JP2014022306A - 導電性基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板との密着性の良好な金属細線パターンを有する導電性基板であって、有機EL素子などの有機電子素子に採用した場合の電流のリークの発生を抑制しながら、シート抵抗を低減させることができ、さらに光透過性も向上させることができる導電性基板を提供する。
【解決手段】導電性基板1は、透明基板2と、金属細線パターン12を有する第1電極層6と、導電性ポリマーを含有する第2電極層8とを有し、透明基板2上に第1電極層6および第2電極層8がこの順に形成されている。第1電極層6は、多孔質状のアンカー層10に所定パターンの金属細線が形成され、アンカー層10中における前記金属細線の間隙が透明充填材14で充填されている。
【選択図】図1

Description

本発明は主に有機EL素子等の有機電子素子の電極として使用される導電性基板に関する。
金属細線パターンを有する導電性基板の製造方法として、これまでサブトラクティブ法やアディティブ法と言った方法が考案され、信頼性の高い手法として広く用いられてきた。最近では、様々な電子機器に導電性基板が使用されており、機器の高性能化に伴い、導電性基板内の金属細線パターンにもかなりの高密度化が要求されるようになっている。したがって、上記何れの方法を用いる場合でも、微細加工が可能なフォトリソグラフィー工程を使用して所望の金属細線パターンを形成することが一般的になっている。
フォトリソグラフィー工程では、レジストを基板全面に塗布しプリベークを行った後、フォトマスクを介して紫外線等を照射し、現像によってレジストパターンを形成する。この後、このレジストパターンをマスクとして不要な部分をエッチング除去して、金属細線パターンを形成する。しかしながら、従来のフォトリソグラフィー工程を用いた金属細線パターンの形成工程においては、パターン形成のための金属膜、及びレジストの材料の大部分が無駄になるという問題があった。また、フォトレジスト工程の工程数が多く、スループットが低下するという問題もあった。
そこで近年、金属細線パターンを印刷により製造する試みがなされている。
例えば、導電性金属粒子を含むインクを用いて、スクリーン印刷や、インクジェット印刷などの各種印刷法により導電層や絶縁層を形成して導電性基板を製造する方法が多方面で検討されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、銀や金、銅などのナノ粒子を含む金属ナノ粒子分散インク組成物を利用して金属ナノ粒子パターンを印刷描画し、その後、金属ナノ粒子相互の焼成(焼結)を施すことによって、金属細線パターンを有する導電性基板を得ることが可能となっている。
しかしながら、金属ナノ粒子を相互に焼成して金属ナノ粒子パターンの電気的な導通を確保するためには、200℃以上の熱処理が必要であるため、耐熱性の低い安価な樹脂基板に適用することは困難であるという問題があった。一方、ガラス系基板又は金属基板のような耐熱性の高い基板を用いる場合であっても、基板を薄くすると、高温の熱処理によって、基板に反りや歪みが生じるおそれがあるため、薄型化が困難であるという問題があった。
基板にダメージを与えないことを目的に、低い熱処理温で焼成を可能にする金属ナノ粒子分散体の検討も行われている(例えば特許文献2参照)。
具体的には銀ナノ粒子の保護分子として、低分子量かつ低沸点の有機化合物を用いることで、100℃以下の温度での焼成を可能にしている。
しかしながら、保護分子に低分子量かつ低沸点の有機化合物を用いることで、焼成後の基板への密着性が不十分となり、たとえばロール・トゥ・ロール・プロセスでの生産に際して、パターニングと焼成を施した金属細線パターン付きの樹脂基板をロールで巻き取った場合、接触する基板裏面との摩擦で、金属細線パターンが剥がれてしまう等の問題が生じることがあった。
また、金属細線パターン付きの導電性基板を透明電極として有機電子デバイスに用いる際において電極間の電流リークを抑えることと、面内で均一な発光を得るために導電性基板を面電極として機能させることを目的として金属細線パターン上にPEDOT/PSS層を設ける例が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、大面積の有機電子デバイスを駆動させる目的で、導電性基板の低抵抗化が必要な場合は、金属細線パターンの高さを高くする事が必要になるが、PEDOT/PSS層によるリーク抑制の効果が不十分となる問題があり、低抵抗化とリーク防止を両立することが困難であった。
さらにリーク抑制の観点から、樹脂基板上に酸素や水分の透過を防ぐために設けられているバリア層に溝を形成し、その溝の中に金属細線パターンを埋め込み、金属細線の凸部を無くす方法についても、非特許文献1では提案しているが、この方法は、基板のバリア性を著しく劣化させるという大きな問題点を持っていた。
特開2007−332347号公報 特開2010−265543号公報
Towards R2R fabricated organic devices,TNO Holst Centre, High Tech Campus 31, Eindhoven, The Netherlands,April 27, 2010,Paul Blom,et.al.
前述の通り、低抵抗の金属細線パターンを形成する上で、基板との密着性が課題であり、特にロール・トゥ・ロール・プロセスでの生産に際して、金属細線パターン付きの樹脂基板をロールで巻き取った場合、接触する基板裏面との摩擦で、金属細線パターンが剥がれてしまう等の課題があった。
また、金属細線パターン付きの導電性基板を透明電極として有機EL素子などの有機電子素子に用いる際においては、面電極化が必要なことと、対極電極との間の電流リークを抑えることを目的として、前述の通り金属細線パターン上にPEDOT/PSS層を設ける例が報告されている。
しかしながら、PEDOT/PSSの層は、着色性があるため透明性を損なわないように厚さをある程度薄くする必要があり、上記非特許文献1では、PEDOT/PSSの厚さを100nmとしている。そのため、金属細線パターンの表面に存在する凹凸に起因する電流リークを抑制するために、金属細線の高さをある程度低くする必要があり、非特許文献1では、金属細線の高さを120nmに抑えており、大面積の有機EL素子を駆動させることを目的に導電性基板のシート抵抗を充分に低くすることが困難であった。
したがって、導電性基板を有機EL素子などの有機電子素子に用いる際に、電流リークを抑制しつつ、高透明で低いシート抵抗を実現することが課題であった。
以上の課題に鑑み、本発明の主な目的は、基板との密着性の良好な金属細線パターンを有する導電性基板であって、金属細線パターンの凹凸に起因する電流リークを抑制しながらシート抵抗を低減させることができ、さらに光透過性も向上させることができる導電性基板を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、透明基板上に、金属細線パターンを有する第1電極層と、導電性ポリマーを含有する第2電極層とを有する導電性基板において、第1電極層を、多孔質状のアンカー層上に所定パターンの金属細線を形成してその金属細線の間隙に透明充填材を充填した層とすることによって、好ましくはアンカー層の比表面積を1.0×10〜1.0×10cm−1の範囲とし、さらに透明充填材として2μm厚で全光線透過率が90%以上の組成物を用いることによって、基板との密着性の良好な金属細線パターンが得られるとともに、有機EL素子などの有機電子素子に採用した場合の電流リークの発生を抑制しながら、シート抵抗を低減させることができ、さらに光透過性も向上させることができる導電性基板が得られるという効果を見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、本発明によれば、
透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性ポリマーを含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成された導電性基板において、
前記第1電極層は、多孔質状のアンカー層中に金属細線パターンが形成され、前記アンカー層中における前記金属細線パターンの間隙が透明充填材で充填されていることを特徴とする導電性基板が提供される。
好ましくは、前記アンカー層の比表面積は1.0×10〜1.0×10cm−1であり、前記透明充填材は2μm厚で全光線透過率が90%以上の組成物で構成されている。
ところで、インクジェット法で印刷する際にインクの吸収性を向上させるために、基板上に多孔質状のインクの受容層を設置することは一般に知られており、幾つかの方法が提案されている。
例えば、支持体上にケイソウ土や真珠岩粉末などの多孔質構造の粒子を含有する多孔質層を設ける方法(特開昭61−8385号公報)、相互に混和性の低いプラスチックを溶媒に溶解して塗布した後、凝固浴でプラスチックを凝固させ多孔層を設ける方法(特開昭62−197183号公報)、基板上にコロイダルシリカ粒子含有親水無機有機複合層からなる多孔質層を設ける方法(特開平2−147233号公報)、金属酸化物粒子とアルコキシド化合物の加水分解−縮合物を含むインク受容膜を設ける方法(特開2007−169604号公報)、金属酸化物粒子とポリイミド前駆体を含むインク受容膜を設ける方法(特開2010−161118号公報)などがある。
しかし、これらの従来技術においては、本発明で解決しようとしている課題の提示やその解決法の示唆は何らなされていない。
上述のインク受容層を始めとする、多孔質状の層をアンカー層として使用し、そこに、銀や金、銅などのナノ粒子を含む金属ナノ粒子分散インク組成物や、金属錯体インク等のインクを、たとえば、インクジェット、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセットグラビア印刷、フレキソ印刷等の公知のパターニング方法で印刷して金属細線パターンを形成することにより、インキがアンカー層中の空隙に浸透して、結果的に金属細線パターンの一部または全体が、アンカー層に埋め込まれた形状となる。そのため、金属細線パターンはアンカー層とともに基板に強い密着性を発現する。
本発明では、アンカー層中に金属細線パターンを形成し、アンカー層中における金属細線パターンの間隙部分を透明充填材で充填するから、アンカー層の表面には金属細線パターンによる凹凸が形成されず、アンカー層の表面上は平滑化される(平滑化されたと同視される)。そのため、金属細線パターンの凹凸に起因する電流リークが抑制され、金属細線パターンもアンカー層の層厚に応じて高さを増大させることが可能であるから、シート抵抗を低減させることもできる。
さらに、アンカー層中において金属細線パターンの間隙部分に透明充填材を充填しない場合、有機EL素子等の有機電子素子に必要な面電極を構成する為に、前述の、アンカー層に金属細線パターンが埋め込まれた基板上に、PEDOT/PSSの分散液などに代表される、導電性ポリマーインクを塗布すると、該導電性ポリマーインクが金属細線パターン間の多孔質状のアンカー層に浸透するので、アンカー層上に導電性ポリマーの層を面電極化するためには、アンカー層の多孔質を埋めた上で更にアンカー層上に皮膜を形成するだけの塗布量が必要になる。その際、アンカー層の厚みが厚いほど、そこに埋め込まれる導電性ポリマーの付着量(浸透量)も多くなり、その結果として導電性基板の光透過性が低くなる。
これに対し、本発明では、アンカー層中において金属細線パターンが形成されていない間隙部分には、透明充填材が充填される構成となっており、導電性ポリマーの面電極としての機能を維持しつつ、導電性ポリマーの付着量を低減することができ、高い光透過性を実現することができる。
本発明によれば、基板との密着性の良好な金属細線パターンを有する導電性基板であって、有機EL素子などの有機電子素子に採用した場合の電流のリークの発生を抑制しながら、シート抵抗を低減させることができ、さらに光透過性も向上させることができる導電性基板を提供することができる。
導電性基板の概略構成を示す断面図である。 導電性基板の製造方法を概略的に示す断面図である。 図1の導電性基板の変形例を示す断面図であって、金属細線パターンがアンカー層に埋没した状態と突出した状態とを示す図である。 図1の導電性基板の変形例を示す断面図であって、第2電極層をアンカー層に浸透させた態様を示す図である。 図1の導電性基板の変形例を示す断面図であって、透明充填材層をアンカー層上に形成した態様を示す図である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
《導電性基板(1)》
図1に示すとおり、本発明の好ましい実施形態にかかる導電性基板1は主に、透明基板2、バリア層4、第1電極層6および第2電極層8を有しており、透明基板2上にこれら層がこの順に積層された構成を有している。
第1電極層6は主に多孔質状のアンカー層10、金属細線パターン12および透明充填材14で構成されている。第1電極層6では、アンカー層10に対し所定パターンの金属細線(金属細線パターン12)が形成され、アンカー層10中における金属細線パターン12の間隙部分に透明充填材14が充填されている。すなわち、第1電極層6は、アンカー層10に対し金属細線パターン12と透明充填材14とが形成・充填された構成を有している。
第2電極層8は導電性ポリマーを含有する層であり、第1電極層6を被覆している。
以下、導電性基板の各部材の構成や特性、製造方法などについて説明する。
《透明基板(2)》
透明基板は、金属細線パターンを有する第1電極層と、導電性ポリマーを含有する第2電極層を形成し保持する機能を有しており、可視光域で透明であれば特に制限はなく、ガラス基板や樹脂基板等を用途に応じて適宜選択して用いることができる。
透明基板の透明性は、用途によって任意に選択することができるが、透明性が高いほど透明電極等への適用も可能になり用途拡大の観点で好ましい。
例えば、透明なガラスや、透明な樹脂基板や樹脂フィルム等を用いることが好ましく、さらには、生産性の観点や軽量性と柔軟性といった性能の観点から、透明な樹脂基板を用いることがより好ましい。
透明基板の全光線透過率は、70%以上、好ましくは80%以上であることが望ましい。全光線透過率は、JIS7573「プラスチック‐全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定することができる。
好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム、等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、透明基板としての透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。
中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム等の二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂フィルムであることがより好ましい。
《バリア層(4)》
導電性基板は有機EL素子などの有機電子素子の電極として使用されうる。
かかる有機電子素子は、素子内部に微量の水分や酸素が存在すると容易に性能劣化が生ずる。透明基板として樹脂基板を使用する場合には、樹脂基板を通して素子内部に水分や酸素が拡散することを防止するため、水分や酸素に対して高い遮蔽能を有するバリア層を形成することが有効である(バリア層は導電性基板において必須の要素ではなく省略されてもよい。)。
バリア層の組成や構造およびその形成方法には特に制限はなく、シリカ等の無機化合物による膜を真空蒸着やCVD法により形成することができる。
また、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布乾燥後、酸素及び水蒸気を含む窒素雰囲気下で紫外線照射により酸化処理してバリア層を形成することもできる。
ポリシラザン化合物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
ポリシラザン化合物の塗布方法は、任意の適切な方法を選択することができ、例えば、塗工方法として、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の各種印刷方法に加えて、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷等の各種塗布法を用いることができる。
バリア層をパターン状に形成することが好ましい場合には、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法を用いることが好ましい。
バリア層に用いられるポリシラザンとは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Siおよび両方の中間固溶体SiOxNy等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
樹脂基板を用いる場合には、特開平8−112879号公報に記載されているように比較的低温でセラミック化してシリカに変性するものがよく、下記一般式(1)で表されるものを好ましく用いることができる。
一般式(1);
Figure 2014022306
一般式(1)中、R、R、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表す。
パーヒドロポリシラザンは、R、R、Rの全てが水素原子であり、オルガノポリシラザンは、R、R、Rのいずれかがアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基である。得られるバリア膜としての緻密性から、R、R、Rの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
バリア層は1層でもよいが、2層以上の積層構造を有していてもよい。積層構造を有する場合には、無機化合物の積層構造であってもよいし、無機化合物と有機化合物のハイブリッド被膜として形成してもよい。またバリア層の間に応力緩和層を挟んでもよい。
単層の場合でも積層した場合でも1つのバリア層の膜厚は、30nm〜1000nmが好ましく、更に好ましくは30nm〜500nm、特に好ましくは90nm〜500nmである。30nm以上とすると膜厚均一性が良好となり、優れたバリア性能が得られる。1000nm以下にすると、屈曲によるクラックが急激に入ることが極めて少なくなり、成膜時の内部応力の増大をとどめて、欠陥の生成を防止することができる。
バリア層のバリア性としては、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下(1atmは、1.01325×105Paである)、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましい。
バリア層を形成する前に、透明基板との接着性を向上するために、シランカップリング剤などを用いて透明基板の表面に前処理を施すこともできる。
《第1電極層(6)》
〔アンカー層(10)〕
アンカー層は、金属細線パターン、透明充填材、導電性ポリマーを含有する第2電極層を透明基板上に保持するために用いられる。
アンカー層は、主に無機化合物からなり、多孔質状を呈している。
ここでいう無機化合物とは、一般に理解されているように有機化合物以外の化合物であり、具体的には単純な一部の炭素化合物と、炭素以外の元素で構成される化合物である。
アンカー層を構成する無機化合物の代表的な例として、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、錫、バリウム、タンタルなどの金属を少なくとも1種含む各種金属酸化物や、炭化物、窒化物、ホウ化物などを挙げることができるが、アンカー層は、少なくとも1種の透明な金属酸化物を含み構成されることが好ましい。
アンカー層は多孔質であることが特徴である。
ここでいう「多孔質」とは、窒素吸着法(BET1点法)で測定される比表面積が1.0×10から1.0×10cm−1の範囲であることを意味する。
BET1点法を用いた比表面積の測定は、比表面積測定装置フローソーブII2300(島津製作所製)を使用して行う。
吸着ガスは窒素/ヘリウムの30/70モル比混合ガスを用いる。
試料量は、アンカー層形成後の基板の面積として、0.5〜25cmの範囲内で、測定におけるガス吸着量の上下限の範囲に入るよう、試料毎に調製する。
サンプルの前処理として、試料室減圧後、90℃で60分間、120℃で60分の熱処理を行った後に、測定を実施する。
アンカー層の比表面積は、アンカー層の体積当たりの表面積であり、測定で得られた表面積の値を、アンカー層の体積、即ちサンプル面積(cm)とアンカー層膜厚(cm)の積で除することで求められる。
アンカー層の比表面積は、金属細線パターンの透明基板への密着性と、シート抵抗の低抵抗化のために、金属細線パターンを形成する金属成分のアンカー層内の充填量を確保するために、1.0×10cm−1以上であることが必要であり、またアンカー層自体の機械的強度を維持するために、1.0×10cm−1以下であることが必要である。
更に言えば、アンカー層の比表面積は、1.0×10から1.0×10cm−1の範囲がより好ましい。
アンカー層の透明性は、用途によって任意に選択することができるが、透明性が高いほど透明電極等への適用も可能になり、用途拡大の観点で好ましい。アンカー層の全光線透過率は、70%以上、好ましくは80%以上であることが望ましい。
アンカー層の厚さは0.1〜30μmが好ましく、0.2〜10μmがより好ましく、0.3〜5μmがさらに好ましい。アンカー層の厚さが0.1μm以上の場合には、金属細線パターンの密着性をより好ましく維持することができ、30μm以下の場合には、アンカー層に起因した透明性(ヘイズ)の劣化を抑制することができる。
アンカー層の組成としては、主に無機化合物からなることを除き、特に限定されるものではなく、例えば、特開2007−169604号公報に記載の組成なども好ましく用いることができる。
アンカー層の組成が「主に無機化合物からなる」とは、アンカー層を構成するすべての材料のうち、70wt%(質量%)以上、好ましく80wt%以上、より好ましくは90wt%以上が無機化合物材料から構成されていることを意味する。
アンカー層を構成する無機化合物材料の比率が高いほど、金属細線パターンの密着性をより好ましく維持することができる。
なお、アンカー層では、例えばアンカー層を構成する無機化合物材料間の結着性や、アンカー層と透明基板との結着性を向上するなどの目的で有機化合物が含有されてもよい。その場合、アンカー層を構成する有機化合物材料の比率としては、30wt%以下が好ましく、20wt%以下がより好ましく、10wt%以下がさらに好ましい。有機化合物材料の比率を30wt%以下に抑えることで金属細線パターンの密着性をより好ましく維持することができる。
アンカー層の形成方法は、任意の適切な方法を選択することができ、例えば、塗工方法として、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷等の各種印刷方法に加えて、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の各種塗布法を用いることができる。
アンカー層をパターン状に形成することが好ましい場合には、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法を用いることが好ましい。
アンカー層は、基板上に上記塗工法を用いて成膜した後、温風乾燥や赤外線乾燥などの公知の加熱乾燥法や自然乾燥などにより乾燥して形成することができる。加熱乾燥する場合の温度は、使用する基板に応じて適宜選択することができるが、樹脂フィルム基板の場合には一般に200℃以下の温度で実施することが好ましい。
アンカー層を形成する前に、透明基板あるいはバリア層との接着性を向上するために、シランカップリング剤などを用いて基板あるいはバリア層の表面に前処理を施すこともできる。
〔金属細線パターン(12)〕
金属細線パターンは、金属ナノ粒子や金属錯体を含む材料から構成される。
金属ナノ粒子や金属錯体の金属元素は、導電性に優れていれば特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等の金属やそれらの合金でもよいが、導電性及び安定性の観点から銀を含むことが好ましい。
金属ナノ粒子の平均粒径は1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上50nm以下であることがより好ましく、1nm以上30nm以下であることがより好ましい。
金属ナノ粒子の平均粒径は、金属ナノ粒子の電子顕微鏡観察から、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる金属ナノ粒子をランダムに200個以上観察し、各金属ナノ粒子の粒径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。
ここでいう「平均粒径」とは、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる金属ナノ粒子の外縁を2本の平行線で挟んだ距離の内最小の距離を指す。なお、平均粒径を測定する際、明らかに金属ナノ粒子の側面などを表しているものは測定しない。
金属細線パターンを形成しうる金属錯体は、一般的な理解と同様に金属イオンに配位子が配位した化合物をいう。
金属細線パターンを形成するための金属錯体としては、公知の材料を用いることができ、例えば、特表2008−531810号公報や、特開2011−126861号公報に記載されている有機銀錯体などを好ましく用いることができる。
金属細線パターンのパターン形状には特に制限はなく、例えば、平面視して、ストライプ状であってもよいし、あるいは正方格子やハニカム格子などのメッシュ状であってもよい。
金属細線パターンの開口率は透明性の観点から80%以上であることが好ましい。ここでいう「開口率」とは、単位面積当たりで金属細線パターンが存在しない面積比率を意味し、例えば、金属細線パターンがストライプ状であるとき、線幅100μm、線間隔1mmのストライプ状パターンの開口率は、90%である。
金属細線パターンの線幅は、10〜200μmが好ましい。細線の線幅が10μm以上だと、所望の導電性が得られ、また200μm以下だと、透明電極として用いる場合に十分な透明性が得られる。
金属細線パターンの高さは、0.1〜5μmが好ましい。細線の高さが0.1μm以上だと所望の導電性が得られ、また5μm以下では、有機電子素子に用いる場合に、その凹凸差が有機機能層の膜厚分布に与える影響を軽減できる。
ストライプ状またはメッシュ状等の定形の金属細線パターンを形成する方法としては、金属ナノ粒子や金属錯体を含有するインクを所望の形状に印刷する方法が好ましい。印刷方法としては特に制限はなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷法により所望の形状に印刷し形成することができる。
〔透明充填材(14)〕
第1電極層では、多孔質状のアンカー層における金属細線パターンの間隙部分に透明充填材が充填される。
透明充填材は、導電性ポリマーを含有する第2電極層を、第1電極層上に設置する際に、金属細線パターンの存在しない空隙部分のアンカー層に導電性ポリマーが充填されることを抑制する機能を持っている。
透明充填材は、2μm厚の全光線透過率が90%以上の組成物で構成されている。
2μm厚の全光線透過率が90%以上であることにより、導電性基板の光透過性を良好に付与することができる。また該全光線透過率は93%以上であることが更に好ましい。
(2μm厚の全光線透過率の測定方法)
2μm厚の全光線透過率は、下記の方法で測定する。
(1)0.7mm厚の無アルカリガラス(コーニング社製イーグルXG)上に、透明充填材の組成物を2.0μm±0.2μmの厚さに塗布する。塗布溶媒と溶解濃度は、該組成物をアンカー層に充填する際の溶液、または分散液の組成と同一にする。塗布方法はスピンコートを用い、膜厚はスピン回転数で調整する。乾燥はホットプレートで100〜120℃の温度で30分間行う。
(2)上記で透明充填材の組成物を塗布した無アルカリガラスと、比較の未塗布無アルカリガラスの全光線透過率を、JIS7573「プラスチック‐全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定する。透明充填材組成物を塗布した無アルカリガラスの全光線透過率をTA1%、比較の未塗布無アルカリガラスの全光線透過率をTA0%とする。
(3)透明充填材の2μm厚の全光線透過率:T%は以下の式で算出される。
=TA1/TA0×100
透明充填材は、単独で100μmの厚さに製膜した際の全光線透過率が86%以上の組成物で構成されれば、その構成材料(組成物の種類)は特に限定されない。
透明充填材の構成材料として、例えば有機物を使用する場合には、一般的な透明ポリマー類を好ましく用いる事ができる。透明ポリマーの例としては、PMMA,ポリカーボネート,MS樹脂,ポリスチレン、AS樹脂,GPPS樹脂等が挙げられる。透明充填材の構成材料として、無機物を使用する場合は、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナが挙げられる。
これら透明充填材の構成材料は、有機物または無機物が単独で使用されても、混合されても、有機物と無機物とを任意の組成で使用できる。
透明充填材の組成物をアンカー層に充填する際には、任意の溶剤を用いて、溶液、または分散液として、アンカー層上にパターニングする。
溶剤の種類に限定は無いが、透明充填材の組成物に有機の材料を使用する場合は、その有機材料を溶解できる溶剤が好ましく、また無機の材料を使用する場合は、その無機材料を分散できる溶剤が好ましい。
溶剤の具体的な例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、アセトン、2−ブタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン、等が挙げられるが、これらに限定されない。またこれら溶剤も含めての任意の2種以上の溶剤の混合溶剤も用いることができる。
溶液、または分散液の濃度は、膜厚を調整する意味でも任意に設定できるが、0.3wt%から10wt%の範囲で行う事が好ましい。
透明充填材の組成物のアンカー層への充填は、金属細線のパターニング後に行うケース(後述の導電性基板を製造する場合の方法A、B)と、金属細線のパターニング前に行うケース(方法C)とがある。
いずれの場合でも金属細線パターンの位置する、あるいは位置すべき箇所を避けて、透明充填材を充填する必要があるため、パターニングの手法を用いることが必要になる。
好ましいパターニングの方法として、インクジェット、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷が挙げられるが、より好ましくはインクジェットとグラビア印刷である。
透明充填材の組成物の溶液または分散液をこれらのパターニング方法に応じて、適した液物性、例えば表面張力、粘度に調整することを目的に、界面活性剤、粘度調整剤等の添加剤を添加することも可能である。
《第2電極層》
第2電極層は導電性ポリマーを含有する層である。
導電性ポリマーとして、π共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを含む導電性ポリマーを使用するのが、製膜時のシート抵抗が低いことから好ましい。
第2電極層は、第2ドーパントとして水溶性有機化合物、バインダー材料として樹脂成分、塗布助剤として各種添加剤などを含んでいてもよい。
第2電極層の乾燥膜厚は、30〜2000nmであることが好ましい。
第2電極層は、導電性の点からは50nm以上であることがより好ましく、導電性基板を有機電子素子に用いる場合には、金属細線パターンの凹凸差を平滑化し、有機機能層の膜厚分布への影響を軽減する観点から60nm以上であることがさらに好ましい。また、第2電極層は、透明性の点から、600nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましい。
導電性ポリマーを含有する第2電極層の形成方法は、任意の適切な方法を選択することができ、例えば、塗工方法として、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷等の各種印刷方法に加えて、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の各種塗布法を用いることができる。
アンカー層をパターン状に形成することが好ましい場合には、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法を用いることが好ましい。
導電性ポリマーを含有する第2電極層は、少なくとも、π共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを含む導電性ポリマーを含有する液を、基板上に上記塗工法を用いて成膜した後、温風乾燥や赤外線乾燥などの公知の加熱乾燥法や自然乾燥などにより乾燥して形成することができる。
加熱乾燥する場合の温度は、使用する透明基板に応じて適宜選択することができるが、樹脂フィルム基板の場合には一般に200℃以下の温度で実施することが好ましい。
赤外線乾燥を用いる場合には、導電性ポリマー含有層を選択的に加熱するために、基板の吸収が少ない赤外線波長域を選択することが好ましい。例えば、透明基板がPETやPENフィルムの場合には、〜1500nmの近赤外線を用いることが好ましい。あるいは、迅速に加熱乾燥するために、水の吸収極大が存在する3μm近傍の赤外線波長域を選択することも好ましい。
(1)導電性ポリマー
導電性ポリマーは、好ましくはπ共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを含有している。こうした導電性ポリマーは、後述するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後述のポリ陰イオンの存在下で、化学酸化重合することによって容易に製造できる。
(1.1)π共役系導電性高分子
π共役系導電性高分子としては、特に限定されず、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類、の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点、及び、金属ナノ粒子への吸着のしやすさから、ポリチオフェン類やポリアニリン類が好ましい。ポリエチレンジオキシチオフェンが最も好ましい。
π共役系導電性高分子の形成に用いられる前駆体モノマーは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
(1.2)ポリ陰イオン
ポリ陰イオンは、遊離酸状態の酸性ポリマーであり、アニオン基を有するモノマーの重合体、あるいはアニオン基を有するモノマーとアニオン基を有しないモノマーとの共重合体である。遊離酸は、一部が中和された塩の形をとっていてもよい。置換もしくは未置換のポリアルキレン、置換もしくは未置換のポリアルケニレン、置換もしくは未置換のポリイミド、置換もしくは未置換のポリアミド、置換もしくは未置換のポリエステル及びこれらの共重合体であって、少なくともアニオン基を含むものである。
このポリ陰イオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。また、ポリ陰イオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性と耐熱性を向上させる。
ポリ陰イオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよいが、中でも、製造の容易さ及び安定性の観点からは、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点より、スルホ基、一置換硫酸エステル基、カルボキシ基がより好ましい。
ポリ陰イオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、化合物内にさらにF(フッ素原子)を有するポリ陰イオンであってもよい。具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)等を挙げることができる。
導電性ポリマーに含まれるπ共役系導電性高分子とポリ陰イオンの比率、「π共役系導電性高分子」:「ポリ陰イオン」は質量比で1:1〜20が好ましい。導電性、分散性の観点からより好ましくは1:2〜10の範囲である。
こうした導電性ポリマーは市販もされており、第2電極層の形成にはこうした市販材料も好ましく用いることができる。例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、Heraeus社からCleviosシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSSの483095、560596として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。
(2)第2ドーパント
第2電極層には第2ドーパントとして水溶性有機化合物が含有されてもよい。
水溶性有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物等が挙げられる。前記水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、等が挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
(3)樹脂成分
第2電極層は、少なくともπ共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを含んでなる導電性ポリマー以外に、成膜性や膜強度を確保するために、透明な樹脂成分や添加剤を含んでいてもよい。
透明な樹脂成分としては、導電性高分子と相溶又は混合分散可能であれば特に制限されず、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
中でも水系溶剤に均一分散可能なバインダー樹脂または水溶性バインダー樹脂とから形成されることが、高い透明性と導電性を保持したまま、高い表面平滑性が得られる点から好ましい。
(3.1)水系溶剤に均一分散可能なバインダー樹脂
「水系溶剤に均一分散可能なバインダー樹脂」とは、水系溶剤に均一分散可能なものであり、水系溶剤中に凝集せずにバインダー樹脂からなるコロイド粒子が分散している状況であることを意味する。
コロイド粒子の大きさは一般的に0.001〜1μm(1〜1000μm)程度である。
上記のコロイド粒子については、光散乱光度計により測定することができる。
上記「水系溶剤」とは、純水(蒸留水、脱イオン水を含む)のみならず酸、アルカリ、塩などを含む水溶液、含水の有機溶媒、さらには親水性の有機溶媒など溶媒であることを意味し、純水(蒸留水、脱イオン水を含む)、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水とアルコールの混合溶媒等が挙げられる。
水系溶剤に均一分散可能なバインダー樹脂としては透明であることが好ましい。
水系溶剤に均一分散可能なバインダー樹脂としては、フィルムを形成する媒体であれば、特に限定はない。水系溶剤に均一分散可能なバインダー樹脂としては、例えば:アクリル系樹脂エマルジョン、水性ウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
アクリル系樹脂エマルジョンは、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸−スチレンの重合体、或いはその他のモノマーとの共重合体からなる。また、酸部分がリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム塩とつい塩を形成したアニオン性、窒素原子を有するモノマーとの共重合体からなり、窒素原子が塩酸塩等を形成したカチオン性があるが、好ましくはアニオン性である。
水性ウレタン樹脂としては、水分散型ウレタン樹脂、アイオノマー型水性ウレタン樹脂(アニオン性)等がある。水分散型ウレタン樹脂には、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂があり、好ましくはポリエステル系ウレタン樹脂である。
アイオノマー型水性ウレタン樹脂には、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂等があり、好ましくはポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂である。
水性ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分とポリオール成分とから合成される。
多塩基酸成分とは、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、ドデカン二酸などであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよく、特に好適に用いることのできる多塩基酸成分としては、工業的に多量に生産されており、安価であること等から、テレフタル酸とイソフタル酸が特に好ましい。
ポリオール成分として代表的なものを挙げれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールなどであり、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよく、特に好適に用いることのできるポリオール成分としては、工業的に量産されているので安価であり、しかも樹脂被膜の耐溶剤性や耐候性が向上等、諸性能にバランスがとれていることから、エチレングリコール、プロピレングリコールあるいはネオペンチルグリコールが特に好ましい。
上記水系溶剤に均一分散可能なバインダー樹脂は1種でも複数種でも使用することができる。
水系溶媒に均一分散可能なバインダー樹脂の使用量は、透明性と導電性の観点から好ましくは導電性ポリマーに対して50〜1000質量%であり、より好ましくは導電性ポリマーに対して100〜900質量%であり、更に好ましくは導電性ポリマーに対して200〜800質量%である。
(3.2)水溶性バインダー樹脂
水溶性バインダー樹脂としては、下記一般式(2)で表される構造単位を含む水溶性バインダー樹脂であることが好ましい。
一般式(2);
Figure 2014022306
一般式(2)中、Rは水素原子、メチル基を表し、Qは−C(=O)O−、−C(=O)NRa−を表す。Raは水素原子、アルキル基を表し、Aは置換または無置換アルキレン基、−(CHCHRbO)xCHCHRb−を表す。Rbは水素原子またはアルキル基を示し、xは平均繰り返しユニット数を表す。
こうした樹脂は導電性ポリマーと容易に混合可能で、また、前述の第2ドーパント的な効果も有するため、該水溶性バインダー樹脂を併用することにより、導電性、透明性を低下させることなく、導電性ポリマー含有層の膜厚を上げることが可能となる。
「水溶性バインダー樹脂」とは、水溶性のバインダー樹脂であり、水溶性バインダー樹脂が、25℃の水100gに0.001g以上溶解するバインダー樹脂を意味する。前記溶解は、ヘイズメーター、濁度計で測定することができる。
水溶性バインダー樹脂としては透明であることが好ましい。
水溶性バインダー樹脂は、前記一般式(2)で表される構造単位を含む構造を有することが好ましい。前記一般式(2)で表されるホモポリマーであってもよいし、他の成分を共重合されていてもよい。他の成分を共重合する場合は、前記一般式(2)で表される構造単位を10モル%以上含有することが好ましく、30モル%以上含有することがより好ましく、50モル%以上含有することがさらに好ましい。
また、水溶性バインダー樹脂は、導電性ポリマー含有層中に40質量%以上、95質量%以下含まれていることが好ましく、50質量%以上、90質量%以下であることがさらに好ましい。
水溶性バインダー樹脂の数平均分子量は3,000〜2,000,000の範囲が好ましく、より好ましくは4,000〜500,000、さらに好ましくは5000〜100000の範囲内である。
水溶性バインダー樹脂の数平均分子量、分子量分布の測定は、一般的に知られているゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により行うことができる。使用する溶媒は、バインダー樹脂が溶解すれば特に限りはなく、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、CHClが好ましく、より好ましくはTHF、DMFであり、更に好ましくはDMFである。また、測定温度も特に制限はないが40℃が好ましい。
《導電性基板の製造方法》
〔基本的な方法〕
導電性基板を製造する場合の基本的な方法として、方法A〜Cの3つの方法が挙げられる。
(1)方法A(図2参照)
(A−i)透明基板(2)上にアンカー層(10)を形成する。
(A−ii)その後、アンカー層(10)の上から金属細線をパターニングして金属細線パターン(12)を形成する。
(A−iii)その後、金属細線パターン(12)を焼成する。
(A−iv)その後、アンカー層(10)中における金属細線パターン(12)の間隙部分に透明充填材(14)を充填し、第1電極層(6)を形成する。
(A−v)その後、第1電極層(6)上に第2電極層(8)を形成する。
(2)方法B
(B−i)透明基板上にアンカー層を形成する。
(B−ii)その後、アンカー層の上から金属細線をパターニングして金属細線パターンを形成する。
(B−iii)その後、アンカー層中における金属細線パターンの間隙部分に透明充填材を充填する。
(B−iv)その後、金属細線パターンを焼成して第1電極層を形成する。
(B−v)その後、第1電極層上に第2電極層を形成する。
(3)方法C
(C−i)透明基板上にアンカー層を形成する。
(C−ii)その後、金属細線をパターニングする箇所を残して、アンカー層に透明充填材を充填する。
(C−iii)その後、アンカー層における透明充填材の充填されていない部分に金属細線をパターニングして金属細線パターンを形成する。
(C−iv)その後、金属細線パターンを焼成して第1電極層を形成する。
(C−v)その後、第1電極層上に第2電極層を形成する。
なお、導電性基板を、有機EL素子等の、水分や酸素を嫌う有機層を有する有機電子素子の透明電極として使用することを想定する場合は、方法A〜Cにおいて透明基板上にアンカー層を形成する前に透明基板上にバリア層を形成し、透明基板とアンカー層との間に透明なバリア層を形成するのがよい。
〔金属細線パターンの焼成〕
金属細線パターンの焼成には、一般的に用いられている、ホットプレート等による接触伝熱熱源を使用する方法、温風を用いる方法、赤外線ヒーター等の高温熱源からの放射熱を使用する方法の他に、高エネルギーの光照射による金属細線パターンの光熱変換を利用する方法がある。
導電性基板で用いる好ましい透明基板として、前述の通り、透明樹脂フィルムが挙げられるが、比較的安価に入手可能な一般的透明樹脂フィルム、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いる場合は、これら透明基板を高温にすること無く焼成が可能な、高エネルギーの光照射による光熱変換を利用した焼成が好ましい。
(1)フラッシュ光照射
光熱変換を利用した焼成の例の一つとして、可視光域の波長を主体とするフラッシュ光照射が挙げられる。
フラッシュ光照射で用いられるフラッシュランプの放電管としては、キセノン、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の放電管を用いることが出来るが、キセノンランプを用いることが好ましい。
フラッシュランプの好ましいスペクトル帯域は240nm〜2000nmであり、かかる帯域はフラッシュ光照射により透明基板に対して熱変形等のダメージを与えないため好ましい。
フラッシュランプの光照射条件は任意であるが、光照射エネルギーの総計が0.1〜50J/cmであるのが好ましく、0.5〜10J/cmであるのがより好ましい。光照射時間は10μ秒〜100m秒が好ましく、100μ秒〜10m秒で行うのがより好ましい。また、光照射回数は1回でも複数回でも良く、1〜50回の範囲で行うのが好ましい。これらの好ましい条件範囲でフラッシュ光照射を行うことにより、透明基板にダメージを与えることなく金属細線パターンを加熱焼成し、高い導電性を得ることができる。
透明基板に対するフラッシュランプの照射は、金属細線パターンの印刷してある表側から照射することが好ましいが、透明基板自体が透明であるため、裏側から照射することも両側から照射することもできる。
フラッシュ光照射は大気中で行ってもよいが、必要に応じ、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。
また、フラッシュ光照射時の基板温度は、透明基板の耐熱温度や、金属ナノ粒子や金属錯体を含有するインクの分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、インクの分散性や酸化性等の熱的挙動などを考慮して決定すればよく、室温以上200℃以下で行うことが好ましい。
なお、フラッシュ光照射を行う前に、金属細線パターンを形成した後の基板を、あらかじめ加熱処理しておいても良い。
フラッシュランプの光照射装置は上記の照射エネルギー、照射時間を満足するものであればよい。
(2)近赤外線照射
光熱変換を利用した焼成のもう一つの例として、有機物の吸収が比較的少ない1μm付近の波長を主体とする近赤外光照射が挙げられる。
近赤外光照射で用いられる近赤外ランプは、フィラメント温度を2000Kから3500Kにすることで、1μm付近の波長を主体とした赤外光を発生できる。
近赤外光照射条件は任意であり、光照射時間は1m秒〜10秒が好ましく、10m秒〜1秒で行うのがより好ましい。また、光照射回数は1回でも複数回でも良く、1〜10回の範囲で行うのが好ましい。これらの好ましい条件範囲で近赤外光照射を行うことにより、透明基板にダメージを与えることなく金属細線パターンを加熱焼成し、高い導電性を得ることができる。
透明基板に対する近赤外光の照射は、金属細線パターンの印刷してある表側から照射することが好ましいが、透明基板自体が透明であるため、裏側から照射することも両側から照射することもできる。
近赤外光照射は大気中で行ってもよいが、必要に応じ、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。
また、近赤外光照射時の基板温度は、透明基板の耐熱温度や、金属ナノ粒子や金属錯体を含有するインクの分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、インクの分散性や酸化性等の熱的挙動などを考慮して決定すればよく、室温以上200℃以下で行うことが好ましい。
なお、近赤外光照射を行う前に、金属細線パターンを形成した後の基板を、あらかじめ加熱処理しておいても良い。
近赤外光照射装置は任意であるが具体的な商品としてはアドフォス社のNIR等を挙げることができる。
《変形例》
以上の導電性基板では、図3に示すとおり、金属細線パターン(12)がアンカー層(10)に埋没した状態で形成されてもよいし(図3(a)参照)、アンカー層(10)から突出した状態で形成されてもよい(図3(b)参照)。
これらの状態は、金属細線パターンの高さやアンカー層の厚さ、金属ナノ粒子や金属錯体を含有するインクの粘度、アンカー層の細孔の度合いなどで調整することができる。
金属細線パターンがアンカー層に埋没した状態またはアンカー層から突出した状態の有無は、導電性基板の断面のSEM画像で観察することが可能である。
金属細線パターンの高さは好ましくはアンカー層の厚みに対して±30%の範囲内にあり、金属細線パターンの高さがかかる範囲内に収まれば、第1電極層の表面は平滑化されていると同視することができる(金属細線パターンの凹凸による影響はないといえる)。
図4に示すとおり、第2電極層(8)が、アンカー層(10)の上層部(20)に浸透してもよい。
かかる場合において、金属細線パターン(12)は、アンカー層(10)の表面と平滑な状態で形成されてもよいし(図4(a)参照)、アンカー層(10)に埋没した状態で形成されてもよいし(図4(b)参照)、アンカー層(10)から突出した状態で形成されてもよい(図4(c)参照)。
これら状態は、第2電極層の厚さやアンカー層の厚さ、第2電極層を形成する溶液の粘度、アンカー層の細孔の度合いなどで調整することができる。
図4の態様によれば、第2電極層がアンカー層の一部に浸透しているため、第2電極層と第1電極層との密着性が向上する。
図5に示すとおり、透明充填材(14)がアンカー層(10)の厚さを超えてやや過剰に充填され、アンカー層(10)上に透明充填材層(30)が形成されてもよい。
かかる場合においても、金属細線パターン(12)は、アンカー層(10)の表面と平滑な状態で形成されてもよいし(図5(a)参照)、アンカー層(10)に埋没した状態で形成されてもよいし(図5(b)参照)、アンカー層(10)から突出した状態で形成されてもよい(図5(c)参照)。
これら状態は、透明充填材の高さやアンカー層の厚さ、透明充填材の組成物を含有するインクの粘度、アンカー層の細孔の度合いなどで調整することができる。
《有機電子素子》
有機電子素子は、導電性基板と有機機能層とを有する。
例えば、透明な導電性基板を第1電極部として、この第1電極部の上に有機機能層を形成し、さらにこの有機機能層の上に対向配置された第2電極部を形成することによって、有機電子素子を得ることができる。
有機機能層としては、有機発光層、有機光電変換層、液晶ポリマー層など特に限定無く挙げることができるが、有機機能層が薄膜でかつ電流駆動系のものである有機発光層、有機光電変換層である場合において、特に有効である。
以下、有機電子素子が、有機EL素子および有機光電変換素子である場合のその構成要素について説明する。
(1)有機EL素子
(1.1)有機機能層構成(有機発光層)
有機機能層としての有機発光層を有する有機EL素子は、有機発光層に加えて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層、電子ブロック層などの発光を制御する層を有機発光層と併用しても良い。
導電性基板の導電性ポリマー層(第2電極層)は正孔注入層として働くことも可能であるので、正孔注入層を兼ねることも可能だが、これとは別に独立に正孔注入層を設けても良い。
構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)(第1電極部)/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(ii)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(第2電極部)
(iii)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/(第2電極部)
(iv)(第1電極部)/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第2電極部)
(v)(第1電極部)/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/陰極バッファー層/(第2電極部)
ここで、発光層は、発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある単色発光層であってもよく、また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよく、さらに発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。
本発明の有機EL素子の発光層は白色発光層であることが好ましい。
有機発光層に使用できる発光材料またはドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、および各種蛍光色素および希土類金属錯体、燐光発光材料等があるが、これらに限定されるものではない。またこれらの化合物のうちから選択される発光材料を90〜99.5質量部、ドーピング材料を0.5〜10質量部含むようにすることも好ましい。
有機発光層は上記の材料等を用いて公知の方法によって作製されるものであり、その作製方法としては蒸着、塗布、転写などの方法が挙げられる。
(1.2)電極
導電性基板は、上記の第1電極部または第2電極部で使用されるが、導電性基板が第1電極部で使用されかつ陽極であることが好ましい態様である。
第2電極部は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。第2電極部の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性および酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
第2電極部の導電材として金属材料を用いれば第2電極部側に伝播した光は反射されて第1電極部側にもどる。第2電極部の導電材として金属材料を用いることで、この光が再利用可能となりより取り出しの効率が向上する。
(2)有機光電変換素子
有機光電変換素子は、第1電極部、バルクヘテロジャンクション構造(p型半導体層およびn型半導体層)を有する光電変換層(以下、バルクヘテロジャンクション層とも呼ぶ)、第2電極部が積層された構造を有することが好ましい。
本発明の導電性基板は、少なくとも入射光側に用いられる。
光電変換層と第2電極部との間に電子輸送層などの中間層を有しても良い。
(2.1)光電変換層
光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を構成していることが好ましい。p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。
ここで、電子供与体および電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体および電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
p型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、およびこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェンおよびそのオリゴマー、ポリピロールおよびそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレンおよびそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレンおよびそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレンおよびそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレンおよびこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェンおよびそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、さらには特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p4112、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、WO2008/000664、Adv.Mater.,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol.40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。
さらに、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、さらにポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
これらのπ共役系材料のうちでも、ペンタセン等の縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニン、金属ポルフィリンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。また、ペンタセン類がより好ましい。
ペンタセン類の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986等に記載の置換アセン類およびその誘導体等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
そのような化合物としては、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物、および米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、特開2007−224019号公報等に記載のポルフィリンプレカーサー等のような、プレカーサータイプの化合物(前駆体)が挙げられる。
これらの中でも、後者のプリカーサータイプの方が好ましく用いることができる。これは、プリカーサータイプの方が、変換後に不溶化するため、バルクヘテロジャンクション層の上に正孔輸送層・電子輸送層・正孔ブロック層・電子ブロック層等を溶液プロセスで形成する際に、バルクヘテロジャンクション層が溶解してしまうことがなくなるため、前記の層を構成する材料とバルクヘテロジャンクション層を形成する材料とが混合することがなくなり、一層の効率向上・寿命向上を達成することができるためである。
p型半導体材料としては、p型半導体材料前駆体に熱・光・放射線・化学反応を引き起こす化合物の蒸気に晒す、等の方法によって化学構造変化を起こし、p型半導体材料に変換された化合物であることが好ましい。中でも熱によって科学構造変化を起こす化合物が好ましい。
n型半導体材料の例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む、高分子化合物が挙げられる。
中でも、フラーレン含有高分子化合物が好ましい。フラーレン含有高分子化合物としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等を骨格に持つ高分子化合物が挙げられる。フラーレン含有高分子化合物では、フラーレンC60を骨格に持つ高分子化合物(誘導体)が好ましい。
フラーレン含有ポリマーとしては、大別してフラーレンが高分子主鎖からペンダントされたポリマーと、フラーレンが高分子主鎖に含有されるポリマーとに大別されるが、フラーレンがポリマーの主鎖に含有されている化合物が好ましい。
これは、フラーレンが主鎖に含有されているポリマーは、ポリマーが分岐構造を有さないため、固体化した際に高密度なパッキングができ、結果として高い移動度を得ることができるためではないかと推定される。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。
光電変換層を、太陽電池などの光電変換デバイスとして用いる形態としては、光電変換層を単層で利用してもよいし、積層(タンデム型)して利用してもよい。また、光電変換層は、環境中の酸素、水分等で劣化しないように、公知の手法によって封止することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
《透明導電性基板ACF−1の作製》
(1)金属細線パターンの形成
両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm×180mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、銀ナノ粒子インク(TEC−PR−030;InkTec社製)を用いて、30μm幅、0.75mmピッチ、正方形格子状のグラビア版パターンにて、焼成後の細線の平均高さが0.8μmになるようにグラビア印刷法で金属細線パターンの印刷を行った。印刷装置として小型厚膜半自動印刷機STF−150IP(東海商事社製)を用いた。パターンを印刷するエリアは150mm×150mmとした。
印刷後の金属細線パターン付きフィルムを、ホットプレート上で125℃で60分焼成処理を施した。
(2)導電性ポリマー層の形成
金属細線パターンを印刷し、焼成した金属細線パターン付きフィルムの金属細線パターン印刷上の150mm×150mmのエリアに、PEDOT/PSSの0.8wt%分散液(Orgacon IJ−1005、Agfa社製)を液滴42pLのインクジェットヘッド(KM512L、コニカミノルタインクジェット製、ノズル解像度360dpi)を用いて、スキャン方向解像度720dpiでパターニングした。インクジェットの出射条件は、周波数=2kHz、駆動電圧=8.5V、パルス幅=10μsで行った。
その後、ホットプレート上で120℃で10分の加熱処理を施し乾燥させ導電性ポリマー層を形成し、透明導電性基板ACF−1を作製した。
金属細線パターンの無い部分の導電性ポリマー層の付着量の計算値は0.135g/mであり、乾燥後膜厚測定値は105nmであった。
《透明導電性基板ACF−2の作製》
(1)バインダー成分含有液BD−1の調製
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン306.84g、チタンテトライソプロポキシド266.87gを2−エトキシエタノール257.26gに溶解したものに、濃硝酸100.68g、水31.61g、2−エトキシエタノール36.75gの混合液を滴下し、30℃で4時間反応させたバインダー成分含有液BD−1(固形分濃度30質量%)を調製した。
(2)酸化物凝集体粒子分散液OD−1の調製
前記した特開2007−169604号公報の段落0064に調製方法の記載がある、2個以上の粒子が結合した珪素系酸化物凝集体粒子のみを15質量%含む、酸化物凝集体粒子分散液OD−1を調製した。
(3)アンカー層塗工液−1の調製
360gの酸化物凝集体粒子分散液OD−1を攪拌しながら、シクロヘキサノン620g、次いで20gのバインダー成分含有液BD−1を滴下し、室温にて1時間攪拌することにより、固形分濃度6質量%のアンカー層塗工液−1を調製した。
(4)アンカー層の形成
両面にハードコート層を設けた厚さ110μm、大きさ180mm×180mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、前記アンカー層塗工液−1を、乾燥後の平均膜厚が0.8μmになるように、ワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分間加熱後、60℃で3日間エージングを行い、多孔質状のアンカー層を形成した。
アンカー層の比表面積は、1.2×10であった。
(5)金属細線パターンの形成
次いで、アンカー層付きPETフィルムのアンカー層形成面側に、ACF−1と同様にして金属細線パターンの印刷と焼成を行った。
(6)導電性ポリマー層の形成
次いで、アンカー層付きPETフィルムのアンカー層形成面側に、ACF−1と同様にして導電性ポリマー層のインクジェットパターニングと乾燥を行い、透明導電性基板ACF−2を作製した。
《透明導電性基板ACF−3の作製》
ACF−2と同様にして、アンカー層、金属細線パターンを形成した基板上に、PEDOT/PSSのインクジェットパターニングを、スキャン方向解像度720dpiから3600dpiに上昇させておこなった。それ以外は、ACF−2と同様にして、透明導電性基板ACF−3を作製した。
《透明導電性基板ACF−4の作製》
(1)第1電極層の形成
ACF−2と同様にして、アンカー層、金属細線パターンを形成した基板上に、金属細線パターンの間隙部に対し、透明充填材として、ポリメチルメタクリレート(Mw=1万、2μm厚の全光線透過率=93%)の4.0wt%、2−ブタノン溶液をインクジェットでパターニングした。インクジェットのスキャン方向解像度は720dpi、その他の出射条件とヘッドは、ACF−1の導電性ポリマー層の出射時と同条件とした。パターニング後の基板を、120℃で10分間乾燥させ、第1電極層付きの透明基板を作製した。
(2)第2電極層の形成
上記で作製した、第1電極層付きの透明基板上に、ACF−1と同条件で第2電極層にあたる導電性ポリマー層を設け、透明導電性基板ACF−4を作製した。
《透明導電性基板ACF−5の作製》
ACF−4の作製において、第1電極層の透明充填材のパターニングにおけるスキャン方向解像度を580dpiとした他は、ACF−4の作製と同様に行い、透明導電性基板ACF−5を作製した。
《透明導電性基板ACF−6の作製》
ACF−5の作製において、第1電極層の金属細線パターンの印刷の際に、銀ナノ粒子インクをα―テルピネオールを希釈溶媒に用いて80wt%相当に希釈したインクを用いて印刷を行った他は、ACF−5の作製と同様に行い、透明導電性基板ACF−6を作製した。
《透明導電性基板ACF−7の作製》
ACF−4の作製において、金属細線パターンの焼成を以下の様に変更した。
それ以外はACF−4と同様にして、透明導電性基板ACF−7を作製した。
(*)金属細線パターンの焼成
金属細線パターン印刷後に、250nm以下の短波長カットフィルターを装着したキセノンフラッシュランプ2400WS(COMET社製)を用いて、照射エネルギー2.5J/cmのフラッシュ光を、金属細線パターン印刷面側から照射時間2m秒で1回照射して加熱焼成を行い、透明導電性基板ACF−6を作製した。
《透明導電性基板ACF−8の作製》
ACF−7の作製において、透明充填材組成物の材料としてポリメチルメタクリレートに替えてメチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂(エスチレンMS300、新日鉄化学(株)製)を用いた他はACF−7と同様にして、透明導電性基板ACF−8を作製した。
《透明導電性基板ACF−9の作製》
ACF−7の作製において、透明充填材組成物の材料としてポリメチルメタクリレートに替えてポリカーボネート樹脂(タフロンA1700、出光興産(株)製)を用いた他はACF−7と同様にして、透明導電性基板ACF−9を作製した。
《透明導電性基板ACF−10の作製》
ACF−7の作製において、アンカー層塗工液−1を下記のアンカー層塗工液−2に替えた他はACF−7と同様にして、透明導電性基板ACF−10を作製した。
(*)アンカー層塗工液−2の調製
100gの酸化物凝集体粒子分散液OD−1を攪拌しながら、シクロヘキサノン750g、次いで150gのバインダー成分含有液BD−1を滴下し、室温にて1時間攪拌することにより、固形分濃度6質量%のアンカー層塗工液−2を調製した。
《透明導電性基板ACF−11の作製》
ACF−7の作製において、アンカー層塗工液−1を下記のアンカー層塗工液−3に替えた他はACF−7と同様にして、透明導電性基板ACF−11を作製した。
(*)アンカー層塗工液−3の調製
372gの酸化物凝集体粒子分散液OD−1を攪拌しながら、シクロヘキサノン614g、次いで14gのバインダー成分含有液BD−1を滴下し、室温にて1時間攪拌することにより、固形分濃度6質量%のアンカー層塗工液−3を調製した。
《透明導電性基板ACF−12の作製》
ACF−7の作製において、アンカー層塗工液−1を下記のアンカー層塗工液−4に替えた他はACF−7と同様にして、透明導電性基板ACF−11を作製した。
(*)アンカー層塗工液−4の調製
80gの酸化物凝集体粒子分散液OD−1を攪拌しながら、シクロヘキサノン760g、次いで160gのバインダー成分含有液BD−1を滴下し、室温にて1時間攪拌することにより、固形分濃度6質量%のアンカー層塗工液−4を調製した。
《透明導電性基板ACF−13の作製》
ACF−7の作製において、アンカー層塗工液−1を下記のアンカー層塗工液−5に替えた他はACF−7と同様にして、透明導電性基板ACF−13を作製した。
(*)アンカー層塗工液−5の調製
384gの酸化物凝集体粒子分散液OD−1を攪拌しながら、シクロヘキサノン608g、次いで8gのバインダー成分含有液BD−1を滴下し、室温にて1時間攪拌することにより、固形分濃度6質量%のアンカー層塗工液−5を調製した。
《透明導電性基板の評価》
上記のように作製した各透明導電性基板の、金属細線パターンの平均線幅、シート抵抗(屈曲処理後のシート抵抗を含む。)、表面粗さ、光透過率を以下のように評価し、得られた結果を表1に示す。
また、ACF4〜7については、それぞれの条件で作製した第1電極層の表面を走査型電子顕微鏡で観察した結果も、後述する。
(1)金属細線パターンの平均線幅
CNC画像評価システムNEXIV VMR−1515(NIKON社製)を用いて、各透明導電性基板の細線パターンの任意の100箇所の線幅を測定し平均値を求めた。
(2)シート抵抗
はじめに、何らの処理も施していない初期の各透明導電性基板のシート抵抗を、抵抗率計ロレスタGP(ダイアインスツルメンツ社製)を用いて、四端子法で測定した。
その後、各透明導電性基板を直径3cmの円柱棒に10回巻き付け(屈曲処理)、その屈曲処理後の各透明導電性基板のシート抵抗を、上記と同様に測定した。
(3)表面粗さ
表面粗さの評価指標としてはRaを用いた。
Raの値は、JIS、B601(1994)に規定される表面粗さであり、本実施例においては、下記のように測定した値である。
本実施例にかかるRaは、第2電極層表面を測定したものであり、長さ10μmの直線上のRaを測定したものである。
本実施例においてRaの測定には、市販の原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)を用い、以下の方法で測定する。
AFMとして、セイコーインスツルメンツ社製SPI3800Nプローブステーション及びSPA400多機能型ユニットを使用し、ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位で捉える。ピエゾスキャナーは、XY20150μm、Z25μmが走査可能なものを使用する。カンチレバーは、セイコーインスツルメンツ社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜30nmのものを用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定する。
走査周波数0.1Hzで測定した10ヵ所の平均値をRaの値とした。
(5)光透過率
各透明導電性基板から適当な大きさの試験片を切り出し、JIS7573「プラスチック‐全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定した。
Figure 2014022306
(6)第1電極層表面の走査型電子顕微鏡観察
アンカー層上に第1電極層を設置した状態の試料(ACF−4〜ACF−7)を、代表例として、走査型電子顕微鏡(SEM:日立製作所製、S−5000H、加速電圧1.0kV、倍率50,000倍)で観察し、第1電極層表面を観察した。
その観察結果は下記のとおりであった。
ACF−4;多孔質のアンカー層表面は、金属細線パターンと透明充填材に覆われていた
ACF−5;多孔質のアンカー層表面は、金属細線パターンの形成部分では金属細線で覆われているが、透明充填材の充填部分では露出していた
ACF−6;多孔質のアンカー層表面は、金属細線パターンの形成部分でも透明充填材の充填部分でも露出していた
ACF−7;多孔質のアンカー層表面は、金属細線パターンと透明充填材に覆われていた
(7)まとめ
表1に示すとおり、アンカー層を形成しなかったACF−1では、金属細線の線幅が広くなり、屈曲後のシート抵抗が屈曲前よりも著しく高くなった。
アンカー層を形成したものの金属細線パターンの間隙部分を透明充填材で充填しなかったACF―2では、表面粗さが極端に大きくなり、同態様において導電性ポリマー層を厚くしたACF−3では、表面粗さは小さくなるものの、光透過率が低下した。
これに対し、アンカー層を形成して金属細線パターンの間隙部分を透明充填材で充填したACF−4〜ACF−13では、基本的に、表面粗さが低減され導電性基板の表面が平滑化されており、屈曲前後でのシート抵抗の変化も低減され、光透過性も向上していた。
このような結果から、アンカー層を形成してそのアンカー層中の金属細線パターンの間隙部分を透明充填材で充填することは、金属細線パターンの平滑化や、シート抵抗の低減、光透過性の向上に有用であることがわかる。
なお、ACF−9で光透過率がやや低下したのは、透明充填材として、2μm厚の全光線透過率が90%未満のポリカーボネート樹脂を使用したためである。
ACF−12、ACF−13で屈曲処理後のシート抵抗が高くなったのは、比表面積が1.0×10〜1.0×10cm/cmの範囲から外れるアンカー層を形成したためである。
実施例1の金属細線パターンの形成において、使用するインクを銀錯体インク(TEC−IJ−010;InkTec社製)に変更し、金属細線パターンの印刷法をインクジェット法に変更した。
それ以外は実施例1と同様に試料を作製し評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
《有機EL素子AOL−30の作製》
(1)透明導電性基板の作製
厚さ0.7mm、大きさ80mm×80mmの清浄な無アルカリガラス基板の一方の面に、常法に従いスパッタ法を用いて平均膜厚150nm、大きさ50mm×50mmのITO透明導電層を製膜し、透明導電性基板ACF−30を作製した。
透明導電性基板ACF−30の透過率とシート抵抗は、84%と12Ω/□であった。
(2)有機EL素子の作製
上記、透明導電性基板ACF−30を第1電極(陽極)に用いて、有機EL素子AOL−30を以下の手順でそれぞれ作製した。
第1電極としての透明導電性基板ACF−30の上に、PEDOT−PSS CLEVIOS P AI 4083(固形分15%)(Heraeus社製)を、塗布幅50mmのアプリケーターを用いて、乾燥膜厚が30nmとなるようACF−30の導電面上に塗布し、50mm×50mmの面積になるよう不要な周辺部分を拭き取ったのち、乾燥させた。
次に、ACF−30を市販の真空蒸着装置内にセットし、真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々素子作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製またはタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
次いで、以下の手順で各有機化合物層を設けた。
まず、真空度1×10−4Paまで減圧した後、下記α−NPDの入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、30nmの正孔輸送層を設けた。
下記Ir−1が13質量%、下記Ir−14が3.7質量%の濃度になるように、Ir−1、Ir−14および下記化合物1−7を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光層を形成した。
次いで、下記E−66が10質量%になるように、E−66および化合物1−7を蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光層を形成した。
その後、下記M−1を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成し、さらにCsFを膜厚比で10%になるようにM−1と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
各層形成に用いた化合物を下記に示す。
Figure 2014022306
形成した電子輸送層の上に、第1電極用外部取り出し端子および50mm×50mmの第2電極(陰極)形成用材料としてAlを5×10−4Paの真空下にてマスク蒸着し、厚さ100nmの第2電極を形成した。
さらに、第1電極および第2電極の外部取り出し端子が形成できるように、端部を除き第2電極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを基板としAlを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させ封止膜を形成し、発光エリア50mm×50mmの有機EL素子AOL−30を作製した。
接着剤として、2液性エポキシ配合樹脂(スリーボンド社製)2016Bと2103を100:3の割合で配合したものを用いた。
《有機EL素子AOL−31〜AOL−37の作製》
(1)透明導電性基板の作製
実施例1における透明導電性基板ACF−1〜ACF−7の作製において、透明基板を厚さ0.7mm、大きさ80mm×80mmの清浄な無アルカリガラス基板に変更し、更に電極パターニングのサイズを50mm×50mmに変更した他は、ACF−1〜ACF−7の作製と同様にして、透明導電性基板ACF−31〜ACF−37を作製した。
(2)有機EL素子の作製
有機EL素子AOL−30の作製において、透明導電性基板ACF−31〜AOL−37を用いて第1電極(陽極)とし、それ以外はAOL−30と同様にして、有機EL素子AOL−31〜AOL−37を作製した。
《有機EL素子の評価》
上記のように作製した各有機EL素子の発光効率を以下の方法で評価した。
(1)発光効率の測定
有機EL素子AOL−30〜AOL−37について、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を印加し300cdで発光させたときの発光効率(ルーメン/W)を測定し、AOL−30の発光効率を100としたときのそれぞれの相対値を表2に示した。
AOL−30〜AOL−37の有機層構成は同一であるから、発光効率の違いは主として導電性基板の光透過率の違いとみなすことができる。
尚、AOL−31とAOL−32は、第1電極と第2電極間の短絡が発生しており発光しなかった。
Figure 2014022306
(2)まとめ
表2に示すとおり、AOL−31とAOL−32は第1電極と第2電極間の短絡が発生して発光せず、AOL−33は発光効率が極めて低かった。
AOL−31については、金属細線パターンの平均高さが0.8μmであるのに対し、導電性ポリマー層の厚さが105nmと薄く、金属細線パターンの頂点を充分に覆えていないことが原因と思われた。
AOL−32については、多孔質アンカー層を覆うだけの厚さが導電性ポリマー層に不足しているため、多孔質アンカー層表面の凹凸に、有機層薄膜が追従せずに、リークポイントが生じたためと思われた。
AOL―33については、導電性ポリマー層を厚膜化して透明充填材を用いずに導電性ポリマー層のみでアンカー層を被覆したため、導電性ポリマー層の厚さに起因して導電性基板の光透過性が低くなり、内部発光を充分に取り出せていないことが原因と思われた。
これに対し、アンカー層を形成して金属細線パターンの間隙部分を透明充填材で充填した導電性基板を用いたAOL−34〜AOL−37では、発光効率が向上しており、電流リークの発生が抑制されたと考えられた。
なお、上記実施例1の導電性基板ACF−4〜ACF−7の電子顕微鏡による観察結果によれば、ACF−4、ACF−7はアンカー層の表面が透明充填材や金蔵細線パターンで被覆されていた(満たされていた)のに対し、ACF−5、ACF−6は透明充填材や金属細線パターンの金属細線部分がやや不足しアンカー層の表面がやや露出していた。しかし、表2の結果からAOL−34、AOL−35は発光効率が十分に向上しており、アンカー層の表面がやや露出したとしても発光効率には影響しないと考えられた。
1 導電性基板
2 透明基板
4 バリア層
6 第1電極層
8 第2電極層
10 アンカー層
12 金属細線パターン
14 透明充填材
20 上層部
30 透明充填材層

Claims (4)

  1. 透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性ポリマーを含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成された導電性基板において、
    前記第1電極層は、多孔質状のアンカー層中に金属細線パターンが形成され、前記アンカー層中における前記金属細線パターンの間隙が透明充填材で充填されていることを特徴とする導電性基板。
  2. 請求項1に記載の導電性基板において、
    前記アンカー層の比表面積は1.0×10〜1.0×10cm−1であることを特徴とする導電性基板。
  3. 請求項1または2に記載の導電性基板において、
    前記透明充填材は2μm厚で全光線透過率が90%以上の組成物で構成されていることを特徴とする導電性基板。
  4. 透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性ポリマーを含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成された導電性基板において、
    前記第1電極層は、多孔質状のアンカー層中に金属細線パターンが形成され、前記アンカー層中における前記金属細線パターンの間隙が透明充填材で充填され、
    前記アンカー層の比表面積は1.0×10〜1.0×10cm−1であり、
    前記透明充填材は2μm厚で全光線透過率が90%以上の組成物で構成されていることを特徴とする導電性基板。
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