JPWO2013175992A1 - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

充放電容量を向上させることが可能な全固体電池を提供する。全固体電池積層体(10)は、正極層(11)または負極層(12)の少なくともいずれか一方の電極層と、電極層に積層された固体電解質層(13)とを備える。固体電解質層(13)がリチウム含有リン酸化合物を含み、電極層が5価金属含有酸化物を含み、5価金属含有酸化物において5価金属の一部がリンで置換されている。

Description

本発明は、全固体電池に関する。
近年、携帯電話、携帯用パーソナルコンピュータ等の携帯用電子機器の電源として電池の需要が大幅に拡大している。このような用途に用いられる電池においては、イオンを移動させるための媒体として有機溶媒等の電解質(電解液)が従来から使用されている。
しかし、上記の構成の電池では、電解液が漏出するという危険性がある。また、電解液に用いられる有機溶媒等は可燃性物質である。このため、電池の安全性をさらに高めることが求められている。
そこで、電池の安全性を高めるための一つの対策は、電解質として、電解液に代えて、固体電解質を用いることが提案されている。さらに、電解質として固体電解質を用いるとともに、その他の構成要素も固体で構成されている全固体電池の開発が進められている。
たとえば、特開2007−5279号公報(以下、特許文献1という)には、不燃性の固体電解質を用いてすべての構成要素を固体で構成した全固体リチウム二次電池が提案されている。この全固体リチウム二次電池の製造方法として、第1リン酸化合物からなる電極活物質を含む電極層と、第2リン酸化合物からなる固体電解質を含む固体電解質層とを積層して加熱処理することによって、焼成体としての全固体電池の積層体を作製する方法が特許文献1に開示されている。
特開2007‐5279号公報
しかしながら、発明者らが、特許文献1に記載されているような全固体電池の製造方法を種々検討した結果、電極層と固体電解質層の界面で電極活物質が変異することにより、充放電容量が低下することがわかった。
したがって、本発明の目的は、充放電容量を向上させることが可能な全固体電池を提供することである。
発明者らが上記の課題を解決するために種々検討を重ねた結果、リチウム含有リン酸化合物を含む固体電解質層と、5価金属含有酸化物を含み、この5価金属含有酸化物において5価金属の一部がリンで置換されている電極層とを積層して焼成させると、固体電解質層と電極層との界面での接合性を向上させることができ、充放電容量を向上させることができることを見出した。このような発明者らの知見に基づいて、本発明は以下の特徴を備えている。
本発明に従った全固体電池は、正極層または負極層の少なくともいずれか一方の電極層と、電極層に積層された固体電解質層とを備える。固体電解質層がリチウム含有リン酸化合物を含み、電極層が5価金属含有酸化物を含み、5価金属含有酸化物において5価金属の一部がリンで置換されている。
本発明の全固体電池において、5価金属は、ニオブおよびバナジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属であることが好ましい。
また、5価金属含有酸化物が、M2-xx5(化学式中、MはNbおよびVからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含み、xは0<x≦1.33の範囲内の数値である)で表される酸化物であることが好ましい。
この場合、xは、0.11≦x≦1.00の範囲内の数値であることが好ましく、0.11≦x≦0.20の範囲内の数値であることがより好ましい。
本発明の全固体電池において、電極層はリチウム含有リン酸化合物を含むことが好ましい。
本発明によれば、固体電解質層と電極層との界面での接合性を向上させることができ、充放電容量を向上させることができる。
本発明の一つの実施形態として全固体電池積層体の断面構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例で作製された活物質のX線回折パターンを示す図である。 本発明の実施例と比較例で作製された固体電解質シートのX線回折パターンを示す図である。 本発明の実施例と比較例で作製された全固体電池の充放電曲線を示す図である。
図1に示すように、本発明の一つの実施の形態としての全固体電池積層体10は、正極層11、固体電解質層13、負極層12の順に積層された積層体で構成される。固体電解質層13の一方面に正極層11が配置され、固体電解質層13の一方面と反対側の他方面に負極層12が配置されている。いいかえれば、正極層11と負極層12とは、固体電解質層13を介して互いに対向する位置に設けられている。なお、正極層11と負極層12のそれぞれは、少なくとも電極活物質を含み、さらに固体電解質を含んでもよい。固体電解質層13は固体電解質を含む。正極層11と負極層12のそれぞれは、電子導電材として、炭素、金属、酸化物等を含んでもよい。
上記のように構成された全固体電池積層体10において、固体電解質層13がリチウム含有リン酸化合物を含み、正極層11または負極層12の少なくともいずれか一方の電極層が電極活物質として5価金属含有酸化物を含み、5価金属含有酸化物において5価金属の一部がリンで置換されている。
このように構成することにより、良好な充放電特性を示す全固体電池を得ることができ、充放電容量を向上させることができる。これは、固体電解質層13と正極層11または負極層12の少なくともいずれか一方の電極層との接合性が向上することにより、高い焼成密度とイオン伝導度を有する電極層が得られることによるものと考えられる。
5価金属は、ニオブおよびバナジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属であることが好ましい。5価金属としてニオブまたはバナジウムを用いることにより、焼成による充放電容量の低下を抑えることができる。
また、5価金属含有酸化物が、M2-xx5(化学式中、MはNbおよびVからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含み、xは0<x≦1.33の範囲内の数値である)で表される酸化物であることが好ましい。このような5価金属含有酸化物を用いることにより、固体電解質層13と電極層との接合性をより向上させることができる。
この場合、好ましくはxの数値を0.11≦x≦1.00の範囲内に限定することにより、充放電容量の低下を抑えることができるとともに、固体電解質層13と電極層との接合性をより顕著に向上させることができる。より好ましくはxの数値を0.11≦x≦0.20の範囲内に限定することにより、上記の効果をさらに高めることができる。
なお、正極層11または負極層12の少なくともいずれか一方の電極層は、固体電解質としてリチウム含有リン酸化合物を含むことが好ましい。
固体電解質層13に含められる固体電解質としてのリチウム含有リン酸化合物、あるいは、正極層11または負極層12に含められる固体電解質としてのリチウム含有リン酸化合物は、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物を用いることができる。ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物は、化学式Lixy(PO43(化学式中、xは1≦x≦2、yは1≦y≦2の範囲内の数値であり、MはTi、Ge、Al、GaおよびZrからなる群より選ばれた1種以上の元素を含む)で表わされ、たとえば、Li1.5Al0.5Ti1.5(PO43等である。この場合、上記化学式においてPの一部をB、Si等で置換してもよい。たとえば、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO43とLi1.2Al0.2Ti1.8(PO43等の、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の異なる組成を有する2つ以上の化合物を混合した混合物を用いてもよい。
また、上記の固体電解質に用いられるナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物としては、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の結晶相を含むもの、または、熱処理によりナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の結晶相を析出するガラスを用いてもよい。
なお、上記の固体電解質に用いられる材料としては、ナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物以外に、イオン伝導性を有し、電子伝導性が無視できるほど小さい材料を用いることが可能である。このような材料として、たとえば、リチウム酸素酸塩、および、これらの誘導体を挙げることができる。また、リン酸リチウム(Li3PO4)等のLi‐P‐O系化合物、リン酸リチウムに窒素を混ぜたLIPON(LiPO4-xx)、Li4SiO4等のLi‐Si‐O系化合物、Li‐P‐Si‐O系化合物、Li‐V‐Si‐O系化合物、La0.51Li0.35TiO2.94、La0.55Li0.35TiO3、Li3xLa2/3-xTiO3等のぺロブスカイト型構造を有する化合物、Li、La、Zrを有するガーネット型構造を有する化合物、等を挙げることができる。
正極層11に含められる正極活物質として上記の5価金属含有酸化物が用いられる場合には、負極層12に含められる負極活物質としては、MOx(MはTi、Si、Sn、Cr、Fe、NbおよびMoからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の元素を含む、xは0.9≦x≦2.0の範囲内の数値である)で表わされる組成を有する化合物を用いることができる。たとえば、TiO2とSiO2、等の異なる元素Mを含むMOxで表わされる組成を有する2つ以上の活物質を混合した混合物を用いてもよい。また、負極活物質としては、黒鉛-リチウム化合物、Li‐Al等のリチウム合金、Li32(PO43、Li3Fe2(PO43、Li4Ti512等の酸化物、等を用いることができる。なお、負極層12は、金属リチウムから形成されてもよい。
負極層12に含められる負極活物質として上記の5価金属含有酸化物が用いられる場合には、正極層11に含められる正極活物質としては、Li32(PO43等のナシコン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、LiFePO4、LiMnPO4等のオリビン型構造を有するリチウム含有リン酸化合物、LiCoO2、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32等の層状化合物、LiMn24、LiNi0.5Mn1.54、Li4Ti512等のスピネル型構造を有するリチウム含有化合物を用いることができる。
本発明の全固体電池積層体10においては、固体電解質層13が、ナシコン型構造のリチウム含有リン酸化合物からなる固体電解質を含み、正極層11または負極層12の少なくともいずれか一方が、ナシコン型構造のリチウム含有リン酸化合物からなる固体電解質を含むことが好ましい。
上述のように構成された全固体電池積層体10を製造するために、本発明では、まず、正極層11または負極層12の少なくともいずれか一方の未焼成体である未焼成電極層と、固体電解質層13の未焼成体である未焼成固体電解質層とを作製する(未焼成層作製工程)。特に本発明では、上記のリチウム含有リン酸化合物を含む材料から、固体電解質層13の未焼成体である未焼成固体電解質層を作製し、上記の5価金属含有酸化物を含む材料から、電極層の未焼成体である未焼成電極層を作製する。その後、作製された未焼成電極層と未焼成固体電解質層とを積層して積層体を形成する(積層体形成工程)。そして、得られた積層体を焼成する(焼成工程)。焼成により、正極層11および/または負極層12と固体電解質層13とが接合される。最後に、焼成した積層体を、たとえばコインセル内に封止する。封止方法は特に限定されない。たとえば、焼成後の積層体を樹脂で封止してもよい。また、Al23等の絶縁性を有する絶縁体ペーストを積層体の周囲に塗布またはディップして、この絶縁ペーストを熱処理することにより封止してもよい。
なお、正極層11と負極層12から効率的に電流を引き出すため、正極層11と負極層12の上に炭素層、金属層、酸化物層等の集電体層を形成してもよい。集電体層の形成方法は、たとえば、スパッタリング法が挙げられる。また、金属ペーストを塗布またはディップして、この金属ペーストを熱処理してもよい。
積層体形成工程では、正極層11、固体電解質層13、および、負極層12の未焼成体を積層して単電池構造の未焼成積層体を形成することが好ましい。さらに、積層体形成工程において、集電体の未焼成体を介在させて、上記の単電池構造の積層体を複数個、積層して積層体を形成してもよい。この場合、単電池構造の積層体を複数個、電気的に直列、または並列に積層してもよい。
上記の未焼成電極層と未焼成固体電解質層を形成する方法は特に限定されないが、グリーンシートを形成するためにドクターブレード法、ダイコーター、コンマコーター等、または、印刷層を形成するためにスクリーン印刷等を使用することができる。上記の未焼成電極層と未焼成固体電解質層を積層する方法は特に限定されないが、熱間等方圧プレス(HIP)、冷間等方圧プレス(CIP)、静水圧プレス(WIP)等を使用して未焼成電極層と未焼成固体電解質層を積層することができる。
グリーンシートまたは印刷層を形成するためのスラリーは、有機材料を溶剤に溶解した有機ビヒクルと、(正極活物質および固体電解質、負極活物質および固体電解質、第1成分および第2成分、または、集電体材料)とを湿式混合することによって作製することができる。湿式混合ではメディアを用いることができ、具体的には、ボールミル法、ビスコミル法等を用いることができる。一方、メディアを用いない湿式混合方法を用いてもよく、サンドミル法、高圧ホモジナイザー法、ニーダー分散法等を用いることができる。グリーンシートまたは印刷層を成形するためのスラリーに含まれる有機材料は特に限定されないが、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。
スラリーは可塑剤を含んでもよい。可塑剤の種類は特に限定されないが、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル等のフタル酸エステル等を使用してもよい。
焼成工程では、雰囲気は特に限定されないが、電極活物質に含まれる遷移金属の価数が変化しない条件で行うことが好ましい。焼成温度は400℃以上1000℃以下であることが好ましい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は一例であり、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
以下、負極活物質として、斜方晶の五酸化ニオブでニオブの一部がリンで置換されたものを用いて作製した全固体電池の実施例と、単斜晶の五酸化ニオブを用いて作製した全固体電池の比較例について説明する。
まず、実施例の全固体電池に用いられる負極活物質を以下のようにして作製した。
<負極活物質粉末の作製>
原料として、斜方晶の五酸化ニオブ(Nb25)とリン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)をモル比率で81.8:18.2になるように秤量し、容量が500mlのポリエチレン製の容器に封入して、容器を150rpmの回転数で16時間回転させることにより、原料の混合粉末を作製した。
得られた原料の混合粉末を、空気雰囲気中にて400℃の温度で3時間焼成することにより、焼成粉末を作製した。
得られた焼成粉末に水を加え、直径が5mmの玉石とともに容量が500mlのポリエチレン製の容器に封入して、容器を150rpmの回転数で16時間回転させることにより、焼成粉末を粉砕した。その後、温度が120℃のホットプレートの上で乾燥させることにより、粉砕粉末を作製した。
得られた粉砕粉末を窒素ガス雰囲気中にて1200℃の温度で10時間焼成することにより、実施例の全固体電池に用いられる負極活物質粉末を作製した。
<負極活物質粉末の評価>
X線回折装置(XRD)を用いて4.0°/分のスキャン速度、10°〜60°の測角範囲の条件で、上記で得られた負極活物質のX線回折パターンを測定した。測定された負極活物質粉末のX線回折パターンを図2に示す。図2には、5価金属の一部がリンで置換された酸化物であるP0.2Nb1.85のJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)カード(カード番号:16‐0838)のX線回折パターンと、斜方晶のNb25のJCPDSカード(カード番号:30‐0873)のX線回折パターンを合わせて示す。
図2から、負極活物質のX線回折パターンは、P0.2Nb1.85のX線回折パターンとほぼ一致し、負極活物質が斜方晶のNb25においてNbの一部がPで置換された5価金属酸化物であることが確認された。
次に、実施例と比較例の全固体電池を作製するために、以下のようにして、負極シートと固体電解質シートを作製した。
<負極シート、固体電解質シートの作製>
バインダとしてのポリビニルアルコールをトルエンとエタノールの混合溶媒に溶解させて、バインダ溶液を作製した。このバインダ溶液と、上記で得られた実施例の負極活物質としての斜方晶の五酸化ニオブ(Nb25)(ニオブの一部がリンで置換されたもの)、比較例の負極活物質としての単斜晶の五酸化ニオブ(Nb25)とを混合することにより、実施例と比較例の負極活物質スラリーを作製した。負極活物質とポリビニルアルコールの調合比は重量部で70:30とした。
上記のバインダ溶液と、固体電解質としてのナシコン型のリチウム含有リン酸化合物の一例であるLi1.5Al0.5Ge1.5(PO43(以下、LAGPという)のガラス粉末とを混合することにより、実施例と比較例で用いられる固体電解質スラリーを作製した。上記のガラス粉末とポリビニルアルコールの調合比は重量部で70:30とした。
上記で得られた実施例と比較例の負極活物質スラリーのそれぞれと固体電解質スラリーとを負極活物質とLAGPの調合比が重量部で50:50になるように混合することにより、実施例と比較例の負極スラリーを作製した。
得られた実施例と比較例の負極スラリーおよび固体電解質スラリーのそれぞれを、ドクターブレード法により50μmの厚みに成形することにより、実施例と比較例の負極シートおよび固体電解質シート(グリーンシート)を作製した。
次に、得られた実施例と比較例の負極シートの特性を以下のようにして評価した。
<負極シートの評価>
実施例と比較例の負極シートを酸素ガス雰囲気中で500℃の温度で2時間焼成することにより、ポリビニルアルコールの除去を行った後、窒素ガス雰囲気中で600℃の温度で2時間焼成することにより、焼成体としての実施例と比較例の負極シートを作製した。
X線回折装置(XRD)を用いて4.0°/分のスキャン速度、10°〜60°の測角範囲の条件で、焼成体としての実施例と比較例の負極シートのX線回折パターンを測定した。測定された実施例と比較例の負極シートのX線回折パターンを図3に示す。図3には、ナシコン型のリチウム含有リン酸化合物であるLiGe2(PO43のJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)カード(カード番号:80−1923)のX線回折パターンと、P0.2Nb1.85のJCPDSカードのX線回折パターン(カード番号:16−0838)と、単斜晶のNb25のJCPDSカード(カード番号:37−1468)のX線回折パターンを合わせて示す。
図3から、実施例の負極シートのX線回折パターンは、LiGe2(PO43とP0.2Nb1.85のX線回折パターンとほぼ一致し、固体電解質としてのLAGPと負極活物質としてのP0.2Nb1.85とが固相反応にて消失することなく、その骨格を維持できていることが確認された。
また、図3から、比較例の負極シートのX線回折パターンは、LiGe2(PO43と単斜晶のNb25のX線回折パターンとほぼ一致し、固体電解質としてのLAGPと負極活物質としての単斜晶のNb25とが固相反応にて消失することなく、その骨格を維持できていることが確認された。
以上のようにして得られた負極シートおよび固体電解質シート(グリーンシート)を用いて、実施例と比較例の全固体電池を作製した。
<全固体電池の作製>
直径が12mmの円形状にカットされた固体電解質シートの片面上に、直径が12mmの円形状にカットされた実施例と比較例の負極シートのそれぞれを積層して、80℃の温度で1トンの圧力を加えて熱圧着することにより、成形体としての実施例と比較例の負極−電解質積層体を作製した。
成形体としての実施例と比較例の負極−電解質積層体のそれぞれを2枚のアルミナ製のセラミックス板で挟んだ状態で酸素ガス雰囲気中にて500℃の温度で2時間焼成すること(焼成工程1)により、ポリビニルアルコールの除去を行った後、窒素ガス雰囲気中にて700℃の温度で2時間焼成すること(焼成工程2)により、負極層と固体電解質層を接合した。このようにして焼成体としての実施例と比較例の負極‐電解質積層体を作製した。
焼成体としての実施例と比較例の負極‐電解質積層体のそれぞれを100℃の温度で乾燥することにより、水分を除去した後、正極としての金属リチウム板の上にポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)ゲル電解質を塗布し、この塗布面に電解質側の面が接触するように、焼成体としての負極‐電解質積層体と金属リチウム板とを積層し、2032型のコインセルで封止して、実施例と比較例の全固体電池を作製した。
<全固体電池の評価>
得られた実施例と比較例の全固体電池の特性を以下のようにして評価した。
実施例と比較例の全固体電池のそれぞれを1.2〜3Vの電圧範囲で20μA/cm2の電流密度で定電流定電圧充放電を行った。その結果、いずれの全固体電池も問題なく、充放電動作することが確認された。得られた実施例と比較例の全固体電池の充放電曲線を図4に示す。
なお、上記の電池の評価では、負極層を構成する負極活物質へのリチウム挿入によって電位が下降することを充電、負極活物質からのリチウム脱離によって電位が上昇することを放電と定義する。
図4から、実施例の全固体電池の放電容量が約191mAh/gであり、比較例の全固体電池の放電容量が約58mAh/gであり、比較例の全固体電池では、実施例の全固体電池に比べて、充電電圧が低く、放電電圧が高いことが確認された。
以上の結果から、負極活物質として、斜方晶のNb25においてNbの一部がPで置換された5価金属酸化物であるP0.2Nb1.85を用いることにより、充放電容量が飛躍的に向上することが明らかとなった。これは、固体電解質層と負極層との界面の焼成密度およびイオン伝導度が向上したことによるものと考えられる。
さらに、図4から、比較例の全固体電池の充放電曲線では、直線的で平坦な部分が非常に少ないのに対し、実施例の全固体電池の充放電曲線では、電位の平坦な部分が多くなっていることから、本発明によれば、充放電時に過電圧を低減できることがわかる。
なお、図3から、負極層の加熱焼成時に負極活物質および固体電解質が副反応を起こさず、異相を生じさせず、かつ、構造変化が生じないことが明らかになった。
上記の実施例と比較例では、Nb2-xx5で表される5価金属酸化物において、x=0.2の場合であるP0.2Nb1.85(実施例)とx=0であるNb25(比較例)を負極活物質に用いた例について説明したが、リン(P)の置換量であるxを0≦x≦1.33の範囲で変化させた負極活物質を用いて、上述した方法で種々の全固体電池を作製した。得られた種々の全固体電池の特性を上記と同様にして評価し、放電容量を測定した。その結果を以下の表1に示す。
Figure 2013175992
表1から、好ましくはxの数値を0.11≦x≦1.00の範囲内に限定することにより、充放電容量を向上させることができることがわかる。より好ましくはxの数値を0.11≦x≦0.20の範囲内に限定することにより、上記の効果をさらに高めることができることがわかる。
なお、xの値を変化させた負極活物質では、xの値に応じて、すなわち、リンの置換量に応じて、結晶系の変化、または、組成の異なる二相からなる混相状態が生じるが、xの値が0<x≦1.33の範囲内では、いかなる結晶相においても、x=0であるNb25を負極活物質に用いた場合に比べて、放電容量が向上していることがわかる。これは焼成密度の向上と内部抵抗の低下によるものであると考えられる。
また、上記の実施例においては、負極活物質として、Nbの一部がPで置換されたNb2-xx5で表される5価金属酸化物についてのみ説明を行ったが、負極活物質は上記のニオブ酸化物に限られることはなく、5価金属としてバナジウムを用いたVの一部がPで置換されたV2-xx5であっても同様の効果が得られる。さらに、上記の実施の形態では、電極層として負極層に本発明を適用した例について説明したが、正極層に本発明を適用しても同様の効果が得られる。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
固体電解質層と電極層との界面での接合性を向上させることができ、充放電容量を向上させることができるので、本発明は全固体電池の製造に特に有用である。
10:全固体電池積層体、11:正極層、12:負極層、13:固体電解質層。

Claims (6)

  1. 正極層または負極層の少なくともいずれか一方の電極層と、
    前記電極層に積層された固体電解質層と、を備え、
    前記固体電解質層がリチウム含有リン酸化合物を含み、前記電極層が5価金属含有酸化物を含み、前記5価金属含有酸化物において5価金属の一部がリンで置換されている、全固体電池。
  2. 前記5価金属が、ニオブおよびバナジウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属である、請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記5価金属含有酸化物が、M2-xx5(化学式中、MはNbおよびVからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を含み、xは0<x≦1.33の範囲内の数値である)で表される酸化物である、請求項1または請求項2に記載の全固体電池。
  4. 前記xは0.11≦x≦1.00の範囲内の数値である、請求項3に記載の全固体電池。
  5. 前記xは0.11≦x≦0.20の範囲内の数値である、請求項3に記載の全固体電池。
  6. 前記電極層がリチウム含有リン酸化合物を含む、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の全固体電池。
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