金属細線パターン
32 厚さ
40 透明導電性保護層

Claims (10)

  1. 透明樹脂基板、多孔質層、金属細線パターンおよび透明導電性保護層を有し、前記透明樹脂基板上に前記多孔質層と前記金属細線パターンとが形成され、前記多孔質層および前記金属細線パターン上に前記透明導電性保護層が形成された透明電極において、
    前記多孔質層の前記金属細線パターンに対する厚さが5〜40%の範囲内で、かつ、前記金属細線パターンの厚さが0.3〜3.0μmの範囲内であることを特徴とする透明電極。
  2. 請求項1に記載の透明電極において、
    前記多孔質層の空隙率が30〜77%の範囲内であることを特徴とする透明電極。
  3. 請求項2に記載の透明電極において、
    前記多孔質層の空隙率が55〜75%の範囲内であることを特徴とする透明電極。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明電極において、
    前記透明導電性保護層が、少なくとも導電性ポリマーと水分散系バインダーまたは水溶性バインダーとを含有することを特徴とする透明電極。
  5. 透明樹脂基板上に多孔質層を形成する工程と、
    前記多孔質層上に金属細線パターンを形成する工程と、
    前記多孔質層および前記金属細線パターン上に透明導電性保護層を形成する工程とを有し、
    前記多孔質層を形成する工程では、前記多孔質層の前記金属細線パターンに対する厚さを5〜40%の範囲内で設定し、
    前記金属細線パターンを形成する工程では、前記金属細線パターンの厚さを0.3〜3.0μmの範囲内で設定することを特徴とする透明電極の製造方法。
  6. 請求項5に記載の透明電極の製造方法において、
    前記金属細線パターンの形成工程が、
    前記透明樹脂基板の多孔質層が形成された面上に、金属ナノ粒子分散液または金属錯体溶液を印刷する工程と、
    印刷後の前記金属ナノ粒子分散液または前記金属錯体溶液を焼成する工程と、
    を有することを特徴とする透明電極の製造方法。
  7. 請求項6に記載の透明電極の製造方法において、
    前記金属ナノ粒子分散液または前記金属錯体溶液を印刷する工程では、インクジェット印刷を実行することを特徴とする透明電極の製造方法。
  8. 請求項6に記載の透明電極の製造方法において、
    前記金属ナノ粒子分散液または前記金属錯体溶液を焼成する工程では、フラッシュ光を照射することを特徴とする透明電極の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明電極と、
    前記透明電極に対向する位置に配置された第2電極と、
    前記透明電極と前記第2電極との間に設けられた有機機能層と、
    を具備することを特徴とする有機電子デバイス。
  10. 請求項9に記載の有機電子デバイスにおいて、
    有機エレクトロルミネッセンスデバイスであることを特徴とする有機電子デバイス。
JP2014533142A 2012-09-03 2013-09-02 透明電極およびその製造方法ならびに有機電子デバイス Pending JPWO2014034920A1 (ja)

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