図1を参照して、ステアリング装置1の構成について説明する。
ステアリング装置1は、ステアリング装置本体10、アシスト装置20、およびトルク検出装置30を有する。ステアリング装置1は、アシスト装置20によりステアリングホイール2の操作をアシストするデュアルピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置としての構成を有する。
ステアリング装置本体10は、コラムシャフト11、インターミディエイトシャフト12、ピニオンシャフト13、ラックシャフト14、ラックアンドピニオン機構15、2個のタイロッド16、およびラックハウジング17を有する。ステアリング装置本体10は、ステアリングホイール2の回転にともないコラムシャフト11、インターミディエイトシャフト12、およびピニオンシャフト13を一体に回転させる。ステアリング装置本体10は、ピニオンシャフト13の回転によりラックシャフト14を長手方向において直進させる。ステアリング装置本体10は、ラックシャフト14を直進させることにより、転舵輪3の転舵角を変化させる。
ピニオンシャフト13は、第1シャフト13A、第2シャフト13B、およびトーションバー13Dを有する。ピニオンシャフト13は、トーションバー13Dが第1シャフト13Aおよび第2シャフト13Bを連結する構成を有する。
第1シャフト13Aは、インターミディエイトシャフト12に連結される。第1シャフト13Aは、インターミディエイトシャフト12と一体に回転する。
第2シャフト13Bは、ピニオンギヤ13Cを有する。第2シャフト13Bにおいては、ピニオンギヤ13Cがラックシャフト14の第1ラックギヤ14Aと噛み合う。
ラックシャフト14は、第1ラックギヤ14Aおよび第2ラックギヤ14Bを有する。第1ラックギヤ14Aは、ラックシャフト14の長手方向の所定範囲にわたり形成された複数のラック歯を有する。第2ラックギヤ14Bは、ラックシャフト14において第1ラックギヤ14Aと離間した部分に形成される。第2ラックギヤ14Bは、ラックシャフト14の長手方向の所定範囲にわたり形成された複数のラック歯を有する。
ラックアンドピニオン機構15は、ピニオンシャフト13のピニオンギヤ13Cおよびラックシャフト14の第1ラックギヤ14Aを有する。ラックアンドピニオン機構15は、ピニオンシャフト13の回転をラックシャフト14の直進に変換する。
ラックハウジング17は、金属材料により形成される。ラックハウジング17は、ラックシャフト14の形状に対応した筒形状を有する。ラックハウジング17は、その内部空間において、ピニオンシャフト13、ラックシャフト14、およびタイロッド16の一部分を収容する。
アシスト装置20は、アシストモーター21、ウォームシャフト22、ウォームホイール23、およびピニオンシャフト24を有する。アシスト装置20においては、アシストモーター21の出力軸がウォームシャフト22に連結される。アシスト装置20においては、ウォームシャフト22とウォームホイール23とが噛み合う。アシスト装置20においては、ウォームホイール23がピニオンシャフト24と一体に回転する。アシスト装置20においては、ピニオンシャフト24のピニオンギヤ24Aが第2ラックギヤ14Bと噛み合う。アシスト装置20は、アシストモーター21の回転をウォームシャフト22およびウォームホイール23を介して減速させた状態でピニオンシャフト24に伝達してピニオンシャフト24を回転させることにより、ラックシャフト14の長手方向に作用する力をラックシャフト14に付与する。
トルク検出装置30は、ピニオンシャフト13の周囲に位置する。トルク検出装置30は、ラックハウジング17の固定部品17Aに固定される。トルク検出装置30は、ピニオンシャフト13に付与されたトルクを検出する。
図2および図3を参照して、トルク検出装置30の構成について説明する。なお、図2においては、回路ユニット90を省略したセンサーユニット40を示している。
ここで、トルク検出装置30に関する各方向として、「軸方向ZA」、「上方向ZA1」、「下方向ZA2」、「径方向ZB」、「内方向ZB1」、「外方向ZB2」、および「周方向ZC」を定義する。
周方向ZCは、ピニオンシャフト13(図3参照)の回転中心軸回りの方向を示す。
軸方向ZAは、ピニオンシャフト13の回転中心軸に沿う方向を示す。軸方向ZAは、互いに反対の方向を示す上方向ZA1および下方向ZA2により規定される。上方向ZA1は、第2シャフト13Bおよび第1シャフト13A(ともに図3参照)の順に通過する方向を示す。下方向ZA2は、第1シャフト13Aおよび第2シャフト13Bの順に通過する方向を示す。
径方向ZBは、軸方向ZAの法線方向を示す。径方向ZBは、互いに反対の方向を示す内方向ZB1および外方向ZB2により規定される。内方向ZB1は、ピニオンシャフト13の回転中心軸に接近する方向を示す。外方向ZB2は、ピニオンシャフト13の回転中心軸から離間する方向を示す。
図2に示されるように、トルク検出装置30は、センサーユニット40、磁石ユニット100、および磁気ヨークユニット110を有する。トルク検出装置30は、磁石ユニット100および磁気ヨークユニット110がセンサーユニット40の内部空間85内に収容される構成を有する。
図3に示されるように、トルク検出装置30は、オイルシール31によりトルク検出装置30と第1シャフト13Aとの隙間が封止される。トルク検出装置30は、Oリング32によりトルク検出装置30とラックハウジング17の固定部品17Aとの隙間が封止される。
磁石ユニット100は、第1シャフト13Aに固定される。磁石ユニット100は、永久磁石101およびコア102を有する。磁石ユニット100は、永久磁石101およびコア102が互いに結合された集合体として構成される。
永久磁石101は、円筒形状を有する。永久磁石101は、周方向ZCにおいてN極およびS極が隣り合う(図2参照)。永久磁石101は、第1シャフト13Aの周囲に磁界を形成する。
コア102は、永久磁石101の内周面に固定される。コア102は、第1シャフト13Aの外周面に圧入される。コア102は、永久磁石101の磁束がコア102よりも内方向ZB1に漏洩することを抑制する。
磁気ヨークユニット110は、磁石ユニット100を取り囲む。磁気ヨークユニット110は、第2シャフト13Bに固定される。磁気ヨークユニット110は、第1磁気ヨーク111、第2磁気ヨーク112、ヨークホルダー113、および中間部品114を有する。
ヨークホルダー113は、第1磁気ヨーク111および第2磁気ヨーク112と一体に樹脂成形される。ヨークホルダー113は、円環形状を有する。ヨークホルダー113は、中間部品114を介して第2シャフト13Bに固定される。
第1磁気ヨーク111は、円環形状を有する。第1磁気ヨーク111は、ヨークホルダー113の上方向ZA1の部分に位置する。第1磁気ヨーク111は、複数の歯部111Aおよび複数の接続部分111B(図8参照)を有する。第1磁気ヨーク111においては、歯部111Aが下方向ZA2に向かうにつれて先細りとなるテーパー形状を有する(図8参照)。第1磁気ヨーク111は、周方向ZCにおいて隣り合う歯部111Aが接続部分111Bにより互いに接続される構成を有する(図8参照)。第1磁気ヨーク111は、永久磁石101の磁束を受ける。第1磁気ヨーク111は、トーションバー13Dのねじれにともない永久磁石101との相対的な位置が変化する。
第2磁気ヨーク112は、円環形状を有する。第2磁気ヨーク112は、ヨークホルダー113の下方向ZA2の部分に位置する。第2磁気ヨーク112は、複数の歯部112Aおよび複数の接続部分112B(図8参照)を有する。第2磁気ヨーク112においては、歯部112Aが上方向ZA1に向かうにつれて先細りとなるテーパー形状を有する(図8参照)。第2磁気ヨーク112は、周方向ZCにおいて隣り合う歯部112Aが接続部分112Bにより互いに接続される構成を有する(図8参照)。第2磁気ヨーク112においては、周方向ZCにおいて隣り合う歯部111Aの間に歯部112Aが位置する。第2磁気ヨーク112は、永久磁石101の磁束を受ける。第2磁気ヨーク112は、トーションバー13Dのねじれにともない永久磁石101との相対的な位置が変化する。
センサーユニット40は第1ボルト(図示略)によりラックハウジング17の固定部品17Aに固定される。センサーユニット40は、2個の磁気センサー41としてのホールIC、集磁ユニット50、センサーハウジング80、および回路ユニット90を有する。
集磁ユニット50は、磁石ユニット100および磁気ヨークユニット110を取り囲む円環形状を有する。集磁ユニット50は、第1集磁リング51、第2集磁リング54、磁気シールド60、および集磁ホルダー70を有する。集磁ユニット50は、集磁ホルダー70に各集磁リング51,54および磁気シールド60が取り付けられた集合体として構成される。集磁ユニット50は、磁気ヨークユニット110の磁束を集め、磁気センサー41に向けて磁束を流す。
2個の磁気センサー41は、周方向ZCにおいて隣り合う。磁気センサー41は、永久磁石101、各磁気ヨーク111,112、および各集磁リング51,54により形成された磁気回路の磁束を検出する。磁気センサー41は、磁気回路の磁束密度に応じた電圧を出力する。磁気センサー41の出力電圧は、回路ユニット90を介してステアリング装置1(図1参照)の制御装置(図示略)に送信される。
センサーハウジング80は、図2に示されるように、集磁ユニット50と一体に樹脂成形される。センサーハウジング80は、ハウジング本体81、基板支持部分82、基板取付部分83、装置取付部分84、および内部空間85を有する。センサーハウジング80は、同一の樹脂材料によりハウジング本体81、基板支持部分82、基板取付部分83、および装置取付部分84が一体に形成された構成を有する。
ハウジング本体81は、軸方向ZAに貫通する内部空間85を有する円筒形状に形成される。ハウジング本体81は、基礎部分81Aおよび集磁収容部分81Bを有する。ハウジング本体81においては、基礎部分81Aの上方向ZA1に集磁収容部分81Bが位置する。
基板取付部分83は、センサーハウジング80の平面視において基板支持部分82の両側に位置する。基板取付部分83は、第2ボルト(図示略)が挿入される挿入穴を有する。基板取付部分83においては、回路ユニット90(図3参照)が取り付けられる。
装置取付部分84は、センサーハウジング80の平面視において、ハウジング本体81の基礎部分81Aの長手方向の両端部分に位置する。装置取付部分84は、第1ボルトが挿入される貫通孔を有する。
基板支持部分82は、円筒形状を有する。基板支持部分82は、ハウジング本体81の集磁収容部分81Bに形成される。基板支持部分82は、ハウジング本体81から外方向ZB2に向けて突出する。基板支持部分82は、回路ユニット90の回路基板91(図3参照)を支持する。
図4を参照して、集磁ユニット50の詳細な構成について説明する。
集磁ユニット50は、第1集磁リング51、第2集磁リング54、磁気シールド60、および集磁ホルダー70を有する。集磁ユニット50は、各集磁リング51,54、および磁気シールド60が集磁ホルダー70に取り付けられた構成を有する。
第1集磁リング51は、金属製の長板を折り曲げることにより形成される。第1集磁リング51は、径方向ZBにおいて第1磁気ヨーク111(図3参照)の外周部分と隙間を介して対向する。第1集磁リング51は、リング本体52および2個の集磁突起53を有する。第1集磁リング51は、リング本体52および2個の集磁突起53が一体に形成された構成を有する。第1集磁リング51は、第1磁気ヨーク111の磁束を集める。
リング本体52は、隙間を有する円環形状を有する。リング本体52は、離間部分52Aを有する。リング本体52は、離間部分52Aが周方向ZCにおいてリング本体52の不連続な部分として形成される構成を有する。
集磁突起53は、周方向ZCにおいて隣り合う。集磁突起53は、リング本体52の下端部分から外方向ZB2に向けて折り曲げられた形状を有する。集磁突起53は、軸方向ZAにおいて磁気センサー41(図3参照)の上面と対向する。
第2集磁リング54は、第1集磁リング51と同じ金属製の長板を折り曲げることにより形成される。第2集磁リング54は、径方向ZBにおいて第2磁気ヨーク112(図3参照)の外周部分と隙間を介して対向する。第2集磁リング54は、リング本体55および2個の集磁突起56を有する。第2集磁リング54は、リング本体55および2個の集磁突起56が一体に形成された構成を有する。第2集磁リング54は、第2磁気ヨーク112の磁束を集める。
リング本体55は、隙間を有する円環形状を有する。リング本体55は、離間部分55Aを有する。リング本体55は、離間部分55Aが周方向ZCにおいてリング本体55の不連続な部分として形成される構成を有する。
集磁突起56は、周方向ZCにおいて隣り合う。集磁突起56は、リング本体55の上端部分から外方向ZB2に向けて折り曲げられた形状を有する。集磁突起56は、軸方向ZAにおいて磁気センサー41の下面と対向する。
磁気シールド60は、磁性体となる一枚の金属製の長板を折り曲げることにより形成される。磁気シールド60は、第1シールド端部61、第2シールド端部62、シールド本体63、および離間部分64を有する。磁気シールド60は、C字形状に形成された構成を有する。磁気シールド60は、第1シールド端部61が長板の一方の端部を形成し、第2シールド端部62が長板の他方の端部を形成する構成を有する。磁気シールド60は、周方向ZCに隣り合う第1シールド端部61および第2シールド端部62の間の部分として離間部分64を有する。磁気シールド60は、シールド本体63により第1シールド端部61および第2シールド端部62が連結された構成を有する。磁気シールド60は、トルク検出装置30(図3参照)の外部磁界による各集磁リング51,54、各磁気ヨーク111,112、および永久磁石101(ともに図3参照)により形成される磁気回路への影響を低減する。
集磁ホルダー70は、センサーハウジング80の樹脂材料と同一の樹脂材料により形成される。集磁ホルダー70は、軸方向ZAの両側が開口した円環形状を有する。集磁ホルダー70は、磁石ユニット100および磁気ヨークユニット110(ともに図3参照)を収容する内部空間を有する。集磁ホルダー70は、保持凸部71、上側貫通孔74、下側貫通孔75、挿入部分76、シールド保持部分77、3個の本体カバー部品78、および2個の端部カバー部品79を有する。集磁ホルダー70は、各集磁リング51,54および磁気シールド60を保持する。
保持凸部71は、集磁ホルダー70の内周面70Xから内方向ZB1に向けて突出する。保持凸部71は、複数の第1保持部分72および複数の第2保持部分73を有する。保持凸部71は、第1保持部分72および第2保持部分73により各集磁リング51,54を保持する機能を有する。
第1保持部分72は、集磁ホルダー70の内周面70Xにおいて、第2保持部分73の軸方向ZAの両側の部分に位置する。第1保持部分72は、周方向ZCに離間して形成される。
第2保持部分73は、集磁ホルダー70の平面視において円弧形状に形成される。第2保持部分73は、集磁ホルダー70の内周面70Xにおいて、軸方向ZAの中央部分に位置する。第2保持部分73は、周方向ZCに離間して形成される。
上側貫通孔74は、集磁ホルダー70を径方向ZBに貫通する。上側貫通孔74は、集磁ホルダー70において上側の第1保持部分72と第2保持部分73との間の部分に位置する。上側貫通孔74は、集磁ホルダー70を成形する金型において第1保持部分72を形成するスライドコア(図示略)が位置するために形成される。
下側貫通孔75は、集磁ホルダー70を径方向ZBに貫通する。下側貫通孔75は、集磁ホルダー70において下側の第1保持部分72と第2保持部分73との間の部分に位置する。下側貫通孔75は、集磁ホルダー70を成形する金型において第2保持部分73を形成するスライドコア(図示略)が位置するために形成される。
挿入部分76は、集磁ホルダー70の側面視において、周方向ZCが長手方向となり、軸方向ZAが短手方向となる長方形状の開口部分として形成される。挿入部分76は、挿入孔76A、上側突起76B、および下側突起76Cを有する。
上側突起76Bは、集磁ホルダー70に対する第1集磁リング51の周方向ZCの位置を決めるための目印となる。
下側突起76Cは、集磁ホルダー70に対する第2集磁リング54の周方向ZCの位置を決めるための目印となる。
シールド保持部分77は、集磁ホルダー70の外周面70Yから外方向ZB2に突出する壁部として形成される。シールド保持部分77は、上壁77A、下壁77B、および端壁77Cを有する。シールド保持部分77は、集磁ホルダー70に対する磁気シールド60の移動を規制する。
上壁77Aは、集磁ホルダー70の上端部分に位置する。上壁77Aは、磁気シールド60の上方向ZA1への移動を規制する。
下壁77Bは、集磁ホルダー70の下端部分に位置する。下壁77Bは、磁気シールド60の下方向ZA2への移動を規制する。
端壁77Cは、集磁ホルダー70において挿入部分76の周方向ZCの両端部分と周方向ZCに隣り合う位置に形成される。端壁77Cは、磁気シールド60の周方向ZCへの移動を規制する。端壁77Cは、周方向ZCにおいて挿入部分76とは反対側の側面77Dから周方向ZCに突出する突起77Eを有する。突起77Eは、集磁ホルダー70の上壁77Aの下端面から下壁77Bの上端面にわたり延びる。
本体カバー部品78は、集磁ホルダー70と一体に成形される。本体カバー部品78は、平面視において円弧形状を有する。本体カバー部品78は、集磁ホルダー70の上壁77Aの外周面から下方向ZA2に向けて延びる。本体カバー部品78は、集磁ホルダー70の外周面70Yに対して隙間を介して位置する。
端部カバー部品79は、センサーハウジング80の樹脂材料と同一の材料により形成される。端部カバー部品79は、平面視において円弧形状を有する。端部カバー部品79は、集磁ホルダー70の端壁77Cの外周面、上壁77Aの外周面、および下壁77Bの外周面に接触した状態で集磁ホルダー70に溶接等により固定される。端部カバー部品79は、突起79Aを有する。端部カバー部品79は、集磁ホルダー70の外周面70Yに対して隙間を介して位置する。
図5を参照して、各集磁リング51,54および磁気シールド60が集磁ホルダー70に取り付けられる構成について説明する。
第1集磁リング51は、集磁ホルダー70において上側の第1保持部分72および第2保持部分73の間に挟み込まれる。第1集磁リング51は、上側貫通孔74を集磁ホルダー70の内方向ZB1から覆う。第1集磁リング51においては、集磁突起53が挿入部分76を介して集磁ホルダー70よりも外方向ZB2に突出する。
第2集磁リング54は、集磁ホルダー70において下側の第1保持部分72および第2保持部分73の間に挟み込まれる。第2集磁リング54は、下側貫通孔75を集磁ホルダー70の内方向ZB1から覆う。第2集磁リング54においては、集磁突起56が挿入部分76を介して集磁ホルダー70よりも外方向ZB2に突出する。
磁気シールド60は、内周面60X(図4参照)が集磁ホルダー70の外周面70Y(図4参照)に接触する。磁気シールド60は、上側貫通孔74および下側貫通孔75を集磁ホルダー70の外方向ZB2から覆う。磁気シールド60においては、シールド本体63が集磁ホルダー70の外周面70Yと本体カバー部品78とにより挟み込まれる。磁気シールド60においては、各シールド端部61,62(図4参照)が集磁ホルダー70の外周面70Yと端部カバー部品79とにより挟み込まれる。
図6を参照して、集磁ホルダー70の本体カバー部品78の詳細な構成について説明する。
図6(a)に示されるように、3個の本体カバー部品78は、周方向ZCにおいて互いに離間して位置する。隣り合う本体カバー部品78の間の周方向ZCの距離は互いに等しい。
図6(b)に示されるように、本体カバー部品78は、突起78Aを有する。本体カバー部品78においては、磁気シールド60が集磁ホルダー70に取り付けられた状態において、突起78Aが磁気シールド60の外周面60Yに接触する。本体カバー部品78は、センサーハウジング80により外方向ZB2から覆われる。本体カバー部品78の外周面は、センサーハウジング80の内面81Cに接触する。
突起78Aは、周方向ZCの側面視において半円形状を有する。突起78Aは、本体カバー部品78の内周面からシールド本体63に向けて突出する。突起78Aは、本体カバー部品78の下端部分に位置する。突起78Aの周方向ZCの寸法は、本体カバー部品78の周方向ZCの寸法と等しい(図6(a)参照)。
図7を参照して、集磁ホルダー70の端壁77Cおよび端部カバー部品79の詳細な構成について説明する。なお、図7(a)に示されるように、磁気シールド60の第2シールド端部62を覆う端部カバー部品79の構成は、第1シールド端部61を覆う端部カバー部品79の構成と同様であるため、その説明を省略する。また、第2シールド端部62と対向する端壁77Cの構成は、第1シールド端部61と対向する端壁77Cと同様であるため、その説明を省略する。
図7(b)に示されるように、端壁77Cの突起77Eは、第1シールド端部61のシールド端面61Aの径方向ZBの中央部分に接触する。すなわち、突起77Eは、シールド端面61Aの角部分61Bに接触しない。このため、シールド端面61Aは、端壁77Cの側面77Dと周方向ZCに空間を介して位置する。このため、シールド端面61Aの角部分61Bは、端壁77Cの側面77Dと接触しない。なお、角部分61Bは、磁気シールド60の内周面60Xとシールド端面61Aとの連結部分、および磁気シールド60の外周面60Yとシールド端面61Aとの連結部分として構成される。
端部カバー部品79の突起79Aは、平面視において半円形状を有する。突起79Aは、端部カバー部品79の内周面から第1シールド端部61に向けて突出する。突起79Aは、磁気シールド60の外周面60Yにおいて第1シールド端部61に対応する部分に接触する。突起79Aは、端部カバー部品79において端壁77Cとは周方向ZCに反対側の端部に位置する。突起79Aは、軸方向ZAにおいて上壁77Aから下壁77B(ともに図4参照)にわたり形成される。突起79Aは、上端面において上壁77Aの下端面と接触する。突起79Aは、下端面において下壁77Bの上端面と接触する。
集磁ホルダー70は、端部カバー部品79、端壁77C、集磁ホルダー70の外周面70Y、および第1シールド端部61により囲まれた閉空間Sが形成される。閉空間Sにおいては、センサーハウジング80の成形時にセンサーハウジング80の樹脂材料が流れ込むことが抑制される。
センサーハウジング80の内面81Cは、磁気シールド60の外周面60Yおよび本体カバー部品78の外側面に接触する。このため、センサーハウジング80の内面81Cは、第1シールド端部61の角部分61Bと接触しない。
センサーユニット40の製造方法について説明する。
センサーユニット40の製造方法は、集磁ユニット組立工程およびハウジング成形工程を有する。
集磁ユニット組立工程は、集磁リング組付工程および磁気シールド組付工程を有する。
集磁リング組付工程において、作業者は、第1集磁リング51を集磁ホルダー70の上側の第1保持部分72と第2保持部分73に挟み込む。作業者は、第2集磁リング54を集磁ホルダー70の下側の第1保持部分72と第2保持部分73に挟み込む。
磁気シールド組付工程において、作業者は、磁気シールド60の各シールド端部61,62が互いに離間する距離が大きくなるように磁気シールド60を弾性変形させる。この状態において、作業者は、磁気シールド60を集磁ホルダー70の上方向ZA1から集磁ホルダー70に挿入させる。このとき、作業者は、磁気シールド60のシールド本体63を集磁ホルダー70の本体カバー部品78と外周面70Yとの間に挿入する。そして、作業者は、磁気シールド60の各シールド端部61,62を集磁ホルダー70の外周面70Yと端部カバー部品79との間に挿入する。このとき、各シールド端部61,62は、集磁ホルダー70の端壁77Cの突起77Eに接触する。
ハウジング成形工程において、作業者は、センサーハウジング80を成形するための金型に集磁ユニット組立工程において製造した集磁ユニット50をセットする。そして、作業者は、金型により集磁ユニット50の外周側にセンサーハウジング80の樹脂材料を流し込む。これにより、センサーハウジング80が集磁ユニット50と一体に成形される。
図6および図7を参照して、トルク検出装置30の作用について説明する。
トルク検出装置30は、第1〜第3の機能を有する。第1の機能は、集磁ホルダー70に大きな熱応力が生じることを抑制する機能を示す。第2の機能は、センサーハウジング80の内面81Cに大きな熱応力が生じることを抑制する機能を有する。第3の機能は、集磁ホルダー70に対する磁気シールド60の位置が正確となる機能を示す。
第1の機能の詳細について説明する。
集磁ホルダー70の線膨張係数が磁気シールド60の線膨張係数よりも大きいため、集磁ホルダー70の周方向ZCの熱膨張量は、磁気シールド60の周方向ZCの熱膨張量よりも多い。また、集磁ホルダー70の周方向ZCの熱収縮量は、磁気シールド60の周方向ZCの熱収縮量よりも多い。
一方、図7(b)に示されるように、トルク検出装置30においては、磁気シールド60の第1シールド端部61の角部分61Bは、集磁ホルダー70の端壁77Cの突起77Eと接触する。このため、第1シールド端部61の角部分61Bは、端壁77Cの側面77Dと接触しない。このため、トルク検出装置30の温度変化にともない第1シールド端部61の角部分61Bが端壁77Cの側面77Dに押し付けられることが抑制される。したがって、トルク検出装置200(図10参照)と比較して、集磁ホルダー70に大きな熱応力が生じることが抑制される。なお、第2シールド端部62および同シールド端部62と対向する端壁77Cの作用は、上記作用と同様であるため、その説明を省略する。
第2の機能の詳細について説明する。
図7(b)に示されるように、集磁ユニット50においては、端部カバー部品79が第1シールド端部61を外方向ZB2から覆う。このため、センサーハウジング80の内面81Cは、第1シールド端部61と接触しない。このため、トルク検出装置30の温度変化にともない第1シールド端部61の角部分61Bがセンサーハウジング80の内面81Cに押し付けられることが抑制される。したがって、トルク検出装置200と比較して、センサーハウジング80の内面81Cに大きな熱応力が生じることが抑制される。なお、第2シールド端部62および同シールド端部62を覆う端部カバー部品79の作用は、上記作用と同様であるため、その説明を省略する。
第3の機能の詳細について説明する。
図10に示されるように、トルク検出装置200においては、作業者が磁気シールド213を集磁ホルダー211に取り付けるために弾性変形させるとき、その力加減を誤って磁気シールド213を塑性変形させてしまう場合がある。このとき、磁気シールド213は、周方向ZCの一部分が集磁ホルダー211の外周面211Yから離間する。そして、集磁ユニット210の周囲にセンサーハウジング220の樹脂材料を流し込むとき、磁気シールド213と集磁ホルダー211の外周面211Yとの間に樹脂材料が流れ込む。これにより、磁気シールド213が集磁ホルダー211の外周面211Yからさらに離間する。このため、磁気シールド213がセンサーハウジング220の外部に露出する場合がある。
このようにトルク検出装置200においては、磁気シールド213が集磁ホルダー211の外周面211Yから離間するため、磁気シールド213が集磁リング212から離間する。このため、磁気シールド213が集磁リング212の外部磁界からの影響を低減する機能が低下する。また、磁気シールド213がセンサーハウジング220の外部に露出するため、センサーハウジング220が周方向ZCに連続する構成とならない。すなわち、センサーハウジング220の磁気シールド213を収容する部分が磁気シールド213により周方向ZCに分断される。このため、センサーハウジング220の強度が低下する。
これに対して、図6に示されるように、本実施形態の集磁ユニット50は、磁気シールド60が各カバー部品78,79により集磁ホルダー70の外周面70Yとの間で挟み込まれる。このため、作業者が磁気シールド60を塑性変形させたとしても各カバー部品78,79が磁気シールド60を集磁ホルダー70の外周面70Yに向けて押し付ける。このため、磁気シールド60が集磁ホルダー70の外周面70Yから離間することが抑制される。これにより、各シールド端部61,62およびシールド本体63が適正な形状で集磁ホルダー70に保持される。このため、磁気シールド60と集磁ホルダー70の外周面70Yとの間にセンサーハウジング80(図7参照)の樹脂材料が流れ込むことが抑制される。したがって、磁気シールド60による各集磁リング51,54の外部磁界からの影響を低減する機能の低下、およびセンサーハウジング80の強度の低下を抑制することができる。
図8を参照して、トルク検出装置30の磁束密度の検出について説明する。
図8(a)は、第1シャフト13Aおよび第2シャフト13B(ともに図1参照)の間にトルクが付与されていない状態(以下、「中立状態」)を示す。図8(b)は、第1シャフト13Aおよび第2シャフト13Bの間に右回り方向のトルクが付与された状態を示す(以下、「右回転状態」)。図8(c)は、第1シャフト13Aおよび第2シャフト13Bの間に左回り方向のトルクが付与された状態を示す(以下、「左回転状態」)。
各磁気ヨーク111,112と永久磁石101との関係として、「第1N極対向面積」、「第1S極対向面積」、「第2N極対向面積」、および「第2S極対向面積」を定義する。
第1N極対向面積は、第1磁気ヨーク111と永久磁石101のN極との対向面積を示す。第1S極対向面積は、第1磁気ヨーク111と永久磁石101のS極との対向面積を示す。
第2N極対向面積は、第2磁気ヨーク112と永久磁石101のN極との対向面積を示す。第2S極対向面積は、第2磁気ヨーク112と永久磁石101のS極との対向面積を示す。
図8(a)に示されるように、中立状態においては、第1磁気ヨーク111の歯部111Aの先端部分および第2磁気ヨーク112の歯部112Aの先端部分が永久磁石101のN極とS極との境界部分に位置する。このとき、第1N極対向面積と第1S極対向面積とが互いに等しい。また、第2N極対向面積と第2S極対向面積とが互いに等しい。これにより、第1集磁リング51の集磁突起53と第2集磁リング54の集磁突起56との間に磁束が生じない。このため、磁気センサー41の出力電圧が「0」を示す。
図8(b)に示されるように、右回転状態においては、中立状態からトーションバー13D(図1参照)にねじれが生じるため、各磁気ヨーク111,112と永久磁石101との相対的な位置が変化する。これにより、第1N極対向面積が第1S極対向面積よりも大きくなる。また、第2N極対向面積が第2S極対向面積よりも小さくなる。このため、永久磁石101のN極から第1磁気ヨーク111に入る磁束量が第1磁気ヨーク111から永久磁石101のS極に向けて出る磁束量よりも多い。また、永久磁石101のN極から第2磁気ヨーク112に入る磁束量が第2磁気ヨーク112から永久磁石101のS極に向けて出る磁束量よりも少ない。このため、第1集磁リング51の集磁突起53から第2集磁リング54の集磁突起56に磁束が流れる。磁気センサー41は、この磁束に応じた電圧を出力する。
図8(c)に示されるように、左回転状態においては、右回転状態とは逆方向のトーションバー13Dのねじれが生じるため、各磁気ヨーク111,112と永久磁石101との相対的な位置が右回転状態のときとは逆方向に変化する。これにより、第1N極対向面積が第1S極対向面積よりも小さくなる。また、第2N極対向面積が第2S極対向面積よりも大きくなる。このため、永久磁石101のN極から第1磁気ヨーク111に入る磁束量が第1磁気ヨーク111から永久磁石101のS極に向けて出る磁束量よりも少ない。また、永久磁石101のN極から第2磁気ヨーク112に入る磁束量が第2磁気ヨーク112から永久磁石101のS極に入る磁束量よりも多い。このため、第2集磁リング54の集磁突起56から第1集磁リング51の集磁突起53に磁束が流れる。磁気センサー41は、この磁束に応じた電圧を出力する。
本実施形態のステアリング装置1は以下の効果を奏する。
(1)トルク検出装置30においては、集磁ホルダー70の端壁77Cが突起77Eを有する。この構成によれば、磁気シールド60の第1シールド端部61の角部分61Bが集磁ホルダー70の端壁77Cの側面77Dに接触しない。したがって、トルク検出装置30の温度変化にともない集磁ホルダー70に大きな熱応力が生じることが抑制される。なお、第2シールド端部62および同シールド端部62に対向する端壁77Cについても同様の効果を奏する。
(2)集磁ホルダー70は、端部カバー部品79を有する。この構成によれば、磁気シールド60の各シールド端部61,62が端部カバー部品79により外方向ZB2から覆われる。このため、各シールド端部61,62がセンサーハウジング80の内面81Cに接触しない。したがって、トルク検出装置200と比較して、センサーハウジング80の内面81Cに大きな熱応力が生じることが抑制される。
(3)端部カバー部品79は、突起79Aを有する。この構成によれば、突起79Aにより磁気シールド60の各シールド端部61,62が集磁ホルダー70の外周面70Yに押し付けられる。このため、端部カバー部品79から突起79Aを省略し、端部カバー部品79と集磁ホルダー70の外周面70Yとの間に各シールド端部61,62が挿入されると仮定した構成と比較して、集磁ホルダー70に対する各シールド端部61,62の径方向ZBの位置を正確に決めることができる。また、端部カバー部品79から突起79Aを省略し、端部カバー部品79と集磁ホルダー70の外周面70Yに各シールド端部61,62が圧入されると仮定した構成と比較して、作業者は、各シールド端部61,62を集磁ホルダー70に取り付けやすい。
(4)集磁ホルダー70は、本体カバー部品78を有する。この構成によれば、磁気シールド60が集磁ホルダー70の外周面70Yから離間することが抑制される。したがって、磁気シールド60による各集磁リング51,54の外部磁界からの影響を低減する機能の低下、およびセンサーハウジング80の強度の低下を抑制することができる。
(5)本体カバー部品78は、突起78Aを有する。この構成によれば、突起78Aにより磁気シールド60のシールド本体63が集磁ホルダー70の外周面70Yに押し付けられる。このため、本体カバー部品78から突起78Aを省略し、本体カバー部品78と集磁ホルダー70の外周面70Yとの間にシールド本体63が挿入されると仮定した構成と比較して、集磁ホルダー70に対するシールド本体63の径方向ZBの位置を正確に決めることができる。また、本体カバー部品78から突起78Aを省略し、本体カバー部品78と集磁ホルダー70の外周面70Yにシールド本体63が圧入されると仮定した構成と比較して、作業者は、シールド本体63を集磁ホルダー70に取り付けやすい。
(6)端壁77Cの突起77Eは、第1シールド端部61のシールド端面61Aの軸方向ZAの全体にわたり接触する。この構成によれば、突起77Eがシールド端面61Aの軸方向ZAの一部分のみ接触すると仮定した構成と比較して、突起77Eとシールド端面61Aとの接触圧が小さくなる。
(7)突起77Eは、シールド端面61Aの径方向ZBの中央部分に接触する。この構成によれば、突起77Eと第1シールド端部61の角部分61Bとの接触が回避される。このため、トルク検出装置30の温度の変化にともない突起77Eを介して集磁ホルダー70に大きな熱応力が加えられることが抑制される。
(8)本体カバー部品78の突起78Aは、本体カバー部品78の周方向ZCの全体にわたり形成される。この構成によれば、突起78Aにより磁気シールド60の外周面60Yのより広い範囲を押し付けることができる。このため、例えば、磁気シールド60が集磁ホルダー70の外周面70Yから離間した形状等の磁気シールド60が適正ではない形状で集磁ホルダー70に保持されることが抑制される。
(9)本体カバー部品78は、周方向ZCにおいて複数個形成される。この構成によれば、単一の本体カバー部品78が形成されたと仮定した構成と比較して、磁気シールド60がより適正な形状で集磁ホルダー70に保持される。
(10)端部カバー部品79の突起79Aは、集磁ホルダー70の上壁77Aから下壁77Bにわたり形成される。この構成によれば、閉空間Sにセンサーハウジング80の成形材料が流れ込まない。このため、センサーハウジング80と各シールド端部61,62との接触を抑制することができる。
(11)本体カバー部品78の突起78Aが半円形状により形成される。この構成によれば、作業者が磁気シールド60を本体カバー部品78と集磁ホルダー70の外周面70Yとの間に挿入するとき、磁気シールド60の外周面60Yと下端面とにより形成される角部が突起78Aに接触して本体カバー部品78と集磁ホルダー70の外周面70Yとの間に案内される。したがって、作業者は、集磁ホルダー70へ磁気シールド60を容易に組み付けることができる。
(12)端部カバー部品79の突起79Aが半円形状により形成される。この構成によれば、作業者が第1シールド端部61を端部カバー部品79と集磁ホルダー70の外周面70Yとの間に挿入するとき、角部分61Bが突起79Aに接触して端部カバー部品79と集磁ホルダー70の外周面70Yとの間に案内される。したがって、作業者は、集磁ホルダー70へ磁気シールド60を容易に組み付けることができる。なお、端部カバー部品79は、第2シールド端部62についても同様の効果を奏する。
(13)端部カバー部品79がセンサーハウジング80の樹脂材料と同一の材料により形成される。この構成によれば、端部カバー部品79の線膨張係数とセンサーハウジング80の線膨張係数との差がなくなる。このため、端部カバー部品79によりセンサーハウジング80に熱応力が加えられることが抑制される。
本ステアリング装置は、上記実施形態とは別の実施形態を含む。以下、本ステアリング装置のその他の実施形態としての上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
・実施形態の集磁ホルダー70は、端壁77Cに突起77Eが形成される。一方、変形例の集磁ホルダー70は、図9(a)に示されるように、端壁77Cから突起77Eが省略される。変形例の集磁ホルダー70は、軸方向ZAにおいて集磁ホルダー70の中央部分のみに形成される端壁77Cを有する。すなわち、変形例の端壁77Cは、軸方向ZAにおいて上壁77Aおよび下壁77Bから離間する。変形例の集磁ユニット50においては、磁気シールド60の第1シールド端部61の軸方向ZAの角部分61Cが端壁77Cと接触しない。なお、角部分61Cは、第1シールド端部61のシールド端面61Aと磁気シールド60の上端面との連結部分、およびシールド端面61Aと磁気シールド60の課端面との連結部分として構成される。また、第2シールド端部62および同シールド端部62と対向する端壁77Cについても同様に変更することができる。
また、別の変形例の集磁ホルダー70は、図9(b)に示されるように、端壁77Cから突起77Eが省略され、かつ端壁77Cの側面77Dの軸方向ZAの両端部分において周方向ZCに凹む凹部77Fが形成される。別の変形例の集磁ユニット50においては、磁気シールド60の第1シールド端部61の軸方向ZAの角部分61Cが端壁77Cと接触しない。なお、第2シールド端部62および同シールド端部62に対向する端壁77Cについても同様に変更することができる。
・実施形態の端壁77Cは、軸方向ZAにおいて上壁77Aから下壁77Bにわたり形成される突起77Eを有する。一方、変形例の端壁77Cは、軸方向ZAにおいて端壁77Cの中央部分のみに形成される突起77Eを有する。すなわち、変形例の突起77Eは、軸方向ZAにおいて上壁77Aおよび下壁77Bから離間する。変形例の集磁ユニット50においては、磁気シールド60の各シールド端部61,62の軸方向ZAの両端部分が突起77Eと接触しない。
・実施形態の集磁ホルダー70は、3個の本体カバー部品78を有する。一方、変形例の集磁ホルダー70は、1個、2個、または4個以上の本体カバー部品78を有する。
・実施形態の集磁ユニット50は、集磁ホルダー70および本体カバー部品78が一体に形成される構成を有する。一方、変形例の集磁ユニット50は、集磁ホルダー70および本体カバー部品78が個別に形成される構成を有する。変形例の本体カバー部品78は、集磁ホルダー70の上壁77Aの外周面に溶接等により固定される。変形例の本体カバー部品78は、集磁ホルダー70の樹脂材料とは異なる材料により形成されてもよい。
・実施形態の本体カバー部品78は、集磁ホルダー70の上壁77Aから下方向ZA2に向けて延びる。一方、変形例の本体カバー部品78は、集磁ホルダー70の下壁77Bから上方向ZA1に向けて延びる。
・実施形態の本体カバー部品78は、1個の突起78Aを有する。一方、変形例の本体カバー部品78は、複数の突起78Aを有する。変形例の突起78Aは、周方向ZCに配列される。また、別の変形例の本体カバー部品78は、突起78Aを有していない。
・実施形態の本体カバー部品78においては、突起78Aの周方向ZCの寸法が本体カバー部品78の周方向ZCの寸法と等しい。一方、変形例の本体カバー部品78においては、突起78Aの周方向ZCの寸法が本体カバー部品78の周方向ZCの寸法よりも小さい。
・実施形態の本体カバー部品78は、周方向ZCの側面視において半円形状の突起78Aを有する。一方、変形例の本体カバー部品78は、周方向ZCの側面視において楕円形状または上方向ZA1に向かうにつれて内方向ZB1に傾斜する傾斜面として形成された突起78Aを有する。要するに、突起78Aは、磁気シールド60のシールド本体63を本体カバー部品78および集磁ホルダー70の外周面70Yの間に案内することができる形状であればよい。
・実施形態の端部カバー部品79は、センサーハウジング80の樹脂材料と同一の材料により形成される。一方、変形例の端部カバー部品79は、センサーハウジング80の樹脂材料とは異なる材料により形成される。変形例の端部カバー部品79は、磁気シールド60の線膨張係数と端部カバー部品79の線膨張係数との差が磁気シールド60の線膨張係数とセンサーハウジング80の線膨張係数との差よりも小さくなる材料により形成されることが好ましい。
・実施形態の端部カバー部品79は、集磁ホルダー70と個別に形成される。一方、変形例の端部カバー部品79は、集磁ホルダー70と一体に形成される。
・実施形態の端部カバー部品79は、突起79Aを有する。一方、変形例の端部カバー部品79は、複数の突起79Aを有する。変形例の突起79Aは、軸方向ZAにおいて配列される。また、別の変形例の端部カバー部品79は、突起79Aを有していない。
・実施形態の端部カバー部品79は、平面視において半円形状の突起79Aを有する。一方、変形例の端部カバー部品79は、平面視において楕円形状または周方向ZCにおいて端壁77Cに向かうにつれて内方向ZB1に傾斜する傾斜面として形成された突起79Aを有する。要するに、突起79Aは、磁気シールド60の各シールド端部61,62を端部カバー部品79および集磁ホルダー70の外周面70Yの間に案内することができる形状であればよい。
・実施形態の集磁ホルダー70は、本体カバー部品78および端部カバー部品79を有する。一方、変形例の集磁ホルダー70は、本体カバー部品78および端部カバー部品79のいずれかを有する。また、別の変形例の集磁ホルダー70は、本体カバー部品78および端部カバー部品79を有していない。
上記変形例の集磁ホルダー70において、端部カバー部品79を有していない場合、閉空間Sは、端壁77C、突起77E、集磁ホルダー70の外周面70Y、および第1シールド端部61の内方向ZB1側の角部分61Bにより形成される。このため、上記変形例の集磁ホルダー70においては、トルク検出装置30の温度変化にともない第1シールド端部61の内方向ZB1側の角部分61Bが端壁77Cの側面77Dを押し付けることが回避される。このため、トルク検出装置30の温度変化にともない集磁ホルダー70に大きな熱応力が加えられることが抑制される。
・実施形態の集磁ホルダー70は、センサーハウジング80と同一の樹脂材料により成形される。一方、変形例の集磁ホルダー70は、センサーハウジング80とは異なる樹脂材料により成形される。
・実施形態の集磁ユニット50は、1個の磁気シールド60を有する。一方、変形例の集磁ユニット50は、軸方向ZAにおいて、複数個に分割された磁気シールドを有する。変形例の集磁ホルダー70は、周方向ZCにおいて各磁気シールドのシールド端面に対向する端壁77Cの側面77Dに突起77Eが形成される。
・実施形態の第1集磁リング51は、離間部分52Aを有する。一方、変形例の第1集磁リング51は、離間部分52Aを有していない。すなわち、変形例の第1集磁リング51は、円環形状を有する。
・実施形態の第2集磁リング54は、離間部分55Aを有する。一方、変形例の第2集磁リング54は、離間部分55Aを有していない。すなわち、変形例の第2集磁リング54は、円環形状を有する。
・実施形態の集磁ユニット50は、集磁ホルダー70の保持凸部71に各集磁リング51,54が取り付けられる。一方、変形例の集磁ユニット50は、集磁ホルダー70が各集磁リング51,54と一体に成形される。変形例の集磁ホルダー70は、保持凸部71、上側貫通孔74、および下側貫通孔75を有していない。
・実施形態のトルク検出装置30は、2個の磁気センサー41を有する。一方、変形例のトルク検出装置30は、1個の磁気センサー41を有する。変形例の第1集磁リング51は、1個の集磁突起53を有する。変形例の第2集磁リング54は、1個の集磁突起56を有する。また、別の変形例のトルク検出装置30は、磁気センサー41としてホールICに代えてホール素子またはMR素子を有する。
・実施形態のステアリング装置1は、デュアルピニオンアシスト型の電動パワーステアリング装置としての構成を有する。一方、変形例のステアリング装置1は、コラムアシスト型、ピニオンアシスト型、ラックパラレル型、またはラック同軸型の電動パワーステアリング装置としての構成を有する。
・実施形態のステアリング装置1は、アシスト装置20を有する電動パワーステアリング装置としての構成を有する。一方、変形例のステアリング装置1は、アシスト装置20が省略された機械式のステアリング装置としての構成を有する。
要するに、ラックシャフトおよびピニオンシャフトを有するステアリング装置であれば、デュアルピニオンアシスト型以外の電動パワーステアリング装置、および電動パワーステアリング装置以外のステアリング装置についても本発明を適用することができる。