JPWO2013171928A1 - 真空バルブ - Google Patents
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Abstract
Description
ガイドの材料としては一般的に合成樹脂が使用されるが、肉厚の厚いガイドを機械加工で製作すると高価になり、また安価な成形加工で製作する場合は、厚みが一定以上厚くなるとヒケが生じ、必要な形状に加工するのが難しいという問題点があった。
以下、図に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による真空バルブを示す図であり、(a)は真空バルブ全体の側面断面図、(b)はその要部の側面断面図である。
図1において、真空バルブの真空容器は、円筒状のアルミナセラミック等からなる絶縁筒1と、その軸方向両側に設けられた固定側端板2及び可動側端板3で構成されている。固定側端板2及び可動側端板3は、それぞれ絶縁筒1の両端にろう付けにより取り付けられている。ろう付けは、主に銀系のろう材が使用される。固定側端板2を貫通して固定側電極棒4がろう付けにより固着され、可動側端板3を貫通しベローズ6を介して可動側電極棒5がろう付により接合されて電極棒の軸方向に移動自在に取り付けられている。
また、ベローズ6の可動側電極8側の端部には、電流遮断時、固定側電極7及び可動側電極8から発生する金属蒸気によって、ベローズ6の表面が汚損されることを防止するため、ベローズカバー10が可動側電極棒5にろう付け接合されている。
第1のガイド11と第2のガイド12を真空容器に固定するために、可動側端板3の外部側に、ガイド取付板13が固着されている。第1のガイド11と第2のガイド12とは、真空バルブの各部品がろう付されて組立が完了したのち、ねじ(図示せず)によってガイド取付板13に取り付けられる。
第1のガイド11は、ガイド取付板13にねじ止めされる鍔部11aと、可動側電極棒5の軸方向に伸びて可動側電極棒5の移動をガイドするガイド穴11bが形成された筒部11cとからなっている。
一方、第2のガイド12は、円板状の部材からなり、第1のガイド11の鍔部11aに嵌合して鍔部11aのほぼ全体を覆う大きさの凹部12aと、可動側電極棒5が貫通する貫通穴12bとを有している。凹部12aの底面及び内周面12dは、第1のガイド11の鍔部11aの端面及び外周面11dと接するように構成され、両ガイド11,12は、鍔部11aに凹部12aを嵌合させて軸方向に重ね、一体でガイド取付板13にねじ止めされる。
このとき、使用時の真空バルブの振動を抑えて機械的・電気的な性能を向上させる目的で、更に、真空バルブの可動側電極棒5側、すなわち、ガイド部においても真空遮断器本体側から支持する場合がある。
本願発明の真空バルブは、このような真空バルブに対応するものであり、真空遮断器本体に取り付けられた支持部材14の支持穴を、第2のガイド12の外周部12cに嵌合させることで、真空バルブの一端側が真空遮断器本体から支持されるようになっている。
本実施の形態のガイド部は、真空容器の外部側において二つの部材に分け、主として可動側電極棒5を案内する第1のガイド11と、主として真空遮断器本体側の支持部材14によって支持される第2のガイド12とで構成し、真空容器の外部側で第1のガイド11の鍔部11aを第2のガイド12の凹部12aに嵌合させて、共にガイド取付板13に取り付けるようにしたものであり、第2のガイド12の軸方向の長さ、すなわち厚さを厚くしても、安価な成形加工で容易に製作できる点に特徴を有している。もし、両ガイドに分割せずに単一の樹脂部材で成形加工しようとすれば、厚みが一定以上厚くなるとヒケが生じるので、軸方向,径方向の厚みが制限されるが、本願の構成を採用すれば、支持部材14と嵌合する第2のガイド12の厚さを十分に確保することが可能となり、また、第1のガイド11も一体成形の場合より小形になるので製作が容易となる。
ガイド部には次の機能が要求される。すなわち、(A)固定側電極7と可動側電極8の軸心を合わす。(B)操作機構による開閉操作時に発生する衝撃力に耐える。(C)大電流通電時に可動側電極棒5に発生する電磁力に耐える。(D)可動側電極棒5を滑らかに摺動させる。という機能である。このような機能を満足させるため、材質として一般に合成樹脂が使用される。
第2のガイド12は、真空遮断器本体側から支持されて、真空バルブを真空遮断器に取り付ける際のぶれや、開閉動作時や電流遮断時に真空バルブが振動することによる機械的・電気的性能の低下を抑制する。
そして、第2のガイド12の凹部12aは、第1のガイド11の鍔部11aの端面及び外周部11dと接するように構成され、両ガイド11,12が一体となって支持固定されることにより、操作機構による開閉操作時に発生する衝撃力に耐え、大電流通電時に可動側電極棒5に発生する電磁力にも耐えるようになっている。
真空容器の外部側に露出するガイドの軸方向の長さを長くしたガイドを成形加工で容易に製作することが可能となり、第2のガイドの外周部を支持する場合、部材の寸法公差等によりガイドの軸方向の位置が変動してもその変動に容易に対応できる真空バルブを安価に提供することができる。
図2は、この発明の実施の形態2による真空バルブを示す側面断面図である。真空バルブの基本的な構成は実施の形態1と同等なので、図1と同等部分は同一符号で示し説明は省略し、相違点を中心に説明する。相違点は、第1のガイドと第2のガイドの内周側の関係である。
なお、以下の説明で、第2のガイド15の各部位の符号の添え字は、実施の形態1の図1(b)と合わせており、煩雑になるため図2中には一部符号を省略している。
また、第2のガイド15の凹部15aの内周部15dが第1のガイド11の鍔部11aの外周部11dで位置決めされている。
このように第2のガイド15の貫通穴15bと第1のガイド11のガイド穴11bとを同寸法,同形状にすることによって、実施の形態1の図1の真空バルブと比較して、可動側電極棒5との摺動部の長さが長くなるため、可動側電極棒5の傾きや、固定側電極7と可動側電極8の軸ずれをさらに抑制することができる。
また、第1のガイド11の筒部11cの長さは、ベローズ6が伸縮した場合でもベローズカバー10と干渉しない長さにする必要があり、また、成形加工上の制約からも、筒部11cの長さが制約される場合があるが、その場合でも本構成によれば、第2のガイド15の貫通穴15bの厚さ分だけ長くなるので、上記の効果を発揮できる。
また、筒部の長さが成形加工上の制約等から長くできない場合でも、摺動部が第2のガイドの貫通穴の厚さ分だけ長くなるので、上記の効果を発揮できる。
図3は、この発明の実施の形態3による真空バルブを示す側面断面図である。真空バルブの基本的な構成は実施の形態1と同等なので、図1と同等部分は同一符号で示し説明は省略し、相違点を中心に説明する。相違点は、第1のガイドと第2のガイドの取付関係である。
本実施の形態では、真空遮断器本体の支持部材14は真空バルブが組み込まれる前に本体側のフレーム等に取り付けられて位置が固定されている場合である。
なお、以下の説明で、第2のガイド16の各部位の符号の添え字は、実施の形態1の図1(b)と合わせており、煩雑になるため図3中には一部符号を省略している。
なお、組立の作業性を考慮して、第1のガイド11と第2のガイド16のガイド取付板13へのねじ止めによる取付は、個別に行えるようにしても良い。
5 可動側電極棒、6 ベローズ、7 固定側電極、8 可動側電極、
9 シールド、10 ベローズカバー、11 第1のガイド、
11a 鍔部、11b ガイド穴、11c 筒部、11d 外周部、
12,15,16 第2のガイド、12a,15a,16a 凹部、
12b,15b,16b 貫通穴、12c,15c,16c 外周部、
12d,15d,16d 内周部、13 ガイド取付板、14 支持部材。
また、ガイドの外周部を真空遮断器本体側から確実に支持でき、開閉動作時や電流遮断時に真空バルブが振動することによる機械的・電気的性能の低下を抑制することができる。
Claims (4)
- 絶縁筒の両端面に固定側端板と可動側端板とが気密に接合されて真空容器が構成され、前記真空容器の内部に固定側電極と可動側電極とが対向配置され、前記固定側電極は前記固定側端板に固定された固定側電極棒の一端に固着され、前記可動側電極はベローズを介して前記可動側端板に移動自在に設けられた可動側電極棒の一端に固着され、前記可動側電極棒を案内するガイドが前記可動側端板に取り付けられた真空バルブにおいて、
前記ガイドは、前記真空容器の外部側で第1のガイドと第2のガイドに2分割され、前記両ガイドが前記可動側電極棒の軸方向に重ねられて取り付けられていることを特徴とする真空バルブ。 - 請求項1記載の真空バルブにおいて、
前記第1のガイドは、前記軸方向に伸びて前記可動側電極棒を摺動案内するガイド穴が形成された筒部と、前記可動側端板に設けられたガイド取付板に取り付けられる鍔部とを有し、
前記第2のガイドは、前記第1のガイドの前記鍔部が嵌合される凹部と、前記可動側電極棒が貫通する貫通穴とを有し、
前記第2のガイドの外周部が、前記真空バルブが搭載される真空遮断器本体の支持部材に嵌合されて支持されることを特徴とする真空バルブ。 - 請求項2記載の真空バルブにおいて、
前記第2のガイドの前記貫通穴は、前記第1のガイドの前記筒部の前記ガイド穴とほぼ同じ大きさに形成され、前記第2のガイドの前記凹部の内周部が前記第1のガイドの前記鍔部の外周部で位置決めされていることを特徴とする真空バルブ。 - 請求項2記載の真空バルブにおいて、
前記第2のガイドの前記貫通穴は、前記第1のガイドの前記筒部の前記ガイド穴より大きく、かつ、前記第2のガイドの前記凹部の内周部は前記第1のガイドの前記鍔部の外周部より大きく形成されており、
前記第2のガイドの前記外周部が、前記真空遮断器本体の前記支持部材に位置決めされて支持されるとき、前記第1のガイドの中心に対して前記第2のガイドの中心がずれた場合でも、前記両ガイドを前記ガイド取付板に取付可能に構成されていることを特徴とする真空バルブ。
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