JP4326255B2 - エレベータ用ガバナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータのかごの速度が異常に増大したとき、これを検出して停止させるために用いられるエレベータ用ガバナに関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は一般的なエレベータの概略構成図である。機械室に設置された巻上機101のシーブ102の外周部にメインロープ103が巻き掛けられ、その一端にかご104が吊り下げられ、他端に釣り合いおもり105が吊り下げられている。シーブ102が回転することで、シーブ102とメインロープ103との間に生じる摩擦力によりかご104及び釣り合いおもり105が昇降路内を昇降する。
【0003】
106はガバナで、メインロープ103が切れたり、あるいは制御不能に陥って、かご104が定められた速度(以後、定格速度と記す)以上の速度で昇降するような状況に陥ったとき、これを検知するためのものである。
【0004】
ガバナ106は、機械室の床面に設置されたベース(図示せず)に回転自在に軸支されたガバナシーブ107と、このガバナシーブ107の外周部に巻き掛けられ、垂直下方に延びる無端状のガバナロープ108と、このガバナロープ108の下端部に吊り下げられたガバナテンショナ109とから成っている。
【0005】
ガバナロープ108の一方の側端部はかご104の下部に設置された非常止め装置110のアーム110aに取り付けられている。ガバナテンショナ109は、ガバナロープ108に張力を与えて必要なトラクションを得るためのもので、外周部にガバナロープ108が巻き掛けられたプーリ109aと、これに吊り下げられた錘り(図示せず)とから成っている。
【0006】
かご104が定格速度以上の速度で昇降するような状況になったとき、ガバナ106はこれを検知し、電気安全装置(後述)を動作させて巻上機101の動力を遮断すると共に巻上機101のブレーキ(図示せず)を動作させることでかご104を減速させようとする。
【0007】
それでもなお、かご104の速度が増大する場合には、ガバナロープ掴み装置111(図10参照)が作動してガバナロープ108を掴んで停止させ、かご104に取り付けられた非常止め装置110を作動させる。非常止め装置110は、かご104をガイドしているメインレール(図示せず)を掴み、かご104を強制的に減速させる。
【0008】
図10は一般的なガバナの要部正面図、図11は図10の平面図である。112は振り子で、ガバナシーブ107に支持され、ガバナシーブ107の回転により生じる遠心力によりガバナシーブ107の外周部に向けて移動し、先端部のカム113がガバナシーブ107の外周部から突出して電気安全装置114のアーム114aと接触する。これによって、電気安全装置114内部のバネ(図示せず)の付勢力により接点が離れて巻上機101の動力が遮断される。このタイプのガバナは構造がシンプルで、信頼性が高く、製造コストも他のガバナと比べて安価である。
【0009】
近年、海外への輸出も視野に入れ、グローバルな機構を有するガバナが必要とされるようになってきている。そのグローバル化によって、電気安全装置が動作の確実性を得るために接点の強制開離機構を備える必要が生じてきている。
【0010】
図12は、この種の機構の概略構成図である。フレーム115に左右一対の接点116Aが固定され、その下側には、接点116Aと対向する左右一対の接点116Bを支持した接点支持板117が配置され、この接点支持板117はフレーム115に上下動可能に取り付けられている。接点支持板117はバネ118により上方に付勢されていて、これによって各接点116Bが接点116Aに押し付けられている。接点支持板117の上方には接点開閉軸119がフレーム115に垂直かつ上下動可能に支持されている。
【0011】
図13(a)に示すように、接点開閉軸119を矢印方向に加圧すると、接点支持板117がバネ118の付勢力に抗して下方に押され、まず、図13(b)に示すように、溶着していない接点116Bが接点116Aから離れ、次いで、図13(c)に示すように、溶着している接点116Bが接点116Aから離れる。このように、接点116A、116B間に直接引き離す力を与えることで、溶着している接点116A、116Bを強制的に引き離すことができるため、ガバナの誤作動を防ぐことができる。なお、本図には接点開閉軸119の復帰用のバネについては図示していない。
【0012】
図14、15は、この強制開離機構を有する電気安全装置を用いたガバナの一例を示しており、図14は要部正面図、図15は図14の側面図である。
【0013】
このガバナでは、ガバナシーブ107の片面に略円板状のプレート120と矩形板状のカム121とが同心状に固定されている。プレート120の周縁部には四個の鈎溝122がカム121の角部と対向するように設けられている。123はロッカーアームで、機械室の床面に設置されたベース(図示せず)に支点124を中心として回動自在に支持され、一端にローラ125、他端に鈎状部126を備えている。
【0014】
ガバナシーブ107が回転すると、図16(a)、(b)に示すように、ローラ125がカム121の外周面に沿って転動し、ロッカーアーム123は支点124を中心として回動する。ガバナシーブ107の回転速度が電気安全装置114を動作させる速度に達すると、もはやローラ125はカム121に追従できなくなり、図14(c)に示すように、ロッカーアーム123はカム121により跳ね上げられることになる。
【0015】
すると、図14(d)に示すように、支点124の近傍に設置された電気安全装置114の接点開閉軸119がロッカーアーム123で押圧され、接点が離れて巻上機が停止する。通常、エレベータは、巻上機への電力の供給が遮断すると、自己保持するブレーキ(図示せず)が動作して減速を始めるが、それでもなお、かごの速度が増加するような異常が発生すると(例えば、メインロープの破断によって、巻上機のブレーキを動作させてもかごが減速できない場合等)、ガバナロープ108(図9参照)がかご下に取り付けられた非常止め装置110を動作させる。
【0016】
ここで示した例では、ガバナシーブ107の回転速度が非常止め装置110を動作させる速度に達すると、ロッカーアーム123がさらに回動し、図16(e)に示すように、鈎状部126が鈎溝122に嵌まり込んでガバナシーブ107の回転を停止させる。ガバナシーブ107が停止すると、ガバナシーブ107の外周部上に巻き付いているガバナロープ108(図9参照)も停止する。これによってガバナロープ108に取り付けられている非常止め装置110のアーム110aが引き上げられて非常止め装置110が動作し、かご104が停止する。
【0017】
このガバナでは、ロッカーアーム123の移動量が大きいため、電気安全装置114の接点開閉軸119の動作ストロークを十分に確保することができる。また、非常止め装置110が動作した状態下において、電気安全装置113の接点が離れた状態を維持しているため、上述したグローバルな要求も満たされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構造のガバナの場合、トリッピング速度(電気安全装置113を動作させるべき速度)が高くなるにつれ、安定した動作を得るためにはカム121の形状を変える必要があり、個々のエレベータ毎に、かごの定格速度に合わせて複数種類のガバナを用意する必要がある。
【0019】
また、ローラ125がカム121の外周面上を転動する機構であるため、ガバナのトリッピング速度が大きくなるほどローラ125の転動音により騒音が大きくなる可能性が有る。
【0020】
また、ローラ125がカム121上を転動するため、ローラ125の転動面の劣化によりガバナ作動時の速度が安定しないことも考えられる。
【0021】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、グローバルな要求に対応することができると共に広範囲のトリッピング速度に対応することができ、低騒音で、かつ信頼性が高いガバナを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るエレベータ用ガバナは、回転自在に軸支されたガバナシーブと、前記ガバナシーブの近傍に設置され、被駆動部が駆動されることにより接点を引き離して巻上機への動力の供給を遮断する電気安全装置と、前記ガバナシーブに支持され、前記ガバナシーブの回転により生じる遠心力により前記ガバナシーブに対して移動すると共に前記ガバナシーブの外周部から突出して前記被駆動部を駆動する振り子と、前記振り子を前記遠心力による移動方向と背反する方向に付勢する第1の付勢部材、及び前記振り子の移動距離が、第1の所定移動距離より小さい場合に前記振り子を前記移動方向と背反する方向に付勢し前記第1の所定移動距離より大きい場合に前記振り子を前記移動方向に付勢する第2の付勢部材を有する動作機構と、を具備し、前記第1及び第2の付勢部材のバネ特性は、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材との付勢力の合力が、前記振り子の移動距離が前記第1の所定移動距離より小さい第2の所定移動距離で極大値をとると共に前記振り子の移動距離が前記第1の所定移動距離より大きい第3の所定移動距離で前記極大値と同じ値になるよう設定されていることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。図1は本発明の一実施形態であるガバナの要部正面図、図2(a)〜(c)は図1の要部拡大図であり、ポップアクション機構の一部破断正面図、(d)は(a)の左側面図、図3は電気安全装置の斜視図、図4は電気安全装置の断面図、図5は巻上機の動力供給回路の構成図、図6は振り子の移動距離に対する振り子バネの力、ポップアクションバネの力、振り子バネとポップアクションバネの合力の変化を示すグラフ、図7は電気安全装置の動作説明図、図8は振り子の側面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のガバナは、ガバナシーブ1と、このガバナシーブ1の外周部の近傍に設置された電気安全装置2と、ガバナシーブ1の一方の面に支持された一対の振り子3と、ガバナシーブ1と一方の振り子3との間に設けられた動作機構4とを備えている。
【0025】
ガバナシーブ1は、機械室の床面に設置されたベース(図示せず)に垂直かつ中心点まわりに回転自在に軸支されており、その外周部には無端状のガバナロープ(図示せず)の上端部が巻き掛けられている。そして、このガバナロープの一方の側端部はかご(図示せず)の下部に設けられた非常止め装置に取り付けられている。
【0026】
振り子3は支軸5を介してガバナシーブ1に回転自在に軸支され、一端にガバナシーブ1の外周部に向けて突出したカム6を有している。また、振り子3は連結アーム7を介して相互に連結されている。この連結アーム7は支軸8を介してガバナシーブ1に左右方向に摺動自在に支持されており、一端が支軸9を介して一方の振り子3の他端に回転自在に軸支され、他端が支軸10を介して他方の振り子3の他端に回転自在に軸支されている。
【0027】
図2に示すように、動作機構4は、ガバナシーブ1に固定された支持部11を備えており、この支持部11にはスライド軸12が軸方向に摺動自在に支持されている。スライド軸12は小径部13と大径部14とから成っており、小径部13の先端部は支軸15(図1(a)参照)を介して一方の振り子3の他端に回動自在に枢着されている。
【0028】
小径部13の外周部にはネジが形成されており、フランジ付きのナット16が螺着されている。このナット16と支持部11との間にはコイル状の振り子バネ17がスライド軸12と同軸状に張装されており、スライド軸12を図2の右方向に付勢している。ナット16を回転させることにより振り子バネ17が圧縮又は伸長され、スライド軸12を付勢する力が変化する。振り子バネ17を第1の付勢部材とする。
【0029】
大径部14は一対のポップアクション機構18を介して支持部11に連結されている。このポップアクション機構18は、支持部11に回動自在に軸支された第1のバネ受け19と、大径部14に回動自在に軸支された第2のバネ受け20と、第1のバネ受け19と第2のバネ受け20とを連結すると共に軸方向に伸縮自在の伸縮軸21と、第1のバネ受け19と第2のバネ受け20との間に伸縮軸21と同軸状に張装されたコイル状のポップアクションバネ22とを備えており、図2(a)の状態ではスライド軸12を右方向に付勢している。なお、二つのポップアクションバネ22の付勢力の合力は振り子バネ17の付勢力よりも大きくなっている。ポップアクションバネ22を第2の付勢部材とする。
【0030】
図3に示すように、電気安全装置2は直方体状のケース23を備えており、このケース23の両側壁にはクランク状のカム24(図4参照)の回転軸25が軸線まわりに回転自在に軸支されている。回転軸25の一端はケース23の一方の側壁から突出しており、先端部にはローラアーム26の一端が固定されている。なお、ローラアーム26の他端にはローラ27が回転自在に取り付けられている。回転軸25におけるケース23から突出した部分には軸方向に延びるリブ25aが形成されており、ケース23の一方の側壁には、このリブ25aが嵌まり込む切欠部23aが形成されている。
【0031】
回転軸25の他端はケース23の他方の側壁から突出しており、その先端部にはバネ受け28が螺着されている。このバネ受け28とケース23の他方の側壁との間にはコイル状のバネ29が回転軸25と同軸状に張装されており、回転軸25を図4の右方向に付勢している。
【0032】
図4に示すように、ケース23の内部には、接点開閉軸30が回転軸25と直交するように配置されている。この接点開閉軸30は、基部31と、これよりも小径の縮径部32とから成っている。縮径部32の先端部はケース23の内部に形成された支持部33を摺動自在に貫通しており、縮径部32の基端部はケース23内に遊挿された接点支持板34を摺動自在に貫通している。
【0033】
縮径部32にはフランジ部35が形成されていて、このフランジ部35と支持部33の間にはコイル状のバネ37が縮径部32と同軸状に張装されていて、接点開閉軸30をカム24に向けて付勢しており、基部31の先端部をカム24に圧接している。また、フランジ部35と接点支持板34の間にはコイル状のバネ38が縮径部32と同軸状に張装されていて、接点支持板34をカム24の方向に付勢している。
【0034】
ケース23の両側壁の内面には、カム24と接点支持板34の間に位置するように接点支持部39が形成されており、各接点支持部39における接点支持板34と対向する面にはそれぞれ接点40Aが取り付けられている。一方、接点支持板34の両側端部には、接点40Aと対向するように接点40Bが取り付けられている。各接点40Bはバネ37の付勢力によりそれぞれ接点40Aに圧接されている。
【0035】
接点40A、40Bが離れると、図5に示すように、巻上機41への電力供給を行っているコンタクタ42のコイルへの電力供給が絶たれて巻上機41への動力の供給が遮断され、巻上機41が停止するようになっている。
【0036】
上記のように構成されたガバナは、かごが昇降すると、ガバナシーブ1(図1参照)が回転するため、各振り子3に遠心力が作用するが、動作機構4により一方の振り子3が遠心力による移動方向と逆方向に付勢されているため、ガバナシーブ1の回転速度がトリッピング速度未満の場合には、一方の振り子3と、これに連結アーム7を介して連結された他方の振り子3とが回動することはない。
【0037】
かごの昇降速度が異常に増大してガバナシーブ1の回転速度がトリッピング速度を超えると、図1(b)に示すように、各振り子3が支軸5を支点として回動し、カム6がガバナシーブ1の外周部に接近する。これにより、スライド軸12が動作機構4に抗して左方向に移動し、図2(b)に示すように、各ポップアクション機構18がスライド軸12と直交する中立点を超えると、図2(c)に示すように、各ポップアクション機構18は、スライド軸12を振り子バネ17とは反対の方向に付勢する状態に転換する。これによって各振り子3はカム6がガバナシーブ1の外周部に向かう方向に付勢され、図1(c)に示すように、カム6がガバナシーブ1の外周部から突出する。
図6は、振り子3の移動距離に対する振り子バネ17の力、ポップアクションバネ22の力、振り子バネ17とポップアクションバネ22の合力(太線)の変化を示すグラフである。ガバナシーブ1の回転速度がトリッピング速度に達すると、振り子3に作用する遠心力と釣り合うために、振り子バネ17とポップアクション機構18の合力がAの点から同じ力を発生するBの点へとスライド軸12が移動する。そのため、振り子3はA点からB点までの移動量分開くことになる。振り子3が初期位置から中立点まで移動する距離を第1の所定移動距離、初期位置からA点まで移動する距離を第2の所定移動距離、初期位置からB点まで移動する距離を第3の所定移動距離とする。
【0038】
B点まで移動した振り子3のカム6は、図7(a)に示すように、電気安全装置2のローラ27を押し上げるか、または図7(b)に示すように、ローラ27を押し下げるので、ローラアーム26が固定された回転軸25(図4参照)が回転し、カム24に当接した接点開閉軸30が図4の下方向に摺動し、基部31が接点支持板34を下方に押圧する。これによって、図4(b)に示すように、接点支持板34が移動して各接点40Bが接点40Aから引き離され、巻上機41への動力が遮断される。図7には、電気安全装置2のローラ27の位置によって、どのタイミングで接点40A、40Bが引き離されるかについて示している。
【0039】
なお、振り子3はポップアクションバネ22の付勢力によってカム6がガバナシーブ1の外周部から突出した状態に維持されているため、かごが慣性力で移動してガバナシーブ1がそのまま回り続けた場合、ローラアーム26も回り続ける。そして、回転軸25のリブ25a(図3参照)が切欠部23aの位置に達すると、バネ29の付勢力によりリブ25aが切欠部23aに嵌まり込んで回転軸25がケース23内に引き込まれ、図3(b)に示すように、ローラアーム26がケース23の側壁に当接する。
【0040】
これによって回転軸25の回転が阻止されて図4(c)に示す状態でロックされるので、巻上機41への動力の供給を遮断した状態と、ローラ27がカム6に当接しない位置に退避した状態とが維持されることになる。このようにすることで、巻上機41の動力が遮断されてもかごが停止せず、ガバナシーブ1が引き続き回転しても、カム6がローラ27を何度も叩くことがないので、接点部の損傷を防ぐことができる。なお、ローラアーム26を引き込むバネ29が破損した場合には、カム6がローラ27を何度か叩くことになるが、電気安全装置2が動作し、巻上機41を停止させる方向であるため、問題はない。
【0041】
ロック状態を解除して初期の状態に復帰させるには、バネ受け28を手で押して回転軸25のリブ25aを完全にケース23の外に突出させると、バネ37によって付勢されている基部31によってカム24が押されてローラアーム26が初期位置に戻る。そして、バネ29の付勢力によりリブ25aの端面がケース23の側面に押し付けられてローラ26が固定される。
【0042】
また、振り子3については、ガバナシーブ1の中心点の方向へ手で押して回動させる。ポップアクション機構18が図2(b)に示す位置を超えると、ポップアクションバネ22及び振り子17の付勢力により各振り子3が自動的に図1(a)の位置に復帰する。
【0043】
本発明では、接点40A、40Bを強制的に引き離す機構を備えたことで、グローバルな要求に対応することができる。
【0044】
また、ナット16(図2参照)を回転させたり、ポップアクションバネ22を交換することによりスライド軸12の付勢力を調節することができるため、異なるトリッピング速度に対応することができる。
【0045】
また、本実施形態では、振り子3の重量を変化させることができるようになっている。すなわち、図8に示すように、振り子3には複数個の重り43がナット44を介して着脱可能に固定されており、工場出荷時に納入先のトリッピング速度に合わせて不要な重り43を取り除き、ナット44を封印機構45で外れないように固定する。重り43の個数とポップアクション機構18の付勢力とを調節することで、広範囲の定格速度に対応することができる。
【0046】
また、本発明では、図14に示す従来例のように、カム121と、その上を転動するローラ125とを備えた機構と比べて、動作時に大きな騒音を発生することがなく、また、カム121やローラ125の摩耗による動作の不安定さが生じないため、信頼性が高い。
【0047】
さらに、本発明では、従来のガバナを全面的に改変する必要がなく、従来の機構では動作させるのが困難であったロック機構付きの電気安全装置を一部の機構の追加で簡単かつ確実に動作させることができるという利点がある。
【0048】
なお、電気安全装置2が動作して巻上機41への動力の供給が遮断されてもかごの速度が低下しない場合には、従来と同様に振り子3のカム6がガバナロープ掴み装置を動作させてガバナロープを固定することで、かご下に取り付けられた非常止め装置を動作させてかごを停止させる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明のエレベータ用ガバナは、電気安全装置の接点を強制的に引き離す機構を備えているため、グローバルな要求に対応することができる。また、広範囲なトリッピング速度に対応することができ、定格速度が異なる複数のエレベータ間で使用することができるため、汎用性が高い。さらに、動作時に低騒音で、かつ長期間使用しても動作が安定しているため、信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるガバナの要部正面図
【図2】ポップアクション機構の一部破断正面図及び左側面図
【図3】電気安全装置の斜視図
【図4】電気安全装置の断面図
【図5】巻上機の動力供給回路の構成図
【図6】図6は振り子の移動距離に対する振り子バネの力、ポップアクションバネの力、振り子バネとポップアクションバネの合力の変化を示すグラフ
【図7】電気安全装置の動作説明図
【図8】振り子の側面図
【図9】一般的なエレベータの概略構成図
【図10】一般的なガバナの要部正面図
【図11】図10の平面図
【図12】強制開離機構の一例の概略構成図
【図13】図12の強制開離機構の動作説明図
【図14】強制開離機構を有する電気安全装置を用いたガバナの一例の要部正面図
【図15】図14の側面図
【図16】図14のガバナの動作説明図
【符号の説明】
1 ガバナシーブ
2 電気安全装置
3 振り子
4 動作機構
17 振り子バネ(付勢部材)
22 ポップアクションバネ(付勢部材)
26 ローラアーム(被駆動部)
40A 接点
40B 接点
Claims (5)
- 回転自在に軸支されたガバナシーブと、
前記ガバナシーブの近傍に設置され、被駆動部が駆動されることにより接点を引き離して巻上機への動力の供給を遮断する電気安全装置と、
前記ガバナシーブに支持され、前記ガバナシーブの回転により生じる遠心力により前記ガバナシーブに対して移動すると共に前記ガバナシーブの外周部から突出して前記被駆動部を駆動する振り子と、
前記振り子を前記遠心力による移動方向と背反する方向に付勢する第1の付勢部材、及び前記振り子の移動距離が、第1の所定移動距離より小さい場合に前記振り子を前記移動方向と背反する方向に付勢し前記第1の所定移動距離より大きい場合に前記振り子を前記移動方向に付勢する第2の付勢部材を有する動作機構と、を具備し、
前記第1及び第2の付勢部材のバネ特性は、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材との付勢力の合力が、前記振り子の移動距離が前記第1の所定移動距離より小さい第2の所定移動距離で極大値をとると共に前記振り子の移動距離が前記第1の所定移動距離より大きい第3の所定移動距離で前記極大値と同じ値になるよう設定されていることを特徴とするエレベータ用ガバナ。 - 前記第1の付勢部材の付勢力を調節する調節機構を有し、
前記付勢力の調節により前記極大値の値を調節可能とされていることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用ガバナ。 - 前記第1及び第2の付勢部材のバネ特性は、前記ガバナシーブの回転速度が前記電気安全装置を動作させるべきトリッピング速度のときに、前記合力が前記極大値をとるよう設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエレベータ用ガバナ。
- 前記電気安全装置は、前記巻上機への動力の供給を遮断した状態でロック可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレベータ用ガバナ。
- 前記振り子が着脱可能な重りを具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエレベータ用ガバナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003109218A JP4326255B2 (ja) | 2003-04-14 | 2003-04-14 | エレベータ用ガバナ |
Applications Claiming Priority (1)
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