JPWO2013175546A1 - エレベーター装置 - Google Patents
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Abstract
上昇時と下降時で異なる乗りかごの定格速度を有するエレベーターにあって、調速機に係る省スペース化及び構造の簡易化を図る。調速機ロープの上端が巻き掛けられた調速機プーリ(9b)を挟むように2系統のフライボール式調速部(100,200)を配置する。各調速部は、鉛直軸(103、203)の中間位置に介設され、鉛直軸上部を従動傘歯車(102,202)に対し遊動支持とするベアリング(108,208)と、従動傘歯車の内側に配置され、従動傘歯車の回転に応じて変位する振り子(109,209)と、振り子を付勢する調整ばね(111,211)と、鉛直軸のベアリングより上方に固定され、振り子を囲うように配置される速度検出回転体(112,212)と、速度検出回転体の内側に傾きを設けて形成され、正回転時に振り子と係合可能な爪部(113,213)とを備えている。
Description
本発明は、上昇時と下降時とで異なる乗りかごの定格速度を有するエレベーターの調速機、並びにこの調速機を備えたエレベーター装置に関するものである。
エレベーター装置には、一般的に、乗りかごの昇降速度を常時監視し、乗りかごが所定の過速状態に陥った際に乗りかごを非常停止させる調速機が備えられている。具体的には、調速機は、乗りかごの昇降速度が定格速度を超えて第1過速度(通常は定格速度の1.3倍を超えない速度)に達すると、乗りかごを駆動する巻上機の電源及び巻上機を制御する制御装置の電源をそれぞれ遮断することにより、乗りかごを安全に停止させる。また、調速機は、何らかの原因により乗りかごの下降速度が第1過速度を超えて第2過速度(通常は定格速度の1.4倍を超えない速度)に達すると、乗りかごに設けられた非常停止装置を動作させて、乗りかごを機械的に非常停止させる。
一方、近年、ビルの高層化に伴うエレベーター装置の高速化及び長行程化が進んでおり、このようなエレベーター装置にあっては、乗りかごの昇降による急激な気圧変化が発生し、乗客に耳が違和感を感じる耳閉感を与える。人間の耳は気圧が低下する乗りかごの上昇時の方が、気圧が上昇する乗りかごの下降時より順応しやすい特性があるため、上昇方向の乗りかごの定格速度(移動速度)より下降方向の定格速度を低く設定し、耳閉感の低減を図ったエレベーター装置が要求されている。このようなエレベーター装置にあって、所定の過速状態に陥った乗りかごを非常停止させるため、従来、上部調速機とは別に下部調速機を設け、上部調速機プーリと下部調速機プーリとの間に調速機ロープを巻き掛け、下降時と上昇時とで、過速度を別々に設定可能としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前述した従来のものでは、機械室や昇降路の頂部及び底部に配置される調速機プーリにそれぞれ調速機を設ける必要があり、多大な占有スペースを要すると共に、部品点数が増加して設備コストが掛かるという問題があった。
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、上昇時と下降時とで異なる乗りかごの定格速度を有するエレベーターにあって、調速機に係る省スペース化、及び部品点数の低減を図ることのできるエレベーター装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、昇降体である乗りかごおよび釣合おもりと、乗りかごおよび釣合おもりを昇降駆動する巻上機と、昇降路に調速機プーリを介して無端状に配置され乗りかごと連結されて昇降する調速機ロープと、調速機プーリの水平軸に装着され互いに反対方向のギヤ傾斜をもつ一対の駆動傘歯車と、駆動傘歯車と係合して互いに逆方向に回転する一対の従動傘歯車と、従動傘歯車の各々と鉛直軸を介して接続された一対の遠心式調速機と、遠心式調速機により検出された昇降体の上昇速度または下降速度が所定値を越えた場合に昇降体の駆動を停止する昇降体停止スイッチを備え、遠心式調速機は、乗りかごの上昇速度を制御する上昇用調速部と、乗りかごの下降速度を制御する下降用調速部を有し、下降用調速部の制限速度を上昇用調速部の制限速度より低く設定することを特徴としている。
本発明によれば、上昇時と下降時とで異なる乗りかごの定格速度を有するエレベーター装置にあって、乗りかごおよび釣合おもりを昇降駆動する巻上機と、昇降路に調速機プーリを介して無端状に配置され乗りかごと連結されて昇降する調速機ロープと、調速機プーリの水平軸に装着され互いに反対方向のギヤ傾斜をもつ一対の駆動傘歯車と、駆動傘歯車と係合して互いに逆方向に回転する一対の従動傘歯車と、従動傘歯車の各々と鉛直軸を介して接続された一対の遠心式調速機と、遠心式調速機により検出された昇降体の上昇速度または下降速度が所定値を越えた場合に昇降体の駆動を停止する昇降体停止スイッチを備え、遠心式調速機は乗りかごの上昇速度を制御する上昇用調速部と、乗りかごの下降速度を制御する下降用調速部を有し、下降用調速部の制限速度を上昇用調速部の制限速度より低く設定することにより、調速機の構造の簡易化を図り、これによって調速機に係る省スペース化を図って装置の汎用性を高めることができると共に、設備コストを低減することができる。
以下、本発明に係るエレベーター装置の実施例を図に基づき説明する。
〔基本構成〕
エレベーター装置は、図1に示すように、建屋に形成される昇降路1と、昇降路1の直上に設けられた機械室2と、昇降路1を昇降する昇降体即ち乗りかご3及び釣合おもり4と、乗りかご3と釣合おもり4とに連結される主ロープ5と、機械室2に設置されて主ロープ5を駆動する巻上機6と、昇降路1に立設されて乗りかご3の昇降を案内する乗りかご用ガイドレール7と、昇降路1に立設されて釣合おもり4の昇降を案内する釣合おもり用ガイドレール8と、乗りかご3の昇降速度を監視し、乗りかご3が所定の過速状態に陥った際に乗りかご3を非常停止させる調速機9と、乗りかご3に設けられ、乗りかご3を機械的に非常停止させる非常停止装置10とを備えている。
〔基本構成〕
エレベーター装置は、図1に示すように、建屋に形成される昇降路1と、昇降路1の直上に設けられた機械室2と、昇降路1を昇降する昇降体即ち乗りかご3及び釣合おもり4と、乗りかご3と釣合おもり4とに連結される主ロープ5と、機械室2に設置されて主ロープ5を駆動する巻上機6と、昇降路1に立設されて乗りかご3の昇降を案内する乗りかご用ガイドレール7と、昇降路1に立設されて釣合おもり4の昇降を案内する釣合おもり用ガイドレール8と、乗りかご3の昇降速度を監視し、乗りかご3が所定の過速状態に陥った際に乗りかご3を非常停止させる調速機9と、乗りかご3に設けられ、乗りかご3を機械的に非常停止させる非常停止装置10とを備えている。
調速機9は、図1に示すように、無端状をなし昇降路1に配置され一端が連結部材11を介して昇降体に連結された調速機ロープ9aと、後述する水平軸に固定されて調速機ロープ9aの上端の湾曲部が巻き掛けられた調速機プーリ9bと、昇降路1の下部に配設され、調速機ロープ9aの下端の湾曲部が巻き掛けられたプーリ9cとを備えている。
〔調速機〕
そして、本実施例の調速機9は、図2に示すように調速機プーリ9bを挟むように2系統のフライボール式調速部、即ち上昇用調速部100及び下降用調速部200が配置されている。
〔調速機〕
そして、本実施例の調速機9は、図2に示すように調速機プーリ9bを挟むように2系統のフライボール式調速部、即ち上昇用調速部100及び下降用調速部200が配置されている。
上昇用調速部100は、図2及び図3に示すように、調速機筐体9dに軸支された水平軸9eに固定され、調速機プーリ9bの一側にあってその回転中心と同心に配置された駆動傘歯車101と、駆動傘歯車101と噛み合う従動傘歯車102と、従動傘歯車102に支持される鉛直軸103と、鉛直軸103の上端部に枢持されたアーム104と、アーム104の下端に固定されたフライボール105と、鉛直軸103に嵌合された滑り筒106と、鉛直軸103に嵌合されて鉛直軸103の上端と滑り筒106との間に配置され、滑り筒106を下方へ付勢するばね107を有する。
図4Aに示すように、上昇用調速部100はさらに、従動傘歯車102の内側に回動自在に配置され、従動傘歯車102の回転に応じて変位する一対の振り子109と、振り子109を支持する振り子受け110と、振り子109を待機位置方向に付勢する調整ばね111と、鉛直軸103のベアリング108より上方に固定され、振り子109を囲うように配置される速度検出回転体112と、速度検出回転体112の内側に傾きを設けて形成され、正回転時に振り子109と係合可能な爪部113からなるワンウェイクラッチ装置を備えている。また、図4Bに示すように、鉛直軸103の中間位置に介設され、鉛直軸103上部を従動傘歯車102に対し遊動支持するベアリング108を有する。
振り子109と、振り子受け110と、調整ばね111と、爪部113は、鉛直軸103のベアリング108より下方に固定されている。
一方、下降用調速部200は、図2に示すように、調速機筐体9dに軸支された水平軸9eに固定され、調速機プーリ9bの他側にあってその回転中心と同心に配置された駆動傘歯車201と、駆動傘歯車201と噛み合う従動傘歯車202と、従動傘歯車202に固定される鉛直軸203と、鉛直軸203の上端部に枢持されたアーム204と、アーム204の下端に固定されたフライボール205と、鉛直軸203に嵌合された滑り筒206と、鉛直軸203に嵌合されて鉛直軸203の上端と滑り筒206との間に配置され、滑り筒206を下方へ付勢するばね207を有する。
また、図5Aに示すように、従動傘歯車202の内側に配置され、従動傘歯車202の回転に応じて変位する振り子209と、鉛直軸203のベアリング208より下方に固定され、振り子209を支持する振り子受け210と、振り子209を待機位置方向に付勢する調整ばね211と、鉛直軸203のベアリング208より上方に固定され、振り子209を囲うように配置される速度検出回転体212と、速度検出回転体212の内側に傾きを設けて形成され、正回転時に振り子209と係合可能な爪部213からなるワンウェイクラッチ装置を備えている。また、図5Bに示すように、鉛直軸203の中間位置に介設され、鉛直軸203上部を従動傘歯車202に対し遊動支持するベアリング208を有する。
振り子209と、振り子受け210と、振り子209を待機位置方向に付勢する調整ばね211と、爪部213は、鉛直軸203のベアリング208より下方に固定されている。
図2に示すように、滑り筒106、206には、乗りかご3の昇降速度が定格速度を超えて第1過速度に達したときに動作して乗りかご3、釣合おもり4を駆動停止させる昇降体停止スイッチ12が接続されている。
〔定格速度〕
本実施例のエレベーター装置は、乗りかご3の昇降による急激な気圧変化により、乗客の耳閉感を低減するため、上昇方向の定格速度Aより下降方向の定格速度Bを低く設定してある。これに応じて、上昇用調速部100は乗りかご3の上昇速度が定格速度Aを超えて第1過速度1.3Aに達すると、乗りかご3を駆動する巻上機6の電源及び巻上機6を制御する制御装置の電源をそれぞれ遮断する。
〔定格速度〕
本実施例のエレベーター装置は、乗りかご3の昇降による急激な気圧変化により、乗客の耳閉感を低減するため、上昇方向の定格速度Aより下降方向の定格速度Bを低く設定してある。これに応じて、上昇用調速部100は乗りかご3の上昇速度が定格速度Aを超えて第1過速度1.3Aに達すると、乗りかご3を駆動する巻上機6の電源及び巻上機6を制御する制御装置の電源をそれぞれ遮断する。
一方、下降用調速部200は、乗りかご3の下降速度が定格速度を超えて第1過速度1.3Bに達すると、乗りかご3を駆動する巻上機6の電源及び巻上機6を制御する制御装置の電源をそれぞれ遮断する。さらに、何らかの原因により乗りかごの下降速度が第1過速度を超えて第2過速度1.4Bに達すると、乗りかご3に設けられた非常停止装置10を動作させて、乗りかご3を機械的に非常停止させる。
このように上昇方向における所定の過速度を検出すると共に、下降方向における上昇方向とは異なる所定の過速度を検出するため、上昇用調速部100のばね107のバネ定数を下降用調速部200のばね207のバネ定数より大きく設定している。
本実施例にあっては、上昇用調速部100の駆動傘歯車101と従動傘歯車102、及び下降用調速部200の駆動傘歯車201と従動傘歯車202は常に噛み合った状態となっており、乗りかご3が上昇すると、調速機プーリ9b及び駆動傘歯車101を介して従動傘歯車102は正回転し、調速機プーリ9b及び駆動傘歯車201を介して従動傘歯車202は逆回転する。一方、乗りかご3が下降すると、調速機プーリ9b及び駆動傘歯車101を介して従動傘歯車102は逆回転し、調速機プーリ9b及び駆動傘歯車201を介して従動傘歯車202は正回転する。
このような同じ回転方向で作動するワンウェイクラッチ装置を互いに逆方向に回転する従動傘歯車に設けることにより、上昇用調速部と下降用調速部の動作を自動的に切り替えることができる。
〔かご上昇制御〕
図4A、4Bにおいて、乗りかご3が上昇を開始すると、調速機プーリ9b及び駆動傘歯車101を介して従動傘歯車102は上方からみて時計方向に正回転を始める。このとき、上昇用調速部100の鉛直軸103下部は従動傘歯車102と共に回転するが、鉛直軸103上部はベアリング108により従動傘歯車102に対し遊動支持となっていることから回転しない。速度上昇に応じて従動傘歯車102の回転速度が上昇し、遠心力により振り子受け110に軸支された振り子109の解放端が待機位置から調整ばね111の付勢力に抗して外側に向かって変位する。
〔かご上昇制御〕
図4A、4Bにおいて、乗りかご3が上昇を開始すると、調速機プーリ9b及び駆動傘歯車101を介して従動傘歯車102は上方からみて時計方向に正回転を始める。このとき、上昇用調速部100の鉛直軸103下部は従動傘歯車102と共に回転するが、鉛直軸103上部はベアリング108により従動傘歯車102に対し遊動支持となっていることから回転しない。速度上昇に応じて従動傘歯車102の回転速度が上昇し、遠心力により振り子受け110に軸支された振り子109の解放端が待機位置から調整ばね111の付勢力に抗して外側に向かって変位する。
さらに速度が上昇することで、図6A、6Bに示すように、振り子109の解放端と速度検出回転体112の内側に形成された爪部113が係合し、従動傘歯車102の回転が振り子109を介して速度検出回転体112に伝えられて速度検出回転体112も回転し、これに応じて鉛直軸103上部も回転する。
乗りかご3上昇時において、下降用調速部200の従動傘歯車202は従動傘歯車102に対し逆回転することで、振り子209の解放端が調整ばね211の付勢力に抗して外側に向かって変位し、速度検出回転体212の内側に形成された爪部213と当接する。しかし、図7A、7Bに示すように、爪部213の傾斜、及び調整ばね211の弾性により、振り子209の解放端は爪部213を容易に乗り越え、振り子209の解放端が爪部213と係合することはなく、したがって、従動傘歯車202に伴って速度検出回転体212が回転することはない。すなわち振り子9と爪部213はトルク伝達のないフリーホイールとして作動する。
そして、前述のように鉛直軸103上部が回転することで、回転速度に応じてフライボール105が公転し、遠心力によりばね107の付勢力に抗して上昇する。フライボール105の上昇により滑り筒106が上昇変位する。そして、鉛直軸103の回転速度、すなわち、乗りかご3の上昇速度が定格速度を超えて第1過速度1.3Aに達したときに昇降体停止スイッチ12が動作し、巻上機6の電源が遮断され、乗りかご3が停止される。
なお、乗りかご3が目的階着床に向けて減速すると、従動傘歯車102の回転速度も低下し、これによって、振り子109の解放端は調整ばね111の付勢力により待機位置方向に変位し、振り子109の解放端と速度検出回転体112の爪部113との係合が解放され、速度検出回転体112及び鉛直軸103上部の回転は減速し、次いで停止する。この後、振り子109の解放端は調整ばね111の付勢力により待機位置にリトラクトされる。
〔かご下降制御〕
次に、乗りかご3が下降を開始すると、調速機プーリ9b及び駆動傘歯車201を介して従動傘歯車202は正回転を始める。このとき、鉛直軸203下部は従動傘歯車202と共に回転するが、鉛直軸203上部はベアリング208により従動傘歯車202に対し遊動支持となっていることから回転しない。速度上昇に応じて従動傘歯車202の回転速度も上昇し、遠心力により振り子受け210に軸支された振り子209の解放端が調整ばね211の付勢力に抗して外側に向かって変位する。
〔かご下降制御〕
次に、乗りかご3が下降を開始すると、調速機プーリ9b及び駆動傘歯車201を介して従動傘歯車202は正回転を始める。このとき、鉛直軸203下部は従動傘歯車202と共に回転するが、鉛直軸203上部はベアリング208により従動傘歯車202に対し遊動支持となっていることから回転しない。速度上昇に応じて従動傘歯車202の回転速度も上昇し、遠心力により振り子受け210に軸支された振り子209の解放端が調整ばね211の付勢力に抗して外側に向かって変位する。
さらに速度が上昇することで、図8A、8Bに示すように、振り子209の解放端と速度検出回転体212の内側に形成された爪部213が係合し、従動傘歯車202の回転が振り子209を介して速度検出回転体212に伝えられて速度検出回転体212も回転し、これに応じて鉛直軸203上部も回転する。
乗りかご3下降時、上昇用調速部100の従動傘歯車102が逆回転することで、振り子109の解放端が調整ばね111の付勢力に抗して外側に向かって変位し、速度検出回転体112の内側に形成された爪部113と当接する。
しかし、図9A、9Bに示すように、爪部113の傾斜、及び調整ばね111の弾性により、振り子109の解放端は爪部113を容易に乗り越え、振り子109の解放端が爪部113と係合することはなく、したがって、従動傘歯車102に伴って速度検出回転体112が回転することはない。すなわち振り子9と爪部113はトルク伝達のないフリーホイールとして作動する。
そして、前述のように鉛直軸203上部が回転することで、回転速度に応じてフライボール205が公転し、遠心力によりばね207の付勢力に抗して上昇する。フライボール205の上昇により滑り筒206が上昇変位する。また、鉛直軸203の回転速度、すなわち、乗りかご3の下降速度が定格速度Bを超えて第1過速度1.3Bに達したときに昇降体停止スイッチ12が動作し、巻上機6の電源が遮断され、乗りかご3が停止される。さらに、何らかの原因により乗りかご3が下降方向にさらに過速し、第1過速度1.3Bを超えて第2過速度1.4Bに達したときには、図示しないキャッチウェイトにより機械的に調速機ロープ9aの把持動作が行われ、連結部材11を介して非常停止装置10を作動させることにより、乗りかご3の非常停止動作が行われる。
なお、乗りかご3が目的階着床に向けて減速すると、従動傘歯車202の回転速度も低下し、これによって、振り子209の解放端は調整ばね211の付勢力により待機位置方向に変位し、振り子209の解放端と速度検出回転体212の爪部213との係合が解放され、速度検出回転体212及び鉛直軸203上部の回転は減速し、次いで停止する。この後、振り子209の解放端は調整ばね211の付勢力により待機位置にリトラクトされる。
本実施例によれば、上昇時と下降時とで異なる乗りかご3の定格速度を有するエレベーター装置にあって、上昇速度または下降速度を制御する調速機を一体化して調速機9の構造の簡易化を図り、これによって、調速機9に係る省スペース化を図って装置の汎用性を高めることができると共に、設備コストを低減することができる。
〔応用例〕
上記の構成において、一対の駆動傘歯車と従動傘歯車は調速機プーリを挟んで水平軸に配置されており、もっともコンパクトに構成できる。しかし、一対の駆動傘歯車は例えば調速機プーリの片側にのみ配置しても良い。但し、一対の駆動傘歯車は互いに逆方向のギヤ傾斜をもち、これに係合する従動傘歯車が互いに逆方向に回転するように構成する必要がある。これによって、上昇時の調速と下降時の調速を切り分けることができる。
〔応用例〕
上記の構成において、一対の駆動傘歯車と従動傘歯車は調速機プーリを挟んで水平軸に配置されており、もっともコンパクトに構成できる。しかし、一対の駆動傘歯車は例えば調速機プーリの片側にのみ配置しても良い。但し、一対の駆動傘歯車は互いに逆方向のギヤ傾斜をもち、これに係合する従動傘歯車が互いに逆方向に回転するように構成する必要がある。これによって、上昇時の調速と下降時の調速を切り分けることができる。
なお、前述した実施例では、乗りかご3停止時に振り子109、209は待機位置にあり、乗りかご速度上昇に応じて遠心力により振り子109、209の解放端が調整ばね111、211の付勢力に抗して外側に向かって変位するように構成している。
しかし、本発明はこれに限らず、振り子109、209を乗りかご3停止時からあらかじめ調整ばね111、211の付勢力により速度検出回転体112、212の内側に押し付けた状態とし、正回転のときに、振り子109、209と速度検出回転体112、212の内側に形成された爪部113、213を係合状態とし、速度検出回転体112、212を回転させて過速度検出状態とすると共に、逆回転のときに、爪部113、213の傾斜、及び調整ばね111、211の弾性により、振り子109、209が爪部113、213を容易に乗り越えるようにし、振り子109、209と爪部113、213を非係合状態とし、過速度非検出状態とするようにしてもよい。
1 昇降路
3 乗りかご
4 釣合おもり
5 主ロープ
6 巻上機
9 調速機
9a 調速機ロープ
9b 調速機プーリ
9c プーリ
9e 水平軸
100 上昇用調速部
200 下降用調速部
101、201 駆動傘歯車
102、202 従動傘歯車
103、203 鉛直軸
104、204 アーム
105、205 フライボール
106、206 滑り筒
107、207 ばね
108、208 ベアリング
109、209 振り子
110、210 振り子受け
111、211 調整ばね
112、212 速度検出回転体
113、213 爪部
10 非常停止装置
11 連結部材
12 昇降体停止スイッチ
3 乗りかご
4 釣合おもり
5 主ロープ
6 巻上機
9 調速機
9a 調速機ロープ
9b 調速機プーリ
9c プーリ
9e 水平軸
100 上昇用調速部
200 下降用調速部
101、201 駆動傘歯車
102、202 従動傘歯車
103、203 鉛直軸
104、204 アーム
105、205 フライボール
106、206 滑り筒
107、207 ばね
108、208 ベアリング
109、209 振り子
110、210 振り子受け
111、211 調整ばね
112、212 速度検出回転体
113、213 爪部
10 非常停止装置
11 連結部材
12 昇降体停止スイッチ
Claims (6)
- 昇降体である乗りかごおよび釣合おもりと、前記乗りかごおよび釣合おもりを昇降駆動する巻上機と、昇降路に調速機プーリを介して無端状に配置され前記乗りかごと連結されて昇降する調速機ロープと、前記調速機プーリの水平軸に装着され互いに反対方向のギヤ傾斜をもつ一対の駆動傘歯車と、該駆動傘歯車と係合して互いに逆方向に回転する一対の従動傘歯車と、該従動傘歯車の各々と鉛直軸を介して接続された一対の遠心式調速機と、該遠心式調速機により検出された前記昇降体の上昇速度または下降速度が所定値を越えた場合に前記昇降体の駆動を停止する昇降体停止スイッチを備え、前記遠心式調速機は、前記乗りかごの上昇速度を制御する上昇用調速部と、前記乗りかごの下降速度を制御する下降用調速部を有し、前記下降用調速部の制限速度を前記上昇用調速部の制限速度より低く設定することを特徴とするエレベーター装置。
- 請求項1に記載されたエレベーター装置において、前記調速機プーリの水平軸に装着され互いに反対方向のギヤ傾斜をもつ一対の前記駆動傘歯車を、前記調速機プーリを挟んで反対側に配置したことを特徴とするエレベーター装置。
- 請求項1又は2に記載されたエレベーター装置において、前記上昇用調速部に前記鉛直軸を介して接続される前記従動傘歯車、および前記下降用調速部に前記鉛直軸を介して接続される前記従動傘歯車に、該従動傘歯車の回転速度が同一方向で一定値を越えた場合に前記従動傘歯車の回転を前記鉛直軸に伝達するワンウェイクラッチ装置を設けたことを特徴とするエレベーター装置。
- 請求項3に記載されたエレベーター装置において、前記ワンウェイクラッチ装置は、前記鉛直軸の中間位置に介設されて前記鉛直軸上部を前記従動傘歯車に対し遊動支持するベアリングと、前記従動傘歯車の内側に配置され、該従動傘歯車の回転に応じて変位する振り子と、該振り子を前記鉛直軸側に付勢する調整ばねと、前記鉛直軸の前記ベアリングより上方に固定され、前記振り子外周に配置される速度検出回転体と、該速度検出回転体の内側に傾きを設けて形成され、正回転時に前記振り子と係合する爪部とを有することを特徴とするエレベーター装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載されたエレベーター装置において、前記遠心式調速機は、前記従動傘歯車に支持される鉛直軸と、該鉛直軸の上端部に枢持されたアームと、該アームの下端に固定されたフライボールと、前記鉛直軸に嵌合された滑り筒と、前記鉛直軸に嵌合されて前記鉛直軸の上端と前記滑り筒との間に配置され、前記滑り筒を下方へ付勢するばねとを有するフライボール式調速機として構成したことを特徴とするエレベーター装置。
- 請求項5に記載されたエレベーター装置において、前記上昇用調速部において前記滑り筒を付勢するばねのバネ定数を、前記下降用調速部において前記滑り筒を付勢するばねのバネ定数よりも大きく設定したことを特徴とするエレベーター装置。
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